JP2017115808A - オイルポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】余剰な作動油を吸入側に還流する構成を具備しながら、小型化が可能なオイルポンプ装置を提供する。
【解決手段】オイルポンプ装置1は、吸入ポート112及び吐出ポート113を有するハウジング10と、回転によって吸入ポート112から作動油を吐出ポート113に移送するロータ4及び複数のベーン5と、吐出ポート113を含む高圧側領域10bの作動油を吸入ポート112を含む低圧側領域10aに流通させることが可能な流路71を有する揺動プレート7とを備える。揺動プレート7は、ロータ4の回転に伴って発生す引き摺りトルクによってハウジング10に対して所定の角度範囲で揺動し、高圧側領域10bと低圧側領域10aとが流路71を介して連通する連通状態と、高圧側領域10bと低圧側領域10aとの連通が遮断される遮断状態とが切り替わる。
【選択図】図6

Description

本発明は、作動油を吸入及び吐出するオイルポンプ装置に関する。
従来、作動油を吸入する吸入ポート及び作動油を吐出する吐出ポートを有するハウジングと、ハウジングに収容されたロータの回転によって吸入ポートから吸入された作動油を吐出ポートから吐出するポンプ部と、吐出ポートから吐出された作動油の一部を吸入ポート側へ還流することにより、一定量の作動油が送出口から送り出されるように作動油の流量を制御する流量制御弁とを備えたオイルポンプ装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2に記載の流量制御弁は、作動油の吐出通路に吐出された作動油の一部を作動油の吸入通路側に還流することにより、送出口から油圧機器に送り出される作動油の流量を一定量に制御するものであり、吐出通路と吸入通路との間に形成された弁収納穴と、弁収納穴に摺動可能に嵌装されたスプール弁と、スプール弁を付勢するスプリングとを有して構成されている。スプリングは、スプール弁をバイパス穴の閉方向に付勢する。バイパス穴は、吸入通路に連通している。弁収納穴におけるバイパス穴の開度は、吐出通路における作動油の圧力を受けるスプール弁によって調整される。この構成により、吐出ポートから吐出された作動油のうち余剰な作動油が、弁収納穴のバイパス穴に連通するバイパス路を介して作動油の吸入側に還流される。
特開平11−82325号公報 特開2012−2182号公報
上記のような流量制御弁を備えたオイルポンプ装置では、流量制御弁の弁収納穴やバイパス路がハウジングに設けられるため、ハウジングが大型化してしまう。このため、例えば自動車のオートマチックトランスミッションやパワーステアリング装置等を作動させるためのオイルポンプ装置では、搭載スペースの制約から、自動車への搭載が困難になる場合があった。
そこで、本発明は、余剰な作動油を吸入側に還流する構成を具備しながら、小型化が可能なオイルポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、作動油を吸入する吸入ポート及び前記作動油を吐出する吐出ポートを有するハウジングと、シャフトを介して伝達される駆動源の回転力を受けて前記ハウジング内で回転し、当該回転によって前記吸入ポートから吸入された作動油を前記吐出ポートに移送する回転部材と、前記吐出ポートを含む高圧側領域の作動油を前記吸入ポートを含む低圧側領域に流通させることが可能な流路を有する流路形成部材とを備え、前記流路形成部材は、前記回転部材の回転に伴って発生する前記作動油の粘性による引き摺りトルクによって前記ハウジングに対して前記回転部材の回転方向に所定の角度範囲で揺動し、前記流路形成部材の揺動により、前記高圧側領域と前記低圧側領域とが前記流路を介して連通する連通状態と、前記流路を介した前記高圧側領域と前記低圧側領域との連通が遮断される遮断状態とが切り替わる、オイルポンプ装置を提供する。
本発明に係るオイルポンプ装置によれば、余剰な作動油を吸入側に還流する構成を具備しながら、小型化することが可能となる。
