本出願の願書に記載の発明者は、人の手を用いるリンパマッサージの技術を取得している。一方、市場ではマッサージ装置なるものがあふれており、マッサージ装置の動作原理、構造も多種多用に及んでいる。これらの装置の名称は、多種多用であり、単にマッサージ装置、筋肉のマッサージ装置、血液の流れを促進するマッサージ装置、リンパ液の流れ流を促進するマッサージ装置、これらを組み合わせた万能マッサージ装置等々の名称が用いられている。しかしながら、発明者は、自ら取得した人手によるリンパマッサージに比較して それらの装置から得られる効果が人手には及ばないことを体感した。そこで、鋭意研究を行い、従来にない効果、すなわち、人手によるリンパマッサージと比べても遜色がない効果を生じるリンパ液流促進マッサージ装置(リンパ液の流れを促進するマッサージ装置)を発明するに至った。
図1は手を用いる小腿のリンパマッサージの模式図である。
図2は体の各部に存在するリンパ節の位置を模式的に示す図である。
図1は、被施術者の顔面がベッド側になっている場合の図である。図1では、施術者の右手と左手と被施術者の脚(この場合には小腿)との関係が模式的に表されている。通常、足、足首、脛(すね)、膝(ひざ)、小腿(しょうたい、ふくらはぎ)、大腿(だいたい、ふともも)を脚と称している。ここで、脚の付け根から膝(ひざ)までの部分を大腿と称し、膝(ひざ)から足首までの部分を小腿と称している。小腿のリンパマッサージの場合には、施術者は、両方の手のひらを、やさしく被施術者のふくらはぎの皮膚に触れ、わずかに圧力をかけながら、手をゆっくりと足首から膝の方向(すなわち、膝下リンパ節の方向)へなでる。この動作を1回または複数回おこなうことによって、リンパ液流(リンパ液の流れ)が促進され、リンパ液はリンパ節へ流れてリンパ液の滞留は解消される。
大腿のリンパマッサージの場合には、施術者は、同様に両方の手のひらを、やさしく被施術者のふとももの皮膚に触れ、わずかに圧力をかけながら、手をゆっくりと膝から足の付け根の方向(すなわち、鼠径リンパ節の方向)へなでる。この動作を1回または複数回おこなうことによって、リンパ液流が促進されリンパ液はリンパ節へ流れリンパ液の滞留は解消される。小腿のリンパマッサージと大腿のリンパマッサージを一連の流れとして、1回または複数回おこなうことによって、同時に小腿と大腿のリンパマッサージをおこなうこともできる。
図1は、被施術者が俯き(顔面が下向)になっている場合の模式図であるが、被施術者が仰向け(顔面が上向)になっている場合にも、施術者は上方から手のひら(掌)をふくらはぎ部の皮膚に当てて、同様に、わずかに圧力をかけながら、手をゆっくりと足首から膝の方向、すなわち、リンパ節の方向へなでる。
発明者は、手のひらが触れる被施術者の皮膚の位置、被施術者の皮膚に与える手のひらの圧力の大きさ、手の移動速度がどのようなものかによって、リンパ液流の流れをよくする効果、すなわち、リンパ液流促進効果の大小が大きく依存することを体感し、人の手と同様の効果を生じさせる機械を開発することを思いついた。発明を実施するための形態(以下、実施形態と省略)のリンパ液流促進マッサージ装置は、発明者が、リンパ液流促進効果が大きくなると考えている人の手の動きに近い作用を被施術者に与えるようにするリンパ液流促進マッサージ装置である。
発明を実施するための形態のリンパ液流促進マッサージ装置は、第1回転軸を中心に回転可能とされる無端ベルト駆動プーリと、無端ベルト駆動プーリに回転力を印加する回転モータと、第1回転軸と平行して配置される第2回転軸を中心に回転可能とされる第1無端ベルト保持プーリと、無端ベルト駆動プーリの外周部と第1無端ベルト保持プーリの外周部とに第1無端ベルトの内面が接して一巡し、無端ベルト駆動プーリに印加される回転力によって一定方向に移動する第1無端ベルトと、第1無端ベルトの内面の裏側面である外面に配され、第1無端ベルトとともに移動する1または複数個のマッサージ片と、を備える。マッサージ片は、第1無端ベルトの移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦および横の長さが、マッサージ片の移動方向の板厚の長さよりも長く、被施術者の皮膚に接すると撓(しな)りながら反発力を有する弾性材料で形成され、第1無端ベルトの移動にともない、マッサージ片は、被施術者の皮膚を一方向に撫でる。
ここで、反発力は被施術者の皮膚を押す押圧力と等しく、押圧力の大きさは人の手が触れる程度の大きさであり、押すような強さではない。また、被施術者の皮膚を撫でる強さも優しく撫でる程度である。また、被施術者の皮膚を一方向に撫でるとは、被施術者の足首の方向から頭の方向に撫でることである。マッサージ片が皮膚に加える押圧力、すなわち、マッサージ片の反発力は、施術者がおこなうリンパマッサージの人の手のひらを用い皮膚に加える押圧力と同じ程度のやさしい力である。また、皮膚を撫でるマッサージ片の移動方向の速度、力は、施術者がおこなうリンパマッサージの人の手のひらの移動速度、力と同じ程度のゆっくりとした速度、緩やかな力である。
マッサージ片を形成する弾性材料としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂、ポリエステル、シリコン部材、等を用いることができるが、これに限るものではない。
マッサージ片は、第1無端ベルトの移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦および横の長さが、マッサージ片の移動方向の板厚の長さよりも長くされているので、弾性材料で形成されるマッサージ片の反発力は弱い。よって、反発力の大きさは人の手が触れる程度の大きさであり、押すような強さではない。また、被施術者の皮膚を撫でる強さも優しく撫でる程度である。また、被施術者の皮膚を一方向に撫でるとは、足首から頭の方向に撫でることであり、リンパ液をリンパ節に流し込む人手によるリンパマッサージの基本と同じ方向である。
さらに、無端ベルト駆動プーリと第1回転軸の伸びる方向に第1所定距離だけ離間して配される第1回転軸を中心に回転可能とされる第2無端ベルト保持プーリと、第1無端ベルト保持プーリと第2回転軸の伸びる方向に第2所定距離だけ離間して配される第2回転軸を中心に回転可能とされる第3無端ベルト保持プーリと、第2無端ベルト保持プーリの外周部と第3無端ベルト保持プーリの外周部とに第2無端ベルトの内面が接して一巡し、第1無端ベルトと交差することなく移動する第2無端ベルトと、第2無端ベルトの内面の裏側面である外面に配され、第2無端ベルトとともに移動する1または複数個のマッサージ片と、を備えるようにしてもよい。マッサージ片は、被施術者の皮膚に接すると撓りながら反発力を有する弾性材料で形成され、第2無端ベルトの移動にともない、マッサージ片は、被施術者の皮膚を一方向に撫でる。第1所定距離、または/および、第2所定距離を被施術者の各部の大きさに合わせて調整可能とするようにしてもよい。
ここで、無端ベルト駆動プーリの外周部と第1無端ベルト保持プーリの外周部とは摩擦力を有して第1無端ベルトの内面と接するようにしてもよく、無端ベルト駆動プーリの外周部と第1無端ベルト保持プーリの外周部とは歯車構造とし、第1無端ベルトの内面に歯車と噛み合う歯を設けるようにしてもよい。同様に、第2無端ベルト保持プーリの外周部と第3無端ベルト保持プーリの外周部とは摩擦力を有して第2無端ベルトの内面と接するようにしてもよく、第2無端ベルト保持プーリの外周部と第3無端ベルト保持プーリの外周部とは歯車構造とし、第2無端ベルトの内面に歯車と噛み合う歯を設けるようにしてもよい。
また、無端ベルト駆動プーリとともに第2無端ベルト保持プーリが回転するようにしてもよい。例えば、無端ベルト駆動プーリと第2無端ベルト保持プーリがともに駆動力伝達プーリの上に固着されるようにして、この駆動力伝達プーリに回転モータからの回転力を伝えるようにしてもよい。そして、第1回転軸の伸びる方向に無端ベルト駆動プーリ、または/および、第2無端ベルト保持プーリを移動可能として第1所定距離を調整可能としてもよい。
また、無端ベルト駆動プーリの回転力が第2無端ベルト保持プーリに伝わらないようにしてもよい。この場合には、第2無端ベルト保持プーリを回転させる別手段、例えば、別の回転モータで回転させるようにしてもよく、または、後述するような第1マッサージ部と第2マッサージ部とを嵌合するなどの別手段を用いてもよい。
また、マッサージ片は複数個からなり、複数個のマッサージ片の一部を第1無端ベルトに直接に配し、その一部以外のマッサージ片を第2無端ベルトに直接に配するようにしてもよい。
また、複数個のマッサージ片の一部は、第1外枠部の内面に固着されて、第1外枠部とともに第1マッサージ部を形成し、第1外枠部の底部を介して第1無端ベルトの外面に配してもよい。第1外枠部の移動方向と直交する面における第1外枠部の断面形状は、第1外枠部の内面に固着される一部のマッサージ片が被施術者の皮膚に接することを可能とする凹形状またはL形状または湾曲形状とされるようにしてもよい。
上述した一部以外のマッサージ片は、第2外枠部の内面に固着されて、第2外枠部とともに第2マッサージ部を形成し、第2外枠部の底部を介して第2無端ベルトの外面に配してもよい。第2外枠部の移動方向と直交する面における第2外枠部の断面形状は、第2外枠部の内面に固着される一部以外のマッサージ片が被施術者の皮膚に接することを可能とする凹形状またはL形状または湾曲形状とされるようにしてもよい。
ここで、回転モータの回転力が、無端ベルト駆動プーリとともに直接に第2無端ベルト保持プーリに伝わるようにして、第2無端ベルト保持プーリが第2無端ベルトに移動力を与えるようにする場合には、第2マッサージ部は第2無端ベルトに印加される移動力によって移動する。また、回転モータの回転力が第2無端ベルト保持プーリに伝わらないようにする場合には、回転モータの回転力は、無端ベルト駆動プーリの回転力、第1無端ベルトの移動力、第1マッサージ部の移動力、第2マッサージ部の移動力、第1無端ベルトの移動力と、順に伝わる。第1マッサージ部の移動力を第2マッサージ部の移動力として伝えるには、例えば、以下の様にすることができる。第1マッサージ部の第1外枠部と第2マッサージ部の第2外枠部とを第1無端ベルトの移動する方向に直交する面で嵌合させて、第1外枠部の移動力を第2外枠部に伝えるようにして第2外枠部を移動させることができる。さらに、嵌合した第1外枠部と第2外枠部とを相互にスライドさせる構成を採用して、第1所定距離、または/および、第2所定距離を任意に変化させる場合にも、第1外枠部の移動力を第2外枠部に伝えることができる。
上述したように、第1外枠部の移動方向と直交する面における第1外枠部の断面形状は、凹形状またはL形状または湾曲形状のいずれでもよく、同様に、第2外枠部の移動方向と直交する面における第2外枠部の断面形状も凹形状またはL形状または湾曲形状のいずれでもよい。しかしながら、以下に述べるように、第1無端ベルトと第2の無端ベルトとの離間距離、第1外枠部の大きさ、第2外枠部の大きさに応じて好適な形状がある。
第1無端ベルトと第2の無端ベルトとの離間距離が離れており、第1外枠部と第2外枠部の双方が移動方向から見て重ならない場合には、好適には、凹形状または湾曲形状を用いるのがよい。例えば、第1マッサージ部が左脚をマッサージし、第2マッサージ部が右脚をマッサージする場合にこのような構成は好適である。
一方、第1外枠部と第2外枠部の双方が移動方向から見て重なる場合には、第1外枠部と第2外枠部との各々の移動が他方の移動を妨げることを防止するために、第1外枠部と第2外枠部を嵌合させて用いることが望ましい。第1外枠部と第2外枠部を嵌合させて用いる場合には、好適には、相互に左右対称のL形状の第1外枠部と第2外枠部を用い、向き合せると、移動方向から見て凹形状となるようにするのがよい。例えば、L形状の第1マッサージ部と第1マッサージ部に対して逆L形状の第2マッサージ部とを用い、第1マッサージ部と第2マッサージ部とで被施術者の身体を包み込むようにする。このようにすれば、被施術者の脚のサイズに応じて第1マッサージ部と第2マッサージ部との離間距離を調整して、右脚または左脚のいずれか一方をマッサージする場合に好適である。
マッサージ片の形状は、上述したように第1無端ベルトの移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦および横の長さが、前記マッサージ片の移動方向の板厚の長さよりも長くすることに加えて、以下のような種々の形状としてもよい。
第1無端ベルトまたは第2無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状については、以下のようにしてもよい。ここで、マッサージ片の各方向から見た断面形状は、直線で表される形状、尖った角を有する形状、湾曲線で表される形状等がある。断面形状を正確に表すために、実施形態で用いる用語の意味を説明する。マッサージ片の先端とは、第1無端ベルトまたは第2無端ベルト、または、第1外枠部または第1外枠部に固着された部分(マッサージ片の固着部)から突出した最も遠い部分をいう。先端が明確に特定できない形状もあるので、その場合を含めて先端の付近を先端部という。また、先端部が明確な両端を有する場合(例えば長方形断面、湾曲部と長方形を組み合わせた断面)には、中央部とは、その両端の中間の付近をいう。両端と中央部の用語を用いることによってどのように先端部が湾曲しているかを明確にすることができる。
第1無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状は、第1無端ベルトまたは第1外枠部から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さが、先端部の中央部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さよりも長く、先端部は湾曲形状をしてもよい。また、同様に、第2無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状は、第2無端ベルトまたは第2外枠部から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の第2無端ベルトの外面または第2外枠部からの長さが、先端部の中央部の第2無端ベルトの外面または第2外枠部からの長さよりも長く、先端部は湾曲形状をしてもよい。
このようにすれば、身体の丸み、例えば、ふくらはぎ、ふとももの断面の丸みにマッサージ片の先端の断面形状が沿うようにできるので、強い圧迫力を加えずに、ふくらはぎ、ふともも、の広い範囲をやさしく撫でることができる。すなわち、無端ベルトの移動する方向に直交する方向のマッサージ片の広い範囲が、ふくらはぎ、ふともも、をやさしく撓りながら撫でることができる。
また、第1無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状は、第1無端ベルトまたは第1外枠部から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さが、先端部の中央部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さよりも中央部から離れるに従い順次短くされ、かつ、マッサージ片の第1無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第1外枠部の当該接平面に平行する面における断面形状は、先端部に近い程、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなるようにしてもよい。
第1無端ベルトまたは第1外枠部から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さが、先端部の中央部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さよりも中央部から離れるに従い順次短くされ、とは中央部に一番高い点を有する形状であり、例えば、マッサージ片の固着部の両端から伸びる曲線が相互に順次近づくように伸び両者が中央部で交わり突起となる形状、例えば、中央部が凸である形状等がある。子供のような体格が小さい被施術者の場合は先端部の接触面積が小さい部分が皮膚に接し、大人のような体格が大きい被施術者の場合にはよりマッサージ片の固着部に近いより接触面積が大きい部分が皮膚に接して、体格差を吸収して効果的なリンパマッサージが可能となる。また、接触面積が小さい程、マッサージ片の反発力(=皮膚に加わる押圧力)の総量は小さくなる。
