JP2017110134A - ポリビニルエーテル化合物及び潤滑油の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】R32等の冷媒に対して相溶性が優れるポリビニルエーテル化合物であっても、高収率で製造することが可能なポリビニルエーテル化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のポリビニルエーテル化合物の製造方法は、ビニルエーテル化合物を重合触媒存在下で重合し、重合後に前記重合触媒を吸着剤により除去する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のポリビニルエーテル化合物の製造方法は、ビニルエーテル化合物を重合触媒存在下で重合し、重合後に前記重合触媒を吸着剤により除去する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリビニルエーテル化合物、及びポリビニルエーテル化合物を含有する潤滑油の製造方法に関する。
一般に、圧縮型冷凍機は、少なくとも圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁等)、蒸発器等で構成されると共に、密閉された系内を、冷媒と冷凍機油との混合物(以下、「冷凍機用組成物」ともいう)が循環する構造となっている。
圧縮型冷凍機に用いられる冷媒としては、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)をはじめとした、オゾン層破壊の恐れが少ない各種代替フロンが使われている。
しかしながら、HFCにおいても、地球温暖化能が高い等の問題があり、近年は、地球温暖化係数が低く、地球温暖化に対する影響が少ない冷媒が求められている。このような冷媒として、炭酸ガス(二酸化炭素)、アンモニア、炭化水素ガス等に加えて、ジフルオロメタン(R32)冷媒も検討されている。
圧縮型冷凍機に用いられる冷媒としては、例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)をはじめとした、オゾン層破壊の恐れが少ない各種代替フロンが使われている。
しかしながら、HFCにおいても、地球温暖化能が高い等の問題があり、近年は、地球温暖化係数が低く、地球温暖化に対する影響が少ない冷媒が求められている。このような冷媒として、炭酸ガス(二酸化炭素)、アンモニア、炭化水素ガス等に加えて、ジフルオロメタン(R32)冷媒も検討されている。
ところで、圧縮型冷凍機は、一般的に、圧縮機内では高温、冷却器内では低温となるので、系内を循環する冷凍機用組成物は、低温から高温まで幅広い温度範囲内で、冷媒と冷凍機油とに相分離することなく、この系内を循環することが求められる。
仮に、冷凍機の運転中に当該冷凍機用組成物の相分離が生じると、冷凍機の寿命や効率に対して、著しい悪影響を及ぼす。例えば、圧縮機にて、冷凍機用組成物の相分離が生じると、可動部が潤滑不良となり、焼き付き等を引き起こし、冷凍機の寿命の低下につながる。また、蒸発器内にて、冷凍機用組成物の相分離が生じると、分離した粘度の高い冷凍機油の存在が原因となり、熱交換効率の低下をもたらす。
仮に、冷凍機の運転中に当該冷凍機用組成物の相分離が生じると、冷凍機の寿命や効率に対して、著しい悪影響を及ぼす。例えば、圧縮機にて、冷凍機用組成物の相分離が生じると、可動部が潤滑不良となり、焼き付き等を引き起こし、冷凍機の寿命の低下につながる。また、蒸発器内にて、冷凍機用組成物の相分離が生じると、分離した粘度の高い冷凍機油の存在が原因となり、熱交換効率の低下をもたらす。
つまり、冷凍機に使用される冷凍機油には、安定性及び潤滑性能と共に、使用される冷媒との相溶性が特に求められている。そのため、地球温暖化係数が低いR32冷媒と相溶性に優れた冷凍機油の開発が望まれている。R32冷媒と共に用いるのに適した冷凍機油として、ポリビニルエーテル化合物が一つの候補として検討されている。
ポリビニルエーテル化合物は、例えば特許文献1、2に記載されるように、開始剤としてアセタール、アルコールを使用し、ルイス酸等の重合触媒存在下、ビニルエーテル化合物を重合することで製造することが知られている。特許文献1,2では、重合触媒は、水酸化ナトリウム水溶液により失活させ、水洗により取り除くことが開示されている。
ところで、圧縮型冷凍機は、寒冷地でのヒートポンプ用途や、低温倉庫での空調用途に使用される場合がある。一般的な環境下で使用される冷凍機において、冷媒と冷凍機油とが相分離せずに相溶している温度領域としては、−20〜0℃程度が好ましいとされている。しかし、寒冷地でのヒートポンプ用途や低温倉庫での空調用途に使用される冷凍機においては、例えば、−30℃以下でも冷媒と冷凍機油とが相分離せずに相溶していることが求められる。
そこで、本発明者らは、低温環境下においてR32等の冷媒との相溶性を高めるために、メチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等を原料モノマーとして使用し、ポリビニルエーテル化合物の側鎖を短くしたり、側鎖にエーテル結合を導入したりすることを試みている。しかし、このようなポリビニルエーテル化合物を製造する場合には、重合後に水洗により重合触媒を取り除くと、目的化合物も水層側に移行して、収率が低下する不具合が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、R32等の冷媒に対して相溶性が優れるポリビニルエーテル化合物であっても、高収率で製造することが可能なポリビニルエーテル化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、重合後に重合触媒を吸着剤により除去することにより、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のポリビニルエーテル化合物の製造方法、及び潤滑油の製造方法を提供する。
(1)ビニルエーテル化合物を重合触媒存在下で重合し、重合後に前記重合触媒を吸着剤により除去する、ポリビニルエーテル化合物の製造方法。
(2)上記(1)に記載の製造方法により得られたポリビニルエーテル化合物を少なくとも含有する潤滑油を調製する潤滑油の製造方法。
すなわち、本発明は、以下のポリビニルエーテル化合物の製造方法、及び潤滑油の製造方法を提供する。
(1)ビニルエーテル化合物を重合触媒存在下で重合し、重合後に前記重合触媒を吸着剤により除去する、ポリビニルエーテル化合物の製造方法。
(2)上記(1)に記載の製造方法により得られたポリビニルエーテル化合物を少なくとも含有する潤滑油を調製する潤滑油の製造方法。
R32等の冷媒に対して相溶性が優れるポリビニルエーテル化合物を高収率で製造することが可能になる。
以下、本発明について、実施形態を用いて説明する。
本発明の一実施形態に係るポリビニルエーテル化合物の製造方法は、少なくとも以下の重合工程、及び除去工程を行うものである。
本発明の一実施形態に係るポリビニルエーテル化合物の製造方法は、少なくとも以下の重合工程、及び除去工程を行うものである。
[重合工程]
重合工程は、ビニルエーテル化合物を原料モノマーとして重合触媒存在下で重合する工程である。
<ビニルエーテル化合物>
重合工程で使用されるビニルエーテル化合物は、潤滑油で基油として使用可能なポリビニルエーテル化合物の原料となるビニルエーテル化合物であれば特に限定されないが、以下の式(1)で示される化合物(A)を含むことが好ましい。
式(1)において、R1はエーテル結合を有する炭素数2〜20の炭化水素基、又はメチル基である。R2〜R4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。
重合工程は、ビニルエーテル化合物を原料モノマーとして重合触媒存在下で重合する工程である。
<ビニルエーテル化合物>
重合工程で使用されるビニルエーテル化合物は、潤滑油で基油として使用可能なポリビニルエーテル化合物の原料となるビニルエーテル化合物であれば特に限定されないが、以下の式(1)で示される化合物(A)を含むことが好ましい。
式(1)において、R1はエーテル結合を有する炭素数2〜20の炭化水素基、又はメチル基である。R2〜R4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。
一般式(1)のR2〜R4の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。R2〜R4として選択し得る上記炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも、R2〜R4としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。すべてが水素原子であると、R32等の冷媒との相溶性が高めやすくなり、かつ本製造方法における収率の改善効果を発揮させやすくなる。
なお、R2〜R4は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、上記式中のR1〜R4は、構成単位毎に同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、ポリビニルエーテル化合物は、R1〜R4のいずれか又は全部が構成単位毎に異なる共重合体を含むことができる。
これらの中でも、R2〜R4としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。すべてが水素原子であると、R32等の冷媒との相溶性が高めやすくなり、かつ本製造方法における収率の改善効果を発揮させやすくなる。
なお、R2〜R4は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、上記式中のR1〜R4は、構成単位毎に同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、ポリビニルエーテル化合物は、R1〜R4のいずれか又は全部が構成単位毎に異なる共重合体を含むことができる。
