JP2017112515A - 原子発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の歪み等を起因とした光軸ずれを低減し、外部からの熱影響を軽減することができる原子発振器を提供することを目的にする。【解決手段】金属原子が封入されているガスセルを収容する第1収容筐体と、前記第1収容筐体を収容する第2収容筐体と、光射出部と、前記第2収容筐体と前記光射出部とが設置される第1の基体と、前記第1の基体が設置される第2の基体と、を備え、前記第1の基体は前記光射出部が設置される第1基準面と、前記第1収容筐体が設置される第2基準面と、を有し、前記第2基準面側に配置される前記第1収容筐体の筐体底面壁に接する底面外側角部に装着される第1ブロックを備え、前記第1の基体は前記第1ブロックが当接する突き当て部を備え、前記第1ブロックは前記筐体底面壁と前記第2基準面との間に挟持される筐体支持部と、前記第1の基体の前記突き当て部に突き当てられる筐体位置決め部と、を有している原子発振器。【選択図】図4

Description

本発明は、原子発振器に関する。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別されるが、量子干渉効果を利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器よりも小型化できることから、近年、様々な機器への搭載が期待されている。
量子干渉効果を利用した原子発振器は、例えば、特許文献1に開示されているように、ガス状の金属原子を封入したガスセルと、ガスセル中の金属原子に周波数の異なる2種の共鳴光を含むレーザー光を照射する光出射部と、ガスセルを透過したレーザー光を検出する光検出部と、光出射部とガスセルとの間に設けられた光学部品とを備えている。そして、このような原子発振器では、2種類の共鳴光の周波数差が特定の値のときに2種類の共鳴光の双方がガスセル内の金属原子に吸収されずに透過する電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象を生じるが、そのEIT現象に伴って発生する急峻な信号であるEIT信号を光検出器で検出する。
また、特許文献1に記載の原子発振器では、ガスセルおよび光検出部が第1パッケージに収納され、光出射部が第2パッケージに収納され、光学部品が第3パッケージに収納されている。各パッケージは、第1パッケージ、第3パッケージおよび第2パッケージの順に接合されており、各パッケージがそれぞれ接合された状態で、例えば基板上に搭載されて用いられる。
特開2012−191523号公報
しかしながら、特許文献1に記載の原子発振器では、基板に外力が加わり、変形した場合、その外力が基板を介して各パッケージに伝達される。その結果、各パッケージの位置ずれ、すなわち、原子発振器の光軸ずれが生じる可能性がある。さらに、例えば環境温度の変化や、光出射部の排熱等により基板の温度が変化する可能性がある。この場合、基板上の各パッケージにも温度変化の影響を及ぼすおそれがある。
そこで、基板の歪み等を起因とした光軸ずれを低減することができ、さらに外部からの熱による影響を軽減することができる量子干渉装置を備える原子発振器を提供することを目的にする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
〔適用例1〕本適用例の原子発振器は、金属原子が封入されているガスセルと、前記ガスセルを収容し、外側角部を有する第1収容筐体と、前記ガスセルを収容した前記第1収容筐体と、前記ガスセルを加熱するヒーターと、を収容し外側角部を有する第2収容筐体と、前記ガスセルに励起光を射出する光源を備える光射出部と、前記第2収容筐体と前記光射出部と、が設置される第1の基体と、制御部を備え、前記第1の基体が設置される第2の基体と、を備える原子発振器であって、前記第1の基体は、前記光射出部が設置される第1基準面と、前記第1収容筐体が設置される第2基準面と、を有し、前記第1収容筐体の前記外側角部の内、前記第2基準面側に配置される前記第1収容筐体の筐体底面壁に接する底面外側角部に装着される第1ブロックを備え、前記第1の基体は、前記第2基準面に沿った、互いに交差する方向で前記第1ブロックが当接する突き当て部を備え、前記第1ブロックは、前記筐体底面壁と前記第2基準面と、の間に挟持される筐体支持部と、前記第1の基体の前記突き当て部に突き当てられる筐体位置決め部と、を有していることを特徴とする。
光源から射出される励起光の光軸に対してガスセルの配設位置が正確に設定されないと、ガスセル内の金属原子に所定の振動を励起させることが困難となる。特に、近年の小型化された原子発振器では、なお一層、励起光の光軸とガスセルとの相対位置精度の向上が望まれている。
そこで、本適用例の原子発振器によれば、光源を備える光射射出部と、ガスセルを収容する第1収容筐体と、が載置、固定される第1の基体を有し、第1の基体には、光射出部が配置される第1基準面と、ガスセルが収容された第1収容筐体が配置される第2基準面と、が形成されている。そして、第1収容筐体の外側角部に配設される第1ブロックの筐体位置決め部が、第2の基準面に備える突き当て部に当接されることと、第1ブロックの筐体支持部によって第2基準面からの支持位置が決められることと、によって、第1基準面に配設された光射出部と、第1収容筐体と、の相対位置を正確に設定させることができる。従って、光源とガスセルとの相対位置を正確に設定することができる。