かつ、マッサージ片の第1無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第1外枠部の当該接平面に平行する面における断面形状は、先端部に近い程、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなる、とは先端部になる程、マッサージ片の反発力(=皮膚に加わる押圧力)が小さくなることを意味する。このような形状では先端部になるほど反発力が小さくなるので、子供のような体格が小さい被施術者に適する。また、大人のような体格が大きい被施術者の場合にはよりマッサージ片の固着部により近い反発力がより大きい部分が皮膚をなでるので、皮膚に対する押圧力も大きくなり、体格差を吸収して効果的なリンパマッサージが可能となる。
また、同様に、第2無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状は、第2無端ベルトまたは第2外枠部から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の第2無端ベルトの外面または第2外枠部からの長さが、先端部の中央部の第1無端ベルトの外面または第1外枠部からの長さよりも中央部から離れるに従い順次短くされ、かつ、マッサージ片の第2無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第2外枠部の当該接平面に平行する面における断面形状は、先端部に近い程、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなるようにしてもよい。
マッサージ片の第2無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第2外枠部の当該接平面に平行する面における断面積が小さい程、撓り易く反発力は小さくなる。また、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなる程、撓り易く反発力は小さくなる。
このようにすると、マッサージ片の先端部は撓り易く皮膚との接触面積は小さい。一方、マッサージ片の第1外枠部または第2外枠部に近くなる程撓り難く皮膚との接触面積はより広くなる。この結果として、例えば、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が小さい場合には、小さい範囲に小さな撓り力が印加され、マッサージ片は優しくなでる。一方、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が大きい場合には、広い範囲に全体としてはより大きな撓り力(すなわち、撫でる力)が印加されるものの、皮膚との接触面積は大きく、単位面積当たりの皮膚に印加される撫でる力は、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が小さい場合と同じ程度である。よって、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が小さい場合、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が大きい場合、のいずれにおいても良好なリンパマッサージの効果が得られる。すなわち、子供、大人、体格差を吸収して広範囲な被施術者に適用できる。
第1無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第1外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状、または、第2無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第2外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状は以下のようにしてもよい。
ここで、「マッサージ片の固着される第1外枠部または第2外枠部の当該接平面に平行する面」とは、以下の面である。第1外枠部または第2外枠部が凹形状であるときには、凹形状の底部の内面(内平面)にマッサージ片が固着されている場合には、「当該接平面」は凹形状の底部の内面(内平面)であり、「平行する面」は、これに平行し、第1外枠部または第2外枠部から伸びるマッサージ片を切断した場合の断面図を描くための面である。凹形状の側部の内面(内平面)にマッサージ片が固着されている場合には、「当該接平面」は凹形状の側部の内面(内平面)であり、「平行する面」は、これに平行し、第1外枠部または第2外枠部から伸びるマッサージ片を切断した場合の断面図を描くための面である。側部の内面が底部の内面に対して90度ではなく、異なる傾斜角度を有するときは、この傾斜角度を有する面である。第1外枠部または第2外枠部がL形状であるときも同様である。
第1外枠部または第2外枠部が湾曲形状であるときには、湾曲形状の内面は平面ではなく曲面であるので、「当該接平面」は、マッサージ片の中央部が第1外枠部または第2外枠部に固着されている点における接平面であり、「平行する面」は、これに平行し、第1外枠部または第2外枠部から伸びるマッサージ片を切断した場合の断面図を描くための面である。すなわち、マッサージ片の形状自体が同一であれば、第1外枠部または第2外枠部が、凹形状、L形状、湾曲形状であるかに関わらず、皮膚に接して撓る前の第1外枠部または第2外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状は等しい。
例えば、一定の厚さの板材からマッサージ片を作成する場合には、第1外枠部または第2外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状は、マッサージ片の固着部からの離間距離の大きさにかかわらず、縦横の長さは各々が一定の長方形となる。また、移動方向と直交する方向のマッサージ片の先端部の断面積よりも、マッサージ片の固着部の断面積をより大きくする場合には、先端部分に対応する部分の厚さに比べてマッサージ片の固着部に対応する部分の厚さがより厚い板材を用いる。また、断面形状は長方形に限らず以下のようにしても良い。
第1無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第1外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状は、第1無端ベルトまたは第1外枠部から突出したマッサージ片の両側の端部が、中央部よりも第1無端ベルトの移動方向のより前方に配される湾曲形状をしてもよい。また、同様に、第2無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第2外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状は、第2無端ベルトまたは第2外枠部から突出したマッサージ片の両側の端部が、中央部よりも第2無端ベルトの移動方向のより前方に配される湾曲形状をしてもよい。
このようにすれば、マッサージ片が撓(しな)った場合において、マッサージ片の広い範囲が身体の丸み、例えば、ふくらはぎ、ふとももの丸みに沿って皮膚と接触するようにできるので、マッサージ片は皮膚に強い圧迫力を加えることなく、ふくらはぎ、ふともも、の広い面積の範囲をやさしく撫でることができる。
さらに、第1無端ベルトまたは第2無端ベルトの移動する方向と反対方向のマッサージ片の広い範囲が、湾曲形状のマッサージ片の撓りによって、身体の丸み、例えば、ふくらはぎ、ふとももの丸みに沿って皮膚と接触するようにできるので、マッサージ片は皮膚に強い圧迫力を加えることなく、ふくらはぎ、ふともも、の広い面積の範囲をやさしく撫でることができる。
ここで、「第1無端ベルトまたは第2無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状(移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状と省略)」と、「第1無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第1外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状または第2無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される第2外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状(無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状と省略)」とは、異なる効果を奏する。よって、「無端ベルトの移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状」と「無端ベルトと平行する面またはマッサージ片の固着される外枠部の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状」とを種々に組み合わせることによって、両方の効果を同時に得る種々の組み合わせを実施することができる。
さらに、第1マッサージ部の外枠部に第1ガイド部材を付加して以下のようにすることができる。ここで、少なくとも第1ガイド部材を固着した付近の外枠部は弾性材で形成しなければならないが、第1無端ベルトに固着する付近の外枠部は剛性材で形成してもよい。
第1無端ベルトの一方の側端よりも外側の第1回転軸に固着される第1回転軸の中心と同心なる円弧部を有する第1回転ガイド板と、第1無端ベルトの一方の側端よりも外側の第2回転軸に固着される第2回転軸の中心と同心なる円弧部を有する第2回転ガイド板と、第1回転ガイド板の一方の端部と第2回転ガイド板の一方の端部との間に懸架される第1ガイド線と、第1回転ガイド板の他方の端部と第2回転ガイド板の他方の端部との間に、第1ガイド線と平行に懸架される第2ガイド線と、第1マッサージ部の外枠部の一方の外面に配される第1ガイド部材と、を備え、第1回転ガイド板と第1ガイド線と第2回転ガイド板と第2ガイド線とを第1ガイド部材の内部に順次保持しながら各々の第1マッサージ部が移動するようにすることもできる。
さらに、第1マッサージ部の外枠部の各々の側部に第1ガイド部材と第2ガイド部材とを付加して以下のようにすることができる。
さらに、第1無端ベルトの他方の側端よりも外側の第1回転軸に固着される第1回転軸の中心と同心なる円弧部を有する第3回転ガイド板と、第1無端ベルトの他方の側端よりも外側の第2回転軸に固着される第2回転軸の中心と同心なる円弧部を有する第4回転ガイド板と、第3回転ガイド板の一方の端部と第4回転ガイド板の一方の端部との間に懸架される第3ガイド線と、第3回転ガイド板の他方の端部と第4回転ガイド板の他方の端部との間に、第3ガイド線と平行に懸架される第4ガイド線と、第1マッサージ部の外枠部の他方の外面に配される第2ガイド部材と、を備え、第3回転ガイド板と第3ガイド線と第4回転ガイド板と第4ガイド線とを第2ガイド部材の内部に順次保持しながら各々の第1マッサージ部が移動することができる。
第1ガイド部材によって、凹形状または湾曲形状の第1マッサージ部の外枠部を引延ばし、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が小さい場合、ふくらはぎ、ふともも、の断面積が大きい場合、のいずれにおいても良好なリンパマッサージの効果が得られる。すなわち、子供、大人、体格差を吸収して広範囲な被施術者に適用できる。第1ガイド部材に加えて第2ガイド部材を用いる場合には、外枠部の引延ばしの効果はさらに大きくできる。
また、被施術者が仰臥できるベッド本体を備え、ベッド本体の被施術者の右腕の腋下から右足首までが積載可能な範囲の一部または全部と、ベッド本体の被施術者の左腕の腋下から左足首までが積載可能な範囲の一部または全部と、に開口部を設け、開口部からマッサージ片が突出するようにして、上述した実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置のいずれかを用いることができる。または、上述した種々の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部の組み合わせを用いることができる。
このようにすると、被施術者は楽な姿勢でリンパマッサージを受けることができるとおもに、施術者の側もリンパ液流促進マッサージ装置を被施術者の特定の部位にセットする手間が省ける。
また、リンパ液流促進マッサージ装置は、被施術者が着座できる椅子本体と、被施術者の足を載せる足台板と、椅子本体または足台板に配されるモータと、モータを制御するモータ制御部と、椅子本体と足台板とを回動可能に連結する連結部と、を具備する椅子を備えるようにしてもよい。椅子本体は、被施術者の右腰から右腕の腋下までに対応する部分と、前記椅子の被施術者の左腰から左腕の腋下までに対応する部分と、に開口部を設け、前記開口部から前記マッサージ片が突出するようにし、モータ制御部は、モータを正方向と逆方向とに交互に回転させ、椅子本体と足台板との間に働く回動力によって、前記足台板を上下方向に動かす。
ここで、椅子本体の開口部からマッサージ片が突出するようにする、部分に用いる部材としてのリンパ液流促進マッサージ装置は、上述した実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置のいずれかを用いることができる。または、上述した種々の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部の組み合わせを用いることができる。
足台板を上下に動かす回動力は、モータ(通常の直流モータ、通常の交流モータ、ギヤー付モータ、ステッピングモータ等)から椅子本体に配される第1歯車、足台板の回動軸に固着される第2歯車、足台板の回動軸、足台板と順に伝わるようにしてもよい。
このようにすると、被施術者は楽な姿勢でリンパマッサージを受けることができる。被施術者が椅子に長く座っているとリンパ液が溜まり、下肢のむくみ、疲労等の下になり好ましくない。このような問題を解決するために足台板を備え、被施術者の足を上下方向に移動させて下肢のリンパ液の溜まりを防ぎ、下肢を良好な状態に保つようにすることができる。なお、椅子に車輪をつけ、車椅子付のリンパ液流促進マッサージ装置とすることもできる。
以下、図面を参照して、具体的に実施形態について説明をする。各、実施形態において、同一符号を付した構成部は、略同様の構造を有し、作用も略同様であるので、その構成部が最初に登場する実施形態において説明し、後の実施形態においては、説明を省略し、又は、簡略にする。
(第1実施形態)
図3は第1実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。
図3(A)は正面図であり、図3(B)は平面図であり、図3(C)は側面図である。
図4は第1実施形態のマッサージ片に被施術者の身体(小腿)を近接させた場合の模式図である。図4(A)はマッサージ片200cの正面模式図、図4(B)はマッサージ片200cの平面模式図である。図4(B)はマッサージ片200cの側面模式図である。図4(A)は、図3(A)に対応し、図4(B)は、図3(B)に対応する。図4(C)は、マッサージ片200cをベルト移動方向から見た図である。図4(B)はマッサージ片200cを無端ベルト18の表面に垂直な方向から見た図である。図4では、マッサージ片200cを代表例として図示したが、他のマッサージ片であるマッサージ片200a、マッサージ片200b、マッサージ片200d、マッサージ片200e、マッサージ片200f、マッサージ片200gも同様な構造をしている。
