JP2017108514A - 装置 - Google Patents

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友祐 奥村
Yuusuke Okumura
友祐 奥村
祐一 吉川
Yuichi Yoshikawa
祐一 吉川
登史 小川
Toshi Ogawa
登史 小川
植田 浩司
Koji Ueda
浩司 植田
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Abstract

【課題】電動機要素を含む装置は、地球環境の保護、省資源化の観点から、高効率化が希求されている。【解決手段】電動機要素14は、略円柱状の固定子1と、固定子1の外側に回転自在に保持される回転子2とを有している。固定子1には固定子保持孔3が設けられ、また、回転子2はシャフト(図示せず)との接続された状態で回転子2と前記シャフトとが固定されている。固定子1は、略円筒状のヨーク部4と、ヨーク部4の外側に延出するティース部5とを有する固定子の磁心7と、ティース部5の各々に絶縁電線を巻装して設ける巻装体6とを有している。ティース部5と巻装体6との間には、両者を電気的に絶縁するインシュレータ8が設けられている。また、回転子2は、円筒状の回転子磁心9と、回転子2の周方向に複数形成された磁石挿入溝11に埋設される永久磁石10とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、電動機要素を含む装置に関する。
各種電気機器に搭載される電動機要素は、回転磁界を発生する略円筒状の固定子と、固定子の内側又は外側に回転自在に設けられている回転子とで構成されている。一般的に、固定子の磁心及び回転子の磁心は軟磁性材料である電磁鋼板で構成されている。また、電磁鋼板は、圧延により薄板状に形成されているため、固定子の磁心及び回転子の磁心は、薄板状の電磁鋼板を金型で打抜いた鉄心片を電動機要素の出力軸の軸方向に積層し、この電磁鋼板の積層体を、かしめ等の方法で一体化することでブロック状に成形した態様を採用することが一般的である。
ここで、電動機要素の損失は、コアを磁化した時の損失を示す鉄損と、励磁時における巻線の電気抵抗に起因する銅損とに分けられる。このうちの鉄損は、コアの磁気特性(ヒステリシスループの面積)に起因するヒステリシス損とコア内部の電磁誘導による渦電流損との和である。
従来から電動機要素の磁心に用いる電磁鋼板は、省電力化の観点では、鉄損が大きいことが課題であった。そこで鉄損を低減するために非晶質高透磁率合金(アモルファス合金)が開発されている。非晶質高透磁率合金は、磁界の強さに対して磁束密度の応答が電磁鋼鈑と比較して高速であるため、磁化曲線のヒステリシスループの面積が小さく、低鉄損となることが知られている。一方、非晶質高透磁率合金は占積率が低く、また、飽和磁束密度が従来の電磁鋼板と比べて同程度か下回るものが多かった。そこで、非晶質高透磁率合金の占積率を向上させ、また高い磁束密度を維持するために、特許文献1などには、Fe−B−Si系非晶質高透磁率合金薄帯の組成にC(炭素)を加えるなどの技術思想が記されている。
また、一般的に非晶質高透磁率合金の箔体は電磁鋼鈑に対して薄く、硬度が高い。さらに、熱的にも不安定な材料であることから金型による打抜切断が困難である。そのため、電磁鋼鈑を用いて内転型の電動機を製造する際に実施されているような、固定子内方の材料を利用して回転子を製造することができず、回転子鉄心片の製造に用いる非晶質高透磁率合金の箔体、固定子鉄心片の製造に用いる非晶質高透磁率合金の箔体を各々用意し、かつ各々専用の金型で打ち抜かなければならない。つまり、回転子鉄心片を除く非晶質高透磁率合金の余片及び固定子鉄心片を除く非晶質高透磁率合金の余片は、いずれも有効利用することができず、材料歩留りが低下し、原材料費の増加に至り、経営的観点での課題も招く。
また、一般的に電動機要素の高トルク化には、極数を増加させる多極化が有効であることが知られている。また、電動機要素の構成を、固定子の外側に回転子を設けるアウターロータ型とすることで、電動機要素の回転軸中心から、トルクを発生させる固定子と回転子の対向面までの距離を大きくしやすいため、大きなトルクが得られることが知られている。
