JP2017108256A - ネットワークシステム、監視装置、および、光端末装置 - Google Patents

ネットワークシステム、監視装置、および、光端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的少ないコストの増加で、加入者側回線終端装置の状態を知ることが可能なネットワークシステム、監視装置、および、光端末装置を提供する。
【解決手段】監視装置21は、映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて光伝送路を介して加入者側回線終端装置である光端末装置60に対して光端末装置60の状態を照会する照会情報を送信する第1送信手段と、光端末装置60の状態を示す状態情報を受信する第1受信手段と、を有する。光端末装置60は、照会情報を含む光信号を受信する第2受信手段と、照会情報に対応して状態情報を取得する取得手段と、取得手段によって取得された状態情報を、光伝送路を介して監視装置21に送信する第2送信手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ネットワークシステム、監視装置、および、光端末装置に関するものである。
近年、CATV等のネットワークシステムでは、個々の加入者宅まで光ファイバーケーブルを引き込み、全ての伝送路を完全に光ファイバ化したFTTH(Fiver to the Home)方式を用いるシステムが普及している(例えば、特許文献1参照。)。
図9は、FTTH方式を使用するネットワークシステムの構成を示す図である。この図9に示すネットワークシステムは、通信事業者側回線終端装置70、光分岐部30、PC(Personal Computer)20、FSK(Frequency Shift Keying)変調部22、光分岐部50,51、および、加入者側回線終端装置80を有している。
ここで、PC20は、加入者側回線終端装置80に送信する情報を生成して出力する。FSK変調部22は、PC20から供給される情報をFSK変調して出力する。
通信事業者側回線終端装置70は、光送信部11、光アンプ12、および、マルチプレクサ13を有している。マルチプレクサ13は、FSK変調部22から供給されるFSK信号と、映像信号とを重畳して光送信部11に供給する。光送信部11は、マルチプレクサ13から供給される電気信号を光信号に変換して光アンプ12に供給する。光アンプ12は、光送信部11から供給される光信号を増幅して光分岐部30に供給する。
光分岐部30は、光アンプ12から供給される光信号を分岐して出力する。光分岐部50,51も同様に入力された光信号を分岐して出力する。
加入者側回線終端装置80は、光分岐部51から供給された光信号を入力し、電気信号に変換して出力するとともに、光信号に含まれているFSK信号を抽出し、FSK信号に含まれている情報に基づいて、装置の各部を制御する。
図10は、図9に示す加入者側回線終端装置80の詳細な構成を示す図である。図10に示すように加入者側回線終端装置80は、光受信部801、LPF(Low Pass Filter)802、HPF(High Pass Filter)803、FSK復調部804、制御部805、および、帯域制限部806を有している。
ここで、光受信部801は、光分岐部51から供給される光信号を電気信号に変換して出力する。LPF802は、光受信部801から供給される電気信号に含まれる低周波成分であるFSK信号を通過させ、それ以外の成分は減衰して出力する。HPF803は、光受信部801から供給される電気信号に含まれる高周波成分である映像信号を通過させ、それ以外の成分は減衰して出力する。FSK復調部804は、LPF802から供給されるFSK信号を復調して得られる情報を制御部805に供給する。制御部805は、FSK復調部804から供給される情報に基づいて、装置の各部を制御する。帯域制限部806は、制御部805の制御に応じて、加入者の契約により視聴できない帯域を制限する。なお、帯域制限部806から出力される映像信号は、図示しないテレビジョン受像機に供給される。
このようなネットワークシステムでは、例えば、加入者側回線終端装置80が有するファームウエアを最新のものに更新する場合には、ファームウエアを含む情報をFSK変調部22に供給し、通信事業者側回線終端装置70から全ての加入者側回線終端装置80に対してブロードキャストによって送信することで、ファームウエアを更新することができる。
また、加入者側回線終端装置80が契約によって視聴できない帯域を制限する情報である帯域制限情報を、対象となる加入者側回線終端装置80を特定するための情報とともに、通信事業者側回線終端装置70から送信し、加入者側回線終端装置80では、自己宛に送信された情報を選択して受信し、帯域制限情報に基づいて帯域制限部806が帯域制限を行うことで、契約内容に基づいた帯域制限を行うことができる。
米国特許第5841563号
ところで、図9および図10に示す従来技術では、PC20は加入者側回線終端装置のそれぞれの状態を知ることができないことから、加入者側回線終端装置を適切に制御することができないという問題点がある。
より詳細には、例えば、図9および図10に示す従来技術では通常、コストの面から片方向、即ち通信事業者側回線終端装置70側から加入者側回線終端装置80側にのみ信号を伝送するシステムとなっているため、通信事業者側回線終端装置70側から伝送される制御信号による制御に対して、加入者側回線終端装置80側で当該制御が反映されない場合も考えられ、さらには、当該制御が適切に行われているか確かめられないという問題点がある。
上記の問題点の解決策として、例えば、PC20から同じ制御信号を複数回送り、加入者側回線終端装置80でそのうち所定回受信した場合に当該制御を反映するという方法等が挙げられるが、伝送方式が複雑になるに加え、結局加入者側回線終端装置80において適切な制御が行われているかどうかを監視することはできていない。
また、PC20において加入者側回線終端装置80のそれぞれの状態を知るためには、PCと加入者側回線終端装置80との間で通信を行う必要があるが、この場合、映像信号に影響を与えることなくこれらの通信を行うためには、これらの通信用の光ファイバを新たに敷設する必要があり、コストが高くなるという問題点がある。
本発明は、上記の課題に鑑み、比較的少ないコストの増加で、加入者側回線終端装置の状態を知ることが可能なネットワークシステム、監視装置、および、光端末装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムにおいて、前記監視装置は、前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を照会する照会情報を送信する第1送信手段と、前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第1受信手段と、を有し、前記光端末装置は、前記照会情報を含む光信号を受信する第2受信手段と、前記照会情報に対応して前記状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第2送信手段と、を有する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、比較的少ないコストの増加で、加入者側回線終端装置の状態を知ることが可能となる。
