JP2017119689A - 毛髪処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】縮れ毛を緩和することができ、緩和した縮れ毛の位相が揃い、まとまりがよく、繰り返しシャンプーをしても毛髪処理後の毛髪形状をほぼ維持することができ、更に、処理後の毛髪を柔らかく、自然な軽さがあり、絡まりにくいものとすることができる毛髪処理方法の提供。
【解決手段】以下の工程を含む毛髪処理方法。
工程(i):毛髪に、成分(A)として無機性値250〜450かつ有機性値50〜250であるカルボン酸、又は当該カルボン酸の塩を含む第一の組成物を適用する工程
工程(ii):第一の組成物を適用した毛髪を15〜100℃で15秒〜60分放置する工程
工程(iii):工程(ii)の後、毛髪に成分(B)として分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩を含む第二の組成物を適用する工程
【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪処理方法に関する。
従来、縮れ毛を緩和したい場合、あるいは直毛化したい場合には、ストレートパーマ処理やリラクサー処理と呼ばれる処理を行うのが一般的である。ストレートパーマ処理では、毛髪内部のケラチンタンパク質が有するジスルフィド結合を、チオグリコール酸等の還元剤によって切断し、必要に応じて高温のヘアアイロン等も用いながら縮れ毛を強制的にストレート形状に変形した後、過酸化水素、臭素酸カリウム等の酸化剤で処理してジスルフィド結合を再度結合させている。また、リラクサー処理では、pH12〜14の強アルカリの毛髪処理剤によって、毛髪タンパク質のジスルフィド結合を切断しランチオニン結合に置換することで、強制的にストレート形状に変形・固定している。
しかし、これらの方法は強い化学反応や高温の熱を用いるため、毛髪に深刻なダメージを与える場合があることが知られている。このため、ストレートパーマ処理やリラクサー処理を行うことなく、非加熱で縮れ毛を矯正したり、毛髪のまとまりを与える方法が種々検討されている。
例えば特許文献1では、ピログルタミン酸、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸から選ばれる化合物とベンジルアルコール等の浸透促進剤とを含有し、酸性を呈する毛髪変形剤組成物をくせ毛に塗布し、40℃で1時間加温することで、くせ毛を損傷させることなく簡便に直毛化することができ、耐高湿性にも優れることが記載されている。
特許文献2では、2座又は3座のカルボン酸を4重量%以上含有し、pHが3以下の組成物を乾いた毛髪に塗布し、20分放置すると、毛髪が直毛化することが記載されている
特許文献3では、特定のカルボン酸、特定のスルホン酸及び有機溶剤を含有し、酸性を呈する組成物をくせ毛に塗布し、40℃で1時間加温することで、くせ毛を損傷させることなく簡便に直毛化することができ、湿度や洗髪によっても変形効果が失われることが無いことが開示されている。
特開平6-298629号公報 特表2015-517539号公報 特開平8-92043号公報
しかし、特許文献1〜3の方法では、縮れ毛が十分に緩和されない場合や、繰り返し洗髪することで縮れ毛が処理前の状態に戻ってしまう場合があった。特に特許文献1及び3では、室温で短時間に処理するという簡便な方法を採用しようとした場合に効果が得られないという問題があった。
また、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸はハリやコシを与え、髪を硬くすることが知られており(例えば特開2004-189727号公報)、また、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸も毛髪にハリやコシを与える化合物として知られている化合物である(例えば特開平05-229919号公報、特開平8-198732号公報等)。実際、特許文献1〜3の方法で毛髪を処理した場合、処理後の毛髪の柔らかさという点で不十分なものであった。また、コーカシアン毛等の細い毛髪に特許文献1〜3の処理を行った場合、毛髪が絡まりやすく、髪が取り扱いにくいという問題があった。
したがって、本発明は、縮れ毛を緩和することができ、緩和した縮れ毛の毛流れが揃い、まとまりがよく、繰り返しシャンプーをしても毛髪処理後の毛髪形状をほぼ維持することができ、更に、処理後の毛髪を柔らかく、自然な軽さがあり、絡まりにくいものとすることができる毛髪処理方法に関する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の酸と芳香族スルホン酸によって毛髪を所定の順番で処理することで、毛髪処理時間が短い場合であっても縮れ毛緩和効果が劇的に改善し、毛流れが揃い、かつ繰り返し洗髪しても緩和効果がほとんど変わらないことを見いだした。更に驚くべきことに、所定の順番で毛髪を処理すると、手触りが軽いだけでなく、処理後の毛髪が絡まりにくく、かつ、従来の知見とは逆に毛髪の感触が柔らかくなることを見いだし、発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法を提供するものである。
工程(i):毛髪に、成分(A)として無機性値が250以上450以下かつ有機性値が50以上250以下であるカルボン酸、又は当該カルボン酸の塩を含む第一の組成物を適用する工程
工程(ii):第一の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
工程(iii):工程(ii)の後、毛髪に成分(B)として分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩を含む第二の組成物を適用する工程
本発明の毛髪処理方法は、縮れ毛を緩和することができ、緩和した縮れ毛の毛流れが揃い、まとまりがよく、繰り返しシャンプーをしても毛髪処理後の毛髪形状をほぼ維持することができる。更に、処理後の毛髪を柔らかく、自然な軽さがあり、絡まりにくいものとすることができる。
〔第一の組成物〕
第一の組成物は、縮毛矯正用プレトリートメント剤である。
<成分(A):無機性値及び有機性値が特定範囲内であるカルボン酸、又は当該カルボン酸の塩>
成分(A)は、無機性値が250以上450以下でかつ有機性値が50以上250以下のカルボン酸、又は当該カルボン酸の塩である。なお、成分(A)における無機性値及び有機性値とは、カルボン酸についての無機性値及び有機性値をいう。すなわち、カルボン酸塩の場合には、その遊離酸についての無機性値及び有機性値を意味する。縮れ毛の緩和効果の強さ、処理後の毛髪の柔らかさ、及び毛髪のからまりにくさの観点から、無機性値は、好ましくは260以上、より好ましくは265以上であり、かつ、好ましくは420以下、より好ましくは400以下である。また、同様の観点から、有機性値は、好ましくは60以上、より好ましくは80以上であり、かつ、好ましくは200以下、より好ましくは180以下である。
なお、無機性値、有機性値は、有機概念図に基づく考え方であり、「有機概念図による乳化処方設計」(矢守;フレグランスジャーナル, 1989(4), P29〜38)に基づき、算出した値を用いる。
このようなカルボン酸としては、以下の一般式(A-1)で表されるカルボン酸、リンゴ酸、コハク酸及び乳酸から選ばれるカルボン酸が挙げられる。
Figure 2017119689
〔式中、R1は水素原子、酸素原子又は水酸基を示し、破線はR1が酸素原子である場合に二重結合となることを示し、nは0以上3以下の整数を示す。また、フェニル基及びメチレン鎖の一部が水酸基で置換されていてもよい。〕
一般式(A-1)で表されるカルボン酸としては、マンデル酸、フェニル乳酸等が挙げられる。これらのカルボン酸の具体的な無機性値及び有機性値を示せば、マンデル酸(265、160)、フェニル乳酸(265、180)、リンゴ酸(400、80)、コハク酸(300、80)、乳酸(250、60)である。なお、カッコ内の数値はそれぞれ無機性値及び有機性値を示す。
成分(A)としては、マンデル酸、フェニル乳酸、リンゴ酸、コハク酸及びこれらの塩が好ましい。なかでも、縮れ毛をより強く緩和する観点からは、リンゴ酸、マンデル酸、フェニル乳酸及びこれらの塩がより好ましく、リンゴ酸、フェニル乳酸及びこれらの塩がより好ましい。また、縮れ毛を緩和しつつ毛髪により一層柔らかな感触を与え、処理後の毛髪を絡まりにくくする観点からは、リンゴ酸及びその塩が好ましい。
以上のカルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、有機四級アンモニウム塩、アルギニン塩等が挙げられる。
これらのカルボン酸又はその塩は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第一の組成物中における成分(A)の含有量は、縮れ毛緩和効果及び縮れ毛緩和効果の耐洗髪性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
<成分(C):増粘剤>
第一の組成物は、縮れ毛をより強く緩和する観点から、更に成分(C)として増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤としては、アニオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、ノニオン性増粘剤等が挙げられる。
アニオン性増粘剤の具体例としては、ポリアクリル酸(Noveon社:カーボポール941、同981)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(Noveon社:カーボポールETD2020)、低級アルキルビニルエ―テル/無水マレイン酸共重合体の末端不飽和ジエン化合物による部分架橋ポリマーの加水分解物又はそのモノアルキルエステル(ASHLAND社:スタビリーゼ06、同QM)、カラギーナン(例えば、三菱レーヨン社:ソアギーナLX22、同ML210)、キサンタンガム(例えば、大日本住友製薬社:エコーガムT)、ウェランガム(例えば、三晶株式会社:K1C376、K1A96)、ヒドロキシプロピルキサンタンガム(例えば、大日本住友製薬社:ラボールガムEX)、テアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(例えば、セピック社:シマルゲルNS,セピノブEMT10)等が挙げられる。
カチオン性増粘剤としては、天然又は半合成のカチオン性多糖類、ポリマー鎖の側鎖にアミノ基若しくはアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む合成系ポリマー等が挙げられる。