また、電動機要素の駆動は、インバータ回路による駆動が採用されることが多い。近年、このインバータ回路の駆動素子のスイッチング損失の低減を図るために、SiC素子やGaN素子が実用化されつつある。例えば、特許文献3には、駆動素子にSiC素子を用いることが記されている。
また、周知の技術思想として、電動機要素においては、高速定出力運転に適したものとして、回転トルクの成分に、マグネットトルク成分に加えてリラクタンストルク成分を含む電動機要素(リラクタンスモータ)が良く知られている。なお、この技術思想については、電動機分野の論文等や、特許文献等に散見されるものである。
国際公開第2013/137118号 特開昭58−034162号公報 特開2005−113695号公報
電動機要素を含む機器や装置は、地球環境の保護の観点で、エネルギー損失の低減、つまり、高効率化が課題である。また、出力密度の向上のため、電動機要素の高速化や高トルク化が課題である。しかしながら、高トルク化を目的として電動機要素にアウターロータ型を採用し、極数を増加させた場合、電動機要素の磁心が電磁鋼鈑であると、固定子の回転磁界の周波数増加によって鉄損が増加するため、効率が悪化する課題があった。一方、電動機要素の磁心に非晶質高透磁率合金を用いた場合、非晶質高透磁率合金の飽和磁束密度が電磁鋼鈑と比較して低いため、磁気飽和が生じやすくなる課題があり、効率を向上することができなかった。
そこで、本発明は、マグネットトルク成分に加えてリラクタンストルク成分を含む電動機要素と、非晶質高透磁率合金と、SiC素子やGaN素子などの駆動素子とを含む装置において、高効率化の観点で好適な構成の新規な装置を提案することを目的とする。
上記課題を解決する好適な装置の構成として、電動機要素における鉄損の主な発生箇所である固定子の磁心を非晶質高透磁率合金の薄帯にて構成する。また、電動機の構成を外転型とし、回転子を多極化することで高トルク化と高効率化を両立するものである。具体的には、以下の態様を構成する。
第一の発明の装置は、筒状のヨークと、前記ヨークから径方向外方に延出するティースを備えた固定子巻線を含む固定子と、前記固定子と回転子とを含む外転型の電動機要素と、前記固定子巻線への通電電流を供給する駆動回路とを含む装置において、前記回転子の極数をR1とし、前記固定子のティースの数をS1とするときに、R1>S1の関係を満たすものであり、前記回転子は磁気的突極性を有する構成を含み、前記磁気的突極性を有する構成には、前記固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させるための複数のd軸磁束通路構成部と、前記回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させるための複数のq軸磁束通路構成部を含むとともに、前記d軸磁束通路構成部各々の一部に磁石部を含み、且つ前記q軸磁束通路構成部各々の部分に前記磁石部又は/及び前記磁石部とは別の磁石部と接する隣接部を含み、且つ、前記駆動回路に前記固定子巻線への通電電流を供給する駆動素子を含み、更に、前記電動機要素の前記固定子の構成要素に、非晶質高透磁率合金の薄帯を含む。
第二の発明の装置は、第一の発明の装置において、電動機要素の固定子の構成要素に、飽和磁束密度の値が1.0Tから1.57Tの範囲であり、かつ、初透磁率の値が2500、最大透磁率の値が300000であり、さらに、磁束密度が1.5Tであり周波数50Hzのときの鉄損の値の上限値が0.3W/kgである磁気特性を有する非晶質高透磁
率合金の薄帯を含む。
第三の発明の装置は、第一の発明の装置において、電動機要素の回転子の極数R1と、前記固定子のティースの数S1とについて、R1:S1=4:3の関係を満たす態様を含む。
第四の発明の装置は、第一の発明の装置において、駆動回路の駆動素子には、MOSFET素子、SiC(炭化珪素)素子又はGaN(窒化ガリウム)素子のいずれかを含む。
第五の発明の装置は、第一の発明の装置において、固定子の構成要素の非晶質高透磁率合金の薄帯に、円環状の態様を含む。
第六の発明の装置は、第一の発明の装置において、固定子の構成要素に、円環状の形状の非晶質高透磁率合金の薄帯を積層した積層体を含む。