実施の形態に係るオイルポンプ装置の軸方向断面図である。 オイルポンプ装置のハウジングを構成する第1ポンプハウジングを軸方向視で示す平面図である。 図1のA−A線におけるオイルポンプ装置の断面図である。 揺動プレートを示し、(a)は表面側を示す斜視図、(b)は裏面側を示す斜視図、(c)は(a)のB−B線断面図である。 第1ポンプハウジングの凹部を示す斜視図である。 揺動プレートの動作を説明する説明図であり、(a)は初期状態を、(b)は作動状態を、それぞれ示す。 (a)は初期状態における板バネを示す状態図であり、(b)は作動状態における板バネを示す状態図である。 (a)及び(b)は、バイメタルを揺動プレートの一部と共に揺動プレートの周方向に沿う断面で示す断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図8を参照して具体的に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、実施の形態に係るオイルポンプ装置1の軸方向断面図である。図2は、オイルポンプ装置1のハウジング10を構成する第1ポンプハウジング11及び第2ポンプハウジング12のうち、第1ポンプハウジング11を軸方向視で示す平面図である。図3は、図1のA−A線におけるオイルポンプ装置1の断面図である。
このオイルポンプ装置は、例えば自動車のオートマチックトランスミッション(自動変速機)のトランスミッションケースに収容され、トランスミッションケース内のオイルパンに貯留された作動油を汲み上げてトランスミッションの各部に圧送するために用いられる。
オイルポンプ装置1は、第1ポンプハウジング11及び第2ポンプハウジング12からなるハウジング10と、ハウジング10に収容されたサイドプレート2、カムリング3、ロータ4、及び複数のベーン5と、ロータ4に回転力を伝達するシャフト6とを備えている。サイドプレート2及びカムリング3は、ハウジング10に対して回転不能である。ロータ4及び複数のベーン5は、シャフト6を介して伝達される駆動源の回転力を受けてハウジング10に対して一方向に回転する。図3では、ロータ4及び複数のベーン5の回転方向を矢印Aで示している。ロータ4及び複数のベーン5は、本願の請求項に係る発明の「回転部材」の一態様である。
シャフト6は、第1ポンプハウジング11に形成されたシャフト挿通孔111に挿通され、一端部がロータ4に連結されている。シャフト6の他端部はハウジング10の外部に突き出ている。シャフト挿通孔111には、シャフト6の回転を円滑にするための軸受15が配置されている。本実施の形態では、シャフト6の一端部がロータ4にスプライン嵌合し、ロータ4とシャフト6とが一体に回転する。シャフト6の他端部には、例えばトルクコンバータの出力回転部材であるポンプインペラの回転がチェーンを介して伝達されるスプロケットが装着される。この場合、シャフト6は自動車に搭載されたエンジン等の駆動源の回転力によって回転する。
第1ポンプハウジング11と第2ポンプハウジング12とは、シャフト6の回転軸と平行な軸方向に並んでいる。また、第1ポンプハウジング11と第2ポンプハウジング12とは、シート状のシール部材13を挟んでボルト締結されている。第1ポンプハウジング11におけるシャフト挿通孔111の開口端部には、リング状のシール部材14が嵌着されている。
第2ポンプハウジング12には、サイドプレート2、カムリング3、ロータ4、及び複数のベーン5を収容する収容空間120が形成されている。収容空間120には、第1ポンプハウジング11に設けられた作動油供給口114から作動油が供給される。また、収容空間120における奥側(第1ポンプハウジング11とは反対側)には、サイドプレート2を収容する環状凹部121が形成されている。環状凹部121の底部には、サイドプレート2をカムリング3側に押し付けるウェーブワッシャ16が配置されている。サイドプレート2及びカムリング3は、一端部が第1ポンプハウジング11に圧入された一対のピン17(図3に示す)によって、ハウジング10に対して回転不能に支持されている。