また、本発明は、通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムにおいて、前記監視装置は、前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を制御する制御情報を送信する第3送信手段と、前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第3受信手段と、を有し、前記光端末装置は、前記制御情報を含む光信号を受信する第4受信手段と、前記制御情報に応じて当該光端末装置の動作を制御する制御手段と、前記状態情報として前記制御手段による制御結果を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第4送信手段と、を有する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、比較的少ないコストの増加で、光端末装置の状態を制御することが可能となる。
また、本発明は、前記状態情報は、前記光端末装置の動作状態を示す情報を含み、前記監視装置は、前記動作状態を示す情報を提示する制御を実行する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、光端末装置の動作状況を確実に知ることができる。
また、本発明は、前記第2送信手段は、前記状態情報として、前記光端末装置が有する制御プログラムの更新状況を示す情報を送信し、前記監視装置は、前記更新状況を示す情報に基づいて、前記制御プログラムの更新が正常に行われていないと判定した場合には、前記制御プログラムを更新させる制御を実行する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、制御プログラムを確実に更新することができる。
また、本発明は、通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記監視装置において、前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を照会する照会情報を送信する第1送信手段と、前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第1受信手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、比較的少ないコストの増加で、加入者側回線終端装置の状態を知ることが可能となる。
また、本発明は、通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記監視装置において、前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を制御する制御情報を送信する第3送信手段と、前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第3受信手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、比較的少ないコストの増加で、光端末装置の状態を制御することが可能となる。
また、本発明は、通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記光端末装置において、前記監視装置から送信される、前記光端末装置の状態を照会する照会情報含む光信号を受信する第2受信手段と、前記照会情報に対応して前記状態情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第2送信手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、比較的少ないコストの増加で、光端末装置の状態を監視装置に通知することが可能となる。
また、本発明は、通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記光端末装置において、前記制御情報を含む光信号を受信する第4受信手段と、前記制御情報に応じて当該光端末装置の動作を制御する制御手段と、前記状態情報として前記制御手段による制御結果を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第4送信手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、比較的少ないコストの増加で、光端末装置の状態を監視装置によって制御することが可能となる。
本発明によれば、比較的少ないコストの増加で、加入者側回線終端装置の状態を知ることが可能なネットワークシステム、監視装置、および、光端末装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。 図1に示す監視装置の構成例を示す図である。 図1に示す加入者側回線終端装置の構成例を示す図である。 図1に示す加入者側回線終端装置が受信する信号の周波数を示す図である。 図2に示す監視装置において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図3に示す加入者側回線終端装置において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図2に示す監視装置において実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。 図1に示す加入者側回線終端装置の他の構成例を示す図である。 従来のネットワークシステムの構成を示す図である。 図9に示す加入者側回線終端装置の構成を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)本発明の実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。この図に示すように、本発明の実施形態に係るネットワークシステムは、通信事業者側回線終端装置10、PC20、監視装置21、LAN(Local Area Network)22、光分岐部30、WDM(Wavelength Division Multiplexer)40、光分岐部50,51、および、加入者側回線終端装置60を有している。なお、通信事業者側回線終端装置10、監視装置21、光分岐部30、WDM40、光分岐部50,51、および、加入者側回線終端装置60は各々光ファイバ等の光伝送路を介して接続されており、PC20はLAN22を介して監視装置21に接続されている。