式(1)における−OR1の具体例としては、−OCH3又は以下の式(1-1)で表される基が好ましい。
−(OR11)rOR12 (1-1)
式(1-1)において、R11は、炭素数2〜10の2価の炭化水素基を示し、R11の炭素数は好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。
また、rは、1〜9の整数を示し、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、更に好ましくは1ある。なお、rが2以上である場合、複数のR11は同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
また、R12は、炭素数1〜10の炭化水素基を示し、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4である。
−(OR11)rOR12 (1-1)
式(1-1)において、R11は、炭素数2〜10の2価の炭化水素基を示し、R11の炭素数は好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。
また、rは、1〜9の整数を示し、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、更に好ましくは1ある。なお、rが2以上である場合、複数のR11は同一であってもよく、互いに異なるものであってもよい。
また、R12は、炭素数1〜10の炭化水素基を示し、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜4である。
R11として選択し得る2価の炭化水素基としては、例えば、エチレン基、フェニルエチレン基、1,2−プロピレン基、2−フェニル−1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種ヘプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基等のアルキレン基;シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、エチルシクロヘキシレン基、ジメチルシクロヘキシレン基、プロピルシクロヘキシレン基等の二価の脂環式炭化水素基;各種フェニレン基、各種メチルフェニレン基、各種エチルフェニレン基、各種ジメチルフェニレン基、各種ナフチレン基等の二価の芳香族炭化水素基;トルエン、エチルベンゼン等のアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有する二価のアルキル芳香族炭化水素基;キシレン、ジエチルベンゼン等のポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有する二価のアルキル芳香族炭化水素基;等が挙げられる。これらの中でもR11としては、アルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましく、エチレン基が特に好ましい。
R12として選択し得る炭化水素基としては、上述のR2〜R4として選択し得る炭素数1〜8の炭化水素基として例示された基に加えて、例えば、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;各種プロピルシクロヘキシル基、各種トリメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも、R12としては、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
また、R1としては、エーテル結合を有する炭素数3〜10の炭化水素基、又はメチル基がより好ましく、エーテル結合を有する炭素数3〜7の炭化水素基、又はメチル基がよりさらに好ましい。
また、R1としては、エーテル結合を有する炭素数3〜10の炭化水素基、又はメチル基がより好ましく、エーテル結合を有する炭素数3〜7の炭化水素基、又はメチル基がよりさらに好ましい。
本実施形態では、上記式(1)で示される化合物を原料モノマーとして使用することで、得られるポリビニルエーテル化合物は、R32等の冷媒との相溶性を高めることが可能になる。なお、本明細書において、用語“原料モノマー”とは、ポリビニルエーテル化合物の原料となるモノマーを意味し、原料モノマーは、重合工程において反応系内に投入される。
ここで、上記式(1)で示される好適な化合物(A)としては、具体的には、メチルビニルエーテル、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル、(2−(2−メトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルモノビニルエーテルが挙げられる。これらの中でも、中でもメチルビニルエーテル、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルが好ましい。
化合物(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、上記式(1)で示される好適な化合物(A)としては、具体的には、メチルビニルエーテル、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル、(2−(2−メトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルモノビニルエーテルが挙げられる。これらの中でも、中でもメチルビニルエーテル、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルが好ましい。
化合物(A)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビニルエーテル化合物は、式(1)で示される化合物(A)を含む場合、化合物(A)を単独で重合して製造するものであってもよいが、式(1)で示される化合物(A)と、式(1)で示される化合物(A)以外の化合物とを共重合することで製造するものであってもよい。ここで、化合物(A)以外の化合物としては、以下の式(2)で示される化合物(B)が挙げられる。
すなわち、原料モノマーとして使用されるビニルエーテル化合物は、化合物(A)のみであってもよいし、化合物(A)と、化合物(A)以外の化合物(例えば、化合物(B))とからなるものであってもよい。
すなわち、原料モノマーとして使用されるビニルエーテル化合物は、化合物(A)のみであってもよいし、化合物(A)と、化合物(A)以外の化合物(例えば、化合物(B))とからなるものであってもよい。
式(2)において、R5は炭素数2〜20の炭化水素基、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す
R5における炭素数2〜20の炭化水素基は、好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは2〜6、最も好ましくは炭素数2〜4である。
R5として選択し得る炭化水素基の具体例としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基、各種プロピルシクロヘキシル基、各種トリメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基、各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。
R5として選択し得る炭化水素基の具体例としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基、各種プロピルシクロヘキシル基、各種トリメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基、各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基;等が挙げられる。
一般式(2)のR6〜R8の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2である。R6〜R8として選択し得る上記炭化水素基としては、上述のR2〜R4として選択し得る炭化水素基と同じものが挙げられる。
R6〜R8としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。すべてが水素原子であると、各種冷媒との相溶性を高め、かつ本製造方法における収率の改善効果を発揮させやすくなる。
なお、R6〜R8は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、上記式中のR5〜R8は、構成単位毎に同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、ポリビニルエーテル化合物は、R5〜R8のいずれか又は全部が構成単位毎に異なる共重合体を含むことができる。
また、式(1)で示す化合物(A)と、式(2)で示す化合物(B)とを併用する場合には、化合物(A)のR2〜R4がすべて水素原子で、かつ化合物(B)のR6〜R8のすべてが水素原子であることが特に好ましい。
R6〜R8としては、すべてが水素原子又はアルキル基であることが好ましく、すべてが水素原子であることがより好ましい。すべてが水素原子であると、各種冷媒との相溶性を高め、かつ本製造方法における収率の改善効果を発揮させやすくなる。
なお、R6〜R8は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、上記式中のR5〜R8は、構成単位毎に同一であってもよく、異なっていてもよい。すなわち、ポリビニルエーテル化合物は、R5〜R8のいずれか又は全部が構成単位毎に異なる共重合体を含むことができる。
また、式(1)で示す化合物(A)と、式(2)で示す化合物(B)とを併用する場合には、化合物(A)のR2〜R4がすべて水素原子で、かつ化合物(B)のR6〜R8のすべてが水素原子であることが特に好ましい。
