以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられている。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材(「可動体」ということもある)78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、所定の変動パターンが選択された場合に動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、大当りとなった場合には、大当り遊技終了後に、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。次に、高確率状態から低確率状態への移行制御(以下、「転落」ということがある)の有無を決定する抽選を変動毎に行い、転落することが決定された場合には、該決定がなされた変動において高確率状態から低確率状態への移行制御(高確率状態の終了)が行われる。その際、大当り遊技状態が終了してから実行した変動回数が100回以下であるときに転落することが決定された場合、該変動回数が100回になる変動まで待機してから、高ベース状態から低ベース状態への移行制御が行われる。一方、大当り遊技状態が終了してから101回目以降の変動において転落することが決定された場合、高確率状態が終了されるときに高ベース状態から低ベース状態への移行制御も行われる。
以下、大当り遊技状態が終了してから実行された変動回数K(変動停止時に「1」加算する値)の変動開始時の値が0≦K<20である期間を「第1特定期間」、変動回数Kが20≦K<100である期間を「第2特定期間」、高確率状態であり、且つ、変動回数Kが100≦Kである期間を「第3特定期間」とする。なお、第1特定期間および第2特定期間は0≦K<100の期間であることから高ベース状態における期間であり、第3特定期間は100≦Kの期間において高確率状態に制御されている期間であることから高ベース状態における期間である。すなわち、第1特定期間〜第3特定期間はいずれも高ベース状態における期間である。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPUは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPUは、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
図3は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(すなわち、高確率状態でない遊技状態)において用いられる低確率状態用大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる高確率状態用大当り判定テーブルとがある。図3(A)に示す低確率状態用大当り判定テーブルには、可変表示結果として「大当り」と「はずれ」とに対する判定値が設定されている。図3(B)に示す高確率状態用大当り判定テーブルには、可変表示結果として「大当り」、「はずれ(転落あり)」および「はずれ(転落なし)」に対する判定値が設定されている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図3(A),(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、高確率状態においては、取得した大当り判定用乱数値が図3(B)に示す「はずれ(転落あり)」に対応する判定値に一致すると、高確率状態を終了して低確率状態に制御するものであり、「はずれ(転落なし)」に対応する判定値に一致すると、継続して高確率状態に制御するものである。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
図4および図5は、変動パターン判定テーブルを示す説明図である。変動パターン判定テーブルとは、変動開始時に変動パターンを選択するための変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンを選択する際に用いられるテーブルである。ここでは、高ベース状態である場合に用いられる変動パターン判定テーブルを示しており、低ベース状態である場合に用いられる変動パターン判定テーブルについては説明を省略する。図4(A),(B)に示す第1特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bは第1特定期間に制御されているときに用いられる変動パターン判定テーブルであり、図4(C),(D)に示す第2特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bは第2特定期間に制御されているとき用いられる変動パターン判定テーブルであり、図5(A),(B)に示す第3特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bは第3特定期間に制御されているときに、用いられる変動パターン判定テーブルである。
本実施の形態では、SPリーチはずれの演出内容としては、バトル演出A,Bが設けられている。バトル演出とは、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦闘し、味方キャラクタが勝利すれば大当り、敗北すればはずれとなる演出である。また、バトル演出Aとバトル演出Bとは、戦闘するキャラクタ(味方キャラクタおよび敵キャラクタの一方もしくは両方)が異なる演出である。例えば、バトル演出Aは味方キャラクタAと敵キャラクタBとが戦闘する演出であり、バトル演出Bは味方キャラクタCと敵キャラクタDとが戦闘する演出であってもよいし、バトル演出Aは味方キャラクタAと敵キャラクタBとが戦闘する演出であり、バトル演出Bは味方キャラクタAと敵キャラクタDとが戦闘する演出であってもよい。なお、第3特定期間においては、可変表示結果が「大当り」または「はずれ(転落あり)」である場合に限りバトル演出が発生し得るようになっていることから(図5参照)、味方キャラクタが勝利すれば大当りとなり、敗北すれば高ベース状態および高確率状態が終了(転落)するよう構成されている。
