JP2017108871A - 身体情報生成装置 - Google Patents

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鈴木 克典
Katsunori Suzuki
克典 鈴木
保郎 奥宮
Yasuo Okumiya
保郎 奥宮
谷高 幸司
Koji Tanitaka
幸司 谷高
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Abstract

【課題】 打撃を伴う種々の動作において、被験者の筋肉の使い方の評価を可能にする技術を提供する。
【解決手段】 身体情報生成装置1は、センサ10と、センサ20と、情報処理部30とを有する。センサ10は、ゴルフのスイングを行うユーザの上腕二頭筋の周長の変化を検出し、当該検出結果を情報処理部30に出力する。センサ20は、打撃音を検出し、検出結果を情報処理部30に出力する。情報処理部30における制御部32は、センサ20の検出結果を基に打撃時刻Taを特定するとともに、センサ10の検出結果を基にユーザの上腕二頭筋から力が抜けた脱力時刻Tbを特定し、当該打撃時刻Tbと打撃時刻Taとの時間差ΔTを算出し、当該時間差を示す身体情報を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被験者の筋肉の使い方を評価するための情報を生成する身体情報生成装置に関する。
ゴルフ等の打撃を伴うスポーツでは、打球の飛距離や方向性を向上させることは重要課題であり、これらの実現を支援する技術が各種提案されている。
例えば、特許文献1に開示された技術では、ゴルフクラブのグリップに3軸(x軸、y軸およびz軸)方向回りの角速度を計測することが可能な角速度センサを取り付け、ユーザにスイングさせる。そして、角速度センサから出力される検出信号を基にx軸、y軸およびz軸の各軸回りの角速度を算出し、その算出結果を基に生成された各種指標を基にゴルファーにマッチしたシャフトを選定する。ユーザは、このようにして選定されたシャフトを有するゴルフクラブでスイングすることにより飛距離を延ばすことができると期待される。
特開2014−064669号公報
ゴルフにおける飛距離等は、ゴルフクラブがユーザにマッチしているか否かに依存することはもちろんであるが、スイングの際の体の使い方、より具体的には筋肉の使い方にも依存する。例えば、ゴルフの場合、インパクトの瞬間だけ必要な筋肉(例えば、上腕二頭筋)に力が入り、それ以外ではできるだけ上記筋肉から力が抜けるスイングが理想とされている。この点は、ゴルフに限らず、テニスや野球といった被打撃物を打撃するスポーツ全般について言えることである。さらに、この点は、被打撃物を打撃する演奏(例えば、ドラム演奏やピアノ演奏)についても同様である。しかし、特許文献1に記載の技術では、打撃者(ゴルファー)の筋肉の使い方の評価は行われず、このような評価を可能とする技術は従来なかった。
本発明は、打撃を伴う種々の動作において、被験者の筋肉の使い方の評価を可能にする技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、被打撃物を打撃する動作を行う被験者の身体の部位の変化を検出し、第1の検出信号を出力する第1のセンサと、前記被打撃物の打撃を検出し、第2の検出信号を出力する第2のセンサと、前記第2の検出信号を基に打撃時刻を特定するとともに、前記第1の検出信号を基に前記身体の部位から力が抜けた時刻である脱力時刻を特定し、当該脱力時刻と前記打撃時刻との時間差を算出し、当該時間差を示す身体情報を生成する制御部とを有する身体情報生成装置を提供する。
本発明によれば、脱力時刻と打撃時刻との時間差を示す身体情報が生成され、この身体情報に基づいてユーザの筋肉の使い方を評価することが可能になる。
本発明の一実施形態である身体情報生成装置1の構成を示す図である。 同実施形態における制御部32が実行する脱力時刻特定処理において特定される打撃時刻Tbの算出方法を示す図である。 同実施形態において、収縮波形サンプル列Vおよび音波形サンプル列Sの各々が表す波形の時間変化を示す図である。 同実施形態における脱力時刻特定処理において特定される打撃時刻Tbの算出方法を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態である身体情報生成装置1の構成を示す図である。身体情報生成装置1は、被打撃物を打撃する動作を行う被験者の筋肉の使い方の評価を可能にする情報を生成する。具体的には、身体情報生成装置1は、ゴルフのスイング時における打撃者の筋肉の使い方を評価対象とする。図1に示すように、身体情報生成装置1は、センサ10と、センサ20と、情報処理部30とを有する。