本実施形態では、式(2)で示される化合物(B)を使用し、ポリビニルエーテル化合物を、化合物(A)と化合物(B)との共重合体とすることで、ポリビニルエーテル化合物の体積抵抗率を高くしやすくなる。そのため、ポリビニルエーテル化合物を、圧縮機内部にモーターが内蔵された密閉型冷凍機用の冷凍機油等に使用する場合であっても、漏電を防止しやすくなる。
また、式(2)で示される化合物(B)としては、R5がアルキル基であることがより好ましく、中でもR6〜R8が水素原子であるとともにR5が炭素数2〜4のアルキル基であることがさらに好ましく、特にR5がエチル基であることが好ましい。すなわち、化合物(B)としては、エチルビニルエーテルが特に好ましい。
また、式(2)で示される化合物(B)としては、R5がアルキル基であることがより好ましく、中でもR6〜R8が水素原子であるとともにR5が炭素数2〜4のアルキル基であることがさらに好ましく、特にR5がエチル基であることが好ましい。すなわち、化合物(B)としては、エチルビニルエーテルが特に好ましい。
また、重合工程で原料モノマーとして使用されるビニルエーテル化合物は、式(1)で示される化合物(A)と、式(2)で示される化合物(B)とを、化合物(A)と化合物(B)のモル比(A:B)が1:9〜10:0となるように含有することが好ましい。ここで、モル比(A:B)が10:0とは、化合物(B)が反応系に仕込まれず、得られるポリビニルエーテル化合物に化合物(B)由来の構成単位を含有しないことを意味する。
上記モル比(A:B)は、好ましくは2:8〜10:0、より好ましくは3:7〜10:0である。
上記モル比(A:B)は、好ましくは2:8〜10:0、より好ましくは3:7〜10:0である。
本製造方法で得られるポリビニルエーテル化合物は、上記化合物(A)からなる原料モノマーのみを重合して得られたものでもあってもよいし、化合物(A)及び(B)からなる原料モノマーのみを共重合したものであってもよいが、化合物(A)又は化合物(A)及び(B)に加えて、化合物(A)、(B)以外の原料モノマーを共重合体したものであってもよい。
すなわち、重合工程において、反応系内には、化合物(A)、(B)以外の原料モノマーが仕込まれてもよい。化合物(A)、(B)以外の原料モノマーとしては、上記化合物(A),(B)以外のビニルエーテル化合物等のビニル基を有する化合物が挙げられる。
ただし、原料モノマーは、化合物(A)又は化合物(A)、(B)を主成分とすることが好ましい。したがって、反応系内に仕込まれる化合物(A)及び化合物(B)の合計量は、原料モノマー全量基準で、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、より更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは100モル%である。
また、ポリビニルエーテル化合物は、共重合体であるとき、ランダムで共重合されたものであってもよいし、ブロックで共重合されたものであってもよい。
すなわち、重合工程において、反応系内には、化合物(A)、(B)以外の原料モノマーが仕込まれてもよい。化合物(A)、(B)以外の原料モノマーとしては、上記化合物(A),(B)以外のビニルエーテル化合物等のビニル基を有する化合物が挙げられる。
ただし、原料モノマーは、化合物(A)又は化合物(A)、(B)を主成分とすることが好ましい。したがって、反応系内に仕込まれる化合物(A)及び化合物(B)の合計量は、原料モノマー全量基準で、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、より更に好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは100モル%である。
また、ポリビニルエーテル化合物は、共重合体であるとき、ランダムで共重合されたものであってもよいし、ブロックで共重合されたものであってもよい。
<重合触媒>
本製造方法で使用される重合触媒としては、ルイス酸類等の酸触媒が挙げられる。
ルイス酸類としては、例えば、三フッ化ホウ素及びその錯体類、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化亜鉛、塩化第二鉄等が挙げられる。
これらの中では、三フッ化ホウ素及びその錯体類がより好ましい。三フッ化ホウ素及びその錯体類を使用することで、良好な反応性で、高収率でポリビニルエーテル化合物を製造することが可能になる。
また、三フッ化ホウ素及びその錯体類の中でも、三フッ化ホウ素エーテル錯体がよりさらに好ましく、その具体例としては三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が挙げられる。また、三フッ化ホウ素メタノール錯体も錯体類の好ましい具体例として挙げられる。
重合触媒の使用量は、後述の開始剤に対してモル比で、好ましくは1/30〜1/600であり、より好ましくは1/50〜1/500、さらに好ましくは1/100〜1/400である。
本製造方法で使用される重合触媒としては、ルイス酸類等の酸触媒が挙げられる。
ルイス酸類としては、例えば、三フッ化ホウ素及びその錯体類、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四塩化スズ、二塩化亜鉛、塩化第二鉄等が挙げられる。
これらの中では、三フッ化ホウ素及びその錯体類がより好ましい。三フッ化ホウ素及びその錯体類を使用することで、良好な反応性で、高収率でポリビニルエーテル化合物を製造することが可能になる。
また、三フッ化ホウ素及びその錯体類の中でも、三フッ化ホウ素エーテル錯体がよりさらに好ましく、その具体例としては三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体が挙げられる。また、三フッ化ホウ素メタノール錯体も錯体類の好ましい具体例として挙げられる。
重合触媒の使用量は、後述の開始剤に対してモル比で、好ましくは1/30〜1/600であり、より好ましくは1/50〜1/500、さらに好ましくは1/100〜1/400である。
<開始剤>
ビニルエーテル化合物の重合は、開始剤存在下で行うことが好ましい。使用する開始剤としては、水、アルコール類、フェノール類、アセタール類、及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物等が挙げられるが、中でもアルコール類、アセタール類が好ましい。
具体的には、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒドメチルエチルアセタール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドビス(2−メトキシエチル)アセタール、アセトアルデヒド−エチル−2−メトキシエチルアセタール、アセトアルデヒド−メチル−2−メトキシエチルアセタール等のアセタール類が挙げられる。
これらの中では、開始剤は、メタノール、2−メトキシエタノール、アセトアルデヒドジメチルアセタール、及びアセトアルデヒドビス(2−メトキシエチル)アセタールから選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
開始剤は、1種単独で使用してもよいが、2種併用してもよい。
ビニルエーテル化合物の重合は、開始剤存在下で行うことが好ましい。使用する開始剤としては、水、アルコール類、フェノール類、アセタール類、及びビニルエーテル類とカルボン酸との付加物等が挙げられるが、中でもアルコール類、アセタール類が好ましい。
具体的には、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアルデヒドメチルエチルアセタール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドビス(2−メトキシエチル)アセタール、アセトアルデヒド−エチル−2−メトキシエチルアセタール、アセトアルデヒド−メチル−2−メトキシエチルアセタール等のアセタール類が挙げられる。
これらの中では、開始剤は、メタノール、2−メトキシエタノール、アセトアルデヒドジメチルアセタール、及びアセトアルデヒドビス(2−メトキシエチル)アセタールから選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
開始剤は、1種単独で使用してもよいが、2種併用してもよい。
また、開始剤は、ポリビニルエーテル化合物の側鎖と同じ構造を有するものを使用することが好ましい。そのため、原料モノマーとして化合物(A)を使用する場合、開始剤としては、式(1)におけるR1と同じ基を有する、アルコール類及びアセタール類から選択されることが好ましい。
また、原料モノマーを2種以上使用する場合には、原料モノマーに合わせて開始剤も2種以上使用することが好ましい。例えば、原料モノマーとして化合物(A)に加え化合物(B)も使用する場合、開始剤としては、上記R1と同じ基を有するアルコール類及びアセタール類から選択されるものに加え、式(2)におけるR5と同じ基を有するアルコール類及びアセタール類から選択されるものも使用することが好ましい。原料モノマーにあわせて開始剤も2種以上使用する場合、各開始剤の比率は、対応する各原料モノマーの比率に一致するように調整することが好ましい。
また、原料モノマーを2種以上使用する場合には、原料モノマーに合わせて開始剤も2種以上使用することが好ましい。例えば、原料モノマーとして化合物(A)に加え化合物(B)も使用する場合、開始剤としては、上記R1と同じ基を有するアルコール類及びアセタール類から選択されるものに加え、式(2)におけるR5と同じ基を有するアルコール類及びアセタール類から選択されるものも使用することが好ましい。原料モノマーにあわせて開始剤も2種以上使用する場合、各開始剤の比率は、対応する各原料モノマーの比率に一致するように調整することが好ましい。