図示するように、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合、第1特定期間では、演出内容が非リーチはずれである変動パターンPt01,02(変動時間:10秒,0.6秒)が選択される一方、第3特定期間では、演出内容がSPリーチはずれ(バトル演出B)である変動パターンPt04(変動時間:60秒)が選択される。また、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合、第2特定期間では、演出内容が非リーチはずれである変動パターンPt01,02(変動時間:10秒,0.6秒)または演出内容がSPリーチはずれ(バトル演出A)である変動パターンPt03(変動時間:60秒)が選択される。このように、転落するタイミングに応じて変動時間が異なり、興趣を向上させることができる。
また、図示するように、第1特定期間および第2特定期間においては、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合および「はずれ(転落なし)」である場合、演出内容が共通(第1特定期間:非リーチはずれ、第2特定期間:非リーチはずれ、SPリーチはずれ(バトル演出A))である変動パターンが選択されるようになっていることにより、転落の有無を遊技者に認識させにくくすることができる。他方、第3特定期間においては、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合および「はずれ(転落なし)」である場合、演出内容がそれぞれ異なる(非転落時:非リーチはずれ、転落時:SPリーチはずれ(バトル演出B))変動パターンが選択されるようになっていることにより、転落の有無を遊技者に報知可能であり、演出効果の向上を図ることができる。
また、図示するように、第1特定期間においては、可変表示結果が「大当り」である場合に限り、変動開始直後から可動部材78が動作(役物落下)する演出が行われることとなる。また、第2特定期間においては、可変表示結果が「大当り」、「はずれ(転落あり)」または「はずれ(転落なし)」である場合に、バトル演出Aが行われることとなる。また、第3特定期間においては、可変表示結果が「大当り」または「はずれ(転落あり)」である場合に、バトル演出Bが行われることとなる。これにより、演出効果を向上させることができる。
図6は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、所定時間(例えば4ms)ごとにタイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理を実行し、該タイマ割込み処理のうちの一処理として、特別図柄プロセス処理を実行するものである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞または第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。高ベース状態である場合に、変動回数Kの計測制御を行う。具体的に、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合に変動回数Kを「1」加算し、変動回数Kの値が「100」に達したときに高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされていなければ、高ベースフラグをリセットする。大当りフラグがセットされている場合に、高ベースフラグおよび高確率フラグをリセットするとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグおよび高ベースフラグ)をセットし、変動回数Kに「0」をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図7は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS80)、セットされていない場合、低ベース状態用の変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS82)。高ベースフラグがセットされている場合、制御されている特定期間および合算保留記憶数に応じた変動パターン判定テーブル(図4,図5参照)を選択する(ステップS81)。なお、ステップS81,S82においては、合算保留記憶数に応じた変動パターン判定テーブルを選択することとするが、これに限るものではなく、例えば、低ベース状態であれば第1保留記憶数に応じた変動パターン判定テーブルを選択する一方、高ベース状態であれば第2保留記憶数に応じた変動パターン判定テーブルを選択することとしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)から変動パターン判定用乱数を読み出し、ステップS81,S82の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS83)。
そして、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS84)、セットされていなければ、ステップS92へ移行する。セットされていれば、可変表示結果が大当りであるか否かを判定し、大当りであればステップS90へ移行する。大当りでなければ、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」であるか否かを判定し(ステップS86)、「はずれ(転落あり)」でない場合、すなわち「はずれ(転落なし)」である場合、ステップS92へ移行する。ステップS86においては、具体的に、入賞時に取得した乱数値が図3(B)に示した「はずれ(転落あり)」の判定値と一致した場合に、「はずれ(転落あり)」であると判定する。「はずれ(転落あり)」である場合、第3特定期間に制御されているか否かを判定する(ステップS87)。具体的には、変動回数Kが100≦Kであれば、第3特定期間に制御されていると判定する。第3特定期間ではない場合(K<100である場合)、すなわち、第1特定期間または第2特定期間に制御されている場合には、ステップS89へ移行する。第3特定期間である場合には、高ベースフラグをリセットし(ステップS88)、高確率フラグをリセットする(ステップS89)。
ステップS90においては、第3特定期間に制御されているか否かを判定し(ステップS90)、第1特定期間または第2特定期間に制御されている場合、ステップS92へ移行する。第3特定期間に制御されている場合、高ベースフラグをリセットし(ステップS91)、ステップS92へ移行する。
