JP2017109059A - 家具用の柱状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】重量を軽くしながら、優れた耐荷重強度を実現する。【解決手段】柱状体は、複数枚の側面板10を両側縁部で連結してなる筒体3の両端の開口部を端面板20で閉塞している。側面板10は、対向する第1の表面11及び第2の表面12と、長さ方向の両側に設けられた側面13と、長さ方向の両端に設けられた端面15とを備え、側面13を、第1の表面11に対して鋭角にカットされた傾斜面17としている。筒体3は、隣接する側面板10同士を対向する傾斜面17で接着して固定し、外周面を第1の表面11で構成している。端面板20は、閉塞端面21と挿入端面22と複数の外周面23とを備え、外形を筒体3の開口部の内面に沿う形状として、開口部の内面に接着している。さらに、筒体3の内部であって、長さ方向の一部の領域に、柱状体を外部と連結するための固定ブロック4を備え、この固定ブロック4を筒体3の芯体に兼用している。【選択図】図4

Description

本発明は、テーブル、こたつ等の脚として使用され、あるいはベッド、棚等の支柱として使用される家具用の柱状体に関し、とくに、全体を軽量にしながら、優れた強度を有する家具用の柱状体に関する。
テーブルやこたつ等の家具は、天板の四隅に脚を固定しており、これ等の脚で天板を支えている。このため、これ等の家具の脚には、強い耐荷重が求められる。このため、従来の家具では、これ等の脚に無垢の木材を使用して強度を持たせている。このような無垢の木材には種々のものがあるが、一般に木板等に比較して高額であり、とくに、長期間にわたって強度等の品質が保証される木材になると、商品価値が高く高額になる。また、無垢の木材は、強度が高いものになると重量が大きくなり、例えば、四隅に重い脚を備えるこたつ等においては、全体の重量が大きくなってしまう。とくに、テーブルやこたつ等の家具は、家庭生活において、移動させることがあるため、重量が大きくなると移動させるのが大変になる問題点がある。また、重量が重い家具は、その流通過程において搬送にも手間がかかる問題点もある。
このような問題点を解決するために、テーブル等に使用される脚材を、再生の硬質材等の紙材で製造する構造が開発されている(特許文献1参照)。この脚材は、硬質の紙材を筒状に形成して全体に強度を持たせている。紙製の脚材は、全体の重量を軽くできると共に、材料が紙であるため製造コストを低減できる特徴がある。ただ、紙製の脚材は、耐荷重特性が無垢の木材に比べて極めて弱く、また水にも弱く、さらには経時的な劣化もあるため、長期間にわたって安心して使用できない問題点があった。
さらに、全体の重量を軽くする柱状体として、板材の表面に断面V字形とする複数の切欠溝を平行に設けて、これ等の切欠溝を閉じるように折曲し、板材を接着して全体を筒状に形成する柱状体が開発されている(特許文献2参照)。この柱状体は、木板を切欠溝で折曲して全体を筒状にするので、木質材の質感を残しつつ全体を軽くできる特徴がある。ただ、この柱状体は、中空の筒状に形成されるので、横断面方向の耐荷重強度が極めて弱くなる問題点がある。また、この柱状材を家具等の脚材として使用するには、家具の本体側、例えば、テーブルやこたつ等においては天板に連結する必要があるが、筒状の柱状体は、家具の本体側に対して強固に連結できない問題点がある。さらに、筒状の柱状体は、開口部において木材の木口が露出するので、この部分の外観が悪くなり、このままでは家具の脚材として使用できない。とくに、中空状の柱状体は、外観が実際の木材とは異なるため、実際の木材のような重厚で高級感のある質感を出すことができない問題点もある。
実開平08−1230号公報 特開昭54−13520号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、重量を軽くしながら、優れた耐荷重強度を実現できる家具用の柱状体を提供することにある。さらに、本発明は、優れた強度を実現しながら、簡単かつ容易に外部の部材に連結できる家具用の柱状体を提供することにある。さらにまた、本発明は、表面の質感を無垢の木材を近似させて高品質な質感を実現できる家具用の柱状体を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の柱状体は、所定の幅と長さを有する複数枚の側面板10を長さ方向の両側縁部で連結して、内部を中空状としてなる筒体3と、筒体3の両端の開口部を閉塞する端面板20とを備えている。複数枚の側面板10は、対向する第1の表面11及び第2の表面12と、第1の表面11及び第2の表面12の間であって、長さ方向の両端に設けられた端面15とを備えると共に、一部の側面板10については、第1の表面11及び第2の表面12の間であって、長さ方向の両側に設けられた側面13を備えて、側面13を、筒体3の横断面視において第1の表面11に対して鋭角にカットされた傾斜面17としている。筒体3は、隣接する側面板10同士を対向する位置で接着して固定すると共に、傾斜面17を有する側面板10においては、傾斜面17で接着して固定して、筒体3の外周面を第1の表面11で構成している。端面板20は、筒体3の開口端に配置される閉塞端面21と、閉塞端面21に対向して筒体3の内部に配置される挿入端面22と、閉塞端面21と挿入端面22の間に設けられた複数の外周面23とを備えており、外周面23で形成される外形を筒体3の開口部の内面に沿う形状として、開口部の内面に接着されて開口部を閉塞している。さらに、柱状体は、筒体3の内部であって、長さ方向の一部の領域に、柱状体を外部と連結するための固定ブロック4を備えており、この固定ブロック4を側面板10の第2の表面12に固定して、固定ブロック4を筒体3の芯体に兼用している。