図5は第1実施形態のマッサージ片に身体(小腿)を極わずかに接触させた場合の模式図である。図4(A)はマッサージ片200cの正面模式図、図4(B)はマッサージ片200cの平面模式図である。
図3、図4、図5を参照して第1実施形態について以下順に説明をする。
リンパ液流促進マッサージ装置0は、基台11、回転軸(第1回転軸)12、回転軸(第2回転軸)16、駆動力伝達プーリ13、無端ベルト駆動プーリ(第1無端ベルト駆動プーリ)14、無端ベルト駆動プーリ(第2無端ベルト駆動プーリ)17、無端ベルト18、マッサージ片200a、マッサージ片200b、マッサージ片200c、マッサージ片200d、マッサージ片200e、マッサージ片200d、マッサージ片200f、マッサージ片200g、駆動力伝達ベルト15、回転モータ21、制御部22を備える。
回転モータ21は、モータ回転軸21a、モータ筐体21bを具備する。基台11は、回転軸12を支持する回転軸支持部(第1回転軸支持部)11aと回転軸16を支持する回転軸支持部(第2回転軸支持部)11bとを具備する。基台11は、モータ筐体21bと制御部22とを固着する。駆動力伝達プーリ13と無端ベルト駆動プーリ14とは固着され、共に回転軸12を回転中心として回転可能とされる。無端ベルト保持プーリ17は回転軸16を回転中心として回転可能とされる。無端ベルト駆動プーリ14と無端ベルト保持プーリ17との間に無端ベルト18が懸架される。
無端ベルト駆動プーリ14は回転をして無端ベルト18に移動力を与え、無端ベルト保持プーリ17は無端ベルト18を所定位置に保持するためのプーリである。回転軸12と回転軸16との離間距離は、無端ベルト18に適宜の張力を与え、無端ベルト駆動プーリ14と無端ベルト18との間に摩擦を発生させて無端ベルト駆動プーリ14の回転にともない、無端ベルト18が移動するようにしている。なお、無端ベルト駆動プーリ14と無端ベルト18との間の摩擦力を増加させるために、無端ベルト駆動プーリ14の表面(無端ベルト18と接する面)と無端ベルト18の内面(無端ベルト駆動プーリ14と接する面)とを表面に細かい凹凸のある粗い面としてもよい。さらに、無端ベルト駆動プーリ14の表面に歯車を設けた歯車面として、無端ベルト18の内面に、無端ベルト駆動プーリ14の歯車面と噛み合う歯を設けるようにしてもよい。
駆動力伝達プーリ13とモータ回転軸21aとの間に駆動力伝達ベルト15が懸架される。無端ベルト18には、マッサージ片200a〜マッサージ片200gが等間隔に配置され無端ベルト18と固着する。
制御部22は回転モータ21の回転を制御する。例えば、回転モータ21は図示しない周波数発生器(FG)を有しておりモータ回転軸21aの回転数を検出する。制御部22は、FGで検出するモータ回転軸21aの回転数が所定の回転数となるように、回転モータ21を制御する。
駆動力伝達ベルト15はモータ回転軸21aの回転駆動力を駆動力伝達プーリ13に伝える。駆動力伝達プーリ13は回転駆動力を無端ベルト駆動プーリ14に伝える。無端ベルト駆動プーリ14の回転駆動力は無端ベルト18を図6中の矢印のベルト移動方向へ動かす移動力となる。この移動力によって、無端ベルト保持プーリ17は回転する。無端ベルト18の移動に応じて、マッサージ片200a〜マッサージ片200gも移動する。
マッサージ片200a〜マッサージ片200gは、いずれも、人間の手の感触と同様の作用を与えることができるような材料と形状とが選択される。発明者は種々の試みの結果、以下のような結論に至った。材料に関しては、柔軟性、反発性を有する材料がよい。例えば、ゴム、ポリエステル、シリコン、合成樹脂が挙げられる。
具体的には、マッサージ片200a〜マッサージ片200gの形状は、無端ベルト18の移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦(図3、図5のL2を参照)および横(図3、図5のL2を参照)の長さが、マッサージ片の移動方向の板厚の長さ(図3、図5のL5を参照)よりも長くされているので、弾性材料で形成されるマッサージ片は容易に撓り反発力は弱い。そして、その反発力の大きさは人の手が触れる程度の大きさであり、押すような強さではない。そして、材料のマッサージ片200a〜マッサージ片200gの平面部(図3(C)参照)が被施術者の皮膚を撫でる強さも優しく撫でる程度とできる。また、被施術者の皮膚を一方向に撫でるとは、足首から頭の方向(図3、図4、図5の無端ベルト移動方向)に撫でて、リンパ液をリンパ節に流し込む人手によるリンパマッサージの基本を装置で行うものである。
図4に示す、無端ベルト駆動プーリ14と無端ベルト18との上側に移動してきたマッサージ片200a、マッサージ片200b、マッサージ片200cに小腿(図4の脚)を近接させると、マッサージ片200a、マッサージ片200b、マッサージ片200cに小腿を弱く押す力(押圧力)が生じる。その状態で、マッサージ片200cは移動するので、結果として、マッサージ片は小腿(大腿、背中等のその他の部分であっても同様)を優しく撫でる。
どのように撫でるかを、より詳しく説明する。図3(B)に示すように、無端ベルト18と平行する面におけるマッサージ片200cの断面形状は、無端ベルト18から突出したマッサージ片200cの両側の端部P1、端部P2が、中央部PCよりも無端ベルト18の移動方向のより前方に配される湾曲形状をしている。このようにすれば、マッサージ片200cが撓った場合において、無端ベルト18の移動する方向と直交する方向(図4(B)の紙面左右方向、図4(C)を参照)のマッサージ片200cの広い範囲が身体の丸み、例えば、ふくらはぎ、ふとももの丸みに沿って皮膚と接触するようにできるので、マッサージ片200cは皮膚に強い圧迫力を加えることなく、ふくらはぎ、ふともも、の広い面積の範囲をやさしく撫でることができる。
また、無端ベルト18の移動する方向と反対方向(図4(A)の紙面左右方向、図4(B)の紙面上下方向)のマッサージ片の広い範囲が、湾曲形状のマッサージ片の撓りによって、身体の丸み、例えば、ふくらはぎ、ふとももの丸みに沿って皮膚と接触するようにできるので、マッサージ片200cは皮膚に強い圧迫力を加えることなく、ふくらはぎ、ふともも、の広い面積の範囲をやさしく撫でることができる。
また、図3(C)に示すように、無端ベルト18の移動方向と直交する面におけるマッサージ片200cの断面形状は、無端ベルト18から突出したマッサージ片200cの先端部の両側の端部P1,端部P2の無端ベルト18の外面からの長さL1が、先端部の中央部PCの無端ベルト18の外面からの長さLCよりも長く、先端部は湾曲形状をしている。
マッサージ片200cおよび他のマッサージ片の大きさは、例えば、人の手の大きさに近くし、掌(手のひら)を大きく開かずに、すぼめもせず、親指から小指までを隣の指と接した状態にして指を延ばした長さを基準とした。例えば、長さL1は、親指から小指までの横方向の長さを目安とし、例えば、10cm(センチ・メータ)から、両方の手を使うことを考慮して20cmの範囲に設定したが、これに限られるものではない。例えば、長さL1は、手首から中指までの縦方向の長さが皮膚に接することを目安とし、これを17cmとし、さらに、曲がって撓る部分の長さとして5cmを付加して、例えば、22cmとしたが、これに限られるものではない。例えば、長さLCは、被施術者のふくらはぎ、ふともも、のふくらみに合わせ、長さL1から4cm短い18cmとしたが、これに限られるものではない。
よって、図5に示すようにマッサージ片200cに小腿を小さく近接させた場合においても、マッサージ片200cは皮膚に強い圧迫力を加えることなく、ふくらはぎ、ふともも、の広い面積の範囲をやさしく撫でることができる。
このことは、被施術者の体格、年齢によらず、また、マッサージ片200cと被施術者との距離に関係なく、被施術者の皮膚をやさしくなでることができることを意味している。
無端ベルト18の移動速度は、被施術者の好み、リンパマッサージの効果に応じて制御部22の操作によって決め得るものである。例えば、1cm/sec(センチメータ/秒)ないし50cm/secの範囲で適宜に決め得る。
要するに、第1実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1は、回転軸12(第1回転軸)を中心に回転可能とされる無端ベルト駆動プーリ14に回転力を印加する回転モータ21と、回転軸12と平行して配置される回転軸16(第2回転軸)を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ17(第1無端ベルト保持プーリ)と、無端ベルト駆動プーリ14の外周部と無端ベルト保持プーリ17の外周部とに無端ベルト18(第1無端ベルト)の内面が接して一巡し、駆動力伝達プーリ13に印加される回転力によって一定方向に移動する無端ベルト18と、無端ベルト駆動プーリ14の外周部と無端ベルト保持プーリ17の外周部とに接しない面である無端ベルト18の外面に配され、無端ベルト18とともに移動する1または複数のマッサージ片200a、マッサージ片200b、マッサージ片200c、マッサージ片200d、マッサージ片200e、マッサージ片200f、マッサージ片200gと、を備える。これらのマッサージ片は、被施術者の皮膚に接すると撓りながら反発力を有する弾性材料で形成されており、無端ベルト18の移動にともない、これらのマッサージ片は、被施術者の皮膚を足首から頭の方向へと一方向に撫でる。
マッサージ片200a〜マッサージ片200gは、第1無端ベルトの移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦の長さ(図3(C)のL1)および横(図3(C)のL2)の長さが、マッサージ片の移動方向の板厚の長さ(図3(B)のL5)よりも長くされているので、弾性材料で形成されるマッサージ片の反発力は弱い。L1、L2の長さは、L5の長さの1桁から2桁程度長く、例えば、99×L5>L1、L2>5×L5とされる。よって、反発力の大きさは人の手が触れる程度の大きさであり、被施術者の皮膚の面に対して垂直方向に力を入れて押すような強さではない。また、被施術者の皮膚の面に対して平行する方向に撫でる強さも優しく撫でる程度である。また、被施術者の皮膚を一方向に撫でるとは、足首から頭の方向に撫でることであり、リンパ液をリンパ節に流し込む人手によるリンパマッサージの基本と同じ方向である。
マッサージ片200a〜マッサージ片200gの形状は種々な形状としてもよいが、図3(B)に示すように以下の様にしてもよい。無端ベルト18(第1無端ベルト)と平行する面におけるマッサージ片200a〜マッサージ片200gの断面形状は、無端ベルト18から突出したマッサージ片の両側の端部P1、端部P2が、中央部PCよりも無端ベルト18の移動方向のより前方に配される湾曲形状をしてもよい。
また、無端ベルト18の移動方向と直交する面におけるマッサージ片200a〜マッサージ片200gの断面形状は、図3(C)に示すように以下の様にしてもよい。無端ベルト18(第1無端ベルト)から突出したマッサージ片200a〜マッサージ片200gの先端部の両側の端部P1、端部P2の無端ベルト18の外面からの長さ(L1)が、先端部の中央部(PC)の無端ベルト18の外面からの長さ(LC)よりも長く、先端部は、図3(C)に示すように湾曲形状をしてもよい。
上述したように、無端ベルト駆動プーリ14を回転させるために、回転モータ21と駆動力伝達ベルト15と駆動力伝達プーリ13と回転軸12とを用いた。しかしながら、これらの部材を一体化した、モータ・プーリ(プーリ・モータとも称する)を用いるようにしてもよい。モータ・プーリとは、回転軸(回転軸12に対応する)の内部に回転モータ(回転モータ21に対応する)を配して、この回転軸の周囲にプーリ(無端ベルト駆動プーリ14に対応する)を配して、回転軸に対して回転軸の周囲に配されたプーリを回転させるものである。回転軸の内部に配される回転モータを駆動するための線材は回転軸の中央に設けられた空洞部から回転軸の外部へ取り出される。このようなモータ・プーリを用いれば、リンパ液流促進マッサージ装置の小型化を図ることができる。
(第2実施形態)
図6は第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。
図6(A)は正面図であり、図6(B)は平面図である。
図7は第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の使用方法を示す模式図である。
図7(A)は小腿をマッサージする場合の使用方法を示す模式図である。
図7(B)は大腿をマッサージする場合の使用方法を示す模式図である。
図8は、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置のマッサージ部の模式図である。
図8はマッサージ部20cに小腿が挿入されていない場合における図である。図8(A)はマッサージ部20cの側面模式図、図8(B)はマッサージ部20cの平面模式図である。図8(A)はマッサージ部20cをベルト移動方向から見た図である。すなわち、無端ベルト18に対して平行する符号A’を付す破線の矢印方向にマッサージ部20cを見た図である。図8(B)はマッサージ部20cを無端ベルト18の表面に垂直な方向から見た図である。すなわち、無端ベルト18に対して垂直なる符号Aを付す破線の矢印方向にマッサージ部20cを見た図である。
図9は、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の使用中のマッサージ部の模式図である。
図9(A)はマッサージ部20cに足を挿入したときの側面模式図、図9(B)はマッサージ部20cに足を挿入したときの平面模式図である。図9(A)はマッサージ部20cをベルト移動方向から見た図である。すなわち、無端ベルト18に対して平行する符号B’を付す破線の矢印方向にマッサージ部20cを見た図である。図9(B)はマッサージ部20cを無端ベルト18の表面に垂直な方向から見た図である。すなわち、無端ベルト18に対して垂直なる符号Bを付す破線の矢印方向にマッサージ部20cを見た図である。図9(A)では、分かりやすくするために脚(小腿)断面は透過しないものとして作図され、図9(B)では、分かりやすくするために脚(小腿)を透過してマッサージ部20cの内部が見えるものとして作図されている。その他のマッサージ部である、マッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20gもマッサージ部20cと同一の構造を有している。
図6〜図9を参照して第2実施形態について以下順に説明をする。
リンパ液流促進マッサージ装置1は、基台11、回転軸(第1回転軸)12、回転軸(第2回転軸)16、駆動力伝達プーリ13、無端ベルト駆動プーリ(第1無端ベルト駆動プーリ)14、無端ベルト駆動プーリ(第2無端ベルト駆動プーリ)17、無端ベルト18、マッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20d、マッサージ部20f、マッサージ部20g、駆動力伝達ベルト15、回転モータ21、制御部22を備える。
第1実施形態とは異なる、マッサージ部20a〜マッサージ部20gを中心に以下に説明をする。
駆動力伝達プーリ13とモータ回転軸21aとの間に駆動力伝達ベルト15が懸架される。無端ベルト18には、マッサージ部20a〜マッサージ部20gが等間隔に配置される。無端ベルト駆動プーリ14に接する無端ベルト18の部分と無端ベルト保持プーリ17に接する無端ベルト18の部分とは湾曲している。この湾曲に対応して滑らかにマッサージ部20a〜マッサージ部20gを移動させるために、マッサージ部20a〜マッサージ部20gの各々の底部の外面が、湾曲に直交する方向の狭い面によって無端ベルト18と固着する(図6中の20a,20dを参照)。