第七の発明の装置は、第一の発明の装置において、固定子の構成要素に、扇状の形状の非晶質高透磁率合金の薄帯を積層したセグメントコアと、このセグメントコアを円環状に連結した態様とを含む。
第八の発明の装置は、第一の発明の装置において、磁石部には、希土類磁石、ボンド磁石又フェライト磁石のいずれかの磁石を具備する。
第九の発明の装置は、第一の発明の装置において、固定子の固定子巻線には絶縁電線を含み、その絶縁電線の芯線の材質には、不可避不純物と、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金のいずれかを含む。
本発明によれば、装置における電動機要素の磁束密度が飽和に至らない負荷領域において、非晶質高透磁率合金の磁気特性によって、電動機要素の固定子の磁心で生じる鉄損を抑制することができることから、固定子巻線に通電される固定子電流を抑えることができる。そのため、電動機要素の固定子巻線の銅損も抑制可能であり、装置の省電力化に寄与する。
また、本発明は、電動機要素の構成を外転型とし、回転子を多極化することで高トルク化を実現するとともに、電動機要素における鉄損の主な発生箇所である固定子の磁心に非晶質高透磁率合金を用いる構成であるため、多極化による固定子の回転磁界の周波数増加に伴う鉄損の増加を抑制し、装置の省電力化に寄与するものである。
さらに、本発明の装置に含む固定子の磁心は、非晶質高透磁率合金の薄帯を積層して、一体化する構造体であるため機械強度も向上し、固定子の磁心は、外力に対して堅牢なものとなる。非晶質高透磁率合金の薄帯を積層して、一体化する構造体は、従来から多用される電磁鋼板の積層体と同様の製造方法及び製造装置の転用が容易であり、産業的価値の大いなるものである。
本発明の実施例1の装置に搭載される電動機要素の回転軸に対して垂直な断面を示す断面図 本発明の実施例1の装置に搭載される電動機要素の回転軸を含む平面の断面を示す断面図 円環状のコアシートを示す図 扇状のコアシートを示す図 セグメントコアの連結体を示す図 本発明の装置を示すブロック図
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施例によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施例の装置に搭載する電動機要素の一構造例を示す断面図である。図2は、本実施例における電動機要素を、回転軸を含む面の断面を示す断面図である。なお、本実施例における電動機要素の極数とスロット数の組み合わせは、所謂、24極18スロットの集中巻の構成であり、18箇所のティース部に集中巻の巻装体を具備する固定子と、磁気的突極性を有する24箇所の磁極部を具備する回転子とを有する。
なお、本発明の装置における電動機要素の構成は、回転子の極数が固定子のティースの数よりも大となる集中巻の構成とする。例えば、12極9スロットの集中巻の構成、40極30スロットの集中巻の構成、48極36スロットの集中巻の構成などの周知の極数とスロット数の組み合わせのいずれにも適用可能である。
図1に示すように、本実施例に示す電動機要素14は、略円筒状の固定子1と、固定子1の外側に回転自在に保持される回転子2とを有している。固定子1には固定子保持孔3が設けられ、また、回転子2はシャフト(図示せず)との接続された状態で回転子2と前記シャフトとが固定されている。
固定子1は、略円筒状のヨーク部4と、ヨーク部4の外側に延出するティース部5とを有する固定子の磁心7と、ティース部5の各々に絶縁電線を巻装して設ける巻装体6とを有している。ティース部5と巻装体6との間には、両者を電気的に絶縁するインシュレータ8が設けられている。また、回転子2は、円筒状の回転子磁心9と、回転子2の周方向に複数(本実施例においては24箇所)形成された磁石挿入溝11に埋設される永久磁石10とを有している。
なお、巻装体6を構成する絶縁電線の芯線の材質には、不可避不純物と、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金のいずれかを含むものを用いる。
また、永久磁石10には、希土類磁石、ボンド磁石又フェライト磁石のいずれかの磁石を用いる。