カチオン性多糖類の具体例としては、カチオン化セルロース誘導体(例えば、ライオン社:レオガードG、同GP,ダウケミカル社:ユーケア ポリマーJR-125、同JR-400、同JR-30M、同LR-400、同LR-30M,アクゾノーベル社:セルコートH-100、同L-200)、カチオン化グアーガム誘導体(例えば、ソルベイ社:ジャガーC-13S、同C-17,DSP五協フード&ケミカル社:ラボールガムCG-M、同CG-M7、同CG-M8M)、ヒドロキシプロピルキトサン(例えば、一丸ファルコス社:キトフィルマーHV-10)、キトサン・dl-ピロリドンカルボン酸塩(例えば、ユニオン・カーバイド社:カイトマーPC)等が挙げられる。
ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はアンモニウム基を含む合成系カチオン性ポリマーとしては、トリアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、トリアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、ビニルアミン等を構成単位として含む合成系カチオン性ポリマーが挙げられ、具体例としては、メタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体(INCI名:ポリクオタニウム-37、例えばBASF社:コスメディア ウルトラジェル300、SALCARE SC95、Sigma 3V社:synthalen CR)、(アクリル酸/アクリル酸メチル/3-メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-47、例えばルーブリゾール社:マーコート2201)、(アクリル酸/アクリルアミド/メチルメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-53、例えばルーブリゾール社:マーコート2003)、(ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド)コポリマー(例えば、BASF社:Tinobis CD)、(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー(例えば、積水スペシャリティケミカル社:SEVOL ULTALUX AD、三菱化学社:Diafix C-601)等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む合成系カチオン性ポリマーの具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの重合体(INCI名:ポリクオタニウム-6、例えばルーブリゾール社:マーコート100)、(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリルアミド)コポリマー(INCIポリクオタニウム-7、例えばルーブリゾール社:マーコート550、同740)、(アクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-22、例えばルーブリゾール社:マーコート280、同295)、(アクリルアミド/アクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-39、例えばルーブリゾール社:マーコートプラス3330、同3331)等が挙げられる。
ノニオン性の増粘ポリマーとしては、天然又は半合成のノニオン性多糖類、ビニルアルコール又はオキシアルキレンを構成単位として含む合成系ノニオン性ポリマー等が挙げられる。
天然又は半合成のノニオン性多糖類の具体例としては、デンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン等の水溶性天然多糖類、及びセルロース、デンプン、グアーガム、ローカストビーンガム等にアルキレンオキサイドを反応させてなる水溶性ヒドロキシアルキル化多糖類等が挙げられる。具体例としては、グアーガム(例えば、DSP五協フード&ケミカル:ファイバロンS)、プルラン(例えば、林原社:プルランPI-20)等が挙げられる。ヒドロキシエチルセルロース(例えば、ダイセルファインケム社:SE-850,ダウケミカル社:セロサイズHEC QP-52000-H)、メチルヒドロキシエチルセルロース(アクゾノーベル社:STRUCTURE CELL 12000M)、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、日本曹達社:HPC-H、同HPC-M、同HPC-L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、信越化学工業社:メトローズ60SH-10000)等が挙げられる。
ビニルアルコール又はオキシアルキレンを構成単位として含む合成系ノニオン性増粘ポリマーの具体例としては、ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学社:ゴーセノールEG-40、同GH-05、同KH-20、同NH-26)、高重合度ポリエチレングリコール(例えばダウケミカル社:ポリオックスWSR N-60K、同WSR301、WSR303)、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(例えば、ADEKA社:アデカノールGT-700)等が挙げられる。
これらの増粘剤のうち、塗布後の水分揮散速度を抑制し、毛髪内への成分(A)の浸透を促進して縮れ毛の緩和効果を十分に発揮する観点から、天然又は半合成の多糖類が好ましく、キサンタンガム、ヒドロキシキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースがより好ましい。
これらの増粘剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第一の組成物中における増粘剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、かつ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
<成分(B):芳香族スルホン酸又はその塩>
第一の組成物には、後述する第二の組成物に含まれる有効成分である成分(B)を含まないこと、すなわち含有量が0質量%であることが好ましいが、成分(B)を含む場合、例えば第一の組成物中の0.0001質量%以上含む場合であっても、第一の組成物中における成分(B)の含有量は、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満である。
<成分(D):特定の有機溶剤>
第一の組成物には、更に成分(D)として、以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤を含有してもよい。
2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は水素原子ではない。〕
このような成分(D)としては、炭素数1以上4以下の1価のアルコール、R2が炭素数1以上5以下の直鎖又は分岐のアルキルでqが1以上5以下の整数であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。具体的にはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
縮れ毛の緩和効果を十分に発揮する観点から、第一の組成物中の成分(D)の含有量は少ない方が好ましく、成分(D)を含有しないこと(すなわち含有量が0質量%であること)がより好ましい。第一の組成物に成分(D)を含む場合(例えば第一の組成物中の0.0001質量%以上)であっても、第一の組成物中における成分(D)の含有量は、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満である。
<成分(E):芳香族アルコール>
第一の組成物には、更に後述する成分(E)を含有させることもできるが、縮れ毛の緩和効果を十分に発揮することと第一の組成物が均一な製剤であることを両立する観点から、成分(E)の含有量は、成分(D)の含有量が少なくても第一の組成物中に溶解できる程度の低濃度であることが好ましく、成分(E)を含有しないこと(すなわち含有量が0質量%であること)がより好ましい。第一の組成物に成分(E)を含む場合(例えば第一の組成物中の0.0001質量%以上)であっても、第一の組成物中における成分(E)の含有量は、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満である。
<界面活性剤>
また、第一の組成物には、更に界面活性剤を含有させることもできる。しかし、縮れ毛の緩和効果を十分に発揮することと第一の組成物が均一な製剤であることを両立する観点から、界面活性剤の含有量は、第一の組成物中に、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であり、更に好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
<溶媒>
第一の組成物は、水溶性である成分(A)を十分に毛髪内部に浸透させる観点から、水を溶媒とすることが好ましい。
<pH>
第一の組成物のpHは、毛髪化粧料として一般的に使用できる範囲であればどのような範囲でもよいが、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、かつ、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。縮れ毛の緩和効果を十分に発揮しつつ、毛髪や頭皮へのダメージをより一層低減する観点、及び第一の組成物を毛髪に塗布する際の感触を良好にし、組成物を毛髪に塗りやすくする観点からは、第一の組成物のpHは前記範囲の中でも、5超がより好ましく、6以上が更に好ましい。一方、縮れ毛をより一層緩和する観点からは、第一の組成物は酸性が好ましい。この縮れ毛の緩和効果を優先的に考慮した場合には、第一の組成物のpHは、好ましくは7以下、より好ましくは5以下であり、また、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である。また、成分(A)が塩でなく遊離酸である場合、縮れ毛をより一層緩和する観点からは、第一の組成物のpHは、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上であり、また好ましくは7以下、より好ましくは6以下である。なお、第一の組成物のpHは、希釈をせず、25℃の温度条件下においてpHメーターで測定した値とする。
