JP2004322839A - 車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両ボディーに新たに孔を開ける必要がなく、車両の内部と外部とにわたる配線の配索を容易に、見栄え良く行うことができ、配線を車両ボディーに噛み込んだり、雑音を拾うことが少なくなり、車両に錆を生じさせることのない車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法を提供すること。
【解決手段】車両ボディー23に設けられた、ナンバープレート19を取り付けるための孔25には、外側から、スタットボルト21がねじ込まれている。このスタッドボルト21のボルト部27にには、車両ボディー23の内外にわたって、断面が略U字型の配線通し溝27bが形成されている。また、スタッドボルト21ナット部29は、配線通し溝27bと重なる部分では切り欠かれている。配線9は、車内側から配線通し溝27bに入り、車両ボディー23の外側に出、ナット部29の切り欠き部29aから外側に引き出されている。
【選択図】 図3
【解決手段】車両ボディー23に設けられた、ナンバープレート19を取り付けるための孔25には、外側から、スタットボルト21がねじ込まれている。このスタッドボルト21のボルト部27にには、車両ボディー23の内外にわたって、断面が略U字型の配線通し溝27bが形成されている。また、スタッドボルト21ナット部29は、配線通し溝27bと重なる部分では切り欠かれている。配線9は、車内側から配線通し溝27bに入り、車両ボディー23の外側に出、ナット部29の切り欠き部29aから外側に引き出されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、バックする時の安全確認のために、CCDカメラを車両の外側後部に取り付けることが行われていた。また、GPSアンテナ、バックセンサ、コーナーセンサ等の自動車用品を車両の外部に取り付けることが行われてきた。
【0003】
これらの車両の外部に取り付けられた自動車用品と、車両の内部に配置されたそれらのコントローラとは、配線でつなぐ必要がある。そのため、例えば、図14や図15に示す様に、車両の後部外側に取り付けた自動車部品(CCDカメラ)の配線を車両内に導くために、その近傍の車両ボディーに孔を開けたり、または、配線をトランクやドアの車両開口部まで引き回したりすることが行われてきた。
【0004】
尚、本願発明に関して、先行技術文献情報は発見できていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両のボディーに孔を開ける方法では、わざわざドリルを用いて加工する必要があり、配索に手間を要するという問題や、孔の部分からボディーに錆が生じる恐れがあるという問題があった。
【0006】
また、車両のオーナーは、車両ボディーに新たに孔を開けることには心理的な抵抗感があるため、CCDカメラ等の自動車用品を設置するために新たに孔を開ける必要がある場合には、それらの設置を躊躇することがあった。
一方、配線をトランクやドアの車両開口部から引き出す方法では、配線を車両内部のコントローラから開口部まで引き回し、更に、開口部から車両外部の自動車用品まで引き回す必要があるので、配線の処理が煩雑であるという問題や、開口部から自動車用品までの間の配線が露出し見栄えが悪いという問題があった。
【0007】
また、配線をトランクやドアの車両開口部から引き出す方法では、配線が長くなってしまうので、配線を車両ボディーに噛み込み易くなるという問題や、雑音を拾い易くなってしまうという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、車両ボディーに新たに孔を開ける必要がなく、車両のボディーの一方の側と他方の側とにわたる配線の配索を容易に、見栄え良く行うことができ、配線を車両ボディーに噛み込んだり、雑音を拾うことが少なくなり、車両に錆を生じさせることのない車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明の車両用部品を、車両のボディーの一方の側と他方の側(車両のボディーを基準として、前記一方の側とは反対の側)とを連通する連通部(例えばねじ孔)に取り付け、配線を車両用部品の配線案内部により案内することにより、配線を、車両のボディーの連通部を通して、車両のボディーの一方の側と他方の側とにわたって配索することができる。
【0009】
そのことにより、配線を通すための孔を、ドリルなどを用いて車両のボディーに新たに開ける必要がない。そのため、配索作業に要する手間や労力を低減することができる。また、車両のボディーに新たに孔を開ける場合のように、孔の断面に錆が生じてしまうようなことがない。
【0010】
また、例えば、配索すべき機器の近くに本発明の車両用部品を取り付け、そこから配線を取り出せば、配線をトランクやドア等の車両開口部から引き出す方法のように、配線を長い距離に渡って引き回す必要がなく、配線の処理が容易である。また、配線が車両のボディーの表面に大きく露出することがないので、見栄えにおいて優れている。
【0011】
更に、本発明によれば、上記のように車両用部品の配線を長く引き回す必要がないので、配線を短くすることができる。その結果として、配線を車両ボディーに噛み込んでしまうようなことが少くなり、また、配線が雑音を拾ってしまうことも少なくなる。
【0012】
・前記車両としては、例えば、四輪自動車(普通乗用車、大型トラック等も含む)、二輪車等が挙げられる。
・前記車両のボディーとは、車両の外側面を構成する部材だけではなく、車両の内部構造を構成する部材(例えば、車室内とエンジンルームとの間を仕切る部材等)を含む。
(2)請求項2の発明における車両用部品は、ボルトと、ボルトと組み合わされるナット又はカラーと、から成るので、例えば、車両のボディーに設けられたナンバープレートのボルト孔(連通部)にはめ込むことにより、CCDカメラ等の部品を車両のボディーに取り付けるために用いることができる。
【0013】
・前記ボルト、ナット、カラーの材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等が挙げられる。
(3)請求項3の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるようにボルトに形成された溝であるので、この溝の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(4)請求項4の発明では、ナット又はカラーは、溝に近接する部分では切り欠かれているので、溝の中に通した配線を、その切り欠かれている部分から取り出すことができる。