例えば、原料モノマーとしてメチルビニルエーテルを使用する場合、開始剤としてはメタノール及びアセトアルデヒドジメチルアセタールから選択され、また、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルを使用する場合には、2−メトキシエタノール及びアセトアルデヒドビス(2−メトキシエチル)アセタールから選択されることが好ましい。また、例えば、化合物(B)としてエチルビニルエーテルを使用する場合、開始剤としてはエタノールやアセトアルデヒドジエチルアセタールを使用することが好ましい。
開始剤の使用量は、原料モノマーに対してモル比で、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.02〜0.3、さらに好ましくは0.05〜0.2である。開始剤と、原料モノマーとの比を調整することで、得られるポリビニルエーテル化合物の重合度を調整することが可能であるが、上記した範囲内のモル比とすることで、後述する40℃動粘度を有するポリビニルエーテル化合物を得やすくなる。
重合工程は、ビニルエーテル化合物を重合触媒存在下で重合できる方法で行えばよいが、重合触媒及び開始剤が存在する反応系内に、原料モノマーを添加して、重合反応を進行させる方法が好ましい。原料モノマーを2種以上使用する場合、2種以上の原料モノマーを混合したものを反応系内に添加してもよいし、2種以上の原料モノマーを別々に反応系内に添加してもよい。
重合反応は、使用する原料モノマーや開始剤の種類にもよるが、通常−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜50℃の温度で行う。また、重合反応の反応時間は、10秒〜10時間程度、好ましくは1時間〜10時間で、より好ましくは2時間〜8時間である。
重合反応は、使用する原料モノマーや開始剤の種類にもよるが、通常−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜50℃の温度で行う。また、重合反応の反応時間は、10秒〜10時間程度、好ましくは1時間〜10時間で、より好ましくは2時間〜8時間である。
[除去工程]
除去工程は、上記重合工程の後に、重合触媒を吸着剤により除去する工程である。
本製造方法では、除去工程において、重合触媒を吸着剤により取り除くことで、重合反応後に水洗を行う必要がなくなるため、水洗を行うことで生じるポリビニルエーテル化合物の損失が防止される。特に、上記した化合物(A)を使用した場合、得られるポリビニルエーテル化合物は、水への溶解性が高くなるが、本製造方法では、そのような場合でも、水洗を行う場合に比べて高収率でポリビニルエーテル化合物を製造することが可能になる。
さらに、水洗による低分子量のポリビニルエーテル化合物の損失も防止されるため、得られるポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度を低く維持し、かつ二層分離温度を低くしやくなる。
除去工程は、上記重合工程の後に、重合触媒を吸着剤により除去する工程である。
本製造方法では、除去工程において、重合触媒を吸着剤により取り除くことで、重合反応後に水洗を行う必要がなくなるため、水洗を行うことで生じるポリビニルエーテル化合物の損失が防止される。特に、上記した化合物(A)を使用した場合、得られるポリビニルエーテル化合物は、水への溶解性が高くなるが、本製造方法では、そのような場合でも、水洗を行う場合に比べて高収率でポリビニルエーテル化合物を製造することが可能になる。
さらに、水洗による低分子量のポリビニルエーテル化合物の損失も防止されるため、得られるポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度を低く維持し、かつ二層分離温度を低くしやくなる。
<吸着剤>
除去工程において使用される吸着剤は、第2族元素を含む吸着剤が挙げられる。第2族元素とは、周期表の第2族に属する元素をいい、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられる。
第2族元素を含む吸着剤としては、第2族元素の酸化物、水酸化物等が挙げられ、具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、ハイドロタルサイトが挙げられる。
吸着剤としては、上記した中では、水酸化カルシウム、及びハイドロタルサイトが好ましく、中でもハイドロタルサイトが好ましい。
除去工程において使用される吸着剤は、第2族元素を含む吸着剤が挙げられる。第2族元素とは、周期表の第2族に属する元素をいい、具体的には、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムが挙げられる。
第2族元素を含む吸着剤としては、第2族元素の酸化物、水酸化物等が挙げられ、具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、ハイドロタルサイトが挙げられる。
吸着剤としては、上記した中では、水酸化カルシウム、及びハイドロタルサイトが好ましく、中でもハイドロタルサイトが好ましい。
除去工程において使用される吸着剤は、粒径が500μm以下である吸着剤の割合が、98%以上であることが好ましく、99〜100%であることがより好ましい。これらの中でも粒径が106μm以下の吸着剤の割合が90%以上であるものがさらに好ましく、特に、粒径が45〜106μmの吸着剤の割合が50%以上であるものが特に好ましい。なお、これら割合は、ふるい試験にて測定されるものである。
このように、粒径が比較的細かいものを多く含む吸着剤を使用することで、効果的に重合触媒を吸着することが可能である。
上記平均粒径を有する吸着剤としては、例えばハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが挙げられ、その市販品として、協和化学工業株式会社製のキョーワード500(商品名)等が挙げられる。
このように、粒径が比較的細かいものを多く含む吸着剤を使用することで、効果的に重合触媒を吸着することが可能である。
上記平均粒径を有する吸着剤としては、例えばハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが挙げられ、その市販品として、協和化学工業株式会社製のキョーワード500(商品名)等が挙げられる。
除去工程において使用する吸着剤の量は、原料モノマーと開始剤の合計量に対して質量比で、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.3〜2質量%がさらに好ましい。吸着剤の量を上記の範囲内とすることで、吸着剤の使用量を抑えつつ、重合触媒を適切に反応系から除去することが可能である。
除去工程は、上記重合工程にて得られたポリビニルエーテル化合物を含む反応液(すなわち、重合工程後の反応系内)に、吸着剤を添加し攪拌して、その後、濾過等により吸着剤を除去することにより行うことが好ましい。
また、吸着剤を添加した系内を攪拌する時間は、0.1〜10時間が好ましく、0.2〜5時間がより好ましく、0.5〜1時間がさらに好ましい。さらに、攪拌するときの系内の温度は、特に限定されないが、0〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましく、20〜40℃がさらに好ましい。
また、吸着剤を添加した系内を攪拌する時間は、0.1〜10時間が好ましく、0.2〜5時間がより好ましく、0.5〜1時間がさらに好ましい。さらに、攪拌するときの系内の温度は、特に限定されないが、0〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましく、20〜40℃がさらに好ましい。
上記した重合工程及び除去工程は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。すなわち、本製造方法では、溶媒を反応系に仕込んで重合反応を溶媒存在下で行い、その溶媒を取り除くことなく、除去工程における系内にもポリビニルエーテル化合物と溶媒を存在させることが好ましい。なお、溶媒を反応系内に仕込むタイミングは、通常、ビニルエーテル化合物を反応系内に添加する前である。
使用する溶媒としては、原料モノマーを必要量溶解することができ、かつ重合反応において不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。
溶媒の仕込み量は、開始剤及び原料モノマーの合計量に対し質量比で、0.01〜1.0であることが好ましく、0.1〜0.5倍がより好ましく、0.15〜0.4倍がさらに好ましい。
使用する溶媒としては、原料モノマーを必要量溶解することができ、かつ重合反応において不活性なものであれば特に制限はないが、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。
溶媒の仕込み量は、開始剤及び原料モノマーの合計量に対し質量比で、0.01〜1.0であることが好ましく、0.1〜0.5倍がより好ましく、0.15〜0.4倍がさらに好ましい。
溶媒は、除去工程の後、反応系内から取り除かれる。溶媒の除去は、後述する水素化処理を行う場合には、水素化処理工程の前に行うことが好ましい。
また、溶媒の除去は、減圧下で溶媒を系外に留出させることで行うが、例えば、未反応のモノマー成分、重合度が低いポリビニルエーテル化合物(例えば、二量体)等の軽質分も溶媒とともに除去してもよい。
また、溶媒の除去は、減圧下で溶媒を系外に留出させることで行うが、例えば、未反応のモノマー成分、重合度が低いポリビニルエーテル化合物(例えば、二量体)等の軽質分も溶媒とともに除去してもよい。
[水素化処理工程]
本製造方法では、上記除去工程後、さらに水素化処理を行うことが好ましい。水素化処理工程では、得られたポリビニルエーテル化合物に対して、水素添加反応を行う。上記重合工程、及び除去工程後のポリビニルアルコール化合物は、分子末端に、アセタール、不飽和結合、アルデヒド等を有することがあるが、水素添加反応によりこれらを飽和結合及びエーテルとすることができる。