〔第二の組成物〕
第二の組成物は主として毛髪内に浸透させる有効成分を含有する組成物である。
<成分(B):分子量300以下の芳香族スルホン酸又はその塩>
第二の組成物に含有する成分(B)の分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩としては、例えばナフタレンスルホン酸類、アズレンスルホン酸類、ベンゾフェノンスルホン酸類、ベンゼンスルホン酸類等が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017119689
〔式中、A1〜A8のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、低級アルコキシ基、ホルミル基、アシル基、置換基を有していてもよいフェニルアゾ基又は−N(R')(R'')(R'及びR''は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、フェニル基、ベンジル基又はアシル基)を示す。〕
このナフタレンスルホン酸類の具体例としては、1-又は2-ナフタレンスルホン酸(α-又はβ-ナフタレンスルホン酸)、2,7-ナフタレンジスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、2,6-ナフタレンジスルホン酸、1,3,6-ナフタレントリスルホン酸、1-ナフトール-2-スルホン酸、1-ナフトール-4-スルホン酸、2-ナフトール-6-スルホン酸、2-ナフトール-7-スルホン酸、1-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸、2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸、2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸、1,7-ジヒドロキシナフタレン-3-スルホン酸、クロモトロープ酸(4,5-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸)、3,6-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸、S酸(1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸)、ガンマ酸(2-アミノ-8-ナフトール-6-スルホン酸)、J酸(2-アミノ-5-ナフトール-7-スルホン酸)、H酸(1-アミノ-8-ナフトール-3,6-ジスルホン酸)、7-アミノ-1,3-ナフタレンジスルホン酸、1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸、1-ナフチルアミン-4-スルホン酸、ブロエナーズ酸(2-ナフチルアミン-6-スルホン酸)、クレーブズ酸(1-ナフチルアミン-7-スルホン酸)、2-ナフチルアミン-1-スルホン酸、1-ナフチルアミン-6-スルホン酸、1-ナフチルアミン-8-スルホン酸、4-アミノ-5-ヒドロキシ-8-フェニルアゾ-2,7-ナフタレンジスルホン酸、4-アミノ-8-(4-カルボキシフェニルアゾ)-5-ヒドロキシ-2,7-ナフタレンジスルホン酸、6-アミノ-4-ヒドロキシ-3-フニルアゾ-2-ナフタレンスルホン酸、4-アミノ-8-(4-カルボキシフェニルアゾ)-5-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸、7-アミノ-4-ヒドロキシ-1-フェニルアゾ-2-ナフタレンスルホン酸、8-アミノ-5-(4-カルボキシフェニルアゾ)-2-ナフタレンスルホン酸、4-アミノ-3-(4-カルボキシフェニルアゾ)-5-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸、6-アミノ-4-ヒドロキシ-5-フェニルアゾ-2-ナフタレンスルホン酸、2,7-ジアミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、7,8-ジアミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物(重量平均縮合度2〜100)、6-メチル-2-ナフタレンスルホン酸、4-エチル-1-ナフタレンスルホン酸、5-イソプロピル-1-ナフタレンスルホン酸、5-ブチル-2-ナフタレンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
アズレンスルホン酸類の具体例としては、例えばグアイアズレンスルホン酸、1-アズレンスルホン酸、3-アセチル-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-(2-ヒドロキシエチル)-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-メチル-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-フェニル-6-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、1,4-ジメチル-7-イソプロピル-2-アズレンスルホン酸、4-エトキシ-3-エチル-6-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、1,3-アズレンジスルホン酸、4,6,8-トリメチル-1,3-アズレンジスルホン酸、1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-5,7-アズレンジスルホン酸、1,3-ビス(1,1-ジメチルエチル)-5-アズレンスルホン酸、3-ホルミル-4,6,8-トリメチル-1-アズレンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ベンゾフェノンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017119689
〔式中、A11〜A20のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基又はアシル基を示す。〕
このベンゾフェノンスルホン酸類の具体例としては、オキシベンゼンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸、o-クロロベンゾフェノンスルホン酸、p-クロロベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジクロロベンゾフェノンスルホン酸、2,4'-ジクロロベンゾフェノンスルホン酸、2,4-ジクロロベンゾフェノンスルホン酸、2-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、2-アミノベンゾフェノンスルホン酸、4-アミノベンゾフェノンスルホン酸、2-メチルベンゾフェノンスルホン酸、4-メトキシベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジメチルベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジメトキシベンゾフェノンスルホン酸、4-クロロ-4'-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ベンゼンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017119689
〔式中、A21〜A26のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、低級アルキル基を示す。〕
ベンゼンスルホン酸類の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
以上の芳香族スルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、有機四級アンモニウム塩等が挙げられる。
成分(B)の芳香族スルホン酸又はその塩としては、縮れ毛を一層強く緩和し、かつ柔らかい感触を与え、毛髪を絡まりにくくする観点から、一般式(1)で表されるナフタレンスルホン酸類、一般式(3)で表されるベンゾフェノンスルホン酸類、一般式(4)で表されるベンゼンスルホン酸類が好ましく、更には2-ナフタレンスルホン酸(β-ナフタレンスルホン酸)、1-ナフタレンスルホン酸(α-ナフタレンスルホン酸)、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(オキシベンゾン-5)及びそれらの塩がより好ましい。なかでも、上記観点から、1-又は2-ナフタレンスルホン酸(α-又はβ-ナフタレンスルホン酸)又はその塩が更に好ましい。
これらの芳香族スルホン酸又はその塩は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(B)の含有量は、縮れ毛緩和効果及び縮れ毛緩和効果の耐シャンプー性(耐洗髪性)の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
<成分(E):芳香族アルコール>
第二の組成物は、縮れ毛の緩和効果の強さと、毛髪の絡まりにくさを両立する観点から、更に成分(E)として芳香族アルコールを含有することができる。このような芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p-アニシルアルコール、p-メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。これらのうち、芳香族スルホン酸との相溶性の観点から、ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノールが好ましく、ベンジルアルコールがより好ましい。
これらの芳香族アルコールは、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(E)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上であり、かつ、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
