JP2017114797A - 農園芸用薬剤、植物病害防除方法および植物病害防除用製品 - Google Patents

農園芸用薬剤、植物病害防除方法および植物病害防除用製品 Download PDF

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Abstract

【課題】人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用薬剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る農園芸用薬剤は、少なくとも3種類の有効成分を含む農園芸用薬剤であって、第1の有効成分はメトコナゾールであり、第2の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物であり、第3の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、農園芸用薬剤、植物病害防除方法および植物病害防除用製品に関する。より詳細には、有効成分として少なくともメトコナゾールを含有する農園芸用薬剤、およびこれを用いた植物病害防除方法、ならびにメトコナゾールを含む植物病害防除用製品に関する。
トリアゾール系の化合物の中には、殺菌活性を示すものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。近年では、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用薬剤が求められていることから、特許文献1および2に開示されているように、複数の有効成分を含む混合薬剤の開発が多くなされている。
国際公開WO2014/095994号公報(2014年6月26日公開) 国際公開WO2010/081645号公報(2011年7月7日公開)
農園芸用薬剤による病害防除では、標的外生物への影響、環境への影響、および薬剤抵抗性菌の出現などが問題となっている。標的外生物への毒性および環境への負荷を軽減すると共に、薬剤抵抗性菌の出現を抑制するために、薬剤の散布量を低減しつつ高い防除効果を発揮し得る農園芸用薬剤が希求されている。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた防除効果を示し、従来の薬剤に比して同程度の効果を得るために必要とされる散布量を低減した農園芸用薬剤を提供することにある。
本発明に係る農園芸用薬剤は、上記課題を解決するために、少なくとも3種類の有効成分を含む農園芸用薬剤であって、第1の有効成分はメトコナゾールであり、第2の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物であり、第3の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物である構成を有している。
また、本発明に係る農園芸用薬剤において、上記第2の有効成分は、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、ピラクロストロビンおよびジモキシストロビンの少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明に係る農園芸用薬剤において、上記第3の有効成分は、フルキサピロキサド、ボスカリドおよびペンチオピラドの少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明に係る農園芸用薬剤は、ムギ類の植物病原菌に対して活性を有することが好ましい。換言すれば、本発明に係る農園芸用薬剤は、ムギ類の植物病原菌に対する植物病害防除用薬剤であることが好ましい。
本発明に係る植物病害防除方法は、上記課題を解決するために、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う工程を含む構成である。
本発明に係る植物病害防除用製品は、上記課題を解決するために、混合して使用される少なくとも3種類の有効成分をそれぞれ別々に備えている植物病害防除用製品であって、第1の有効成分はメトコナゾールであり、第2の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物であり、第3の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物である構成を有している。
本発明に係る農園芸用薬剤は、有効成分としてメトコナゾール、ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物およびミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物の3種類の化合物を含むことにより、それぞれを単独で用いた場合と比較して、協力的効果を奏し、高い防除効果を発揮することができる。
本発明に係る農園芸用薬剤、植物病害防除用製品および植物病害防除方法の一実施形態について説明する。
〔農園芸用薬剤〕
本実施形態における農園芸用薬剤は、いわゆる混合剤であり、少なくとも3種類の有効成分を含有している。有効成分の1つはメトコナゾールである。すなわち、本実施形態における農園芸用薬剤は、メトコナゾールに加えて、少なくとも2つの化合物を有効成分として含んでいる。残りの2つの化合物は、ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物、およびミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物である。メトコナゾール、ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物およびミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物を有効成分として含む農園芸用薬剤では、それぞれの化合物を単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な薬剤の散布量を低減することができる。それぞれの化合物について、以下に詳述する。
(1)有効成分
(1−1)メトコナゾール
メトコナゾールは、植物病害を引き起こす多くの菌に対して優れた殺菌作用を示す。また、メトコナゾールを有効成分として含む薬剤は、人畜に対する毒性が低く、取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示すことができる。
メトコナゾールの製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の製造方法を用いて製造することができる。