水素添加反応は、水素化触媒の存在下、反応系内に水素ガスを導入して行うことが好ましい。水素ガスを導入する際の水素圧は、通常、0.05〜10MPa、好ましくは1〜6MPaであり、また、水素添加反応は、通常10〜250℃、好ましくは50〜200℃で行われる。
水素化触媒としては、例えば、ニッケル系触媒、白金系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒等の金属触媒が挙げられ、これらの金属触媒をアルミナや珪藻土等に担持した触媒や、ラネー型触媒等も使用できる。
また、水素化処理は、溶媒存在下で行ってもよい。水素化処理工程で使用する溶媒は、重合工程及び除去工程で使用した溶媒と同じでもよいが、異なることが好ましい。水素化処理工程で使用される溶媒は、例えばイソオクタン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。
本製造方法では、上記除去工程後、さらに水素化処理を行うことが好ましい。水素化処理工程では、得られたポリビニルエーテル化合物に対して、水素添加反応を行う。上記重合工程、及び除去工程後のポリビニルアルコール化合物は、分子末端に、アセタール、不飽和結合、アルデヒド等を有することがあるが、水素添加反応によりこれらを飽和結合及びエーテルとすることができる。
水素添加反応は、水素化触媒の存在下、反応系内に水素ガスを導入して行うことが好ましい。水素ガスを導入する際の水素圧は、通常、0.05〜10MPa、好ましくは1〜6MPaであり、また、水素添加反応は、通常10〜250℃、好ましくは50〜200℃で行われる。
水素化触媒としては、例えば、ニッケル系触媒、白金系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒等の金属触媒が挙げられ、これらの金属触媒をアルミナや珪藻土等に担持した触媒や、ラネー型触媒等も使用できる。
また、水素化処理は、溶媒存在下で行ってもよい。水素化処理工程で使用する溶媒は、重合工程及び除去工程で使用した溶媒と同じでもよいが、異なることが好ましい。水素化処理工程で使用される溶媒は、例えばイソオクタン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。
<ポリビニルエーテル化合物>
上記製造方法で得られるポリビニルエーテル化合物の重合度は、特に限定されないが、ポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度が、5〜1000mm2/sとなるような範囲であることが好ましい。40℃動粘度がこの範囲内であると、ポリビニルエーテル化合物を潤滑油の基油として適切に使用することが可能である。
上記製造方法で得られる水素化処理工程前のポリビニルエーテル化合物の収率は、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上である。なお、この収率は、開始剤及び原料モノマーの合計量に対する、得られたポリビニルエーテル化合物の比率を質量%で示したものである。
ポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度は、上記観点から、より好ましくは7〜300mm2/s、更に好ましくは10〜150mm2/s、より更に好ましくは20〜110mm2/sである。
比較的低粘度のポリビニルエーテル化合物は、例えば化合物(A)由来の構成単位を有する場合、水への溶解度が高くなる傾向にあるが、本製造方法では、吸着剤による上記除去工程を行うことで水洗を行う必要がないので、収率が低下することを防止する。
なお、本明細書において、40℃動粘度は、JIS K2283:1983に準拠して測定された値を意味する。
上記製造方法で得られるポリビニルエーテル化合物の重合度は、特に限定されないが、ポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度が、5〜1000mm2/sとなるような範囲であることが好ましい。40℃動粘度がこの範囲内であると、ポリビニルエーテル化合物を潤滑油の基油として適切に使用することが可能である。
上記製造方法で得られる水素化処理工程前のポリビニルエーテル化合物の収率は、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上である。なお、この収率は、開始剤及び原料モノマーの合計量に対する、得られたポリビニルエーテル化合物の比率を質量%で示したものである。
ポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度は、上記観点から、より好ましくは7〜300mm2/s、更に好ましくは10〜150mm2/s、より更に好ましくは20〜110mm2/sである。
比較的低粘度のポリビニルエーテル化合物は、例えば化合物(A)由来の構成単位を有する場合、水への溶解度が高くなる傾向にあるが、本製造方法では、吸着剤による上記除去工程を行うことで水洗を行う必要がないので、収率が低下することを防止する。
なお、本明細書において、40℃動粘度は、JIS K2283:1983に準拠して測定された値を意味する。
また、ポリビニルエーテル化合物は、低温環境下、例えば−30℃以下の環境下においても、R32冷媒等の各種冷媒との相溶性に優れることが好ましい。具体的には、ポリビニルエーテル化合物のR32冷媒との低温側での二層分離温度が、好ましくは−30℃以下、より好ましくは−35℃以下、更に好ましくは−40℃以下である。
本製造方法では、原料モノマーとして化合物(A)を使用することで、ポリビニルエーテル化合物は、上記したように低温環境下における相溶性を優れたものとすることが可能である。したがって、本製造方法では、R32等の冷媒と相溶性に優れたポリビニルエーテル化合物を高収率で製造することが可能になる。
なお、本明細書において、「冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度」は、冷凍機油/R32冷媒=15/85(質量比)からなる冷凍機油とR32冷媒との混合物を試料として用いて、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
本製造方法では、原料モノマーとして化合物(A)を使用することで、ポリビニルエーテル化合物は、上記したように低温環境下における相溶性を優れたものとすることが可能である。したがって、本製造方法では、R32等の冷媒と相溶性に優れたポリビニルエーテル化合物を高収率で製造することが可能になる。
なお、本明細書において、「冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度」は、冷凍機油/R32冷媒=15/85(質量比)からなる冷凍機油とR32冷媒との混合物を試料として用いて、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
[潤滑油の製造方法]
本発明の一実施形態に係る潤滑油の製造方法は、上記したポリビニルエーテル化合物の製造方法により得られたポリビニルエーテル化合物を少なくとも含有する潤滑油を調整するものである。潤滑油は、冷凍機用の潤滑油である冷凍機油であることが好ましい。
ポリビニルエーテル化合物は、潤滑油において基油を構成する。潤滑油は、ポリビニルエーテル化合物のみからなるものであってもよいが、ポリビニルエーテル化合物以外の基油、及び各種添加剤をさらに含有してもよい。
潤滑油においてポリビニルエーテル化合物の含有量は、潤滑油の全量(100質量%)基準で、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは75〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは85〜100質量%である。
本発明の一実施形態に係る潤滑油の製造方法は、上記したポリビニルエーテル化合物の製造方法により得られたポリビニルエーテル化合物を少なくとも含有する潤滑油を調整するものである。潤滑油は、冷凍機用の潤滑油である冷凍機油であることが好ましい。
ポリビニルエーテル化合物は、潤滑油において基油を構成する。潤滑油は、ポリビニルエーテル化合物のみからなるものであってもよいが、ポリビニルエーテル化合物以外の基油、及び各種添加剤をさらに含有してもよい。
潤滑油においてポリビニルエーテル化合物の含有量は、潤滑油の全量(100質量%)基準で、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは75〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%、より更に好ましくは85〜100質量%である。
ポリビニルエーテル化合物以外の基油としては、ポリアルキレングリコール系化合物等のポリビニルエーテル化合物以外のエーテル系化合物、及びポリオールエステル系化合物等が挙げられる。潤滑油において、ポリビニルエーテル化合物以外の他の基油の含有量は、ポリビニルエーテル化合物100質量部に対して、好ましくは0〜30質量部、より好ましくは0〜20質量部、更に好ましくは0〜10質量部、より更に好ましくは0〜3質量部である。
また、添加剤としては、潤滑油に従来使用される各種添加剤が使用可能である。その添加剤としては、潤滑油が冷凍機油として使用される場合には、耐荷重添加剤、塩素捕捉剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、消泡剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、油性剤、極圧剤、防錆剤、耐摩耗剤、流動点降下剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤の合計含有量は、ポリビニルエーテル化合物100質量部に対して、好ましくは0〜20質量部、より好ましくは0〜10質量部、更に好ましくは0〜5質量部、より更に好ましくは0〜2質量部である。なお、本明細書において、“含有量0質量部”とは、その化合物が潤滑油に含有されていないことを意味する。
