JP2017108924A - 生体情報取得装置および生体情報取得方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象の部位に照射した光の吸光度を利用して生体情報を測定する際の測定精度を向上させる。
【解決手段】縞状パターンの光を生体に対して照射する発光部10と、発光部10により縞状パターンの光を照射された生体の外部へ出た光を受光して検出信号を出力する受光部10と、受光部10から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する生体情報取得部30とを具備する生体情報取得装置1。
【選択図】図1
【解決手段】縞状パターンの光を生体に対して照射する発光部10と、発光部10により縞状パターンの光を照射された生体の外部へ出た光を受光して検出信号を出力する受光部10と、受光部10から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する生体情報取得部30とを具備する生体情報取得装置1。
【選択図】図1
Description
本発明は、血液中の成分濃度などの生体成分を表す生体情報を生体から取得するための検査技術に関し、特に非侵襲生体検査に関する。
非侵襲生体検査とは、口腔などの生体の開口部や生体の皮膚内への器具の挿入或いは身体の拘束を行うことなく生体情報を取得する検査のことをいう。以下では、検査対象の生体が人である場合、当該生体を「被験者」と呼ぶ場合がある。非侵襲生体検査は、開口部や皮膚内への器具の挿入や身体の拘束などを伴わないため、被験者に苦痛を与えることがないといった特徴を有する。非侵襲生体検査の一例としては、測定対象の部位に光を照射して当該光の吸光度を測定して生体成分の濃度等に換算する手法が挙げられる。
吸光度を利用する生体成分の測定では、本来の測定対象部位よりも浅い部分、例えば体表付近で散乱された光の影響により、本来の成分濃度に対して誤差が生じ易い。
特許文献1および特許文献2の各文献に開示の技術は、検出信号に目的外の周波数成分の信号が加わった場合に目的外の周波数成分の信号を除去する技術である。例えば、特許文献1には、X線を投射して異物を検査する際に検査スペクトルから異物がない場合のスペクトルを除去し、フーリエ逆変換する例が開示されている。また、特許文献2には、被写体を透過した放射線画像から周期的パターンの空間周波数成分を除去することが開示されている。しかし、特許文献1や特許文献2には、測定対象の部位とは異なる部位による散乱成分の除去については考慮されておらず、これら特許文献1や特許文献2に開示の技術を用いたとしても、吸光度を利用して生体成分の測定を行う際の測定精度を向上させることはできない。
以上の事情を考慮して、本発明は、測定対象の部位に照射した光の吸光度を利用して生体情報を測定する際の測定精度を向上させることを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る生体情報取得装置は、縞状パターンの光を生体に対して照射する発光部と、発光部により縞状パターンの光を照射された生体の外部へ出た光を受光して検出信号を出力する受光部と、受光部から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する生体情報取得部とを具備する。
発光部の具体的な構成としては複数の発光素子をマトリクス状に配列した構成が考えられ、受光部の具体的な構成としては受光量に応じた信号を出力する複数の受光素子をマトリクス状に配列した構成が考えられる。また、生体情報取得部による生体情報の取得態様の具体例としては、検出信号に含まれる信号成分のうち直流成分、或いは直流成分を含む特定の空間周波数範囲、より具体的には、受光部に配列された受光素子の配置間隔に応じた空間周波数よりも低い空間周波数成分から生体情報を取得する態様や、縞状パターンを表す波形の振幅と受光部による検出光の空間分布を表す波形の振幅の変化量(例えば、前者と後者の差、或いは前者に対する後者の比)や両波形の直流成分の変化量などの両波形における特定の特徴量の変化量を生体情報に換算する態様が考えられる。これらの態様に共通するのは検出信号に含まれる信号成分のうち直流成分或いは直流成分を含む特定の周波数範囲の信号成分のみに着目して生体情報を取得するという点である。
