JP2017110088A - 樹脂組成物の製造方法、パッケージの製造方法、発光装置の製造方法、樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置 - Google Patents

樹脂組成物の製造方法、パッケージの製造方法、発光装置の製造方法、樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な光反射性を有する樹脂組成物の製造方法、パッケージの製造方法、発光装置の製造方法、樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置を提供する。【解決手段】樹脂組成物の製造方法は、鉄成分が含有されているワラストナイトからなる第1充填剤21bを加熱する第1工程と、第1工程において加熱された後の第1充填剤21bと、光反射性物質からなる第2充填剤21dと、を樹脂21a中に分散することによって、樹脂組成物を製造する第2工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本開示は、樹脂組成物の製造方法、パッケージの製造方法、発光装置の製造方法、樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置に関する。
光反射性物質を含有する樹脂組成物は、発光装置のパッケージとして広く用いられている。また、近年の発光装置の小型化や薄型化に伴い、樹脂組成物の強度の向上が求められている。例えば、特許文献1には、ワラストナイトからなる繊維状のフィラーを添加することで、強度の向上を図った樹脂組成物が提案されている。
特開2002−294070号公報
前記したワラストナイトは、天然鉱物である珪酸塩鉱物を粉砕することで繊維状にし、樹脂組成物の充填剤として使用される。したがって、珪酸塩鉱物の採掘中に、鉱物であるマグネタイト(Fe)が不可避的不純物として混入する場合がある。また、珪酸塩鉱物の採掘や粉砕に使用される工具が摩耗し、不可避的不純物として鉄が混入する場合もある。そして、珪酸塩鉱物において、いったん混入した鉄やマグネタイト(以下、「鉄成分」ともいう)を除去して純粋なワラストナイトを得ることは困難である。そうすると、例えば、不可避的不純物を含むワラストナイトを含有する樹脂組成物を発光装置のパッケージに用いると、次のようなことが生じる。すなわち、発光素子から照射された光が、ワラストナイトに含有されている鉄成分に吸収されやすくなり、前記した光が反射しにくくなる。その結果、発光装置の光取り出し効率の低下を招くという事情がある。
そこで、本開示に係る実施形態は、良好な光反射性を有する樹脂組成物の製造方法、パッケージの製造方法、発光装置の製造方法、樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置を提供することを課題とする。
本開示の実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、鉄成分が含有されているワラストナイトからなる第1充填剤を加熱する第1工程と、前記第1工程において加熱された後の前記第1充填剤と、光反射性物質からなる第2充填剤と、を樹脂中に分散することによって、樹脂組成物を製造する第2工程と、を含むこととした。
また、本開示の実施形態に係る樹脂組成物は、鉄成分が含有されているワラストナイトからなる第1充填剤と、光反射性物質からなる第2充填剤と、が樹脂中に分散しており、前記鉄成分は、前記第1充填剤に対して0.1重量%以上0.3重量%以下のα‐Feである構成とする。
本開示の実施形態に係る製造方法によれば、良好な光反射性を有する樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置を製造することができる。また、本開示の実施形態にかかる樹脂組成物、パッケージ、及び発光装置では、良好な光反射性を有する。
実施形態に係る発光装置の斜視図である。 実施形態に係る発光装置のII−II線における断面図である。 実施形態に係る発光装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。 発光装置の製造方法の実施例において、加熱中のワラストナイト等の温度変化を示す説明図である。 発光装置の製造方法の実施例において、ワラストナイトに含有されている鉄成分のラマン分析結果を示す説明図である。 発光装置の製造方法の比較例において、ワラストナイトに含有されている鉄成分のラマン分析結果を示す説明図である。 発光装置の製造方法の実施例及び比較例において、樹脂組成物からなる成形体の反射率を示す説明図である。