第二の組成物において、成分(E)に対する成分(B)の質量比(B)/(E)は、縮れ毛緩和効果を顕著にする観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.35以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、更に好ましくは1.2以上であり、かつ、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.8以下、更に好ましくは1以下、更に好ましくは0.75、更に好ましくは0.6以下である。
<成分(F):高分子界面活性剤>
第二の組成物は、縮れ毛緩和効果をより顕著にする観点から、更に成分(F)として高分子界面活性剤を含有することもできる。
このような高分子界面活性剤としては、ポリシリコーン-9のようなオキサゾリン変性シリコーンや、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン型界面活性剤が好ましい。ポリエーテル変性シリコーンとしては、ポリオキシエチレン変性シリコーン、ポリオキシプロピレン変性シリコーン、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられ、変性の形式としてはペンダント型(側鎖変性型)、直鎖共重合型等が挙げられる。
ペンダント型(側鎖変性型)ポリエーテル変性シリコーンとしては、KF-6011、KF6103、KF6015、KF6028(信越化学工業社)SH3771M、SH3772M、SM3775M(東レダウコーニング社)、Silwet L-7622、Silsoft 880(モメンティブ社)等のジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体;SF1528、SF1540(モメンティブ社)等のジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体;KF1062(信越化学工業社)、Silsoft 440(モメンティブ社)等のジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体等が挙げられる。
直鎖共重合型ポリエーテル変性シリコーンとしては、FZ-2222、FZ-2233、CB2250(東レ・ダウコーニング社)等のポリシリコーン-13;Silwet L-8600(モメンティブ社)等のPEG-12 ジメチコン、Silsoft 900(モメンティブ社)等のPPG-12 ジメチコン;Silsoft 860(モメンティブ社)等のPEG-10 ジメチコン等が挙げられる。
このようなポリエーテル変性シリコーンのうち、得られた組成物と毛髪との親和性及び成分(B)の毛髪内部への浸透性の観点から、ペンダント型(側鎖変性型)ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。またそのなかでもHLBが10以下であるものが好ましく、8以下、更には6以下であるものが好ましく、また、1以上であるものが好ましい。
これらの高分子界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(F)の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、かつ、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
<成分(C):増粘剤>
第二の組成物には、更に前述の成分(C)の増粘剤を含有させることができる。増粘剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における増粘剤の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、かつ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
<成分(D):有機溶剤>
第二の組成物には、更に前述の成分(D)を含有させることもできるが、このような成分が系中に多く共存すると、成分(B)芳香族スルホン酸と成分(E)芳香族アルコールとの相互作用により向上した縮れ毛の緩和効果を損なう場合があるので、これを阻害しない濃度範囲に抑制することが好ましい。具体的には、成分(D)は、成分(B)と成分(E)の合計に対する成分(D)の質量比(D)/[(B)+(E)]が好ましくは0.3以下となる範囲で含有することができる。質量比(D)/[(B)+(E)]は、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下である。更には、質量比(D)/[(B)+(E)]が0であること、すなわち成分(D)を含まないことが好ましい。
また、第二の組成物中における成分(D)の含有量は、上記と同様の観点より、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
<多価アルコール>
第二の組成物には、更に多価アルコールを含有させることができる。多価アルコールとしては、炭素数2〜20のもの、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;キシリット、マンニット、ガラクチット、ソルビット等の糖アルコール類;その他トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
多価アルコールは2種以上を併用してもよい。また、第二の組成物中における多価アルコールの含有量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
<溶媒>
第二の組成物も水を溶媒とすることが好ましい。
<pH>
第二の組成物のpHは、毛髪化粧料として一般的に使用できる範囲であればどのような範囲でもよいが、毛髪や頭皮へのダメージを与えない観点から、pH3以上10以下であることが好ましい。縮れ毛の緩和効果を十分に発揮しつつ、第二の組成物を毛髪に塗布する際の感触を良好にし、組成物を毛髪に塗りやすくする観点からは、第二の組成物のpHは5以上8以下がより好ましい。なお、第二の組成物のpHは、イオン交換水で10倍希釈したものを、25℃の温度条件下においてpHメーターで測定した値とする。
<第二の組成物の製造方法>
第二の組成物は公知の任意の方法で調製することができるが、成分(B)、成分(E)、成分(F)及び水を含有する場合には、本発明の効果を一層向上させる観点から、以下の工程を含む方法で第二の組成物を得ることが好ましい。
工程A:成分(B)と成分(E)と水とを混合し組成物を得る。
工程B:工程Aで得られた組成物と、成分(F)とを混合し、第二の組成物を得る。
第一の組成物、第二の組成物とも、毛髪への科学的ダメージを抑制する観点から、更に毛髪還元剤を実質的に含有しないことが好ましい。本発明は、毛髪内の蛋白質のS−S結合の切断によらず毛髪の変形を可能とした点に特徴があり、還元剤を用いて毛髪内の蛋白質のS−S結合を切断することで毛髪を変形させるパーマ剤とは全く異なる技術である。毛髪還元剤としては、チオグリコール酸、ジチオグリコール酸、システイン、アセチルシステイン等のチオール、亜硫酸水素及びその塩が挙げられる。
なお、本発明において、「実質的に含有しない」とは、毛髪変形処理剤中における対象化合物の含有量が、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満であることをいい、更に好ましくは、毛髪変形処理剤中に対象化合物を含有しないことをいう。
また、以上述べた第一の組成物と第二の組成物とを含む毛髪処理キットの形態とすることも好ましい。すなわち、成分(A)として無機性値が250以上450以下かつ有機性値が50以上250以下であるカルボン酸又は当該カルボン酸の塩を含む第一の組成物と、成分(B)として分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩を含む第二の組成物とを含む毛髪処理キットの形態とすることができる。
〔毛髪処理方法〕
本発明の毛髪処理は、以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法により行うことができる。
工程(i):毛髪に第一の組成物を適用する工程
工程(ii):第一の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
工程(iii):工程(ii)の後、毛髪に第二の組成物を適用する工程
工程(i)の前に、毛髪損傷を防止する観点から、手や、くし、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解くことが好ましい。また、工程(i)の前に、毛髪を洗浄しても、洗浄しなくてもよいが、毛髪を洗浄する工程を含む場合、洗浄には市販のシャンプー等を使用することができる。
<工程(i):毛髪に第一の組成物を適用する工程>
工程(i)において、第一の組成物は乾燥した毛髪に対して適用しても、濡れた毛髪に対して適用してもよいが、乾燥した毛髪に適用することが好ましい。
工程(i)において毛髪に適用する第一の組成物の量は、毛髪の質量に対する浴比(第一の組成物の質量/毛髪の質量)で、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.25以上であり、かつ、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.25以下、更に好ましくは1.0以下である。処理の対象となる毛髪は、頭髪の全部でも、その一部でも構わない。
第一の組成物を毛髪に適用後、頭髪全体になじませるには、毛髪に組成物を揉み込む、毛髪に手グシを通す等の手を用いる方法;刷毛、くし、ブラシ等の道具を用いる方法、及びその両者の組み合わせ等によればよい。
<工程(ii):第一の組成物を適用した毛髪を放置する工程>
工程(ii)で放置する際の温度は、15℃以上であって、かつ、100℃以下であって、好ましくは60℃以下、より好ましくは30℃以下である。毛髪処理の際に特別な装置を必要とせず、簡便に処理する点からは、15℃以上30℃未満、すなわち室温であることが好ましい。一方、放置時間をより短くする観点からは、ヒーター等で加温しながら放置することもでき、この場合の温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上であり、かつ、100℃以下、より好ましくは60℃以下である。
本発明において、工程(ii)における放置時間は、第一の組成物を適用した毛髪を放置する工程後、次の工程、すなわち放置する工程以外の工程までの時間を意味する。
