JP2017115346A - 吐水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スペースに余裕がない場合でもチューブを配置することができ、汎用性に優れた吐水装置を提供する。【解決手段】吐水装置10は、吐水液が流れる流路14を有するチューブ11と、チューブ11の一端部11Aに接続され、流路14と連通する吐水路29を有する吐水部12と、吐水部12に連設されてチューブ11の一端部11Aを包囲し、外周面に取付部材(パネル93)への取り付けのための雄ねじ39が形成され、雄ねじ39の形成領域が吐水部12とは反対側となる取付部材の裏面側の空間部(配設空間83)に突出して配置されている取付ねじ部13とを備える。取付ねじ部13には、チューブ11を挿通させることが可能な開口41が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、吐水装置に関する。
特許文献1には、洗面化粧台に設けられた吐水装置としての水栓ユニットが開示されている。水栓ユニットは、洗面化粧台の前面を覆うハウジング本体を有し、ハウジング本体に水栓本体が取り付けられている。水栓本体は、ハウジング本体の裏面側の空間部に突出する部分(以下、取付部と称する)を有し、取付部を介してハウジング本体に固定される。取付部の後端には、吐水液が流れる吐水用配管などのチューブが接続されている。
特開平7−189305号公報
ところで、上記特許文献1に記載はないが、取付部をハウジング本体に固定する際には、取付部の外周面に形成された雄ねじにナットを螺合させ、ナットと取付部の前方に形成されたフランジとの間でハウジング本体を挟み込むような構成にすることが多い。
しかし、例えば、ハウジング本体の裏面側の空間部に水栓ユニットの壁面などの対向面が対向して配置される場合に、この対向面とハウジング本体との間の離間距離が短いと、つまり空間部が狭いと、取付部の後端が対向面に近づき過ぎてしまい、取付部の後端後方にチューブが通るスペースを確保することができないという事情がある。このため、上記構成は、空間部が狭い構造への適用が困難であり、汎用性に欠けるという問題がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、スペースに余裕がないところにもチューブを配設することができる汎用性に優れた吐水装置を提供することを目的とする。
本発明の吐水装置は、吐水液が流れる流路を有するチューブと、前記チューブの出口端部に接続され、前記流路と連通する吐水路を有する吐水部と、前記吐水部に連設されて前記チューブを包囲し、外周面に取付部材への取り付けのための雄ねじが形成され、前記雄ねじの形成領域が前記吐水部とは反対側となる前記取付部材の裏面側の空間部に突出して配置されている取付ねじ部とを備え、前記取付ねじ部には、前記チューブを挿通させることが可能な開口が形成されているところに特徴を有する。
仮に、取付部材の裏面側の空間部に壁面などの対向面が対向して配置され、対向面と取付ねじ部との間に十分なスペースを確保することができない場合には、取付ねじ部の開口にチューブを挿通させることで、チューブを配設することができる。
一方、上記対向面が存在せず、あるいは対向面と取付ねじ部との間に十分なスペースを確保することができる場合には、チューブを取付ねじ部の端面開口から延出する形態で配設することができる。
また、ナットなどの締結部材が開口を覆いつつ雄ねじと螺合することにより、締付部材の締付領域を十分に確保することができる。
したがって、本発明の吐水装置によれば、スペースに余裕がないところにもチューブを配設することができ、ひいては広狭いずれのスペースにもチューブを配設することができるため、汎用性に優れる。
本発明の実施例1に係る吐水装置を含むトイレルームの斜視図である。 洗面化粧台に設置された吐水装置の断面図である。 汚物流しユニットに設置された吐水装置の断面図である。 吐水装置の斜視図である。 タンクの側面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記開口が、前記取付ねじ部の端縁側に開放される切り欠きであるとよい。これによれば、チューブを、取付ねじ部の端縁の切欠部分から開口に差し込むことができ、配設作業性を向上させることができる。
<実施例1>
以下、実施例1を図面に基づいて説明する。実施例1は、多目的トイレのトイレルーム90における洗面化粧台70と汚物流しユニット80のそれぞれに設置される水石鹸の吐水装置10を例示するものである。なお、以下の説明において前後方向については、使用者が位置する側を前側とし、トイレルーム90の壁面に向かう側を後側とする。
