JP2017108421A - ユーザ端末、基地局、プロセッサ及び通信制御方法 - Google Patents

ユーザ端末、基地局、プロセッサ及び通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】D2D通信を適切に制御するユーザ端末、基地局、プロセッサ及び通信制御方法を提供する。
【解決手段】移動通信システムは、基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末を有する。前記ユーザ端末は、D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告(D2D−BSR)を基地局に送信する。
【選択図】図13

Description

本発明は、D2D通信をサポートする移動通信システムに関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)通信の導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D通信は、近接する複数のユーザ端末が、移動通信システムに割り当てられた周波数帯域内で、コアネットワークを介さずに直接的にデータ通信を行うものである。なお、D2D通信は、近傍サービス(Proximity Service)通信と称されることもある。
3GPP技術報告 「TR 22.803 V0.3.0」 2012年5月
現状では、D2D通信を適切に制御するための仕様が策定されていない。
そこで、本発明は、D2D通信を適切に制御できる移動通信システム、ユーザ端末、基地局、プロセッサ及び通信制御方法を提供する。
一実施形態によれば、移動通信システムは、基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末を有する。前記ユーザ端末は、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信する。
LTEシステムの構成図である。 UEのブロック図である。 eNBのブロック図である。 LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。 セルラ通信におけるデータパスを説明するための図である。 D2D通信におけるデータパスを説明するための図である。 実施形態に係るD2Dスケジューリングを説明するための図である。 実施形態に係る動作環境を示す図である。 実施形態に係る未送信データの管理方法を説明するための図である。 実施形態に係るD2D−BSRのフォーマット1を示す図である。 実施形態に係るD2D−BSRのフォーマット2を示す図である。 実施形態に係る動作シーケンス図である。 実施形態の変更例に係るD2D−BSRのフォーマットを示す図である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る移動通信システムは、基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末を有する。前記ユーザ端末は、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信する。これにより、基地局は、D2D通信における未送信データの量を把握して、D2D通信の管理(無線リソースの割当など)を適切に行うことができる。
実施形態では、前記ユーザ端末は、前記基地局とのセルラ通信における未送信データの量を示すバッファ状態報告とは別に、前記D2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信する。これにより、セルラ通信における未送信データの量とD2D通信における未送信データの量とを個別に把握できる。
実施形態では、前記ユーザ端末は、前記セルラ通信における未送信データを一時的に蓄積するバッファとは別に、前記D2D通信における未送信データを一時的に蓄積するD2Dバッファを有する。これにより、セルラ通信における未送信データとD2D通信における未送信データとを個別に管理できる。
実施形態では、前記D2D通信に使用する無線リソースの割当を前記基地局が行う場合に、前記基地局は、前記D2Dバッファ状態報告に基づいて、前記D2D通信に使用する無線リソースの割当と、セルラ通信に使用する無線リソースの割当と、を行う。これにより、D2D通信における未送信データの量を考慮して効率的な無線リソースの割当を行うことができる。
実施形態では、前記D2D通信に使用する無線リソースの割当を、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末が行う場合に、前記基地局は、前記D2Dバッファ状態報告の少なくとも一部を前記通信相手端末に転送する。前記通信相手端末は、前記基地局から転送された前記D2Dバッファ状態報告の少なくとも一部に基づいて、前記D2D通信に使用する無線リソースの割当を行う。これにより、D2D通信における未送信データの量を考慮して効率的な無線リソースの割当を行うことができる。
実施形態では、前記D2Dバッファ状態報告は、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末への未送信データの量と、当該通信相手端末の識別情報と、の組み合わせを含む。これにより、未送信データの量をD2D通信における通信相手端末毎に把握できる。
実施形態では、前記識別情報は、前記基地局から前記D2D通信用に割り振られる識別子である。これにより、D2D通信における通信相手端末を適切に識別できる。