第一の組成物の適用後、工程(ii)において放置する時間は、縮れ毛を緩和しつつ毛髪により一層柔らかな感触を与え、処理後の毛髪を絡まりにくくする観点から、15秒以上であって、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上更に好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上であり、かつ、60分以下であって、好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下である。前述のようにヒーター等で加熱しながら放置する場合には、放置時間をより一層短くすることができ、この場合の放置時間は、15秒以上であって、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上更に好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上であり、かつ、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは10分以下である。
一般的に、毛髪内への成分の浸透は加熱条件下で長時間放置した方が有利であるところ、本発明は室温下短時間放置であっても発明の効果が得られる点で優れている。
工程(ii)は、水分の蒸発が抑制される環境下で行われることが好ましい。水分の蒸発を抑制する具体的手段としては、第一の組成物が適用された毛髪を、プラスチックフィルム、キャップ等で覆う方法、過熱水蒸気等の水蒸気を毛髪に継続的に噴霧する方法等が挙げられる。
工程(ii)の後、工程(iii)の前に毛髪から第一の組成物をすすぎ流してもよく、すすぎ流さなくてもよい。また、工程(ii)の後、工程(iii)の前に毛髪をすすぎ流す場合は、すすぎ流した後、工程(iii)を行う前に毛髪は乾燥させてもよく、乾燥させなくてもよい。また、すすぎ流した後、工程(iii)を行う前に、手や、くし、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解いても、解かなくてもよい。
<工程(iii):毛髪に第二の組成物を適用する工程>
工程(iii)において、毛髪に適用する第二の組成物の量は、毛髪の質量に対する浴比(毛髪化粧料組成物の質量/毛髪の質量)で、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、かつ、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.25以下、更に好ましくは1.0以下である。処理の対象となる毛髪は、頭髪の全部でも、その一部でも構わないが、第一の組成物を適用した部分に第二の組成物を適用することが好ましい。
第二の組成物を毛髪に適用後、頭髪全体になじませるには、毛髪と剤をもみ込む、手グシを通す等の手を用いる方法、刷毛、くし、ブラシ等の道具を用いる方法、及びその両者の組み合わせ等によればよい。また、本発明は工程(ii)の後、工程(iii)の前に、毛髪を洗浄する工程を有していてもよい。
本発明の毛髪処理方法においては、前記工程(i)、工程(ii)、工程(iii)を順に行う方法のみならず、工程(i)、工程(ii)、工程(iii)の2つ又は3つの工程を同時に行う態様をも含むものである。
すなわち、工程(i)において、第一の組成物を毛髪の一部に適用し、該組成物の適用箇所に工程(ii)における放置をする工程を行いつつ、第一の組成物が適用されていない毛髪の一部の箇所に、第一の組成物を適用する工程(i)を行ってもよい。その後更に、第一の組成物が適用されていない毛髪の一部の箇所に第一の組成物を適用する工程(i)を行う場合には、工程(ii)を終えた毛髪の箇所には工程(iii)が行われ、工程(i)を終えた毛髪の箇所には工程(ii)が行われる。この場合は、工程(i)、工程(ii)、工程(iii)が同時に行われることになる。
<工程(iv):第二の組成物を適用した毛髪を放置する工程>
本発明は工程(iii)の後に、毛髪をすすぎ流しても、すすぎ流さなくてもよいが、処理後の毛髪の手触りの軽さ、絡まりにくさを良好にする観点から、すすぎ流した方が好ましい。また、本発明は工程(iii)の後に、毛髪を洗浄する工程を有していてもよい。
工程(iii)の後に、毛髪をすすぎ流す場合には、本発明の効果を十分に得る観点から工程(iii)と、毛髪をすすぎ流す工程の間に、更に工程(iv)として、第二の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で1分以上60分以下放置する工程を含むことが好ましい。
本発明において、工程(iv)における放置時間は、第二の組成物を適用した毛髪を放置する工程後、次の工程、すなわち放置する工程以外の工程までの時間を意味する。
工程(iv)で放置する際の温度は15℃以上であって、かつ、100℃以下であって、好ましくは60℃以下、より好ましくは30℃以下である。毛髪処理の際に特別な装置を必要とせず、簡便に処理する点からは、15℃以上30℃未満、すなわち室温であることが好ましい。一方、放置時間をより短くする観点からは、ヒーター等で加温しながら放置することもでき、この場合の温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上であり、かつ、100℃以下、より好ましくは60℃以下である。
第二の組成物の塗布後、工程(iv)において放置する時間は、くせ毛を緩和しつつ毛髪に柔らかな感触を与え、毛髪の毛流れをそろえ、まとまりを与える観点から、1分以上であって、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上であり、かつ、60分以下であって、好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下である。前述のようにヒーター等で加熱しながら放置する場合には、放置時間をより一層短くすることができ、この場合の放置時間は、1分以上であって、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上であり、かつ、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは10分以下である。
一般的に、毛髪内への成分の浸透は加熱条件下で長時間放置した方が有利であるところ、本発明は室温下短時間放置であっても発明の効果が得られる点で優れている。
本発明の毛髪処理方法では、第一の組成物をあらかじめ毛髪に適用することで毛髪の特性が変化すること、及び成分(B)の毛髪内部への浸透が促進されることにより、このような効果が得られるものと推測する。
工程(iv)は、水分の蒸発が抑制される環境下で行われることが好ましい。水分の蒸発を抑制する具体的手段としては、第二の組成物が適用された毛髪を、プラスチックフィルム、キャップ等で覆う方法、過熱水蒸気等の水蒸気を毛髪に継続的に噴霧する方法等が挙げられる。
また、工程(iv)の後に毛髪をすすぎ流す工程を行う場合、その後に毛髪を洗浄する工程を含むことができる。毛髪を洗浄する工程を含む場合、洗浄には市販のシャンプー等を使用することができる。また、毛髪の洗浄後には市販のコンディショナー、トリートメント等で処理する工程を含むことができる。
毛髪をすすぎ流す工程の後に毛髪を乾燥させても、乾燥させなくてもどちらでもよいが、毛髪へのダメージを防ぐ観点から、乾燥させることがより好ましい。乾燥は、自然乾燥、ドライヤー等による加熱乾燥等により行うことができるが、施術時間の短縮の観点から、加熱乾燥が好ましい。また、まとまり性をより向上し、毛髪損傷を防止する観点から、乾燥工程前乾燥工程中及び/又は乾燥工程後に、適宜毛髪を手や、くし、ブラシ等の道具を用いて絡まりを解くことが好ましい。
<工程(v):加熱工程>
毛髪の根元から毛先までほとんど広がりの無い、まっすぐなヘアスタイルにしたい場合には、工程(iv)の後、更に工程(v)として毛髪を加熱する工程を行うことが好ましい。加熱温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、かつ、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下である。加温方法としては、ヘアアイロン、電熱ロッド、ホットカーラー等を用いる方法が挙げられ、ヘアアイロンを用いて毛髪の根元から毛先に向かってスライドさせて直毛化する方法がより好ましい。
また、工程(iv)と工程(v)の間に、毛髪をすすぎ流しても、すすぎ流さなくてもよいが、縮れ毛の矯正効果、施術時間の短縮の観点からは、すすぎ流さないことが好ましい。また、工程(iv)と工程(v)の間に、毛髪を乾かしても乾かさなくてもよいが、毛髪のダメージを抑制する観点からは、ドライヤー等で水分を低減し、その後工程(v)を行うことが好ましい。また、毛髪損傷を防止する観点から、工程(v)を行う前に、毛髪を手や、くし、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解くことが好ましい。工程(i)から工程(iv)までの処理を行った後、工程(v)で形付けを行った場合には、繰り返し洗髪しても毛髪の形状はほぼ工程(v)で行った形付けの状態を維持することができる。
一方、毛髪へのダメージをより一層低減し、特別な装置が無くても簡便に縮れ毛を緩和し、毛髪の毛流れが揃った、自然なまとまりのあるヘアスタイルにする観点からは、工程(v)を含まないことが好ましい。工程(iv)の後、工程(v)を含まない場合であっても、その後の洗髪による毛髪形状の変化はほとんど無く、繰り返し洗浄しても縮れ毛が緩和され、毛髪の毛流れの揃った自然でまとまりのある柔らかな毛髪のままである点で有利である。
本発明の毛髪処理方法は、第一の組成物を毛髪に適用した後、又は第二の組成物を毛髪に適用した後、これらの組成物を毛髪上から除去するまでの間に、くし、ブラシ等、外力によって毛髪にテンションを与えなくても十分な縮れ毛緩和効果を得ることができる。
このように加熱したり、外力により毛髪形状を強制的に変形することなく、すなわち毛髪を変形させるために有利な操作を行わなくとも、自発的に縮れ毛が緩和し、本発明の効果が得られる点で本発明の毛髪処理方法は優れている。
一方、第一の組成物を毛髪に適用した後、又は第二の組成物を毛髪に適用した後、より好ましくは第一の組成物を毛髪に適用した後、これらの組成物を毛髪上から除去するまでの間に、くし、ブラシ等、外力によって毛髪にテンションを与えることで、より一層毛髪の縮れ毛を緩和することもできる。
本発明の毛髪処理方法は、還元剤を用いたパーマ処理や、強アルカリ性の毛髪処理剤を用いたいわゆるリラクサー処理とは全く異なる原理によって毛髪を縮れ毛の形状を緩和することを可能とする技術であるので、還元剤を含む毛髪処理剤やpH12〜14の毛髪処理剤を髪に適用するステップは含まない。このため、本発明の毛髪処理方法は、髪を傷めることなく毛髪を変形させることができる。