ここで、通信事業者側回線終端装置10は、光送信部11と光アンプ12を有している。光送信部11は、映像信号を、例えば、波長が1550nmの光信号に変換して光アンプ12に供給する。光アンプ12は、光送信部11から供給される光信号を増幅して光分岐部30に供給する。
PC20は、LAN22を介して監視装置21と接続され、LAN22を介して監視装置21を制御して、加入者側回線終端装置60に所定の情報を送信するとともに、監視装置21によって加入者側回線終端装置60から受信した情報を、LAN22を介して受信する。監視装置21は、PC20から供給される情報をFSK変調し、映像信号と異なる光波長、例えば、1610nmの光信号に変換して加入者側回線終端装置60に送信するとともに、加入者側回線終端装置60から送信される映像信号と異なる光波長、例えば、1610nmの光信号に重畳される情報を抽出して、PC20に供給する。
図2は、図1に示す監視装置21の詳細な構成例を示す図である。この図2に示すように、監視装置21は、制御部211、FSK変調部212、FSK復調部213、光送信部214、光受信部215、および、カプラ216を有している。ここで、制御部211は、LAN22を介してPC20との間で情報を授受するとともに、PC20の制御に応じて所定の情報をFSK変調部212に供給する。また、制御部211は、FSK復調部213から供給された情報をPC20に供給する。FSK変調部212は、制御部211から供給された情報をFSK変調して光送信部214に供給する。光送信部214は、FSK変調部212から供給された電気信号を、映像信号と異なる光波長、例えば、1610nmの光信号に変換して出力する。カプラ216は、光送信部214から供給される光信号をWDM40に出力するとともに、WDM40から供給される光信号を光受信部215に出力する。光受信部215は、加入者側回線終端装置60からカプラ216を介して供給される映像信号と異なる光波長、例えば、1610nmの光信号を電気信号に変換してFSK復調部213に供給する。FSK復調部213は、光受信部215から供給される電気信号をFSK復調して得られる情報を制御部211に供給する。
図1において、光分岐部30は、光アンプ12から供給される光信号を分岐してWDM40に出力する。WDM40は、光分岐部30から供給される波長が1550nmの光信号と、監視装置21から供給される映像信号と異なる光波長、例えば、1610nmの光信号を合波して光分岐部50に供給する。また、WDM40は、光分岐部50から供給される加入者側回線終端装置60の監視情報の光信号である、映像信号と異なる光波長、例えば、1610nmの光信号を分波し、光分岐部30への供給を遮断して、監視装置21に供給する。なお、図1では1つのWDM40のみを示しているが、複数のWDM40が光分岐部30に接続されるようにしてもよい。または、光アンプ12と光分岐部30の間にWDM40が接続される構成でもよい。
光分岐部50は、WDM40から出力される光信号を分岐して光分岐部51およびその他の光分岐部(図示しない)に供給するとともに、光分岐部51およびその他の光分岐部(図示しない)から供給される光信号を合波してWDM40に供給する。光分岐部51は、光分岐部50から出力される光を分岐して加入者側回線終端装置60およびその他の加入者側回線終端装置(図示しない)に供給するとともに、加入者側回線終端装置60およびその他の加入者側回線終端装置(図示しない)から供給される光信号を合波して光分岐部50に供給する。
加入者側回線終端装置60は、通信事業者側回線終端装置10から送信される光信号を受信し、電気信号に変換して後段の装置(例えば、テレビジョン受像機)に供給する。また、加入者側回線終端装置60は、監視装置21から伝送される光信号を受信するとともに、対応する情報を光信号として監視装置21に送信する。
図3は、加入者側回線終端装置60の構成例を示す図である。この図3に示すように、加入者側回線終端装置60は、カプラ601、光送信部602、光受信部603、FSK変調部604、LPF(Low Pass Filter)605、HPF(High Pass Filter)606、FSK復調部607、制御部608、および、帯域制限部609を有している。
ここで、カプラ601は、光分岐部51から出力される光信号を光受信部603に供給するとともに、光送信部602から出力される光信号を光分岐部51に供給する。光受信部603は、光分岐部51から出力される光信号を、カプラ601を介して受信し、電気信号に変換してLPF605とHPF606に供給する。LPF605は、光受信部603から出力される電気信号に含まれている低周波成分であるFSK信号を通過させ、それ以外の成分は減衰してFSK復調部607に供給する。HPF606は、光受信部603から出力される電気信号に含まれている高周波成分である映像信号を通過させ、それ以外の成分は減衰して帯域制限部609に供給する。
FSK復調部607は、LPF605から出力される電気信号を復調して制御部608に供給する。制御部608は、FSK復調部607から供給される情報に基づいて各部を制御する。FSK変調部604は、制御部608から出力される情報をFSK変調して光送信部602に供給する。光送信部602は、FSK変調部604から出力される電気信号を光信号に変換し、カプラ601を介して監視装置21に送信する。帯域制限部609は、制御部608の制御に基づいて、HPF606から出力される映像信号の帯域制限を実行し、後段の装置(例えば、図示しないテレビジョン受像機)に供給する。
(B)本発明の実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作を説明する。以下では、通信事業者側回線終端装置10から加入者側回線終端装置60へ映像信号を伝送する動作について説明した後に、監視装置21と加入者側回線終端装置60との間で状態情報を伝送する動作について説明する。
光送信部11は、映像信号を波長が1550nmの光信号に変換し、光アンプ12に供給する。光アンプ12は、光信号を増幅して光分岐部30に出力する。光分岐部30は、光信号を分岐してWDM40に出力する。WDM40は、光分岐部30から供給される波長が1550nmの光信号と、監視装置21から供給される波長が1610nmの光信号を合波して、光分岐部50に供給する。なお、波長が1550nmの光信号には、図4に示すように周波数がf3〜f4の映像信号が含まれている。また、波長が1610nmの光信号には、周波数がf1〜f2のFSK信号(詳細は後述する)が含まれている。
光分岐部50は、WDM40から供給される光信号を分岐して光分岐部51およびその他の光分岐部(図示しない)に供給する。光分岐部51は、光分岐部50から供給される光信号を分岐して加入者側回線終端装置60およびその他の加入者側回線終端装置(図示しない)に供給する。なお、加入者側回線終端装置60の数に合わせて適宜光分岐部51を省略してもよいし、光分岐部51の後段にさらに光分岐部を追加してもよい。
加入者側回線終端装置60では、光分岐部51から供給される光信号を、カプラ601を介して受信して光受信部603に供給する。光受信部603は、カプラ601から供給される光信号を電気信号に変換してLPF605とHPF606に供給する。