カムリング3は、楕円状の内周面3aを有する環状であり、サイドプレート2と第1ポンプハウジング11との間に配置されている。ロータ4及び複数のベーン5は、カムリング3の内側に配置されている。ロータ4には、その外周面4aから中心部に向かって径方向に切り込まれるように形成された複数のスリット40が形成されている(図3に示す)。スリット40は、図1に示すように、ロータ4におけるサイドプレート2側の軸方向端面4b、及び第1ポンプハウジング11側の軸方向端面4cに開放されている。
それぞれのベーン5は、スリット40に一部が収容され、ロータ4の径方向に移動可能である。ベーン5の先端部はロータ4の外周面4aからスリット40の外部に突出している。スリット40の径方向内側端部には、ベーン5を径方向外側へ押し出すためのベーン背圧室400が形成されている。
サイドプレート2には、周方向に延びる環状溝21が形成され、ロータ4のベーン背圧室400には、この環状溝21から作動油が供給される。ベーン5は、ロータ4の回転に伴う遠心力、及びベーン背圧室400に供給される作動油の圧力によってスリット40から外方へ押し出される方向の力を受け、その先端部がカムリング3の内周面3aに摺接する。カムリング3の内部には、カムリング3の内周面3a及びロータ4の外周面4aと、ロータ4の周方向に隣り合う一対のベーン5とによって、複数のベーン室50が画成される。本実施の形態では、10個のベーン5がロータ4と共に回転し、カムリング3の内部に同じく10個のベーン室50が画成される。
第1ポンプハウジング11は、作動油を吸入する吸入ポート112、及び作動油を吐出する吐出ポート113を有している。本実施の形態では、第1ポンプハウジング11に、2つの吸入ポート112、及び2つの吐出ポート113が設けられている。これらの吸入ポート112及び吐出ポート113は、第1ポンプハウジング11の軸方向端面11aから軸方向に窪んで形成されている。
前述のように、カムリング3の内周面3aは楕円状であるので、ロータ4が回転すると、各ベーン室50の容積が増減する。吸入ポート112は、ロータ4の回転に伴って容積が増大するベーン室50に連通する。また、吐出ポート113は、ロータ4の回転に伴って容積が減少するベーン室50に連通する。これにより、ロータ4の回転に伴って吸入ポート112からベーン室50に作動油が流入すると共に、ベーン室50に流入した作動油がベーン室50の容積の減少に伴って吐出ポート113に排出される。
このように、ロータ4及び複数のベーン5は、その回転によって吸入ポート112から吸入された作動油を吐出ポート113に移送する。吐出ポート113に流入する作動油の量は、ロータ4の回転速度に比例して増減する。第1ポンプハウジング11には、吐出ポート113に移送された作動油をハウジング10の外部に導く吐出通路(不図示)が形成されている。
以下の説明では、吸入ポート112、及び吸入ポート112に連通するベーン室50をハウジング10内における低圧側領域10aとし、吐出ポート113、及び吐出ポート113に連通するベーン室50をハウジング10内における高圧側領域10bとする。
サイドプレート2には、第1ポンプハウジング11の吐出ポート113に軸方向に対向する位置に、吐出ポート22が形成されている。この吐出ポート22は、第2ポンプハウジング12の環状凹部121の底部に形成された周方向溝122に連通している。また、サイドプレート2には、軸方向に延びる連通路23が形成され、この連通路23によって吐出ポート22と環状溝21とが連通している。サイドプレート2は、前述のウェーブワッシャ16に加え、周方向溝122に導入された作動油の圧力によってカムリング3に押し付けられる。また、ベーン5は、連通路23及び環状溝21を介してロータ4のベーン背圧室400に供給される作動油によってカムリング3の内周面3aに押し付けられる。
上記のように構成された本実施の形態に係るオイルポンプ装置1は、例えば特許文献1,2に記載された構成の流量制御弁を有していない。本実施の形態に係るオイルポンプ装置1は、流量制御弁に替えて、吐出ポート113を含む高圧側領域10bの作動油を吸入ポート112を含む低圧側領域10aに流通させることが可能な流路71を有する流路形成部材としての揺動プレート7を備えている。以下、この揺動プレート7の構成及び機能について詳細に説明する。