以下、実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、実施形態を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係等が誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。さらに、各図において示す方向は、構成要素間の相対的な位置を示し、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。
<実施形態>
[発光装置の構成]
実施形態に係る発光装置の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る発光装置の斜視図である。図2は、実施形態に係る発光装置のII−II線における断面図である。
実施形態に係る発光装置100は、発光素子1によって光を照射する装置であり、液晶ディスプレイのバックライト光源や照明器具等に用いられる。発光装置100は、光を発する発光素子1と、発光素子1等が設置されるパッケージ2と、発光素子1からの光を透過させる透光性部材3と、を備えている。
発光素子1は、LED(発光ダイオード)等の半導体発光素子である。発光素子1は、任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色、緑色の発光素子としては、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)、ZnSe、GaPなどを用いることができ、赤色の発光素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどを用いることができる。なお、発光素子1は、前記した以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。発光素子1の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
パッケージ2は、発光素子1等が設置されるものであり、実施形態の例では、中央が凹状に形成され、その外形が略直方体状を呈している。パッケージ2は、樹脂21a等を含有する樹脂部21(樹脂組成物)と、導電性のリード22と、を備えている。
樹脂部21は、発光素子1が設置されるリード22を保持する機能を有している。また、樹脂部21は、設置した発光素子1から照射される光を外部に反射する機能も有している。樹脂部21には、発光素子1を設置するための凹部21vが形成されている。樹脂部21は、樹脂21aと、第1充填剤21bと、鉄成分21cと、第2充填剤21dと、を含有している(図2の部分拡大図参照)。
樹脂21aは、例えば、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、及びポリフタルアミン樹脂から選ばれる少なくとも一つからなる樹脂である。なお、発光素子1から入射した光を樹脂21aが吸収しないように、樹脂21aは透光性を有することが好ましいが、これに限定されない。
第1充填剤21bは、樹脂部21の機械的強度を高めるための充填剤であり、樹脂21a中に分散している。第1充填剤21bとして、例えば、繊維状のワラストナイトを用いることができる。前記した「繊維状」とは、平均繊維径が0.001μm以上15μm以下であり、平均繊維長が1μm以上100μm以下であることを意味している。なお、第1充填剤21bとして用いられるワラストナイトは、繊維状に限定されず、例えば、粉状、針状であってもよい。
第1充填剤21bは、樹脂部21(樹脂組成物)の全量に対して、5重量%以上50重量%以下の比率で含有されていることが好ましく、7重量%以上20重量%以下の比率で含有されていることが特に好ましい。前記した比率は、樹脂部21に要する機械的強度や分散性を考慮して決められる。ここで「樹脂部21の全量」とは、樹脂部21を構成する樹脂21aと第1充填剤21bやその他の硬化促進剤、酸化防止剤、フィラー等の全てを含むものを言う。
鉄成分21cは、不可避的不純物として第1充填剤21bに含有されていた鉄やマグネタイトが、第1充填剤21bとともに加熱されてα‐Feに化学変化したものである。前記したように、第1充填剤21b(例えば、ワラストナイト)の採掘中や粉砕中、鉄やマグネタイト等の鉄成分が不可避的不純物として混入することが多く、また、これらを除去することは困難である。
従来技術では、発光素子からの光が、パッケージに含有されている黒系統の色の鉄やマグネタイトに吸収されるため、光取り出し効率の低下を招いていた。そこで、本実施形態では、鉄成分を含有している第1充填剤21bを加熱することによって鉄成分に化学変化を起こさせ、光反射性の良好なα‐Feに変えるようにしている。樹脂21aに鉄成分21cとしてα‐Feを含有する場合は、鉄成分21cが光を吸収することが少ない赤系統の色に変化している。そのため、発光素子1からの光が樹脂部21に照射されたときに、鉄成分21cは、光を吸収することなく反射することとなり、パッケージ2から出射する光取り出し効率を上げることができる。なお、第1充填剤21bの加熱については後記する。