添加剤の合計含有量は、ポリビニルエーテル化合物100質量部に対して、好ましくは0〜20質量部、より好ましくは0〜10質量部、更に好ましくは0〜5質量部、より更に好ましくは0〜2質量部である。なお、本明細書において、“含有量0質量部”とは、その化合物が潤滑油に含有されていないことを意味する。
また、上記潤滑油は、冷凍機用の潤滑油(すなわち、冷凍機油)として使用される場合には、冷凍機において冷媒と混合されて使用される。すなわち、冷凍機においては、潤滑油(冷凍機油)、及び冷媒を含有する冷凍機用組成物が使用される。
冷凍機用組成物において、冷凍機油と冷媒との含有量比(冷凍機油/R32冷媒)としては、質量比で、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜60/40、さらに好ましくは5/95〜25/75である。
冷凍機用組成物において、冷凍機油と冷媒との含有量比(冷凍機油/R32冷媒)としては、質量比で、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜60/40、さらに好ましくは5/95〜25/75である。
[冷媒]
冷凍機油とともに使用される冷媒としては、フッ化炭化水素冷媒、自然冷媒等が挙げられる。フッ化炭化水素冷媒としては、飽和フッ化炭化水素冷媒、不飽和フッ化炭化水素冷媒が挙げられる。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、例えば、ジフルオロメタン(R32)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)等が挙げられる。
また、これら飽和フッ化炭化水素冷媒を2以上混合した混合冷媒も使用でき、当該混合冷媒としては、例えば、R404A(R125、R143a、R134aの混合物)、R407A、R407C、R407E(以上は、R32、R125、R134aの混合物)、R410A(R32、R125の混合物)、R507A(R125、R143aの混合物)等が挙げられる。
冷凍機油とともに使用される冷媒としては、フッ化炭化水素冷媒、自然冷媒等が挙げられる。フッ化炭化水素冷媒としては、飽和フッ化炭化水素冷媒、不飽和フッ化炭化水素冷媒が挙げられる。
飽和フッ化炭化水素冷媒としては、例えば、ジフルオロメタン(R32)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)等が挙げられる。
また、これら飽和フッ化炭化水素冷媒を2以上混合した混合冷媒も使用でき、当該混合冷媒としては、例えば、R404A(R125、R143a、R134aの混合物)、R407A、R407C、R407E(以上は、R32、R125、R134aの混合物)、R410A(R32、R125の混合物)、R507A(R125、R143aの混合物)等が挙げられる。
不飽和フッ化炭化水素冷媒としては、例えば、1,1,2−トリフルオロエチレン(R1123)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(R1225ye)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yz)等が挙げられる。
自然系冷媒としては、二酸化炭素(炭酸ガス)、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタンイソブタン、ノルマルブタン等の炭化水素冷媒、アンモニアが挙げられる。
これら冷媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
自然系冷媒としては、二酸化炭素(炭酸ガス)、プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタンイソブタン、ノルマルブタン等の炭化水素冷媒、アンモニアが挙げられる。
これら冷媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記した中では、温暖化係数の観点から、R134a、R410A、R407C、R404A、R1123、R1234yf、R1234ze、R32、二酸化炭素、アンモニア、プロパン、ブタン、イソブタンの単体またはこれらから選択される2種以上の混合物が好ましく、中でもR32が好ましい。R32を使用する場合、冷媒は、R32単体であってもよいし、R32と他の冷媒との混合物であってもよいが、R32単体であることがより好ましい。
上記製造方法により得たポリビニルエーテル化合物は、例えば原料モノマーとして上記式(1)で示す化合物(A)を使用することで、R32等、温暖化係数の低い各種冷媒との相溶性を良好にすることが可能である。
冷媒におけるR32冷媒の含有量は、冷媒全量(100質量%)基準で、好ましくは30〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは100質量%である。
上記製造方法により得たポリビニルエーテル化合物は、例えば原料モノマーとして上記式(1)で示す化合物(A)を使用することで、R32等、温暖化係数の低い各種冷媒との相溶性を良好にすることが可能である。
冷媒におけるR32冷媒の含有量は、冷媒全量(100質量%)基準で、好ましくは30〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは100質量%である。
[冷凍機]
本発明の一実施形態に係る冷凍機は、上述の冷凍機油(潤滑油)又は冷凍機油組成物を用いたものであって、当該冷凍機油又は冷凍機油組成物は、当該冷凍機の内部に充填して使用される。
冷凍機としては、圧縮型冷凍機が好ましく、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁等)及び蒸発器を備える冷凍サイクル、あるいは、圧縮機、凝縮器、膨張機構、乾燥器及び蒸発器を備える冷凍サイクルを有するものであることがより好ましい。
冷凍機油は、例えば、圧縮機等に設けられる摺動部分を潤滑するために使用される。
冷凍機としては、例えば、エアコン、ガスヒートポンプ(GHP)、空調、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、給湯機、床暖房等が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態のポリビニルエーテル化合物は、式(1)で示される化合物(A)を原料ポリマーとして使用することで−30℃以下の低温環境下においても、R32冷媒との相溶性に優れるため、寒冷地でのヒートポンプ用途や、低温倉庫でのエアコン用途に使用される冷凍機が好ましい。
本発明の一実施形態に係る冷凍機は、上述の冷凍機油(潤滑油)又は冷凍機油組成物を用いたものであって、当該冷凍機油又は冷凍機油組成物は、当該冷凍機の内部に充填して使用される。
冷凍機としては、圧縮型冷凍機が好ましく、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁等)及び蒸発器を備える冷凍サイクル、あるいは、圧縮機、凝縮器、膨張機構、乾燥器及び蒸発器を備える冷凍サイクルを有するものであることがより好ましい。
冷凍機油は、例えば、圧縮機等に設けられる摺動部分を潤滑するために使用される。
冷凍機としては、例えば、エアコン、ガスヒートポンプ(GHP)、空調、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、給湯機、床暖房等が挙げられる。
これらの中でも、本実施形態のポリビニルエーテル化合物は、式(1)で示される化合物(A)を原料ポリマーとして使用することで−30℃以下の低温環境下においても、R32冷媒との相溶性に優れるため、寒冷地でのヒートポンプ用途や、低温倉庫でのエアコン用途に使用される冷凍機が好ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で得られたポリビニルエーテル化合物の性状の測定法は以下のとおりである。
なお、実施例及び比較例で得られたポリビニルエーテル化合物の性状の測定法は以下のとおりである。
(1)40℃動粘度
JIS K2283:1983に準拠して測定した。
(2)R32冷媒との低温側での二層分離温度の測定
ポリビニルエーテル化合物(冷凍機油)/ジフルオロメタン(R32)=15/85(質量比)からなる混合物(冷凍機油濃度:15質量%)を調整し、当該混合物を耐圧ガラスアンプルに加え、これを真空配管及びR32冷媒配管に接続した。当該アンプルを室温で真空脱気後、液体窒素で冷却して、所定量のR32冷媒をR32冷媒配管を介して、当該アンプル内に採取した後、アンプルを封止した。
次いで、アンプルにレーザーを照射しアンプルの光線透過率を測定しながら、恒温槽中を室温から徐々に冷却し、アンプルの光線透過率が、測定前のアンプルの光線透過率の50%となった温度を、測定対象である冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度とした。
JIS K2283:1983に準拠して測定した。
(2)R32冷媒との低温側での二層分離温度の測定
ポリビニルエーテル化合物(冷凍機油)/ジフルオロメタン(R32)=15/85(質量比)からなる混合物(冷凍機油濃度:15質量%)を調整し、当該混合物を耐圧ガラスアンプルに加え、これを真空配管及びR32冷媒配管に接続した。当該アンプルを室温で真空脱気後、液体窒素で冷却して、所定量のR32冷媒をR32冷媒配管を介して、当該アンプル内に採取した後、アンプルを封止した。
次いで、アンプルにレーザーを照射しアンプルの光線透過率を測定しながら、恒温槽中を室温から徐々に冷却し、アンプルの光線透過率が、測定前のアンプルの光線透過率の50%となった温度を、測定対象である冷凍機油のR32冷媒との低温側での二層分離温度とした。
[調製例1](水素添加触媒の調整)