センサ10は、歪センサを有するセンサモジュールであり、評価対象者(以下、ユーザ)の上腕二頭筋に直接または衣類等を介して貼着される。歪センサは、スイングに応じて収縮または膨張するユーザの上腕二頭筋の周長の変化に応じた検出信号(第1の検出信号)を情報処理部30に出力する。本実施形態では、検出信号として、評価対象部位である上腕二頭筋の収縮膨張波形(包絡線波形)を表す収縮波形サンプル列Vが情報処理部30に出力される。より詳細には、この収縮波形サンプル列Vは、センサ10が有する通信インタフェース(図示略)を介して無線または有線により送信される。
センサ20は、マイクロフォンを有するマイクモジュールであり、音を収音し、収音した音の波形(包絡線波形)を表す音信号(第2の検出信号)を情報処理部30に出力する。本実施形態では、音信号として、音波形サンプル列Sが情報処理部30に出力される。より詳細には、この音波形サンプル列Sは、センサ20が有する通信インタフェース(図示略)を介して無線または有線により送信される。
情報処理部30は、例えばPC(Personal
Computer)であり、通信部31と、制御部32と、記憶部33と、情報出力部34とを有する。通信部31は、センサ10から送信された収縮波形サンプル列Vおよびセンサ20から出力された音波形サンプル列Sを受信する毎に制御部32に出力する。情報出力部34は、各種の情報を表示する表示装置および音を出力するサウンドシステム等により構成されている。
記憶部33は、図1に示すように揮発性記憶部331と不揮発性記憶部332とを有する。揮発性記憶部331は例えばRAM(Random Access Memory)である。揮発性記憶部331は、プログラム332aを実行する際のワークエリアとして制御部32によって利用される。また、揮発性記憶部331には、以下に説明する処理(制御部32がプログラム332aに従って実行する処理)の過程で取得または生成される各種情報が格納される。不揮発性記憶部332は、例えばフラッシュROM(Read Only Memory)やハードディスクである。不揮発性記憶部332には、プログラム332aや筋肉の使い方の評価の際に使用される情報(図示略)が格納されている。
制御部32は例えばCPU(Central
Processing Unit)である。制御部32は不揮発性記憶部332に記憶されているプログラム332aを実行することで身体情報生成装置1の制御中枢として機能する。制御部32は、身体情報生成装置1(情報処理部30)の電源(図示略)の投入またはリセットを契機としてプログラム332aを不揮発性記憶部332から揮発性記憶部331に読み出し、当該プログラム332aの実行を開始する。プログラム332aにしたがって作動している制御部32は、ユーザにより測定開始の指示を与えられたことを契機として、通信部31から収縮波形サンプル列Vおよび音波形サンプル列Sを受け取る毎に、受け取った収縮波形サンプル列Vおよび音波形サンプル列Sを揮発性記憶部331に格納する。このとき、制御部32は、上記測定開始の指示が与えられた時刻を示す時刻データを揮発性記憶部331に格納する。そして、制御部32は、ユーザにより測定終了の指示を与えられたことを契機として、揮発性記憶部331への音波形サンプル列Sおよび収縮波形サンプル列Vの格納を停止するとともに、図2のフローチャートに示すように打撃時刻特定処理、脱力時刻特定処理および指標生成処理を実行する。なお、測定開始および測定終了の指示は、例えば評価対象者またはその補助者がリモコン等(図示略)で操作信号を情報処理部30に送信することにより、身体情報生成装置1に与えられる。
以下、制御部32が実行する上記各処理の詳細について、音波形サンプル列Sおよび波形収縮サンプル列Vの両サンプル列の各々が表す波形の時間変化に即して説明する。図3は、収縮波形サンプル列Vおよび音波形サンプル列Sの各々が表す波形の時間変化を示す図である。身体情報生成装置1へ測定開始を指示してから、測定終了を指示するまでの間に、ユーザがゴルフスイングを行うと、図3に示す各波形を表す収縮波形サンプル列Vおよび音波形サンプル列Sが揮発性記憶部331に格納される。図3には、1回のスイングで得られた上記各サンプル列の表す波形が示されている。この図に示すように、インパクトの瞬間、打撃音が発生すると、音波形サンプル列Sの表す波形にピークが現れる。制御部32は、打撃時刻特定処理(図2:S100)において、この打撃音が発生した時刻(打撃時刻)Taを特定する。