第2充填剤21dは、樹脂部21に光反射性を付与する光反射性物質であり、樹脂21a中に分散している。第2充填剤21dは、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、及び酸化イットリウムから選ばれる少なくとも一つからなる。第2充填剤21dは、光反射性物質の含有濃度、密度により光の反射量、透過量が異なるため、発光装置100の形状、大きさに応じて、適宜濃度、密度を調整するとよい。また、第2充填剤21dは、光反射性に加え、放熱性を併せ持つ材料とすると、光反射性を持たせつつ放熱性を向上させることができる。このような材料として、熱伝導率の高い窒化アルミニウムや窒化ホウ素が挙げられる。第2充填剤21dは、樹脂部21の光反射性を考慮して、一例として、樹脂部21(樹脂組成物)の全量に対して、1重量%以上50重量%以下の比率で含有されていることが好ましい。
リード22は、発光素子1と外部電源とを電気的に接続する導電性部材である。リード22において少なくともアノード及びカソードは、凹部21vの底面に露出し、その露出部分に発光素子1が接合されている。そして、外部電源からの電流がリード22を介して発光素子1に供給されることで、発光素子1が発光するようになっている。
透光性部材3は、凹部21vの底面に設置された発光素子1を封止するとともに、発光素子1からの光を透過して外部に放出することが可能な部材である。透光性部材3は、光拡散材や、入射された光の少なくとも一部を波長変換可能な蛍光体を含有させてもよい。具体的には、例えば、蛍光体の単結晶、多結晶もしくは蛍光体粉末の焼結体等の蛍光体インゴットから切り出したものや、樹脂、ガラス、無機物等に蛍光体粉末を混合して焼結したものが挙げられる。透光性部材3は、発光素子1が設置された後、凹部21vに充填される。透光性部材3として、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラス等を用いることができる。なお、透光性部材3は、その厚みについて、特に限定されるものではなく、適宜変更可能であるが、例えば、50〜300μm程度である。
<発光装置の製造方法>
次に、実施形態に係る発光装置の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係る発光装置の製造方法の手順を示すフローチャートである。
実施形態に係る発光装置100の製造方法では、第1充填剤21bを加熱する第1工程(S101)、第1充填剤21b及び第2充填剤21dを樹脂21a中に分散させて樹脂組成物を製造する第2工程(S102)、樹脂組成物を用いてパッケージ2を形成する第3工程(S103)、パッケージ2に発光素子1を設置する第4工程(S104)が順次行われる。
[第1工程]
第1工程は、第1充填剤21bを加熱することによって、第1充填剤21bに含有されている鉄やマグネタイト等の鉄成分を、新たな鉄成分21cであるα‐Feに化学変化させる工程である。第1工程では、鉄やマグネタイトを含有する第1充填剤21bをるつぼ(坩堝)に投入して加熱する。なお、第1工程後において、鉄成分21cであるα‐Feは、第1充填剤21bに対して、0.1重量%以上1.5重量%以下の比率で含有されていることが多いが、これに限定されない。
第1工程では、鉄成分を含有している第1充填剤21bを700℃以上900℃以下の温度で、1時間以上5時間以下の時間で加熱することが好ましい。これらの温度・時間で加熱することによって、鉄やマグネタイト(黒色)に化学変化が生じ、これらがα‐Fe(茶色)に変わるからである。なお、第1工程において鉄成分の略全てがα‐Feに変わることは必須ではなく、鉄成分の少なくとも一部がα‐Feに変わればよい。また、加熱中に鉄成分は変化するが、第1充填剤21bはほとんど変化しない。
また、第1工程前の鉄成分である鉄やマグネタイトよりも、第1工程後の鉄成分21cであるα‐Feのほうが、屈折率が高くなる。言い換えると、第1工程前における鉄成分と樹脂21aとの屈折率差よりも、第1工程後における鉄成分21c(α‐Fe)と樹脂21aとの屈折率差のほうが大きくなるように、第1工程での加熱が行われる。その結果、第1工程後のほうが、鉄成分21c(α‐Fe)と樹脂21aとの界面で光が反射しやすくなるため、良好な光反射性の樹脂組成物が得られる。
[第2工程]