また、第1ブロックによって、第1収容筐体と第2収容筐体とは、空隙を配置させて組み立てられる。形成される空隙は第1収容筐体と、第2収容筐体と、の間の断熱領域となって、第2収容筐体外部の熱が第1収容筐体に伝達されることが防止できる。従って、第1収容筐体に収容されているガスセルに、不要な熱が伝達されることが抑制され、安定した発振性能を有する原子発振器を得ることができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記第1の基体は、前記第1基準面の反対の第1裏面と、前記第2基準面の反対の第2裏面と、を有し、前記第2裏面は前記装置載置面と離間し、前記第2裏面と前記装置載置面と、の間に第2ブロックが挟持されていることを特徴とする。
上述の適用例によれば、第2ブロックが配置される第2裏面と装置載置面との離間部が、第2の基体の備えられる制御部が発生する熱を、第1の基体の第2裏面へ伝達することを防止する断熱部となり、第1の基体への余剰な熱伝達を抑制する。従って、第1の基体に載置されている第2収容筐体の内部に収容される第1収容筐体への余剰な外部からの熱伝達が抑制され、第1収容筐体に収容されるガスセルに伝達される余剰熱が抑制され、安定した発振性能を有する原子発振器を得ることができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記第1ブロックおよび前記第2ブロックのどちらか一方、もしくは両方が断熱性を有していることを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1ブロックおよび第2ブロックによって形成される断熱部としての空間領域に加え、第1の基体と第2の基体とに直接接触している第2ブロック、および第1の基体と第1収容筐体とに直接接触している第1ブロック、とが断熱性を有することで、ガスセルへの外部熱の伝達をなお一層低減することができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記第1収容筐体、および前記第2収容筐体は磁気遮蔽性を有していることを特徴とする。
上述の適用例によれば、ガスセルを収容する第1収容筐体および第1収容筐体を収容する第2収容筐体の二重の収容筐体が、磁気遮蔽体であることで、磁気によるガスセル内の金属原子への影響を抑制し、発振特性の安定化を図ることが可能となる。
第1実施形態に係る原子発振器の概略構成を示す構成図。 アルカリ金属のエネルギー状態を説明する説明図。 光射出部から射出される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフ。 第1実施形態に係る原子発振器の概略を示す正断面図。 図4に示すA−A´部の断面図。 第1ブロックの外観斜視図。 第1ブロックの第1収容筐体への装着の形態を示す外観斜視図。 第1の基板としてのユニット基板の外観斜視図。 ユニット基板への光射出部と、第1収容筐体と、の組み込み方法を示す外観斜視図。 第2収容筐体の組み立て状態を示す外観斜視図。 図4に示すB−B´部の断面を模式的に表した断面模式図。 第1収容筐体の光射出部側への第1ブロック組込方法を示す外観斜視図。 第2実施形態に係る測位システムを示す概略構成図。 第3実施形態に係るクロック伝送システムを示す概略構成図。 第4実施形態に係る移動体を示す外観斜視図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る原子発振器の概略構成を示す構成図である。また、図2は、アルカリ金属のエネルギー状態を説明する説明図、図3は、光射出部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。
先ず、本実施形態に係る原子発振器1000の原理を簡単に説明する。原子発振器1000では、ガスセル210内に、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属(金属原子)が封入されている。アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有しており、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1,2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
このようなガス状のアルカリ金属に対して周波数の異なる2種の共鳴光1、および共鳴光2を照射すると、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、および共鳴光2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。そして、共鳴光1の周波数ω1と、共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、および基底状態2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、および共鳴光2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT(Coherent Population Trapping)現象、または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
光源112は、ガスセル210に向けて、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を射出する。例えば、光源112が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部220の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