より詳細には、制御部32は、揮発性記憶部331から音波形サンプル列Sを読み出し、上記音波形のピークを検出する。そして、制御部32は、当該ピークに対応する時刻を打撃時刻Taとして特定する。より詳細には、制御部32は、上記ピークに対応するサンプルが先頭のサンプルから何番目のサンプルであるかをカウントし、揮発性記憶部331に格納された時刻データの示す時刻および音波形サンプル列Sにおける各サンプル間の時間間隔を基に打撃時刻Taを特定する。
制御部32は、打撃時刻Taを特定すると、脱力時刻特定処理を実行する(S110)。この処理では、制御部32は、収縮波形サンプル列Vを解析して、評価対象部位から力が抜けた時刻である脱力時刻Tbを特定する。以下、制御部32の解析対象である収縮波形サンプル列Vの表す波形の時間変化について説明する。
スイングを開始したユーザはインパクトに向けてグリップを握る力を徐々に強めていくため、上腕二頭筋に加わる力が徐々に上昇し、その周長が増大する。つまり、収縮波形サンプル列Vを構成する各サンプルの値が上昇する。
インパクトの前後では、グリップを握る力が最大となるため、上腕二頭筋に加わる力は最大となり、その周長が最大となる。インパクト後のフォロースルーでは、ユーザはグリップを握る力を徐々に緩めていくため、上腕二頭筋に加わる力が徐々に小さくなり、その周長が減少する。つまり、インパクトの前後において収縮波形サンプル列Vに極大値が表れる。収縮波形の振幅が極大となる時刻をTmaxと呼ぶ。
フォロースルーの終盤では、ユーザはゴルフクラブを止めるためにグリップを握る力を再び強め始める。収縮波形の振幅は再び増加に転じ、収縮波形に極小値が表れる。収縮波形の振幅が極小となる時刻をTminと呼ぶ。
このように、スイングの一連の流れの中で、収縮波形サンプル列Vの表す波形は、上腕二頭筋の筋肉の使い方(グリップの握り具合)に応じて変化する。制御部32は、この変化する収縮波形サンプル列Vを解析して、筋肉から力の抜けた時刻である脱力時刻Tbを特定する。
<例1>
脱力時刻の定義については種々の定義が考えられる。図4(a)に示すように、例えば収縮波形の振幅が極大となった時刻と、極小となった時刻の中間の時刻を脱力時刻とすることが考えられる。この場合、制御部32は、揮発性記憶部331から収縮波形サンプル列Vを読み出し、収縮波形の極大値Vmaxおよび極小値Vminを検出し、各々に対応する時刻である時刻TmaxおよびTminを求める。より詳細には、制御部32は、極大値Vmaxに対応するサンプルが先頭のサンプルから何番目のサンプルであるかをカウントし、揮発性記憶部331に格納された時刻データの示す時刻および収縮波形サンプル列Vにおける各サンプル間の時間間隔を基に、時刻Tmaxを特定する。時刻Tminについても同様である。なお、収縮波形サンプル列Vの表す波形に複数の極大値および極小値が検出された場合、制御部32は打撃時刻Taの最近傍に現れる極大値およびその直後の極小値を極大値Vmaxおよび極小値Vminとして特定する。また、収縮波形サンプル列Vの各サンプルの値が連続的な上昇(減少)から連続的な減少(増加)に転じるまでの間に、一定時間一定値が保持されるような場合、制御部32は、その一定期間における所定のサンプル値(例えば、打撃時刻Taの最近傍のサンプル値)を極大値Vmax(極小値Vmin)とする。
制御部32は、時刻TmaxおよびTminを求めると、以下に示すように脱力時刻Tbを特定する。
Tb=Tmax+(Tmin−Tmax)/2
<例2>
上記例1では、脱力時刻Tbを特定するために、制御部32は、極大値Vmaxおよび極小値Vminの他、時刻TmaxおよびTminを求めなければならない。例えば、脱力時刻の定義として、他の定義を採用すれば時刻TmaxおよびTminを算出することなく脱力時刻Tbを特定することが可能となる。
具体的には、収縮波形の振幅が極大値と極小値の間の中間値となった時刻を脱力時刻と定義するのである。制御部32は、まず以下の算出式に従って、極大値Vmaxおよび極小値Vminの中間値(具体的には両者の相加平均値)である中間値Vmiddleを算出する。そして、制御部32は、中間値Vmiddleに対応する時刻を脱力時刻Tbとして特定する(図4(b))。
Vmiddle=(Vmin+Vmax)/2
<例3>