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
<1> 以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法。
工程(i):毛髪に、成分(A)として無機性値が250以上450以下かつ有機性値が50以上250以下であるカルボン酸、又は当該カルボン酸の塩を含む第一の組成物を適用する工程
工程(ii):第一の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
工程(iii):工程(ii)の後、毛髪に成分(B)として分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩を含む第二の組成物を適用する工程
<2> 好ましくは、成分(A)が以下の一般式(A-1)で表されるカルボン酸、リンゴ酸、コハク酸及び乳酸から選ばれるカルボン酸又はその塩である<1>に記載の毛髪処理方法。
Figure 2017119689
〔式中、R1は水素原子、酸素原子又は水酸基を示し、破線はR1が酸素原子である場合に二重結合となることを示し、nは0以上3以下の整数を示す。また、フェニル基及びメチレン鎖の一部が水酸基で置換されていてもよい。〕
<3> 第一の組成物中における成分(A)の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である<1>又は<2>に記載の毛髪処理方法。
<4> 好ましくは、第一の組成物中に更に成分(C)として増粘剤を含有する<1>〜<3>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<5> 第一の組成物中における成分(D)以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤の含有量が、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満、更に好ましくは0質量%である<1>〜<4>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は水素原子ではない。〕
<6> 第一の組成物中における成分(E)芳香族アルコールの含有量が、好ましくは5質量%未満、より好ましくは2質量%未満、更に好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0質量%である<1>〜<5>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<7> 第一の組成物中における成分(B)の含有量が、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満、更に好ましくは0質量%である<1>〜<6>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<8> 第一の組成物を希釈をせずに測定した25℃におけるpHが、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、かつ、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である<1>〜<7>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<9> 第一の組成物を希釈をせずに測定した25℃におけるpHが、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、かつ好ましくは7以下、より好ましくは5以下である<1>〜<7>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<10> 成分(A)が遊離酸であって、第一の組成物を希釈をせずに測定した25℃におけるpHが、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上であり、かつ好ましくは7以下、より好ましくは6以下である<1>〜<7>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<11> 成分(B)が、ナフタレンスルホン酸類、アズレンスルホン酸類、ベンゾフェノンスルホン酸類、ベンゼンスルホン酸類から選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<10>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<12> 第二の組成物中における成分(B)の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上であり、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である<1>〜<11>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<13> 好ましくは、第二の組成物に更に成分(E)芳香族アルコールを含有する<1>〜<12>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<14> 第二の組成物中における成分(E)の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上であり、かつ、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である<13>に記載の毛髪処理方法。
<15> 好ましくは、第二の組成物に以下の成分(E)及び(F)を含有する<1>〜<14>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
成分(E):芳香族アルコール 第二の組成物中の好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上、かつ、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下
成分(F):高分子界面活性剤 第二の組成物中の好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、かつ、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下
<16> 第二の組成物中における成分(B)と成分(E)の合計量に対する成分(D)以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤の質量比(D)/[(B)+(E)]が、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下、更に好ましくは0である<13>〜<15>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は水素原子ではない。〕
<17> 好ましくは、第二の組成物をイオン交換水で10倍希釈したときの25℃におけるpHが、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、かつ、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である<1>〜<16>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<18> <1>〜<10>のいずれかに記載の第一の組成物と、<1>及び<11>〜<17>のいずれかに記載の第二の組成物とを含む、毛髪処理キット。
<19> 好ましくは工程(i)において、乾燥した毛髪に第一の組成物を塗布する<1>〜<17>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<20> 工程(ii)において、15℃以上30℃未満の温度で15秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、更に好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、かつ好ましくは60分以下、より好ましくは45分以下、更に好ましくは30分以下放置する<1>〜<17>及び<19>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<21> 工程(ii)において、30℃以上100℃以下の温度で15秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、更に好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上、かつ好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、より好ましくは10分以下放置する<1>〜<17>及び<19>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<22> 工程(ii)の後、工程(iii)の前にすすぎ流す工程を含まない<1>〜<17>及び<19>〜<21>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<23> 工程(ii)の後、工程(iii)の前にすすぎ流す工程を含む<1>〜<17>及び<19>〜<21>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<24> 好ましくは工程(iii)の後、毛髪をすすぎ流す工程を含み、工程(iii)と毛髪をすすぎ流す工程の間に、更に工程(iv)を含む、<1>〜<17>及び<19>〜<23>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
工程(iv):第二の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で1分以上60分以下放置する工程
<25> 工程(iv)において、15℃以上30℃未満の温度で1分以上、より好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、かつ好ましくは60分以下、より好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下放置する<24>に記載の毛髪処理方法。