詳細については後述するが、受光部の受光素子によって受光された光は生体内の様々な光路を通って当該受光素子に至った光の重ね合わせであり、生体内伝搬距離が長い光ほど、つまり生体内の深い位置まで到達した光ほど上記縞状パターンにおけるコントラストが小さくなる等、空間周波数情報を失っている。本発明では、検出光の直流成分或いは当該直流成分を含む特定の周波数範囲の信号成分から生体情報が取得され、空間周波数成分などの他の周波数成分の光、すなわち生体の浅い部分で散乱された光は生体情報の取得に使用されない。このため、本発明によれば、本来の測定対象部位より浅い部分で散乱された光の影響を排除し、生体情報の測定精度を従来よりも向上させることが可能になる。
本発明の生体情報取得装置により取得される生体情報の具体例としては、血中グルコース濃度、ヘモグロビン濃度、血中酸素濃度、中性脂肪濃度などの血液成分濃度が挙げられる。また、受光部と発光部は同じ面内に配置されても良く、また、生体情報の測定対象となる生体の部位を挟んで対向するように発光部と受光部とが配置されていても良い。前者の態様であれば、発光部により生体に向けて照射され、当該生体内で散乱された結果、入射側に戻ってく光が受光部により受光されることとなり、後者の態様であれば、発光部により生体に向けて照射された光のうち当該生体を通過した光が受光部により受光されることとなる。
より好ましい態様においては、生体情報取得装置は、生体情報の取得対象となる生体の深さに応じた空間周波数の縞状パターンを発光部に発光させる発光制御部を有する。どの程度の深さを観察したいかに応じて適切な空間周波数は異なるからである。
さらに好ましい態様においては、生体情報取得部は、受光部の各受光素子から出力される検出信号の直流成分の値の分布から特定される測定ポイントに対応する受光素子の検出信号から生体情報を取得する。測定対象の生体情報が血中グルコース濃度等の血液成分である場合、受光素子から出力される検出信号の直流成分の値を受光素子の配置に応じて配列すると、測定部位における血管の走行に応じた分布が現れる。この分布を表示装置に表示すれば、生体情報取得装置の使用者は測定ポイントを適切に選択すること、すなわち、血管上に測定ポイントを設定することができ、測定ポイントに対応する受光素子の検出信号のみから生体情報を取得することで生体情報の測定精度をさらに向上させることができる。
また、前述の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る生体情報取得方法は、発光部と、受光した光を表す検出信号を出力する受光部とを生体情報の測定対象となる生体の部位に密着させる第1のステップと、第1のステップにて生体の部位に密着させた発光部を縞状パターンで発光させる第2のステップと、生体の外部に出た光の受光に応じて受光部々から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する第3のステップとを含む。この生体情報取得方法によっても、対象の部位に照射した光の吸光度を利用して生体情報を測定する際の測定精度が向上する。
図1は、本発明の好適な形態に係る生体情報取得装置1の構成例を示す概略図である。生体情報取得装置1は、被験者の生体情報を非侵襲的に取得する装置である。より具体的には、生体情報取得装置1は、測定対象部位に対して照射した光の吸収度から血中グルコース濃度を取得する装置であり、被験者の腕や指先に固定帯(図1では図示略)等で固定して使用される。図1に示すように、生体情報取得装置1は、光源・センサーアレイ10と、発光制御部20と、生体情報取得部30と、を有する。生体情報取得装置1は、光源・センサーアレイ10、発光制御部20および生体情報取得部30の他に、メモリ等の記憶部や、他の外部機器を接続するための外部機器接続部も有するが、記憶部や外部機器接続部については既存の電子機器が有するものと特段に変わるところはないため、図1では図示を省略した。なお、外部機器接続部に接続される他の外部機器の具体例としては、生体情報取得装置1に各種の動作指示やデータを入力するための入力装置や、表示装置等の出力装置が挙げられる。
図2は光源・センサーアレイ10の構成例を示す図である。光源・センサーアレイ10は、複数の発光素子Dと複数の受光素子Rとをマトリクス状に配列して構成されている。以下では図2におけるY方向の素子の並びを「列」と呼び、X方向の素子の並びを「行」と呼ぶ。図2に示すように、光源・センサーアレイ10のアレイ面において発光素子Dの列と受光素子Rの列は交互に並列される。発光素子Dおよび受光素子Rの各々は何れもアクティブに駆動することが可能な素子である。例えば、発光素子Dは有機EL素子であり、発光制御部20による制御の下で発光する一方、受光素子Rは受光量に応じた検出信号を生体情報取得部30へ出力する。光源・センサーアレイ10は、発光面として機能するとともに受光面としても機能するアレイ面が外部に露出するように生体情報取得装置1に設けられている。