ステップS84〜S89を行うことにより、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合に高確率状態から低確率状態へ転落する構成となっている。また、第1特定期間または第2特定期間において可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合には高ベース状態から低ベース状態へ移行せず、第3特定期間において可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合には高ベース状態から低ベース状態へ移行する構成となっている。
また、ステップS85のY,S90,S91を行うことにより、第3特定期間において可変表示結果が「大当り」である場合、高ベース状態から低ベース状態へ移行する構成となっている。これにより、第3特定期間において可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合と「大当り」である場合とで、共通のタイミングにて高ベース状態から低ベース状態へ移行することとなり、変動中の遊技機の挙動(例えば、可変入賞球装置15が開状態とされる頻度)により「大当り」であるか「はずれ(転落あり)」であるかを遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。なお、第1特定期間および第2特定期間において可変表示結果が「大当り」となる場合における高ベースフラグおよび高確率フラグと、第3特定期間において可変表示結果が「大当り」となる場合における高確率フラグとは、変動終了時(具体的には、特別図柄停止処理)においてリセットされるものである。
ここで、転落する場合の遊技状態の遷移について、図8を用いて説明する。図8(a)〜(c)は、高確率状態から低確率状態へ移行(転落)する場合の遊技状態の遷移を、転落する特定期間毎に示すタイミングチャートである。また、図8(d)は、各特定期間の特色を示す説明図である。
図8(a),(b)に示すように、第1特定期間および第2特定期間において高確率状態から転落する場合、転落後も高ベース状態が継続し、大当り後に100回の変動を行った時点(変動終了時)で高ベース状態が終了(低ベース状態へ移行)するようになっている。また、図8(d)に示すように、第1特定期間においては第1特定期間用変動パターン判定テーブルを用いて、第2特定期間においては第2特定期間用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを選択することにより、はずれ(転落あり)である場合とはずれ(転落なし)である場合とで同様の変動演出(第1特定期間:非リーチはずれ、第2特定期間:非リーチはずれまたはSPリーチはずれ)を行う変動パターンを選択することとなるため、転落した場合であっても遊技者に転落したことが報知されない構成である。なお、第1特定期間および第2特定期間においては、高確率状態に制御されているか否かを示唆する演出を行うこととしてもよい。例えば、キャラクタAが表示された場合には高確率状態であることに対する信頼度が高いこと(高確率状態であることが確定することを含む)を示す一方、キャラクタBが表示された場合には高確率状態であることに対する信頼度が低いことを示すこととしてもよい。
図8(c)に示すように、第3特定期間において高確率状態から転落する場合、転落時(変動開始時)に高ベース状態が終了(低ベース状態へ移行)するようになっている。また、図8(d)に示すように、第3特定期間においては、第3特定期間用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを選択することにより、はずれ(転落あり)である場合のみSPリーチはずれを行う変動パターンを選択することとなるため、転落した場合には遊技者に転落したことが報知される構成である。なお、「報知」とは、「確変終了」などといった表示を行うことにより積極的に報知するものであってもよいし、遊技状態の移行に伴って背景が変化(遊技状態に応じた背景を表示)することにより報知するものであってもよい。
また、各特定期間における演出内容が異なることとしてもよい。例えば、演出表示装置9に表示される背景や、スピーカ27から出力されるバックグラウンドミュージック(BGM)が異なることとしてもよい。また、第1特定期間および第2特定期間においては同じまたは類似する演出(例えば、背景およびBGMのうち一方のみが異なる演出)を行う一方、第3特定期間においては第1特定期間および第2特定期間における演出とは全く異なる演出(例えば、背景およびBGMが両方とも異なる演出)を行うこととしてもよい。これにより、遊技状態に応じた演出を好適に実行することができ、興趣の向上を図ることができる。
ステップS92においては、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS94)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS95)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU)は、所定間隔(例えば、4ms)のタイマ割込ごとに各種の演出制御処理を実行する。演出制御用CPUは、例えば、演出制御プロセス処理を行い、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9や、発光部材、スピーカ27などの各演出装置の制御を実行する。
図9は、演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100に設けられている演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。具体的には、上述した変動パターンに応じた演出に応じたデータを設定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。また、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において設定したデータに応じた演出制御を行うことにより、変動パターンに応じた演出(非リーチ演出、SPリーチ演出(バトル演出A,B)、救済A〜Cなど)を実行するものである。例えば、第3特定期間において「はずれ(転落あり)」である場合に演出図柄変動中処理を実行することにより、SPリーチはずれ(バトル演出B)を実行することとなり、遊技者に転落することが報知されることとなる。