<26> 工程(iv)において、30℃以上100℃以下の温度で1分以上、より好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、かつ好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、より好ましくは10分以下放置する<24>に記載の毛髪処理方法。
<27> 好ましくは、工程(iv)の後に、工程(v)として好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、かつ、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下の温度で加熱する工程を含まない<24>〜<26>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<28> 好ましくは、工程(iv)の後に、工程(v)として好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、かつ、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下の温度で加熱する工程を含む<24>〜<26>のいずれかに記載の毛髪処理方法。
<29> 成分(A)として以下の一般式(A-1)で示されるカルボン酸又はその塩を含有し、25℃におけるpHが、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、かつ、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である縮毛矯正用プレトリートメント剤。
Figure 2017119689
〔式中、R1は水素原子、酸素原子又は水酸基を示し、破線はR1が酸素原子である場合に二重結合となることを示し、nは0以上3以下の整数を示す。また、フェニル基及びメチレン鎖の一部が水酸基で置換されていてもよい。〕
<30> 成分(A)の含有量が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である<29>に記載の縮毛矯正用プレトリートメント剤。
<31> 以下の成分(A)及び(C)を含有する縮毛矯正用プレトリートメント剤。
成分(A):リンゴ酸、乳酸、コハク酸又はこれらの塩 好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下
成分(C):増粘剤
<32> 25℃におけるpHが、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、かつ好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である<31>に記載の縮毛矯正用プレトリートメント剤。
<33>
以下の成分を含有する毛髪化粧料。
成分(B):分子量300以下の芳香族スルホン酸又はその塩 好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上、かつ、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下
成分(E):芳香族アルコール 好ましくは5質量%以上、より好ましくは7.5質量%以上、かつ、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下
成分(F):高分子界面活性剤 好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、かつ、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下
<34> 成分(B)と成分(E)の合計量に対する(D)以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤の質量比(D)/[(B)+(E)]が、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下、更に好ましくは0である<33>に記載の毛髪化粧料。
2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は水素原子ではない。〕
<35> 成分(E)に対する成分(B)の質量比(B)/(E)が、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.35以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、更に好ましくは1.2以上であり、かつ、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.8以下、更に好ましくは1以下、更に好ましくは0.75以下、更に好ましくは0.6以下である<33>又は<34>に記載の毛髪化粧料。
[評価用毛束]
化学的処理履歴の無いコーカシアン人のカーリー毛を用いて、毛髪を引っ張ってまっすぐに伸ばした際の長さが30cm、重さが0.5gの毛束を作製した。この毛束を、以下に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した後、以下に処方を示すモデルリンスを塗布し、すすぎ流した後に、タオルで余分な水分を拭き取り、実験室条件下で2時間自然乾燥した後の毛束を評価に用いた。
(モデルシャンプーの組成)
成分 (質量%)
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.1
安息香酸ナトリウム 0.5
オキシベンゾン 0.03
リン酸 0.075
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.8
赤色106号 0.00012
香料 0.26
精製水 バランス
合計 100
(モデルリンスの組成)
成分 (質量%)
セテアリルアルコール 2.0
ステアルトリモニウムクロリド 0.76
ジステアリルジモニウムクロリド 2.7
プロピレングリコール 5.0
イソプロパノール 0.6
エチルパラベン 0.1
イオン交換水 バランス
合計 100
[実施例1〜3、比較例1〜4]
以下の表1に示す処理剤A,B及びCを調製した。これらの処理剤を用いて評価用毛束を以下に示す実施例1〜3、比較例1〜4の手順で毛髪処理を行い、それぞれの手順での「くせ緩和効果」、「くせ緩和効果の耐洗髪性」、「処理後の毛髪の手触りの軽さ」、「処理後の毛髪の柔らかさ」、「処理後の毛束の絡まりにくさ」を評価した結果を表2に示す。
なお、各処理剤のpHは調整した組成物を室温(25℃)において、処理剤Aと処理剤Cはそのまま、処理剤Bはイオン交換水で10倍希釈したものをpHメーター(堀場製作所社製、pHメーター F-21)で測定した。
Figure 2017119689
<実施例1>
乾燥した評価用毛束に第一の組成物として処理剤Aを0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に第二の組成物として処理剤Bを0.5g塗布しなじませた後に再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後に、30秒すすぎ流した。次いで、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませた後、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
<実施例2>
乾燥した評価用毛束に第一の組成物として処理剤Aを0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に第二の組成物として処理剤Bを0.5g塗布しなじませた後に再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
<実施例3>
乾燥した評価用毛束に第一の組成物として処理剤Aを0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に第二の組成物として処理剤Bを0.5g塗布しなじませた後に再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
その後、ラップを外し、ドライヤー(National、EH646)の温風を2分間あて、毛束を完全に乾燥させた後、毛束を加熱した。加熱は実測温度200℃のフラットアイロン(GOLDWELL社製、VOSSGF)で毛束の根元付近を挟み、6cm/secの速度で根元から毛先方向にスライドする操作を3回行った。アイロンの温度はYOKOGAWA社製TX10を用いて測定した。
次いで、フラットアイロンで加熱した毛束を40℃の水道水で30秒すすいだ後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後、30秒すすぎ流した。更に、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませた後、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いで、この毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
<比較例1>
実施例1で第二の組成物として処理剤Bを用いる代わりにイオン交換水を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
<比較例2>
実施例1で第一の組成物として処理剤Aを用いる代わりにイオン交換水を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
<比較例3>
乾燥した評価用毛束に処理剤Bを0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に処理剤Aを0.5g塗布しなじませた後に再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後に、30秒すすぎ流した。次いで、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませた後、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いで、この毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
<比較例4>