なお、永久磁石10に用いる希土類磁石、ボンド磁石又フェライト磁石には、長周期型周期表の第3族に属するスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイド元素を含む。ランタノイド元素は、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビニウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等であり、これら元素のうち1種または2種以上の元素を含む。
また、本実施例の装置における電動機要素においては、回転子は磁気的突極性を有しており、図1に示すように、矢印12の横切る回転子の部位は、d軸磁束通路構成部であり、固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させる。また、矢印13の横切る回転子の部位は、q軸磁束通路構成部であり、固定
子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させる。
以上のように構成された電動機要素の固定子の磁心は、非晶質高透磁率合金の薄帯の積層する積層体を一体化して構成される。この非晶質高透磁率合金の薄帯は、Fe−Si−B系、Fe−Si−B−C系等の非晶質高透磁率合金薄帯を用いることができる。商用に供されているものとして、例えば日立金属株式会社製のMetglas(登録商標)と呼称される製品番号2605SA1という合金材料などである。また、非晶質高透磁率合金の溶湯を急冷し、これを加熱することで結晶粒を形成して得られる、Fe−Si−B−Cu系、Fe−Si−B−Cu−Nb系等の組成を有するナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いることができる。例えば、日立金属株式会社製のファインメット(登録商標)と呼称される合金材料などを用いることができる。
引用文献2等に示されるとおり、非晶質高透磁率合金の薄帯は、電動機要素に使用される一般的な軟磁性材料である電磁鋼板に比べて遥かに低鉄損である。したがって、電動機要素の主な鉄損の発生個所である固定子の磁心に非晶質高透磁率合金の薄帯を用いることで、電磁鋼板に比べて低鉄損となる。さらに、回転子の多極化により、固定子に発生する回転磁界の周波数が増加しても鉄損の増加が抑制できる。また、磁束密度が飽和しない領域(例えば、磁束密度1.0〜1.57T)では電磁鋼鈑に比べて低鉄損であることから、固定子巻線に通電される固定子電流を抑えることができる。したがって、銅損の増加も抑制可能である。このように、本発明の構成によって、電動機要素に生じる鉄損及び銅損のいずれをも低減可能であり、高効率な電動機要素を提供可能である。
本実施例における電動機要素は、図3に示すように、固定子の磁心7は、非晶質高透磁率合金の薄帯を、シャフトの回転軸方向に積層して一体化している。一般的に、電磁鋼板を使用した電動機要素の磁心(固定子磁心、回転子磁心ともに)の製造方法は、金属材料等の製造メーカから供給されたロール状の電磁鋼板を、巻き出し機によってプレス機へ送り、プレス機に設置された金型によって所定の軸方向断面形状のコアシートに打ち抜かれ、このコアシートを積層して一体化することでコアが形成される。非晶質高透磁率合金の薄帯を電磁鋼板に換えて採用する場合においても、この薄帯を回転軸方向に積層して一体化することでコアを形成する。このようにして、電磁鋼板を使用した電動機要素の製造設備を非晶質高透磁率合金の薄帯の積層工程などに流用することによって、新規設備の投資を抑制し製造コストの増加を抑制することが可能である。
また、この薄帯によるコアシートを積層して一体化することによってコアの構造的強度を高めているため、電動機要素の製造の際や搬送中や機器の駆動中に固定子に外力が印加されても、固定子の磁心の破損を抑制され、固定子の磁心の外観形状に関しての不良品の発生も抑制可能である。
なお、コアシートの形状や、コアシートの積層方法は、多様な態様があり、好適な態様を適宜選択可能とする。例えば、図3に示すような、円環状のステータコアシート15を複数枚用意し、これを重ねて円筒状に積層して、さらに、カシメ等の加工を施し一体化して、固定子の磁心7を構成する。
