JP2017118601A - 回転電機駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転子位置のセンサレス制御を行う回転電機駆動装置において、様々な回転電機を効率よく駆動する。
【解決手段】 実施形態の回転電機駆動装置は、電流指令と電流検出器3で計測された電流応答値とに基づいて、インバータ1の電圧指令を演算する電流制御器25と、電圧指令に基づいてインバータ1のゲート指令を演算するPWM変調器22と、電流応答値と電圧指令とに基づいて回転電機2の誤差推定値Δθestを演算する誤差推定器261と、電流応答値と電圧指令とに基づいてインバータ1の有効電力Peを演算し、有効電力Peが有効電力目標値となる最適回転位相角目標Δθβを演算し、最適回転位相角目標Δθβに探索信号を重畳した最適回転位相角指令θestを演算する位相角指令生成器265と、誤差推定値Δθestと最適回転位相角指令θestとの差がゼロとなる推定回転速度ωestを演算する制御器263と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、回転電機駆動装置に関する。
小型軽量・低コスト化・信頼性向上のため、レゾルバやエンコーダ等の回転子の位置センサを用いないセンサレス制御を行う回転電機駆動装置が提案されている。回転子位置のセンサレス制御では、例えば、回転電機の回転子の推定位相角と実際の位相角との誤差を演算し、演算された誤差がゼロとなるように回転子の位置を検出している。
また、様々な回転電機の駆動に用いられる汎用の回転電機駆動装置では、回転電機を効率よく駆動するために、回転電機の最大トルクおよび最大電流を実現する電流位相角を探索する制御を行う回転電機駆動装置が提案されている。
電気学会論文誌 Vol.122-D No.12 P1088-1096「拡張誘起電圧モデルに基づく突極型永久磁石同期モータのセンサレス制御」
回転電機のセンサレス制御と、回転電機の最大トルクおよび最大電流を実現する電流位相角の探索制御とを行うと、制御が複雑になることがあった。
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みて成されたものであって、回転子位置のセンサレス制御を行う回転電機駆動装置において、様々な回転電機を効率よく駆動することを目的とする。
実施形態による回転電機駆動装置は、所定の回転電機と接続可能であり、前記回転電機を駆動する交流電流を出力可能なインバータと、前記交流電流を計測する電流検出器と、前記回転電機の推定回転速度と、外部から供給される速度指令とに基づいて、前記速度指令の値を実現するように前記インバータの電流指令を演算する速度制御器と、前記電流指令と前記電流検出器で計測された電流応答値とに基づいて、前記インバータの電圧指令を演算する電流制御器と、前記電圧指令に基づいて前記インバータのゲート指令を演算するPWM変調器と、前記電流応答値と前記電圧指令とに基づいて前記回転電機の回転位相角誤差推定値を演算する回転位相角誤差推定器と、前記電流応答値と前記電圧指令とに基づいて前記インバータの有効電力を演算し、前記有効電力が有効電力目標値となるように、回転駆動している際の前記回転電機の最適回転位相角目標を演算し、前記最適回転位相角目標に探索信号を重畳した最適回転位相角指令を演算する最適回転位相角指令生成器と、前記回転位相角誤差推定値と前記最適回転位相角指令との差がゼロとなる前記推定回転速度を演算する制御器と、を備える。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の回転電機駆動装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。本実施形態の回転電機駆動装置は、回転電機制御装置と、回転電機2と、を備えている。回転電機制御装置は、インバータ1と、PWM変調器22と、座標変換部23、24と、電流制御器25と、速度制御器28と、速度推定器26と、電流検出器3と、を備えている。回転電機制御装置は、交流負荷である、回転電機2を駆動する交流電流を出力する。本実施形態において回転電機2は例えば同期電動機である。
図1は、第1実施形態の回転電機駆動装置の一構成例を概略的に示すブロック図である。本実施形態の回転電機駆動装置は、回転電機制御装置と、回転電機2と、を備えている。回転電機制御装置は、インバータ1と、PWM変調器22と、座標変換部23、24と、電流制御器25と、速度制御器28と、速度推定器26と、電流検出器3と、を備えている。回転電機制御装置は、交流負荷である、回転電機2を駆動する交流電流を出力する。本実施形態において回転電機2は例えば同期電動機である。