(1−2)ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物
本実施形態における農園芸用薬剤は、有効成分の1つとして、ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物(以下、単に、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物という)を含む。
ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物としては、ピラクロストロビン、アゾキシストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、フェンアミドン、クモキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ、ピリベンカルブ、マンデストロビン、ピリミノストロビンおよびクレソキシムメチルなどを挙げることができる。これらの中でも、ピラクロストロビン、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、ピコキシストロビンおよびジモキシストロビンが好ましい。ピラクロストロビン、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、ピコキシストロビン、マンデストロビン、ピリミノストロビンおよびジモキシストロビンの少なくとも何れか1つを含む農園芸用薬剤は、特に高い活性を示す。ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物は、1種類の化合物のみが農園芸用薬剤に含まれていてもよいし、複数種類の化合物が含まれていてもよい。
ピラクロストロビン、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、トリフロキシストロビン、フルオキサストロビン、ピコキシストロビンおよびジモキシストロビンならびに他のストロビルリン系化合物は、市販の製剤から得るか、公知の製造方法を用いて製造することができる。
(1−3)ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物
本実施形態における農園芸用薬剤は、有効成分の1つとして、ミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物(以下、単に、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物という)を含む。
コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物としては、ベノダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、ボスカリド、ピラジフルミドおよびピジフルメトフェンなどが挙げられる。
これらの化合物は、市販の製剤から得るか、公知の製造方法を用いて製造することができる。
(2)製剤
本実施形態における農園芸用薬剤における、メトコナゾールと、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物と、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物との混合比は、重量比で、メトコナゾール1に対して、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物が0.001〜1000であり、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物が0.001〜1000である。より好ましくは、メトコナゾール1に対して、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物が0.01〜100であり、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物が0.01〜100である。さらに好ましくは、メトコナゾール1に対して、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物が0.1〜10であり、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物が0.1〜10である。なお、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物として、複数の有効成分を含む場合、該複数のユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物の混合比は、薬剤の使用用途に応じて適宜設定すればよい。同様に、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物として、複数の有効成分を含む場合、該複数のコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物の混合比は、薬剤の使用用途に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態における農園芸用薬剤は、上述の有効成分の他に、固体担体、液体担体(希釈剤)、界面活性剤、またはその他の製剤補助剤を含み得る。よって、農園芸用薬剤の剤型としては、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、フロアブル剤および乳剤などの種々の形態をとることができる。
農園芸用薬剤において、メトコナゾールと、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物と、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物との合算の含有量は、農園芸用薬剤全量に対して0.1〜95重量%であることが好ましく、0.5〜90重量%であることがより好ましく、2〜80重量%であることがさらに好ましい。