生体情報取得装置1を固定帯などで生体情報の取得対象となる生体の部位(腕や手首、指など)に固定する際には、図3に示すように、当該部位に光源・センサーアレイ10のアレイ面が密着するように固定される。本実施形態では、この状態において発光素子Dから生体に照射された光は生体内における伝搬・散乱を経て生体外部に出て、受光素子Rにて受光される。
発光制御部20と生体情報取得部30は、CPU(Central Processing Unit:図1では図示略)を、記憶部(図1では図示略)に予め記憶されたプログラムにしたがって作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。本実施形態における発光制御部20と生体情報取得部30は何れもソフトウェアモジュールであるが、両方或いは何れか一方を電子回路等のハードウェアで実現しても良い。
発光制御部20は、生体に対して縞状パターンで発光するように光源・センサーアレイ10における複数の発光素子Dの発光を制御する。光源・センサーアレイ10に含まれる複数の発光素子Dの集合は生体に対して縞状パターンの光を照射する発光部として機能する。光源・センサーアレイ10に含まれる複数の受光素子Rの集合は発光部により縞状パターンの光を照射された生体の外部へ出た光を受光して検出信号を出力する受光部として機能する。縞状パターンとは、発光している発光素子Dの列と発光していない発光素子Dの列とが行方向に一定の間隔で交互に繰り返し並んでいる状態のことをいう。なお、本実施形態では行方向に明暗が繰り返す縞状パターンを用いる場合について説明するが、列行方向に明暗が繰り返す縞状パターンを用いても良い。以下では、空間的な広がりを有し、かつ縞状パターンを有する光を「空間変調光」と呼び、明暗の繰り返し間隔の逆数を「空間周波数」と呼ぶ。本実施形態において光源・センサーアレイ10における複数の発光素子Dを縞状パターンで発光させる理由は以下の通りである。
図4は、空間変調された生体入射光と出射光の振幅の関係を示す図である。図4では、生体入射光の到達した生体内の深度が矢印A1〜A3により表されており、波形W1は矢印A1により到達深度が表される射出光の波形を、波形W2は矢印A2により到達深度が表される射出光の波形を、波形W3は矢印A3により到達深度が表される射出光の波形を夫々表す。図4に示すように、生体内伝搬距離が長い光ほど、つまり生体内の深い位置まで到達した光ほど、波形の山・谷の差、すなわち明暗のコントラストが小さくなる。以下、空間変調された光のコントラストが小さくなることを「空間周波数情報を失う」という。
図5は、縞状パターンの光を生体に照射した場合に得られる検出光を示す図である。図5では、生体に対する照射光の縞状パターンが矩形波状の空間波形で表現されている。前述したように、複数の受光素子Rの各々によって受光される光は生体内のあらゆる光路を伝搬してきた光の重ね合わせであり、生体の深い位置まで到達した光ほど空間周波数情報を失っている。複数の受光素子Rの各々による検出光はこのような光の重ね合わせであるため、当該検出光の空間波形は照射光の空間波形に比較して滑らか正弦波状となって明暗の境界がぼやけ、振幅、すなわち明暗のコントラストが小さくなる。
前述したように複数の受光素子Rの各々によって受光される光のうち、空間周波数情報を失っていない光は、生体内の比較的浅い部分を通った光であり、空間周波数情報を失った光は比較的深い部分を通った光である。よって、検出光から照射光と同じ空間周波数情報を有する光を除去すれば、生体内の特定の部位のみの情報(吸光情報、散乱情報)を得ることができる。つまり、本実施形態では、生体内の特定の部位のみの情報をより浅い部位からの情報から分離して抽出できるようにするために、光源・センサーアレイ10における複数の発光素子Dを縞状パターンで発光させる。
縞状パターンの空間周波数については予め定められた固定値であっても良いが、生体情報取得装置1の使用者が観察したい深さ、すなわち、生体情報の測定対象となる深さに応じて当該使用者が設定できることが好ましい。図6は空間周波数情報の消失率を3種類の空間周波数(f1<f2<f3)についてプロットした図である。図6に示すように、空間周波数が高いほど深さに対する空間周波数情報の消失率は大きくなる。観察したい深さに対して空間周波数情報の消失率の小さい空間周波数の縞状パターンを用いると、検出光から照射光と同じ空間周波数情報を有する光を除去すると検出光の大半が除去され、生体情報を取得できなくなる。つまり、どの程度の深さを観察したいかに応じて適切な空間周波数は定まる。このため、生体情報の測定対象となる深さに応じて生体情報取得装置1の使用者が縞状パターンの空間周波数を設定できることが好ましい。