上記構成により、柱状体の重量を軽くしながら、優れた耐荷重強度を実現できる。柱状体の重量を軽くできるのは、柱状体の内部を中空状とするからである。本発明の柱状体は、複数枚の側面板を各々の両側縁部で連結してなる筒体の両端を端面板で閉塞して柱状とするので、内部を中空状に形成して重量を軽くできる。このため、種々の家具に脚や支柱として使用しながらで全体の重量を軽くする特徴が実現できる。さらに、本発明の柱状体は、内部を中空状とするにも関わらず、優れた強度を実現できる。それは、側面板の側面を傾斜面とし、隣接する側面板同士を対向する傾斜面で接着して固定しているからである。この柱状体は、側面板の側面を第1の表面または第2の表面に対して鋭角にカットされた傾斜面として、対向する傾斜面を接合面として側面板を接着するので、接合面となる傾斜面の幅を側面板の厚さよりも大きくしてより広い面積で接合できる。これにより、隣接する側面板同士を強固に固定して優れた耐荷重強度を実現できる。
さらに、筒状に形成された筒体の開口部を閉塞する端面板は、複数の外周面で形成される外形を筒体の開口部の内面に沿う形状として、開口部の内面に接着して開口部を閉塞するので、筒体の端部を側面板に密着状態で接合される端面板の外周面で保持して優れた連結強度を実現できる。これにより、筒体の端部おける側面板と端面板とを強固に固定して優れた耐荷重強度を実現できる。
さらに、柱状体は、外部と連結するための固定ブロックを筒体に内部に備えている。この固定ブロックは、外部に配置される部材を柱状体に連結するための部材であって、この固定ブロックを内蔵することで、外部から挿入される連結具を介して、柱状体を外部の部材に連結できる構造としている。この柱状体は、筒体に内蔵される固定ブロックを側面板の内面に固定しているので、この固定ブロックを筒体の芯体に兼用して、耐荷重強度をより高めることができる。
さらに、以上の柱状体は、筒体の外周面を側面板の第1の表面で構成するので、外周面には側面板の木口面が露出せず、外観を綺麗にできる。また、外周面に木口面が露出しないので、柱状体の外周面の経時的な変形等を防止して、表面状態を長期間にわたって安定した状態に保持して優れた品質を維持できる。
本発明の柱状体は、全ての側面板10が、第1の表面11及び第2の表面12の間であって、長さ方向の両側に設けられた側面13を備えると共に、この側面13を、筒体3の横断面視において第1の表面11に対して鋭角にカットされた傾斜面17としており、隣接する側面板10同士を対向する傾斜面17で接着して筒体3とすることができる。
上記構成により、筒体を構成する全ての側面板を対向する傾斜面で接着して固定することで筒体の強度をさらに強くできる。
本発明の柱状体は、端面板20が、筒体3の縦断面視において外周面23を閉塞端面21に対して鋭角にカットされた傾斜面27として、側面板10は、端面15に、端面板20の外周面23に沿ってカットされた傾斜部28を備えて、端面板20の傾斜面27を、側面板10の端面15に設けた傾斜部28に接合させて固定することができる。
上記構成により、端面板と側面板とを、閉塞端面に対して傾斜する面を接合面として接着するので、接合面となる傾斜面の接合幅を端面板の厚さよりも大きくしてより広い面積で接合できる。これにより、側面板と端面板とをより強固に固定して優れた耐荷重強度を実現できる。
本発明の柱状体は、固定ブロック4を端面板20に兼用することができる。
上記構成により、筒体の内部に配置される固定ブロックを端面板に兼用することで、部品数を減らして製造コストを低減しながら、固定ブロックで閉塞された筒体の端面を外部との連結面として柱状体を外部に連結できる
本発明の柱状体は、互いに隣接する側面板10同士において、対向して接合される傾斜面17の接合幅(H)が等しくなるように、各側面板10同士で第1の表面11と側面13とのなす傾斜角(α)を調整することができる。
本発明の柱状体は、互いに隣接する側面板10と端面板20において、対向して接合される傾斜面27と傾斜部18の接合幅(S)が等しくなるように、端面板20の閉塞端面21と外周面23とのなす傾斜角(β)と、側面板10の第1の表面11と側面13とのなす傾斜角(α)とを調整することができる。
本発明の柱状体は、厚さが異なる複数の側面板10を組み合わせて筒体3を形成することができる。
本発明の柱状体は、筒体3の下端に連結される端面板20を、側面板10よりも厚く形成することができる。
本発明の柱状体は、筒体3の外形を、多角柱状、円柱状、部分的に湾曲面19を有する多角柱状のいずれかとすることができる。
本発明の柱状体は、固定ブロック4の横断面における外形を、筒体3の横断面における内形よりも小さくすることができる。
本発明の柱状体は、表面に木目印刷6を施すことができる。木目印刷6は、表面に塗布された下地塗料61と、表面を局部的に押し潰して設けた無数の導管状凹部62と、表面に印刷された木目塗料63からなる木目模様とを備えることができる。
本発明の一実施例に係る柱状体を備えるテーブルの斜視図である。 本発明の一実施例に係る柱状体の斜視図である。 図2に示す柱状体のIII−III線断面図である。 図3に示す柱状体のIV−IV線断面図である。 図3に示す柱状体のV−V線断面図である。 図2に示す柱状体のVI−VI線断面図である。 図2に示す柱状体の製造工程を示す分解斜視図である。 図2に示す柱状体と天板の連結構造を示す分解斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の断面図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の断面図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の断面斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の斜視図である。 図12に示す柱状体の拡大平面図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の斜視図である。 図14に示す柱状体の水平断面図である。 