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)のいずれかに対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレ指定コマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、有利状態に制御されやすい特別状態(本例では、高確率状態)に制御されているときに、特別状態を終了するか否かを可変表示毎に判定し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560における、ステップS86を行う)、判定結果にもとづいて特別状態を終了する(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS86のYである場合に、ステップS89を実行する)。また、複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンを決定し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS83を実行する)、決定結果にもとづいて可変表示を実行する(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS303を実行することにより、変動パターンに応じた変動時間が終了するまで変動を行う)。第1期間(本例では、第1特定期間)においては、第1データ(本例では、第1特定期間用変動パターン判定テーブルA,B)を参照して可変表示パターンを決定し、第1期間と異なる第2期間(本例では、第3特定期間)においては、第1データとは可変表示パターンの可変表示時間の傾向が異なる第2データ(本例では、第3特定期間用変動パターン判定テーブルA,B)を参照して可変表示パターンを決定し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS81を行った上でステップS83を実行する)、特別状態を終了すると判定された可変表示における可変表示パターンとして、該判定がなされた期間が第1期間および第2期間のうちいずれの期間であるかに応じて異なる可変表示時間を有する可変表示パターンを決定可能である(本例では、可変表示結果が「はずれ(転落あり)」である場合、第1特定期間においては変動時間が10秒または0.6秒である変動パターンを決定する一方、第3特定期間においては変動時間が60秒である変動パターンを決定する)。これにより、特別状態が終了するタイミングに応じて可変表示時間が異なるため、興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、第1特定期間を「第1期間」とし、第3特定期間を「第2期間」としたが、第1特定期間および第2特定期間を「第1期間」とし(その場合、第1特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bおよび第2特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bが「第1データ」である)、第3特定期間を「第2期間」としてもよい。または、第1特定期間を「第1期間」とし、第2特定期間および第3特定期間を「第2期間」(その場合、第2特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bおよび第3特定期間用変動パターン判定テーブルA,Bが「第2データ」である)としてもよい。
また、本実施の形態では、第1状態(本例では、低ベース状態)と、第1状態よりも可変表示の実行頻度が高い第2状態(本例では、高ベース状態)とに制御可能であり、第2状態に制御している第1期間(本例では、第1特定期間)において特別状態が終了した場合には第2状態に継続して制御可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS87のNである場合にはステップS88を実行しないことにより、継続して高ベース状態に制御される)一方、第2状態に制御している第2期間(本例では、第3特定期間)において特別状態が終了した場合には第1状態に制御する(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS87のYである場合にはステップS88を実行することにより低ベース状態へ移行する)こととした。これにより、興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、特別状態が終了したことを報知可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第3特定期間においてステップS802を行うことにより、「はずれ(転落あり)」である場合のみ実行され得るSPリーチはずれ(バトル演出B)を実行可能である)、第1期間において特別状態が終了した場合には報知を行わない(本例では、第1特定期間においては、「はずれ(転落あり)」である場合に、「はずれ(転落あり)」でない場合にも実行可能な演出を実行可能である)一方、第2期間において特別状態が終了した場合には報知を行う(本例では、第3特定期間においては、「はずれ(転落あり)」である場合に、「はずれ(転落あり)」でない場合には実行されない演出を実行する)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、特別状態である第1特別期間(本例では、高確率状態である第1特定期間)、第2特別期間(本例では、高確率状態である第2特定期間)、および第3特別期間(本例では、第3特定期間)において所定演出(本例では、突当り演出、バトル演出A、B)を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS801,S802を実行することにより、変動パターンに応じた演出を実行する)、第1特別期間においては、有利状態に制御されるときに限り所定演出を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特定期間においては、可変表示結果が「大当り」である場合のみ突当り演出を実行可能であり)、第2特別期間においては、有利状態に制御されるとき、特別状態を終了しないことが判定されたとき、および特別状態を終了することが判定されたときに所定演出を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2特定期間においては、可変表示結果が「大当り」、「はずれ(転落あり)」、または「はずれ(転落なし)」である場合にバトル演出Aを実行可能であり)、第3特別期間においては、有利状態に制御されるとき、および特別状態を終了することが判定されたときに所定演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第3特定期間においては、可変表示結果が「大当り」、または「はずれ(転落あり)」である場合にバトル演出Bを実行可能である)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、「所定演出」として期間毎に異なる演出(第1特定期間:突当り演出、第2特定期間:バトル演出A、第3特定期間:バトル演出B)を実行可能であることとしたが、いずれの期間であるかにかかわらず、共通の演出を「所定演出」として実行可能であることとしてもよい。