(5)請求項5の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、ボルトの内部に形成された孔であるので、この孔の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(6)請求項6の発明では、ナット又はカラーは一部が切り欠かれているとともに、ボルトの内部に形成された孔は、その切り欠かれている部分において、ボルトの表面に連通しているので、孔の中に通した配線を、その表面に連通している部分、及びナットにおいて切り欠かれている部分を介して取り出すことができる。
(7)請求項7の発明では、ナット又はカラーはボルトに固定されているので、ナット又はカラーのボルトに対する位置がずれてしまうことがない。また、ナットがボルトに固定されている場合は、例えば、そのナットをスパナ等で挟み、回転させることにより、ボルトを、ねじ孔にねじ込むことができる。
【0014】
ナット又はカラーをボルトに固定する方法としては、例えば、溶接、接着等が挙げられる。
(8)請求項8の発明では、車両用品は、ナットを2以上備えている。ナットを2つ以上備えている場合には、その2つのナットを重ねて締めることにより(ダブルナット)、ナットが緩みにくくなるという効果を奏する。
(9)請求項9の発明では、車両用部品がボルトであるので、例えば、車両のボディーに設けられたナンバープレートのボルト孔(連通部)にはめ込むことにより、CCDカメラ等の部品を車両のボディーに取り付けるために用いることができる。
【0015】
・前記ボルトの材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等が挙げられる。
(10)請求項10の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるようにボルトに形成された溝であるので、この溝の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(11)請求項11の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、ボルトの内部に形成された孔であるので、この孔の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(12)請求項12の発明では、ボルトの先端に設けられた係合部を、そのボルトを締めるための工具と係合させ、その工具を回転させることにより、ボルトをねじ孔にねじ込むことができる。
【0016】
・前記係合部としては、例えば、図8(b)に示す様なマイナス型の溝、図9(a)に示すようなプラス型の溝、図9(b)に示すようなヘキサゴンボルトに対応する断面六角型の凹部、トルクスボルトに対応する断面星形の凹部等が挙げられる。
【0017】
また、上記の係合部と係合し、ボルトを締めるために用いることができる工具としては、それぞれ、マイナスドライバ、プラスドライバ、ヘキサゴンボルト、トルクスボルトが挙げられる。
更に、前記係合部としては、例えば、ボルトの先端に、真円以外の断面を持つ凸部を設けたものであってもよい。この場合は、その凸部を、ペンチ等の工具で挟み、回転させることにより、ボルトを締めることができる。
(13)請求項13の発明では、車両用部品が、例えば、図10及び図11に示す様な固定用クリップである。従って、この固定用クリップを用いて、ナンバープレート等の部品を固定することができる。
(14)請求項14の発明では、車両のボディーの連通部に請求項1〜13のいずれかに記載の車両用部品を備えることにより、請求項1〜13の発明と同様の効果を奏することができる。
(15)請求項15の発明では、請求項1〜13のいずれかに記載の車両用部品を用いて配線を車両のボディーの一方の側と他方の側との間に配索することにより、請求項1〜13の発明と同様の効果を奏することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)本実施例1では、車両に搭載されたCCDカメラシステムに対して、車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法を用いている。
【0019】
まず、CCDカメラシステムの概要について図1及び図2を用いて説明する。CCDカメラシステム1は、車両の後部外側に取り付けられたCCDカメラ3、車両の内部に設置されたコントローラ5、同じく車両の内部に設置された映像出力部7、CCDカメラ3とコントローラ5との間を繋ぐ配線9、及びコントローラ5と映像出力部7との間を接続する映像入力線11から構成される。
【0020】
CCDカメラ3は、図2に示す様に、後部ナンバープレート19の右隣に、後方の映像を撮影できるように取り付けられている。CCDカメラ3は、車両後方の映像を撮影し、その映像データを配線9に含まれる映像入力線13によりコントローラ5に送る。また、CCDカメラ3は、配線9に含まれる電源線15により電力を供給されており、配線9に含まれるアース線17によりアースされている。
【0021】
配線9は、図2に示す様に、CCDカメラ3から取り出され、ナンバープレート19の裏側を通り、ナンバープレート19をその右上において固定するスタッドボルト(車両用部品)21の部分から、車両の内部に引き込まれ、コントローラ5に接続している。尚、スタッドボルト21の構成は後に詳述する。
【0022】
コントローラ5は、図示しないバック検出部からバック信号(車両のギヤがバックとなった時に発生する信号)を受信すると、映像入力線11により、CCDカメラ3が撮影した映像データを映像出力部7に送る。
映像出力部7は、AV入力端子のあるTV、チューナ、カーナビゲーション等であり、コントローラ5から送られる映像データに基づいて映像を表示する。この映像出力部は、車両の運転席付近に設置されている。
【0023】
b)次に、CCDカメラシステム1において、コントローラ5とCCDカメラ3との間をつなぐ配線9を車両の外部と内部との間にわたって配索する部分の構造(配線取り出し構造)、及び配線9を配索する配索方法について説明する。
図3に示す様に、車両の後方(図3における上側)における車両ボディー23には、ナンバープレート19を取り付けるために、車両ボディー23の内側(一方の側)と外側(他方の側)とを連通する孔(連通部)25が形成されている。この孔25の断面には、ねじ溝が切られている。
【0024】
孔25には、外側から、スタットボルト21がねじ込まれている。このスタッドボルト21は、図4に示す様に、ねじ溝が側面全体に渡って切られたボルト部27と、ボルト部27の一方の端部27aから、ボルト部27全体の長さの約2/3の位置に固定されたナット部29とから構成される。尚、ボルト部27に切られたねじ溝は、孔25の断面に切られたねじ溝と対応するものである。
【0025】