図14に示す柱状体の垂直断面図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の水平断面図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の斜視図である。 図18に示す柱状体の平面図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の使用例を示す分解斜視図である。 本発明の他の実施例にかかる柱状体の水平断面図である。 図2に示す柱状体に木目印刷を施した状態を示す一部拡大斜視図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための家具用の柱状体を例示するものであって、本発明は柱状体を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の家具用の柱状体は、テーブル、こたつ、ベッド、机等の脚として使用され、あるいは二段ベッド、棚、什器等の支柱として使用される。したがって、本明細書において家具とは、こたつ、テーブル、ベッド、机、棚、什器等を含む広い意味で使用する。脚や支柱として使用される柱状体は、通常、垂直に立てた姿勢で使用される。したがって、本明細書において、上下方向は、水平面に対して垂直な方向(図における上下方向)とする。
図1に、本発明の一実施の形態にかかる家具用の柱状体として、テーブル80の脚81として使用される柱状体1を示している。図に示すテーブル80は、4本の柱状体1を四角形の天板82の四隅に固定して、天板82を水平姿勢に支持している。各柱状体1は、天板82の下面に略垂直な姿勢で固定されている。
柱状体1は、所定の幅と長さを有する複数枚の側面板10を長さ方向の両側縁部で連結して、内部を中空状としてなる筒体3と、筒体3の両端の開口部を閉塞する端面板20とを備えている。図に示す柱状体1は、横断面視における外形を正方形とする角柱状に形成している。この柱状体1は、4枚の合同な側面板10を連結して筒体3を四角筒状として、その両端の開口部を正方形の端面板20で閉塞している。ただ、柱状体は、図示しないが、横断面視における外形を長方形とすることもできる。この柱状体は、対向する側面板を合同な形状として筒体を形成し、その両端の開口部を長方形の端面板で閉塞する。さらに、柱状体は、断面視における外形を方形状には特定しない。詳細には後述するが、柱状体は、その外形を、多角柱状、円柱状、楕円柱状、部分的に湾曲面を有する多角柱状等とすることもできる。
側面板10は、対向する第1の表面11及び第2の表面12と、第1の表面11及び第2の表面12の間であって、長さ方向の両側に設けられた側面13と、長さ方向の両端に設けられた端面15とを備えている。図の側面板10は、所定の厚さを有する平板を所定の外形にカットして形成されている。さらに、側面板10は、側面13を、筒体3の横断面視において第1の表面11に対して鋭角にカットされた傾斜面17としている。筒体3は、隣接する側面板10同士を対向する傾斜面17で接着して全体の形状を筒状に形成すると共に、筒体3の外周面を第1の表面11で構成している。このように、側面板10の側面13を傾斜面17とし、隣接する側面板10同士を対向する傾斜面17で接着して固定する構造は、接合面となる傾斜面17の接合幅(H)を側面板10の厚さ(d)よりも大きくしてより広い面積で接合できるので、隣接する側面板同士を強固に固定できる。また、この構造は、対向する傾斜面17を接合してコーナー部を形成するので、筒体3の外周面に木口面を露出させることなく美しい外観を実現できる。
図に示す筒体3は、4枚の側面板10の厚さ(d)を等しくしている。この側面板10は、第1の表面11と側面13とのなす傾斜角(α)を45度としており、互いに対向する傾斜面17の接合幅(H)を等しくすると共に、対向する傾斜面17を接着して接合する状態で、隣接する側面板10同士がなす角が直角となるようにしている。この構造は、全ての側面板10を同じ構造として安価に多量生産できるので、製造コストを低減できる。
端面板20は、筒体3の両端の開口部であって、図においては上下の開口部を閉塞している。図に示す端面板20は、筒体3の開口端に配置される閉塞端面21と、閉塞端面21に対向して筒体3の内部に配置される挿入端面22と、閉塞端面21と挿入端面22の間に設けられた複数の外周面23とを備えている。端面板20は、外周面23で形成される外形を筒体3の開口部の内面に沿う形状としている。この端面板20は、開口部の内面に接着されて開口部を閉塞している。
さらに、図に示す端面板20は、筒体3の縦断面視において外周面23を閉塞端面21に対して鋭角にカットされた傾斜面27としている。側面板10は、端面15に、端面板20の外周面23に沿ってカットされた傾斜部18を備えており、端面板20の傾斜面27と側面板10の傾斜部18とを接着して固定している。図4に示す柱状体1は、端面板20の厚さ(t)を側面板10の厚さ(d)よりも厚くすると共に、互いに隣接する端面板20と側面板20の対向する傾斜面27と傾斜部18の接合幅(S)が等しくなるようにしている。この柱状体1は、端面板20の閉塞端面21と外周面23とのなす傾斜角(β)と、側面板10の第1の表面11と傾斜部18とのなす傾斜角(α)とを調整して、互いに対向する傾斜面27と傾斜部18の接合幅(S)を等しくすると共に、対向する傾斜面27と傾斜部28を接着して接合する状態で、端面板20と側面板10がなす角が直角となるようにしている。
この端面板20と側面板10は、閉塞端面21と第1の表面11とを直角に連結しながら、接合幅(S)を等しくするために、端面板20の厚さ(t)及び傾斜角(β)と、側面板10の厚さ(d)及び傾斜角(α)の間に以下の式が成り立つように調整される。
S=d/sinα=d/cosβ
S=t/cosα=t/sinβ