本実施形態に係る原子発振器1000は、図1に示すように、後述する第1ユニット100(以下、光源ユニット100という)を構成する光射出部110に備える光源112から、ガスセル210に向かって励起光LLがガスセル210への入射光として射出される。励起光LLとして、前述したように、周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)が射出される。共鳴光1の周波数ω1は、ガスセル210中のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態に励起し得るものである。また、共鳴光2の周波数ω2は、ガスセル210中のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態に励起し得るものである。
この光源112としては、前述したような励起光を射出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
光射出部110から射出された励起光LLは、励起光LLの光軸上に設けられている光学部品261,262を透過する。光学部品261は、λ/4波長板であり、光源112から射出された直線偏光の励起光LLを、円偏光(右偏光あるいは左偏光)に変換することができる。次に、光学部品262は、減光フィルター(NDフィルター)であり、ガスセル210に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができ、光源112の出力が大きい場合でも、ガスセル210に入射する励起光LLを所望の光量とすることができる。
光学部品261によって励起光LLが円偏光に変換されることによって、コイル250の磁場によりガスセル210内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光LLがアルカリ金属原子に照射されると、励起光LLとアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器1000の発振特性を向上させることができる。
なお、光源112とガスセル210との間には、波長板および減光フィルターの他に、レンズ、偏光板等の他の光学部品が配置されていてもよい。また、光源112からの励起光の強度によっては、光学部品262を省略することができる。
ガスセル210内を透過した励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)は、光検出部220により強度が検出される。励起光LLの光検出部220による検出結果は、制御部300に備える励起光制御部310に入力され、光源112から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を光検出部220の検出結果に基づいて制御する。より具体的には、励起光制御部310は、前述した光検出部220によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光源112から射出される共鳴光1、共鳴光2の周波数を制御する。また、励起光制御部310は、光源112から射出される共鳴光1、共鳴光2の中心周波数を制御する。これにより、前述したようなEIT信号を検出することができる。そして、制御部300は、図示しない水晶発振器の信号をEIT信号に同期して出力させる。
制御部300には、温度制御部320、および磁場制御部330を備えている。温度制御部320には、ガスセル210の温度を検出する温度センサー240からの計測検出結果に基づいて、ヒーター230への通電を制御し、ガスセル210を所望の温度範囲内に維持する。磁場制御部330は、コイル250が発生する磁場が一定となるように、コイル250への通電を制御する。なお後述するが、このような制御部300は、原子発振器1000が実装される実装基板上に実装された電子回路装置(例えば、半導体装置)に設けられている。
より小型化された本実施形態に係る原子発振器1000では、光源ユニット100に備える光射出部110の光源112から射出される励起光LLが、正確にガスセル210に入射させることが求められ、僅かな励起光LLの光軸ずれを防止しなければならない。
図4および図5は、第1実施形態に係る原子発振器1000の概略を示し、図4は正断面図、図5は図4に示すA−A´部の断面図である。
図4および図5に示す原子発振器1000は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。原子発振器1000は、制御部300を備える半導体装置600を含む図示しない回路部を搭載した第2の基体としてのベース基板700と、光射出部110を含む光源ユニット100と、ガスセル210および光検出部220とを含む第2ユニット200(以下、ガスセルユニット200という)と、が搭載される第1の基板としてのユニット基板800と、を備えている。
光源ユニット100は、光射出部110と、光射出部110を保持する光源保持部120と、を備えている。光源保持部120は、光射出部110が装着される装着部120aと、光源保持部120をユニット基板800へ装着、固定させる固定部120bと、を有している。固定部120bは、本実施形態ではネジ10によってユニット基板800の、光源ユニット100が搭載される第1基準面800a上に載置、固定される。
光射出部110は、柱状の貫通孔を有する本体部111aと、その貫通孔の両側の開口を封鎖する1対の蓋部111b,111cと、により構成される光源収容体111と、光源収容体111に収容、固定された光源112とを有する。光源112は、ガスセル210中のアルカリ金属原子を励起する励起光LLを射出する機能を有する。光源112は、光源収容体111の内部に励起光LLの射出方向(図示矢印の光軸方向R)に沿ってガスセル210と対向するように配置され、本体部111aの励起光の射出方向と交差する領域に貫通孔111dが設けられており、この貫通孔111dを通って光源112からガスセル210に向かって励起光LLが射出される。