LPF605は、光受信部603から供給される電気信号に含まれる低周波成分を通過し、それ以外の成分を減衰して出力する。HPF606は、光受信部603から供給される電気信号に含まれる高周波成分を通過し、それ以外の成分を減衰して出力する。図4を参照して前述したように、光受信部603から供給される電気信号には、周波数がf1〜f2のFSK信号と、周波数がf3〜f4の映像信号が含まれている。LPF605は、周波数がf1〜f2のFSK信号を通過させ、周波数がf3〜f4の映像信号を減衰させて出力する。また、HPF606は、周波数がf1〜f2のFSK信号を減衰させ、周波数がf3〜f4の映像信号を通過させる。HPF606を通過した映像信号は、帯域制限部609に供給される。帯域制限部609は、図4に示す映像信号のうち、加入者との契約に基づいて、視聴できない帯域は制限し、後段の装置であるテレビジョン受像機に供給する。この結果、加入者は、契約している帯域の映像のみを視聴することができる。視聴できない帯域の制限方法としては、例えば、RFスイッチ等により当該帯域を終端する方法等がある。
つぎに、状態情報を伝送する動作について説明する。以下では、まず、動作原理を説明した後に、具体例を挙げて説明する。図1に示す実施形態では、加入者側回線終端装置のそれぞれの状態(例えば、動作状態や設定状態)を監視装置21が知るための情報である照会情報を監視装置21が送信する。より詳細には、例えば、監視装置21が加入者側回線終端装置60の動作状態を照会する場合、制御部211は、加入者側回線終端装置60の動作状態を照会するための照会情報に対して、加入者側回線終端装置60を送信先とする情報を付加したパケットを生成し、FSK変調部212に供給する。FSK変調部212は、このような情報をFSK変調し、図4に示す周波数f1〜f2の信号を生成する。FSK変調部212によって生成されたこのような信号は、光送信部214によって波長が1610nmの光信号に変換され、カプラ216を介してWDM40に供給される。
WDM40は、カプラ216から出力される信号を光分岐部30から出力される波長が1550nmの光信号と合波し、光分岐部50,51を介して加入者側回線終端装置60に伝送する。
加入者側回線終端装置60では、光受信部603がカプラ601を介して前述した光信号を受信して電気信号に変換し、LPF605とHPF606に供給する。LPF605は、光受信部603から供給される周波数がf1〜f2のFSK信号を通過させ、それ以外の帯域は減衰させてFSK復調部607に供給する。FSK復調部607は、LPF605から出力されるFSK信号を復調し、制御部608に供給する。制御部608は、FSK復調部607から出力される情報を参照し、送信先が自己宛であり、また、動作状態を照会する照会情報であることを認識する。この結果、制御部608は、自己の動作状態(例えば、各部の動作状態を示す情報)を検出する。そして、検出した動作状態を示す情報等を含む状態情報について、監視装置21を送信先とし、加入者側回線終端装置60を送信元とするパケットを生成し、FSK変調部604に供給する。FSK変調部604は、制御部608から供給されたパケットをFSK変調して図4に示すf1〜f2の周波数の信号を生成し、光送信部602に供給する。光送信部602は、FSK変調部604から供給された電気信号を波長が1610nmの光信号に変換し、カプラ601を介して監視装置21に対して送信する。
監視装置21の光受信部215は、WDM40から供給される波長が1610nmの光信号を受信して電気信号に変換し、FSK復調部213に供給する。FSK復調部213は、光受信部215から供給される電気信号をFSK復調し、制御部211に供給する。制御部211は、送信先が自己宛であることから、そこに含まれる状態情報と、送信元情報を取得する。この結果、制御部211は、加入者側回線終端装置60の動作状態を知ることができる。そして、例えば、加入者側回線終端装置60に異常が発生している場合に、異常に関する詳細な情報をPC20に提供して表示させることで、管理者に対して異常の発生に関する情報を提示することができる。
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、監視装置21を設け、この監視装置21から加入者側回線終端装置60に対して照会情報を、映像信号とは異なる波長の光信号に重畳して送信し、加入者側回線終端装置60は映像信号とは異なる波長の光信号に状態情報を重畳して送信するようにしたので、既存の光ファイバを流用することで光ファイバの増設コストを低減しつつ、加入者側回線終端装置60の動作状態を知ることができる。
つぎに、より詳細な動作について説明する。以下では、監視装置21から制御プログラムを全ての加入者側回線終端装置に対して送信する場合を例に挙げて説明する。なお、以下では制御プログラムとしてファームウエアが送信される場合を例に挙げる。
監視装置21の制御部211は、送信しようとするファームウエアを所定量のデータに分割するとともに、全ての加入者側回線終端装置を送り先とする情報(例えば、ブロードキャスト用アドレス)と、ファームウエアを更新するように要求する制御情報を付加したパケットを生成し、パケット毎にFSK変調部212に供給する。
FSK変調部212は、制御部211から供給された情報をFSK変調して光送信部214に供給する。光送信部214は、FSK変調部212から供給される電気信号を波長が1610nmの光信号に変換してカプラ216を介して出力する。
WDM40は、カプラ216から供給される波長が1610nmの光信号と、通信事業者側回線終端装置10から供給される波長が1550nmの光信号を合波して光分岐部50,51を介して全ての加入者側回線終端装置に伝送する。なお、全ての加入者側回線終端装置では同様の動作が実行されるので、以下では、加入者側回線終端装置60を例に挙げて説明する。
加入者側回線終端装置60のカプラ601は、光分岐部51から供給される光信号を光受信部603に出力する。光受信部603は、カプラ601から供給される光信号を電気信号に変換してLPF605およびHPF606に供給する。前述したように、LPF605は、光受信部603から供給される電気信号に含まれている低周波成分を通過させてFSK復調部607に出力する。
FSK復調部607は、LPF605から供給されるFSK信号を復調し、ファームウエアを含むパケットを制御部608に供給する。制御部608は、パケットのヘッド部に付加されている送信先を示す情報を参照し、自己を含む全ての加入者側回線終端装置宛であることから、この情報を取得する。そして、制御部608は、制御情報によってファームウエアを更新することが要求されていることを認識し、取得した情報からファームウエアを復元し、このファームウエアによって、既存のファームウエアを更新する。なお、以上のような動作は、全ての加入者側回線終端装置において実行される。