このスタッドボルト21のうち、そのボルト部27の端部27aからナット部29に至る部分までは、孔25に外側からねじ込まれ、ナット部29は車両ボディー23に、その外側から当接している。
スタッドボルト21のボルト部27のうち、ナット部29より後方の部分であるボルト後部27cは、車両の後部に向けて突出し、ナンバープレート19の取り付け孔19aを貫いている。そして、ナンバープレート19の外側から、ボルト後部27cに袋ナット31がねじ込まれており、ナンバープレート19はスタッドボルト21に対して固定されている。
【0026】
スタッドボルト21のボルト部27における側面には、図3及び図4に示す様に、端部27aから、車両ボディー23の外側においてナット部29と重なる位置まで、断面が略U字型の配線通し溝27bが形成されている。この配線通し溝27bは、図5に示す様に、配線9を収容できるだけの大きさを有している。尚、この図5は、ボルト部27と、配線通し溝27bに収容した配線9との断面図である。
【0027】
また、スタッドボルト21のナット部29は、ボルト部27に対して溶接により固定されており、ボルト部27の配線通し溝27bと重なる(近接する)部分では切り欠かれて、切り欠き部29aが設けられている。
従って、スタッドボルト21には、図3に示す様に、車両ボディー23の内側(一方の側)から、配線通し溝27b及び切り欠き部29aを経て車両ボディー23の外側(他方の側)に連通する配線案内部33が形成されている。この配線案内部33により、車両のボディー23の内側と外側とにわたって配線9が配索されている。つまり、コントローラ5からCCDカメラ3に向かう配線9は、端部27aの側から配線通し溝27bに入り、その配線通し溝27bの中を通って車両ボディー23の外側に出、ナット部29の切り欠き部29aから外側に引き出されている。配線9は更に、車両ボディー23とナンバープレート19との間を通り、CCDカメラ3に至っている。
【0028】
c)次に、本実施例1のスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配線配索方法の奏する効果を説明する。
▲1▼本実施例1では、ナンバープレート19の固定に用いられるスタッドボルト21に形成された配線案内部33を通して、配線9を車両ボディー23の内部と外部との間にわたって配索することができるので、配線9を通すための孔を、ドリルなどを用いて車両ボディー23に新たに開ける必要がない。そのため、配索作業に要する手間や労力を低減することができる。また、車両ボディー23に新たに孔を開ける場合のように、孔の断面に錆が生じてしまうようなことがない。
【0029】
更に、本実施例1では、車両ボディー23に新たに孔を開けずにCCDカメラシステム1を設置することができるので、車両のオーナーに対し、(車両ボディー23に新たに孔を開けることによる)心理的な抵抗感を生じさせることがなく、CCDカメラシステム1の導入を促進することができる。
【0030】
▲2▼本実施例1では、CCDカメラ3の近傍にあるスタッドボルト21から配線9を引き出すことができるので、配線をトランクやドア等の車両開口部から引き出す方法のように、配線を長い距離に渡って引き回す必要がなく、配線の処理が容易である。また、配線9が車両ボディー23の表面に露出することがないので、見栄えにおいて優れている。
【0031】
更に、配線9が短くて済むので、配線を車両のボディーに噛み込んでしまうようなことがなく、また、配線9が雑音を拾ってしまうことがない。
▲3▼スタットボルト21では、ボルト部27に対しナット部29が溶接により固定されている。そのため、ナット部29をスパナ等で挟み、回転させることにより、ボルト部27を、車両ボディー23の孔25にねじ込むことができる。
(実施例2)
本実施例2におけるスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、基本的には前記実施例1と同様である。但し本実施例2では、スタッドボルト21の構成において一部異なる。
【0032】
本実施例2のスタッドボルト21では、図6に示す様に、ボルト部27に、断面U字型の溝ではなく、ボルト部27の中心を長手方向に通る円筒形の孔27dを備えている。この孔27dは、ボルト部27の一方の端部27a(車両の内側の端部)において開口しており、ナット部29と重なる位置まで続いている。そして、ナット部29の位置において、ボルト部27の側面に設けられた開口部27eに連通している。尚、ナット部29は、開口部27eの部分では、前記実施例1と同様に切り欠かれ、切り欠き部29aが形成されている。
【0033】
従って、このスタッドボルト21を車両ボディー23に取り付けると、図7に示す様に、車両の内部から、孔27d、開口部27e、及び切り欠き部29aを経て車両の外部に至る配線案内部33が形成されている。配線9は、この配線案内部33を通って、車両の内部と外部との間にわたって配索されている。
【0034】
本実施例2のスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例3)
本実施例3におけるスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、基本的には前記実施例1と同様である。但し本実施例3では、スタッドボルト21の構成において一部異なる。
【0035】
本実施例3のスタッドボルト21は、図8aに示す様に、ナット部29ではなく、ボルト部27に対し固定されているカラー34を備えている。このカラー34は、ボルト部27の配線通し溝27bの幅に相当する部分が切り欠かれて、切り欠き部34aが設けられている。
【0036】
従って、スタッドボルト21を車両ボディー23に取り付けた際には、車両の内部から、配線通し溝27b及び切り欠き部34aを経て車両の外側に連通する配線案内部が形成される。
また、ボルト部27において、ボルト後部27c側の端部には、図8bに示す様に、マイナス型の溝(係合部)27fが形成されている。従って、この溝27fにマイナスドライバ(ボルト部27を締めるための工具)の先端を差し込んで回転させることにより、ボルト部27を車両ボディー23の孔25にねじ込むことができる。
【0037】
尚、ボルト後部27c側の端部には、係合部として、マイナス型の溝27fの代わりに、図9(a)に示す様なプラス型の溝、図9(b)に示すような、ヘキサゴンボルトに対応する断面六角型の凹部、または、トルクレンチに対応する断面星形の凹部等を設けてもよい。係合部が上記のものである場合、ボルト部27を締めるために用いることができる工具としては、それぞれ、プラスドライバ、ヘキサゴンボルト、トルクレンチが挙げられる。
【0038】
更に、係合部としては、ボルト後部27c側の端部に、真円以外の断面を持つ凸部(例えば板状の凸部)を設けたものであってもよい。この場合は、その凸部を、ペンチ等の工具で挟み、回転させることにより、ボルトを締めることができる。