ガスセル210を含むガスセルユニット200は、次のような構成となっている。ガスセルユニット200の中心部には、柱状の貫通孔を有する本体部210aと、その貫通孔の両側の開口を1対の窓部210b,210cによって封鎖することにより、内部空間Sが形成されたガスセル210を備えている。ガスセル210の内部空間Sには、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。
ガスセル210は、ガスセル210を保持し、後述するヒーターに発生させる熱をガスセル210に伝導させるガスセル保持部材270により覆われている。そしてガスセル保持部材270のX軸方向に沿った外周面にコイル250が巻き付けられている。
光射出部110から射出された励起光LLは、ガスセル保持部材270と、光軸方向Rと、が交差する部分に形成された貫通孔270a,270bのうち、光射出部110側の貫通孔270aに配置された光学部品261,262を透過する。本実施形態では、光源112側からガスセル210側へ、光学部品261,262の順に配置されている。光学部品261は、λ/4波長板である。これにより、光源112からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。光学部品262は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル210に入射する励起光の強度を調整(減少)させることができる。そのため、光源112の出力が大きい場合でも、ガスセル210に入射する励起光を所望の光量とすることができる。
ガスセル保持部材270の光軸方向Rと並行する外周部270cには、外周部270cに沿ってコイル250が巻き付けられている。コイル250は、通電により、磁場を発生させる機能を有する。これにより、ガスセル210中のアルカリ金属に磁場を印加することにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1000の発振周波数の精度を高めることができる。なお、コイル250が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。また、このコイル250は、ガスセル210を囲むように設けられたソレノイドコイルであってもよいし、ガスセル210を挟むように設けられたヘルムホルツコイルであってもよい。
ガスセル210を挟んで光射出部110と光軸方向Rに沿って対向する位置に光検出部220を備えている。光検出部220は、ガスセル210内を透過した後述する励起光LL(共鳴光1、共鳴光2)の強度を検出する機能を有する。本実施形態では、光検出部220は、接着剤20を介してガスセル保持部材270に接合されている。ここで、接着剤20としては、公知の接着剤を用いることができる。また、この光検出部220としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
そしてガスセル210と、ガスセル保持部材270と、コイル250と、光検出部220と、は第1収容筐体400の内部に収容されている。第1収容筐体400は、箱状の収容体410と、蓋体420と、を備え、収容体410内部に、されるコイル250を備えガスセル210が保持されたガスセル保持部材270と、光検出部220と、を収納、載置し、収容体410を密閉するように蓋体420を収容体410に合わせることで第1収容筐体400を構成する。第1収容筐体400は、第1収容筐体400の内部に対する外部からの磁気を遮蔽する機能を有し、第1収容筐体400に収容されるガスセル210への外部からの磁気を遮蔽する。
収容体410のガスセル保持部材270に形成された貫通孔270aに対向する位置、即ち励起光LLの通過位置には、貫通孔410aが設けられている。なお、貫通孔410aには、励起光を透過し得る材料であれば、特に限定されないが、例えば透明ガラス、透明石英ガラス、透明水晶などが気密接合されていてもよい。このように、貫通孔410aが気密接合されていることで、第1収容筐体400内を気密空間とすることが可能となる。なお、図4および図5では、図示を省略しているが、第1収容筐体400には、前述した部品以外の部品が収納されていてもよい。
第1収容筐体400の収容体410および蓋体420の構成材料としては、磁気遮蔽効果を有していることがなお好ましく、例えば、鉄(Fe)、各種Fe合金(ケイ素鉄、パーマロイ、スーパーマロイ、アモルファス、センダスト)、銅(Cu)、銅合金などの軟磁性材料がより好ましい。このような材料を収容体410および蓋体420に用いることにより、外部からの磁気(磁場の変化)を第1収容筐体400によって遮蔽することができる。これにより、外部からの磁気(磁場の変化)によるガスセル210内の金属原子への影響を抑制し、原子発振器1000としての発振特性の安定化を図ることが可能となる。
図5に示すように、本実施形態に係る原子発振器1000は、ガスセル210を加熱する加熱素子としてのヒーター230を備えている。ヒーター230は、通電により発熱する発熱抵抗体(発熱部)である。ヒーター230は、第1収容筐体400の外部に配置され、ヒーター230が発生した熱は、第1収容筐体400を介してガスセル210に伝達される。本実施形態では、ヒーター230は第1収容筐体400の収容体410の外部に高熱伝導率接着剤によって接着固定される形態を例示する。しかしこれに限定されず、ヒーター230が発生する熱の伝達ロスを少なくする手段であれば、ヒーター230の配置手段は限定されない。例えば、金属ろうによるろう付け、ねじによる物理的な固定手段であってもよい。
ヒーター230が発生した熱は、ガスセル210に伝達され、ガスセル210を所定の温度に維持し、ガスセル210中のアルカリ金属をガス状に維持することができる。なお、ヒーター230に代えて、あるいは、ヒーター230と併用して、ペルチェ素子を用いてもよい。この場合、ペルチェ素子の発熱側の部分が発熱部を構成する。