第2工程は、第1充填剤21b及び第2充填剤21dを樹脂21a中に分散させて、樹脂組成物を製造する工程である。すなわち、第2工程では、第1工程において加熱された後の第1充填剤21bと、光反射性物質からなる第2充填剤21dと、を樹脂21aに混ぜ合わせ、樹脂21aの融点以上の温度で溶融混練する。これによって、第1充填剤21b及び第2充填剤21dが、樹脂21a中にほぼ均一に分散する。また、前記した加熱によってα‐Feとなった鉄成分21cも樹脂21a中に分散する。
このようにして、鉄成分21cが含有されているワラストナイトからなる第1充填剤21bと、光反射性物質からなる第2充填剤21dと、が樹脂21a中に分散しており、鉄成分21cが、第1充填剤21bに対して0.1重量%以上0.3重量%以下のα‐Feである樹脂組成物が製造される。
[第3工程]
第3工程は、第2工程で得られた樹脂組成物を用いて、パッケージ2を形成する工程である。第3工程では、例えば、溶融した樹脂組成物を金型内に流し込んで冷却・固化する射出成形によってパッケージ2が形成される。なお、パッケージ2の形成方法(製造方法)はこれに限定されず、トランスファー成形、圧縮成形、押出成形等を用いてもよい。また、発光素子1と外部電源とを電気的に接続するリード22が、例えば、インサート成形によってパッケージ2に保持される。
[第4工程]
第4工程は、パッケージ2に発光素子1を設置する工程である。すなわち、リード22において、凹部21vの底面に露出している箇所に発光素子1を接合することで、パッケージ2に発光素子1が設置される。そして、発光素子1の設置後、凹部21vに透光性部材3が充填される。
<発光装置における光の反射>
発光素子1から凹部21vに向かう光の多くは、凹部21vの表面で反射する。また、樹脂部21内に入射した光は、光反射性物質である第2充填剤21dの界面で反射(散乱)したり、樹脂21aに分散しているα‐Feの界面で反射(散乱)したりする。前記したように、鉄成分21cであるα‐Feと、樹脂21aと、の屈折率差が比較的大きいからである。その結果、樹脂部21内に入射した光の多くが、第2充填剤21dやα‐Feの界面で反射して凹部21vに戻り、さらに外部に向けて照射される。したがって、実施形態によれば、良好な光反射性を有するパッケージ2を提供でき、ひいては、光取り出し効率の高い発光装置100を提供できる。
<実施例>
次に、発光装置の実施例及び比較例について、図4〜図6を参照して説明する。
図4は、発光装置の製造方法の実施例において、加熱中のワラストナイト等の温度変化を示す説明図である。図5Aは、発光装置の製造方法の実施例において、ワラストナイトに含有されている鉄成分のラマン分析結果を示す説明図である。図5Bは、発光装置の製造方法の比較例において、ワラストナイトに含有されている鉄成分のラマン分析結果を示す説明図である。図6は、発光装置の製造方法の実施例及び比較例において、樹脂組成物からなる成形体の反射率を示す説明図である。
実施例では、樹脂21aとしてポリアミド樹脂を用い、第1充填剤21bとしてワラストナイトを用い、第2充填剤21dとして酸化チタンを用いた。
第1工程として、まず、鉄やマグネタイト等の鉄成分を含むワラストナイト1kgをアルミナるつぼに投入して蓋をし、4時間かけて常温から800℃まで徐々に温度上昇させた(時刻t1〜t2、温度Tから温度Tへの変化:図4参照)。そして、800℃で2時間加熱した後(時刻t2〜t3)、4時間かけて800℃から常温まで徐々に温度低下させた(時刻t3〜t4、温度Tから温度Tへの変化)。このように徐々に温度上昇・温度低下させるのは、アルミナるつぼの耐性を考慮したものである。なお、鉄成分の化学変化が起こるのは、主として、800℃で加熱した2時間である(時刻t2〜t3)。
次に、第2工程として、加熱後のワラストナイトと、酸化チタンと、をポリアミド樹脂中に分散させて、樹脂組成物を製造した。すなわち、150℃まで加熱して溶融したポリアミド樹脂に、ワラストナイト及び酸化チタンを混ぜ合わせて混練することで、樹脂組成物を作成した。なお、各物質の重量比率は、(ポリアミド樹脂):(ワラストナイト):(酸化チタン)=45:15:40である。そして、前記した樹脂組成物を金型に流し込んで、冷却・固化させた後、厚さ4mmの成形体を作成した。
また、第1工程の前後における鉄成分を調べるために、前記した各工程とは別に、次のような実験を行った。すなわち、加熱する前のワラストナイトに純水を加えてスラリーを作成し、磁石を用いてスラリーから鉄成分を分離した。この鉄成分に光を照射して散乱光のスペクトル分布を調べるラマン分析を行ったところ、ワラストナイトに含有されている鉄成分は鉄(Fe)であることが判明した(図5A参照)。
また、前記した鉄(Fe)を加熱(図4参照)した後の試料についてラマン分析を行ったところ、加熱後の試料はα‐Feであることが判明した(図5B参照)。つまり、ワラストナイトに含有されている鉄が、第1工程の加熱によってα‐Feに化学変化したことを確認できた。