乾燥した評価用毛束に処理剤Cを0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後に、30秒すすぎ流した。次いで、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いで、この毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
[評価項目]
<くせ緩和効果>
上記処理前の毛髪を引っ張ってまっすぐに伸ばした際の毛束の長さ(30cm)をL、自然乾燥後の処理前の評価用毛束の長さをL0、処理後に自然乾燥した後の毛束の長さをL1とし、くせ緩和度(%)を下記式1に従って求めた。なお、L0とL1は、毛束を上から吊り下げ、引っ張ることなく測定した長さである。この結果を表2に示す。
(式1) くせ緩和度=(L1−L0)/(L−L0)×100
<くせ緩和効果の耐洗髪性>
処理後の毛髪に対して、40℃の水道水で30秒濡らした後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後に、30秒すすぎ流した。次いで、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでタオルドライ後、ドライヤー(National、EH646)を用いて2分間乾燥させた。この処理フローを洗髪1回分として、3回処理を繰り返した後の毛髪を、水に3分浸漬させた後に、タオルドライをし、室温で2時間自然乾燥した。
洗髪処理後に自然乾燥した後の毛束の長さをL2とし、くせ緩和持続度(%)を下記式2に従って求めた。なお、L2は、毛束を上から吊り下げ、引っ張ることなく測定した長さである。この結果を表2に示す。
(式2) くせ緩和持続度=(L2−L0)/(L1−L0)×100
<処理後の毛髪の手触りの軽さ>
処理後の毛髪の手触りの軽さについて、以下に示すモデルトリートメント処理毛を基準毛として、7名のパネラーに「基準毛より軽い」/「どちらともいえない」/「基準毛より重い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「基準毛より軽い」/「どちらともいえない」/「基準毛より重い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
基準となるモデルトリートメント処理毛髪は、評価毛束をモデルシャンプーで洗浄した後、以下に処方を示すモデルトリートメントを1g塗布し、30分静置後、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後に、タオルで余分な水分を拭き取り、室温で2時間自然乾燥した後の毛束を評価に用いた。
(モデルトリートメントの組成)
成分 (質量%)
ステアリルアルコール 6.9
ステアロキシプロピルジメチルアミン(*1) 2.0
ヒマワリ種子油 1.5
ヒドロキシステアリン酸水添ヒマシ油(*2) 0.1
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル(*3) 0.4
ラノリン脂肪酸 0.18
ジメチコン 3.2
アモジメチコン 0.3
ビスイソブチルPEG-15/アモジメチコン)コポリマー 0.08
乳酸 1.3
ジプロピレングリコール 3.5
ベンジルアルコール 0.4
香料 0.45
イオン交換水 バランス
合計 100
*1:ファーミンDM E-80(花王社製)
*2:テクノールMH(横関油脂工業社製)
*3:コスモール168ARV(日清オイリオ社製)
<毛髪の柔らかさ>
処理後の毛髪の柔らかさについて、7名のパネラーに「処理前の毛髪より柔らかい」/「どちらともいえない」/「処理前の毛髪より硬い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「処理前の毛髪より柔らかい」/「どちらともいえない」/「処理前の毛髪より硬い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<毛髪の絡まりにくさ>
処理後の毛髪の絡まりにくさについて、7名のパネラーに「処理前より絡まりにくい」/「どちらともいえない」/「処理前より絡まりやすい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「処理前より絡まりにくい」/「どちらともいえない」/「処理前より絡まりやすい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
Figure 2017119689
[実施例4〜18、比較例5〜6]
表3に示す実施例4〜18、比較例5〜6の処理剤A及び処理剤Bを調製した。
第一の組成物として処理剤Aを、第二の組成物として処理剤Bを用い、実施例1と同様の手順で評価用毛束の処理を行い、「くせ緩和効果」、「くせ緩和効果の耐洗髪性」、「処理後の毛髪の手触りの軽さ」、「処理後の毛髪の柔らかさ」、「処理後の毛束の絡まりにくさ」を評価した。評価基準は上記と同様とした。
Figure 2017119689
*4:SH3775M(東レ・ダウコーニング社製:PEG-12ジメチコン、HLB=5)
*5:くせ緩和効果がなかったため、評価しなかった。
なお、実施例5と実施例6を比べると、実施例6の方が処理剤Aを毛髪に塗布しやすく、塗布時の感触にも優れていた。
また、同様に実施例8と実施例9とを比べると、実施例8の方が処理剤Aを毛髪に塗布しやすく、塗布時の感触にも優れていた。
[実施例19]
表3に示す実施例5の毛髪処理剤を用い、乾燥した評価用毛束に第一の組成物として処理剤Aを0.1g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に第二の組成物として処理剤Bを0.1g塗布しなじませた後に再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
その後、ラップを外し、ドライヤー(National、EH646)の温風を2分間あて、毛束を完全に乾燥させた後、毛束を加熱した。加熱は実測温度200℃のフラットアイロン(GOLDWELL社製、VOSSGF)で毛束の根元付近を挟み、6cm/secの速度で根元から毛先方向にスライドする操作を3回行った。アイロンの温度はYOKOGAWA社製TX10を用いて測定した。
次いで、フラットアイロンで加熱した毛束を40℃の水道水で30秒すすいだ後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後、30秒すすぎ流した。更に、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませた後、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いで、この毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
アイロン加熱後の毛束は毛髪の根元から毛先までほとんど広がりの無い、まっすぐな毛束となり、毛髪の手触りは軽く、かつ処理前よりも柔らかい感触であった。
更にアイロン加熱後の毛束を<くせ緩和効果の耐洗髪性>の手順により洗髪処理し、その後自然乾燥させたところ、毛髪の形状は洗髪処理前とほとんど変わらなかった。

Claims (11)

  1. 以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法。
    工程(i):毛髪に、成分(A)として無機性値が250以上450以下かつ有機性値が50以上250以下であるカルボン酸、又は当該カルボン酸の塩を含む第一の組成物を適用する工程
    工程(ii):第一の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
    工程(iii):工程(ii)の後、毛髪に成分(B)として分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩を含む第二の組成物を適用する工程
  2. 工程(iii)の後、毛髪をすすぎ流す工程を含み、工程(iii)と毛髪をすすぎ流す工程の間に、更に工程(iv)を含む、請求項1に記載の毛髪処理方法。
    工程(iv):第二の組成物を塗布した毛髪を15℃以上100℃以下で1分以上60分以下放置する工程
  3. 第一の組成物中における(D)以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤の含有量が5質量%未満である請求項1又は2に記載の毛髪処理方法。
    2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
    〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は水素原子ではない。〕
  4. 第一の組成物中における(E)芳香族アルコールの含有量が5質量%未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  5. 第一の組成物中に、更に成分(C)として増粘剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  6. 第一の組成物の25℃におけるpHが、2以上10以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  7. 第一の組成物の25℃におけるpHが、5以上8以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  8. 第二の組成物が、更に成分(E)として芳香族アルコール、及び成分(F)として高分子界面活性剤を含有し、成分(F)を第二の組成物中の20質量%以上80質量%含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  9. 工程(iv)において毛髪を放置する際の温度が15℃以上30℃未満である請求項2〜8のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  10. 工程(iv)において、毛髪を放置する際の温度が30℃以上100℃以下であり、かつ放置時間が1分以上30分以下である請求項2〜8のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  11. 還元剤を含む毛髪処理剤及びpH12〜14の毛髪処理剤のいずれを髪に塗布する工程も含まない請求項1〜10のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
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