このように、端面板20の外周面23を傾斜面27とし、対向する側面板10の端面15の傾斜部18と接着して固定する構造は、接合面となる傾斜面17及び傾斜部18の接合幅(S)を端面板20の厚さ(t1、t2)よりも大きくして、より広い面積で接合できる。このため、端面板20を筒体3の開口部に強固に固定できる。さらに、端面板20を側面板10よりも厚くする構造は、筒体3の端部における連結強度を高めることができる。図に示す端面板20は、閉塞端面21の外形を筒体3の外形に等しくしている。この構造は、柱状体1の端面を端面板21で閉塞するので、端面側に木口面を露出させることなく美しい外観を実現できる。
図の柱状体1は、筒体3の上下の開口部を各々厚さの異なる端面板20で閉塞している。ここで、図に示す柱状体1は、上端側の端面板の厚さ(t2)を側面板10の厚さ(d)と等しくし、下端側の端面板の厚さ(t1)を側面板10の厚さ(d)よりも厚くしている。これにより、荷重がかかりやすい柱状体1の下端側の強度を高くできる。
以上の側面板10や端面板20には、例えば、MDFが使用できる。MDFで形成される側面板10や端面板20は、所定の厚さのMDFの原板を、所定の外形にカットして製造される。このように、側面板10や端面板20をMDFで製造する構造は、木質材の外観としながら安価に製造できる。とくに、原板を有効に利用して歩留まり良く製造できる。ただ、側面板10と端面板20は、MDF以外の木質材、例えば、パーチクルボードや集成材、合板で製造することもできる。
固定ブロック4は、柱状体1を外部と連結するための部材であって、筒体3の中空部31に配置される。固定ブロック4は、中空部31の全体ないし大部分の領域に配置されることなく、長さ方向における一部の領域であって、外部と連結される領域に配置される。このように、固定ブロック4を配置する領域を限定することで、内部に配置される固定ブロック4を小さくして全体の重量を小さくできる。固定ブロック4は、例えば、テーブルやこたつの脚として使用される柱状体においては、天板とに連結部分である上端部に配置される。また、詳細には後述するが、ベッドの柱のように、中間部分を枠体に連結する構造の柱状体にあっては、中間部分に固定ブロックを配置する。
図に示す固定ブロック4は、木材を切断して中空部31の内部に配置できる形状に形成したものである。固定ブロック4は、柱状体1を外部の部材に対して強い連結強度で連結するために、好ましくは無垢の木材が使用される。このように、無垢の木材を使用する固定ブロック4は、柱状体1を外部と連結する際に、連結具を強いトルクで確実に連結させることができる。固定ブロック4は、筒体3の内面であって側面板10の第2の表面12に沿う形状に形成されて、外周面が第2の表面12に固定される。ただ、固定ブロック4は、必ずしも全ての外周面を筒体3の内面に固定する必要はなく、固定ブロック4の横断面形状を中空部31の内形よりも小さくすることもできる。
図3〜図7に示す固定ブロック4は、筒体3の内部に配置される外形の柱状であって、三角柱状としている。この形状の固定ブロック4は、図3〜図6に示すように、一部の外周面である固定面41のみを筒体3の内面である第2の表面12に固定して、残りの面を非固定面42として筒体3の内面に固定することなく中空部31に配置している。この構造は、固定ブロック4を非固定面42でカットして固定ブロック4を小さくし、筒体3の内面との間に空隙部32を設けることで、柱状体1の重量をさらに軽くできる。
図に示す柱状体1は、筒体3の横断面形状を正方形としており、固定ブロック4の横断面形状を、正方形を対角線で2分割した形状、すなわち、直角二等辺三角形状としている。断面を直角二等片三角形とする固定ブロック4は、直角の両側に位置する面を固定面41として、筒体3の内面である第2の表面12に接着して固定している。さらに、この固定ブロック3は、柱状体1の横断面視において、直角三角形の斜辺となる面を非固定面42として筒体3の内形となる四角形の対角線の位置に配置されるようにしている。この形状の固定ブロック4は、断面視における最大辺となる斜辺が、筒体3の内形おける最大間隔となる対角線の位置に配置されることで、固定ブロック4の断面形状を小さくしながら、筒体3に対して位置ずれしないように確実に固定できる。
さらに、図に示す柱状体1は、外部の部材と連結するための連結具を連結するために、上端部をカットして連結凹部2を設けている。図に示す柱状体1は、上端部における1つのコーナー部を三角柱状にカットして、連結凹部2を形成している。この柱状体1は、連結凹部2から露出する固定ブロック4の露出面43に雌ネジ部材5を固定しており、この雌ネジ部材5にねじ込まれる連結ボルトを介して外部の部材に連結されるようにしている。この柱状体1は、例えば、図8に示すように、天板82に設けたスカート部83に連結されて天板82の定位置に配置される。スカート部83は、天板82の下面から下方に突出する凸条で天板82の4辺に沿って固定されている。図に示すスカート部83は、柱状体1との連結部分に固定プレート84を設けている。固定プレート84は、天板82のコーナー部の下面において、隣接するスカート部83を連結する状態で固定されている。固定プレート84は、雌ネジ部材5と対向する位置に貫通孔84Aを開口している。柱状体1は、貫通孔84Aに挿通される連結ボルト85が連結凹部2に設けた雌ネジ部材5にねじ込まて天板82の定位置に固定される。
雌ネジ部材5は、図3〜図5に示すように、固定ブロック4の内部に挿入されて埋設されるアンカー筒部51と、このアンカー筒部51の一端に設けた鍔部52とを備えている。アンカー筒部51は、円筒状の筒部の内面に連結ボルト85の雄ネジと噛み合う雌ネジ53を設けている。さらに、アンカー筒部51は外周面から突出する抜け止め凸部54を備えている。この雌ネジ部材5は、固定ブロック4に設けた挿入孔45に挿入された状態で抜けないように固定ブロックに埋設されると共に、連結ボルト85を雌ネジ53にねじ込むトルクで回転しないように固定ブロック4に固定される。図に示す固定ブロック4は、アンカー筒部51を挿入するための挿入孔45を設けており、この挿入孔45の開口部には、雌ネジ部材5の鍔部52を位置決めする段差凹部46を設けている。この段差凹部46に鍔部52を当接させる状態で、雌ネジ部材5は固定ブロック4の定位置まで挿入されて固定される。雌ネジ部材5は、鍔部52の表面が、固定ブロック4の露出面43と同一平面上に位置するように固定される。