【0039】
また、カラー34は、ボルト部27に対して固定されていなくてもよい。
本実施例3のスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例4)
本実施例4では、車両用部品として、図10に示すように、固定用クリップ(車両用部品)35を用いてナンバープレート19を車両ボディー23に固定する。
【0040】
まず、この固定用クリップ35の構成を図10及び図11を用いて説明する。固定用クリップ35は、図11aに示す差込部材37と、図11bに示す受け部材39とから構成される。
差込部材37は、円筒型の本体部37aと、その本体部37aの上端において、水平方向(図11aにおける横方向)に張り出した鍔部37bとから成る。本体部37aは、長手方向に沿って、その中心を上端から下端まで貫通する孔37cが設けられている。この孔37cは、配線9を通せるだけの太さを有している。
【0041】
受け部材39は、中心に差し込み部材37の本体部37aを通せる大きさの孔39bを備えた円盤状の基板部39a、基板部39aの下側において、孔39bの周囲から下向きに立設された4本の脚部39cとから成る。脚部39cは、その下端付近において、内向きに突出した爪である爪部39dをそれぞれ備えている。
【0042】
次に、固定クリップ35を用いた配線取り出し構造、及び配線配索方法について説明する。
車両ボディー23の外側には、図10に示す様に、車両ボディー23の孔25とナンバープレート19の取り付け孔19aとが一致するように、ナンバープレート19が配置されている。
【0043】
固定クリップ35の受け部材39は、その脚部39cを、ナンバープレート19の外側から、孔25及び取り付け孔19aを通して、車両ボディー23の内部に挿入しており、基板部39aは、ナンバープレート19の外側に当接している。
【0044】
固定クリップ35の差込部材37は、その本体部37aを、受け部材39の孔39b、ナンバープレート19の取り付け孔19a、及び車両ボディー23の孔25を通して、車両の外側から内部向けて差し込んでおり、鍔部37bは、受け部材39の基板部39aに外側から当接している。
【0045】
車両ボディー23の内部に差し込まれた本体部37aは、受け部材39の4本の脚部39cの中心に位置しており、脚部39cの爪部39dに内側から当接し、脚部39cをそれぞれ外側に押し広げている。そのことにより、脚部39cは、車両ボディー23の孔25より大きく拡がり、受け部材39は、孔25から脱落することなく、車両ボディー23に対して固定される。その結果として、車両ボディー23と受け部材39の基板部39aとに挟まれたナンバープレート19は、車両ボディー23に固定されている。
【0046】
固定クリップ35の差し込み部材37には、上記のように、孔37cが設けられており、固定クリップ35を用いてナンバープレート19を固定した際には、孔37cは、車両ボディー23の内部と外部とを連通している。従って、図10に示す様に、この孔37cを配線案内部として、配線9を、車両の内部と外部との間にわたって配索することができる。
【0047】
本実施例4の固定用クリップ、配線取り出し構造、及び配索方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0048】
・例えば、前記実施例1及び実施例2において、スタッドボルト21のボルト部27に設けられた配線通し溝27bは、図12に示す様に、端部27aから、ボルト部27の反対側の端部まで連続するものであっても良い。
・前記実施例1及び実施例2において、スタッドボルト21は、図13に示す様に、ナット部41を車両ボディー23の内側に備えるものであってもよい。この場合は、ナット部29とナット部41とにより、車両ボディー23を両側から締め付け、スタッドボルト21を車両ボディー23に対して固定することができる。このときは、ナット部29はボルト部27に対して固定されていなくてもよい。
【0049】
ナット部41は、図13に示す様に、2個を重ねて用いること(ダブルナット)が、ナット部41の緩みを防止するための望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるCCDカメラシステムの構成を示す説明図である。
【図2】実施例におけるCCDカメラシステムの構成を示す説明図である。
【図3】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図4】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図5】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図6】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図7】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図8】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図9】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図10】実施例における固定用クリップの構成を示す説明図である。
【図11】実施例における固定用クリップの構成を示す説明図である。
【図12】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図13】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図14】従来の配索方法を示す説明図である。
【図15】従来の配索方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・CCDカメラシステム
3・・・CCDカメラ
9・・・配線
19・・・ナンバープレート
21・・・スタッドボルト
23・・・車両ボディー
27・・・ボルト部
27b・・・配線通し溝
29・・・ナット部
29a・・・切り欠き部
33・・・配線案内部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、バックする時の安全確認のために、CCDカメラを車両の外側後部に取り付けることが行われていた。また、GPSアンテナ、バックセンサ、コーナーセンサ等の自動車用品を車両の外部に取り付けることが行われてきた。
【0003】
これらの車両の外部に取り付けられた自動車用品と、車両の内部に配置されたそれらのコントローラとは、配線でつなぐ必要がある。そのため、例えば、図14や図15に示す様に、車両の後部外側に取り付けた自動車部品(CCDカメラ)の配線を車両内に導くために、その近傍の車両ボディーに孔を開けたり、または、配線をトランクやドアの車両開口部まで引き回したりすることが行われてきた。