監視装置21は、ファームウエアの送信が完了すると、つぎに、加入者側回線終端装置のそれぞれに対して、ファームウエアの更新が正常に実行されたか否かを個別に問い合わせする処理を実行する。例えば、加入者側回線終端装置60を例に挙げて説明すると、監視装置21の制御部211は、加入者側回線終端装置60を送信先とし、ファームウエアが正常に更新されたか否かを照会する照会情報を有するパケットを生成する。そして、FSK変調部212によってFSK変調した後に光送信部214によって光変調して送信する。
加入者側回線終端装置60は、このようなパケットを受信すると、光受信部603によって復調した後に、LPF605でFSK信号を抽出し、FSK復調した後に制御部608に供給する。制御部608は、送信先を参照することで、自己宛の情報であることを認識し、また、ファームウエアが正常に更新されたことを照会する情報であることを認識する。なお、他の加入者側回線終端装置は、自己宛ではないので、このパケットは無視する。加入者側回線終端装置60の制御部608は、ファームウエアが正常に更新されたか否かを判定し、判定結果を示す情報を有するとともに、監視装置21を送信先とし、加入者側回線終端装置60を送信元とするパケットを生成してFSK変調部604に供給する。FSK変調部604は、制御部608から供給される情報をFSK変調し、光送信部602に供給する。光送信部602は、FSK変調部604から供給される電気信号を波長が1610nmの光信号に変換してカプラ601を介して送信する。
監視装置21は、このような情報を受信すると、送信先を示す情報から自己宛のパケットであるとともに、送信元を示す情報から加入者側回線終端装置60からのパケットであることを認識する。また、パケットに付加されている情報から、ファームウエアの更新の成否を示す情報であることを認識する。そして、更新の成否を示す情報により、ファームウエアの更新に失敗していると判定した場合には、加入者側回線終端装置60に対して、ファームウエアを再度送信する動作を実行する。
以上の動作は、全ての加入者側回線終端装置に対して順次実行され、ファームウエアの更新の成否を1台単位で確認し、失敗した場合には、ファームウエアを再度送信する動作を実行する。これにより、全ての加入者側回線終端装置のファームウエアを確実に更新することができる。
つぎに、加入者側回線終端装置のそれぞれの動作状態または設定状態を照会する処理について説明する。加入者側回線終端装置の動作状態としては、例えば、受信光の光強度、映像信号の信号レベル、映像信号のC/N(Carrier to Noise Ratio)比、加入者側回線終端装置の電源の状態、加入者側回線終端装置の筐体内の温度等がある。また、設定状態としては、例えば、帯域制限の状態等がある。より詳細には、各加入者には、契約によって視聴できない帯域が存在し、そのような帯域を視聴できないように制限することを帯域制限と言う。以下では、動作状態と帯域制限状態を同時に問い合わせる場合を例に挙げて説明する。もちろん、これらを別々に問い合わせするようにしてもよいことは言うまでもない。
監視装置21の制御部211は、加入者側回線終端装置のそれぞれの動作状態と、帯域制限の設定状態を照会する情報を生成する。制御部211は、生成した情報に対して、所望の加入者側回線終端装置を指定する情報と、自己を送信元として指定する情報を付加したパケットを生成する。制御部211は、このようにして生成したパケットをFSK変調部212に供給する。FSK変調部212はパケットをFSK変調した後、光送信部214に供給する。光送信部214は、FSK変調部212から供給される電気信号を波長が1610nmの光信号に変換し、カプラ216を介して送信する。なお、以下では、加入者側回線終端装置60に対してパケットが送信される場合を例に挙げて説明する。
加入者側回線終端装置60では、光受信部603がカプラ601を介してこのようなパケットを受信する。光受信部603は、受信した光信号を電気信号に変換してLPF605とHPF606に供給する。監視装置21から送信されたFSK変調が施されたパケットは、LPF605を介してFSK復調部607に供給される。FSK復調部607は、LPF605から出力される信号をFSK復調して制御部608に供給する。制御部608は、FSK復調部607から供給されるパケットの送信先から、自己宛のパケットであることを認識するとともに、付加されている情報から、動作状態と帯域制限の状態を照会する情報であることを認識する。
この結果、制御部608は、まず、加入者側回線終端装置60の動作状態を示す情報を取得する。具体的には、受信光の光強度、映像信号の信号レベル、映像信号のC/N比、加入者側回線終端装置の電源の状態、および、加入者側回線終端装置の筐体内の温度等の情報を取得する。つづいて、制御部608は、帯域制限部609から帯域制限の状態を示す帯域制限情報を取得する。
制御部608は、以上のようにして取得した、加入者側回線終端装置60の動作状態を示す動作情報と、帯域制限の状態を示す帯域制限情報とに対して、送信先を監視装置21とし、送信元を自己とするパケットを生成してFSK変調部604に供給する。FSK変調部604は、制御部608から供給されるパケットに対してFSK変調を施して光送信部602に出力する。光送信部602は、FSK変調部604から供給されたパケットを波長が1610nmの光信号に変換し、カプラ601を介して監視装置21に対して送信する。
監視装置21では、以上のようにして送信されたパケットを、カプラ216を介して受信し、光受信部215が電気信号に変換した後、FSK復調部213がFSK復調して制御部211に供給する。制御部211は、パケットの送信先を参照することで自己宛の情報であることを認識するとともに、送信元を参照することで、加入者側回線終端装置60から送信された情報であると認識する。そして、制御部211は、動作情報を参照することで、加入者側回線終端装置60の動作状態(異常の有無)を把握することができる。また、制御部211は、加入者側回線終端装置60において設定されている帯域制限に関する情報等を含む帯域制限情報を取得し、当該加入者が契約に基づき視聴できない帯域に関する情報等を含む契約情報と比較することで、帯域制限が正常に実行されているか否かを把握することができる。なお、制御部211は、LAN22を介してPC20に対して所定の情報を送信することで、例えば、動作情報から異常の発生が確認された場合に、加入者側回線終端装置60に異常が発生していることを提示させることができる。また、帯域制限情報と契約情報とが一致しない場合には、契約情報に基づいて帯域制限情報を生成し、加入者側回線終端装置60に対して、最新の帯域情報を送信し、このような情報を受け取った加入者側回線終端装置60が最新の情報に基づいて帯域制限部609を設定することで、帯域制限を契約に基づいた適切な内容に設定することができる。