駆動力伝達ベルト15はモータ回転軸21aの回転駆動力を駆動力伝達プーリ13に伝える。駆動力伝達プーリ13は回転駆動力を無端ベルト駆動プーリ14に伝える。無端ベルト駆動プーリ14の回転駆動力は無端ベルト18を図6中の矢印のベルト移動方向へ動かす移動力となる。この移動力によって、無端ベルト保持プーリ17は回転する。無端ベルト18の移動に応じて、マッサージ部20a〜マッサージ部20gも移動する。
図7(A)に示すようにして小腿をマッサージする場合の使用方法について図8、図9を参照して説明をする。図7(A)に示すようにして小腿をマッサージする場合にはリンパ液を膝下リンパ節に流し込む。
図8(A)、図9(A)のマッサージ部20cの側面模式図、図8(B)、図9(B)のマッサージ部20cの平面模式図を用いて以下説明する。マッサージ部20c以外の他のいずれのマッサージ部についてもこの説明は当てはまる。図8、図9中の矢羽の印は紙面表面から紙面裏面に向かう向きが移動方向であることを示し、図8、図9中の矢印は紙面下面から紙面上面に向かう向きが移動方向であることを示す。
図8(A)、図8(B)は、マッサージ部20cに脚を挿入しない場合の図である
図8(A)に示すように、無端ベルト18の移動方向と直交する面における各々のマッサージ片の断面形状は、外枠部500から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の外枠部500からの長さが、先端部の中央部PCの外枠部500からの長さよりも中央部から離れるに従い順次短くしている。すなわち、両側の端部は、中央部PCで合流し、外枠部500からの長さが最も長い点が中央部PCであり、その長さはL2である。すなわち、図8(A)に表される各マッサージ片の断面積は先端部に近い程小さくなっている。
図8(B)に示すように、各々のマッサージ片の外枠部500の当該接平面に平行する面における断面形状は、先端部に近い程、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなるようにしている。ここで、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなることは、図8(B)に直接に表されている、
また、各々のマッサージ片の外枠部500の当該接平面に平行する面における断面積は先端部に近い程、小さくなることは、図8(A)に示すように先端部の両側の端部の外枠部500からの長さが、先端部の中央部の外枠部500からの長さよりも中央部から離れるに従い順次短くされていることと、図8(B)とから明らかである。すなわち、当該接平面に平行する面における断面積は、図8(A)に示される面の長さと、図8(B)に示される面の長さとの積であるが、いずれの面の長さも先端部に近い程短くなるからである。
ここで、マッサージ片の固着される外枠部500の当該接平面に平行する面における断面積が小さい程、撓り易く反発力は小さくなる(すなわち、施術者の皮膚を押圧する押圧力は断面積が小さい程、小さくなる)。また、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなる程、撓り易く反発力は小さくなる(すなわち、施術者の皮膚を押圧する押圧力はマッサージ片の移動方向の厚さが薄くなる程、小さくなる)。
マッサージ部20cの壁部20c1の内面には壁部のマッサージ片311〜壁部のマッサージ片316が配される。マッサージ部20cの底部20c2の内面には底部のマッサージ片411〜底部のマッサージ片413が配される。壁部のマッサージ片311〜壁部のマッサージ片316及び底部のマッサージ片411〜底部のマッサージ片413は、いずれも、人間の手の感触と同様の作用を与えることができるような柔軟性、反発性を有する材料がよい。例えば、ゴム、ポリエステル、シリコン、合成樹脂等が用いられる。
図9に示すように、小腿をマッサージ部20cの内部に挿入すると、壁部のマッサージ片311〜壁部のマッサージ片316、底部のマッサージ片411〜底部のマッサージ片413が小腿を押す力(押圧力)が生じる。この押圧力は、上述したように、壁部のマッサージ片311〜壁部のマッサージ片316、底部のマッサージ片411〜底部のマッサージ片413の反発力と等しい。そして、図9に示すように、長さL2、長さL4が長いと、小腿が小さい被施術者から大きい被施術者まで幅広く対応可能である。
同様に、小腿をマッサージ部20cの内部に挿入すると、長さL1、長さL3も壁部のマッサージ片、底部のマッサージ片が小腿を押す力に関係する。ここで、長さL1、長さL3が長いと、小腿が小さい被施術者から大きい被施術者まで幅広く対応可能であるが、第1実施形態のマッサージ片のように曲率を有さないので、体格に比べて長さL1、長さL3が長すぎる場合には、マッサージ片の一部しか皮膚に接触しない。
このように壁部のマッサージ片および底部のマッサージ片の寸法、配置を設定して、図9に示すように、小腿をマッサージ部20cの内部に挿入すると、壁部のマッサージ片311〜壁部のマッサージ片316は、長さL5が薄いので無端ベルト18の移動方向と反対方向にしなやかに撓み、小腿の皮膚の表面をあたかもやさしく人手で撫でるように作用する。同様に、小腿をマッサージ部20cの内部に挿入すると、底部のマッサージ片411〜底部のマッサージ片413は、長さL6が薄いので無端ベルト18の移動方向と反対方向にしなやかに撓み、小腿の皮膚の表面をあたかもやさしく人手で撫でるように作用する。無端ベルト18の移動方向にともない、同様に、他のマッサージ部である、マッサージ部20b、マッサージ部20a、マッサージ部20g、マッサージ部20f、マッサージ部20e、マッサージ部20dが順にマッサージをおこなう。
無端ベルト18の移動速度は、被施術者の好み、リンパマッサージの効果に応じて制御部22の操作によって決め得るものである。例えば、1cm/sec(センチメータ/秒)ないし50cm/secの範囲で適宜に決め得るようにしている。
(第2実施形態の変形例)
図7(B)参照して大腿(ふともも)をマッサージする場合の使用方法について説明をする。小腿をマッサージする場合には、図7(A)のように、足首が下方になるように無端ベルト18をやや傾けて移動させるリンパ液流促進マッサージ装置1が使い勝手がよい。一方、大腿をマッサージする場合には、図7(B)のように、大腿が水平になるように無端ベルト18を水平に移動させるリンパ液流促進マッサージ装置2が使い勝手がよい。
無端ベルト18を水平に移動させるか、無端ベルト18をやや傾けて移動させるかは、基台11から延びる、回転軸支持部111bに挿入された回転軸支持部111iの挿入量、回転軸支持部111dに挿入された回転軸支持部111jの挿入量、回転軸支持部111eに挿入された回転軸支持部111kの挿入量、回転軸支持部111hに挿入された回転軸支持部111lの挿入量、を調整しておこなう。回転軸支持部111b、回転軸支持部111d、回転軸支持部111e、回転軸支持部111hの各々は基台11に対して回動可能に取り付けられている。
固着リング111aを回転させることによって、回転軸支持部111bに入れられた割り部(図示しない)で回転軸支持部111iを圧接して挿入量を固定する。同様にして、固着リング111cを回転させることによって、回転軸支持部111dに入れられた割り部(図示しない)で回転軸支持部111jを圧接して挿入量を固定する。固着リング111fを回転させることによって、回転軸支持部111eに入れられた割り部(図示しない)で回転軸支持部111kを圧接して挿入量を固定する。固着リング111gを回転させることによって、回転軸支持部111hに入れられた割り部(図示しない)で回転軸支持部111lを圧接して挿入量を固定する。回動金具111m、回動金具111n、回動金具111o、回動金具111pは、回転軸支持部111b、回転軸支持部111d、回転軸支持部111e、回転軸支持部111hの各々を基台11に対して回動可能に固着する。
通常、基台11からの回転軸12の高さと基台11からの回転軸16の高さとに差が生じると、この差に応じて回転軸12と回転軸16との離間距離が異なり、一定長の無端ベルト18に駆動力伝達プーリ13の回転力が伝達できなくなるという問題が生じる。そこで、回転軸支持部111bと回転軸支持部111bに挿入される回転軸支持部111iの径の差を大きくし、回転軸支持部111dと回転軸支持部111dに挿入される回転軸支持部111jの径の差を大きくし、この差に応じた「がた」の量を固着リング111aと固着リング111cとで調整している。同様に、回転軸支持部111eと回転軸支持部111eに挿入される回転軸支持部111kの径の差を大きくし、回転軸支持部111dと回転軸支持部111dに挿入される回転軸支持部111jの径の差を大きくし、この差に応じた「がた」の量を固着リング111fと固着リング111gとで調整している。このようにして、基台11からの回転軸12の高さと基台11からの回転軸16の高さとに差を設ける場合に回転軸12と回転軸16との離間距離を適切に保ち、一定長の無端ベルト18に駆動力伝達プーリ13の回転力が伝達できなくなるという問題を解決している。
また、基台11からの回転軸12の高さと基台11からの回転軸16の高さとに差が生じる等により、回転軸12と回転軸16との離間距離が異なり、一定長の無端ベルト18に駆動力伝達プーリ13の回転力が伝達できなくなるという問題の別の解決策としては、無端ベルト18の部材を弾性材料である、ゴム部材等で形成してもよい。無端ベルト18を弾性材料で形成する場合には、回転軸12と回転軸16との離間距離が異なった場合でも弾性材料の張力が無端ベルト18と駆動力伝達プーリ13との間に摩擦力を発生させて無端ベルト18を移動させる。
大腿のリンパマッサージをおこなう場合には、鼠径リンパ節にリンパ液が流れるようにする。大腿の断面積は小腿の断面積よりも大きいので、大腿のリンパマッサージをおこなうリンパ液流促進マッサージ装置のマッサージ部のサイズを大腿のリンパマッサージをおこなうリンパ液流促進マッサージ装置のマッサージ部よりも大きくして2種類のリンパ液流促進マッサージ装置を用途に応じて使い分ける方法もある。しかしながら、上述したように、壁部のマッサージ片の長さL2、底部のマッサージ片の長さL4、壁部のマッサージ片311の上端から壁部のマッサージ片315の下端までの長さ、底部のマッサージ片411の左端から底部のマッサージ片413の右端までの長さを適宜に決めれば、大腿のリンパマッサージと大腿のリンパマッサージとを1種類のリンパ液流促進マッサージ装置によっておこない所望の効果を得ることができる。
(第2実施形態の別の変形例)
図10は、第2実施形態の別のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。
図10は背中をマッサージするリンパ液流促進マッサージ装置3の模式図である。リンパ液は腋下リンパ節に流れるようにする。上述したリンパ液流促進マッサージ装置2のマッサージ部のサイズ変更をすることによってリンパ液流促進マッサージ装置3は実現できる。すなわち、壁部のマッサージ片の寸法、配置、または/および、底部のマッサージ片の寸法、配置を背中のリンパ液の流れを促進するように変更すればよい。
(第2実施形態のその他の変形例)
図7に図示する形態に限ることなく以下のようにしてもよい。マッサージ部は、上述したようにマッサージをする部位に応じてそのサイズを異ならせてもよく、被施術者の体形に応じてそのサイズを異ならせてもよい。また、無端ベルト18に固着されるマッサージ部の数は、図7に示す7個に限定されず、1又は任意の複数個であってもよい。また、壁部のマッサージ片、または、底部のマッサージ片のいずれか一方のみを用いるようにしてもよい。
要するに、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1は、回転軸12(第1回転軸)を中心に回転可能とされる無端ベルト駆動プーリ14に回転力を印加する回転モータ21と、回転軸12と平行して配置される回転軸16(第2回転軸)を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ17(第1無端ベルト保持プーリ)と、無端ベルト駆動プーリ14の外周部と無端ベルト保持プーリ17の外周部とに無端ベルト18(第1無端ベルト)の内面が接して一巡し、駆動力伝達プーリ13に印加される回転力によって一定方向に移動する無端ベルト18と、無端ベルト駆動プーリ14の外周部と無端ベルト保持プーリ17の外周部とに接しない面である無端ベルト18の外面に配され、無端ベルト18とともに移動する1または複数のマッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20g(第1マッサージ部)と、を備える。
マッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20gの各々は、外枠部500とマッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413とを具備している。外枠部500は、無端ベルト18の移動方向、すなわち、外枠部500の移動方向と直交する垂直面の外枠部500の断面形状が被施術者の身体の一部を覆うことを可能とする形状(具体的には凹形状)とされ、外枠部500の底部の外面は無端ベルト18の外面に固着されている。
マッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413は、外枠部500の内面から外枠部500の内側方向に突出するように配される。そして、マッサージ部20a〜マッサージ部20gの各々に押圧力が印加されたときには、この押圧力に応じて撓(しな)りながら反発力を有する弾性材料で形成されている。よって、無端ベルト18の移動にともない、マッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413は、被施術者の皮膚に接触して優しく撫でることが可能とされる。
要するに、第2実施形態におけるマッサージ部20a〜マッサージ部20gの各々は以下のように構成されている。
マッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413が、外枠部500(第1外枠部)の内面に複数個固着されて(1個でも可である)、外枠部500とともにマッサージ部20a〜マッサージ部20gを形成している。外枠部500の底部の外面を介して無端ベルト18(第1無端ベルト)の外面にマッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413が配される。マッサージ部20a〜マッサージ部20gの移動方向と直交する面における外枠部500の断面形状は、各々のマッサージ片が被施術者の皮膚に接することを可能とする凹形状とされる。
無端ベルト18の移動方向と直交する面におけるマッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413の断面形状については以下のようにされる。外枠部500から突出した先端部の両側の端部の外枠部500からの長さが、先端部の中央部の外枠部500からの長さよりも中央部から離れるに従い順次短くされている。また、マッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413の外枠部500の当該接平面に平行する面における断面形状は、先端部に近い程、断面積が小さく、かつ、先端部に近い程、マッサージ片の移動方向の厚さが薄くなるようにしている。ここで、当該接平面とは、壁部のマッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片に関しては壁部20c1の内面を含む面であり、底部のマッサージ片411〜マッサージ片413に関しては底部20c2の内面を含む面である。
図11は、第2実施形態の別のリンパ液流促進マッサージ装置の別のマッサージ部の模式図である。
図12は、第2実施形態の別のリンパ液流促進マッサージ装置の別のマッサージ部の使用中の模式図である。
図11、図12、は、第1実施形態と同様に外枠部500から突出したマッサージ片の先端部の両側の端部の外枠部500からの長さが、先端部の中央部の外枠部500からの長さよりも長く、先端部は湾曲形状をしている場合の変形例である。