以上の柱状体は、その用途により外形や長さが特定される。例えば、こたつやベッドの脚として使用される柱状体は、全長を30〜50cmとし、テーブルや机の脚として使用される柱状体は、全長を60cm〜80cmとすることができる。さらに、2段ベッドや棚、什器等の支柱として使用される柱状体は、100〜250cmとすることができる。したがって、側面板の長さは、柱状体の長さに応じて特定される。
また、柱状体は、横断面における外形の最大径を60〜200mm、好ましくは80〜150mmとすることができる。とくに、外形を四角注状とする柱状体は、1辺の長さを50〜150mm、好ましくは60〜120mm、さらに好ましくは70〜100mmとすることができる。したがって、側面板の横幅は、形成される柱状体の外形に応じて特定される。
また、柱状体に使用する側面板10は、その厚さを、3〜30mm、好ましくは、4〜20mmさらに好ましくは5〜15mmとすることができる。側面板は、厚さを厚くすると、接合面となる側面や端面の接合幅を広くすることができ、強度を高めることができる。ただ、厚さを厚くすると、重量が大きくなると共に、コストも高くなる。したがって、側面板の厚さは、柱状体の強度を考慮しながら、外形や長さに応じて最適な厚さとなるように決定される。
さらにまた、柱状体に使用する端面板20は、筒体3の上下によって厚さを変更することができる。例えば、筒体の上端開口を閉塞する端面板は、側面板と同様に、その厚さを、3〜30mm、好ましくは、4〜20mmさらに好ましくは5〜15mmとすることができる。また、筒体3の上端開口を閉塞する端面板20は、好ましくは側面板10より厚くして、その厚さを、5〜50mm、好ましくは、8〜40mmさらに好ましくは10〜30mmとすることができる。
以上の柱状体1は、複数の側面板10の厚さ(d)を等しくするが、側面板は、異なる厚さ(d1、d2)のものを組み合わせることもできる。図9〜図11に示す柱状体は、厚さ(d1、d2)の異なる2種類の側面板10を組み合わせて筒体3を形成している。図9に示す筒体3は、薄い側面板10と厚い側面板10とを互いに対向する位置に配置して、4枚の側面板10を連結して筒状に形成している。互いに隣接する側面板10同士は、対向する側面13である傾斜面17で接着して接合されている。図9に示す柱状体1は、厚さの異なる側面板10同士の対向する傾斜面17の接合幅(H)が等しくなるようにしている。この柱状体1は、厚さの薄い側面板10の傾斜角(α1)と厚さの厚い側面板の傾斜角(α2)とを調整して、互いに対向する傾斜面17の接合幅(H)を等しくすると共に、対向する傾斜面17同士を接着して接合する状態で、隣接する側面板10同士がなす角が直角となるようにしている。
この柱状体1は、厚さの異なる側面板10同士を互いに直角に連結しながら、接合幅(H)を等しくするために、一方の側面板10の厚さ(d1)及び傾斜角(α1)と、他方の側面板10の厚さ(d2)及び傾斜角(α2)との間に以下の式が成り立つように調整される。
H=d1/sinα1=d1/cosα2
S=d2/cosα1=d2/sinα2
さらに、図10に示す筒体3は、薄い側面板10と厚い側面板10とを互いに隣り合う位置に配置して、4枚の側面板10を連結して筒状に形成している。互いに隣接する側面板10同士は、対向する側面13である傾斜面17で接着して接合されている。図10に示す柱状体1は、厚さが等しい側面板10同士については、傾斜角(α)を45度として互いに対向する傾斜面17の接合幅(H)を等しくすると共に、対向する傾斜面17を接合する状態で、隣接する側面板10同士がなす角が直角となるようにしている。また、厚さの異なる側面板10同士については、前述の図9で示す側面板10と同様にして、対向する傾斜面17の接合幅(H)が等しくなるように傾斜角(α1、α2)を調整して、対向する傾斜面17同士を直角に連結している。
また、図11に示すように、厚さの厚い側面板10同士を隣接させて連結してなる柱状体1においては、厚いコーナー部の表面を削り取って凹部33を設けることで、表面に凹凸のある立体構造とすることができる。とくに、側面板10を厚くすることで凹部33を深く形成できるので、より深みのある凹凸構造が実現できる。
以上のように、柱状体は、厚さ(d1、d2)の異なる側面板10同士を連結しながら、接合幅(H)を等しくすることで、良好な接合状態を実現しながら、強度を高めることができる。ただ、側面板の厚さを厚くすると、重量が大きくなると共に、コストも高くなる。したがって、側面板の厚さは、柱状体の強度を考慮しながら、外形や長さに応じて最適な厚さとなるように決定される。
さらに、図12に示す柱状体1は、横断面における外形を八角形状としている。この柱状体1は、8枚の側面板10を連結して八角柱状の筒体3を形成している。図に示す筒体3は、外形及び内形を正八角形とする筒状に形成している。図に示す側面板10は、8枚を合同な形状としており、互いに両側縁で連結することで全体を筒状に形成している。8枚の側面板10は、互いに連結されて筒体3が形成される状態で、筒体3の外周面と内周面の断面形状が共に正八角形となるようにしている。このことを実現するために、各側面板10は、図13に示すように、側面13の傾斜角(α)を所定の角度に調整している。図に示す側面板10は、第1の表面11と側面とがなす傾斜角(α)が67.5度となるようにしている。さらに、図12に示す柱状体1は、底面においては、底面と上面の形状を正八角形とする角錐台形状の端面板20で筒体3の下端開口部を閉塞している。ここで、正八角錐台形状である端面板20は、正八角形状の底面の1辺の長さを側面板10の第1の表面11の幅と等しくすると共に、正八角形状の上面の1辺の長さを側面板10の第2の表面12の幅と等しくしている。