【0004】
尚、本願発明に関して、先行技術文献情報は発見できていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両のボディーに孔を開ける方法では、わざわざドリルを用いて加工する必要があり、配索に手間を要するという問題や、孔の部分からボディーに錆が生じる恐れがあるという問題があった。
【0006】
また、車両のオーナーは、車両ボディーに新たに孔を開けることには心理的な抵抗感があるため、CCDカメラ等の自動車用品を設置するために新たに孔を開ける必要がある場合には、それらの設置を躊躇することがあった。
一方、配線をトランクやドアの車両開口部から引き出す方法では、配線を車両内部のコントローラから開口部まで引き回し、更に、開口部から車両外部の自動車用品まで引き回す必要があるので、配線の処理が煩雑であるという問題や、開口部から自動車用品までの間の配線が露出し見栄えが悪いという問題があった。
【0007】
また、配線をトランクやドアの車両開口部から引き出す方法では、配線が長くなってしまうので、配線を車両ボディーに噛み込み易くなるという問題や、雑音を拾い易くなってしまうという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、車両ボディーに新たに孔を開ける必要がなく、車両のボディーの一方の側と他方の側とにわたる配線の配索を容易に、見栄え良く行うことができ、配線を車両ボディーに噛み込んだり、雑音を拾うことが少なくなり、車両に錆を生じさせることのない車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明の車両用部品を、車両のボディーの一方の側と他方の側(車両のボディーを基準として、前記一方の側とは反対の側)とを連通する連通部(例えばねじ孔)に取り付け、配線を車両用部品の配線案内部により案内することにより、配線を、車両のボディーの連通部を通して、車両のボディーの一方の側と他方の側とにわたって配索することができる。
【0009】
そのことにより、配線を通すための孔を、ドリルなどを用いて車両のボディーに新たに開ける必要がない。そのため、配索作業に要する手間や労力を低減することができる。また、車両のボディーに新たに孔を開ける場合のように、孔の断面に錆が生じてしまうようなことがない。
【0010】
また、例えば、配索すべき機器の近くに本発明の車両用部品を取り付け、そこから配線を取り出せば、配線をトランクやドア等の車両開口部から引き出す方法のように、配線を長い距離に渡って引き回す必要がなく、配線の処理が容易である。また、配線が車両のボディーの表面に大きく露出することがないので、見栄えにおいて優れている。
【0011】
更に、本発明によれば、上記のように車両用部品の配線を長く引き回す必要がないので、配線を短くすることができる。その結果として、配線を車両ボディーに噛み込んでしまうようなことが少くなり、また、配線が雑音を拾ってしまうことも少なくなる。
【0012】
・前記車両としては、例えば、四輪自動車(普通乗用車、大型トラック等も含む)、二輪車等が挙げられる。
・前記車両のボディーとは、車両の外側面を構成する部材だけではなく、車両の内部構造を構成する部材(例えば、車室内とエンジンルームとの間を仕切る部材等)を含む。
(2)請求項2の発明における車両用部品は、ボルトと、ボルトと組み合わされるナット又はカラーと、から成るので、例えば、車両のボディーに設けられたナンバープレートのボルト孔(連通部)にはめ込むことにより、CCDカメラ等の部品を車両のボディーに取り付けるために用いることができる。
【0013】
・前記ボルト、ナット、カラーの材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等が挙げられる。
(3)請求項3の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるようにボルトに形成された溝であるので、この溝の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(4)請求項4の発明では、ナット又はカラーは、溝に近接する部分では切り欠かれているので、溝の中に通した配線を、その切り欠かれている部分から取り出すことができる。
(5)請求項5の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、ボルトの内部に形成された孔であるので、この孔の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(6)請求項6の発明では、ナット又はカラーは一部が切り欠かれているとともに、ボルトの内部に形成された孔は、その切り欠かれている部分において、ボルトの表面に連通しているので、孔の中に通した配線を、その表面に連通している部分、及びナットにおいて切り欠かれている部分を介して取り出すことができる。
(7)請求項7の発明では、ナット又はカラーはボルトに固定されているので、ナット又はカラーのボルトに対する位置がずれてしまうことがない。また、ナットがボルトに固定されている場合は、例えば、そのナットをスパナ等で挟み、回転させることにより、ボルトを、ねじ孔にねじ込むことができる。
【0014】
ナット又はカラーをボルトに固定する方法としては、例えば、溶接、接着等が挙げられる。
(8)請求項8の発明では、車両用品は、ナットを2以上備えている。ナットを2つ以上備えている場合には、その2つのナットを重ねて締めることにより(ダブルナット)、ナットが緩みにくくなるという効果を奏する。
(9)請求項9の発明では、車両用部品がボルトであるので、例えば、車両のボディーに設けられたナンバープレートのボルト孔(連通部)にはめ込むことにより、CCDカメラ等の部品を車両のボディーに取り付けるために用いることができる。
【0015】
・前記ボルトの材質としては、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等が挙げられる。
(10)請求項10の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるようにボルトに形成された溝であるので、この溝の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(11)請求項11の発明では、配線案内部が、車両用部品を車両に取り付けた際に、車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、ボルトの内部に形成された孔であるので、この孔の中に配線を通すことにより、車両のボディーの一方の側と他方の側にわたって、配線を配索することができる。