回転電機2は3相交流電動機であって、例えば、各励磁相に流れる交流電流によって磁界を発生し、回転子との磁気的相互作用によりトルクを発生する永久磁石リラクタンスモータである。回転電機2は、インバータ1から供給された電流によりトルクを発生する交流負荷である。回転電機2の出力軸には、負荷装置が接続されて発生したトルクが伝達される。また、回転電機2は、負荷装置の運動エネルギを電力に変換して回生運転する。回転電機2の回生運転による電力はインバータ1で直流電力へ変換されて、インバータ1に接続する直流電源(図示せず)に充電される。回転電機2のアウトプットシャフトは負荷と接続され、回転電機2は負荷を回転駆動する。
電流検出器3は、インバータ1から、回転電機2へ流れる3相交流電流のうち、2相若しくは3相の電流応答値を検出する。電流検出器3で検出された電流応答値は、座標変換部23に供給される。
電流検出器3は、インバータ1から、回転電機2へ流れる3相交流電流のうち、2相若しくは3相の電流応答値を検出する。電流検出器3で検出された電流応答値は、座標変換部23に供給される。
インバータ1は、所定の回転電機と接続可能であり、回転電機を駆動する交流電流を出力可能である。本実施形態では、インバータ1は、直流電力と交流電力とを相互に変換し、交流電力を、回転電機2へ出力する3相交流インバータである。インバータ1は、各相2つの主回路スイッチング素子(図示せず)を備えている。インバータ1は、後述するPWM変調器22からのゲート指令に従って主回路スイッチング素子が切替わることにより、交流電力と直流電力とを相互に変換する。
座標変換部23は、電流検出器3で検出された電流応答値iu、iwと、後述する速度推定器26で演算された推定回転位相角θestとを受信し、三相固定座標系の電流応答値をdc−qc軸回転座標系の電流応答値idc、iqcへ座標変換するベクトル変換部である。なお、dc−qc軸回転座標系は、推定回転位相角θestに基づいて得られたd−q軸の推定座標系である。
速度制御器28は、上位制御装置(図示せず)から入力される速度指令ω*と、速度推定器26で演算された推定回転速度ωestとを比較し、速度指令ω*が実現されるようにqc軸電流指令値iqc*を決定する。速度制御器28は、qc軸電流指令値iqc*を電流制御器25へ出力する。
電流制御器25は、座標変換部23において変換された電流応答値idc、iqcと、ゼロに設定されたdc軸電流指令idc*と、速度制御器28から出力されたqc軸電流指令iqc*とを比較し、電流応答値idc、iqcと電流指令idc*、iqc*との差がゼロとなるように電圧指令vdc*、vqc*を決定する。電流制御器25は、電圧指令vdc*、vqc*を座標変換部24へ出力する。
座標変換部24は、電流制御器25から入力される電圧指令vdc*、vqc*と、後述する速度推定器26で演算された推定回転位相角θestとを受信し、dc−qc軸回転座標系の電圧指令vdc*、vqc*を、三相固定座標系の電圧指令vu*、vv*、vw*へ座標変換するベクトル変換部である。
PWM変調器22は、予め設定された搬送波である三角波と、三相固定座標系の電圧指令vu*、vv*、vw*とを比較してPWM変調し、インバータ1の各相主回路スイッチング素子のオン/オフを切替えるゲート信号を生成して出力する。
速度推定器26は、dc−qc軸回転座標系の電流応答idc、iqcと電圧指令vdc*、vqc*とから、推定速度ωestと推定回転位相角θestとを演算する。
速度推定器26は、dc−qc軸回転座標系の電流応答idc、iqcと電圧指令vdc*、vqc*とから、推定速度ωestと推定回転位相角θestとを演算する。
図2は、第1実施形態の電動機駆動装置の速度推定器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
速度推定器26は、回転位相角誤差推定器261と、位相角減算器262と、PI制御器263と、積分器264と、最適回転位相角指令生成器265と、を備えている。
速度推定器26は、回転位相角誤差推定器261と、位相角減算器262と、PI制御器263と、積分器264と、最適回転位相角指令生成器265と、を備えている。
回転位相角誤差推定器261は、電流応答idc、iqcと電圧指令vdc*、vqc*とから、回転位相角誤差推定値Δθestを演算する。回転位相角誤差推定器261は、既知の方法によりΔθestを演算可能であり、例えば非特許文献1に記載されたように回転位相角誤差推定値Δθestを演算することができる。回転位相角誤差推定値Δθestは、推定回転位相角θestと実際の回転位相角との差である。
最適回転位相角指令生成器265は、電流応答idc、iqcと電圧指令vdc*、vqc*とから、最適回転位相角指令Δθβ*を演算する。最適回転位相角指令生成器265は、dc−qc軸が、後述のdm−qm軸と一致するような回転位相角誤差指令Δθβ*を生成する。最適回転位相角指令Δθβ*を演算方法については、後に詳細に説明する。