図1に示すように、トイレルーム90は、前方に洗面器91及び手洗い器92が設けられた第1パネル93Aと、前方に汚物流し用のボウル94が設けられた第2パネル93Bとを有している。第2パネル93Bの前方には、さらに、便器95、跳ね上げ手すり96及び背もたれ97が設けられ、第1パネル93Aの前方には、さらに、固定手すり98及びトイレットペーパーホルダー99が設けられている。洗面化粧台70と汚物流しユニット80のそれぞれの上部には、鏡88A、88Bが設けられている。洗面化粧台70は、吐水装置10と、水栓87と、ボウル部86とを有している。また、汚物流しユニット80は、吐水装置10と、水栓の吐出部85及び操作部84と、ボウル94とを有している。
図2及び図3に示すように、吐水装置10は、合成樹脂製で可撓性の円管材からかるチューブ11と、チューブ11の一端部11A(出口端部)に接続される吐水部12と、吐水部12の後端部に同軸で連設され、チューブ11の外周を取り囲む円筒状の取付ねじ部13とを備えている。この吐水装置10は、洗面化粧台70と汚物流しユニット80のそれぞれで同一の構成であり、それぞれに共用される。
チューブ11の内部は、一端部11Aに向けて水石鹸(吐水液)が流れる流路14になっている。チューブ11の他端部11Bは、水石鹸が貯留されるタンク15(図5を参照)に接続されている。水石鹸は、吐水部12の後述するポンプ機構により吸い上げられ、チューブ11の流路14を経て吐水部12に移送される。なお、タンク15は、トイレルーム90の下キャビネット78(図1を参照)の内部に収容されている。
洗面化粧台70に設置される吐水装置10のチューブ11は、図2に示すように、第1パネル93Aの内側(裏側)の第1配設空間83Aに配設されている。第1配設空間83Aは、上下方向に沿った第1パネル93Aと、第1パネル93Aと平行に対向して配置されるトイレルーム90の壁面などの第1対向面82Aとの間に区画されている。また、汚物流しユニット80に設置される吐水装置10のチューブ11は、図3に示すように、第2パネル93Bの内側の第2配設空間83Bに配設されている。第2配設空間83Bは、上記同様、上下方向に沿った第2パネル93Bと、第2パネル93Bと平行に対向して配置されるトイレルーム90の壁面などの第2対向面(図3では寸法上図示されず)との間に区画されている。
第2パネル93Bと第2対向面との間の離間距離は、第1パネル93Aと第1対向面82Aとの間の離間距離よりも大きく、第2配設空間83Bは、第1配設空間83Aよりも広大になっている。なお、以下の説明において、第1パネル93Aと第2パネル93Bの区別をする必要がない場合にはこれらを総称して単にパネル93と称する。同様に、第1配設空間83Aと第2配設空間83Bを総称して単に配設空間83と称する。
吐水部12は、全体として前後方向に延出する円柱状の形態になっている。図2及び図3に示すように、吐水部12は、外周面を覆う外周カバー17と、前面を覆う前側カバー18と、前側カバー18に接続される押圧本体部19と、押圧本体部19の前端から下向きに突出する吐出管部21と、押圧本体部19の後端部に内嵌される前側逆止弁22と、押圧本体部19の後端部に外嵌される前側シリンダ23と、前側シリンダ23と前側カバー18との間に介挿されるバネ部材47と、前側シリンダ23の内周に摺動可能に収容されるピストン24と、前側シリンダ23の後端部に接続される後側シリンダ25と、後側シリンダ25の前端部に内嵌される後側逆止弁26とを有している。
前側逆止弁22と後側逆止弁26には、それぞれ球形の弁体27、28と、弁体27、28を、弁口を閉じる向きに付勢するバネ45、46が設けられている。これら弁体27、28は、ピストン24の往復移動に伴い弁口を開閉する方向に変位する。
吐水部12の内部には、後側シリンダ25、後側逆止弁26、ピストン24、前側逆止弁22、前側シリンダ23、押圧本体部19及び吐出管部21のそれぞれの中空軸孔を通して水石鹸が流れる吐水路29が形成されている。吐水路29は、後側シリンダ25の後端部にチューブ11の一端部11Aが被着されることで、チューブ11の流路14と連通している。吐出管部21の下端面には、ボウル94又はボウル部86の底部に向けて開口する吐出口31が設けられている。前側逆止弁22と後側逆止弁26は、吐出口31側に向かう水石鹸の流れを許容するが、その逆の流れを規制するように作用する。また、前側シリンダ23内における前側逆止弁22と後側逆止弁26との間の空間は、水石鹸が充填される充填室32になっている。