製剤補助剤として使用する固体坦体としては、粉末担体および粒状担体などとして用いられ、クレー、タルク、珪藻土、ゼオライト、モンモリロナイト、ベントナイト、酸性白土、活性白土、アッタパルジャイト、方解石、バーミキュライト、パーライト、軽石、珪砂などの鉱物;尿素などの合成有機物;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、消石灰、重曹などの塩類;ホワイトカーボンなどの非晶質シリカや二酸化チタンなどの合成無機物;木質粉、トウモロコシ茎(穂軸)、クルミ殻(堅果外皮)、果実核、モミガラ、オガクズ、ふすま、大豆粉、粉末セルロース、デンプン、デキストリン、糖類などの植物性担体;架橋リグニン、カチオンゲル、加熱または多価金属塩でゲル化するゼラチン、寒天などの水溶性高分子ゲル、および塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、尿素−アルデビド樹脂などの種々の高分子担体;などを挙げることができる。
製剤補助剤として使用する液体担体としては、脂肪族溶剤(パラフィン類)、芳香族溶剤(キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなど)、混合溶剤(灯油)、マシン油(精製高沸点脂肪族炭化水素)、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、多価アルコール誘導体類(プロピレン系グリコールエーテルなど)、ケトン類(アセトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなど)、エステル類(脂肪酸メチルエステル(ヤシ油脂肪酸メチルエステル)、乳酸エチルヘキシル、炭酸プロピレン、二塩基酸メチルエステル(コハク酸ジメチルエステル、グルタミン酸ジメチルエステル、アジピン酸ジメチルエステル))、含窒素担体類(N−アルキルピロリドン類)、油脂類(ヤシ油、大豆油、菜種油など)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、(N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカン−1−アミド、5−(ジメチルアミノ)−4−メチル−5−オキソ−吉草酸メチルエステル、N−アシルモルホリン系溶剤(CAS No.887947−29−7など))、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、水などを挙げることができる。
製剤補助剤として使用する界面活性剤は、非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル, ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸ビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレンベンジルフェニル(またはフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニル(またはフェニルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンエーテルおよびエステル型シリコンおよびフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンベンジル(またはスチリル)フェニル(またはフェニルフェニル)エーテルサルフェート、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックポリマーサルフェートなどのサルフェート類の塩、パラフィン(アルカン)スルホネート、α−オレフィンスルホネート、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホネート、モノまたはジアルキルナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホネート・ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、リグニンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステルなどのスルホネート類の塩、脂肪酸、N−メチル−脂肪酸サルコシネート、樹脂酸などの脂肪酸類の塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンモノまたはジアルキルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル(またはスチリル)化フェニル(またはフェニルフェニル)エーテルホスフェート、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ホスファチジルコリンホスファチジルエタノールイミン(レシチン)、アルキルホスフェートなどホスフェール類の塩などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、メチルポリオキシエチレンアルキルアンモニウムクロライド、アルキルN−メチルピリジウムブロマイド、モノまたはジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、アルキルペンタメチルプロピレンジアミンジクロライドなどのアンモニウム塩類およびアルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド(オクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)などのベンザルコニウム塩類が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、pH調節剤としてのナトリウムおよびカリウムなどの無機塩類、フッ素系、シリコーン系の消泡剤、食塩などの水溶性の塩類、増粘剤として用いられるキサタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール、デンプン誘導体、多糖類などの水溶性高分子、アルギン酸およびその塩、崩壊分散剤として用いられるステアリン酸金属塩、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、その他、防腐剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および薬害軽減剤などが挙げられる。
農園芸用薬剤は、そのまま使用してもよいし、水などの希釈剤で所定濃度に希釈して使用してもよい。希釈して使用する場合、有効成分の合算の濃度は、希釈後の薬剤全量に対して0.001〜1.0%の範囲とすることが望ましい。