図4は、揺動プレート7を示し、(a)は揺動プレート7の表(おもて)面7a側を示す斜視図、(b)は揺動プレート7の裏面7b側を示す斜視図、(c)は(a)のB−B線断面図である。図5は、揺動プレート7が収容される第1ポンプハウジング11の凹部110を示す斜視図である。図6は、揺動プレート7の動作を説明する説明図であり、(a)は揺動プレート7の初期状態を、(b)は揺動プレート7が作動した作動状態を、それぞれ示す。
揺動プレート7は、第1ポンプハウジング11に形成された凹部110内で、所定の角度範囲(例えば5°)で揺動可能である。揺動プレート7は、中心部にシャフト6を挿通させる挿通孔70が形成され、シャフト6の回転軸線を中心として円心揺動する。凹部110は、図2に示す軸方向視において円形であり、第1ポンプハウジング11の軸方向端面11aから軸方向に窪んで形成されている。凹部110における底面110aの中心部には、シャフト挿通孔111が開口している。
凹部110と吸入ポート112とは、連通路115によって連通している。また、凹部110と吐出ポート113とは、連通路116によって連通している。連通路115,116の一端は、凹部110の内周面110bに開口している。本実施の形態では、連通路115,116が軸方向端面11a側に開放された溝として形成されているが、連通路115,116を例えばドリルによって穿設された貫通孔として形成してもよい。
揺動プレート7は、シャフト6の回転軸と平行な軸方向に厚みを有する円環板状であり、表面7aがロータ4の軸方向端面4cに対向し、裏面7bが凹部110の底面110aに対向する。揺動プレート7の表面7aとロータ4の軸方向端面4cの間には作動油が介在する。揺動プレート7は、ロータ4及び複数のベーン5の回転に伴って発生する作動油の粘性による引き摺りトルクによって、ハウジング10に対して回転する。
揺動プレート7には、2本の貫通孔711,712が形成され、この2本の貫通孔711,712によって流路71が構成されている。図6では、貫通孔711,712を破線で示している。本実施の形態では、2本の貫通孔711,712が互いに平行な直線状に形成されている。貫通孔711,712のそれぞれの両端は、揺動プレート7の外周面7cに開口している。
オイルポンプ装置1は、揺動プレート7をその回転方向の一側に付勢する付勢部材としての板バネ8と、温度によって形状が変化して低温時における揺動プレート7の回転を規制する温度感応部材としてのバイメタル9とをさらに備えている。バイメタル9は、
凹部110の底面110aに垂直な方向から見た形状が長方形状であり、その長辺方向が揺動プレート7の周方向に沿うように配置されている。また、バイメタル9は、凹部110の底面110aに設けられた収容穴110cに収容されている。なお、本実施の形態では、オイルポンプ装置1が、2つの板バネ8と1つのバイメタル9とを備えているが、これらの数に特に限定はない。
2つの板バネ8は、第1ポンプハウジング11の凹部110内に配置されている。第1ポンプハウジング11には、それぞれの板バネ8に対応して、板バネ8を支持するための第1及び第2の支持突起117,118が設けられている。第1及び第2の支持突起117,118は、例えば凹部110の底面110aに形成された穴に一端部が圧入された円柱状のピンからなる。
板バネ8は、帯状に形成されたステンレス等の金属からなる薄板を屈曲して形成されている。板バネ8は、長手方向の一端部81が第1の支持突起117に係止され、他端部82が自由端となっている。また、板バネ8は、長手方向の中央部で第2の支持突起118を囲うように折り返されている。
揺動プレート7の裏面7b側には、2つの板バネ8をそれぞれ収容する2つの収容凹部72と、バイメタル9が湾曲しているときにその端部が係合する係合凹部73とが形成されている。揺動プレート7の表面7a側には、ロータ4のベーン背圧室400に連通する環状溝74が形成されている。なお、この環状溝74を省略し、揺動プレート7の表面7aの全体を平坦面としてもよい。