このように、柱状体1の底面を筒体3の外形と等しい外形の底面を有する端面板20で閉塞することで、脚として使用される柱状体1の外観を綺麗にしている。とくに、側面側においては端面板20の木口面が露出することなく、また底面側においても、側面板10の木口面が露出することなく美しい外観を実現している。さらに、端面板20は、外周面23を傾斜面27としてこの傾斜面で対向する側面板10の傾斜部と接合されるので、より広い面積で接合されて強固な連結構造が実現できる。
また、柱状体1の上端面において、筒体3の上端開口部を閉塞する端面板20には、固定ブロック4を兼用している。すなわち、図に示す筒体3は、上端部の内面に筒体3の内面に沿う外形を有する固定ブロック4を固定して筒体3の上端開口を閉塞する端面板20としている。図に示す筒体3は内形を正八角形とするので、端面板20となる固定ブロック4の外形を筒体3の内面に密着する正八角形状としている。すなわち、この固定ブロック4は、図の鎖線で示すように、八角柱状としている。さらに、この固定ブロック4は、外部の部材と連結するための連結ボルトを連結するために、中央部には雌ネジ部材5を固定している。
図14〜図16に示す柱状体1は、横断面形状を円形状としている。この柱状体1は、外形を円形として内形を正六角形とする筒体3を備えている。図に示す筒体3は、6枚の側面板10を両側縁部で連結しており、個々の側面板10は、第1の表面11を円弧状とすると共に、これと対向する第2の表面12を平面状としている。さらに、側面板10は、側面13を傾斜面17この傾斜面を介して互いに連結している。図に示す側面板10は、6枚を合同な形状としており、互いに両側縁で連結することで全体を筒状に形成している。6枚の側面板10は、互いに連結される状態で、外周面の断面形状が円形となり、内周面の断面形状が正六角形となるようにしている。
図に示す側面板10は、第1の表面11と側面13とがなす傾斜角(α)が略90度となり、第2の表面12と側面13とがなす傾斜角(γ)が120度となるようにしている。さらに、図に示す柱状体1は、底面においては、底面と上面の形状を正六角形とする角錐台形状の端面板20で筒体3の下端開口部を閉塞している。ここで、正六角錐台形状である端面板20は、底面を構成する1辺の長さを側面板10の水平断面における円弧状の第1の表面11の両端を連結する弦の長さと等しくすると共に、上面を形成する1辺の長さを側面板10の第2の表面12の幅と等しくしている。
このように、柱状体1の底面を端面板20で閉塞することで脚として使用される柱状体1の外観を綺麗にしている。さらに、端面板20は、外周面23を傾斜面27としてこの傾斜面27で対向する側面板10の傾斜部18と接合されるので、より広い面積で接合されて強固な連結構造が実現できる。また、側面側においては端面板20の木口面が露出することなく、底面側においても、底面側に露出する側面板10の木口面を最小限としながら端面板20で綺麗に閉塞できる。
また、柱状体1の上端面において、筒体3の上端開口部を閉塞する端面板20には、図12の柱状体1と同様に固定ブロック4を兼用している。図に示す筒体3は、端面板20となる固定ブロックの外形を筒体3の内面に密着する正六角形状としている。すなわち、この固定ブロック4は、図の鎖線で示すように六角柱状としている。
図12及び図14〜図16に示す柱状体1は、テーブルやこたつ等の脚として使用するために天板に連結できるようにしている。図に示す柱状体1は、上端面に連結プレート87を固定して、この固定プレート87を介して天板の下面に固定できるようにしている。図14に示す柱状体1は、上面に配置される連結プレート87を固定するための連結ボルト85を挿通して固定する雌ネジ部材5を設けている。雌ネジ部材5には、前述のものが使用できる。
さらに、図17に示す柱状体1は、5枚の側面板10を連結して筒体3を形成しており、筒体3の横断面形状を略五角形状とすると共に、一部の側面板10については、第1の表面11を円弧状に湾曲させている。この柱状体は、第1の表面を湾曲面19とする2枚の側面板10Aと平板状である3枚の側面板10B、10Cとを組み合わせて表面に部分的に曲面を有する筒体3を形成している。この柱状体1も中空部31に配置される固定ブロック4を筒体3の横断面における内形よりも小さくしており、固定ブロック4の非固定面42と筒体3の内面との間には空隙部32を形成している。
さらに、図18と図19に示す柱状体1は、4枚の側面板10を連結して外形を略長方形とする筒体3を形成している。この筒体3は、その外形において、1つの側面を円弧状に湾曲させると共に、内形を長方形状としている。さらに筒体3は、両端の開口部を、筒体3の内形に沿う外形を有する端面板20で閉塞している。図の筒体3は、第1の表面11を湾曲面19とする側面板10Aと、この側面板10Aの両側面13に固定される2枚の側面板10Bと、湾曲面19を有する側面板10Aと対向する位置に配置される側面板10Cとを備えている。側面板10Aの両側に固定される2枚の側面板10Bは、側面板10Aの両側面10Bに第2の表面12の端部を接着して固定している。さらに、側面板10Bの一方の側面13は、側面板10Aの湾曲面19に沿う形状に湾曲させており、側面板10Bの側面13と側面板10Aの湾曲面19とで筒体3の湾曲面を形成している。また、側面板10Bと側面板10Cとを連結するコーナー部においては、対向する位置に傾斜面17を設けており、対向する傾斜面17同士を接着して隣接する側面板10Bと側面板10Cとを固定している。この柱状体1は、湾曲面19を有する側面板10Aの厚さを厚くすることで、隣接する側面板10Bとの接合部分を広くして強固に接着しながら、側面板10Bと側面板10Cとの接合部分においては、傾斜面17とすることで接合部分を広くして強固に接着できるようにしている。
