JP2017117581A - 導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下地電極上に(A)金属粒子及び(B)溶媒を含む導体組成物インクをインクジェットし、前記下地電極上に着弾したインク液滴を乾燥処理する導体の製造方法であって、前記下地電極が、基材上に導電性ペーストを印刷形成したパターンを130℃以上150℃以下で焼成した下地電極、又は電極表面に化学結合する自己組織化単分子膜を形成した下地電極であって、表面エネルギーが30mN/m以下であり、前記乾燥処理後の導体の径が前記乾燥前のインク液滴径よりも小さいことを特徴とする導体の製造方法。
【選択図】図1
Description
当該インクジェットを用いた立体構造物を作製する試みは様々な方法で行われている。
また、はんだを使ったインクジェットによる立体構造物形成では、着弾時の温度低下による固化を利用している(例えば、特許文献2及び特許文献3)。従って、はんだを使った手法では、吐出する流体の種類が、融点によって制約されてしまう。
1.下地電極上に(A)金属粒子及び(B)溶媒を含む導体組成物インクをインクジェットし、前記下地電極上に着弾したインク液滴を乾燥処理する導体の製造方法であって、
前記下地電極が、基材上に導電性ペーストを印刷形成したパターンを130℃以上150℃以下で焼成した下地電極、又は電極表面に化学結合する自己組織化単分子膜を形成した下地電極であって、表面エネルギーが30mN/m以下であり、
前記乾燥処理後の導体の径が前記乾燥前のインク液滴径よりも小さいことを特徴とする導体の製造方法。
2.前記インク液滴の乾燥前液滴径が30μm以上50μm以下であり、前記導体の径が25μm以上40μm以下であることを特徴とする1に記載の導体の製造方法。
3.前記導体組成物インクを前記下地電極の同位置に複数回インクジェットし、前記複数回のインクジェットのインターバルが30秒以上200秒以下であることを特徴とする1又は2に記載の導体の製造方法。
4.前記導体組成物インクを前記下地電極の同位置に複数回インクジェットし、前記複数回のインクジェットの着弾ズレを10μm以下にすることにより、導体の高さを高くすることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の導体の製造方法。
5.前記導体の径が25μm以上40μm以下であり、前記導体の高さが1.5μm以上6μm以下であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の導体の製造方法。
本発明の製造方法により得られる乾燥処理後の導体は、その導体径が乾燥前のインク液滴の液滴径よりも小さい。これは、下地電極上に着弾したインク液滴の液滴端が固定されず、インク液滴の溶媒乾燥に伴って液滴の収縮が起こるためである。
また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1(A)では、下地電極10に表面処理を施して、下地電極10の表面エネルギーを30mN/m以下としている。下地電極の表面エネルギーを30mN/m以下とすることで、後述する導体組成物インクの液滴が下地電極に着弾した際に、インク液滴の液滴端が固定されず、溶媒乾燥とともにインク液滴の底面積の減少が促される。これにより、得られる導体の導体径がインク液滴の液滴径よりも小さくなり、高いアスペクト比を有する導体を形成することができる。
尚、下地電極の表面エネルギーの下限は特に限定されないが、例えば20mN/mである。
基材は、絶縁体及び導体のいずれでもよく、例えばガラス基材等の可撓性を有さないリジット基材、及び、プラスチック樹脂からなるフィルム等の可撓性を有するフレキシブル基材が挙げられる。当該プラスチック樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)及びポリエーテルイミド(PEI)等が挙げられる。また、基材は、単層であってもよく、上記からなる積層体であってもよい。
導電性ペーストが含む導電性微粒子としては、後述する導体組成物インクが含む金属粒子と同じものを適宜選択して用いることができる。また、導電性ペーストが含む導電性微粒子以外の他の成分は、公知の成分でよく、例えば後述する導体組成物インクの溶媒及び他の任意成分を適宜選択して用いればよい。
基材上全面に導電層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法等のPVD法、CVD法等が挙げられる。
また、他の下地電極の形成方法としては、導電性ペーストを用いた印刷方法により形成することができる。印刷法としては、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビアオフセット印刷法、反転オフセット印刷法等が挙げることができる。
