JP2017110066A - 食器用固体洗浄剤組成物 - Google Patents
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特許文献2には、デシル硫酸塩と縮合リン酸塩とを所定の質量比で含有する洗浄剤が開示されている。
一方、粉末洗浄剤、粒状洗浄剤のような固体洗浄剤は、取扱い性などの面から流動性に優れることが求められる。
特許文献2に記載の洗浄剤は、液体洗浄剤組成物であり、固体洗浄剤組成物としての流動性については考慮されていない。
R1−O−(PO)m1−SO3−M1 (a1)
〔式中、R1は、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M1は水素原子又は陽イオンを示す。〕
R1−O−(PO)m1−SO3−M1 (a1)
〔式中、R1は、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M1は水素原子又は陽イオンを示す。〕
炭素数2以上12以下のオレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ジイソブチレン、ペンテン、及びヘキセンから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはブチレン、イソブチレン、ジイソブチレン、ペンテン、及びヘキセンから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはジイソブチレンである。オレフィンの炭素数は、2以上、好ましくは4以上、そして、12以下、好ましくは6以下である。
アルキル基の炭素数が1以上12以下であるアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは8以下である。
検出器:示差屈折率計
溶離液:0.2Mリン酸緩衝液(KH2PO4、Na2HPO4、pH=7)/アセトニトリル=9/1(容量比)
標品:ポリエチレングリコール
条件:カラム温度:40℃、流速:0.5mL/min、濃度:0.05mg/mL
本発明の食器用固体洗浄剤組成物は、(a)成分を、タンパク質/脂質複合洗浄力の観点から、1.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、そして、抑泡性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは7質量%以下含有する。なお、(a)成分の含有量(質量%)は、ナトリウム塩換算、すなわち、一般式(a1)中のM1がナトリウムイオンである化合物換算の量に基づいて算出される。
(1)ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル
(1)の非イオン性界面活性剤において、アルキル基又はアルケニル基の炭素数は、タンパク質/脂質複合洗浄力及び油汚れ洗浄力の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは12以上であり、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、より更に好ましくは15以下である。
R11O[(C2H4O)l/(C3H6O)n]H (c1)
〔式中、R11は炭素数6以上22以下の炭化水素基を示す。l、nは平均付加モル数を示し、lは0以上30以下となる数を示し、nは0以上30以下となる数を示し、lとnが同時に0になることはない。“/”はオキシエチレン基及びオキシプロピレン基が、順序に関係なく、ランダム又はブロックのいずれに付加したものであってもよいことを示す。〕
アルケニル基としては、各種オクタニル基、各種ノナニル基、各種デカニル基、各種ウンデカニル基、各種ドデカニル基、各種トリデカニル基、各種テトラデカニル基、各種ペンタデカニル基、各種ヘキサデカニル基、各種ヘプタデカニル基、各種オクタデカニル基(例えば、オレイル基、リノール基)を挙げることができる。なお、「各種」とは、n−、sec−、tert−、iso−を含む各種異性体を意味する。
また、ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル、更に一般式(c1)で表される非イオン性界面活性剤のHLB値は、タンパク質/脂質複合洗浄力及び油汚れ洗浄力の観点から、好ましくは1以上、そして、好ましくは12以下である。
ここで、HLB値は、下記に示すグリフィンの式で定義される。
HLB値=20×Mw/M
(式中、Mは非イオン性界面活性剤の分子量であり、Mwは該非イオン性界面活性剤の親水性部分の分子量である。)尚、一般式(c1)中、親水性部分とは、オキシエチレン基とオキシプロピレン基の合計部分である。
(2)の非イオン性界面活性剤は、下記の一般式(c2)で表される非イオン性界面活性剤が好ましい。
R21(OR22)xGy (c2)
〔式中、R21は、直鎖又は分岐鎖の炭素数8以上18以下、好ましくは12以上14以下のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基、好ましくはアルキル基を示し、R22は炭素数2以上4以下のアルキレン基を示し、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基を示す。xは平均付加モル数を示し、0以上5以下の数である。yはその平均値が1以上5以下となる数を示す。〕