位相角減算器262は、最適回転位相角指令生成器265で演算した最適回転位相角指令Δθβ*から回転位相角誤差推定器261で演算された回転位相角誤差推定値Δθestを減算し、軸誤差Δθ(=Δθβ*−Δθest)を演算する。
PI制御器263は、位相角減算器262から出力された軸誤差Δθを受信し、軸誤差Δθがゼロになるように推定回転速度ωestを演算して出力する。
積分器264は、PI制御器263から出力された推定回転速度ωestを積分して、推定回転位相角θestを演算する。
積分器264は、PI制御器263から出力された推定回転速度ωestを積分して、推定回転位相角θestを演算する。
図3は、第1実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
最適回転位相角指令生成器265は、電力演算器60と、バンドパスフィルタ62と、乗算器63と、ローパスフィルタ64と、PI制御器66と、加算器67と、信号発生装置68と、ゲイン乗算器69と、を備えている。
最適回転位相角指令生成器265は、電力演算器60と、バンドパスフィルタ62と、乗算器63と、ローパスフィルタ64と、PI制御器66と、加算器67と、信号発生装置68と、ゲイン乗算器69と、を備えている。
電力演算部60は、電圧指令vdc*、vqc*と電流応答idc、iqcとから次式(1)により電力Pを計算する。
P=vdc* × idc + vqc* × iqc(式1)
P=vdc* × idc + vqc* × iqc(式1)
バンドパスフィルタ62は、電力演算器60で演算された電力Pのうち、信号発生装置68で生成する正弦波信号sinωhtと同じ周波数成分である、電力周波数成分(高周波成分)Phを取り出して出力する。
信号発生装置68は、正弦波信号sinωhtを発生して出力する。
乗算器63は、バンドパスフィルタ62で抽出した電力高周波成分Phに、信号発生装置68で発生した正弦波信号sinωhtを乗算して出力する。
信号発生装置68は、正弦波信号sinωhtを発生して出力する。
乗算器63は、バンドパスフィルタ62で抽出した電力高周波成分Phに、信号発生装置68で発生した正弦波信号sinωhtを乗算して出力する。
ローパスフィルタ64は、乗算器63の出力から高調波成分を取り除いて有効電力Peを取り出す。
PI制御器66は、ローパスフィルタ64から出力された有効電力Peがゼロとなるように、最適回転位相角目標Δθβを決定する。すなわち、本実施形態では、有効電力目標値をゼロとしている。
ゲイン乗算器69は、信号発生装置68で発生したsinωht成分にゲインKを掛けて、探索信号となる正弦波信号を生成する。探索信号は所定の角速度を有する正弦波信号である。
PI制御器66は、ローパスフィルタ64から出力された有効電力Peがゼロとなるように、最適回転位相角目標Δθβを決定する。すなわち、本実施形態では、有効電力目標値をゼロとしている。
ゲイン乗算器69は、信号発生装置68で発生したsinωht成分にゲインKを掛けて、探索信号となる正弦波信号を生成する。探索信号は所定の角速度を有する正弦波信号である。
加算器67は、最適回転位相角目標Δθβに探索信号を加算して、最適回転位相角指令Δθβ*を生成する。探索信号は、最適回転位相角目標Δθβに対して微小な変化を与える正弦波信号である。本実施形態では、探索信号により最適回転位相角目標Δθβに例えば1〜2度の変化を与えている。
図4は、回転位相角誤差推定値と最適回転位相角指令と軸誤差との関係について説明する図である。
等トルク曲線43は、電流指令ベクトル41の先端が描く定電流円42が接する等トルク曲線であって、電流応答の位相角が最適回転位相角であるときの電流指令ベクトル41と直交する。
dm−qm軸は、等トルク曲線43と定電流円42とが接する時(即ち最大トルク/電流となる時)の電流指令ベクトル41の方向をqm軸とし、そこから電気的に90度遅れた方向をdm軸とする回転座標系である。
等トルク曲線43は、電流指令ベクトル41の先端が描く定電流円42が接する等トルク曲線であって、電流応答の位相角が最適回転位相角であるときの電流指令ベクトル41と直交する。
dm−qm軸は、等トルク曲線43と定電流円42とが接する時(即ち最大トルク/電流となる時)の電流指令ベクトル41の方向をqm軸とし、そこから電気的に90度遅れた方向をdm軸とする回転座標系である。
dm−qm軸とdc−qc軸とに誤差Δθが発生したとき、電流指令ベクトル41と等トルク曲線43とは直交しない。したがって、このときに得られるトルクは最大値よりも小さくなる。電流指令ベクトル41が等トルク曲線43と直交しているときに、dc−qc軸とdm−qm軸との軸誤差Δθを微小に変化させると、トルクTの変化は略ゼロである。このとき次式(2)が成り立つ。