実施形態では、前記通信相手端末が複数である場合に、前記識別情報は、当該複数の通信相手端末を識別可能に構成される。これにより、D2D通信における通信相手端末が複数の場合でも、各通信相手端末を識別できる。
実施形態に係るユーザ端末は、基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行う。ユーザ端末は、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信する制御部を有する。
実施形態に係るプロセッサは、基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末に備えられる。プロセッサは、前記ユーザ端末が、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信するための処理を行う。
実施形態に係る基地局は、ユーザ端末による直接的な端末間通信であるD2D通信を管理する。基地局は、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記ユーザ端末から受信する受信部を有する。
実施形態に係るプロセッサは、ユーザ端末による直接的な端末間通信であるD2D通信を管理する基地局に備えられる。プロセッサは、前記基地局が、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記ユーザ端末から受信するための処理を行う。
実施形態に係る通信制御方法は、基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末を有する移動通信システムにおいて用いられる。通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信するステップを有する。
[実施形態]
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成される移動通信システム(LTEシステム)にD2D通信を導入する場合の実施形態を説明する。
(LTEシステム)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。EPC20は、コアネットワークに相当する。
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、セルを管理しており、セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、複数のMME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。
UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。
GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。
バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割当リソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御メッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(BSR)
LTEシステムには、上りリンクの無線リソースをUE100に効率的に割り当てるために、上りリンクバッファのデータ量(上りリンクの未送信データ量)をeNB200に報告するためのバッファ状態報告(BSR)が導入されている。
UE100のMACレイヤは、周期的又は所定のトリガで、eNB200のMACレイヤにBSR(以下、「セルラBSR」と称する)を送信する。セルラBSRは、論理チャネルグループ毎の未送信データ量を示す。或いは、セルラBSRは、論理チャネルグループ全体の未送信データ量を示す。
セルラBSRは、短フォーマット(Short BSR)及び長フォーマット(Long BSR)の2種類のフォーマットが規定されている。Short BSRは、論理チャネルグループIDを格納する2ビットと、未送信データ量を示す6ビットと、の合計1オクテットで構成される。Long BSRは、合計3オクテットであり、論理チャネルグループ毎の未送信データ量を報告するために使用される。
(D2D通信)
本実施形態に係るLTEシステムは、D2D通信をサポートする。ここでは、D2D通信を、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)と比較して説明する。
セルラ通信は、UE間に設定されるデータパスがEPC20を経由する。これに対し、D2D通信は、UE間に設定されるデータパスがEPC20を経由しない。
図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でセルラ通信を行う場合を例示している。なお、データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の転送経路を意味する。
図6に示すように、セルラ通信のデータパスはEPC20を経由する。詳細には、eNB200−1、S−GW300、及びeNB200−2を経由するデータパスが設定される。
図7は、D2D通信におけるデータパスの一例を示す。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でD2D通信を行う場合を例示している。