SUS316L製の2L容積オートクレーブに、ニッケル珪藻土触媒(日揮触媒化成社製,商品名N113)6g及びイソオクタン300gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素置換し、次いで水素置換した後、水素圧を3.0MPaGとして昇温し、140℃で30分間保持後、室温まで冷却した。オートクレーブ内を窒素置換したのち、オートクレーブにアセトアルデヒドジエチルアセタール10gを加え、再び窒素置換し、次いで水素置換後、水素圧を3.0MPaGとして昇温した。130℃で30分間保持後、室温まで冷却した。昇温によりオートクレーブ内の圧力が上昇する一方、アセトアルデヒドジエチルアセタールが反応することにより、水素圧力の減少が認められた。圧力が減少し、3.0MPaG以下となった場合は水素を足し、3.0MPaGとした。室温まで冷却後脱圧し、次いで、オートクレーブ内を窒素置換した後、脱圧した。
SUS316L製の2L容積オートクレーブに、ニッケル珪藻土触媒(日揮触媒化成社製,商品名N113)6g及びイソオクタン300gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素置換し、次いで水素置換した後、水素圧を3.0MPaGとして昇温し、140℃で30分間保持後、室温まで冷却した。オートクレーブ内を窒素置換したのち、オートクレーブにアセトアルデヒドジエチルアセタール10gを加え、再び窒素置換し、次いで水素置換後、水素圧を3.0MPaGとして昇温した。130℃で30分間保持後、室温まで冷却した。昇温によりオートクレーブ内の圧力が上昇する一方、アセトアルデヒドジエチルアセタールが反応することにより、水素圧力の減少が認められた。圧力が減少し、3.0MPaG以下となった場合は水素を足し、3.0MPaGとした。室温まで冷却後脱圧し、次いで、オートクレーブ内を窒素置換した後、脱圧した。
[実施例1]
[重合工程]
攪拌機を取付けたガラス製1Lフラスコに、トルエン133g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.25)、開始剤としての2−メトキシエタノール33.6g(0.442mol、原料モノマーに対するモル比:0.090)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.2g(1.4mmol、開始剤に対するモル比:1/313)を入れた。また、1Lフラスコと別に用意した三角フラスコに、原料モノマーとして(2−メトキシエチル)ビニルエーテル500g(4.90mol)を入れた。1Lフラスコ内を撹拌しながら、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルをポンプで5cc/minで供給し,54g供給したところで一旦ポンプを停止した。反応により1Lフラスコ内の温度が上昇したことを確認した後、ポンプを再起動し、4時間かけて残りのビニルエーテルを供給した。この間、1Lフラスコ内の温度が25℃になるようにウオーターバスで温度を制御した。供給終了後さらに5分間撹拌した。
[重合工程]
攪拌機を取付けたガラス製1Lフラスコに、トルエン133g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.25)、開始剤としての2−メトキシエタノール33.6g(0.442mol、原料モノマーに対するモル比:0.090)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.2g(1.4mmol、開始剤に対するモル比:1/313)を入れた。また、1Lフラスコと別に用意した三角フラスコに、原料モノマーとして(2−メトキシエチル)ビニルエーテル500g(4.90mol)を入れた。1Lフラスコ内を撹拌しながら、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルをポンプで5cc/minで供給し,54g供給したところで一旦ポンプを停止した。反応により1Lフラスコ内の温度が上昇したことを確認した後、ポンプを再起動し、4時間かけて残りのビニルエーテルを供給した。この間、1Lフラスコ内の温度が25℃になるようにウオーターバスで温度を制御した。供給終了後さらに5分間撹拌した。
[除去工程]
次いで、上記1Lフラスコに吸着剤としてのハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製、商品名:キョーワード500SH、粒径500μm以下の割合100%、粒径106μm以下の割合94%、粒径45〜106μmの割合56%)を10g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.019)添加して、25℃で1時間撹拌した。次いで濾過することで吸着剤を取り除いた後、ロータリーエバポレーターで溶媒と軽質分を除去して粗製品を得た。
[水素化処理工程]
調製例1で調製した水素添加触媒入りのSUS−316L製2リットルオートクレーブに粗製品120gとイソオクタン300gを入れた。オートクレーブ内を水素で置換した後、水素圧を3.5MPaに保ち撹拌しながら30分で140℃に昇温し、さらに140℃で3時間反応した。反応終了後室温まで冷却し常圧まで減圧した。ろ紙を用いてろ過を行い、水素添加触媒を除去した。ロータリーエバポレーターを用い減圧下、溶媒、水分などを除去し、ポリビニルエーテル化合物を得た。
次いで、上記1Lフラスコに吸着剤としてのハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製、商品名:キョーワード500SH、粒径500μm以下の割合100%、粒径106μm以下の割合94%、粒径45〜106μmの割合56%)を10g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.019)添加して、25℃で1時間撹拌した。次いで濾過することで吸着剤を取り除いた後、ロータリーエバポレーターで溶媒と軽質分を除去して粗製品を得た。
[水素化処理工程]
調製例1で調製した水素添加触媒入りのSUS−316L製2リットルオートクレーブに粗製品120gとイソオクタン300gを入れた。オートクレーブ内を水素で置換した後、水素圧を3.5MPaに保ち撹拌しながら30分で140℃に昇温し、さらに140℃で3時間反応した。反応終了後室温まで冷却し常圧まで減圧した。ろ紙を用いてろ過を行い、水素添加触媒を除去した。ロータリーエバポレーターを用い減圧下、溶媒、水分などを除去し、ポリビニルエーテル化合物を得た。
[実施例2]
[重合工程]
攪拌機を取付けたガラス製1Lフラスコに,トルエン130g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.25)、開始剤としてのメタノール20.4g(0.637mol、原料モノマーに対するモル比:0.074)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.3g(2.1mmol、開始剤に対するモル比:1/301)を入れた。1Lフラスコ内を撹拌しながら、原料モノマーとしてメチルビニルエーテルをボンベからフラスコの液相部分に供給し、44g供給したところで一旦供給を停止した。反応によりフラスコ内の温度が上昇したことを確認した後、メチルビニルエーテル供給を再開し、4時間かけてさらに456gのメチルビニルエーテルを供給した(メチルビルニエーテル合計使用量:500g(8.61mol))。この間、フラスコ内の温度が25℃になるようにウオーターバスで温度を制御した。供給終了後さらに5分間撹拌した。
[重合工程]
攪拌機を取付けたガラス製1Lフラスコに,トルエン130g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.25)、開始剤としてのメタノール20.4g(0.637mol、原料モノマーに対するモル比:0.074)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.3g(2.1mmol、開始剤に対するモル比:1/301)を入れた。1Lフラスコ内を撹拌しながら、原料モノマーとしてメチルビニルエーテルをボンベからフラスコの液相部分に供給し、44g供給したところで一旦供給を停止した。反応によりフラスコ内の温度が上昇したことを確認した後、メチルビニルエーテル供給を再開し、4時間かけてさらに456gのメチルビニルエーテルを供給した(メチルビルニエーテル合計使用量:500g(8.61mol))。この間、フラスコ内の温度が25℃になるようにウオーターバスで温度を制御した。供給終了後さらに5分間撹拌した。
[除去工程、水素化処理工程]
次いで,1Lフラスコに、実施例1で使用した吸着剤と同様の吸着剤を10g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.019)添加して、25℃で1時間撹拌した。次いで濾過して吸着剤を取り除いた後、ロータリーエバポレーターで溶媒と軽質分を除去し、粗製品を得た。その後、実施例1と同様に、水素化処理を行いポリビニルエーテル化合物を得た。
次いで,1Lフラスコに、実施例1で使用した吸着剤と同様の吸着剤を10g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.019)添加して、25℃で1時間撹拌した。次いで濾過して吸着剤を取り除いた後、ロータリーエバポレーターで溶媒と軽質分を除去し、粗製品を得た。その後、実施例1と同様に、水素化処理を行いポリビニルエーテル化合物を得た。
[実施例3]
吸着剤を水酸化カルシウム粉末(平均粒径:6μm、粒径106μm以下の割合:100%)に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリビニルエーテル化合物を得た。
吸着剤を水酸化カルシウム粉末(平均粒径:6μm、粒径106μm以下の割合:100%)に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリビニルエーテル化合物を得た。
[実施例4]