図11(A)に示すように、無端ベルト18の移動方向と直交する面におけるマッサージ片の断面形状は、外枠部500から突出したマッサージ片321、マッサージ片322、マッサージ片421、マッサージ片422の先端部の両側の端部P1、端部P2の外枠部500からの長さが、先端部の中央部PCの外枠部500からの長さよりも長く、先端部は湾曲形状をしている。
図11(B)に示すように、外枠部500の当該接平面に平行する面におけるマッサージ片の断面形状は、外枠部500から突出したマッサージ片321、マッサージ片322、マッサージ片421、マッサージ片422の両側の端部P1,端部P2が、中央部PCよりも無端ベルト18の移動方向のより前方に配される湾曲形状をしている。
このようにすれば、図12(A)、図12(B)に示すように、第1実施形態におけるマッサージ片の作用および効果と同様な効果が得られる。すなわち、マッサージ片が撓(しな)った場合において、マッサージ片の広い範囲が身体の丸み、例えば、ふくらはぎ、ふとももの丸みに沿って皮膚と接触するようにできるので、マッサージ片は皮膚に強い圧迫力を加えることなく、ふくらはぎ、ふともも、の広い面積の範囲をやさしく撫でることができる。
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。図13(A)は正面図、図13(B)は平面図である。
施術者の手で、例えば、小腿のリンパマッサージ、大腿のリンパマッサージ、をおこなうときには、被施術者がリラックスした状態に体の位置を保持したままで、施術者がマッサージをする部位に応じて手の位置を変え、やさしく撫でるなかにも、手の位置を変えている。
第3実施形態の別のリンパ液流促進マッサージ装置4は、被施術者がリラックスした状態に体の位置を保持したままで、施術者がマッサージをする部位に応じて手の位置を変え、やさしく撫でるなかにも、手の位置を変えると同様の効果を発揮するのが第3実施形態である。
図13に示す第3実施形態の別のリンパ液流促進マッサージ装置4では、無端ベルト18を押すための押圧プーリ29と、無端ベルト18が弛まないようにするためのテンション印加プーリ26とばね26aを備える点が第2実施形態とは異なる。押圧プーリ29は無端ベルト18を押し上げながら無端ベルト18の移動力によって回転するプーリである。テンション印加プーリ26は、ばね26aと共に作用し、ばね26aが発生するばね力で基台11の方へ力を加えながら無端ベルト18の移動によって回転するプーリである。すなわち、テンション印加プーリ26は、無端ベルト18と無端ベルト駆動プーリ14との間に一定の摩擦力を生じさせて無端ベルト駆動プーリ14の回転力を無端ベルト18に伝えるためのものである。ここで、予め、無端ベルト18の長さは、押圧プーリ29の押し上げ分よりも長くしておき、テンション印加プーリ26によって長すぎる分は調整している。
なお、第2実施形態および他の実施形態においても、テンション印加プーリ26を備えることによって、無端ベルト18と無端ベルト駆動プーリ14との間に一定の摩擦力を生じさせ、性能をより向上させる効果を発揮する。特に、リンパ液流促進マッサージ装置2においては高さ調整が劇的に容易になる。
押圧プーリ29は、回転軸30を中心に回転し、押圧プーリ29の無端ベルト18の押し上げ量は回転軸支持部11dに挿入される回転軸支持部11eの挿入量に応じて決められる。固着リング11fは押し上げ量を調整した後に固定する締付けリングである。押圧プーリ29に接する位置に無端ベルト18に配されるマッサージ部が到達するとその位置においてマッサージ部の底部が被施術者に与えるマッサージの強さがより強くなる。図13においては、押圧プーリは、押圧プーリ29のみであるが、複数個の押圧プーリを備えれば、マッサージの強さにより複雑な強弱をつけることができる。
また、押圧プーリ29を用いる場合においても、無端ベルト18の部材を弾性材料である、ゴム部材等で形成してもよい。無端ベルト18を弾性材料で形成する場合には、押圧プーリ29の押し上げ量の異なりによらず、テンション印加プーリ26を使うことなく、無端ベルト18の張力が無端ベルト18と駆動力伝達プーリ13との間に摩擦力を発生させて無端ベルト18を移動させる。
(第4実施形態)
第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4は、被施術者の脚を広範囲に渡りリンパマッサージをする場合に好適な装置である。また、脚(小腿と大腿)、または、大腿、または、小腿、の大きさ、太さの個人差、年齢差によらず、マッサージ部のサイズを変更することなく、1台の同じリンパ液流促進マッサージ装置によって良好なリンパ液流促進マッサージの効果が得られるものである。
同様に、リンパ液流促進マッサージ装置4は、被施術者の腕(うで)を広範囲に渡りリンパマッサージをする場合に好適な装置である。また、腕(上腕と前腕)、または、上腕(じょうわん)、または、前腕(ぜんわん)、の大きさ、太さの個人差、年齢差によらず、マッサージ部のサイズを変更することなく、1台の同じリンパ液流促進マッサージ装置によって良好なリンパ液流促進マッサージの効果が得られるものである。腕とは肩から手首までの部分を指し、上腕とは肩から肘(ひじ)までの部分を指し、前腕(ぜんわん)とは肘から手首までの部分を指す。さらに、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4は、1台の同じリンパ液流促進マッサージ装置によって脚と腕との良好なリンパ液流促進マッサージの効果が得られるものである。すなわち、すなわち、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1,リンパ液流促進マッサージ装置2よりも、さらに適用範囲を広げるものである。
図14は、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。図14(A)は正面図、図14(B)は平面図である。図14(A)、図14(B)はマッサージ部がL形状の場合である。図14(C)は、マッサージ部が凹形状の場合の平面図である。
図15は、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4のマッサージ部の模式図である。図15(A)は側面図、図15(B)は平面図である。図15(C)は正面図である。
図14、図15を参照して第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4について説明をする。まず、図14を参照して第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4と第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1(第3実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置2についても同様に対比される)との異なる部分を中心に以下説明をする。
無端ベルト駆動プーリ141(第1無端ベルト駆動プーリ)と無端ベルト保持プーリ142(第2無端ベルト駆動プーリ)とが、第2実施形態の無端ベルト駆動プーリ14に代えて用いられる。無端ベルト保持プーリ171(第1無端ベルト保持プーリ)と無端ベルト保持プーリ172(第2無端ベルト保持プーリ)とが、第2実施形態の無端ベルト保持プーリ17に代えて用いられる。無端ベルト181(第1無端ベルト)と無端ベルト182(第2無端ベルト)とが、第2実施形態の無端ベルト18に代えて用いられる。
マッサージ部201aとマッサージ部202aとが、第2実施形態のマッサージ部20aに代えて用いられる。マッサージ部201bとマッサージ部202bとが、第2実施形態のマッサージ部20bに代えて用いられる。マッサージ部201cとマッサージ部202cとが、第2実施形態のマッサージ部20cに代えて用いられる。マッサージ部201dとマッサージ部202dとが、第2実施形態のマッサージ部20dに代えて用いられる。マッサージ部201eとマッサージ部202eとが、第2実施形態のマッサージ部20eに代えて用いられる。マッサージ部201fとマッサージ部202fとが、第2実施形態のマッサージ部20fに代えて用いられる。マッサージ部201gとマッサージ部202gとが、第2実施形態のマッサージ部20gに代えて用いられる。
マッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201c、マッサージ部201d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20gは同一の構造を有している。マッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201c、マッサージ部201d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20gは同一の構造を有している。
無端ベルト駆動プーリ141は、駆動力伝達プーリ13の軸方向(図14(B)中の紙面上方向に向かう矢印の方向及び紙面上方向に向かう矢印の方向)に可動可能とされる。無端ベルト駆動プーリ141の駆動力伝達プーリ13の軸上の位置を定めた後に、無端ベルト駆動プーリ141を駆動力伝達プーリ13に固定するボルト141aを締めて、無端ベルト駆動プーリ141は駆動力伝達プーリ13に固着される。
無端ベルト保持プーリ142は、回転軸12の伸びる方向の予め定める位置において回転軸12を回転中心として、回転する。駆動力伝達プーリ13の回転軸上における無端ベルト駆動プーリ141の位置と回転軸12の回転軸上における無端ベルト保持プーリ142の位置との離間距離は、回転軸12上における無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離を定める。
無端ベルト保持プーリ171は、介在プーリ161に接している。介在プーリ161の予め定める位置において、回転軸16を回転中心として回転可能とされる。無端ベルト保持プーリ171は、回転軸16の軸方向(図14(B)中の紙面上方向に向かう矢印の方向及び紙面上方向に向かう矢印の方向)に可動可能とされる。無端ベルト保持プーリ171の介在プーリ161の軸上の位置を調整後に、無端ベルト保持プーリ171を介在プーリ161に固定するボルト171aを締めて、無端ベルト保持プーリ171は、介在プーリ161に固着される。
無端ベルト保持プーリ172は、回転軸16の伸びる方向の予め定める位置において回転軸16を回転中心として、回転する。介在プーリ161の回転軸上における無端ベルト保持プーリ171の位置と回転軸16の軸上における無端ベルト保持プーリ172の位置との離間距離は、回転軸16上における無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離を定める。
無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト保持プーリ171との間に無端ベルト181が懸架される。無端ベルト保持プーリ142と無端ベルト保持プーリ172との間に無端ベルト182が懸架される。
無端ベルト保持プーリ142と無端ベルト保持プーリ172との間の離間距離は、予め定める一定の長さであるので、無端ベルト182の1周の長さは固定長でもよい。一方、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト保持プーリ171との間の離間距離は、無端ベルト駆動プーリ141の回転軸12に対する位置、または/および、無端ベルト保持プーリ171の回転軸16(同様に無端ベルト保持プーリ171)に対する位置に応じて変化するので、無端ベルト181の1周の長さも変化する。図14に示す図では、無端ベルト181の1周の長さの変化を吸収して、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト181との間に働く摩擦力の変化を抑えるためにテンション印加プーリ26が無端ベルト181に接するように配される。
なお、図示はしないが、さらに、別のテンション印加プーリを無端ベルト181に接するように配置してもよい。また、無端ベルト181に接するテンション印加プーリ26、無端ベルト181に接する別のテンション印加プーリを用いることなく、無端ベルト181、無端ベルト182の部材を弾性材料である、ゴム部材等で形成してもよい。
また、図示はしないが、無端ベルト保持プーリ142を無端ベルト駆動プーリ141と同構造のものに代え(但し、駆動力伝達プーリ13からの回転力は伝えないようにしてもよい)、無端ベルト保持プーリ172を無端ベルト保持プーリ171および介在プーリ161と同構造のものに代え、無端ベルト182の部材を弾性材料とするか、無端ベルト181に接する別のテンション印加プーリを用いてもよい。このようにすると、回転軸12の上における無端ベルト181の位置と回転軸16の上における無端ベルト181の位置とを任意に設定できる。
以上述べたようして、無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離の変化量を任意に設定できるとともに、回転軸12を基準として無端ベルトの移動方向への移動量に比例して無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離が変化するように設定できる。
図14に示すように、リンパ液流促進マッサージ装置4のマッサージ部は、対象形状の2つのマッサージ部を一組としており、第2実施形態の1つのマッサージ部から成る物とは異なっている。マッサージ部201a(第1マッサージ部)と202a(第2マッサージ部)とが一組となり、マッサージ部201b(第1マッサージ部)とマッサージ部202b(第2マッサージ部)とが一組となり、マッサージ部201c(第1マッサージ部)とマッサージ部202c(第2マッサージ部)とが一組となり、マッサージ部201d(第1マッサージ部)とマッサージ部202d(第2マッサージ部)とが一組となり、マッサージ部201e(第1マッサージ部)とマッサージ部202e(第2マッサージ部)とが一組となり、マッサージ部201f(第1マッサージ部)とマッサージ部202f(第2マッサージ部)とが一組となり、マッサージ部201g(第1マッサージ部)とマッサージ部202g(第2マッサージ部)とが一組となって形成される。
図15を参照して第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4のマッサージ部と第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置2のマッサージ部との異なる部分を中心により詳細に以下説明をする。図15においては、マッサージ部201c(第1マッサージ部)とマッサージ部202c(第2マッサージ部)とが一組となって形成されるマッサージ部を代表例として記載するが、他のマッサージ部も同様に構成されている。
図15(A)に示す側面図では、無端ベルト181と無端ベルト182とのベルト移動方向は紙面の表面から裏面に向かう。図15(B)に示す平面図では、無端ベルト181と無端ベルト182とのベルト移動方向は矢印の方向に向かう。図15(C)に示す正面図では、無端ベルト181と無端ベルト182とのベルト移動方向は矢印の方向に向かう。
マッサージ部201cには、第2実施形態と同様に、壁部のマッサージ片311、壁部のマッサージ片313、底部のマッサージ片411、底部のマッサージ片413が配されている。マッサージ部202cには、第2実施形態と同様に、壁部のマッサージ片312、壁部のマッサージ片314、底部のマッサージ片412、底部のマッサージ片414が配されている。
マッサージ部201cは無端ベルト181に固着されており、他の図示しないマッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201d、マッサージ部201e、マッサージ部201f、マッサージ部201gも同様に無端ベルト181に固着されている。また、マッサージ部202cは無端ベルト182に固着されており、他の図示しないマッサージ部202a、マッサージ部202b、マッサージ部202d、マッサージ部202e、マッサージ部202f、マッサージ部202gも同様に無端ベルト182に固着されている。