図7に示すように、D2D通信のデータパスはEPC20を経由しない。D2D通信には、2つのモードが存在する。一方は、データパスがeNB200を経由しない直接通信モードである。他方は、データパスがeNB200を経由する局所中継モード(Locally Routedモード)である。本実施形態では、直接通信モードでのD2D通信を主として想定するが、局所中継モードであってもよい。
このように、UE100−1の近傍にUE100−2が存在するのであれば、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信を行うことによって、EPC20のトラフィック負荷及びUE100のバッテリ消費量を削減するなどの効果が得られる。
なお、D2D通信が開始されるケースとして、(a)相手端末を発見するための動作を行うことによって相手端末を発見した後に、D2D通信が開始されるケースと、(b)相手端末を発見するための動作を行わずにD2D通信が開始されるケースがある。
例えば、上記(a)のケースでは、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUE100が、近傍に存在する他方のUE100を発見することで、D2D通信が開始される。
このケースの場合、UE100は、相手端末を発見するために、自身の近傍に存在する他のUE100を発見する(Discover)機能、及び/又は、UE100は、他のUE100から発見される(Discoverable)機能を有する。
例えば、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUEが発見用信号(Discover信号)を自身の周辺に送信し、当該発見用信号を他方のUEが受信することで、当該他方のUEが当該一方のUEを発見する。また、当該他方のUEが発見用信号に対する応答信号を自身の周辺に送信し、当該応答信号を当該一方のUEが受信することで、当該一方のUEが当該他方のUEを発見する。
なお、UE100は、相手端末を発見しても必ずしもD2D通信を行う必要はなく、例えば、UE100−1及びUE100−2は、互いに相手を発見した後に、ネゴシエーションを行って、D2D通信を行うか否かを判定してもよい。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2D通信を行うことに同意した場合に、D2D通信を開始する。
一方、上記(b)のケースでは、例えば、UE100は、ブロードキャストによってD2D通信用の信号の報知を開始する。これにより、UE100は、相手端末の発見の有無にかかわらず、D2D通信を開始できる。
ただし、D2D通信はLTEシステムの周波数帯域内(すなわち、セルラ通信の周波数帯域内)で行われることが想定されており、例えばセルラ通信への干渉を回避するために、eNB200の管理下でD2D通信が行われる。
D2D通信は、LTEシステムの上りリンク周波数帯域で行われる。言い換えると、D2D通信は、セルラ通信の上りリンク無線リソースの一部を使用して行われる。
或いは、D2D通信は、LTEシステムの下りリンク周波数帯域で行われる。言い換えると、D2D通信は、セルラ通信の下りリンク無線リソースの一部を使用して行われる。
本実施形態では、D2D通信のための無線リソース割当であるD2DスケジューリングをeNB200主導で行う。この場合、D2D通信に割り当てる無線リソース(D2D無線リソース)をeNB200が決定する。すなわち、UE100は、D2D無線リソースの選択権を持たない。eNB200は、動的又は準静的に割り当てたD2D無線リソースをUE100に通知する。UE100は、当該割り当てられたD2D無線リソースを用いてD2D通信を行う。
図8は、eNB主導でD2Dスケジューリングを行う場合の具体例を説明するための図である。ここでは、D2D通信がセルラ通信の上りリンク無線リソースの一部を使用して行われるケースを想定している。
図8に示すように、eNB200は、D2D無線リソースとして、特定のサブフレームの特定のリソースブロックを指定する。図8の例では、無線フレーム内の2番目のサブフレーム(サブフレーム#1)における一部のリソースブロックと、4番目のサブフレーム(サブフレーム#3)における一部のリソースブロックと、がD2D無線リソースとして指定される。
D2D通信を行うUE100は、eNB200から割り当てられたD2D無線リソースを用いてD2D通信を行う。
なお、2番目のサブフレーム(サブフレーム#1)について送信(Tx)とあるのは、D2D通信における一方のUE100が送信を行うことを意味しており、当該D2D通信における他方のUE100は受信を行う。4番目のサブフレーム(サブフレーム#3)について受信(Rx)とあるのは、D2D通信における一方のUE100が受信を行うことを意味しており、当該D2D通信における他方のUE100は送信を行う。
(第1実施形態に係る動作)
以下、本実施形態に係る動作を説明する。
(1)動作概要
図9は、本実施形態に係る動作環境を示す図である。
図9に示すように、eNB200と、eNB200との接続を確立するUE100−1及びUE100−2と、を有する動作環境において、UE100−1及びUE100−2がD2D通信及びセルラ通信を行うケースを想定する。具体的には、UE100−1及びUE100−2は、D2D通信により相互にデータを送受信するとともに、セルラ通信によりeNB200とデータを送受信する。
eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに対して、D2D通信に使用する無線リソース(D2D無線リソース)と、セルラ通信に使用する無線リソース(セルラ無線リソース)と、を割り当てる。