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、映像信号とは異なる波長の光信号によって、監視装置21と加入者側回線終端装置とが情報を授受することができるため、例えば、加入者側回線終端装置のファームウエアを更新する場合には、全ての加入者側回線終端装置に対してファームウエアを送信した後に、加入者側回線終端装置のそれぞれに対して問い合わせを行うようにしたので、全ての加入者側回線終端装置の更新が正常である場合にはファームウエアを1回だけ送信すればよいので、大量の情報を送信する必要がなくなる。また、ファームウエアを送信した後に、加入者側回線終端装置のそれぞれに対して問い合わせを行うことで、全ての加入者側回線終端装置のファームウエアが正常に更新されたか否かを確認することができる。
また、本発明の実施形態によれば、映像信号とは異なる波長の光信号によって、監視装置21と加入者側回線終端装置とが情報を授受することができるようしたので、例えば、加入者側回線終端装置のそれぞれの動作状態を確実に知ることができる。また、加入者側回線終端装置のそれぞれの帯域制限の状態を通知させ、契約情報と比較することで、帯域制限が正常になされているかを知ることができるとともに、正常でない場合には最新の帯域制限情報を送信することで、帯域制限を正常化することができる。
また、本発明の実施形態によれば、加入者側回線終端装置は、監視装置21からの照会があった場合にのみ監視装置21に対して光信号を送信するようにしたので、複数の加入者側回線終端装置が同時に光信号を送信することで混信が発生することを防止できる。
つぎに、図5〜図7を参照して、本発明の実施形態において実行される詳細な処理について説明する。
図5は、監視装置21がファームウエアを送信する場合に実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。このフローチャートが開始されると以下のステップが実行される。
ステップS10では、監視装置21の制御部211は、ファームウエアを全ての加入者側回線終端装置に対してブロードキャストにより送信する。より詳細には、制御部211は、送信しようとするファームウエアをPC20から取得して所定のデータ量に分割するとともに、全ての加入者側回線終端装置を送信先とする情報(例えば、ブロードキャスト用アドレス)を付加し、FSK変調部212によってFSK変調し、光送信部214で光信号に変換して送信する。この結果、全ての加入者側回線終端装置がこの情報を受信し、ファームウエアを更新する処理を実行する。また、PC20において、あらかじめデータを所定の単位に分割してもよい。
ステップS11では、制御部211は、対象となる加入者側回線終端装置を選択する。例えば、制御部211は、複数存在する加入者側回線終端装置から所定の加入者側回線終端装置として、加入者側回線終端装置60を選択する。
ステップS12では、制御部211は、ステップS11で選択した加入者側回線終端装置に対して、ファームウエアの更新が正常に行われたか否かの照会を行う。より詳細には、制御部211は、ステップS11で選択した加入者側回線終端装置に対してファームウエアの更新が正常に行われたか否かを照会するためのパケットを生成して送信する。このようなパケットを受信した加入者側回線終端装置は、ファームウエアが正常に更新されたか否かを判定し、判定結果を示す情報を監視装置21に対して送信する。
ステップS13では、制御部211は、正常に更新されたか否かを判定し、正常に更新されたと判定した場合(ステップS13:Y)にはステップS15に進み、それ以外の場合(ステップS13:N)にはステップS14に進む。より詳細には、ステップS12で送信した照会に対して加入者側回線終端装置が送信したパケットを受信し、パケットに付加されている情報に基づいて、ファームウエアが正常に更新されたか否かを判定する。そして、正常に更新された場合にはステップS15に進み、それ以外の場合にはステップS14に進む。
ステップS14では、制御部211は、ステップS11で選択した加入者側回線終端装置に対してファームウエアを再送する。具体的には、ファームウエアを所定の情報量に分割するとともに、それぞれの情報に送信先としてステップS11で選択した加入者側回線終端装置を指定する情報を付加してパケットを生成し、このパケットを加入者側回線終端装置に対して送信する。
ステップS15では、制御部211は、全加入者側回線終端装置に対する問い合わせが終了したか否かを判定し、終了していないと判定した場合(ステップS15:N)の場合にはステップS11に戻って同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS15:Y)には処理を終了する。
以上の処理によれば、全ての加入者側回線終端装置に対してブロードキャストでファームウエアを送信するとともに、加入者側回線終端装置のそれぞれに対してファームウエアの更新が正常に行われたか否かを順次問い合わせし、正常でない場合には再送するようにしたので、全ての加入者側回線終端装置のファームウエアを確実に更新することができる。
つぎに、図6を参照して、加入者側回線終端装置60において定期的に(例えば、数秒間隔で)実行される処理の流れについて説明する。図6に示す処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS30では、加入者側回線終端装置60の制御部608は、監視装置21からパケットを受信したか否かを判定し、パケットを受信したと判定した場合(ステップS30:Y)にはステップS31に進み、それ以外の場合(ステップS30:N)には処理を終了する。例えば、監視装置21から、ファームウエアを更新するためのパケットを受信した場合、動作状況を問い合わせるパケットを受信した場合、または、帯域制限の状態を問い合わせるパケットを受信した場合には、ステップS31に進む。
ステップS31では、制御部608は、ステップS30で受信したパケットに制御情報が含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合(ステップS31:Y)にはステップS32に進み、それ以外の場合(ステップS31:N)にはステップ33に進む。なお、制御情報とは、加入者側回線終端装置に対して所定の動作を実行させるための情報をいう。
ステップS32では、制御部608は、制御情報に対応する処理を実行しステップ33に進む。より詳細には、ファームウエアの更新を要求する制御情報の場合にはファームウエアを更新し、帯域制御情報の更新を要求する制御情報の場合には帯域制限情報を更新する。
ステップS33では、制御部608は、ステップS30で受信したパケットに照会情報が含まれているか否かを判定し、含まれていると判定した場合(ステップS33:Y)にはステップS34に進み、それ以外の場合(ステップS33:N)にはステップS35に進む。なお、照会情報とは、加入者側回線終端装置の動作状況を問い合わせたり、帯域制限状態を問い合わせたりする情報をいう。
ステップS34では、制御部608は、照会情報に対する状態情報を取得する。例えば、加入者側回線終端装置の動作状況に対する照会の場合には、受信光の光強度、映像信号の信号レベル、映像信号のC/N比、電源の状態、筐体内の温度等の情報を取得する。また、帯域制限に関する照会の場合には、帯域制限部609に設定されている帯域制限情報を取得する。