<比較例>
比較例は、前記した第1工程の加熱を行わない点を除いて、実施例と同様である。すなわち、ワラストナイト(加熱せず)と、酸化チタンと、をポリアミド樹脂中に分散させて樹脂組成物を製造した。そして、この樹脂組成物を金型に流し込んで、厚さ4mmの成形体を作成した。なお、ポリアミド樹脂、ワラストナイト、及び酸化チタンの重量比率は、実施例と同様である。
<評価>
実施例で得られた成形体に580nmの光を照射したところ、反射率の平均値は94.4%であった(図6の実線を参照)。一方、比較例で得られた成形体に580nmの光を照射したところ、反射率の平均値は94.0%であった(図6の破線を参照)。つまり、実施例のほうが、比較例よりも反射率が0.4%高く、反射率の向上を図ることができた。これは、加熱前の鉄成分である鉄よりも、加熱後の鉄成分であるα‐Feのほうが、ポリアミド樹脂との界面における屈折率差が大きく、光を反射しやすいためである。
本開示の実施形態に係る発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、大型ディスプレイ、プロジェクタ、広告や行先案内等の各種表示装置の他、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置等、種々の光源として利用できる。
100 発光装置
1 発光素子
2 パッケージ
21 樹脂部(樹脂組成物)
21a 樹脂
21b 第1充填剤
21c 鉄成分
21d 第2充填剤
21v 凹部
22 リード
3 透光性部材

Claims (13)

  1. 鉄成分が含有されているワラストナイトからなる第1充填剤を加熱する第1工程と、
    前記第1工程において加熱された後の前記第1充填剤と、光反射性物質からなる第2充填剤と、を樹脂中に分散することによって、樹脂組成物を製造する第2工程と、を含む樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記第1工程は、前記第1工程前における前記鉄成分と前記樹脂との屈折率差よりも、前記第1工程後における前記鉄成分と前記樹脂との屈折率差のほうが大きくなるように前記加熱を行う請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記ワラストナイトは、繊維状である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記第2充填剤は、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、及び酸化イットリウムから選ばれる少なくとも1つからなる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記樹脂は、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、及びポリフタルアミン樹脂から選ばれる少なくとも1つからなる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記第1工程後において、前記第1充填剤に対する前記鉄成分の比率は、0.1重量%以上1.5重量%以下である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記樹脂組成物に対する前記第1充填剤の比率は、5重量%以上50重量%以下であり、
    前記樹脂組成物に対する前記第2充填剤の比率は、1重量%以上50重量%以下である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記加熱は、700℃以上900℃以下の温度で、1時間以上5時間以下の時間である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の前記樹脂組成物を用いて、発光素子を設置するためのパッケージを形成する第3工程を含むパッケージの製造方法。
  10. 請求項9に記載の前記パッケージに前記発光素子を設置する第4工程を含む発光装置の製造方法。
  11. 鉄成分が含有されているワラストナイトからなる第1充填剤と、光反射性物質からなる第2充填剤と、が樹脂中に分散しており、
    前記鉄成分は、前記第1充填剤に対して0.1重量%以上0.3重量%以下のα‐Feである樹脂組成物。
  12. 請求項11に記載の前記樹脂組成物を用いたパッケージ。
  13. 請求項12に記載の前記パッケージと、前記パッケージに設置される発光素子と、を備える発光装置。
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