本実施形態では、生体情報取得装置1の使用者が観察したい深さに応じて空間周波数を設定できるようにするために、生体情報取得装置1には、生体情報の取得対象となる深さと縞状パターンの空間周波数との関係を表すデータを格納した深さ−周波数変換テーブル210が予め記憶されている。深さ−周波数変換テーブル210については、生体情報取得装置1のCPUを発光制御部20および生体情報取得部30として機能させるプログラムに埋め込んでおいても良く、当該プログラムとは別個に記憶部に格納しておいても良い。
図7は、深さ−周波数変換テーブル210の一例を示す図である。図7に示すように、深さ−周波数変換テーブル210には、生体情報の取得対象となる深さを表すデータに対応付けて、その深さにて散乱された後も空間周波数情報を保っている縞状パターンの空間周波数の上限値を表すデータが格納されている。
発光制御部20は、生体情報取得装置1の使用者により指定された深さに対応する空間周波数の値を深さ−周波数変換テーブル210から読み出し、この空間周波数の縞状パターンが発光されるように複数の発光素子Dの発光制御を行う。なお、生体情報取得装置1の使用者により指定された深さと同じ深さを示すデータが深さ−周波数変換テーブル210に格納されていない場合には、生体情報取得装置1の使用者により指定された深さに最も近い深さに対応する空間周波数を設定する処理を発光制御部20に実行させるようにすれば良い。
深さ−周波数変換テーブル210の格納内容、すなわち、生体情報の測定対象となる深さと縞状パターンの空間周波数との関係については、模擬生体を用いた実験等により求めるようにすれば良い。なお、両者の関係については、測定対象内における散乱係数(または等価散乱係数)にも依存するため、散乱係数については一般的な生体散乱の実験値を前提とすれば良い。例えば前掲図7には、散乱係数が1.0(1/mm)の場合について例示されている。また、図8に示すように、生体情報の測定対象となる深さと縞状パターンの空間周波数との関係を表すデータを散乱係数毎に格納した深さ−周波数変換テーブル210を生体情報取得装置1に予め記憶させておき、測定対象の深さとともに散乱係数を生体情報取得装置1の使用者に指定させ、両者に対応する空間周波数を深さ−周波数変換テーブル210から読み出す処理を発光制御部20に実行させても良い。なお、本実施形態では、深さ−周波数変換テーブル210を用いて、生体情報の測定対象となる深さに応じた空間周波数の設定を実現したが、例えば、生体情報の取得対象となる深さと縞状パターンの空間周波数との関係が数式で表現される場合には、この数式にしたがって生体情報の取得対象となる深さを空間周波数に換算するサブルーチンを上記プログラムに埋め込んで置いても良い。
生体情報取得部30は、光源・センサーアレイ10における複数の受光素子Rの各々から出力される検出信号から生体情報(本実施形態では血中グルコース濃度)を取得する。本実施形態では、生体情報取得部30は、まず、複数の受光素子Rの各々から出力される検出信号から交流成分(以下、「AC成分」と表記)を除去し、直流成分(以下、「DC成分」と表記)を抽出する。DC成分は照射光の空間周波数に応じた深さよりも深い部位に達した光の成分に相当し、観察対象の生体情報を正確に反映しているからである。DC成分の抽出方法として種々の方法が考えられる。例えば行方向に並んだ受光素子Rの各々について検出信号の信号値の当該行方向の移動平均値を算出して(すなわち、ローパスフィルタ処理を施して)当該移動平均値をDC成分とする方法、アレイ面全体での上記信号値の平均値や中央値等の統計的な特徴量をDC成分とする方法、検出光を表す信号にFFTによる周波数フィルタを施す方法などが挙げられる。本実施形態では、上述した移動平均値の算出により受光素子R毎に(換言すれば、アレイ面における受光素子Rの位置毎に)DC成分の算出が行われる。
次いで、本実施形態の生体情報取得部30は、複数の受光素子Rの各々の検出信号におけるDC成分または当該DC成分に応じた吸光度に応じた色または形状の図像を各々の出力元の受光素子Rに対応付けてマトリクス状に配列した画像(以下、測定ポイント設定画面)を表示装置(図1では図示略)に表示させる。例えば、図5に示すように、アレイ面における行方向の座標位置xの受光素子Rにおける検出値をIout(x)、周波数フィルタ等のフィルタ処理後の検出値をIout_fil(x)、照射光の空間全単体平均をIin_avgとすると、行方向の座標位置xにおける生体通過光の見かけの吸光度Abs(x)は以下の式(1)のように表すことができ、この値は行方向の座標位置xにおける生体内部の吸収・散乱の情報に相当する。