マッサージ部201cとマッサージ部202cとは、図15(c)に示すようにマッサージ部201cとマッサージ部202cの一方が空間部を有し、他方がこの空間よりも寸法の小さい先太りの突起部を有している。この空間部と突起部とは、両者間に空間を有して嵌合して連結するスライド機構を有している(破線丸内拡大図を参照)ので、マッサージ部201cとマッサージ部202cとは、ベルト移動方向と直交する方向には相互にスライドするが、ベルト移動方向には離れることはない。
回転モータ21によって無端ベルト駆動プーリ141に印加される回転力は無端ベルト181に移動力を与える。一方、無端ベルト保持プーリ142、無端ベルト保持プーリ171、無端ベルト保持プーリ172には回転モータ21からの回転力は印加されない。無端ベルト保持プーリ171は無端ベルト181の移動力によって回転し、無端ベルト保持プーリ142、無端ベルト保持プーリ172は、無端ベルト182の移動力によって回転するだけである。
よって、無端ベルト181の移動に伴い無端ベルト181に固着される各々の第1マッサージ部である、マッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201c、マッサージ部201d、マッサージ部201e、マッサージ部201f、マッサージ部201gも移動する。それに伴い各々の第1マッサージ部に連結される各々の第2マッサージ部である、マッサージ部202a、マッサージ部202b、マッサージ部202c、マッサージ部202d、マッサージ部202e、マッサージ部202f、マッサージ部202gも移動する。そして、各々の第2マッサージ部が固着される無端ベルト182が移動する。
ここで、例えば、回転軸12から回転軸16の方向へ無端ベルト181が半周の区間、移動する際に、順次、無端ベルト181と無端ベルト182の離間距離が大きくなる場合には、第1マッサージ部と第2マッサージ部との離間距離も順次、大きくなる。そして、回転軸16から回転軸12の方向へ無端ベルト181が残りの半周の区間、移動する際に、順次、無端ベルト181と無端ベルト182の離間距離が小さくなり、第1マッサージ部と第2マッサージ部との離間距離も順次、小さくなる。無端ベルト181に固着された第1マッサージ部と無端ベルト182に固着された第2マッサージ部との離間距離は、上述したスライド機構によって自動的に調整される。
無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離を変化させる効果について述べる。
例えば、脚に関しては通常、足首、小腿、大腿の順に太くなる。すなわち、足首、小腿、大腿、と伸びる方向に垂直なる面における断面の面積は、通常は、足首、小腿、大腿の順に大きくなる。従って、例えば、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト保持プーリ142との離間間隔を足首付近のリンパマッサージに最適な距離に設定し、無端ベルト保持プーリ171と無端ベルト保持プーリ172との離間間隔を大腿の付け根(脚の付け根)付近のリンパマッサージに最適な距離に設定し、無端ベルト181と無端ベルト182とが脚の全体を略覆う長さであると、広範囲に脚をリンパマッサージすることができる。
同様に、腕に関しては通常、手首、前腕、上腕の順に太くなるので、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト保持プーリ142との離間間隔を手首付近のリンパマッサージに最適な距離に設定し、無端ベルト保持プーリ171と無端ベルト保持プーリ172との離間間隔を上腕の付け根(腕の付け根)付近のリンパマッサージに最適な距離に設定して、脚におけると同様の効果が得られる。
また、人の体形は千差万別であり成人であっても足首、小腿、大腿の大きさは異なる。さらに、子供と青年と老人ではその体格差は大きく異なる。従って、例えば、被施術者の小腿、大腿の大きさ(例えば、断面の幅)を施術前に測定し、その幅に対応した無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト保持プーリ142との離間間隔の設定及び無端ベルト保持プーリ171と無端ベルト保持プーリ172との離間間隔の設定をおこなえば、理想的なリンパマッサージをおこなうことができる。
なお、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト181との間の摩擦力を増加させるために、無端ベルト駆動プーリ141の表面(無端ベルト181と接する面)と無端ベルト181の内面(無端ベルト駆動プーリ141と接する面)とを表面に細かい凹凸のある粗い面としてもよい。さらに、無端ベルト駆動プーリ141の表面に歯車を設けた歯車面として、無端ベルト181の内面に、無端ベルト駆動プーリ141の歯車面と噛み合う歯を設けるようにしてもよい。
要するに、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4は、まず、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1と同様な以下の構成を有している。回転軸12(第1回転軸)を中心に回転可能とされる駆動力伝達プーリ13および無端ベルト駆動プーリ141と、駆動力伝達プーリ13に回転力を印加する回転モータ21と、回転軸12と平行して配置される回転軸16(第2回転軸)を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ171(第1無端ベルト保持プーリ)と、無端ベルト駆動プーリ141の外周部と無端ベルト保持プーリ171の外周部とに無端ベルト181(第1無端ベルト)の内面が接して一巡し、駆動力伝達プーリ13に印加される回転力によって一定方向に移動する無端ベルト181と、を備える。
さらに、無端ベルト駆動プーリ141と回転軸12の伸びる方向に第1所定距離だけ離間して配され、第1回転軸12を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ142(第2無端ベルト保持プーリ)と、無端ベルト保持プーリ171と回転軸16の伸びる方向に第2所定距離だけ離間して配され、回転軸16を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ172(第3無端ベルト保持プーリ)と、
無端ベルト保持プーリ142の外周部と無端ベルト保持プーリ172の外周部とに無端ベルト182の内面が接して一巡し、無端ベルト181と交差することなく移動する無端ベルト182と、を備える。
また、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1と同様に、無端ベルト駆動プーリ141の外周部と無端ベルト保持プーリ171の外周部とに接しない面である無端ベルト181の外面に配され、無端ベルト181とともに移動する1または複数の第1マッサージ部であるマッサージ部201aとマッサージ部201bとマッサージ部201cとマッサージ部201dとマッサージ部201eとマッサージ部201fとマッサージ部201gと、を備える。さらに、無端ベルト保持プーリ142の外周部と無端ベルト保持プーリ172の外周部とに接しない面である無端ベルト182の外面に配され、無端ベルト182とともに移動する、第1マッサージ部と同数の1または複数の第2マッサージ部であるマッサージ部202aとマッサージ部202bとマッサージ部202cとマッサージ部202dとマッサージ部202eとマッサージ部202fとマッサージ部202gと、を備える。
第2実施形態におけると同様に第1マッサージ部であるマッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201c、マッサージ部201d、マッサージ部201e、マッサージ部201f、マッサージ部201gの各々は、外枠部500とマッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413とを具備している。外枠部500は、無端ベルト181の移動方向、すなわち、外枠部500の移動方向と直交する面の外枠部500の断面形状が被施術者の身体の一部を覆うことを可能とする形状(具体的にはL形状)とされ、外枠部500の底部の外面は無端ベルト181の外面に固着されている。
第1マッサージ部と第2マッサージ部とは類似な構造を有しており、第2マッサージ部であるマッサージ部202a、マッサージ部202b、マッサージ部202c、マッサージ部202d、マッサージ部202e、マッサージ部202f、マッサージ部202gの各々は、外枠部500とマッサージ片311〜マッサージ片316マッサージ片、マッサージ片411〜マッサージ片413とを具備している。外枠部500は、無端ベルト181の移動方向、すなわち、外枠部500の移動方向と直交する面の外枠部500の断面形状が被施術者の身体の一部を覆うことを可能とする形状(具体的にはL形状)とされ、外枠部500の底部の外面は無端ベルト182の外面に固着されている。
マッサージ片は、外枠部500の内面から外枠部500の内側方向に突出するように1または複数個、配されている。第1マッサージ部および第2マッサージ部が移動する方向の反対方向からマッサージ片に押圧力が印加されたときには押圧力の方向に撓(しな)りながら反発力を有する弾性材料でマッサージ片は形成され、無端ベルト181および無端ベルト182の移動にともない、マッサージ片は、被施術者の皮膚に接触して優しく撫でることが可能とされる。
無端ベルト181の外面に配される各々の第1マッサージ部と無端ベルト182の外面に配される各々の第2マッサージ部とは、第1無端ベルト181と無端ベルト182の離間距離に応じて回転軸12の伸びる方向に相互にスライド可能に嵌合(図15(C)に図示するスライド機構を参照)して1組の組合マッサージ部を第1マッサージ部の数および第2マッサージ部の数と同数の1または複数個形成する。すなわち、マッサージ部201aとマッサージ部202aとから成る一組のマッサージ部、マッサージ部201bとマッサージ部202bとから成る一組のマッサージ部、マッサージ部201cとマッサージ部202cとから成る一組のマッサージ部、マッサージ部201dとマッサージ部202dとから成る一組のマッサージ部、マッサージ部201eとマッサージ部202eとから成る一組のマッサージ部、マッサージ部201fとマッサージ部202fとから成る一組のマッサージ部、マッサージ部201gとマッサージ部202gとから成る一組のマッサージ部を各々形成する。
このように、第1マッサージ部と第2マッサージ部とが嵌合するので、第1マッサージ部の移動を第2マッサージ部に伝えることができる。このように、L形状と逆L形状との組み合わせによって、例えば、脚を包み込むようにできるので、脚が太い場合も、脚が細い場合も、無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離を調整して対応できる。
無端ベルト181と無端ベルト182との離間距離の調整は以下の様におこなう。例えば、ボルト141aまたは/およびボルト142aを緩めて無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト保持プーリ142との離間距離を調整した後、ボルト141aまたは/およびボルト142aを締めて距離(第1所定距離)を調整することができる。同様に、例えば、ボルト171aまたは/およびボルト172aを緩めて無端ベルト保持プーリ171と無端ベルト保持プーリ172との離間距離を調整した後、ボルト171aまたは/およびボルト172aを締めて距離(第2所定距離)を調整することができる。
(第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の変形例)
図14(C)は、上述した第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の変形例である。図14(A)、図14(B)においては、駆動力伝達プーリ13の上には、無端ベルト駆動プーリ14のみが固着されているが、図14(C)に示すリンパ液流促進マッサージ装置4‘においては、駆動力伝達プーリ13の上には、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト駆動プーリ142とが固着されており、駆動力伝達プーリ13とともに回転する。そして、無端ベルト駆動プーリ141と無端ベルト駆動プーリ142との離間間隔(第1所定距離)は可変とされている。図14(C)は、第1マッサージ部と第2マッサージ部との各々が独立して移動する場合の例である。第1マッサージ部と第2マッサージ部とは移動方向に直交する面において重なることがない。すなわち、第1マッサージ部と第2マッサージ部とはお互いが接触することがないような離間距離を有している。このような場合には、図13に示すような凹形状のマッサージ部(図13のマッサージ部20a〜マッサージ部20gを参照)を用いて、第1マッサージ部として、マッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201cを配し、第2マッサージ部として、マッサージ部202a、マッサージ部202b、マッサージ部202cを配することができる。このようにすれば、例えば、第1マッサージ部は左脚を、第2マッサージ部は右脚を、同時にマッサージすることができる。
第1マッサージ部の第1外枠部の内面に固着されるマッサージ片、第2マッサージ部の第2外枠部の内面に固着されるマッサージ片が、被施術者の皮膚に接することを可能とするように、第1マッサージ部、第2マッサージ部の形状は、凹形状またはL形状または後述する湾曲形状とすることができる。
さらに、図15(D)に図示するように、図3に示すマッサージ片(図3のマッサージ片200a〜マッサージ片200gを参照)と同様な形状のマッサージ片を、無端ベルト181と無端ベルト182とに直接に配することもできる。すなわち、図14(C)におけるマッサージ部201a、マッサージ部201b、マッサージ部201c、マッサージ部202a、マッサージ部202b、マッサージ部202c等を図15(D)に図示するマッサージ片261a、マッサージ片261b、マッサージ片261c、マッサージ片262a、マッサージ片262b、マッサージ片262c等に代えて用いることができる。
すなわち、図15(D)に示すリンパ液流促進マッサージ装置4‘’は、回転軸12を中心に回転可能とされる無端ベルト駆動プーリ141と、無端ベルト駆動プーリ141に回転力を印加する回転モータ21と、回転軸12と平行して配置される回転軸16を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ171と、無端ベルト駆動プーリ141の外周部と無端ベルト保持プーリ171の外周部とに無端ベルト181の内面が接して一巡し、無端ベルト駆動プーリ141に印加される回転力によって一定方向に移動する無端ベルト181と、無端ベルト181の内面の裏側面である外面に配され、無端ベルト181とともに移動する1または複数個のマッサージ片(マッサージ片261a、マッサージ片261b、マッサージ片261c等)と、を備える。マッサージ片は、無端ベルト181の移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦(図3(C)のL1を参照)および横(図3(C)のL2を参照)の長さが、マッサージ片の移動方向の板厚(図3(B)のL5を参照)の長さよりも長くされており、被施術者の皮膚に接すると撓りながら反発力を有する弾性材料で形成され、無端ベルト181の移動にともない被施術者の皮膚を一方向に撫でる。