尚、本実施形態において、「厚み」は、一般的な測定方法によって得られる厚みをいう。厚みの測定方法としては、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等による観察像を測定する方法、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法等が挙げられる。
尚、厚みとして、対象となる構成の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
また、下地電極が基材上に導電性ペーストを印刷形成したパターンである場合、当該導電性ペーストを130℃以上150℃以下で焼成することで表面エネルギーが30mN/m以下の下地電極とすることができる。
芳香環を有する炭素数6〜20の範囲内のフッ素含有チオールとしては、具体的には、トリフルオロメチルベンゼンチオール(例えば、4−トリフルオロメチルベンゼンチオール、3−トリフルオロメチルベンゼンチオール)、ペンタフルオロベンゼンチオール、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンチオール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メルカプト安息香酸メチルエステル、3,5−ビストリフルオロメチルベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール及び11−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルオキシ)−1−ウンデカンチオール等が挙げられる。
これらフッ素含有チオール化合物を用いて、公知の方法で下地電極上に自己組織化単分子膜を形成するとよい。これにより下地電極の表面エネルギーを30mN/m以下とすることができる。
本実施形態における接触角は、例えば、井元製作所製接触角測定装置や、協和界面科学製接触角計DM−901を用いて測定することができる。
金属粒子を構成する金属としては、銀、銅、水銀、スズ、インジウム、ニッケル、パラジウム、白金及び金等が挙げられる。金属粒子は、これらのうち1種の金属粒子を単独で用いてもよく、2種以上の金属粒子を併用してもよい。これらの中でも、銀が特に好ましい。これら以外に、インジウム錫酸化物等からなる金属酸化物の粒子も用いることができる。
金属粒子は、平均粒子径10nm以上1000nm以下の金属粒子であることが好ましく、平均粒子径10nm以上100nm以下の金属ナノ粒子であることがより好ましい。また、金属粒子には直径50nm以下の金属ナノワイヤーを含んでもよい。
上記金属粒子の平均粒径測定は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により測定が可能である。具体的には、50個程度の粒子を含む視野において、全ての粒子の投影面積円相当径を測定し、その平均を算出する方法が挙げられる。
任意成分としては、例えば撥液剤、分散剤等が挙げられる。
任意成分の合計含有量は、導体組成物インク全量に対して、10質量%以下であることが好ましい。
本実施形態では、インク液滴30の液滴端は固定されず、溶媒蒸発に伴ってインク液滴30の収縮が起こり、溶媒蒸発前のインク液滴径よりも溶媒蒸発後のインク液滴径を小さくすることができる。ここで、インク液滴の液滴径が30μm以上50μm以下であり、溶媒蒸発後インク液滴の径が25μm以上40μm以下とすると好ましい。この溶媒蒸発後インク液滴の径は、得られる導体の導体径に対応する。
また、収縮に伴い、得られる導体の高さは、インク液滴30の高さよりも高くすることができる。
尚、インク液滴の液滴端が固定されてしまう場合、乾燥後に得られる成形体は、図2に示す凹型形状となり、高さが低くなってしまう。
吐出インターバルをおいて同位置へ導体組成物インクをインクジェットすることにより、インク液滴の高さのみを積み上げることができ、所望のアスペクト比を有する導体とすることができる。これにより、精度と生産性よく高さの高い導体を製造することができる。
導体組成物インクを複数回同位置へインクジェットする場合における吐出インターバルは、30秒以上200秒以下とすると好ましい。
乾燥処理の条件としては、50℃〜250℃で3分〜1時間が好ましい。加熱温度は、低すぎると乾燥せず、高すぎると耐熱性が高い部材を使用する必要があることから100℃〜180℃であることが特に好ましい。時間は、短いほど好ましいが、短すぎると十分乾燥せず導電性が低くなるため10分〜30分が特に好ましい。
導体は、導体径が25μm以上40μm以下であり、高さが1.5μm以上6μm以下とすると好ましい。
銀ナノコロイドと水とアルコール系溶媒の混合溶媒を混合して導体組成物インクを調製した。