本実施形態における農園芸用薬剤は、植物病害に対する防除効果において相乗作用を発揮するため、メトコナゾールまたはユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物、コハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物をそれぞれ単剤で用いるときと比較して、同程度の効果を得るために必要な化合物の使用量を低減することができる。そのため、標的外生物への毒性および環境への負荷を軽減することができる。また、それぞれの化合物の使用量を低減できることから、薬剤抵抗性菌の出現を抑制できることが期待される。さらに、本実施の形態における農園芸用薬剤は、植物病害防除効果の有効成分として分子構造が大きく異なる3つの成分が含まれているため、幅広い病害防除スペクトルを有している。
農園芸用薬剤は、有効成分のそれぞれを別々に製剤化し、それらを混合することにより製剤形態の農園芸用薬剤として調製することもできる。したがって、植物病害防除において混合して使用される、メトコナゾール、ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物、およびコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物をそれぞれ別々に備えている植物病害防除用製品もまた本発明の範疇に含まれる。ユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物およびコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物を2以上含む場合には、当該2以上のユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物およびコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物も別々となっていてもよい。
(3)適用病害および適用植物
本実施形態における農園芸用薬剤は、広汎な植物病害に対する防除効果、またはその成長を調節して収量を増加させる効果またはその品質を高める効果を示し、畑、水田、芝生、および果樹園などの農耕地または非農耕地にて使用することができる。
適用病害の例として以下を挙げることができる。なお、各病害の後ろの括弧内は、当該病害を引き起こす主な病原菌を示している。ダイズさび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、ダイズ褐紋病(Septoria glycines)、ダイズ紫斑病(Cercospora kikuchii)、ダイズ褐点病(Alternaria sp.)、ダイズ炭疽病(Collectotrichum truncatum)、ダイズのFrogeye leaf spot(Cercocpora sojina)、ダイズのリゾクトニア根腐病、ダイズ葉腐病(Rhizoctonia solani)、ダイズ黒点病 (Diaporthe phaseolorum)、ダイズ茎疫病(Phytophthora sojae)、ナタネのPhoma leaf spot/stem canker(Leptosphaeria maculans and Leptosphaeria biglobosa)、ナタネのLight leaf spot(Pyrenopeziza brassicae)、ナタネ根瘤病Clubroot(Plasmodiophora brassicae)、ナタネのVerticillium wilt(Verticillium longisporum)、ナタネのBlackspot(Alternaria spp)、イネいもち病(Pyricularia grisea)、イネごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、イネ白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、イネ紋枯病(Rhizoctonia solani)、イネ小黒菌核病(Helminthosporium sigmoideun)、イネばか苗病(Gibberella fujikuroi)、イネ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、オオムギうどんこ病(Erysiphe graminis f. sp hordei)、オオムギ黒さび病(Puccinia graminis)、オオムギ黄さび病(Puccinia striiformis)、オオムギ斑葉病(Pyrenophora graminea)、オオムギ雲形病(Rhynchosporium secalis)、オオムギ裸黒穂病(Ustilago nuda)、オオムギ網斑病(Pyrenophora teres)、オオムギ赤かび病(Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis f. sp tritici)、コムギ赤さび病(Puccinia recondita)、コムギ黄さび病(Puccinia striiformis)、コムギ眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、コムギ赤かび病(Fusarium graminearum、Microdochium nivale)、コムギふ枯病(Phaeosphaeria nodorum)、コムギ葉枯病(Septoria tritici)、コムギ紅色雪腐病(Microdochium nivale)、コムギ立枯病(Gaeumannomyces graminis)、コムギ黒点病(Epicoccum spp)、コムギ黄斑病(Pyrenophora tritici-repentis)、コムギ小粒菌核病(Typhula incarnate, Typhula ishikariensis)、シバダラースポット病(Sclerotinia homoeocarpa)、シバラージパッチ病、ブラウンパッチ病(Rhizoctonia solani)、シバ炭疽病(Colletotrichum graminicola)、シバのGray leaf Spot(Pyricularia grisea)、シバのネクロティックリングスポット病(Ophiosphaerella korrae)、シバのRed thread(Laetisaria fuciformis)、シバさび病(Puccinia zoysiae)、シバのサマーパッチ病(Magnaporthe poae)、シバのRoot decline of warm-season grasses(Gaeumannomyces graminis)、シバのブラウンリングパッチ(Waitea circinata)、シバフェアリーリング病(Agaricus, Calvatia, Chlorophyllum, Clitocybe, Lepiota, Lepista, Lycoperdon, Marasmius, Scleroderma, and Tricholoma.