dT/dΔθ=0(式2)
dT/dΔθ=0(式2)
電流指令ベクトル41が等トルク曲線43と直交していないときに、dc−qc軸とdm−qm軸の軸誤差Δθをプラス方向に微小に変化させると、軸誤差Δθに対するトルクTの変化は負となる。また、電流指令ベクトル41が等トルク曲線43と直交していないときに、dc−qc軸とdm−qm軸の軸誤差Δθをマイナス方向に微小に変化させると、軸誤差Δθに対するトルクTの変化は正となる。即ち、次式(3)、(4)が成り立つ。
Δθ>0のとき
dT/dΔθ<0(式3)
Δθ<0のとき
dT/dΔθ>0(式4)
上記のことから、軸誤差Δθを微小に変化させてトルクTの変化がゼロとなるように制御すると、dm−qm軸とdc−qc軸とを一致させることができる。
dT/dΔθ<0(式3)
Δθ<0のとき
dT/dΔθ>0(式4)
上記のことから、軸誤差Δθを微小に変化させてトルクTの変化がゼロとなるように制御すると、dm−qm軸とdc−qc軸とを一致させることができる。
ここで、軸誤差Δθに微小な変化を与えるのは、ゲイン乗算器69で演算される探索信号である。トルクTは有効電力Peに比例するため、有効電力PeをゼロとすることでトルクTの変化はゼロとなり、dm−qm軸をdc−qc軸に一致させることができる。
上記のようにdm−qm軸をdc−qc軸と一致させた上で、速度制御器28の出力をqc軸電流指令iqc*とし、dc軸電流指令idc*をゼロとすると、電流制御器25が電流応答idc、iqcをqc軸電流指令idc*、iqc*と一致させるように作用し、最大トルク/電流を得ることができる。
上記のようにdm−qm軸をdc−qc軸と一致させた上で、速度制御器28の出力をqc軸電流指令iqc*とし、dc軸電流指令idc*をゼロとすると、電流制御器25が電流応答idc、iqcをqc軸電流指令idc*、iqc*と一致させるように作用し、最大トルク/電流を得ることができる。
上述の実施形態によれば、制御回路を複雑にすることなく、センサレス制御と、最大トルクおよび最大電流を実現する電流位相角の探索制御とを同時に実現することができる。さらに、自動的に探索ができるので、パラメータ変動に対してロバストであり、かつ調整も簡単となる。したがって、上述の実施形態によれば、様々な電動機に対してセンサレス制御と電流位相角の探索制御とを同時に行うことができ、汎用性の高い電動機駆動装置を提供することができる。
すなわち、本実施形態によれば、回転子位置のセンサレス制御を行う電動機駆動装置において、様々な電動機を効率よく駆動することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、回転子位置のセンサレス制御を行う電動機駆動装置において、様々な電動機を効率よく駆動することが可能となる。
次に、第2実施形態の電動機駆動装置について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において上述の第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図5は、第2実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の電動機駆動装置は、図4に示す最適回転位相角指令生成器265の、バンドパスフィルタ62、乗算器63、およびローパスフィルタ64に代えて、フーリエ級数展開部61を備えている。フーリエ級数展開部61は、積算器612と、積分器614とを備えている。
本実施形態の電動機駆動装置は、図4に示す最適回転位相角指令生成器265の、バンドパスフィルタ62、乗算器63、およびローパスフィルタ64に代えて、フーリエ級数展開部61を備えている。フーリエ級数展開部61は、積算器612と、積分器614とを備えている。
積算器612は、電力演算器60から出力された電力Pに、正弦波信号sinωhtを積算して出力する。積分器614は、積算器612から出力された値(=P×sinωht)を1周期分(0≦ωh<2π)だけ積分して出力する。電力Pに正弦波信号sinωhtを積算した値(P×sinωht)を1周期分積分すると、電力Pに含まれるωhtの成分が抽出され、いわゆるフーリエ級数展開が行われる。
上記のように、電動機駆動装置がフーリエ級数展開部61を備えることにより、バンドパスフィルタやローパスフィルタの演算による制御遅れがなくなる。すなわち、本実施形態の電動機駆動装置によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに応答速度を改善することができる。