上記例2では、脱力時刻Tbを特定するために、制御部32は、極大値Vmaxの他、極小値Vminおよび中間値Vmiddleを求めたが、収縮波形の振幅が極大値の半分となった時刻を脱力時刻と定義することにより、時刻TmaxおよびTminに加えて、極小値Vminおよび中間値Vmiddleを算出することなく脱力時刻Tbを特定することが可能となる。具体的には、制御部32は、収縮波形サンプル列Vのサンプル値が極大となった後のその極大値Vmaxの半値(Vmax/2)となる時刻を脱力時刻Tbとして特定する(図4(c))。この例3の態様であれば、収縮波形に極小値が現れないような場合でも脱力時刻を定義することが可能になる。
制御部32は、脱力時刻Tbを算出すると、指標生成処理を実行する(S120)。この処理では、制御部32は、打撃後における評価対象部位の筋肉の使い方が理想的であるか否かを評価するための指標を生成する。本実施形態では、制御部32は、当該指標としてステップS100で特定した打撃時刻TaとステップS110で特定した脱力時刻Tbとの時間差ΔT(図3参照)、すなわち打撃後評価対象部位から力が抜けるまでの時間を算出する。制御部32は、時間差ΔTを算出すると、上記各種情報(時間差ΔT、打撃時刻Ta、脱力時刻Tb、音波形サンプル列Sおよび収縮波形サンプル列V)を揮発性記憶部331に格納する。そして、制御部32は、算出した時間差ΔTの良否を判定する。以下、制御部32が実行する時間差ΔTの良否の判定方法の一例を示す。
制御部32は、時間差ΔTの値をその理想値と比較することにより、上記判定を実行する。この理想値としては、例えば、理想的なスイングを行うことができる者(例えば、プロゴルファー)のスイングを予め身体情報生成装置1に計測させ、そのときに算出された時間差ΔTの値が用いられる。この理想的な時間差ΔTの値は、例えば工場出荷時に不揮発性記憶332に記憶される。以下では、この理想値としての時間差ΔTを時間差ΔT’と表記する。また、揮発性記憶部331に格納された時間差ΔTの値を実測値と呼ぶ。
制御部32は、揮発性記憶部331に格納された時間差ΔT(実測値)と、不揮発性記憶部332に格納された時間差ΔT’(理想値)を読み出し、各々の差分を算出する。そして、制御部32は、この算出結果が所定の閾値よりも小さいか否かを判定することにより、時間差ΔTの良否を判定する。制御部32は、判定の終了後、揮発性記憶部331から各種情報(打撃時刻Ta、脱力時刻Tb、音波形サンプル列Sおよび収縮波形サンプル列V)を読み出し、上記判定結果および時間差ΔTの各々を示す情報とともに情報出力部34に出力する。
この結果、情報出力部30の表示画面に上記判定結果が表示されるとともに、音波形サンプル列Sおよび収縮波形サンプル列Vの各々の表す波形の時間変化を示すグラフ(図3に示すグラフ)が表示される。ユーザは、情報出力部34の表示画面に表示される判定結果を視認し、上腕二頭筋の筋肉の使い方の良否を判断することで、上腕二頭筋の筋肉の使い方を改善することができる。
上述したように、ゴルフの場合、インパクトの瞬間だけ上腕二頭筋に力が入り、それ以外ではできるだけ上記筋肉から力が抜けるスイングが理想とされている。つまり、理想的なスイングを実現するためには、インパクトの瞬間を基準とした所定時間内において、上記筋肉から力が抜けていることが好ましい。本実施形態において制御部32により生成される時間差ΔT(評価対象部位から力が抜けた脱力時刻Tbと打撃時刻Taとの時間差)は、上記所定時間内に上記筋肉から力が抜けているか否かを示す指標であり、この指標を判定することにより、上記筋肉の使い方が理想とされるものであるか否かを評価することができる。従って、本実施形態によれば、スイング時における打撃者の筋肉の使い方を評価することが可能となる。
<他の実施形態>
以上、この発明の各実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば、以下の通りである。
(1)上記実施形態では、脱力時刻Tbの算出方法として例1〜例3を説明したが、収縮波形サンプル列Vの表す波形が極小となる時刻を脱力時刻Tbとしてもよい。この態様によれば、より簡単に脱力時刻Tbを特定することが可能となり、制御部32が実行する演算量を削減することができる。
(2)上記実施形態では、センサ10の上腕二頭筋への取付態様について示したが、脹脛等、他の部位にセンサ10を取り付けてもよい。ただし、センサ10の取付部位は、スイングに起因して周長が大きく変化する筋肉のある部位であることが望ましい。