ここで、eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれについて、D2D通信における未送信データの量を把握していない場合には、D2D無線リソースに過不足が生じ得る。また、UE100のハードウェア負荷の観点から、同一のUE100において、セルラ通信の上りリンクにおけるデータ送信と、D2D通信におけるデータ受信と、が同時に行われるような無線リソース割当は避けるべきである。
そこで、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2D通信における未送信データの量を示すD2D−BSRをeNB200に送信する。具体的には、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、セルラ通信における未送信データの量を示すセルラBSRとは別に、D2D−BSRをeNB200に送信する。D2D−BSRは、セルラBSRと同様に、周期的、又は所定のトリガ(例えば未送信データ量が増加したというトリガ)で送信される。D2D−BSRのフォーマットについては後述する。
eNB200は、D2D−BSRに基づいて、D2D通信に使用する無線リソース(D2D無線リソース)の割当と、セルラ通信に使用する無線リソース(セルラ無線リソース)の割当と、を行う。例えば、eNB200は、D2D無線リソースに過不足が生じないように、D2D−BSRに基づいて、適切な量のD2D無線リソースを割り当てる。また、eNB200は、D2D−BSRに基づいて、セルラ通信の上りリンクにおけるデータ送信と、D2D通信におけるデータ受信と、が同時に行われないように、D2D無線リソース及び/又はセルラ無線リソースを割り当てる。
なお、セルラBSRの報告とD2D−BSRの報告とを両立するために、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、セルラ通信における未送信データ及びD2D通信における未送信データを個別に管理する。
図10は、本実施形態に係る未送信データの管理方法を説明するための図である。
図10に示すように、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、セルラ通信における未送信データを一時的に蓄積するセルラバッファ151とは別に、D2D通信における未送信データを一時的に蓄積するD2Dバッファ152を有する。セルラバッファ151及びD2Dバッファ152は、メモリ150に設けられる。
セルラバッファ151は、論理チャネルグループ毎に未送信データを蓄積する。これに対し、D2Dバッファ152は、D2D通信の通信相手UE毎に未送信データを蓄積する。
(2)D2D−BSR
次に、D2D−BSRのフォーマットを説明する。
図11は、D2D−BSRのフォーマット1を示す図である。フォーマット1では、セルラBSRにおける短フォーマット(Short BSR)と同様に1オクテットでD2D−BSRを構成する。
図11に示すように、フォーマット1に係るD2D−BSRは、D2D通信の通信相手UEのID(識別情報)を格納する2ビットと、当該通信相手UEへの未送信データ量を示す6ビットと、の合計1オクテットで構成される。ここで、D2D通信の通信相手UEのIDは、eNB200からD2D通信用に割り振られる一時的なID(D2D通信用ID)である。当該IDは、D2D通信を制御するための制御情報を各UE100に送信する際にも使用される。
図12は、D2D−BSRのフォーマット2を示す図である。フォーマット2では、セルラBSRにおける長フォーマット(Long BSR)と同様に3オクテットでD2D−BSRを構成する。
図12に示すように、フォーマット2に係るD2D−BSRは、D2D通信の通信相手UEのID(識別情報)順に、当該通信相手UEへの未送信データ量を示すフィールドを含む。ここで、D2D通信の通信相手UEのIDは、eNB200からD2D通信用に割り振られる一時的なID(D2D通信用ID)である。当該IDは、D2D通信を制御するための制御情報を各UE100に送信する際にも使用される。
なお、図12の例では、バッファサイズのフィールドが4つ(#0〜#3)のケース、すなわち、D2D通信の通信相手UEが4つのケースを想定しているが、D2D通信の通信相手UEの数に応じて当該フィールドの数は変化する。
(3)動作シーケンス
図13は、本実施形態に係る動作シーケンス図である。ここでは、UE100−1及びUE100−2のそれぞれがセルラ通信を行っている際に、D2D通信を開始するケースを想定する。
図13に示すように、ステップS101において、eNB200は、UE100−1のD2D通信用ID#1と、UE100−2のD2D通信用ID#2と、UE100−1に通知する。その後、UE100−1は、D2D通信におけるUE100−2への未送信データをID#2と対応付けて自身のD2Dバッファ152に蓄積する。
ステップS102において、eNB200は、D2D通信用ID#2を示す情報をUE100−2に送信する。UE100−2は、当該情報に基づいて、D2D通信用ID#2を記憶する。その後、UE100−2は、D2D通信におけるUE100−1への未送信データをID#1と対応付けて自身のD2Dバッファ152に蓄積する。
なお、eNB200は、D2D通信用IDの通知だけではなく、D2D−BSRのフォーマットの指示を行ってもよい。具体的には、eNB200は、短フォーマットのD2D−BSRを使用するか、長フォーマットのD2D−BSRを使用するかをUE100−1及びUE100−2のそれぞれに指示してもよい。