(3)の非イオン性界面活性剤は、下記の一般式(c3)で表される非イオン性界面活性剤が好ましい。
(4)の非イオン性界面活性剤は、下記一般式(c4−I)で表される非イオン性界面活性剤及び下記一般式(c4−II)で表される非イオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
(5)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは炭素数6以上22以下、より好ましくは炭素数10以上14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキルモノグリセリルエーテルである。
(6)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸グリセリンモノエステルである。
(7)の非イオン性界面活性剤は、炭素数8以上18以下、より好ましくは炭素数12以上14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する蔗糖脂肪酸エステルである。
R2−O−(PO)m2−SO3−M2 (e1)
〔式中、R2は、炭素数12以上14以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m2はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M2は水素原子又は陽イオンを示す。〕
また本発明の食器用固体洗浄剤組成物は、良好な流動性により、取扱い性に優れるため、容器に充填された洗浄剤組成物を、手洗い用として一定量取り出す場合や、食器洗浄機の洗浄剤貯蔵タンクに一定量充填させる場合に、使い勝手が良く、好適である。
嵩密度は製造方法によって異なるが、好ましくは200g/L以上、より好ましくは300g/L以上、より好ましくは600g/L以上であり、そして、好ましくは1300g/L以下である。平均粒径は、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上であり、そして、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下、更に好ましくは300μm以下である。
食器は洗浄された後、通常、同じ食器洗浄機、更に自動食器洗浄機にて速やかに、水、温水ないし熱水、例えば、60℃以上、80℃以下の熱水で5分以上、40分以下濯ぎが行われる。
即ち、各組成物は5kgスケールにて配合の実施を行った。最初に(c)成分以外の成分を10Lナウターミキサー(ホソカワミクロン株式会社製、DBY−10R)を用いて周波数60Hz、回転数が14.5r/mの条件で5分間混合した。その後、(c)成分を10分間かけて少しずつ添加し、添加後も同一の撹拌条件にてさらに20分間混合して食器用固体洗浄剤組成物を得た。得られた各食器用固体洗浄剤組成物のpHは、0.2質量%の水溶液を調製し、25℃に調温した状態でpHメーターを3分間浸漬させた際の値を採用し、表に示した。得られた顆粒の平均粒径は、150〜300μmであった。平均粒径は、無作為に選んだ30個の顆粒の粒径(顆粒に長径と短径とがある場合は長径)を光学顕微鏡により観察してその数平均を算出することにより求めた。
(1)タンパク質/脂質複合汚れの洗浄力
卵黄取り分け器を用いて卵白を除いた卵黄をよく溶いた上で、卵黄2gを陶器大皿(直径23cm)に中心から直径10cmの円の大きさとなるように塗つけ、そのまま1日乾燥させてタンパク質/脂質複合汚れが付着した陶器大皿を作製した。前記汚れが付着した陶器大皿を複数作成した。表1に示す食器用固体洗浄剤組成物を、0.2質量%水溶液となるように水道水(3°DH)を用いて溶解し、洗浄液とした。この洗浄液と上記汚れが付着した陶器大皿2枚とを用いて、卓上式食洗機(Panasonic株式会社製 NP−TR3)の標準コース(洗浄時間19分間、洗浄温度上限56℃)で洗浄を行い、下記の判定基準で評価を行った。汚れを塗り付けた陶器大皿2枚の評価結果の平均値を求め、これを表に示した。
3:ほとんど洗浄されている(数点の小さな黄色いスポットが観察、許容範囲内)
2:わずかに汚れが残っている(多数の黄色いスポットが観察される、許容範囲外)
1:大部分汚れが残っている(面で汚れが残っている)
サラダ油(日清オイリオグループ株式会社製、日清サラダ油)/ラード(雪印メグミルク株式会社製、ラード(チューブタイプ))を、重量比率で50/50(wt%/wt%)となるよう混合し、温浴にて均一に溶解させて作製した油汚れ2gをポリプロピレン皿(直径23cm)に中心から直径10cmの円の大きさとなるように塗り、一晩乾燥させて油汚れが付着したポリプロピレン皿を作製した。前記汚れが付着したポリプロピレン皿は複数を作成した。表1に示す食器用固体洗浄剤組成物を、0.2質量%水溶液となるように水道水(3°DH)を用いて溶解し、洗浄液とした。この洗浄液と上記汚れが付着したポリプロピレン皿2枚と上記汚れが付着していないポリプロピレン皿2枚を用いて、卓上式食洗機(Panasonic株式会社製 NP−TR3)の標準コース(洗浄時間19分間、洗浄温度上限56℃)で洗浄を行った。汚れが付着したポリプロピレン製皿では主に油汚れ除去性能を、汚れが付着していないポリプロピレン製皿では主に再汚染防止能の評価を行い、洗浄後は下記判定基準に従い合計4枚の評価結果の平均値を求め、これを表に示した。