など)、シバ紅色雪腐病(Microdochium nivale)、シバ雪腐小粒菌核病(Typhula incarnate、Typhula ishikariensis)、シバカーブラリア葉枯病(Curvularia sp.)、シバ疑似葉腐病(Ceratobasidium sp.)、シバ立枯病(Zoysia decline)、トウモロコシ黒穂病(Ustilago maydis)、トウモロコシ炭疽病(Colletotrichum graminicola)、トウモロコシ褐斑病(Kabatiella zeae)、トウモロコシ灰色斑点病(Cercospora zeae-maydis)、トウモロコシすす紋病(Setosphaeria turcica)、トウモロコシ北方斑点病(Cochliobolus carbonum)、トウモロコシ斑点病(Physoderma maydis)、トウモロコシさび病(Puccinia spp)、トウモロコシごま葉枯病(Bipolaris maydis)、トウモロコシ黄色ごま葉枯病(Phyllosticta maydis)、トウモロコシ赤かび病(Gibberella zeae)、サトウキビさび病(Puccinia spp)、ウリ類うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、ウリ類炭疸病(Colletotrichum lagenarium,Glomerella cingulata)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリ灰色疫病(Phytophthora capsici)、キュウリつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.cucumerinum)、スイカつる割病(Fusarium oxysporum f.sp.niveum)、リンゴうどんこ病(Podosphaera leucotricha)、リンゴ黒星病(Venturia inaequalis)、リンゴモリニア病(Monilinia mali)、リンゴ斑点落葉病(Alternaria alternata)、リンゴ腐乱病(Valsa mali)、ナシ黒斑病(Alternaria kikuchiana)、ナシうどんこ病(Phyllactinia pyri)、ナシ赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、ナシ黒星病(Venturia nashicola)、イチゴうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、核果類果樹の灰星病(Monilinia fructicola)、カンキツ青かび病(Penicillium italicum)、ブドウうどんこ病(Uncinula necator)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)、ブドウ晩腐病(Glomerella cingulata)、ブドウのさび病(Phakopsora ampelopsidis)、斑葉病(シガトカ病)(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola)、トマトうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、トマト輪紋病(Alternaria solani)、ナスうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、ジャカイモの夏疫病(Alternaria solani)、ジャカイモ炭疽病(Colletotrichum coccodes)、ジャカイモうどんこ病(Erysiphe spp、Leveillula taurica)、ジャカイモ疫病(Phytophthora infestans)タバコうどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、タバコ赤星病(Alternaria longipes)、テンサイ褐斑病(Cercospora beticola)、テンサイうどんこ病(Erysiphe betae)、テンサイ葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、テンサイ根腐病(Thanatephorus cucumeris)、テンサイ黒根病(Aphanomyces cochlioides)、ダイコン萎黄病(Fusarium oxysporum f.sp.raphani)、チャ炭疽病(Discula theae-sinensis)、チャもち病(Exobasidium vexans)、チャ褐色円星病(Pseudocercospora ocellata、Cercospora chaae)、チャ輪紋病(Pestalotiopsis longiseta、Pestalotiopsis theae)、チャ網もち病(Exobasidium reticulatum)、ワタ黒斑病Alternaria leaf spot(Alternaria spp)、ワタ炭疽病(Glomerella spp)、ワタ輪紋病(Ascochyta gossypii)、ワタさび病(Puccinia spp、Phykopsora spp)、ワタのCercospora blight and leaf spot(Cercospora spp)、ワタのDiplopia boll rot(Diplopia spp)、ワタのHard lock(Fusarium spp)、ワタのPhoma blight(Phoma spp)、ワタのStemphyllium leaf spot (Stemphyllium spp)、ラッカセイ黒渋病(Cercosporidium personatum)、ラッカセイ褐斑病(Cercospora arachidicola)、ラッカセイ白絹病(Sclerotium rolfsii)、ラッカセイさび病(Puccinia arachidis)、種々の作物をおかす灰色かび病(Botrytis cinerea)、ピシウム属菌の病害(Pythium spp)および菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)など。また、Aspergillus属、Cochliobolus属、Corticium属、Diplodia属、Penicillium属、Fusarium属、Gibberella属、Mucor属、Phoma属、Phomopsis属、Pyrenophora属、Pythium属、Rhizoctonia属、Rhizopus属、Thielaviopsis属、Tilletia属、Trichoderma属、およびUstilago属等によって引き起こされる各種植物の種子伝染性病害または生育初期の病害。