(3)上記実施形態では、力の抜け具合の評価対象となる部位(上腕二頭筋)にセンサ10を取り付けたが、上記部位に加えて、当該部位と他の部位とを繋ぐ関節(肘)にセンサ10(第3のセンサ)を取り付けてもよい。肘の屈曲動作と上腕二頭筋の周長の変化との間には相関関係があり、スイング時にユーザが不用意に肘を曲げた場合、その影響(肘を曲げたことによる上腕二頭筋の周長変化)がセンサ10の検出信号(収縮波形サンプル列V)として現れる。この場合、情報処理部30は、上腕二頭筋の筋肉の使い方を正確に評価することができない。このような問題を解決するために、センサ10を肘に取り付け、その検出信号(第3の検出信号)の値により、不用意な肘の屈曲動作により生じた収縮波形サンプル列Vの変動を補正(相殺)するのである。この態様によれば、ユーザがスイングの動作とは無関係に肘を曲げたとしても、評価対象部位の筋肉の使い方を正確に評価することができる。脹脛と膝にセンサ10を取り付けた場合も、同様の効果が得られる。なお、センサ10を関節(肘)に取り付ける場合、より正確にその変化を検出するために、センサ10内の歪センサの長手方向(伸縮方向)と関節の曲げ伸ばし方向とを一致させることが望ましい。
(4)上記実施形態では、被打撃物を打撃するスポーツの一例としてゴルフを挙げたが、他にもテニス、野球、バドミントン、卓球等が上記スポーツとして挙げられる。これらのスポーツを行うユーザの身体各部の筋肉の使い方の評価を実施してもよい。
(5)上記実施形態では、被打撃物を打撃する種々の動作の一例としてスポーツを挙げたが、他にも楽器演奏(ドラム演奏やピアノ演奏)が上記動作として挙げられる。この場合、ユーザの上腕二頭筋等にセンサ10を取り付けるとともに、スティック等による打面の打撃により生じた音や、打鍵により生じた音をセンサ20(マイクロフォン)により収音する。そして、センサ10および20の検出信号の各々に対して、制御部32に処理(図2:ステップS100〜S120)を実行させればよい。
(6)上記実施形態では、制御部32は、脱力時刻特定処理において、収縮波形サンプル列Vが表す評価対象部位の周長の変化に基づいて脱力時刻Tbを特定したが、他の方法で脱力時刻Tbを特定してもよい。通常、身体から力が抜けた状態でスイングをすると、皮膚(評価対象部位)の表面に揺らぎが発生する。このため、評価対象部位に取り付けられたセンサ10の検出信号に、皮膚の揺らぎ(振動)に応じた周波数帯域の信号成分が含まれる。そこで、この皮膚の揺らぎに基づく検出信号の変化を制御部32に検出させ、その変化が所定の閾値を超えた時刻を脱力時刻Tbとして特定させてもよい。この場合、制御部32にセンサ10の検出信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)を実行させ、上記皮膚の揺らぎに応じた周波数帯域のスペクトルを検出させればよい。
(7)上記実施形態において、センサ20を他のセンサで構成し、当該センサの種別に応じた処理を制御部32に実行させてもよい。他のセンサとしては、光学センサ(カメラ)や衝撃センサ等、打撃の瞬間を特定することが可能なセンサ(被打撃物の打撃を検出し、検出信号を出力するセンサ)であれば、いかなるものでもよい。他のセンサを光学センサで構成した場合、制御部32に画像処理を実行させ、光学センサの検出信号を基に打撃の瞬間(打撃時刻Ta)を特定させればよい。他のセンサとして衝撃センサを採用する場合、ゴルフボールに衝撃センサを取り付けてもよい。
(8)上記実施形態では、1回のスイングで得られた検出信号に基づく筋肉の使い方の評価例について示したが、複数回のスイングで得られる検出信号に基づき上記評価を実施してもよい。この態様によれば、評価対象部位の筋肉の使い方と、スイング回数や疲労度合との相関関係についても評価することが可能となる。また、スイング回数の増加や疲労の蓄積とともに力みやすくなる傾向があるユーザにとっては、上記評価結果を参照し、力の抜けた初期のスイングをイメージすることで、筋肉の使い方を適宜修正することが可能となる。この場合、ユーザに複数のゴルフクラブでスイングさせ、そのうち最も優れた評価結果を記録した際に使用されたゴルフクラブをユーザに提案するフィッティングサービスを行ってもよい。
(9)上記実施形態において、ユーザの身体の複数の部位にセンサ10を取り付けてもよい。この態様によれば、複数のセンサ10の検出信号の各々に対して、制御部32に処理(図2:ステップS100〜S120)を実行させることにより、筋肉毎に筋肉の使い方を評価することが可能となる。また、この評価結果をユーザにフィードバックすることにより、理想的なスイングを実現するために必要とされる各部の筋肉の使い方を定量的に把握させることができる。この結果、ユーザは、各部の筋肉の理想的な筋肉の使い方をイメージすることができるとともに、そのイメージが現実となるよう、日々意識することができる。