Abs(x)=−log{Iout_fil(x)/Iin_avg}・・・(1)
上記Abs(x)の値または当該値に応じた表示態様の図像を受光素子Rに対応付けてマトリクス状に配列した画像を表示装置に表示させることにより、生体内部における光の吸収度の分布、すなわち観測対象の生体情報の分布が可視化される。
Abs(x)=−log{Iout_fil(x)/Iin_avg}・・・(1)
上記Abs(x)の値または当該値に応じた表示態様の図像を受光素子Rに対応付けてマトリクス状に配列した画像を表示装置に表示させることにより、生体内部における光の吸収度の分布、すなわち観測対象の生体情報の分布が可視化される。
生体情報取得装置1の使用者は、測定ポイント設定画面を視認すると、吸光度の分布に応じて測定ポイントを設定する。生体情報取得部30は測定ポイントとして指定された位置(或いは領域)に対応する受光素子Rの出力信号のDC成分のみを用いて検出信号処理(例えば、DC成分の分布に対して主成分分析などの多変量解析を施して生体情報に換算したり、式(1)にしたがって吸光度に換算した後にさらに所定の換算式にしたがって生体情報に換算する等)を行って生体情報を算出し、表示装置(図1では図示略)に出力する。
以上が生体情報取得装置1の構成である。
以上が生体情報取得装置1の構成である。
<生体情報取得装置1の使用方法>
生体情報取得装置1の使用方法、すなわち、生体情報取得装置1を用いて生体情報を取得する生体情報取得方法の手順は概ね以下の通りである。図9は、本実施形態の生体情報取得方法の手順を示すフローチャートである。生体情報取得装置1の使用者は、生体情報の取得対象となる生体の部位に生体情報取得装置1を固定する(ステップSA010)。前述したように測定対象の生体情報が血中グルコース濃度である場合には、生体情報取得装置1の使用者は、例えば固定帯などを用いて、光源・センサーアレイ10が測定対象部位の皮膚に密着するように生体情報取得装置1を被験者の腕や手首、指などに固定する。
生体情報取得装置1の使用方法、すなわち、生体情報取得装置1を用いて生体情報を取得する生体情報取得方法の手順は概ね以下の通りである。図9は、本実施形態の生体情報取得方法の手順を示すフローチャートである。生体情報取得装置1の使用者は、生体情報の取得対象となる生体の部位に生体情報取得装置1を固定する(ステップSA010)。前述したように測定対象の生体情報が血中グルコース濃度である場合には、生体情報取得装置1の使用者は、例えば固定帯などを用いて、光源・センサーアレイ10が測定対象部位の皮膚に密着するように生体情報取得装置1を被験者の腕や手首、指などに固定する。
生体情報取得装置1の固定を完了すると、生体情報取得装置1の使用者は測定対象の深さを決定し(ステップSA020)、生体情報取得装置1の操作部を操作して当該深さを示す値を入力する。本実施形態では血中グルコース濃度が測定対象であるため、生体情報取得装置1の使用者は、生体情報取得装置1を固定した部位における体表からの血管(例えば、静脈)の深さを表す値を生体情報取得装置1の操作部を操作して入力する。なお、生体情報取得装置1を固定した部位における体表からの血管の深さについては被験者の年齢、性別、体格、および統計データ等を参考に定めるようにすれば良い。
発光制御部20は、操作部に対する操作により入力された値に対応付けて深さ−周波数変換テーブル210に格納されている空間周波数を当該テーブルから読み出し、光源・センサーアレイ10に縞状パターンを発光させる際の空間周波数とする。これにより、光源・センサーアレイ10の発光パターンが決定される(ステップSA030)。そして、発光制御部20は、光源・センサーアレイ10を当該発光パターンで発光させる(ステップSA040)。これにより、観察対象の深さに応じた空間周波数を有する縞状パターンの光が生体に照射される。光源・センサーアレイ10によって生体に照射された光は生体内で散乱伝搬する。生体内における散乱伝搬を経て生体外に出た光の一部は光源・センサーアレイ10の複数の受光素子Rの各々によって受光され、各受光素子Rから受光量に応じた検出信号が出力される(ステップSA050)。
生体情報取得部30は、複数の受光素子Rの各々から受け取った検出信号からAC成分を除去してDC成分を抽出し(ステップSA060)、これらDC成分を用いて測定ポイント設定画面を表示装置に表示させる(ステップSA070)。前述したように、生体情報取得装置1の使用者は、測定ポイント設定画面を視認すると、DC成分の分布に応じて測定ポイントを設定する(ステップSA080)。