本実施形態における農園芸用薬剤は、植物病害の防除、または植物の成長を調節して収量を増加させる効果またはその品質を高めるため、全ての植物に利用することができるが、適用植物の例として以下を挙げることができる。イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、トリチケール、トウモロコシ、モロコシ(ソルガム)、サトウキビ、シバ、ベントグラス、バミューダグラス、フェスクおよびライグラスなどのイネ科類、ダイズ、ラッカセイ、インゲンマメ、エンドウ、アズキおよびアルファルファなどのマメ科類、サツマイモなどのヒルガオ科類、トウガラシ、ピーマン、トマト、ナス、ジャガイモおよびタバコなどのナス科類、ソバなどのタデ科類、ヒマワリなどのキク科類、チョウセンニンジンなどのウコギ科類、ナタネ、ハクサイ、カブ、キャベツおよびダイコンなどのアブラナ科類、テンサイなどのアカザ科類、ワタなどのアオイ科類、コーヒーノキなどのアカネ科類、カカオなどのアオギリ科類、チャなどのツバキ科類、スイカ、メロン、キュウリおよびカボチャなどのウリ科類、タマネギ、ネギおよびニンニクなどのユリ科類、イチゴ、リンゴ、アーモンド、アンズ、ウメ、オウトウ、スモモ、モモおよびナシなどのバラ科類、ニンジンなどのセリ科類、サトイモなどのサトイモ類、マンゴーなどのウルシ科類、パイナップルなどのパイナップル科類、パパイアなどのパパイア科類、カキなどのカキノキ科類、ブルーベリーなどのツツジ科類、ペカンなどのクルミ類、バナナなどのバショウ科類、オリーブなどのモクセイ科類、ココヤシおよびナツメヤシなどのヤシ科類、みかん、オレンジ、グレープフルーツおよびレモンなどのミカン科類、ブドウなどのブドウ科類、草花(Flowers and ornamental plants)、果樹以外の樹ならびにその他の観賞用植物。また、野生植物、植物栽培品種、異種交配もしくは原形質融合などの従来の生物育種によって得られる植物および植物栽培品種、ならびに遺伝子操作によって得られる遺伝子組み換え植物および植物栽培品種を挙げることができる。遺伝子組み換え植物および植物栽培品種としては、例えば、除草剤耐性作物、殺虫性タンパク産生遺伝子を組み込んだ害虫耐性作物、病害に対する抵抗性誘導物質産生遺伝子を組み込んだ病害耐性作物、食味向上作物、収量向上作物、保存性向上作物、および収量向上作物などを挙げることができる。遺伝子組み換え植物栽培品種としては、具体的に、Roundup Ready、Liberty Link、B.t.、BXN、Poast Compatible、AgriSure、Genuity、Optimum、Powercore、DroughtGard、YieldGard、Herculex、WideStrike、Twinlink、VipCot、GlyTol、NewleafおよびBollgardなどの登録商標を含むものを挙げることができる。
(4)他の有効成分
本実施形態における農園芸用薬剤は、上述した有効成分以外にも既知の他の有効成分と組み合わせ、農園芸用薬剤としての性能を高めて使用することもできる。既知の他の有効成分としては、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤および植物生長調節剤に含まれる既知の有効成分が挙げられる。
〔植物病害防除方法〕
本実施形態における農園芸用薬剤は、茎葉散布といった茎葉処理に加えて、球根および塊茎などへの処理も含めた種子処理、潅注処理、ならびに水面処理などの非茎葉処理によっても施用できる。したがって、本実施形態における植物病害防除方法は、上述の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う手順を含む方法である。なお、非茎葉処理を行う場合には、茎葉処理を行う場合に比べて、労力を低減させることができる。
種子処理による施用では、水和剤および粉剤などを種子と混合し攪拌することにより、あるいは希釈した水和剤などに種子を浸漬することにより、薬剤を種子に付着させる。また、種子コーティング処理も含まれる。種子処理の場合の有効成分の合算の使用量は、種子100kgに対して例えば0.01〜10000gであり、好ましくは0.1〜1000gである。農園芸用薬剤で処理した種子については、通常の種子と同様に利用すればよい。
潅注処理による施用は、苗の移植時などに植穴またはその周辺に粒剤などを処理したり、種子または植物体の周囲の土壌に粒剤および水和剤などを処理したりすることによって行う。潅注処理の場合の有効成分の合算の使用量は、農園芸地1mあたり例えば0.01〜10000gであり、好ましくは0.1〜1000gである。
水面処理による施用は、水田の田面水に粒剤などを処理することによって行う。水面処理の場合の有効成分の合算の使用量は、水田10aあたり例えば0.1〜10000gであり、好ましくは1〜1000gである。
茎葉散布に用いる場合の有効成分の合算の使用量は、畑、田、果樹園および温室などの農園芸地1haあたり例えば20〜5000g、より好ましくは50〜2000gである。
なお、使用濃度および使用量は、剤形、使用時期、使用方法、使用場所および対象作物などによっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
<抗菌性試験:メトコナゾールとユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物およびコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物を用いたin vitro抗菌活性試験>
本試験例では、コムギ葉枯病菌に対する、メトコナゾール(以下、αとする)とユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物(以下、βとする)とコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物(以下、γとする)との混合剤について抗菌性を試験した。
具体的には、αのみ、βのみ、γのみ、またはαとβとγとを供試濃度(0.17mg/Lもしくは0.5mg/L)となるようにPDA培地中に混和し、薬剤を含む平板培地を作製した。なお、α、βおよびγを混合して用いたときの供試濃度とは、各成分それぞれを当該供試濃度で含んでいることを意味している。一方、薬剤を含まない平板培地上で予め培養したコムギ葉枯病菌コロニー周辺からコムギ葉枯病菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き、薬剤を混和したPDA平板培地上に植菌した。23℃、14日間培養した後、生育した菌コロニーの直径を測定し、薬剤を含まない培地上のコロニー直径と比較して下記式