使用に際し、前側カバー18がバネ部材47の付勢力に抗して後退すると、後側逆止弁26が閉止されていることから、充填室32に充填された水石鹸の圧力によって弁体27がバネ45の付勢力に抗して開弁方向に移動して、前側逆止弁22が開放される。これにより、充填室32の水石鹸が吐水路29を通して吐出口31から吐出される。さらに水石鹸の流れが止まる位置に至ると、弁体27がバネ45の付勢力に従って閉弁方向に移動し、前側逆止弁22が閉止される。その後、前側カバー18の押圧が解除されると、ピストン24がバネ部材47の付勢力に従って前進し、弁体28がバネ46の付勢力に抗して開弁方向に移動して、後側逆止弁26が開放される。これにより、充填室32にタンク15側の水石鹸が吸い込まれて充填される。その後、水石鹸の流れが止まると、弁体28がバネ46の付勢力に従って閉弁方向に移動して、後側逆止弁26が閉止される。こうして前側カバー18を押圧することにより、タンク15内の水石鹸を、吐水路29を経て吐出口31から吐出させることが可能となっている。
続いて、取付ねじ部13の構造を説明する。図4に示すように、取付ねじ部13は、吐水部12の外周カバー17に後方から内嵌される挿入筒部33と、挿入筒部33の後端外周から径方向外側に張り出す円環板状のフランジ部34と、挿入筒部33の後端に同軸で一体に連設される本体ねじ部35とを有している。
図2及び図3に示すように、挿入筒部33には、その下端部の前後方向に間隔をあけた2箇所にねじ孔36が設けられている。外周カバー17の下端部には、ねじ孔36と対応する位置にねじ通し孔37が設けられている。挿入筒部33が外周カバー17に内嵌され、ねじ通し孔37からねじ孔36にかけて止めねじ40が螺挿されることにより、取付ねじ部13が吐水部12に固定される。また、挿入筒部33が外周カバー17に内嵌されると、挿入筒部33の内部に後側逆止弁26及び後側シリンダ25が収容されるとともに、本体ねじ部35の内部にチューブ11の一端部11Aとそこから延出する一端寄り部分が挿通される。
取付ねじ部13は、パネル93に貫設された取付孔81に前方から挿入される。このとき、本体ねじ部35の前部は取付孔81に挿入され、本体ねじ部35の後部はパネル93の裏面側(後面側)の配設空間83に突出して配置される。図2及び図3に示すように、第2パネル93Bの厚みは第1パネル93Aの厚みよりも大きいため、本体ねじ部35の前部は、第2パネル93Bの取付孔81に対して第1パネル93Aの取付孔81よりも深く挿入される。一方、本体ねじ部35の後部は、第2配設空間83Bに対し第1配設空間83Aよりも小さく突出する。また、挿入筒部33が吐水部12とともにパネル93の表面側(前面側)の空間に突出して配置され、フランジ部34がパネル93の表面に対面して配置される。
図4及び図6に示すように、本体ねじ部35は、外周面の上下位置に、一対の平坦部38が形成され、平坦部38を除く円弧状の周面部分に、雄ねじ39が形成されている。雄ねじ39は、本体ねじ部35の上記周面部分の全体に螺刻されている。本体ねじ部35の雄ねじ39には、六角ナットなどのナット50が螺合する。
一対の平坦部38は、互いに平行な二面幅状の切欠平面になっている。ここで、図6に示すように、パネル93の取付孔81には、一対の平坦面38に対応する平坦な直線部81Aが含まれている。取付ねじ部13がパネル93の取付孔81に挿入される際に、平坦部38が取付孔81の直線部81Aに沿って配置されることで、取付孔81内における取付ねじ部13の位置決めがなされるとともに、取付ねじ部13の軸周りの回転が規制されるようになっている。両平坦部38のうち、下側の平坦部38には、チューブ11を通すための開口41が設けられている。開口41は、本体ねじ部35の下端部において、平坦部38から内周面にかけて厚み方向に貫通し、且つ前後方向に延出して本体ねじ部35の後端縁に開放されるU字形の切り欠きとして構成される。開口41は、図4に示すように、円弧状の奥端部49(開放される側とは逆側の縁部)を有し、この奥端部49を除いてチューブ11の外径よりも若干大きい開口幅を有している。奥端部49は、断面円形をなすチューブ11の外周形状に対応した円弧状をなし、チューブ11が開口41に通されたときに、内側にチューブ11を円滑に逃がすように構成されている。開口41の後端は、チューブ11が導入される導入部43として構成される。
次に、パネル93に対する吐水装置10の取付構造について説明する。
組み付けに際し、吐水部12にチューブ11の一端部11Aが装着され、続いて吐水部12に取付ねじ部13が接続される。その状態で、パネル93の取付孔81に前方から取付ねじ部13の本体ねじ部35が挿入される。その後、ナット50が、チューブ11に沿って通され、本体ねじ部35の雄ねじ39にねじ込まれ、ナット50とフランジ部34との間にパネル93が厚み方向に挟み込まれる(図2及び図3を参照)。これにより、取付ねじ部13が吐水部12とともにパネル93に固定される。なお、パネル93とナット50との間には、座金61とパッキン62が介挿される。