次に、第3実施形態の電動機駆動装置について図面を参照して説明する。
図6は、第3実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器265は、ローパスフィルタ64とPI制御器66との間に配置された減算器65を更に備えている。
図6は、第3実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器265は、ローパスフィルタ64とPI制御器66との間に配置された減算器65を更に備えている。
減算器65は、外部から入力される有効電力指令Pe*から、有効電力Peを減算して差分(有効電力差ΔPe)を出力する。
PI制御器66は、減算器65から入力された有効電力差ΔPeがゼロとなるように最適回転位相角目標Δθβを演算して出力する。
PI制御器66は、減算器65から入力された有効電力差ΔPeがゼロとなるように最適回転位相角目標Δθβを演算して出力する。
すなわち、上述の第1実施形態および第2実施形態では、PI制御器66は有効電力Peがゼロとなる最適回転位相角目標Δθβを演算していたが、本実施形態では、有効電力Peが有効電力指令Pe*となる最適回転位相角目標Δθβを演算している。本実施形態の電動機駆動装置は、上記以外の構成は第1実施形態又は第2実施形態の電動機駆動装置と同様である。
前述のようにトルク変動量がゼロとなるように電動機を制御することにより、電流を最小(即ち、銅損を最小)とすることができる。しかしながら、鉄損を考慮した効率最大の電流位相角は、電流最小の電流位相角よりも進んだ方向にある。このことから、鉄損を考慮して効率最大に制御するために、有効電力指令Pe*をゼロではなく、効率最大の電流位相角となるように設定してもよい。あるいは、力率が最大となる電流位相角も電流が最小となる電流位相角よりも進んだ方向にあるため、力率が最大となる電流位相角を実現する有効電力指令Pe*を設定しても良い。
すなわち、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができ、更に同期電動機の運転効率を向上させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができ、更に同期電動機の運転効率を向上させることができる。
次に、第4実施形態の電動機駆動装置について図面を参照して説明する。
図7は、第4実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
図7は、第4実施形態の電動機駆動装置の最適回転位相角指令生成器の一構成例を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の電動機駆動装置では、インバータ1に直流電流センサ(図示せず)と直流電圧センサ(図示せず)とを設置し、電力演算器60に計測した直流電流と直流電圧との値が入力されている。電力演算器60は、直流電流の値を直流電圧との値とを乗じて電力Pを演算して出力する。本実施形態の電動機駆動装置は、上記構成以外は上述の第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態の電動機駆動装置によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態の電動機駆動装置は、トルクTに比例する電力Pを演算する電力演算器を備えていたが、回転電機2にトルクメータを設置してトルクメータにより測定した値を用いても構わない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述の電動機駆動装置の各構成は、演算回路などのハードウエアにより構成されても良く、ソフトウエアにより構成されていてもよい。電動機駆動装置は、例えば、CPUやMPUなどのプロセッサと、プログラムを格納したメモリとを備え、プロセッサがメモリから読みだしたプログラムを実行することにより、電動機駆動装置の各構成の処理を実行するように構成されてもよい。また、電動機駆動装置は、複数のプロセッサにより上述の各構成の処理を実行しても構わない。
また、上述の第1乃至第4実施形態において、信号発生装置68およびゲイン乗算器69によって探索信号を生成し、最適回転位相角目標Δθβに変動を与える制御について説明したが、探索信号を重畳することで、トルク変動を顕著に検出できるようになるものの、最適回転位相角目標Δθβの変化に対するトルク相当の変化が確認できれば探索信号は重畳する必要はない。