本実施形態にて観察対象となっている生体情報は血中グルコース濃度であり、血管内とその外側とでは当然前者のほうが血中グルコース濃度の値は大きいはずである。血中グルコース濃度の値が大きいほどDC成分の値が大きく(或いは小さく)なるのであれば、上記ステップSA070において生体情報取得装置1が表示装置に表示させる測定ポイント設定画像には、生体内における血管の走行が表れる。上記ステップSA080では、生体情報取得装置1の使用者は、測定ポイントとして上記血管上の位置或いは領域を設定する。本実施形態における観察対象は血中グルコース濃度だからである。
上記の要領で測定ポイントが設定されると、生体情報取得部30は、ステップSA080にて設定された測定ポイントに対応する受光素子Rの検出信号のDC成分のみを対象として検出信号処理を実行(ステップSA090)して血中グルコース濃度を算出し(ステップSA100)、その算出結果を表示装置に表示する(ステップSA110)。
以上が生体情報取得装置1を用いた生体情報取得方法の手順である。
以上が生体情報取得装置1を用いた生体情報取得方法の手順である。
以上説明したように本実施形態によれば、妨害となりうる表層付近からの信号成分、すなわちAC成分を除去して生体情報を算出することにより、生体情報の測定精度を向上させることが可能になる。加えて本実施形態では、測定ポイント設定画像においてDC成分の値が他の部分よりも大きく(或いは小さく)なっている部分を測定ポイントとして設定することで、血管以外の部分からの散乱光を除外してより正確に血中グルコース濃度を測定することが可能になる。
<変形例>
以上に例示した実施形態は変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜併合することも可能である。
以上に例示した実施形態は変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜併合することも可能である。
(1)上記実施形態では、血中グルコース濃度が測定対象の生体情報であったが、ヘモグロビン濃度、血中酸素濃度、或いは中性脂肪濃度などの他の血液成分濃度を測定対象としても良い。また、本発明による測定対象の生体情報は血液成分濃度に限定される訳ではなく、吸光度の測定値から換算可能な生体情報であればどのようなものであっても良い。また、濃度の測定対象の生体成分によっては特定の波長の光のみを散乱或いは吸収するといった具合に、濃度の測定対象の生体成分毎に光の散乱或いは吸収特性は異なり得る。このため、発光素子Dとして複数色の発光が可能な発光素子を用いる、或いは各々発光色の異なる複数の発光素子で1つの発光画素を形成するようにして測定対象の生体情報に応じて発光色を異ならせるようにしても良い。
(2)上記実施形態では、検出光のDC成分のみに基づいて吸光度(すなわち、生体情報)を算出したが、DC成分を含む特定の周波数範囲の周波数成分を用いて吸光度等を算出しても良い。例えば、照射光のスペクトルと検出光のスペクトルにおける上記周波数範囲についての面積比を吸光度とする、といったことが考えられる。ここで上記周波数範囲の上限は光源・センサーアレイ10における受光素子の配置間隔(ピッチ)に応じて定まり、例えば当該ピッチが25μmである場合には上記周波数範囲の上限は20(cycle/mm)となる。また、照射光の空間波形と検出光の空間波形とについての特徴量(振幅や振幅の平均値等)の変化量を生体情報に換算しても良い。
(3)上記実施形態では、受光部として機能する複数の受光素子が、発光部として機能する複数の発光素子と同じ面に配列されており、受光部と発光部とが同一面に配置されていた。しかし、生体情報の測定対象となる生体の部位を挟んで発光部と対向する側に受光部を配置しても良い。この態様であれば、発光部により生体に向けて照射された光のうち当該生体を通過した光が受光部により受光されることになる。
(4)上記実施形態では、観察対象の深さに応じて空間周波数を設定したが、予め定められた固定の空間周波数の縞状パターンを発光するように発光部の発光制御を行っても良く、この態様であれば、図9に示すフローチャートにおけるステップSA020およびステップSA030の手順は不要であり、発光制御部20も不要である。また、測定ポイントの設定を省略し、光源・センサーアレイ10に含まれる全ての受光素子Rの出力信号から生体情報を算出しても良い。例えば、真皮全体を想定して生体情報の取得を行う場合には測定ポイントの設定は不要である。この態様であれば、図9のフローチャートにおけるステップSA070およびステップSA080の手順は不要である。