また、例えば、図4に示すような、扇形状のステータコアシート16を複数枚用意し、これを重ねて扇形の柱状に積層して、さらに、カシメ等の加工を施し一体化する。そして、更に、この扇形の柱状の扇形状ステータコアシート積層体17を複数個(図では6個)を円環状の態様に組み合わせて、一体化して固定子の磁心7を構成する。
また、例えば、図5に示すような、ティース毎の扇形状子片を複数枚用意し、これを重
ねて、カシメ等の加工を施し一体化して、ティース毎のセグメントコア18を構成する。そして、このセグメントコア18を複数個用意し、円環状の態様に一体化して固定子の磁心7を構成する。
図6は、本実施例の電動機要素14を搭載する装置19を示すブロック図である。図6に示すように、本実施例における装置19は、上述の実施例1における電動機要素14と、SiC素子又はGaN素子等のパワーデバイスを採用する駆動回路21とから構成されている。なお、装置19は、外部電源20に接続されて給電される。
周知のとおり、SiC素子又はGaN素子等のパワーデバイスは、従来のSi半導体素子に比べて、導通時のオン抵抗が小さく、200℃以上の高温での動作が可能であり、またSi半導体素子の数倍の高速動作も可能である。当然、電動機要素の駆動回路に適用した場合には、電力損失の低減、素子の冷却機構の小型化、周辺部品の小型化等が可能となる。このため、駆動システム全体の電力変換効率の向上による省エネ性能の向上や、電力変換器の小型化による機器全体の省スペース化も可能である。
一方で、コアで発生するヒステリシス損Whと渦電流損Wcは、周知のとおり、各々、式(1)、式(2)にて算出される。ここで、式(1)、式(2)の右辺に、真空の透磁率μ、周波数f、磁束密度振幅Bm、板厚t、電気抵抗率ρ、密度dの各値を代入する。
Figure 2017108514
Figure 2017108514
上記の式(1)、式(2)から、ヒステリシス損Whと渦電流損Wcは周波数fに比例して増加することが分かる。
そして、電動機要素の固定子には、回転数に応じた基本周波数と駆動回路をスイッチングする際に使用する周波数(以下、単にスイッチング周波数という)が重畳した固定子電流の通電によって励磁されて、回転磁界を発生し回転子が回転する。また、回転子の極数を増加させることにより回転磁界の周波数も比例して増加する。
なお、SiC素子又はGaN素子によるパワーデバイスによって、駆動回路の高速化が可能となり、スイッチング周波数の高周波化が促進される。しかし、電動機要素の磁心に、従来の電磁鋼板を用いたままでは、電動機要素の磁心のヒステリシス損及び渦電流損は増加の一途を辿る。このため、電動機要素の磁心で生じる損失の増加は、駆動回路のパワーデバイスをSiC素子又はGaN素子として駆動回路の低損失化を図っても、この駆動回路の低損失化を電磁鋼板の磁心で生じる損失の増加が打ち消してしまい、装置の省電力化には寄与しない。
ここで、電動機要素の固定子の磁心に非晶質高透磁率合金の薄帯を用いる場合は、SiC素子又はGaN素子によるパワーデバイスによって、駆動回路の高速化によるスイッチング周波数の増加があっても、鉄損の増加は抑制されているため、駆動回路の低損失化が打ち消されてしまうことが無く、電動機要素の低損失化と駆動回路の低損失化とが共に有効に発揮され、装置の省電力化が実現可能である。さらに、極数の増加に伴い回転磁界の周波数が増加した場合でも、電動機要素における固定子の損失が低減できるため、装置の省電力化が実現できる。
また、装置の仕様によっては、上記パワーデバイスのSiC素子又はGaN素子に換えて、従来から多用されているMOSFET素子に置換可能であることは言うまでも無い。
なお、本実施例においては、ティース部の数を18箇所、永久磁石の数を24箇所としているが、ティース部の数や永久磁石の数などは、回転子の極数が固定子のティースの数よりも大となる構成であれば、周知の極数とスロット数の組み合わせのいずれにも適用可能である。