上述したように、ゴルフの場合、インパクトの瞬間だけ上腕二頭筋に力が入り、それ以外ではできるだけ上記筋肉から力が抜けるスイングが理想とされている。しかし、被打撃物を打撃する種々の動作の中には、打撃の瞬間以外でも、部位によっては力が入っていることが望ましいとされるものもある。このような場合、筋肉毎にその筋肉の使い方を評価することにより、必要な時間帯に必要な部位に力が入っているか否かを評価することができる。
また、筋肉毎にその筋肉の使い方を評価することにより、各部の筋肉から力が抜ける際の連動性が分かり、筋肉相互間における力の抜けるタイミングや力の抜ける順番が理想的であるか否かを評価することができる。
(10)上記実施形態では、制御部32は、打撃後における評価対象部位の筋肉の使い方が理想的であるか否かを評価するための情報を生成したが、打撃に入るまでにおける上記情報を生成してもよい。この場合、評価部位に力が入り始めてから打撃に至るまでの時間差を評価対象とすればよい。
(11)上記実施形態において、打撃時刻特定処理(図2:ステップS100)と脱力時刻特定処理(ステップS110)の順番を入れ替えてもよい。
(12)上記実施形態において、制御部32に打撃時刻特定処理(図2:ステップS100)および脱力時刻特定処理(ステップS110)の並列処理を実行させてもよい。この態様によれば、通信部31から送信された検出信号を揮発性記憶部331に格納することなく、リアルタイムで上記各処理を実現することが可能となる。
(13)上記実施形態において、制御部32が実行する処理のうち、時間差ΔTの評価は必須ではなく、他の手段(評価手段)に実行させてもよい。
(14)上記実施形態において、ユーザの腕または脚の周囲に装着され当該腕または脚の収縮膨張に応じて伸縮する装着手段(例えば、サポータ)にセンサ10を固定し、当該センサ10に、ユーザの腕または脚の周径方向に沿った装着手段の伸縮を検出させてもよい。この場合、センサ10内の歪センサの伸縮方向と腕または脚の周径方向とを一致させることが望ましい。
1…身体情報生成装置、10,20…センサ、30…情報処理部、31…通信部、32…制御部、33…記憶部、331…揮発性記憶部、332…不揮発性記憶部、332a…プログラム、34…情報出力部。

Claims (5)

  1. 被打撃物を打撃する動作を行う被験者の身体の部位の変化を検出し、第1の検出信号を出力する第1のセンサと、
    前記被打撃物の打撃を検出し、第2の検出信号を出力する第2のセンサと、
    前記第2の検出信号を基に打撃時刻を特定するとともに、前記第1の検出信号を基に前記身体の部位から力が抜けた時刻である脱力時刻を特定し、当該脱力時刻と前記打撃時刻との時間差を算出し、当該時間差を示す身体情報を生成する制御部と
    を有する身体情報生成装置。
  2. 前記第1のセンサは、前記被験者の腕または脚の周囲に装着され当該腕または脚の収縮膨張に応じて伸縮する装着手段に固定された歪センサであることを特徴とする請求項1に記載の身体情報生成装置。
  3. 前記第2のセンサは、前記被打撃物の打撃音を検出するマイクロフォンであることを特徴とする請求項1または2に記載の身体情報生成装置。
  4. 前記被験者の関節の曲げを検出し、第3の検出信号を出力する第3のセンサを有し、
    前記制御部は、当該第3の検出信号に基づき前記第1の検出信号を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの1の請求項に記載の身体情報生成装置。
  5. 前記制御部は、前記第1の検出信号の特定の周波数帯域の信号を基に前記脱力時刻を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の身体情報生成装置。
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JP2019136367A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 日本電信電話株式会社 運動評価改善システム及び運動評価改善方法
WO2023026967A1 (ja) * 2021-08-25 2023-03-02 国立研究開発法人産業技術総合研究所 筋状態推定装置及び筋状態推定方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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