JP2017116258A - 地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システム - Google Patents

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直泰 岩田
俊六 山本
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俊六 山本
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【課題】 鉄道構造物の直近に設置した1台の地震計が記録する列車振動の振動データから、鉄道構造物の損傷の有無をリアルタイムに自動で検知するシステムを提供する。【解決手段】 地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、鉄道構造物の直近に1台の地震計を設置し、列車振動のデータを用いて振幅情報に基づくVHmaxと周波数情報に基づくRudをリアルタイムに演算し、このVHmaxとRudを用いて鉄道構造物の損傷の検知をリアルタイムで行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道構造物の直近に設置した1台の地震計を用い、列車走行に伴う振動を用いて鉄道構造物の損傷の有無をリアルタイムで検知する、地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムに関するものである。
従来、鉄道構造物の直近に設置した1台の地震計により地震動を観測し、地震の列車運転規制の情報として用いている。なお、当該の地震計は線路に近接することから列車走行に伴う振動も記録される。
特開2015−034715号
村田昇(2004):入門 独立成分分析、東京電機大学出版会 Hyva(ウムラウト付き)rinen,A.,Karhunen,J.and Oja,E.,2001,Independent Component nAnalysis.John Wiley & Sons
ここでは、VHmax(鉛直動と水平動の絶対値振幅における移動平均の比の最大値)とRud(高周波数帯域と低周波数帯域のフィルターを通過した絶対値振幅の移動平均の比)を用いる。なお、損傷前の正常状態のVHmaxとRudをデータベース化しておく必要がある。
そのVHmaxとRudの両対数散布図により、閾値を適切に定めて検知を行う。その場合、閾値は標準的な値を暫定的に用いることもできるが、地震計が設置されている地点ごとに最適化することが望ましい。
本発明は、上記状況に鑑みて、鉄道構造物の直近に設置した1台の地震計が記録する列車振動の振動データから、鉄道構造物の損傷の有無を自動で検知するシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、鉄道構造物の直近に1台の地震計を設置し、列車振動のデータを用いて振幅情報に基づくVHmaxと周波数情報に基づくRudをリアルタイムに演算し、このVHmaxとRudを用いて鉄道構造物の損傷の検知をリアルタイムで行うことを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、前記列車振動のデータはこの列車振動を検知してから数秒のデータでも充分であることを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、移動平均した鉛直動と水平動の絶対値振幅比であるVHmaxが低下し、かつ移動平均した通過周波数帯域の異なる絶対値振幅比であるRudが低下した場合、鉄道構造物が損傷を検知することを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、前記Rudは、高周波数帯域および低周波数帯域通過後の絶対値振幅における移動平均の比であることを特徴とする。
〔5〕上記〔1〕記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、周波数情報の抽出に関し、地震計の演算処理の負荷を軽減させるためにフィルター処理に漸化式フィルターを用いることによってフーリエ変換を用いないようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、鉄道構造物の直近に設置した1台の地震計が記録する列車振動の振動データから、鉄道構造物の損傷の有無をリアルタイムに自動で検知するシステムであり、地震後の鉄道構造物点検等の補助情報となり、安全性の向上を図ることができる。
本発明に係るRudの算出に向けて通過させる高周波数帯域および低周波数帯域のフィルター特性を示す図である。 本発明の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムのブロック図である。 本発明の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムの処理部の外観を示す図面代用写真である。 本発明の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムのセンサー部の外観を示す図面代用写真である。 本発明の線路とセンサーの位置関係を示す図面代用写真である。 地震計で記録された列車振動データについて横軸にVHmax、縦軸にRudをそれぞれ対数でプロットした図である。 本発明のVHmaxとRudを用いた鉄道構造物損傷の検知方法の説明図である。