3:ほとんど洗浄されている(皿表面を指でこすると時々キュッと鳴る、許容範囲内)
2:わずかに汚れが残っている(皿表面を指でこするとぬるつく、許容範囲外)
1:大部分汚れが残っている(皿表面を指でこするとぬるつき,拭き筋が見える)
表1に示す食器用固体洗浄剤組成物20gを透明ガラス状の容器(株式会社マルエム製、No.6スクリュー管瓶、30ml/30mm×65mm)に入れ、前記容器を揺らして、前記粉末のガラス壁面や底面への付着状態を目視で確認し、下記の判定基準で評価を行い、流動性の評価結果とした。
4:ガラス面への付着はわずかに見られるだけであり、粉末粒子自体も比較的さらさらしている。
3:ガラス面への粉末粒子の付着がみられるが、軽く衝撃を与えるだけで落ちる(実使用上許容レベル)
2:ガラス壁面や底面に粉末粒子の付着が見られ、軽く壁面をたたいても落ちない粉末粒子が存在する。
1:流動性が悪く、ガラス壁面や底面にもべたついた粉末粒子が多く存在する。
(a)成分
・デシル硫酸ナトリウム:花王株式会社製、エマール3F、一般式(a1)中、R1が炭素数10の直鎖アルキル基、m1が0、M1がナトリウムイオンである陰イオン性界面活性剤を凍結乾燥し、その後乳鉢にてすり潰して粉状にしたものを評価に使用した(有効分93%)。
・アクリル酸マレイン酸コポリマーの塩(1):BASF社製、ソカランCP45グラニュール、アクリル酸Na/マレイン酸Na=7/3(モル比)、重量平均分子量70,000、アクリル酸/マレイン酸共重合体の30質量%部分中和品。有効分92%。
・アクリル酸マレイン酸コポリマーの塩(2):BASF社製、ソカランCP5、アクリル酸Na/マレイン酸Na=7/3(モル比)、重量平均分子量70,000、アクリル酸/マレイン酸共重合体の完全中和品。有効分92%。
・非イオン界面活性剤(1):高級アルコールエトキシレート〔一般式(c1)中、R11が炭素数12〜14のアルキル基であって、R11のOに結合する炭素原子が第2級であるアルキル基、lが5、mが0の非イオン性界面活性剤〕、株式会社日本触媒製、ソフタノール50、HLB10.5
・非イオン界面活性剤(2):ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド〔一般式(c3)中、R31がヤシ油脂肪酸組成のアルキル基、R32、R33は水素、pが1、qが0の非イオン性界面活性剤〕、川研ファインケミカル株式会社製 アミゼット10C、HLB10.3
・非イオン界面活性剤(3):ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〔一般式(c1)中、R11が炭素数13〜15の分岐鎖アルキル基、lが2.4、mが4.8の非イオン性界面活性剤〕、BASF社製、PlurafacLF403、HLB1.8
・硫酸ナトリウム:四国化成工業株式会社製、無水中性芒硝A0B
・コハク酸:川崎化成社製
本発明の実施例1〜10は、比較例1,2と比較して、タンパク質と脂質の複合汚れに対する洗浄力に優れると共に、流動性に優れることがわかる。
この実施例の中でも、実施例1〜3を比較すると、(b)/(a)比が5である実施例3がタンパク質と脂質の複合汚れ及び油汚れに対する洗浄力により優れると共に、流動性にもより優れていることがわかる。
実施例3〜5を比較すると、(c)/(a)比が0.4である実施例3がタンパク質と脂質の複合汚れ及び油汚れに対する洗浄力、並びに流動性のバランスに優れていることがわかる。
Claims (6)
- (a)下記一般式(a1)で表される陰イオン性界面活性剤[以下、(a)成分という]を1.5質量%以上、及び(b)炭素数3以上6以下の反応性不飽和基を有するカルボン酸又はその塩由来の構成単位を含む重合体[以下、(b)成分という]を含有する、食器用固体洗浄剤組成物。
R1−O−(PO)m1−SO3−M1 (a1)
〔式中、R1は、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M1は水素原子又は陽イオンを示す。〕 - (b)成分の含有量が、0.1質量%以上75質量%以下である、請求項1に記載の食器用固体洗浄剤組成物。
- (a)成分と(b)成分の質量比(b)/(a)が、0.05以上10以下である、請求項1又は2に記載の食器用固体洗浄剤組成物。
- (b)成分が、ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩、及びメタクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩から選ばれる1種以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の食器用固体洗浄剤組成物。
- 更に(c)非イオン性界面活性剤を含有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の食器用固体洗浄剤組成物。
- 自動食器洗浄機用である、請求項1〜5の何れか1項に記載の食器用固体洗浄剤組成物。
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