(12)請求項12の発明では、ボルトの先端に設けられた係合部を、そのボルトを締めるための工具と係合させ、その工具を回転させることにより、ボルトをねじ孔にねじ込むことができる。
【0016】
・前記係合部としては、例えば、図8(b)に示す様なマイナス型の溝、図9(a)に示すようなプラス型の溝、図9(b)に示すようなヘキサゴンボルトに対応する断面六角型の凹部、トルクスボルトに対応する断面星形の凹部等が挙げられる。
【0017】
また、上記の係合部と係合し、ボルトを締めるために用いることができる工具としては、それぞれ、マイナスドライバ、プラスドライバ、ヘキサゴンボルト、トルクスボルトが挙げられる。
更に、前記係合部としては、例えば、ボルトの先端に、真円以外の断面を持つ凸部を設けたものであってもよい。この場合は、その凸部を、ペンチ等の工具で挟み、回転させることにより、ボルトを締めることができる。
(13)請求項13の発明では、車両用部品が、例えば、図10及び図11に示す様な固定用クリップである。従って、この固定用クリップを用いて、ナンバープレート等の部品を固定することができる。
(14)請求項14の発明では、車両のボディーの連通部に請求項1〜13のいずれかに記載の車両用部品を備えることにより、請求項1〜13の発明と同様の効果を奏することができる。
(15)請求項15の発明では、請求項1〜13のいずれかに記載の車両用部品を用いて配線を車両のボディーの一方の側と他方の側との間に配索することにより、請求項1〜13の発明と同様の効果を奏することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)本実施例1では、車両に搭載されたCCDカメラシステムに対して、車両用部品、配線取り出し構造、及び配索方法を用いている。
【0019】
まず、CCDカメラシステムの概要について図1及び図2を用いて説明する。CCDカメラシステム1は、車両の後部外側に取り付けられたCCDカメラ3、車両の内部に設置されたコントローラ5、同じく車両の内部に設置された映像出力部7、CCDカメラ3とコントローラ5との間を繋ぐ配線9、及びコントローラ5と映像出力部7との間を接続する映像入力線11から構成される。
【0020】
CCDカメラ3は、図2に示す様に、後部ナンバープレート19の右隣に、後方の映像を撮影できるように取り付けられている。CCDカメラ3は、車両後方の映像を撮影し、その映像データを配線9に含まれる映像入力線13によりコントローラ5に送る。また、CCDカメラ3は、配線9に含まれる電源線15により電力を供給されており、配線9に含まれるアース線17によりアースされている。
【0021】
配線9は、図2に示す様に、CCDカメラ3から取り出され、ナンバープレート19の裏側を通り、ナンバープレート19をその右上において固定するスタッドボルト(車両用部品)21の部分から、車両の内部に引き込まれ、コントローラ5に接続している。尚、スタッドボルト21の構成は後に詳述する。
【0022】
コントローラ5は、図示しないバック検出部からバック信号(車両のギヤがバックとなった時に発生する信号)を受信すると、映像入力線11により、CCDカメラ3が撮影した映像データを映像出力部7に送る。
映像出力部7は、AV入力端子のあるTV、チューナ、カーナビゲーション等であり、コントローラ5から送られる映像データに基づいて映像を表示する。この映像出力部は、車両の運転席付近に設置されている。
【0023】
b)次に、CCDカメラシステム1において、コントローラ5とCCDカメラ3との間をつなぐ配線9を車両の外部と内部との間にわたって配索する部分の構造(配線取り出し構造)、及び配線9を配索する配索方法について説明する。
図3に示す様に、車両の後方(図3における上側)における車両ボディー23には、ナンバープレート19を取り付けるために、車両ボディー23の内側(一方の側)と外側(他方の側)とを連通する孔(連通部)25が形成されている。この孔25の断面には、ねじ溝が切られている。
【0024】
孔25には、外側から、スタットボルト21がねじ込まれている。このスタッドボルト21は、図4に示す様に、ねじ溝が側面全体に渡って切られたボルト部27と、ボルト部27の一方の端部27aから、ボルト部27全体の長さの約2/3の位置に固定されたナット部29とから構成される。尚、ボルト部27に切られたねじ溝は、孔25の断面に切られたねじ溝と対応するものである。
【0025】
このスタッドボルト21のうち、そのボルト部27の端部27aからナット部29に至る部分までは、孔25に外側からねじ込まれ、ナット部29は車両ボディー23に、その外側から当接している。
スタッドボルト21のボルト部27のうち、ナット部29より後方の部分であるボルト後部27cは、車両の後部に向けて突出し、ナンバープレート19の取り付け孔19aを貫いている。そして、ナンバープレート19の外側から、ボルト後部27cに袋ナット31がねじ込まれており、ナンバープレート19はスタッドボルト21に対して固定されている。
【0026】
スタッドボルト21のボルト部27における側面には、図3及び図4に示す様に、端部27aから、車両ボディー23の外側においてナット部29と重なる位置まで、断面が略U字型の配線通し溝27bが形成されている。この配線通し溝27bは、図5に示す様に、配線9を収容できるだけの大きさを有している。尚、この図5は、ボルト部27と、配線通し溝27bに収容した配線9との断面図である。
【0027】
また、スタッドボルト21のナット部29は、ボルト部27に対して溶接により固定されており、ボルト部27の配線通し溝27bと重なる(近接する)部分では切り欠かれて、切り欠き部29aが設けられている。
従って、スタッドボルト21には、図3に示す様に、車両ボディー23の内側(一方の側)から、配線通し溝27b及び切り欠き部29aを経て車両ボディー23の外側(他方の側)に連通する配線案内部33が形成されている。この配線案内部33により、車両のボディー23の内側と外側とにわたって配線9が配索されている。つまり、コントローラ5からCCDカメラ3に向かう配線9は、端部27aの側から配線通し溝27bに入り、その配線通し溝27bの中を通って車両ボディー23の外側に出、ナット部29の切り欠き部29aから外側に引き出されている。配線9は更に、車両ボディー23とナンバープレート19との間を通り、CCDカメラ3に至っている。
【0028】
c)次に、本実施例1のスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配線配索方法の奏する効果を説明する。