また、本発明の実施例においては、略円弧状の永久磁石を回転子の内部の溝に埋設するインセット構造の表面磁石(SPM:Surface Permanent Magnet)型の回転子を例示しているが、本発明はこれに限らない。例えば、板状の永久磁石を回転子内部に埋設する永久磁石埋め込み(IPM:Interior Permanent Magnet)型の回転子や、略円形状の永久磁石を回転子内部に埋設する埋め込み磁石型の回転子を採用可能である。また、1つの磁極に対して複数の磁石を使用することもできる。
また、本発明の装置は、具体的には家電機器では、エアコンなどの環境調和装置や、洗濯機、冷凍冷蔵機器などに適用可能である。また、車両などに搭載される2次電池の冷却システムなどに適用可能である。また、家屋や建築物などにおける送風システムなどに適用可能である。また、産業用の製造装置などに適用可能である。
以上のように、本発明にかかる装置における電動機要素は、電動機要素に生じる鉄損を低減して高効率な装置を得ることが可能となるので、この装置を家電機器や車載機器に搭載することで、機器の効率化・省電力化を図ることが可能であり、産業的価値の大いなるものである。
1 固定子
2 回転子
3 固定子保持孔
4 ヨーク部
5 ティース部
6 巻装体
7 固定子の磁心
8 インシュレータ
9 回転子磁心
10 永久磁石
11 磁石挿入溝
12 矢印
13 矢印
14 電動機要素
15 円環状のステータコアシート
16 扇形状のステータコアシート
17 扇形状ステータコアシート積層体
18 セグメントコア
19 装置
20 外部電源
21 駆動回路

Claims (9)

  1. 筒状のヨークと、前記ヨークから径方向外方に延出するティースを備えた固定子巻線を含む固定子と、前記固定子と回転子とを含む外転型の電動機要素と、前記固定子巻線への通電電流を供給する駆動回路とを含む装置において、前記回転子の極数をR1とし、前記固定子のティースの数をS1とするときに、R1>S1の関係を満たすものであり、前記回転子は磁気的突極性を有する構成を含み、前記磁気的突極性を有する構成には、前記固定子からの回転磁界によって発生する回転トルクの成分のうちのマグネットトルクを発生させるための複数のd軸磁束通路構成部と、前記回転トルクの成分のうちのリラクタンストルクを発生させるための複数のq軸磁束通路構成部を含むとともに、前記d軸磁束通路構成部各々の一部に磁石部を含み、且つ前記q軸磁束通路構成部各々の部分に前記磁石部又は/及び前記磁石部とは別の磁石部と接する隣接部を含み、且つ、前記駆動回路に前記固定子巻線への通電電流を供給する駆動素子を含み、更に、前記電動機要素の前記固定子の構成要素に、非晶質高透磁率合金の薄帯を含む装置。
  2. 請求項1記載の装置において、電動機要素の固定子の構成要素に、飽和磁束密度の値が1.0Tから1.57Tの範囲であり、かつ、初透磁率の値が2500、最大透磁率の値が300000であり、さらに、磁束密度が1.5Tであり周波数50Hzのときの鉄損の値の上限値が0.3W/kgである磁気特性を有する非晶質高透磁率合金の薄帯を含む装置。
  3. 請求項1記載の装置において、電動機要素の回転子の極数R1と、前記固定子のティースの数S1とについて、R1:S1=4:3の関係を満たす態様を含む装置。
  4. 請求項1記載の装置において、駆動回路の駆動素子には、MOSFET素子、SiC(炭化珪素)素子又はGaN(窒化ガリウム)素子のいずれかを含む装置。
  5. 請求項1記載の装置において、固定子の構成要素の非晶質高透磁率合金の薄帯に、円環状の態様を含む装置。
  6. 請求項1記載の装置において、固定子の構成要素に、円環状の形状の非晶質高透磁率合金の薄帯を積層した積層体を含む装置。
  7. 請求項1記載の装置において、固定子の構成要素に、扇状の形状の非晶質高透磁率合金の薄帯を積層したセグメントコアと、このセグメントコアを円環状に連結した態様とを含む装置。
  8. 請求項1記載の装置において、磁石部には、希土類磁石、ボンド磁石又フェライト磁石のいずれかの磁石を具備する装置。
  9. 請求項1記載の装置において、固定子の固定子巻線には絶縁電線を含み、その絶縁電線の芯線の材質には、不可避不純物と、銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金のいずれかを含む装置。
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