さらに、図18の柱状体1は、外部と連結するために、中空部31の上端に固定ブロック4を配置すると共に、側面板10Cの上端部には雌ネジ部材5を固定している。筒体3の中空部31に配置される固定ブロック4は、側面板10B、10Cの内面に沿う直方体形状としており、横断面形状を筒体3の内形よりも小さくして、固定ブロック4と側面板10Aの内面との間には空隙部32を形成している。
さらに、図20は、ベッドの支柱91として使用される柱状体1を示している。図に示す柱状体1は、上端ではなく、上下の中間部分に、縦枠92と横枠93を連結する構造としている。図に示す柱状体1は、縦枠92を連結するための連結構造として、固定ブロック4にねじ込まれて固定される固定ネジ95と、縦枠92に固定された連結金具94とを備えている。この連結構造は、柱状体1の第1の面1Aに固定された固定ネジ95の軸部に縦枠92の連結プレート94を係止して、縦枠92を定位置に連結できるようにしている。この連結構造は、固定ネジ95のネジ頭と柱状体1の表面との間にできる隙間に連結プレート94を配置しながら、連結プレート94を固定ネジ95に係止させて縦枠92を定位置に連結できる構造としている。
さらに、図に示す柱状体1は、横枠93を連結するための連結構造として、ほぞ96とほぞ穴97とを設けている。図に示す柱状体1は、第一の面と隣接する第2の面1Bにほぞ96を挿入するためのほぞ孔97を設けている。図に示すほぞ孔97は、柱状体1の第2の面1Bに対して垂直方向に穿孔されており、横枠93の端面から突出して設けたほぞ96を垂直な姿勢で挿入して連結できるようにしている。
さらに、図の柱状体1は、内部に固定された固定ブロック4と対向する位置であって、表面の側面板10を貫通して固定ブロック4まで届く深さのほぞ孔97を設けている。これにより、ほぞ孔97に挿入されるほぞ96を確実に固着させて保持できるようにしている。ほぞ孔97に挿入されるほぞ96は、例えば、接着剤により強固に固定される。とくに、固定ブロック4を無垢の木材として、木板である横枠93に設けたほぞ96をほぞ孔97に接着する構造は、木質材同士の相性も良く接着剤で強固に固定できる。ただ、この連結構造に類似した連結構造として、柱状体1と横枠93の対向面にほぞ孔と同様の連結孔を設けて、これ等の連結孔に連結ロッドを挿入して横枠を柱状体に連結することもできる。この連結ロッドには、金属ロッドや木製のロッドも使用できる。
以上の柱状体1は、中空状に形成された筒体3の内部の一部分であって上下の中間部分に固定ブロック4を固定している。固定ブロック4が固定される位置は、外部の部材が連結される位置に特定される。したがって、一段のベッドの支柱91として使用される柱状体1は、ベッドの縦枠92となる部材が連結される位置や、ベッドの横枠93となる部材が連結される位置に対向して配置される。図20に示すように、縦枠92と横枠93が同じ部分に連結される柱状体1においては、柱状体1の内部に一つの固定ブロック4を配置することで、柱状体1の異なる面に連結される部材を連結することができる。なお、図20に示す柱状体1は、固定ブロック4として、四角筒状の筒体3の4つの内面に当接する四角柱状の木材を使用している。ただ、筒体3の内部に配置される固定ブロック4は、図21に示すように、柱状体1の長さ方向に沿って部分的にカットして非固定面を設けて、筒体の内部に空隙部32を設けることもできる。このように、固定ブロック4にカット部を設ける構造は、柱状体1の重量をさらに軽くできる特徴がある。
さらに、縦枠と横枠とが異なる箇所に連結される柱状体においては、柱状体の内部に複数の固定ブロックを配置することで、異なる箇所に連結される部材を連結することができる。このように、異なる箇所に配置される固定ブロックも、図示しないが、連結される部材を対向する面以外の面と対向する部分を、柱状体の長さ方向にカットすることができる。この構造も柱状体の重量を軽くできる。さらに、2段ベッドや棚、什器等のように、上下の複数箇所に本体部となる部材(例えば、枠材や棚板)を連結する構造においては、筒体の内部であって、上下の複数箇所に離して複数の固定ブロックを配置することができる。このように、筒体の内部であって、長さ方向に離しての複数の固定ブロックを固定する構造は、柱状体の強度を高めながら、複数の本体部を確実に固定して支持できる。
さらに、柱状体1は、図22に示すように、表面に木目模様をプリントしてなる木目印刷6を設けることもできる。図に示す柱状体1は、表面に塗布された下地塗料61と、表面を局部的に押し潰して設けた無数の導管状凹部62と、表面に印刷された木目塗料63からなる木目模様をプリントして木目印刷6を設けている。この柱状体1は、天然木材に独特の凹部模様からなる高品質な立体模様を表面に設けて美しい外観とすることができる。ただ、柱状体は、必ずしも無数の導管状凹部を設けた木目印刷を設ける必要はなく、表面に直接木目模様をダイレクトに印刷した木目印刷とすることもできる。
以上の柱状体1について耐荷重強度を測定した。図2に示す構造の柱状体1は、側面板10の筒体3の外形を1辺を75mmの正方形とし、長さを65cmとし、筒体3を構成する側面板10の厚さを6mmとし、上端に位置する端面板20の厚さを6mm、下端に位置する端面板20の厚さを20mmとし、筒体3の上端部に筒体3の内面のうち隣り合う2面に接合される三角注状であって、長さ方向の全長を8cmとする固定ブロックを固定してなる柱状体1であって、上端部の1つのコーナー部を、長さ方向と水平方向にカットして連結凹部2を設けた構造としている。固定ブロック4には、ゴムの木を使用した。