ここで、吐水装置10が洗面化粧台70に設置される場合には、第1配設空間83Aが狭く、本体ねじ部35の後端面と第1対向面82Aとの間の離間距離が小さいため、本体ねじ部35の後端面の開口部分からチューブ11を取り回しするのに十分なスペースを確保することができない。そこで、チューブ11は、下向きに屈曲させられ、導入部43を通して本体ねじ部35の開口41に差し込まれる。これにより、図2に示すように、チューブ11が本体ねじ部35の開口41を通して下向きに延出させられ、第1配設空間83Aに支障なく収容される。このとき、ナット50は、雄ねじ39と螺合した状態で、開口41と重なる位置には配置されない。よって、開口41のほぼ全体が開放され、チューブ11の開口41への差し込みがナット50で規制されることはない。
一方、吐水装置10が汚物流しユニット80に設置される場合には、第2配設空間83Bが広く、本体ねじ部35の後端面と第2対向面との間の離間距離が大きいため、図3に示すように、本体ねじ部35の後端面の開口部分からチューブ11を後方に延出させることができる。このため、チューブ11は開口41に通されずに第2配設空間83Bに支障なく収容される。
ここで、第2パネル93Bの厚みが大きいため、ナット50は、雄ねじ39と螺合した状態で開口41に重なり、開口41を、導入部43を残して覆い隠す。もっとも、ナット50は、開口41を含む平坦部38を除く部分で雄ねじ39と螺合する状態を維持するため、雄ねじ39に対する締付領域をとくに減少させることはない。
以上説明したように、実施例1によれば、取付ねじ部13の開口41にチューブ11が挿通されることにより、狭いスペースであってもチューブ11を配設することができる。一方、広いスペースには、チューブ11が取付ねじ部13の後端後方に支障なく延出させられる。このとき、ナット50が開口41を覆いつつ雄ねじ39と螺合するため、ナット50の締付力を確保することができる。したがって、洗面化粧台70と汚物流しユニット80のそれぞれに設置される吐水装置10を1つの品番で共用することができ、吐水装置10の汎用性が高められる。
また、開口41が取付ねじ部13の端縁側に開放される切り欠きであるため、導入部43を通して開口41にチューブ11を差し込むことができ、チューブ11の取り回しが良好で、配設作業性の向上を図ることができる。
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)吐水装置が取り付けられる部材(取付部材)としては、板状のパネルに限らず、所定厚みを有する壁又はブロックであってもよい。
(2)開口は、取付ねじ部に複数設けられていてもよい。この場合、チューブは、各開口のうちの1つに選択的に挿通されるとよい。
(3)開口は、取付ねじ部の後端縁に開放されずに全周が閉じたループ孔であってもよい。
(4)開口がチューブの外径とほぼ同一の開口幅を有し、開口の溝面にチューブが幅方向に挟まれて保持されるものであってもよい。
(5)開口にチューブが挿通された状態で、開口の一部にナットが重なるように配置されるものであってもよい。
10…吐水装置
11…チューブ
11A…一端部(出口端部)
12…吐水部
13…取付ねじ部
14…流路
29…吐水路
39…雄ねじ
41…開口
50…ナット
83…配設空間(裏面側の空間部)
93…パネル(取付部材)
本発明の実施例1に係る吐水装置を含むトイレルームの斜視図である。 洗面化粧台に設置された吐水装置の断面図である。 汚物流しユニットに設置された吐水装置の断面図である。 吐水装置の斜視図である。 タンクの側面図である。 パネルの取付孔に挿入された取付ねじ部の背面図である。

Claims (2)

  1. 吐水液が流れる流路を有するチューブと、
    前記チューブの出口端部に接続され、前記流路と連通する吐水路を有する吐水部と、
    前記吐水部に連設されて前記チューブを包囲し、外周面に取付部材への取り付けのための雄ねじが形成され、前記雄ねじの形成領域が前記吐水部とは反対側となる前記取付部材の裏面側の空間部に突出して配置される取付ねじ部とを備え、
    前記取付ねじ部には、前記チューブを挿通させることが可能な開口が形成されていることを特徴とする吐水装置。
  2. 前記開口が、前記取付ねじ部の端縁側に開放される切り欠きであるところに特徴を有する請求項1記載の吐水装置。
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