▲1▼本実施例1では、ナンバープレート19の固定に用いられるスタッドボルト21に形成された配線案内部33を通して、配線9を車両ボディー23の内部と外部との間にわたって配索することができるので、配線9を通すための孔を、ドリルなどを用いて車両ボディー23に新たに開ける必要がない。そのため、配索作業に要する手間や労力を低減することができる。また、車両ボディー23に新たに孔を開ける場合のように、孔の断面に錆が生じてしまうようなことがない。
【0029】
更に、本実施例1では、車両ボディー23に新たに孔を開けずにCCDカメラシステム1を設置することができるので、車両のオーナーに対し、(車両ボディー23に新たに孔を開けることによる)心理的な抵抗感を生じさせることがなく、CCDカメラシステム1の導入を促進することができる。
【0030】
▲2▼本実施例1では、CCDカメラ3の近傍にあるスタッドボルト21から配線9を引き出すことができるので、配線をトランクやドア等の車両開口部から引き出す方法のように、配線を長い距離に渡って引き回す必要がなく、配線の処理が容易である。また、配線9が車両ボディー23の表面に露出することがないので、見栄えにおいて優れている。
【0031】
更に、配線9が短くて済むので、配線を車両のボディーに噛み込んでしまうようなことがなく、また、配線9が雑音を拾ってしまうことがない。
▲3▼スタットボルト21では、ボルト部27に対しナット部29が溶接により固定されている。そのため、ナット部29をスパナ等で挟み、回転させることにより、ボルト部27を、車両ボディー23の孔25にねじ込むことができる。
(実施例2)
本実施例2におけるスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、基本的には前記実施例1と同様である。但し本実施例2では、スタッドボルト21の構成において一部異なる。
【0032】
本実施例2のスタッドボルト21では、図6に示す様に、ボルト部27に、断面U字型の溝ではなく、ボルト部27の中心を長手方向に通る円筒形の孔27dを備えている。この孔27dは、ボルト部27の一方の端部27a(車両の内側の端部)において開口しており、ナット部29と重なる位置まで続いている。そして、ナット部29の位置において、ボルト部27の側面に設けられた開口部27eに連通している。尚、ナット部29は、開口部27eの部分では、前記実施例1と同様に切り欠かれ、切り欠き部29aが形成されている。
【0033】
従って、このスタッドボルト21を車両ボディー23に取り付けると、図7に示す様に、車両の内部から、孔27d、開口部27e、及び切り欠き部29aを経て車両の外部に至る配線案内部33が形成されている。配線9は、この配線案内部33を通って、車両の内部と外部との間にわたって配索されている。
【0034】
本実施例2のスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例3)
本実施例3におけるスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、基本的には前記実施例1と同様である。但し本実施例3では、スタッドボルト21の構成において一部異なる。
【0035】
本実施例3のスタッドボルト21は、図8aに示す様に、ナット部29ではなく、ボルト部27に対し固定されているカラー34を備えている。このカラー34は、ボルト部27の配線通し溝27bの幅に相当する部分が切り欠かれて、切り欠き部34aが設けられている。
【0036】
従って、スタッドボルト21を車両ボディー23に取り付けた際には、車両の内部から、配線通し溝27b及び切り欠き部34aを経て車両の外側に連通する配線案内部が形成される。
また、ボルト部27において、ボルト後部27c側の端部には、図8bに示す様に、マイナス型の溝(係合部)27fが形成されている。従って、この溝27fにマイナスドライバ(ボルト部27を締めるための工具)の先端を差し込んで回転させることにより、ボルト部27を車両ボディー23の孔25にねじ込むことができる。
【0037】
尚、ボルト後部27c側の端部には、係合部として、マイナス型の溝27fの代わりに、図9(a)に示す様なプラス型の溝、図9(b)に示すような、ヘキサゴンボルトに対応する断面六角型の凹部、または、トルクレンチに対応する断面星形の凹部等を設けてもよい。係合部が上記のものである場合、ボルト部27を締めるために用いることができる工具としては、それぞれ、プラスドライバ、ヘキサゴンボルト、トルクレンチが挙げられる。
【0038】
更に、係合部としては、ボルト後部27c側の端部に、真円以外の断面を持つ凸部(例えば板状の凸部)を設けたものであってもよい。この場合は、その凸部を、ペンチ等の工具で挟み、回転させることにより、ボルトを締めることができる。
【0039】
また、カラー34は、ボルト部27に対して固定されていなくてもよい。
本実施例3のスタッドボルト21、配線取り出し構造、及び配索方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
(実施例4)
本実施例4では、車両用部品として、図10に示すように、固定用クリップ(車両用部品)35を用いてナンバープレート19を車両ボディー23に固定する。
【0040】
まず、この固定用クリップ35の構成を図10及び図11を用いて説明する。固定用クリップ35は、図11aに示す差込部材37と、図11bに示す受け部材39とから構成される。
差込部材37は、円筒型の本体部37aと、その本体部37aの上端において、水平方向(図11aにおける横方向)に張り出した鍔部37bとから成る。本体部37aは、長手方向に沿って、その中心を上端から下端まで貫通する孔37cが設けられている。この孔37cは、配線9を通せるだけの太さを有している。
【0041】
受け部材39は、中心に差し込み部材37の本体部37aを通せる大きさの孔39bを備えた円盤状の基板部39a、基板部39aの下側において、孔39bの周囲から下向きに立設された4本の脚部39cとから成る。脚部39cは、その下端付近において、内向きに突出した爪である爪部39dをそれぞれ備えている。
【0042】
次に、固定クリップ35を用いた配線取り出し構造、及び配線配索方法について説明する。
車両ボディー23の外側には、図10に示す様に、車両ボディー23の孔25とナンバープレート19の取り付け孔19aとが一致するように、ナンバープレート19が配置されている。
【0043】
固定クリップ35の受け部材39は、その脚部39cを、ナンバープレート19の外側から、孔25及び取り付け孔19aを通して、車両ボディー23の内部に挿入しており、基板部39aは、ナンバープレート19の外側に当接している。
【0044】
固定クリップ35の差込部材37は、その本体部37aを、受け部材39の孔39b、ナンバープレート19の取り付け孔19a、及び車両ボディー23の孔25を通して、車両の外側から内部向けて差し込んでおり、鍔部37bは、受け部材39の基板部39aに外側から当接している。