ステップS35では、制御部608は、受信したパケットに対応して制御及び照会情報取得の結果を監視装置21に対して送信する。より詳細には、制御部608は、受信したパケットに制御情報が含まれている場合には制御を実行した結果を監視装置21に対して送信し、受信したパケットに照会情報が含まれている場合には、動作状況を示す状態情報または帯域制御の状態を示す状態情報を監視装置21に対して送信する。
以上の処理によれば、監視装置21から照会がなされた場合には、対応する情報を監視装置21に対して送信することができる。また、監視装置21から制御情報を受信した場合には対応する動作を実行することができる。
つぎに、図7を参照して、監視装置21が加入者側回線終端装置に対して照会情報を送信し、動作情報または帯域制限情報を取得する際の処理の流れについて説明する。図7に示すフローチャートの処理が開始されると、以下のステップが実行される。
ステップS50では、制御部211は、複数存在する加入者側回線終端装置のなかから、対象となる加入者側回線終端装置を選択する。例えば、対象となる加入者側回線終端装置として、加入者側回線終端装置60を選択する。
ステップS51では、制御部211は、ステップS50で選択した加入者側回線終端装置に対して照会情報を送信する。例えば、制御部211は、動作状態と帯域制限の状態を照会する照会情報を、加入者側回線終端装置60に対して送信する。この結果、加入者側回線終端装置60では、図6に示す処理により、照会情報に対応する状態情報を送信する。
ステップS52では、制御部211は、ステップS51において送信した照会情報に対応する状態情報を正常に受信したか否かを判定し、正常に受信したと判定した場合(ステップS52:Y)にはステップS53に進み、それ以外の場合(ステップS52:N)にはステップS51に戻って同様の処理を繰り返す。
ステップS53では、制御部211は、ステップS52で受信した状態情報に加入者側回線終端装置の動作状態を示す動作情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合(ステップS53:Y)にはステップS54に進み、それ以外の場合(ステップS53:N)にはステップS56に進む。例えば、加入者側回線終端装置60の受信光の光強度、映像信号の信号レベル、映像信号のC/N比、電源の状態、筐体内の温度等の情報が含まれている場合にはステップS54に進む。
ステップS54では、ステップS53で抽出した動作情報を参照して、対象となる加入者側回線終端装置が正常に動作しているか否かを判定し、正常に動作していると判定した場合(ステップS54:Y)にはステップS56に進み、それ以外の場合(ステップS54:N)にはステップS55に進む。例えば、加入者側回線終端装置60の受信光の光強度が所定の閾値よりも低下している場合にはステップS55に進む。
ステップS55では、制御部211は、警告を発生する。より詳細には、制御部211は、動作異常が発生している加入者側回線終端装置を特定する情報と、動作異常の内容を示す情報とをPC20に供給する。この結果、PC20は、所定の加入者側回線終端装置に対して異常が発生したことを提示する。
ステップS56では、制御部211は、ステップS52で受信した情報に帯域制限情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合(ステップS56:Y)にはステップS57に進み、それ以外の場合(ステップS56:N)にはステップS60に進む。例えば、加入者側回線終端装置60の帯域制限情報が含まれている場合にはステップS57に進む。
ステップS57では、制御部211は、ステップS56で抽出した帯域制限情報と、契約情報とを比較する。より詳細には、制御部211は、対象となる加入者側回線終端装置の契約情報を取得し、取得した契約情報と、ステップS56で取得した帯域制限情報とを比較する。
ステップS58では、制御部211は、帯域制限情報と契約情報とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合(ステップS58:Y)にはステップS60に進み、それ以外の場合(ステップS58:N)には59に進む。例えば、加入者側回線終端装置60の契約情報と、帯域制限情報が一致しない場合にはステップS59に進む。
ステップS59では、制御部211は、契約情報に対応する帯域制限を行うための情報を生成して送信する。より詳細には、制御部211は、契約情報に対応する帯域制限を行うための制御情報を生成して加入者側回線終端装置60に対して送信する。この結果、加入者側回線終端装置60では、受信した制御情報に基づいて、帯域制限部609を設定する。
ステップS60では、制御部211は、全ての加入者側回線終端装置に対する照会処理が終了したか否かを判定し、終了していないと判定した場合(ステップS60:N)にはステップS50に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合には処理を終了する。
以上の処理によれば、加入者側回線終端装置のそれぞれに対して照会情報を送信して動作情報と帯域制限情報とを得ることができる。また、帯域制限情報と契約情報とが一致しない場合には、加入者側回線終端装置に対して帯域制限情報を更新するように要求することができる。なお、図7に示す処理では、動作情報と帯域制限情報とを同時に照会するようにしたが、これらのいずれか一方を照会するようにしてもよい。
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、映像信号は1550nmの光を用い、FSK信号は1610nmの光を用いるようにしたが、これ以外の波長の光を用いるようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、加入者側回線終端装置は監視装置21からの照会があった場合に光信号を送信するようにしたが、例えば、各加入者側回線終端装置に対して応答可能なタイミングを割り当て、割り当てられたタイミングで加入者側回線終端装置が光信号を送信するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、加入者側回線終端装置の動作状態および設定状態を示す情報を監視装置21に送信するようにしたが、これら以外の情報を送信するようにしてもよい。また、ファームウエア以外の情報を監視装置21から送信するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、PC20と監視装置21をLAN22によって接続するようにしたが、これ以外の方法によって接続するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、FTTH方式における加入者側回線終端装置の監視および制御の例を示したが、HFC(Hybrid Fiber-Coaxial)方式の伝送システムにおける光端末装置の監視および制御に適用してもよい。このような場合、HFC方式の伝送システムは通常双方向通信が可能な構成とされているため、例えば、上り信号に対してFSK信号を重畳する構成とすることで、HFC方式の伝送システムにおける光端末装置の監視および制御にも本発明を適用する事ができる。