また、原子発振器1000は、図4および図5に示すように、ガスセル210と、ガスセル保持部材270と、コイル250と、光検出部220と、が内部に収納された第1収容筐体400と、第1収容筐体400の外部に配置されたヒーター230と、を収納し、磁気遮蔽性を有する第2収容筐体500を備え、ガスセルユニット200を構成している。
図4に示すように、第2収容筐体500は、ガスセルユニット200が載置されるユニット基板800の第2基準面800b上に載置される底部520と、箱状の蓋体510と、を備え、蓋体510を第1収容筐体400に被せるように配設し、蓋体510に形成された複数の固定鍔部510aをネジ10によって、ユニット基板800の上面800c(図5における網掛けハッチング部)に固定することで、筐体が構成される。
そして、第1収容筐体400の外側と、第2収容筐体500の内側と、の間には、第1ブロック30が配置されている。図6は第1ブロック30、図7は第1ブロック30の第1収容筐体400への装着の形態を示す外観斜視図である。
図6に示すように、第1ブロック30は立方体あるいは直方体の基本形状を有し、基本形状の1つの外側角部を含む凹部30aが形成されている。凹部30aを構成する凹面31a,31b,31cには、後述するように、第1収容筐体400の外側角部に装着され、第1収容筐体400の外面に当接する面となる。そして、凹面31aの裏面となる面32aと、凹面31bの背面となる面32bと、凹面31cの背面となる面32cと、は第2収容筐体500の内側角部を構成する内面に当接する面となる。
後述するように、凹面31aと面32aと、で構成される厚さT1部、凹面31bと面32bと、で構成される厚さT2部、そして凹面31cと面32cと、で構成される厚さT3部は、第1収容筐体400へ取り付けることにより、筐体支持部、もしくは筐体位置決め部となる。
第1ブロック30は、本実施形態の係る原子発振器1000では、図7に示すように第1収容筐体400の外側角部401a〜401d,402a〜402dに第1ブロック30の凹部30aが合わされて装着される。外側角部401a〜401dは、光源ユニット100と対向する面側、すなわち励起光LLの光源112側の面側に構成される。外側角部402a〜402dは、光検出部220と対向する面側、すなわちガスセル210の空間Sを挟んで外側角部401a〜401dとは反対の面側に構成される。なお、第1収容筐体400と、第1ブロック30と、は、例えば接着剤もしくは粘着剤によって接着することで、第1ブロック30が第1収容筐体400から容易に離脱することが防止でき、原子発振器1000の組立性を向上させることができる。
ユニット基板800について説明する。図8はユニット基板800の外観斜視図を示し、図9はユニット基板800への光源ユニット100と、第1収容筐体400と、の組み込み方法を示す外観斜視図である。ユニット基板800には、上述したように、光源ユニット100と、ガスセルユニット200と、が載置される。ガスセルユニット200は、ガスセル210の所定の温度まで加熱するヒーター230を備えているが、余剰な熱は第2収容筐体500を介して外部に放出される。従って、ユニット基板800は、第2収容筐体500からの余剰な熱を伝達しやすい金属、例えばアルミニウムなどで形成されることが好ましい。
ユニット基板800の一方の側に、光源ユニット100が載置される第1基準面800aと、第1ブロック30を介してガスセルユニット200に含む第1収容筐体400が載置される第2基準面800bと、上面800cと、を備え、第2の基板としてのベース基板700に載置され、当接する第1基準面800aの裏面側の第1裏面800dと、第2基準面800bの裏面となり、ベース基板700とは離間する第2裏面800eと、を備えている。なお、図8では、第1基準面800a、および第2基準面800bを網掛けハッチングにより示す。
ユニット基板800の第2基準面800bには、後述する第1収容筐体400が第1ブロック30を介して載置される時、図示するZ軸方向に沿った矢視(以下、平面視という)において、ユニット基板800との相対位置を案内する突き当て部としての第1突き当て部800fと第2突き当て部800gと、が第2基準面800bから上面800cに至る突起状に形成されている。第1突き当て部800fは平面視におけるY軸方向、図示ではY(−)方向に交差する第1突き当て面800hを有し、第2突き当て部800gはX軸方向、図示X(−)方向に交差する第2突き当て面800jを有している。そして、第1突き当て面800hと第2突き当て面800jとは、ユニット基板800において、第1収容筐体400の平面視での配置基準面として機能させることができる。
突き当て部800f,800gは、図9に示すように、ユニット基板800に第1収容筐体400が第1ブロック30を介して配置される時の位置決め部となる。図9に示すように、ユニット基板800には、第1基準面800a上に光源ユニット100が載置され、図4にも示すように本実施形態ではネジ10によってユニット基板800に固定される。
第2基準面800bには第2収容筐体500を構成する底部520が載置される。そして底部520上に、第1収容筐体400の外側角部に第1ブロック30が装着された状態の第1収容筐体400が載置される。第2基準面800b上に底部520と第1ブロック30とを介して載置された第1収容筐体400は、第1ブロック30を介して第1突き当て面800hと第2突き当て面800jとに突き当てるよう、すなわち図示するY(−)方向とX(−)方向とに押し付けられながら載置される。