この構造の柱状体1の耐荷重実験を実施すると、長さ方向おける荷重試験では、930kg重の荷重までひびが入ることなく耐えることができ、長さ方向の中央部における横方向の耐荷重には、890kg重の荷重までひびが入ることなく耐えることができた。このように、内部を中空状とする構造としながらも、隣接する側面板10同士を対向する傾斜面で接着して接合することで強固接合状体を実現でき、また、側面板10の両端部において側面板10の端面と端面板20の外周面とを傾斜面で接合することで強固な接合状態を実現して、優れた耐荷重特性を実現できた。
本発明の柱状体は、テーブル、こたつ等の脚として使用され、あるいはベッド、棚等の支柱として種々の家具に好適に使用できる。
1…柱状体
1A…第1の面
1B…第2の面
2…連結凹部
3…筒体3
4…固定ブロック
5…雌ネジ部材
6…木目印刷
10…側面板
10A…側面板
10B…側面板
10C…側面板
11…第1の表面
12…第2の表面
13…側面
15…端面
17…傾斜面
18…傾斜部
19…湾曲面
20…端面板
21…閉塞端面
22…挿入端面
23…外周面
27…傾斜面
31…中空部
32…空隙部
33…凹部
41…固定面
42…非固定面
43…露出面
45…挿入孔
46…段差凹部
51…アンカー筒部
52…鍔部
53…雌ネジ
54…抜け止め凸部
61…下地塗料
62…導管状凹部
63…木目塗料
80…テーブル
81…脚
82…天板
83…スカート部
84…固定プレート
84A…貫通孔
85…連結ボルト
86…止めネジ
87…連結プレート
91…支柱
92…縦枠
93…横枠
94…連結金具
95…固定ネジ
96…ほぞ
97…ほぞ孔

Claims (12)

  1. 所定の幅と長さを有する複数枚の側面板を長さ方向の両側縁部で連結して、内部を中空状としてなる筒体と、
    前記筒体の両端の開口部を閉塞する端面板と、
    を備えており、
    前記複数枚の側面板は、対向する第1の表面及び第2の表面と、前記第1の表面及び前記第2の表面の間であって、長さ方向の両端に設けられた端面を備えると共に、一部の側面板については、前記第1の表面及び前記第2の表面の間であって、長さ方向の両側に設けられた側面を備えて、前記側面を、前記筒体の横断面視において前記第1の表面に対して鋭角にカットされた傾斜面としており、
    前記筒体は、隣接する前記側面板同士を対向する位置で接着して固定すると共に、前記傾斜面を有する側面板においては、前記傾斜面で接着して固定して、前記筒体の外周面を前記第1の表面で構成しており、
    前記端面板は、前記筒体の開口端に配置される閉塞端面と、前記閉塞端面に対向して前記筒体の内部に配置される挿入端面と、前記閉塞端面と前記挿入端面の間に設けられた複数の外周面とを備えており、前記外周面で形成される外形を前記筒体の開口部の内面に沿う形状として、前記開口部の内面に接着されて前記開口部を閉塞しており、
    さらに、前記筒体の内部であって、長さ方向の一部の領域に、当該柱状体を外部と連結するための固定ブロックを備えており、
    前記固定ブロックを前記側面板の第2の表面に固定して、該固定ブロックを前記筒体の芯体に兼用してなることを特徴とする家具用の柱状体。
  2. 請求項1に記載の家具用の柱状体であって、
    全ての前記側面板は、前記第1の表面及び前記第2の表面の間であって、長さ方向の両側に設けられた側面を備えると共に、前記側面を、前記筒体の横断面視において前記第1の表面に対して鋭角にカットされた傾斜面としており、
    前記筒体は、隣接する側面板同士を対向する前記傾斜面で接着して固定してなる家具用の柱状体。
  3. 請求項1に記載の家具用の柱状体であって、
    前記端面板が、前記筒体の縦断面視において前記外周面を前記閉塞端面に対して鋭角にカットされた傾斜面としており、
    前記側面板は、前記端面に、前記端面板の該外周面に沿ってカットされた傾斜部を備えており、
    前記端面板の前記傾斜面を、前記側面板の該端面に設けた前記傾斜部に接合させて固定してなる家具用の柱状体。
  4. 請求項1または2に記載の家具用の柱状体であって、
    前記固定ブロックを前記端面板に兼用してなる家具用の柱状体。
  5. 請求項1から4のいずれか一に記載の家具用の柱状体であって、
    互いに隣接する前記側面板同士において、対向して接合される前記傾斜面の接合幅が等しくなるように、各側面板同士で前記第1の表面と前記側面とのなす傾斜角(α)を調整してなる家具用の柱状体。
  6. 請求項1から4のいずれか一に記載の家具用の柱状体であって、
    互いに隣接する前記側面板と前記端面板において、対向して接合される前記傾斜面と前記傾斜部の接合幅が等しくなるように、該端面板の前記閉塞端面と前記外周面とのなす傾斜角(β)と、該側面板の前記第1の表面と前記側面とのなす傾斜角(α)とを調整してなる家具用の柱状体。
  7. 請求項1から6のいずれか一に記載の家具用の柱状体であって、
    厚さが異なる複数の側面板を組み合わせて前記筒体を形成してなる家具用の柱状体。
  8. 請求項1から7のいずれか一に記載の家具用の柱状体であって、
    前記筒体の下端に連結される前記端面板を、前記側面板よりも厚く形成してなる家具用の柱状体。
  9. 請求項1から8のいずれか一に記載の家具用の柱状体であって、
    前記筒体の外形が、多角柱状、円柱状、部分的に湾曲面を有する多角柱状のいずれかである家具用の柱状体。
  10. 請求項1から9に記載の柱状体であって、
    前記固定ブロックの横断面における外形を、前記筒体の横断面における内形よりも小さくしてなる家具用の柱状体。
  11. 請求項1から10のいずれか一に記載される家具用の柱状体であって、
    当該柱状体の表面に木目印刷を施してなる家具用の柱状体。
  12. 請求項11に記載される家具用の柱状体であって、
    前記木目印刷が、表面に塗布された下地塗料と、表面を局部的に押し潰して設けた無数の導管状凹部と、表面に印刷された木目塗料からなる木目模様とを備える家具用の柱状体。
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