基材として、ガラス(Corning社製のEagle XG、大きさ:40mm×40mm、厚み:0.7mm)を準備した。当該基材の表面に印刷法で銀ナノ粒子を用いた導電性ペーストの薄膜を成膜し、150℃で焼成を行い、下地電極を形成した。焼成後の下地電極の表面エネルギーを接触角測定法により評価したところ、下地電極の表面エネルギーは25mN/mであった。
形成した下地電極上に、インクジェット印刷法により、調製した導体組成物インクを印刷し、180℃で15分間焼成することにより、導体を形成した。
ここで、インクジェット後の乾燥前液滴径は40μmであり、焼成後の導体径は30μmであった。また、導体の高さは、1.8μmであった。これらは共焦点顕微鏡(レーザーテック社H1200)により確認した。
銀ナノコロイドと水とアルコール系溶媒を混合して導体組成物インクを調製した。
基材として、ガラス(Corning社製のEagle XG、大きさ:40mm×40mm、厚み:0.7mm)を準備した。上記基材の表面に印刷法で銀ナノ粒子を用いた導電性ペーストの薄膜を成膜し、200℃で焼成を行い下地電極を形成した。
上述の下地電極上に、インクジェット印刷法により、調製した導体組成物インクを印刷し、180℃で15分間焼成することにより、導体を形成した。
ここで、インクジェット後の乾燥前液滴径は70μmであり、焼成後の導体径も70μmのままであった。また、導体の高さは、0.3μmであった。
20 導体組成物インク
30 インク液滴
40 導体
Claims (5)
- 下地電極上に(A)金属粒子及び(B)溶媒を含む導体組成物インクをインクジェットし、前記下地電極上に着弾したインク液滴を乾燥処理する導体の製造方法であって、
前記下地電極が、基材上に導電性ペーストを印刷形成したパターンを130℃以上150℃以下で焼成した下地電極、又は電極表面に化学結合する自己組織化単分子膜を形成した下地電極であって、表面エネルギーが30mN/m以下であり、
前記乾燥処理後の導体の径が前記乾燥前のインク液滴径よりも小さいことを特徴とする導体の製造方法。 - 前記インク液滴の乾燥前液滴径が30μm以上50μm以下であり、前記導体の径が25μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導体の製造方法。
- 前記導体組成物インクを前記下地電極の同位置に複数回インクジェットし、前記複数回のインクジェットのインターバルが30秒以上200秒以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導体の製造方法。
- 前記導体組成物インクを前記下地電極の同位置に複数回インクジェットし、前記複数回のインクジェットの着弾ズレを10μm以下にすることにより、導体の高さを高くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導体の製造方法。
- 前記導体の径が25μm以上40μm以下であり、前記導体の高さが1.5μm以上6μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導体の製造方法。
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WO2020044404A1 (ja) | 2018-08-27 | 2020-03-05 | コニカミノルタ株式会社 | 導電細線の形成方法、透明導電体の製造方法、デバイスの製造方法及び導電性インクと基材のセット |
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宇野麻由子: "三井金属がCuナノペースト材料 180℃程度の低温焼結へ第一歩", 日系エレクトロニクス, vol. No.1201, JPN6019011760, 20 February 2019 (2019-02-20), JP, pages p.10 * |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020044404A1 (ja) | 2018-08-27 | 2020-03-05 | コニカミノルタ株式会社 | 導電細線の形成方法、透明導電体の製造方法、デバイスの製造方法及び導電性インクと基材のセット |
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JPWO2020044404A1 (ja) * | 2018-08-27 | 2021-08-10 | コニカミノルタ株式会社 | 導電細線の形成方法、透明導電体の製造方法、デバイスの製造方法及び導電性インクと基材のセット |
JP7131615B2 (ja) | 2018-08-27 | 2022-09-06 | コニカミノルタ株式会社 | 導電細線の形成方法、透明導電体の製造方法、デバイスの製造方法及び導電性インクと基材のセット |
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