つまり、本発明における生体情報取得方法は、発光部と、受光した光を表す検出信号を出力する受光部とを生体情報の測定対象となる生体の部位に密着させる第1のステップ(図9におけるステップSA010)と、第1のステップにて生体の部位に密着させた発光部を縞状パターンで発光させる第2のステップ(図9におけるステップSA040)と、生体の外部に出た光の受光に応じて受光部から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する第3のステップ(図9におけるステップSA050,ステップSA060、ステップSA090およびステップSA100よりなるステップ)と、を含んでいれば良い。
また、本発明の生体情報取得装置は、縞状パターンの光を生体に対して照射する発光部と、発光部により縞状パターンの光を照射された生体の外部へ出た光を受光して検出信号を出力する受光部と、受光部から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する生体情報取得部とを具備していれば良い。
1…生体情報取得装置、10…光源・センサーアレイ、D…発光素子、R…受光素子、20…発光制御部、30…生体情報取得部。
Claims (7)
- 縞状パターンの光を生体に対して照射する発光部と、
前記発光部により縞状パターンの光を照射された生体の外部へ出た光を受光して検出信号を出力する受光部と、
前記受光部から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する生体情報取得部と
を具備する生体情報取得装置。 - 前記生体情報取得部は、前記検出信号の信号成分のうち、前記受光部における受光素子の配置間隔に応じた空間周波数よりも低い空間周波数成分から前記生体情報を取得する請求項1の生体情報取得装置。
- 前記生体情報取得部は、前記縞状パターンの波形と前記検出信号を表す波形についての特徴量の変化量から前記生体情報を算出する請求項1の生体情報取得装置。
- 前記生体情報の測定対象となる深さに応じた空間周波数の縞状パターンを前記発光部に発光させる発光制御部
を具備する請求項1から請求項3の何れかの生体情報取得装置。 - 前記生体情報取得部は、前記受光部の各受光素子から出力される検出信号の信号値の分布から特定される測定ポイントに対応する受光素子の検出信号から前記生体情報を取得する請求項1から請求項4の何れかの生体情報取得装置。
- 前記生体情報は、血中グルコース濃度、ヘモグロビン濃度、血中酸素濃度、および中性脂肪濃度の何れかである請求項1から請求項5の何れかの生体情報取得装置。
- 発光部と、受光した光を表す検出信号を出力する受光部とを生体情報の測定対象となる生体の部位に密着させる第1のステップと、
前記第1のステップにて生体の部位に密着させた前記発光部を縞状パターンで発光させる第2のステップと、
前記生体の外部に出た光の受光に応じて前記受光部々から出力される検出信号を解析して生体情報を取得する第3のステップと
を含む生体情報取得方法。
Priority Applications (1)
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JP2015245837A JP2017108924A (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 生体情報取得装置および生体情報取得方法 |
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JP2015245837A JP2017108924A (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 生体情報取得装置および生体情報取得方法 |
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KR20190081634A (ko) * | 2017-12-29 | 2019-07-09 | 삼성전자주식회사 | 생체 성분 측정 장치 및 방법 |
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2015
- 2015-12-17 JP JP2015245837A patent/JP2017108924A/ja active Pending
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