従って、ユニット基板800の平面視での基準面となる第1突き当て面800hと第2突き当て面800jに対して平面視で正確な位置で第1収容筐体400が配置させることができる。そして、上述した光源ユニット100が配置されるユニット基板800の第1基準面800aと、平面視での固定位置を、第1突き当て面800hおよび第2突き当て面800jを基準として形成することにより光源ユニット100と、第1収容筐体400と、の相対位置を正確に配置させることができる。
すなわち、光源ユニット100に備る光源112と、第1収容筐体400内に配置されたガスセル210と、の相対位置を正確に合わせて配置させることができ、光源112から射出される励起光LLをガスセル210に正確に入射させることができる。
図10は、図9で示したユニット基板800に配置された第1収容筐体400に、第2収容筐体500の蓋体510を被せるように組み立てる状態を示す外観斜視図である。図10に示すように蓋体510は、第1ブロック30を外側角部に装着させた第1収容筐体400を蓋体510の内部空間510b内に収納するように図示するZ軸に沿って、図示上部より被せる。この時、蓋体510を図示する矢印P方向、すなわち図7にて説明した光源ユニット100側に配置される第1収容筐体400の外側角部401a〜401dの内、第1突き当て面800hと第2突き当て面800jと両面に突き当てることができる、外側角部401bに装着された第1ブロック30の面32b,32cを押し当てるようにする。
より詳しく説明する。図11は図4に示すB−B´部の断面を模式的に表した断面模式図である。なお、図11は説明の便宜上、ユニット基板800と、第2収容筐体500と、第1ブロック30と、第1収容筐体400と、を模式的に図示し、その他の構成要素の図示は省略してある。
図11に示すように、第1収容筐体400の収容体410の外側角部401a〜401d,402a〜402dの内、第1収容筐体400のユニット基板800側の筐体底面壁としての収容体底部410cに接する底面外側角部となる外側角部401a,401b,402a,402b(図7参照)それぞれに第1ブロック30が装着され、ユニット基板800の第2基準面800bに第2収容筐体500の底部520(図11には図示せず)を介して載置される。この時、上述したように、収容体410の外側角部401bの装着された第1ブロック30の第2収容筐体500の内側角部を構成する内面と当接する面32bは、ユニット基板800の第1突き当て部800fの第1突き当て面800hに当接するように配置され、面32cは第2突き当て部800gの第2突き当て面800jに当接するように配置される。
第1突き当て面800hには、外側角部402bに装着された第1ブロック30の面32cも当接するように配置される。そして第2突き当て面800jには、外側角部401aに装着された第1ブロック30の面32bも当接するように配置される。
このように第1ブロック30が装着された第1収容筐体400がユニット基板800に配置された後、第2収容筐体500の蓋体510の内部空間510b内に第1ブロック30が装着された第1収容筐体400が収容されるように蓋体510が装着される。この時、蓋体510を、図示するP方向、すなわち第1突き当て面800hと第2突き当て面800jとの交差する位置に向けて押し付けながら装着し、図10に示すように、ユニット基板800に、ねじ10により固定鍔部510aを固定させる。このようにすることにより、第1ブロック30が装着された第1収容筐体400が第2収容筐体500の蓋体510によって、P方向に押し付けられ、第1ブロック30は、第1突き当て面800hおよび第2突き当て面800jに当接する。
第1突き当て面800hおよび第2突き当て面800jを、ユニット基板800の平面視での基準位置、すなわち図示するX−Y平面における基準位置とすることで、ガスセル210を内部に収容する第1収容筐体400を、ユニット基板800の基準位置に正確に配設させることができる。そして、基準位置の第1突き当て面800hおよび第2突き当て面800jが基準となってガスセル210が配設され、上述した光源ユニット100をユニット基板800に装着することにより、光源ユニット100と、ガスセル210と、に相対位置を正確に合わせて原子発振器1000に組み立てることができる。
図12は、第1ブロック30が装着された第1収容筐体400がユニット基板800に載置された時、ユニット基板800側且つ光源ユニット100側に配置される外側角部401a,401bに装着される第1ブロック30を例示する外観斜視図である。図12に示すように、第1ブロック30は、第1収容筐体400の外側角部401a,401bに装着されユニット基板800に載置されることで、図6によって説明した第1ブロック30の厚みT1,T2,T3部は、次のような機能を有する。
第1ブロック30の厚みT1部は、図4にも示すようにユニット基板800の第2基準面800bと、第2収容筐体500の底部520を介して第1収容筐体400と、によって挟持される筐体支持部となる。また、第1収容筐体400の外側角部401bに第1ブロック30が装着されることにより、厚みT2部は、ユニット基板800の第1突き当て部800fに当接し、第1収容筐体400の図示するY軸方向の位置決めが行われる筐体位置決め部となる。同様に、厚みT3部は、ユニット基板800の第2突き当て部800gに当接し、第1収容筐体400の図示するX軸方向の位置決めが行われる筐体位置決め部となる。
上述したように、光源ユニット100と、ガスセルユニット200と、が装着されたユニット基板800は、図4に示すように、ベース基板700の装置載置面としてのユニット基板載置面700a(以下、基板載置面700aという)に装着される。ユニット基板800とベース基板700と、の固定方法には限定は無いが、本形態ではユニット基板800の第1裏面800dと、ベース基板700の基板載置面700aと、は接着剤により接着固定されている。