1…インバータ、2…同期電動機、3…電流検出器、22…PWM変調器、23…座標変換部、24…座標変換部、25…電流制御器、26…速度推定器、28…速度制御器、41…電流指令ベクトル、42…定電流円、43…等トルク曲線、60…電力演算器、61…フーリエ級数展開部、62…バンドパスフィルタ、63…乗算器、64…ローパスフィルタ、65…減算器、66…PI制御器、67…加算器、68…信号発生装置、69…ゲイン乗算器、261…回転位相角誤差推定器、262…位相角減算器、263…PI制御器、264…積分器、265…最適回転位相角指令生成器、612…積算器、614…積分器
Claims (5)
- 所定の回転電機と接続可能であり、前記回転電機を駆動する交流電流を出力可能なインバータと、
前記交流電流を計測する電流検出器と、
前記回転電機の推定回転速度と、外部から供給される速度指令とに基づいて、前記速度指令の値を実現するように前記インバータの電流指令を演算する速度制御器と、
前記電流指令と前記電流検出器で計測された電流応答値とに基づいて、前記インバータの電圧指令を演算する電流制御器と、
前記電圧指令に基づいて前記インバータのゲート指令を演算するPWM変調器と、
前記電流応答値と前記電圧指令とに基づいて前記回転電機の回転位相角誤差推定値を演算する回転位相角誤差推定器と、
前記電流応答値と前記電圧指令とに基づいて前記インバータの有効電力を演算し、前記有効電力が有効電力目標値となるように、回転駆動している際の前記回転電機の最適回転位相角目標を演算し、前記最適回転位相角目標に探索信号を重畳した最適回転位相角指令を演算する最適回転位相角指令生成器と、
前記回転位相角誤差推定値と前記最適回転位相角指令との差がゼロとなる前記推定回転速度を演算する制御器と、を備えることを特徴とする、回転電機駆動装置。 - 前記有効電力目標値はゼロであることを特徴とする請求項1記載の回転電機駆動装置。
- 前記探索信号は所定の角速度を有する正弦波信号であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機駆動装置。
- 前記最適回転位相角指令生成器は、
前記電圧指令と前記電流応答値とを乗じて前記インバータの出力電力を演算する電力演算器と、
前記出力電力の所定の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタから出力された電力周波数成分に前記正弦波信号を乗じて出力する乗算器と、
前記乗算器の出力から所定の周波数以上の成分を抽出し、前記有効電力を出力するローパスフィルタと、
前記有効電力が前記有効電力目標値と等しくなるように前記最適回転位相角目標を演算する制御器と、
前記最適回転位相角目標に前記探索信号を加算した前記最適回転位相角指令を出力する加算器と、を備えたことを特徴とする請求項3記載の回転電機駆動装置。 - 前記最適回転位相角指令生成器は、
前記電圧指令と前記電流応答値とを乗じて前記インバータの出力電力を演算する電力演算器と、
前記出力電力に前記正弦波信号を積算して出力する積算器と、
前記積算器の出力値の前記正弦波信号の1周期分を積分して、前記有効電力として出力する積分器と、
前記有効電力が前記有効電力目標値と等しくなるように前記最適回転位相角目標を演算する制御器と、
前記最適回転位相角目標に前記正弦波信号を加算した前記最適回転位相角指令を出力する加算器と、を備えたことを特徴とする請求項3記載の回転電機駆動装置。
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JP2015248419A JP2017118601A (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 回転電機駆動装置 |
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JP2015248419A JP2017118601A (ja) | 2015-12-21 | 2015-12-21 | 回転電機駆動装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017169429A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-21 | 株式会社安川電機 | 電力変換装置、電動機の動力推定方法及び電動機の制御方法 |
DE112018003064B4 (de) | 2017-06-16 | 2024-07-25 | Isuzu Motors Limited | Einspritzvorrichtung |
-
2015
- 2015-12-21 JP JP2015248419A patent/JP2017118601A/ja active Pending
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