図7(a)は、ロータ4が回転していない初期状態における収容凹部72に収容された板バネ8を示す状態図であり、図7(b)は、作動油の粘性による引き摺りトルクによって揺動プレート7がロータ4に連れ回りした作動状態を示す状態図である。図7(a)及び(b)では、凹部110の底面110aに平行な断面で各部材を示している。
収容凹部72は、裏面7b側から見た形状が、外周側における一方の角部が欠けた略扇形である。板バネ8は、ロータ4の回転方向とは逆方向に揺動プレート7を付勢している。ロータ4が回転していない初期状態では、図7(a)に示すように、板バネ8の自由端である他端部82が収容凹部72の内面における一方の周方向端面72aに弾接し、この一方の周方向端面72aに向かい合う他方の周方向端面72bと第2の支持突起118との間に板バネ8の一部が挟まれる。板バネ8の他端部82が弾接する一方の周方向端面72aよりも外周側には、段差面72cを介して、揺動プレート7の周方向に板バネ8の一端部81と向かい合う対向面72dが形成されている。
ロータ4が回転して揺動プレート7が連れ回りすると、図7(b)に示すように、板バネ8の一端部81と他端部82とが接近するように板バネ8が弾性変形し、揺動プレート7を周方向に付勢する。ロータ4の回転方向への揺動プレート7の回転により、板バネ8の一端部81に収容凹部72の対向面72dが当接すると、さらなる揺動プレート7の回転が規制される。
図7(a)に示す初期状態における揺動プレート7のハウジング10に対する角度位置を初期位置(0°)とし、図7(b)に示す作動状態における揺動プレート7のハウジング10に対する角度位置を最大回転位置(例えば5°)とすると、揺動プレート7は、初期位置と最大回転位置との間で円心揺動する。この初期位置は、揺動プレート7がハウジング10に対して回転する角度範囲の下限の角度にあたり、最大回転位置は、揺動プレート7がハウジング10に対して回転する角度範囲の上限の角度にあたる。
図6(a)は、揺動プレート7が初期位置にある場合の揺動プレート7及び第1ポンプハウジング11を示している。図6(b)は、揺動プレート7が最大回転位置にある場合の揺動プレート7及び第1ポンプハウジング11を示している。
揺動プレート7が初期位置にある場合には、揺動プレート7の外周面7cにおける貫通孔711,712の開口が連通路115,116と向かい合わず、吸入ポート112及び吐出ポート113が流路71を介して連通しない。また、作動油の粘性による引き摺りトルクによって揺動プレート7がロータ4に連れ回りし、揺動プレート7が最大回転位置まで回転すると、図6(b)に示すように、吸入ポート112と吐出ポート113とが、連通路115,116及び揺動プレート7の流路71を介して連通する。
このように、揺動プレート7の揺動により、低圧側領域10aと高圧側領域10bとが流路71を介して連通する連通状態と、流路71を介した低圧側領域10aと高圧側領域10bとの連通が遮断される遮断状態とが切り替わる。連通状態では、吐出ポート113に吐出された作動油のうち余剰な作動油が、揺動プレート7の流路71を介して吸入ポート112に還流する。
揺動プレート7の回転位置は、板バネ8による付勢力と、ロータ4及び複数のベーン5の回転に伴う作動油の粘性による引き摺りトルクとの力の釣り合いによって定まる。引き摺りトルクは、ロータ4の回転速度が速くなるほど増大する。板バネ8は、初期状態においても弾性変形しており、他端部82が収容凹部72の一方の周方向端面72aに弾接することで、揺動プレート7を常時付勢している。
揺動プレート7は、ロータ4の回転速度が所定値(例えば4000rpm)以上となって引き摺りトルクが初期状態における板バネ8の付勢力を上回ったときに、板バネ8の付勢力に抗してロータ4の回転方向に回転する。ロータ4の回転速度が上記所定値に満たない場合には、揺動プレート7の回転位置が初期位置のままとなる。つまり、ロータ4の非回転時には、板バネ8の付勢力によって、低圧側領域10aと高圧側領域10bとの連通が遮断される遮断状態が維持される。
揺動プレート7の外周面7cにおける貫通孔711,712の開口は、揺動プレート7が初期位置にあるときには、連通路115,116と向かい合う部分が存在せず、ロータ4の回転速度が所定値を上回ると、徐々に貫通孔711,712の開口が連通路115,116と向かい合う面積が増大する。また、ロータ4の回転速度が十分速く、揺動プレート7が最大回転位置まで回転すると、貫通孔711,712の開口の全体が連通路115,116と向かい合う。