なお、本実施の形態では、転落の有無を変動開始時に決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、変動終了タイミングや、変動中の所定のタイミングにて転落の有無を決定することとしてもよい。また、転落することが決定された場合には、変動開始時以外のタイミング(例えば、変動停止タイミング、変動中の所定のタイミング)において転落処理を行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では、大当りとなるか否かを判定するとともに、転落の有無を判定することとしたが、これに限るものではない。例えば、はずれであることが決定された場合にのみ転落の有無を判定するための抽選を行うこととしてもよい。
また、本実施の形態では説明を省略したが、操作ボタン120に対する操作を検出した場合に所定の演出を行うものであってもよい。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
変形例において、演出制御用CPUは、操作ボタン120の操作を促す操作促進報知を伴い、操作有効期間中に操作ボタン120による所定操作が行われたことにもとづいて実行される当否煽り時ボタン演出を、変動停止直前(リーチ終盤)に実行可能である。具体的に、演出制御用CPUは、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において変動パターンにもとづいて変動演出を選択するときに、図10に示す当否煽り時ボタン演出設定テーブルを用いて、当否煽り時ボタン演出の実行の有無と、実行する場合の演出態様とを選択する。そして、演出制御用CPUは、演出図柄変動中処理(ステップS802)を行うことにより、選択された演出態様にて当否煽り時ボタン演出を実行する。
この変形例において、当否煽り時ボタン演出の演出態様としては、図示する第1演出態様〜第3演出態様が設けられている。第1演出態様および第2演出態様は、操作ボタン120への1回の操作を検出したときに所定の表示を行う演出態様である一方、第3演出態様は、操作ボタン120への連打の操作を検出したときに所定の表示を行う演出態様である。また、第1演出態様は、操作有効期間中に第1操作促進画像(操作ボタン120の外観を模した小ボタン画像201a)を表示する操作促進報知を行う演出態様(図12(A)参照)であり、第2演出態様は、操作有効期間中に第2操作促進画像(操作ボタン120の外観を模した大ボタン画像201bの表示および「押せ」といった文字202a)を表示する操作促進報知を行う演出態様(図12(B)参照)であり、第3演出態様は、操作有効期間中に第3操作促進画像(操作ボタン120の外観を模した大ボタン画像201bの表示および「連打」といった文字202b)を表示する操作促進報知を行う演出態様(図12(C)参照)である。すなわち、演出制御用CPUは、図10に示す当否煽り時ボタン演出設定テーブルを用いた抽選を行うことにより、遊技者の操作態様と操作有効期間中の表示態様とを併せて決定するものであるが、それぞれ異なる抽選によって決定されるものであってもよい。この変形例では、図10に示すように、第1演出態様〜第3演出態様のうちいずれの演出態様による当否煽り時ボタン演出が行われるかによって、大当りに対する期待度が異なるよう構成されている。なお、当否煽り時ボタン演出において所定の操作がなされた場合、表示結果がはずれの場合には「敗北…」の文字を示す画像が表示され、表示結果が大当りの場合には「勝利!」の文字を示す画像が表示されるものである。
また、変形例において、演出制御用CPUは、当否煽り時ボタン演出の演出態様として第2演出態様および第3演出態様のうちいずれかを選択した場合、操作有効期間よりも前のタイミング(変動開始直後、リーチ成立直後)で操作態様を報知するための操作態様報知演出(図12(D),(E)に示すように、操作態様報知画像203a,203bを表示する演出)を実行可能である。具体的に、演出制御用CPUは、演出図柄変動開始処理(ステップS801)において変動パターンにもとづいて変動演出を選択するときに、図11に示す操作態様報知演出決定テーブルを用いて、操作態様報知演出の有無、実行開始タイミング、および予告操作態様を決定する。そして、演出制御用CPUは、演出図柄変動中処理(ステップS802)を行うことにより、決定された実行開始タイミングおよび予告操作態様にて操作態様報知演出を実行するとともに、リーチ終盤の特定のタイミングにて、操作態様報知演出により報知された操作態様の操作促進報知画像(図12(B),(C)参照)がカットイン表示されて当否煽り時ボタン演出が実行されるものである。
この変形例では、図11に示すように、操作態様報知演出の実行開始タイミングとしては、変動開始直後とリーチ成立直後とが設けられており、大当りであるか否かにもとづいて、選択されるタイミングが異なるよう構成されている。これにより、操作態様報知演出の実行開始タイミングにもとづいて大当りに対する期待度が異なるようになっており、該実行開始タイミングに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、実行する当否煽り時ボタン演出の演出態様とは異なる演出態様を予告操作態様として決定可能であることとしたが、これに限るものではなく、実行する当否煽り時ボタン演出の演出態様のみを予告操作態様として決定可能であることとしてもよい。
また、この変形例では、複数の操作態様(1回の操作、連打操作)のうち全ての操作態様を報知対象とする操作態様報知演出を実行可能(すなわち、予告操作態様として第2演出態様および第3演出態様を選択可能)であることとしたが、一部の操作態様のみを報知対象とする操作態様報知演出を実行することとしてもよい。例えば、大当りに対する信頼度が最も高い操作態様(例えば、連打操作)のみを報知対象とする操作態様報知演出を実行可能(すなわち、予告操作態様として第3演出態様のみを選択可能)であることとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。