【0045】
車両ボディー23の内部に差し込まれた本体部37aは、受け部材39の4本の脚部39cの中心に位置しており、脚部39cの爪部39dに内側から当接し、脚部39cをそれぞれ外側に押し広げている。そのことにより、脚部39cは、車両ボディー23の孔25より大きく拡がり、受け部材39は、孔25から脱落することなく、車両ボディー23に対して固定される。その結果として、車両ボディー23と受け部材39の基板部39aとに挟まれたナンバープレート19は、車両ボディー23に固定されている。
【0046】
固定クリップ35の差し込み部材37には、上記のように、孔37cが設けられており、固定クリップ35を用いてナンバープレート19を固定した際には、孔37cは、車両ボディー23の内部と外部とを連通している。従って、図10に示す様に、この孔37cを配線案内部として、配線9を、車両の内部と外部との間にわたって配索することができる。
【0047】
本実施例4の固定用クリップ、配線取り出し構造、及び配索方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0048】
・例えば、前記実施例1及び実施例2において、スタッドボルト21のボルト部27に設けられた配線通し溝27bは、図12に示す様に、端部27aから、ボルト部27の反対側の端部まで連続するものであっても良い。
・前記実施例1及び実施例2において、スタッドボルト21は、図13に示す様に、ナット部41を車両ボディー23の内側に備えるものであってもよい。この場合は、ナット部29とナット部41とにより、車両ボディー23を両側から締め付け、スタッドボルト21を車両ボディー23に対して固定することができる。このときは、ナット部29はボルト部27に対して固定されていなくてもよい。
【0049】
ナット部41は、図13に示す様に、2個を重ねて用いること(ダブルナット)が、ナット部41の緩みを防止するための望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるCCDカメラシステムの構成を示す説明図である。
【図2】実施例におけるCCDカメラシステムの構成を示す説明図である。
【図3】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図4】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図5】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図6】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図7】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図8】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図9】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図10】実施例における固定用クリップの構成を示す説明図である。
【図11】実施例における固定用クリップの構成を示す説明図である。
【図12】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図13】実施例におけるスタッドボルトの構成を示す説明図である。
【図14】従来の配索方法を示す説明図である。
【図15】従来の配索方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・CCDカメラシステム
3・・・CCDカメラ
9・・・配線
19・・・ナンバープレート
21・・・スタッドボルト
23・・・車両ボディー
27・・・ボルト部
27b・・・配線通し溝
29・・・ナット部
29a・・・切り欠き部
33・・・配線案内部
Claims (15)
- 車両のボディーの一方の側と他方の側とを連通する連通部において前記ボディーに取り付ける車両用部品であって、
前記一方の側と前記他方の側とにわたって配索される配線を案内する配線案内部を備えることを特徴とする車両用部品。 - 前記車両用部品が、ボルトと、前記ボルトと組み合わされるナット又はカラーと、から成ることを特徴とする前記請求項1に記載の車両用部品。
- 前記配線案内部は、前記車両用部品を前記車両のボディーに取り付けた際に、前記車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、前記ボルトに形成された溝であることを特徴とする前記請求項2に記載の車両用部品。
- 前記ナット又はカラーは、前記溝に近接する部分では切り欠かれていることを特徴とする前記請求項3に記載の車両用部品。
- 前記配線案内部は、前記車両用部品を前記車両のボディーに取り付けた際に、前記車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、前記ボルトの内部に形成された孔であることを特徴とする前記請求項2に記載の車両用部品。
- 前記ナット又はカラーは、一部が切り欠かれているとともに、前記孔は、その切り欠かれている部分において、ボルトの表面に連通していることを特徴とする前記請求項5に記載の車両用部品。
- 前記ナット又はカラーは前記ボルトに固定されていることを特徴とする前記請求項2〜6のいずれかに記載の車両用部品。
- 前記ナットを2以上備えることを特徴とする前記請求項2〜7のいずれかに記載の車両用部品。
- 前記車両用部品がボルトであることを特徴とする前記請求1に記載の車両用部品。
- 前記配線案内部は、前記車両用部品を前記車両のボディーに取り付けた際に、前記車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、前記ボルトに形成された溝であることを特徴とする前記請求項9に記載の車両用部品。
- 前記配線案内部は、前記車両用部品を前記車両のボディーに取り付けた際に、前記車両のボディーの一方の側と他方の側とにまたがるように、前記ボルトの内部に形成された孔であることを特徴とする前記請求項9に記載の車両用部品。
- 前記ボルトはその先端に、当該ボルトを締めるための工具と係合する係合部を有することを特徴とする前記請求項2〜11のいずれかに記載の車両用部品。
- 前記車両用部品が、固定用クリップであることを特徴とする前記請求項1に記載の車両用部品。
- 前記連通部に前記請求項1〜13のいずれかに記載の車両用部品を備えた配線取り出し構造。
- 前記請求項1〜13のいずれかに記載の車両用部品を用いて配線を車両のボディーの一方の側と他方の側との間にわたって配索する配索方法。
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