R=100(dc−dt)/dc
により菌糸生長阻害率を求めた。なお、上記式中、Rは菌糸生長阻害率(%)、dcは無処理平板上のコロニー直径、dtは薬剤処理平板上のコロニー直径を示している。次いで、コルビーの式(下記式)
混合使用時の阻害率(理論値)
=[A+B+C]−[(AB+BC+AC)/100]+[ABC/10000]
を用いた方法により、3種の化合物の協力効果の判定を行った。なお、上記式中、A、BおよびCは、それぞれ化合物α、βおよびγの単独使用時の菌糸生長阻害率を示している。
Aはメトコナゾール固定であり、Bは4種類用い、Cは3種類用い、全ての組み合わせを抗菌性試験した。表1に実施例一覧を示す。
Figure 2017114797
[実施例1]
α:メトコナゾール、β:アゾキシストロビン、γ:フルキサピロキサドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例2]
α:メトコナゾール、β:アゾキシストロビン、γ:ボスカリドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例3]
α:メトコナゾール、β:アゾキシストロビン、γ:ペンチオピラドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例4]
α:メトコナゾール、β:クレソキシムメチル、γ:フルキサピロキサドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例5]
α:メトコナゾール、β:クレソキシムメチル、γ:ボスカリドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例6]
α:メトコナゾール、β:クレソキシムメチル、γ:ペンチオピラドを用い供試濃度0.5mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例7]
α:メトコナゾール、β:ピラクロストロビン、γ:フルキサピロキサドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例8]
α:メトコナゾール、β:ピラクロストロビン、γ:ボスカリドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例9]
α:メトコナゾール、β:ピラクロストロビン、γ:ペンチオピラドを用い供試濃度0.5mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例10]
α:メトコナゾール、β:ジモキシストロビン、γ:フルキサピロキサドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例11]
α:メトコナゾール、β:ジモキシストロビン、γ:ボスカリドを用い供試濃度0.17mg/Lで抗菌性試験した。
[実施例12]
α:メトコナゾール、β:ジモキシストロビン、γ:ペンチオピラドを用い供試濃度0.5mg/Lで抗菌性試験した。
結果を表2に示す。表2中、「実測値」における「α」、「β」、「γ」のカラムは、それぞれ化合物α、βおよびγの単独使用時の菌糸生長阻害率を表し、「実測値」における「α+β+γ」のカラムはα、βおよびγの混合使用時の菌糸生長阻害率の実測値を表し、「理論値」における「α+β+γ」のカラムは、化合物α、βおよびγの単独使用時の菌糸生長阻害率および上述のコルビーの式から求められる混合使用時の阻害率の理論値を表している。表2に示されるように、メトコナゾール(α)とユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物(β)とコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物(γ)とを混合して使用した場合の実際の菌糸生長阻害率は、それぞれを単独で使用した場合の阻害率から算出される理論値よりも大きく、相乗的な効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2017114797
本発明に係る農園芸用薬剤は、例えば、ムギ類の植物病原菌に対する殺菌剤として好適に利用することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも3種類の有効成分を含む農園芸用薬剤であって、
    第1の有効成分はメトコナゾールであり、第2の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物であり、第3の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物であることを特徴とする農園芸用薬剤。
  2. 上記第2の有効成分は、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、ピラクロストロビンおよびジモキシストロビンの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の農園芸用薬剤。
  3. 上記第3の有効成分は、フルキサピロキサド、ボスカリドおよびペンチオピラドの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の農園芸用薬剤。
  4. ムギ類の植物病原菌に対して活性を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の農園芸用薬剤。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の農園芸用薬剤を用いて茎葉処理または非茎葉処理を行う工程を含むことを特徴とする植物病害防除方法。
  6. 混合して使用される少なくとも3種類の有効成分をそれぞれ別々に備えている植物病害防除用製品であって、
    第1の有効成分はメトコナゾールであり、第2の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIIのユビキノール還元酵素のQo部位阻害能を有する化合物であり、第3の有効成分はミトコンドリアの電子伝達系複合体IIのコハク酸脱水素酵素阻害能を有する化合物であることを特徴とする植物病害防除用製品。
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