本発明の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムは、鉄道構造物の直近に1台の地震計を設置し、列車振動のデータを用いて振幅情報に基づくVHmaxと周波数情報に基づくRudをリアルタイムに演算し、このVHmaxとRudを用いて鉄道構造物の損傷の検知をリアルタイムで行う。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係るRudの算出に向けて通過させる高周波数帯域および低周波数帯域のフィルター特性を示す図である。
この図において、横軸は周波数、縦軸は感度、aは低周波数帯域通過フィルター、bは高周波数帯域通過フィルターの周波数特性であり、本発明で用いる指標のRudは、高周波数帯域および低周波数帯域通過後における絶対値振幅の移動平均の比である
Figure 2017116258
ここで、abs(ahigh)は高周波数帯域通過後の絶対値加速度データ(cm/s2 )、abs(alow )は低周波数帯域通過後の絶対値加速度データ(cm/s2 )、Nrud はRudを算出する移動平均のデータ長、iはカウンタである。
図2は本発明の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムブロック図、図3はその検知システムの処理部の外観を示す図面代用写真、図4はその検知システムのセンサー部の外観を示す図面代用写真、図5は線路とセンサーの位置関係を示す図面代用写真、図6は地震計で記録された列車振動データについて横軸にVHmax、縦軸にRudをそれぞれ対数でプロットした図である。図2において、1は処理部、2はUPS、3はA/D内蔵の加速度センサー、4はGPSである。VHmaxとRudの演算および鉄道構造物損傷のリアルタイム検知は処理部1で行う。
図4におけるセンサーはサーボ式加速度計(3成分)、許容最大加速度:±2G、A/D内蔵型である。
図7は本発明のVHmaxとRudを用いた鉄道構造物損傷の検知方法の説明図である。
(1)VHmaxについて
鉄道構造物が損傷した場合、剛性が低下することから列車振動について水平動が大きくなり、VHmaxは損傷前より低下すると予想される。
(2)Rudについて
鉄道構造物が損傷した場合、剛性が低下することにより鉄道構造物の振動特性が低周波数側へシフトし、列車振動についてRudは低下すると予想される。
すなわち、列車振動についてVHが低下、かつRudが低下すると、鉄道構造物の損傷の可能性が高いと判断できる。
このように、鉄道構造物の直近に1台の地震計を設置し、列車振動のデータを用いて、VHmaxとRudをリアルタイムに演算し、このVHmaxとRudを用いて鉄道構造物の損傷の検知をリアルタイムで行うことができる。
また、ここで鉄道構造物としては、例えば、高架橋、橋りょう、盛土などを挙げることができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムは、鉄道構造物の直近に設置した1台の地震計が記録する列車振動の振動データから、鉄道構造物の損傷の有無をリアルタイムに自動で検知するシステムとして利用可能である。
1 処理部
2 UPS
3 A/D内蔵の加速度センサー
4 GPS

Claims (5)

  1. 鉄道構造物の直近に1台の地震計を設置し、列車振動のデータを用いて振幅情報に基づくVHmaxと周波数情報に基づくRudをリアルタイムに演算し、該VHmaxとRudを用いて鉄道構造物の損傷の検知をリアルタイムで行うことを特徴とする地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システム。
  2. 請求項1記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、前記列車振動のデータは該列車振動を検知してから数秒のデータでも充分であることを特徴とする地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システム。
  3. 請求項1記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、移動平均した鉛直動と水平動の絶対値振幅比であるVHmaxが低下し、かつ移動平均した通過周波数帯域の異なる絶対値振幅比であるRudが低下した場合、鉄道構造物が損傷を検知することを特徴とする地震計を用いた構造物損傷のリアルタイム検知システム。
  4. 請求項3記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、前記Rudは、高周波数帯域および低周波数帯域通過後の絶対値振幅における移動平均の比であることを特徴とする地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システム。
  5. 請求項1記載の地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システムにおいて、周波数情報の抽出に関し、地震計の演算処理の負荷を軽減させるためにフィルター処理に漸化式フィルターを用いることによってフーリエ変換を用いないようにしたことを特徴とする地震計を用いた鉄道構造物損傷のリアルタイム検知システム。
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