ステップS103において、UE100−1は、自身のセルラバッファ151に蓄積されている未送信データの量に基づいて、セルラBSRをeNB200に送信する。
ステップS104において、UE100−2は、自身のセルラバッファ151に蓄積されている未送信データの量に基づいて、セルラBSRをeNB200に送信する。
ステップS105において、UE100−1は、自身のD2Dバッファ152に蓄積されている未送信データの量に基づいて、D2D−BSRをeNB200に送信する。本シーケンスでは、D2D通信におけるUE100−1の通信相手UEがUE100−2のみであるため、短フォーマットのD2D−BSRを使用できる。この場合、当該D2D−BSRは、UE100−2のD2D通信用ID#2と、UE100−2への未送信データ量を示す情報と、を含む。
ステップS106において、UE100−2は、自身のD2Dバッファ152に蓄積されている未送信データの量に基づいて、D2D−BSRをeNB200に送信する。本シーケンスでは、D2D通信におけるUE100−2の通信相手UEがUE100−1のみであるため、短フォーマットのD2D−BSRを使用できる。この場合、当該D2D−BSRは、UE100−1のD2D通信用ID#1と、UE100−1への未送信データ量を示す情報と、を含む。
ステップS107において、eNB200は、ステップS103及びS104で受信したセルラBSRと、ステップS105及びS106で受信したD2D−BSRと、に基づいて、UE100−1及びUE100−2に対し、D2D無線リソース及びセルラ無線リソースのそれぞれの割当(スケジューリング)を行う。例えば、eNB200は、D2D無線リソースに過不足が生じないように、D2D−BSRに基づいて、適切な量のD2D無線リソースを割り当てる。また、eNB200は、セルラBSR及びD2D−BSRに基づいて、セルラ通信の上りリンクにおけるデータ送信と、D2D通信におけるデータ受信と、が同時に行われないように、D2D無線リソース及びセルラ無線リソースを割り当てる。
ステップS108において、eNB200は、UE100−1についてのD2D無線リソース及びセルラ無線リソースのそれぞれの割当情報をUE100−1に送信する。セルラ無線リソースの割当情報の送信にはセル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)が使用される。これに対し、D2D無線リソースの割当情報の送信にはD2D通信用ID#1が使用される。
ステップS109において、eNB200は、UE100−2についてのD2D無線リソース及びセルラ無線リソースのそれぞれの割当情報をUE100−2に送信する。セルラ無線リソースの割当情報の送信にはC−RNTIが使用される。これに対し、D2D無線リソースの割当情報の送信にはD2D通信用ID#2が使用される。
このように、本実施形態によれば、eNB200は、D2D通信における未送信データ量を考慮して、効率的な無線リソースの割当(スケジューリング)を行うことができる。
[変更例]
上述した実施形態では、D2D通信がユニキャストで行われるケースを想定していたが、本変更例では、D2D通信がマルチキャストで行われるケースを想定する。
図14は、本変更例に係るD2D−BSRのフォーマットを示す図である。
図14に示すように、本フォーマットに係るD2D−BSRは、D2D通信の通信相手UEの識別情報を格納するフィールドと、当該通信相手UEへの未送信データ量を示す情報を格納するフィールドと、からなり、合計1オクテットで構成される。
本フォーマットでは、識別情報のフィールドは、複数の通信相手UEを識別可能に構成される。例えば、識別情報は、各通信相手UEをD2D通信用ID順に1ビットで表現し、対象UEは“1”、非対象UEは“0”とするビット列で構成される。
この場合、D2D通信を行うUE群の上限UE数が4であれば、バッファサイズのフィールドを4ビットとして、D2D−BSRを1オクテットで構成できる。一方、D2D通信を行うUE群の上限UE数が8であれば、1オクテットで8UE分の宛先を格納し、バッファサイズのフィールドを1オクテットとして、D2D−BSRを2オクテットで構成できる。
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した実施形態では、D2DスケジューリングをeNB200主導で行うケースについて説明したが、D2DスケジューリングをUE100主導で行ってもよい。具体的には、eNB200は、D2D通信に利用可能な無線リソースをUE100に通知し、UE100は、当該利用可能な無線リソースの中からD2D無線リソースを決定する。上述した動作環境において、D2DスケジューリングをUE100−2が行う場合、eNB200は、UE100−1から受信するD2D−BSRをUE100−2に転送する。ただし、eNB200は、UE100−1から受信するD2D−BSRのうち必要な部分のみをUE100−2に転送してもよい。UE100−2は、eNB200から転送されたD2D−BSRに基づいて、D2Dスケジューリングを行う。
また、上述したD2D−BSRのフォーマットでは、D2D通信の通信相手UEの識別情報をD2D−BSRに含め、通信相手UE毎にLCGが1つのみ定義される一例を説明した。しかしながら、D2D通信においても複数のLCGが定義される場合には、D2D−BSRにセルラBSRと同じフォーマットを適用してもよい。この場合、UE100は、D2D通信の通信相手UE毎、且つD2D通信用のLCG毎に、D2D−BSRを送信できる。