ユニット基板800の第2裏面800eは図8で説明したように、基板載置面700aとは離間し、第2裏面800eと基板載置面700aと、の間には空間が形成される。この空間には、第2裏面800eをベース基板700に対して支持する第2ブロック40が配設される。
ベース基板700には、制御部300を備える半導体装置600を含む図示しない回路部が搭載されている。回路部では、半導体装置600を含む電子デバイスが動作することによって発熱し、ベース基板700は加熱される。その熱がガスセルユニット200に伝達されると、ガスセル210が所定温度を超え、安定した発振特性を得ることが困難となる虞がある。そこで、第2ブロック40によって保持される第2裏面800eと、基板載置面700aと、の間に形成される空間部は断熱部として機能し、基板載置面700aから第2裏面800eへの熱伝達を防止することができる。
更に、第2ブロック40を、例えば合成樹脂などの断熱性を有する材料により形成することで、第2ブロック40を通じてベース基板700から第2裏面800eへの熱伝達を防止することができる。
半導体装置600を含む電子デバイスが動作することによって回路部で生じた熱の内、ユニット基板800の第1裏面800dからユニット基板800に伝達される熱は、ユニット基板800内を伝達し、第2基準面800bに至るものがある。第2基準面800bに到達した熱は、第2収容筐体500の底部520を伝達し、第2収容筐体500の内部に収容されたガスセル210を収容した第1収容筐体400へと伝達する。
しかし、図4に示すように、第1収容筐体400は、第1ブロック30によって、第2収容筐体500の内面とは空間部が形成され、この空間部が第1収容筐体400と第2収容筐体500との断熱部として機能する。更に、空間部を保持する第1ブロック30を、例えば合成樹脂などの断熱性を有する材料によって形成することにより、第1ブロック30を通して第2収容筐体500から第1収容筐体400への熱伝達を防止することができる。
以上、述べたように、ベース基板700の備える回路部の動作発熱による熱は、第2ブロック40と、第2ブロック40が配置される基板載置面700aと第2裏面800eとの間の空間と、によって、ユニット基板800への熱伝達が防止することができる。また、ベース基板700の備える回路部の動作発熱による熱が第1裏面800dを通してユニット基板800に伝達されても、第1ブロック30と、第1ブロック30によって形成される第1収容筐体400と、第2収容筐体500と、の間の空間と、によって第1収容筐体400への熱伝達が防止することができる。
従って、ガスセル210を所定の温度に加熱するヒーター230から供給される熱によって温度管理されているガスセルユニット200に含まれるガスセル210に対して、余剰な熱を供給する熱源の一つである回路で発生する熱を、第1収容筐体400へ伝達する経路を断熱することができ、安定した発振性能を有する原子発振器1000を得ることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える電子機器の一例としてGPS衛星を利用した測位システムを説明する。図13は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明に係る原子発振器1000を用いた場合の概略構成を示す図である。
図13に示す測位システム2000は、GPS衛星2100と、基地局装置2200と、GPS受信装置2300とで構成されている。GPS衛星2100は、測位情報(GPS信号)を送信する。基地局装置2200は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ2201を介してGPS衛星2100からの測位情報を高精度に受信する受信装置2202と、この受信装置2202で受信した測位情報を、アンテナ2203を介して送信する送信装置2204とを備える。
ここで、受信装置2202は、その基準周波数発振源として前述した本発明に係る第1実施形態の原子発振器1000を備える電子装置である。このような受信装置2202は、優れた信頼性を有する。また、受信装置2202で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置2204により送信される。GPS受信装置2300は、GPS衛星2100からの測位情報を、アンテナ2301を介して受信する衛星受信部2302と、基地局装置2200からの測位情報を、アンテナ2303を介して受信する基地局受信部2304とを備える。
(第3実施形態)
第3実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える電子機器の一例としてクロック伝送システムを説明する。図14は、クロック伝送システムに本発明に係る原子発振器1000を用いた場合の概略構成を示す図である。
図14に示すクロック伝送システム3000は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロックを一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