このように、揺動プレート7は、ロータ4の非回転時において、板バネ8の付勢力によってハウジング10に対する回転角度が所定の角度範囲の下限の角度となる。低圧側領域10aと高圧側領域10bとは、揺動プレート7がハウジング10に対して回転する角度範囲のうち少なくとも上限の角度において流路71によって連通し、角度範囲のうち少なくとも下限の角度において流路71による連通が遮断される。
また、本実施の形態では、作動油の温度が低温(例えば−10℃以下)である場合に作動油の粘性が高くなり、ロータ4が低速で回転している場合でも揺動プレート7が引き摺りトルクによって連れ回りしてしまうことを防ぐため、低温時における揺動プレート7の初期位置からの回転を規制すべく、第1ポンプハウジング11の収容穴110cにバイメタル9を配置している。
図8(a)及び(b)は、第1ポンプハウジング11の収容穴110cに収容されたバイメタル9を、揺動プレート7の一部と共に、揺動プレート7の周方向に沿う断面で示す断面図である。図8(a)は、常温時(例えば25℃)の状態を示し、図8(b)は、低温時(例えば−10℃)の状態を示している。
揺動プレート7が初期位置にある場合には、バイメタル9が収容された第1ポンプハウジング11の収容穴110cと、揺動プレート7の係合凹部73とが向かい合う。バイメタル9は、長手方向の一端部901が収容穴110cの底面110dに例えば溶接によって固定されている。また、バイメタル9は、熱膨張率が比較的高い第1金属板91と、熱膨張率が第1金属板91よりも低い第2金属板92とを、例えば冷間圧延によって貼り合せて形成されている。第1金属板91は揺動プレート7側に、第2金属板92は収容穴110cの底面110d側に、それぞれ配置されている。
バイメタル9は、常温時には平板状であり、図8(a)に示すように、その全体が収容穴110cに収容される。この場合、揺動プレート7は、バイメタル9によって第1ポンプハウジング11に対する回転が規制されることなく、上記所定の角度範囲で回転可能である。
一方、低温時には、第1金属板91が第2金属板92よりも高い割合で収縮し、バイメタル9が湾曲する。バイメタル9が湾曲することで、収容穴110cの底面110dに固定された一端部901とは反対側の他端部902が収容穴110cからはみ出して揺動プレート7の係合凹部73内に入り込む。この状態でロータ4が回転し、揺動プレート7が引き摺りトルクによるロータ4の回転方向(図8(a)に示す矢印B方向)への回転力を受けても、バイメタル9の他端部902が係合凹部73に係合して揺動プレート7の回転が規制される。
このように、揺動プレート7は、バイメタル9の温度が所定値(例えば−10℃)以下の低温度域である場合に、バイメタル9に係止されてロータ4の回転方向への回転が規制される。また、オイルポンプ装置1の動作等による発熱によってバイメタル9の温度が所定値を超えて上昇すると、バイメタル9による揺動プレート7の係止状態が解除され、揺動プレート7が揺動可能となる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した本実施の形態によれば、揺動プレート7に形成された流路71によって高圧側領域10bと低圧側領域10aとが連通し、ロータ4の回転が高速となって余剰な作動用が発生した場合には、余剰な作動油が高圧側領域10bから低圧側領域10aに還流する。これにより、余剰な作動油を吸入側に還流する構成を具備しながら、オイルポンプ装置1を小型化することが可能となる。
また、揺動プレート7は、ロータ4の回転速度が所定値以上である場合に板バネ8の付勢力に抗してロータ4の回転方向に回転するので、ロータ4が所定値未満の低速で回転する場合には、高圧側領域10bと低圧側領域10aとが揺動プレート7の流路71を介して連通しない。これにより、ロータ4の回転速度が所定値未満の低速域であるときに作動油の(外部への送出量)吐出量が不足してしまうことが抑制される。