上述した実施形態では、eNB200が、D2D通信に関する制御を行っていたがこれに限られない。例えば、eNB200の代わりに、コアネットワークを構成する上位のネットワークノード(MMEなど)がD2D通信に関する制御を行ってもよい。従って、ネットワークノードは、UE100からD2D−BSRをeNB200を介して受信してもよく、D2D−BSRに基づいて割り当てた無線リソースの割当情報をeNB200を介してUE100に送信してもよい。このように、eNB200又はMMEなどのネットワーク装置がD2D通信に関する制御を行うことができる。
上述した実施形態では、本発明をLTEシステムに適用する一例を説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
なお、米国仮出願第61/719623号(2012年10月29日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明に係る移動通信システム、ユーザ端末、基地局、プロセッサ及び通信制御方法は、D2D通信を適切に制御できるため、移動通信分野において有用である。

Claims (5)

  1. 基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末であって、
    前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信する制御部を有し、
    前記D2Dバッファ状態報告は、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末への未送信データの量と、当該通信相手端末の識別情報と、の組み合わせを含み、
    前記D2Dバッファ状態報告のフォーマットは、セルラ通信用のバッファ状態報告のフォーマットとは異なり、かつ、前記通信相手端末への未送信データの量を示すバッファサイズフィールドを含み、
    前記通信相手端末の数に応じて前記バッファサイズフィールドの数が変化することを特徴とするユーザ端末。
  2. 基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末に備えられるプロセッサであって、
    前記ユーザ端末が、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信するための処理を行い、
    前記D2Dバッファ状態報告は、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末への未送信データの量と、当該通信相手端末の識別情報と、の組み合わせを含み、
    前記D2Dバッファ状態報告のフォーマットは、セルラ通信用のバッファ状態報告のフォーマットとは異なり、かつ、前記通信相手端末への未送信データの量を示すバッファサイズフィールドを含み、
    前記通信相手端末の数に応じて前記バッファサイズフィールドの数が変化することを特徴とするプロセッサ。
  3. ユーザ端末による直接的な端末間通信であるD2D通信を管理する基地局であって、
    前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記ユーザ端末から受信する受信部を有し、
    前記D2Dバッファ状態報告は、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末への未送信データの量と、当該通信相手端末の識別情報と、の組み合わせを含み、
    前記D2Dバッファ状態報告のフォーマットは、セルラ通信用のバッファ状態報告のフォーマットとは異なり、かつ、前記通信相手端末への未送信データの量を示すバッファサイズフィールドを含み、
    前記通信相手端末の数に応じて前記バッファサイズフィールドの数が変化することを特徴とする基地局。
  4. ユーザ端末による直接的な端末間通信であるD2D通信を管理する基地局に備えられるプロセッサであって、
    前記基地局が、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記ユーザ端末から受信するための処理を行い、
    前記D2Dバッファ状態報告は、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末への未送信データの量と、当該通信相手端末の識別情報と、の組み合わせを含み、
    前記D2Dバッファ状態報告のフォーマットは、セルラ通信用のバッファ状態報告のフォーマットとは異なり、かつ、前記通信相手端末への未送信データの量を示すバッファサイズフィールドを含み、
    前記通信相手端末の数に応じて前記バッファサイズフィールドの数が変化することを特徴とするプロセッサ。
  5. 基地局の管理下で、直接的な端末間通信であるD2D通信を行うユーザ端末を有する移動通信システムにおける通信制御方法であって、
    前記ユーザ端末が、前記D2D通信における未送信データの量を示すD2Dバッファ状態報告を前記基地局に送信するステップを有し、
    前記D2Dバッファ状態報告は、前記D2D通信における前記ユーザ端末の通信相手端末への未送信データの量と、当該通信相手端末の識別情報と、の組み合わせを含み、
    前記D2Dバッファ状態報告のフォーマットは、セルラ通信用のバッファ状態報告のフォーマットとは異なり、かつ、前記通信相手端末への未送信データの量を示すバッファサイズフィールドを含み、
    前記通信相手端末の数に応じて前記バッファサイズフィールドの数が変化することを特徴とする通信制御方法。
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