このクロック伝送システム3000は、A局(上位(N系))のクロック供給装置(CSM:Clock Supply Module)3001およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置3002と、B局(上位(E系))のクロック供給装置2003およびSDH装置3004と、C局(下位)のクロック供給装置3005およびSDH装置3006,3007とを備える。クロック供給装置3001は、原子発振器1000を有し、N系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置3001内の原子発振器1000は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック3008,3009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置3002は、クロック供給装置3001からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置3005に伝送する。クロック供給装置3003は、原子発振器1000を有し、E系のクロック信号を生成する。このクロック供給装置3003内の原子発振器1000は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック3008,3009からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置3004は、クロック供給装置3003からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置3005に伝送する。クロック供給装置3005は、クロック供給装置3001,3003からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
ここで、クロック供給装置3005は、通常、クロック供給装置3001からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置3005は、クロック供給装置3003からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置3006は、クロック供給装置3005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置3007は、クロック供給装置3005からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態として、第1実施形態に係る原子発振器1000を備える移動体の一例として自動車を例に説明する。図15は、移動体としての自動車に本発明に係る原子発振器1000を用いた場合の概略構成を示す斜視図である。
図15に示す移動体としての自動車4000は、車体4001と、4つの車輪4002とを有しており、車体4001に設けられた図示しない動力源によって車輪4002を回転させるように構成されている。このような自動車4000には、原子発振器1000が内蔵されている。そして、原子発振器1000からの発振信号に基づいて、例えば、図示しない制御部が動力源の駆動を制御する。
なお、本発明の原子発振器1000を組み込む電子機器または移動体は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、デジタルスチールカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
以上、本発明の原子発振器1000について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、前述した実施形態の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
10…ネジ、20…接着剤、30…第1ブロック、40…第2ブロック、100…第1ユニット(光源ユニット)、110…光射出部、120…光源保持部、200…第2ユニット(ガスセルユニット)、210…ガスセル、220…光検出部、230…ヒーター、250…コイル、270…ガスセル保持部材、400…第1収容筐体、500…第2収容筐体、600…半導体装置、700…ベース基板、800…ユニット基板、1000…原子発振器。

Claims (4)

  1. 金属原子が封入されているガスセルと、
    前記ガスセルを収容し、外側角部を有する第1収容筐体と、
    前記ガスセルを収容した前記第1収容筐体と、前記ガスセルを加熱するヒーターと、を収容し外側角部を有する第2収容筐体と、
    前記ガスセルに励起光を射出する光源を備える光射出部と、
    前記第2収容筐体と前記光射出部と、が設置される第1の基体と、
    制御部を備え、前記第1の基体が設置される第2の基体と、を備える原子発振器であって、
    前記第1の基体は、前記光射出部が設置される第1基準面と、前記第1収容筐体が設置される第2基準面と、を有し、
    前記第1収容筐体の前記外側角部の内、前記第2基準面側に配置される前記第1収容筐体の筐体底面壁に接する底面外側角部に装着される第1ブロックを備え、
    前記第1の基体は、前記第2基準面に沿った、互いに交差する方向で前記第1ブロックが当接する突き当て部を備え、
    前記第1ブロックは、前記筐体底面壁と前記第2基準面と、の間に挟持される筐体支持部と、前記第1の基体の前記突き当て部に突き当てられる筐体位置決め部と、を有している、
    ことを特徴とする原子発振器。
  2. 前記第1の基体は、前記第1基準面の反対の第1裏面と、前記第2基準面の反対の第2裏面と、を有し、
    前記第2裏面は装置載置面と離間し、前記第2裏面と前記装置載置面と、の間に第2ブロックが挟持されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記第1ブロックおよび前記第2ブロックのどちらか一方、もしくは両方が断熱性を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の原子発振器。
  4. 前記第1収容筐体、および前記第2収容筐体は磁気遮蔽性を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の原子発振器。
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