また、無端ベルト駆動プーリ141と回転軸12の伸びる方向に第1所定距離だけ離間して配され、回転軸12を中心に無端ベルト駆動プーリ141とともに回転可能とされる無端ベルト保持プーリ142と、無端ベルト保持プーリ171と回転軸の伸びる方向に第2所定距離だけ離間して配され、回転軸16を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ172と、無端ベルト保持プーリ142の外周部と無端ベルト保持プーリ172の外周部とに無端ベルト182の内面が接して一巡し、無端ベルト182と交差することなく移動する無端ベルト182と、無端ベルト182の内面の裏側面である外面に配され、無端ベルト182とともに移動する1または複数個のマッサージ片(マッサージ片262a、マッサージ片262b、マッサージ片262c等)と、を備える。マッサージ片は、無端ベルト182の移動方向と直交する平面に射影されるマッサージ片の縦(図3(C)のL1を参照)および横(図3(C)のL2を参照)の長さが、マッサージ片の移動方向の板厚(図3(B)のL5を参照)の長さよりも長くされており、被施術者の皮膚に接すると撓りながら反発力を有する弾性材料で形成され、無端ベルト181の移動にともない被施術者の皮膚を一方向に撫でる。第1所定距離、または/および、第2所定距離は、被施術者の身体の各部の大きさに合わせて調整可能とされる、
(第5実施形態)
第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置5は、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4と同様に、被施術者の脚を広範囲に渡りリンパマッサージをする場合に好適な装置である。また、個人差、年齢差によらず、マッサージ部のサイズを変更することなく、1台の同じリンパ液流促進マッサージ装置によって良好なリンパ液流促進マッサージの効果が得られるものである。
図16は第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。
図16(A)は正面図、図16(B)は平面図である。
図17は第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置に使用可能なリンパ液流促進マッサージ装置のマッサージ部の模式図である。
図17(A)、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、外枠形状が異なるマッサージ部の側面図である。図17に示すマッサージ部は、いずれも第5実施形態に用いることができるマッサージ部である。図17にはマッサージ部20cを代表例として示すが、それ以外のマッサージ部20a〜マッサージ部20gも同じ構造である。
図17(A)はマッサージ部20cの外枠を型で成形したものであり、外力を加えない場合の形状は図示するように凹形状をしており、図8に示すものにガイド部材300を接着剤等で固着したものである。
図17(B)はマッサージ部20cの外枠を型で成形したものであり、外力を加えない場合の形状は図示するように湾曲形状である。外枠は弾性材、例えば、合成ゴムを材料とし、外力を加えて紙面の左右方向に伸縮させることが可能である。湾曲形状の先端底部は接着剤で無端ベルト18に固着される。
図17(C)、図17(D)、は、平板の板材に外力を加えて湾曲状にするものである。外力は、ターンバックル、または、ばねを用いて加えることができる。12(C)に図示するようにターンバックルを用いる場合にはターンバックの長さに応じて弾性材の外枠の右半分を紙面左右方向に伸縮させる。ターンバックル(turnbuckle)とは、長さを調節する装置である。金属等の胴の両端にねじ山が切られていて、一方は右ネジ、もう一方は左ネジになっており、この胴を回転させることでターンバックルの全長を調整することができる。また、図17(D)に図示するばねを用いる場合には、ばねの反発力を用いて弾性材の外枠の右半分を紙面左右方向に伸縮させるものである。図17(C)、図17(D)の製造方法については、図18を参照して説明をする。
図17の種々の形状のマッサージ部20cから外枠に固着したガイド部材300を削除すれば、第2実施形態、第3実施形態に用いることができる。
ガイド部材300はガイド線27a(図16を参照)、ガイド線27b(図16を参照)を抱え込み、ガイド線27a、ガイド線27bの位置に応じて弾性材の外枠を紙面左右方向に伸縮させる。第5実施形態では、外枠のガイド部材300が設けられた紙面の左半分のみを伸縮させる。
図18は第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置に使用可能な別のマッサージ部の模式図である。図17(C)、図17(D)に用いられる外枠を平板から形成する手順を示す図でもある。
図18(A)はマッサージ部になる前の板材とマッサージ片とを接着剤で固着したマッサージ部材の側面図の模式図である。図18(B)はマッサージ部になる前のマッサージ部材の平面図の模式図である。外枠材は弾性材料、例えば、合成ゴムの平板である。
図18(C)は、2つのターンバックルで支えてマッサージ部20cを形成した後の側面図の模式図である。ターンバックルの長さを調整すれば外枠部の紙面左右の長さを調整できる。図18(C)のマッサージ部20cは、第2実施形態、第3実施形態に用いることができる。
図18(D)は、図18(C)の2つのターンバックルの一つをガイド部材300に代えた、図17(C)と同様なものである。
図19は、第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の回転ガイド板の模式図である。図19(A)は、回転ガイド板28Aの側面図であり、図19(B)は、回転ガイド板28Bの側面図である。図19(C)は、別の回転ガイド板28Aの側面図であり、図19(D)は、別の回転ガイド板28Bの側面図である。
図20は、第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置5に使用可能な各種のマッサージ部の幅が狭い場合と広い場合の例である。(A)、(B)、(C)、(D)は狭い場合の例、(A’)、(B’)、(C’)、(D’)は広い場合の例である。
図16、図17、図18、図19、図20を用いて、第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置5について以下説明をする。
第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置5は、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4と同様の効果を生じさせながら、無端ベルト18(第1無端ベルト)のみを用いており、斜め方向に走行する無端ベルトを有しない点で第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4よりも回転機構が簡略化されている。反面、第4実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置4には無い回転ガイド板28A(第1回転ガイド板)、回転ガイド板28B(第2回転ガイド板)、ガイド線27a(第1ガイド線)、ガイド線27b(第2ガイド線)を備える。また、マッサージ部にガイド部材300を付加している。
図19(A)に図示する回転ガイド板28Aは回転軸12にボルト25を用いて固着され、図19(B)に図示する回転ガイド板28Bは回転軸16にボルト25を用いて固着される。回転ガイド板28Aが有する円弧部28aの円弧の中心は、回転軸12の中心及び無端ベルト駆動プーリ14の中心と一致する。すなわち、回転ガイド板28Aは無端ベルト18が無端ベルト駆動プーリ14に接して移動方向の変更するときに描く円弧と同心なる円弧部28aを有する。
また、回転ガイド板28Bが有する円弧部28bの円弧の中心は、回転軸16の中心及び無端ベルト保持プーリ17の中心と一致する。すなわち、回転ガイド板28Bは無端ベルト18が無端ベルト保持プーリ17に接して移動方向の変更するときに描く円弧と同心なる円弧部28bを有する。回転ガイド板28A、回転ガイド板28Bはこのような円弧部を有するので、回転ガイド板28A、回転ガイド板28Bはベルトが移動方向を変える部分においても、ガイド部材300の内部に留まり、マッサージ部の形状(横幅)を所望のものとすることができる。回転ガイド板28A、回転ガイド板28Bの材料は剛性板が使用される。
図19(A)に図示する回転ガイド板28Aの端部と図19(B)に図示する回転ガイド板28Bの端部との間には破線で模式的に示すようにガイド線27aとガイド線27bが懸架される。ガイド線27aの各々の端部とガイド線27bの各々の端部とは、各々がボルトによって締められて適切な張力を保ち、回転ガイド板28Aの端部と回転ガイド板28Bの端部に固着される。ガイド線27aとガイド線27bの作用によって、マッサージ部の形状(横幅)を所望のものとすることができる。なお、ガイド線27aとガイド線27bに代えて細長い剛性板を用いることもできる。
要するに、第5実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置5は、まず、第2実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置1と同様な以下の構成を有する。回転軸12(第1回転軸)を中心に回転可能とされる駆動力伝達プーリ13と、駆動力伝達プーリ13および無端ベルト駆動プーリ14に回転力を印加する回転モータ21と、回転軸12と平行して配置される回転軸16(第2回転軸)を中心に回転可能とされる無端ベルト保持プーリ17(第1無端ベルト保持プーリ)と、無端ベルト駆動プーリ14の外周部と無端ベルト保持プーリ17の外周部とに無端ベルト18(第1無端ベルト)の内面が接して一巡し、駆動力伝達プーリ13に印加される回転力によって一定方向に移動する無端ベルト18と、無端ベルト駆動プーリ14の外周部と無端ベルト保持プーリ17の外周部とに接しない面である無端ベルト18の外面に配され、無端ベルト18とともに移動する1または複数のマッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20g(第1マッサージ部)と、を備える。
さらに、無端ベルト18の一方の側端よりも外側の回転軸12に固着される回転軸12の中心と同心なる円弧部28aを有する回転ガイド板28A(第1回転ガイド板)と、無端ベルト18の一方の側端よりも外側の回転軸16に固着され、回転軸16の中心と同心なる円弧部28bを有する回転ガイド板28B(第2回転ガイド板)と、回転ガイド板28Aの一方の端部28fと回転ガイド板28Bの一方の端部28gとの間に懸架されるガイド線27a(第1ガイド線)と、回転ガイド板28Aの他方の端部28hと回転ガイド板28Bの他方の端部28iとの間に、ガイド線27aと平行に懸架されるガイド線27b(第2ガイド線)と、第1マッサージ部である、マッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20gの外枠部500の一方の外面に配されるガイド部材300(第1ガイド部材)と、を備える。
回転ガイド板28Aとガイド線27aと回転ガイド板28Bとガイド線27bとをガイド部材300の内部に保持しながらマッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e、マッサージ部20f、マッサージ部20gの各々は移動する。
(第6実施形態)
さらに、第1マッサージ部の外枠部の各々の側部にガイド部材300を付加して以下のようにすることができる。
図21は第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。図21(A)は第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置6の平面図であり、図21(B)は、リンパ液流促進マッサージ装置6に用いるマッサージ部の側面図である。
第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置6は、第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置5に以下の構成を付加するものである。
さらに、無端ベルト18の他方の側端よりも外側の回転軸12に固着される回転軸12の中心と同心なる円弧部28cを有する回転ガイド板28C(第3回転ガイド板)と、無端ベルト18の他方の側端よりも外側の回転軸16に固着される回転軸16の中心と同心なる円弧部28dを有する回転ガイド板28D(第4回転ガイド板)と、回転ガイド板28Cの一方の端部28jと回転ガイド板28Dの一方の端部28kとの間に懸架されるガイド線27c(第3ガイド線)と、回転ガイド板28Cの他方の端部28l(図示せず)と回転ガイド板28Dの他方の端部28m(図示せず)との間に、ガイド線27cと平行に懸架されるガイド線27d(図示せず)(第4ガイド線)と、マッサージ部20a、マッサージ部20b、マッサージ部20c、マッサージ部20d、マッサージ部20e(図示せず)、マッサージ部20f(図示せず)、マッサージ部20g(図示せず)の各々の外枠部の他方の外面に配されるガイド部材300(第2ガイド部材)と、を備え、回転ガイド板28Cとガイド線27cと回転ガイド板28Dとガイド線27dとをガイド部材300(第2ガイド部材)の内部に順次保持しながら各々のマッサージ部が移動することができるものである。
このようにすれば、各々のマッサージ部の各々の側部の外面に配されるガイド部材300を両側に配置したガイド線とガイド部材とによって、両側から伸縮することができるので、体格に応じたマッサージ部のサイズの調整が、片側にのみガイド部材300を備える場合に比べてより広範囲に行なえる。
(第7実施形態)
第7実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置は、さらに拡張した実施形態である。
図22は第7実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。
図22(A)は身体を側面からみる側面図である。図22(B)は身体を上方から見る平面図である。図22(B)では、身体は破線で示し第1実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置0を構成部材であるリンパ液流促進マッサージ部61、リンパ液流促進マッサージ部62として備え、構成部材としてのリンパ液流促進マッサージ部61とリンパ液流促進マッサージ部62と開口部との関係を視認可能としている。
第7実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置6は、被施術者100が仰臥できるベッド本体600を備え、ベッド本体600の被施術者100の右腕の腋下から右足首までが積載可能な範囲の一部に開口部602と開口部604とを設けている。また、ベッド本体600の被施術者100の左腕の腋下から左足首までが積載可能な範囲の一部に開口部601と開口部603とを設けている。そして、開口部602、開口部604、開口部601、開口部603の各々からマッサージ片が突出するようにする。
ここで、開口部は身体を受ける作用がないので、開口部602、開口部604、開口部601、開口部603をあまり大きくすると、被施術者100が寝たときの感触が良くない。そこで、図22に示す開口部はマッサージ片が突出する範囲でなるべく小さくし、さらに、開口部602と開口部604とが身長方向に連続して繋がらず、開口部601と開口部603とが身長方向に連続して繋がらないようにしている。
(第7実施形態の変形例)
図23は、より広範囲な大きさの被施術者にも対応可能にする第7実施形態の変形例である。開口部602と開口部604とを連続して繋げ、開口部612を形成している。また、開口部612の横方向(身長方向と直交する方向)の長さも、開口部602、開口部604よりもより長くしている。同様に、開口部601と開口部603とを連続して繋げ、開口部611を形成している。また、開口部611の横方向(身長方向と直交する方向)の長さも、開口部601、開口部603よりもより長くしている。