また、以上の実施形態では、光受信部603は、カプラ601から供給される光信号を電気信号に変換してLPF605とHPF606に供給する構成を示したが、図8に示す様に、当該電気信号を、RF分岐部610を介してBPF(Band Pass Filter)611および帯域制限部609に供給する構成としてもよい。より具体的には、図8に示す実施形態において、光受信部603から供給される電気信号には、周波数がf2〜f3のFSK信号と、周波数がf1〜f2、f3〜f4の映像信号が含まれている(f1<f2<f3<f4)。光受信部603から供給される電気信号はRF分岐部610によって分岐されるが、分岐された電気信号のうち一方はBPF611に供給され、他方は帯域制限部609に供給される。このとき、BPF611は周波数f2〜f3のFSK信号を通過して、それ以外の帯域は減衰させてFSK復調部607に供給する。この他の構成は上述した実施形態と同等である。図8に示した構成においても、上述の実施形態と同様に加入者側回線終端装置の監視および制御を行うことができる。
10 通信事業者側回線終端装置
11 光送信部
12 光アンプ
20 PC
21 監視部
22 LAN
30 光分岐部
40 WDM
50,51 光分岐部
60 加入者側回線終端装置(光端末装置)
211 制御部
212 FSK変調部
213 FSK復調部
214 光送信部(第1送信手段、第3送信手段)
215 光受信部(第1受信手段、第3受信手段)
216 カプラ
601 カプラ
602 光送信部(第2送信手段、第4送信手段)
603 光受信部(第2受信手段、第4受信手段)
604 FSK変調部
605 LPF
606 HPF
607 FSK復調部
608 制御部(取得手段、制御手段)
609 帯域制限部
610 RF分岐部
611 BPF

Claims (8)

  1. 通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムにおいて、
    前記監視装置は、
    前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を照会する照会情報を送信する第1送信手段と、
    前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第1受信手段と、を有し、
    前記光端末装置は、
    前記照会情報を含む光信号を受信する第2受信手段と、
    前記照会情報に対応して前記状態情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第2送信手段と、を有する、
    ことを特徴とするネットワークシステム。
  2. 通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムにおいて、
    前記監視装置は、
    前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を制御する制御情報を送信する第3送信手段と、
    前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第3受信手段と、を有し、
    前記光端末装置は、
    前記制御情報を含む光信号を受信する第4受信手段と、
    前記制御情報に応じて当該光端末装置の動作を制御する制御手段と、
    前記状態情報として前記制御手段による制御結果を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第4送信手段と、を有する、
    ことを特徴とするネットワークシステム。
  3. 前記状態情報は、前記光端末装置の動作状態を示す情報を含み、
    前記監視装置は、前記動作状態を示す情報を提示する制御を実行する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
  4. 前記第2送信手段は、前記状態情報として、前記光端末装置が有する制御プログラムの更新状況を示す情報を送信し、
    前記監視装置は、前記更新状況を示す情報に基づいて、前記制御プログラムの更新が正常に行われていないと判定した場合には、前記制御プログラムを更新させる制御を実行する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のネットワークシステム。
  5. 通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記監視装置において、
    前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を照会する照会情報を送信する第1送信手段と、
    前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第1受信手段と、
    を有することを特徴とする監視装置。
  6. 通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記監視装置において、
    前記映像情報を含む光信号とは異なる波長の光信号を用いて前記光伝送路を介して前記光端末装置に対して前記光端末装置の状態を制御する制御情報を送信する第3送信手段と、
    前記光端末装置の状態を示す状態情報を受信する第3受信手段と、
    を有することを特徴とする監視装置。
  7. 通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記光端末装置において、
    前記監視装置から送信される、前記光端末装置の状態を照会する照会情報含む光信号を受信する第2受信手段と、
    前記照会情報に対応して前記状態情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第2送信手段と、
    を有することを特徴とする光端末装置。
  8. 通信事業者側回線終端装置と、光伝送路を介して前記通信事業者側回線終端装置から映像情報を含む光信号を受信する1または複数の光端末装置と、前記光端末装置を監視する監視装置とを有するネットワークシステムの前記光端末装置において、
    前記制御情報を含む光信号を受信する第4受信手段と、
    前記制御情報に応じて当該光端末装置の動作を制御する制御手段と、
    前記状態情報として前記制御手段による制御結果を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記状態情報を、前記光伝送路を介して前記監視装置に送信する第4送信手段と、
    を有することを特徴とする光端末装置。
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