また、揺動プレート7は、バイメタル9の温度が所定値(例えば−10℃)以下の低温度域である場合に、バイメタル9に係止されてロータ4の回転方向への回転が規制される。これにより、低温時における作動油の粘度の増大によって、ロータ4が低速で回転しているにもかかわらず高圧側領域10bと低圧側領域10aとが揺動プレート7の流路71を介して連通してしまうことが抑制される。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。オイルポンプ装置1の用途についても、自動車のトランスミッション用に限らず、例えばパワーステアリング装置用にこのオイルポンプ装置1を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、オイルポンプ装置1をベーンポンプとして構成した場合について説明したが、ハウジング10内で回転する回転部材によって吸入ポートから吐出ポートに移送可能なものであれば、ポンプの形式はベーンポンプに限らず、例えばギヤポンプであってもよい。
また、上記実施の形態では、2つの吸入ポート112と、2つの吐出ポート113とがハウジング10に設けられた場合について説明したが、これに限らず、それぞれ1つの吸入ポート112及び吐出ポート113がハウジング10に設けられていてもよい。
1…オイルポンプ装置
4…ロータ(回転部材)
5…ベーン(回転部材)
6…シャフト
7…揺動プレート(流路形成部材)
71…流路
8…板バネ(付勢部材)
9…バイメタル(温度感応部材)
10…ハウジング
10a…低圧側領域
10b…高圧側領域
110…凹部
112…吸入ポート
113…吐出ポート

Claims (5)

  1. 作動油を吸入する吸入ポート及び前記作動油を吐出する吐出ポートを有するハウジングと、
    シャフトを介して伝達される駆動源の回転力を受けて前記ハウジング内で回転し、当該回転によって前記吸入ポートから吸入された作動油を前記吐出ポートに移送する回転部材と、
    前記吐出ポートを含む高圧側領域の作動油を前記吸入ポートを含む低圧側領域に流通させることが可能な流路を有する流路形成部材とを備え、
    前記流路形成部材は、前記回転部材の回転に伴って発生する前記作動油の粘性による引き摺りトルクによって前記ハウジングに対して前記回転部材の回転方向に所定の角度範囲で揺動し、
    前記流路形成部材の揺動により、前記高圧側領域と前記低圧側領域とが前記流路を介して連通する連通状態と、前記流路を介した前記高圧側領域と前記低圧側領域との連通が遮断される遮断状態とが切り替わる、
    オイルポンプ装置。
  2. 前記ハウジングに回転不能に収容された楕円状の内周面を有する環状のカムリングをさらに備え、
    前記回転部材は、前記シャフトに連結されて前記カムリングの内側で回転するロータ、及び前記ロータに形成された複数のスリットのそれぞれに収容され、先端部が前記カムリングの内周面に摺接する複数のベーンからなり、
    前記流路形成部材は、前記ロータの軸方向端面に対向して前記ハウジングに形成された凹部内で回転可能に配置されている、
    請求項1に記載のオイルポンプ装置。
  3. 前記流路形成部材をその回転方向の一側に付勢する付勢部材をさらに備え、
    前記流路形成部材は、前記回転部材の非回転時において前記付勢部材の付勢力によって前記遮断状態が維持される、
    請求項1又は2に記載のオイルポンプ装置。
  4. 前記流路形成部材は、前記回転部材の回転速度が所定値以上である場合に前記付勢部材の付勢力に抗して前記回転部材の回転方向に回転する、
    請求項3に記載のオイルポンプ装置。
  5. 温度によって形状が変化する温度感応部材をさらに備え、
    前記流路形成部材は、前記温度感応部材の温度が所定値以下の低温度域である場合に前記温度形成部材に係止されて前記回転部材の回転方向への回転が規制される、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載のオイルポンプ装置。
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