攪拌機を取付けたガラス製1Lフラスコに,トルエン212g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.25)、開始剤としての2−メトキシエタノール20.5g及びエタノール28.9g(開始剤合計モル:0.897mol、モノマーに対するモル比:0.091、モル比3:7)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.35g(2.5mmol、開始剤に対するモル比1/364)を入れて混合した。また、1Lフラスコと別に用意した三角フラスコに、原料モノマーとして(2−メトキシエチル)ビニルエーテル302g及びエチルビニルエーテル498g(原料モノマー合計9.86mol、モル比3:7)を入れて混合した。1Lフラスコ内を撹拌しながら、三角フラスコのビニルエーテル混合物をポンプで5cc/minで供給し、94g供給したところで一旦ポンプを停止した。反応によりフラスコ内の温度が上昇したことを確認した後、ポンプを再起動し、4時間かけて残りのビニルエーテルを供給した。この間、フラスコ内の温度が25℃になるようにウオーターバスで温度を制御した。供給終了後さらに25℃で5分間撹拌した。
攪拌機を取付けたガラス製1Lフラスコに,トルエン212g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.25)、開始剤としての2−メトキシエタノール20.5g及びエタノール28.9g(開始剤合計モル:0.897mol、モノマーに対するモル比:0.091、モル比3:7)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体0.35g(2.5mmol、開始剤に対するモル比1/364)を入れて混合した。また、1Lフラスコと別に用意した三角フラスコに、原料モノマーとして(2−メトキシエチル)ビニルエーテル302g及びエチルビニルエーテル498g(原料モノマー合計9.86mol、モル比3:7)を入れて混合した。1Lフラスコ内を撹拌しながら、三角フラスコのビニルエーテル混合物をポンプで5cc/minで供給し、94g供給したところで一旦ポンプを停止した。反応によりフラスコ内の温度が上昇したことを確認した後、ポンプを再起動し、4時間かけて残りのビニルエーテルを供給した。この間、フラスコ内の温度が25℃になるようにウオーターバスで温度を制御した。供給終了後さらに25℃で5分間撹拌した。
[除去工程]
次いで,上記1Lフラスコに実施例1と同様の吸着剤を14g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.016)添加し25℃で1時間撹拌した。次いで濾過した後、ロータリーエバポレーターで溶媒と軽質分を除去し、粗製品を得た。
[水素化処理工程]
調製例1で調製した水素添加触媒入りのSUS−316L製2リットルオートクレーブに粗製品120gとイソオクタン300gを入れた。オートクレーブ内を水素で置換したのち、水素圧を3.5MPaに保ち撹拌しながら30分で140℃に昇温し、さらに140℃で3時間反応した。反応終了後室温まで冷却し常圧まで減圧した。ろ紙を用いてろ過を行い、水素添加触媒を除去した。ロータリーエバポレーターを用い減圧下、溶媒、水分などを除去し、基油を得た。
次いで,上記1Lフラスコに実施例1と同様の吸着剤を14g(開始剤と原料モノマーの合計に対する質量比:0.016)添加し25℃で1時間撹拌した。次いで濾過した後、ロータリーエバポレーターで溶媒と軽質分を除去し、粗製品を得た。
[水素化処理工程]
調製例1で調製した水素添加触媒入りのSUS−316L製2リットルオートクレーブに粗製品120gとイソオクタン300gを入れた。オートクレーブ内を水素で置換したのち、水素圧を3.5MPaに保ち撹拌しながら30分で140℃に昇温し、さらに140℃で3時間反応した。反応終了後室温まで冷却し常圧まで減圧した。ろ紙を用いてろ過を行い、水素添加触媒を除去した。ロータリーエバポレーターを用い減圧下、溶媒、水分などを除去し、基油を得た。
[比較例1]
実施例1と同様に重合反応を行った後、吸着材による除去工程の代わりにアルカリ水溶液で触媒を失活させた後水洗してアルカリを除去する方法を用いた。具体的には以下の方法により行った。1質量%の水酸化ナトリウム水溶液200ccを分液ロート内に用意し、これに重合工程で得た反応液と、イソオクタン400ccを加え、よく振り混ぜた。静置後、水層を分離し、さらに純水200ccで4回洗浄した。
その後、実施例1と同様に、水素化処理を行いポリビニルエーテル化合物を得た。
実施例1と同様に重合反応を行った後、吸着材による除去工程の代わりにアルカリ水溶液で触媒を失活させた後水洗してアルカリを除去する方法を用いた。具体的には以下の方法により行った。1質量%の水酸化ナトリウム水溶液200ccを分液ロート内に用意し、これに重合工程で得た反応液と、イソオクタン400ccを加え、よく振り混ぜた。静置後、水層を分離し、さらに純水200ccで4回洗浄した。
その後、実施例1と同様に、水素化処理を行いポリビニルエーテル化合物を得た。
実施例1〜4、比較例1で得られたポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度及び二層分離温度、並びに、水素化処理前のポリビニルエーテル化合物の収率を示す。なお、収率は、開始剤及び原料モノマーの合計量に対する、得られたポリビニルエーテル化合物の比率を質量%で示したものである。
以上のように、実施例1〜4では、重合反応後に吸着処理を行うことで、40℃動粘度が適切でかつ二層分離温度の低いポリビニルエーテル化合物を高収率で製造することができた。それに対して、比較例1では、重合反応後の後処理を水洗処理で行ったため、高収率でポリビニルエーテル化合物を製造することができなかった。
Claims (18)
- ビニルエーテル化合物を重合触媒存在下で重合し、重合後に前記重合触媒を吸着剤により除去する、ポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記吸着剤が第2族元素を含む請求項1に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記吸着剤が、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、及びハイドロタルサイトからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記吸着剤は、粒径が500μm以下のものの割合が、98%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記重合触媒が、ルイス酸類である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記重合触媒が、三フッ化ホウ素エーテル錯体である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記ビニルエーテル化合物が、以下の式(1)で示される化合物(A)を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
(式(1)において、R1はエーテル結合を有する炭素数2〜20の炭化水素基、又はメチル基である。R2〜R4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。) - 化合物(A)が、メチルビニルエーテル及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項7に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 前記ビニルエーテル化合物が、上記式(1)で示される化合物(A)と、下記式(2)で示される化合物(B)とを、化合物(A)と化合物(B)のモル比(A:B)が1:9〜10:0となるように含有する請求項7又は8に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
(式(2)において、R5は炭素数2〜20の炭化水素基、R6〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。) - 化合物(B)が、エチルビニルエーテルである請求項9に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- ビニルエーテル化合物を重合するときに使用する開始剤が、メタノール、2−メトキシエタノール、アセトアルデヒドジメチルアセタール、及びアセトアルデヒドビス(2−メトキシエチル)アセタールからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 吸着剤を除去した後、水素添加反応を行う請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- ポリビニルエーテル化合物の40℃動粘度が5〜1000mm2/sである請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- ポリビニルエーテル化合物は、R32冷媒との低温側での二層分離温度が−30℃以下である請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリビニルエーテル化合物の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法により得られたポリビニルエーテル化合物を少なくとも含有する潤滑油を調製する潤滑油の製造方法。
- 前記潤滑油は、冷凍機油である請求項15に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記潤滑油は、圧縮型冷凍機に使用される冷凍機油である請求項16に記載の潤滑油の製造方法。
- 前記冷凍機油は、フッ化炭化水素冷媒、二酸化炭素、アンモニア、及び炭化水素冷媒からなる群から選択される少なくとも1種を含む冷媒とともに使用される、請求項16又は17に記載の潤滑油の製造方法。
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