そして、構成部材としてのリンパ液流促進マッサージ部61とリンパ液流促進マッサージ部62との横方向の離間距離を図示しない留め具によって調整可能とする。横方向の離間距離をより短くするとより小さな体格の被施術者に対応でき、横方向の離間距離をより長くするとより大きな体格の被施術者に対応できる。
一方、身長方向に対しては、スライド板621、スライド板622、スライド板623を備え、被施術者の身長に合わせて、各々のスライド板の身長方向の位置とベッド本体600との相対位置を変化させることができるようにしている。スライド板621が足首方向に移動する距離、または/および、スライド板623が頭方向に移動する距離が大きいほど、身長が短い被施術者に対応でき、反対に、スライド板621が頭方向に移動する距離、または/および、スライド板623が足首方向に移動する距離が大きいほど、身長が長い被施術者に対応できる。スライド板622は、例えば、被施術者の臀部の位置に配置して、身長方向の3か所で被施術者の身体を保持するための部材である。
図22、図23では、第1実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置0を構成部材であるリンパ液流促進マッサージ部61、リンパ液流促進マッサージ部62として用いる場合の図が記載されているが、上述した第1実施形態ないし第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置のいずれかをリンパ液流促進マッサージ部として用いることができる。さらに、上述した第1実施形態ないし第6実施形態の各々の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部を、他の一以上の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部を組み合わせた実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置にベッド本体600を付加することができる。
第7実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置6を用いれば、被施術者100はリンパマッサージを受けながらリラックスし、睡眠を得ることも可能である。
(第8実施形態)
第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置は、さらに拡張した別の実施形態である。
図24は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の模式図である。
図24(A)は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置8の側面模式図である。図24(B)は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置8の被施術者100の背中が接する背もたれ部の模式図である。図24(C)は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置8の連結部718(回動軸714および回動軸受715から成る第1連結部)と連結部719(回動軸716および回動軸受717から成る第2連結部)、モータ710、歯車(第1歯車)711、歯車(第2歯車)712を用いる足台板705の回動機構の模式図である。図24(D)は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置8を使用しない場合の足台板705の位置を示す模式図である。
第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置8は、被施術者が着座できる椅子本体701と、被施術者の足を載せる足台板705と、椅子本体701または足台板705に配されるモータ710と、モータ710を制御するモータ制御部713と、椅子本体701と足台板705とを回動可能に連結する連結部718、連結部719と、を具備する椅子700を備える。
椅子本体701は、被施術者の右腰から右腕の腋下までに対応する部分と、被施術者の左腰から左腕の腋下までに対応する部分と、に開口部(図24では、開口部703および開口部704)を設け、開口部703および開口部704からマッサージ片が突出するようにする。
図24では、椅子本体701に回動軸受715、回動軸受717を固着し、足台板705に円柱状の回動軸714、円柱状の回動軸716を固着している(図24(C)を参照)。足台板705と回動軸714との固着、足台板705と回動軸716との固着は溶接によるものであってもよい。足台板705と回動軸716との固着はボルトとナットによるものであってもよい。また、回動軸714と回動軸716とを一本の円柱材で形成するようにし、足台板705とは溶接により固着してもよい。図24では、連結部718は、回動軸714と回動軸受715とで形成され、連結部719は、回動軸716と回動軸受717とで形成される。このような、連結部718と連結部719とによって、足台板705は椅子本体701に対して回動可能とされる。
モータ制御部713は、モータ710を正方向と逆方向とに交互に回転させて椅子本体701と足台板705との間に働く回動力によって、足台板705を上下方向に動かす。モータ710は、通常の直流モータ、ギヤー付直流モータ、ステッピングモータ等が使用可能である。モータ710の外筐は椅子本体701に固着される。モータ710の回転軸を回転させるタイミングは、椅子本体701に固着される発光素子720、モータ710の回転軸に固着されるスリット板721、椅子本体701に固着される受光素子722から成る回動角度検出器によって検出される。
発光素子720はLED(Light Emitting Diode)を光源として有して光を射出する。スリット板721は、円板の中心がモータ710の回転軸に連結されている。この円板を光不透過材料の円板で形成され、円板の一部に開口を設けて開口から透過する光を受光素子722で検出して、回動軸714と回動軸716を回動中心として上下方向に交互に移動する足台板705の位置を検出する。発光素子720の発光素子の数と受光素子722の受光素子の数とは各々が一組となる複数個からなるようにしてもよい。
例えば、足台板705の位置を上下に交互に動かす場合には以下のようにする。モータ制御部713が、足台板705の最も上の位置を検出するために予め設定するスリット板721の第1開口を透過する第1発光素子からの光を第1受光素子で受光したと判断したときに正回転を逆回転に反転する駆動信号をモータ710に送出する。モータ制御部713が、足台板705の最も下の位置を検出するために予め設定する第2開口を透過する第2発光素子からの光を第2受光素子で受光したと判断したときに逆回転を正回転に反転する駆動信号をモータ710に送出する。このようにすれば、所定範囲で上下方向に交互に足台板705を移動させることができる。また、スリット板721の第1開口の位置の位置を調整して上方向に移動する距離を調整し、第2開口の位置を調整して下方向に移動する距離を調整して、上下移動の範囲を被施術者の好み、体格に合わせて調整することもできる。
また、スリット板721を光不透過材料の円板で形成して、円板の表面の一部を黒色等で塗りつぶし透過する光を受光素子722で検出するようにしてもよい。そして、例えば、モータ制御部713が、足台板705の最も上の位置を検出するために予め所定の位置(第1所定位置)を黒く塗ったスリット板721を透過する第1発光素子からの光を第1受光素子で受光しないと判断したときに正回転を逆回転に反転する駆動信号をモータ710に送出する。モータ制御部713が、足台板705の最も下の位置を検出するために予め所定の位置(第1所定位置)を黒く塗ったスリット板721を透過する第2発光素子からの光を第2受光素子で受光しないと判断したときに逆回転を正回転に反転する駆動信号をモータ710に送出する。このようにすれば、所定範囲で上下方向に交互に足台板705を移動させることができる。また、スリット板721の黒色の第1所定位置、第2所定位置の各々の位置を調整して、上方向に移動する距離と下方向に移動する距離との各々を調整して上下移動の範囲を被施術者の好み、体格に合わせて調整することもできる。
また、図24(D)に示すように、足台板705の足を載せる面を椅子本体701に接触させ足台板を収納する場合には以下の様にする。モータ制御部713は、第1受光素子が受光したと判断したときにも正回転を維持する。そして、モータ制御部713が、足台板705が椅子本体701に接触する位置を検出するために予め設定するスリット板721の第3開口を透過する第3発光素子からの光を第3受光素子で受光したと判断したときに正回転を停止するためにモータの駆動電流を零にする駆動信号をモータ710に送出する。その後、図24(D)に示すような足台板705が椅子本体701に接触する状態が維持される。足台板705の先端(回動軸から遠い側)、または、足台板705の先端が接する椅子本体701の部分にマグネットを貼ってマグネットの吸引力によって足台板705が椅子本体701に接触する位置が維持されることをより確実にしてもよい。
ここで、足台板705を上下に交互に動かす回動力、または、足台板705を椅子本体701に接触させる回動力は、モータ710(通常の直流モータ、通常の交流モータ、ギヤー付モータ、ステッピングモータ等)から歯車711、歯車712、回動軸714、足台板705と順に伝わる。なお、危険除去の観点から歯車711と歯車712とを覆うカバー(図示さず)を配するようにしてもよい。
また、図示はしないが、モータ710の外筐と発光素子720と受光素子722とを足台板705に固着して、歯車712を回動軸714ではなく、モータ710の回転軸に固着し、スリット板721をモータ710の回転軸に固着し、歯車711を回動することなく椅子本体701に固着しても、上述したと同様の作用効果を生じる。
また、開口部703および開口部704から突出するマッサージ片(例えば、図24(B)のマッサージ片731を参照、他のマッサージ片については符号を省略した)については、第1実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置0と同様の2つのリンパ液流促進マッサージ部73、リンパ液流促進マッサージ部74を並列に並べて椅子本体701に配する開口部からマッサージ片が突出するようにしてもよい。さらに、図24に図示するように、腕をマッサージするリンパ液流促進マッサージ部72、脚をマッサージするリンパ液流促進マッサージ部75、を備え、椅子本体701に配する開口部からリンパ液流促進マッサージ部72のマッサージ片、リンパ液流促進マッサージ部75のマッサージ片が突出するようにしてもよい。
(第8実施形態の変形例)
図25は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の変形例の模式図である。
図25(A)は第8実施形態の変形例のリンパ液流促進マッサージ装置9の側面模式図である。図24(B)は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置9の連結部718(回動軸714および回動軸受715から成る第1連結部)と連結部719(回動軸716および回動軸受717から成る第2連結部)、モータ710、偏芯カム740を用いる足台板705の回動機構の模式図である。第8実施形態の変形例のリンパ液流促進マッサージ装置9の背もたれ部の模式図は、図24(B)と同じであるので記載を省略する。図24(C)は第8実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置9を使用しない場合の足台板705の位置を示す模式図である。
リンパ液流促進マッサージ装置9においては、椅子本体701にその外筐が固着されるモータ710の回転軸に偏芯カム740を固着して足台板705を上下に回動させる点に特徴がある。足台板705を使用しないときには、自動ではなく手動で足台板705の足を載せる面を椅子本体701に接触させ足台板を収納することができる(図25(C)を参照)。なお、モータ710としてギヤボックス付のモータを使用してトルク向上を図ればモータの小型化が図れる。
リンパ液流促進マッサージ装置9は、要するに、第1実施形態ないし第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置において、被施術者が着座できる椅子本体701と、被施術者の足を載せる足台板705と、椅子本体701に配されるモータ710と、モータ710を制御するモータ制御部713と、椅子本体701と足台板705とを回動可能に連結する連結部718、連結部719と、モータ710の回転軸に固着され、連結部718、連結部719を中心に回動する足台板705の足を載せる側ではない側に接触する偏芯カム740と、を具備する椅子700を備える。そして、椅子本体701は、被施術者の右腰から右腕の腋下までに対応する部分と、被施術者の左腰から左腕の腋下までに対応する部分と、に開口部703、開口部704を設け、開口部からマッサージ片が突出するようにする。モータ制御部713は、モータ710を一方向に回転させ、椅子本体701と足台板705との間に働く偏芯カム740によって生じる回動力によって、足台板705を上下方向に動かす。
また、リンパ液流促進マッサージ装置8、リンパ液流促進マッサージ装置9は、移動させるために、車輪707、車輪708を付加するようにもできる。車輪707、車輪708の大きさを適宜に選べば、車椅子としても使用することができる。車椅子として使用する場合には、椅子本体701の内部に蓄電池が配置され、この蓄電池から無端ベルトを駆動する回転モータ、足台板を駆動するモータ、モータ制御部、回動角度検出器等に電力が供給される。
図24、図25に示す第8実施形態では、被施術者は楽な姿勢でリンパマッサージを受けることができる。それとともに、下肢の血液を心臓に戻す下肢筋肉の収縮運動をおこなうこともできる。被施術者が椅子に長く座っていると下肢の血流が鈍ると共に血液が溜まりはじめる。リンパ液も血流と同様であって、被施術者が椅子に長く座っているとリンパ液が溜まり、下肢のむくみ、疲労等の下になり好ましくない。このような問題を解決するために実施形態では足台板を備え、被施術者の足を上下方向に移動させて下肢のリンパ液の溜まりを防ぎ、下肢を良好な状態に保つようにしている。さらに、腕をマッサージするリンパ液流促進マッサージ装置を配する(図24、図25を参照)ことができる。
また、図24、図25では、リンパ液流促進マッサージ部73、リンパ液流促進マッサージ部74、リンパ液流促進マッサージ部75として第1実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置0を用いる場合の図が記載されているが、上述した第1実施形態ないし第6実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置のいずれかをリンパ液流促進マッサージ部の各々として用いることができる。さらに、上述した第1実施形態ないし第6実施形態の各々の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部を、他の一以上の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部を組み合わせた実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置に椅子700を付加することができる。
上述した第1実施形態ないし第8実施形態の各々およびそれらの変形例の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部を、他の一以上の実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置の全部または一部と組み合わせた実施形態のリンパ液流促進マッサージ装置も実施可能である。