JP2017106700A - 管路固定構造 - Google Patents

Abstract

【課題】床暖房システムの管路を固定するための、基材シートと少なくとも１つの固定具とを有する管路固定構造を提供する。
【解決手段】基材シート１は、床に固定されると共に、ループ面を有する。固定具２は、その第１の面に基材シートのループ面と機械的に係合するフック体を複数有する。基材シートに管路９を設置した後、管路を囲むように固定具を配置し、その複数のフック体と基材シートのループ面との間の機械的係合により、管路が固定される。
【選択図】図３

Description

本発明は、床暖房システムの管路を固定するための管路固定構造に関し、特にループ面とフック体との係合により管路を固定する管路固定構造に関するものである。

より快適な室内環境をつくるために、床の温度を調整するための床暖房システムを床下に敷設する建物があり、この床暖房システムでは、主に床下に設置された管路によって暖房する。

床暖房システムにおいて、管路を床下に固定するために、クリップで管路をワイヤネットに留めて、ワイヤネットと共に管路を予定範囲に敷設した後、グラウチング作業で管路を固定する技術が知られている（例えば、特許文献１及び２参照）。しかしながら、上記の手法で床暖房システムの管路を固定する場合、床暖房システムに使用される管路の多くは循環式（連続式）回路であるため、敷設作業において管路の破損が生じないように、このような管路とワイヤネットとの接続には時間が掛かる。又、グラウチング作業の前に、ワイヤネット及びそれに留められる管路がしっかりと固定したとは言えないため、管路が変位してしまう恐れがある。

管路埋設のための通路を予め床下に設置する床暖房システムも知られており、この手法では、固定作業において管路が変位してしまうリスクが低減するが、床下に施工する時間が長引くだけでなく、管路の設置位置の変更可能性もなくなる。

又、管路の表面に第１の締付具を設けると共に、床のベースに第２の締付具を設け、第１の締付具と第２の締付具とを接合することによって、管路を床に固定する構造も知られている（例えば、特許文献３参照）。しかしながら、この構造では管路の設置位置の変更可能性を確保できるが、特殊設計の管路を採用する必要があるので、管路構築のコストが大幅に高まる。又、この構成を床暖房システムの連続式回路に運用する場合、一部の管路の設置位置を変更すると、ベースに接合されたままの他の管路に破損が生じる可能性がある。

従来の管路固定構造・手法に存在している問題点を鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、床暖房システムの管路に適用する管路固定構造を開発することによって、従来の管路固定構造・手法に存在している諸問題点を有効に解決することができる。

米国特許第６，９６９，８３２号公報 米国特許第７，１４５，１１２号公報 米国特許第８，３１６，８９３号公報

本発明は、床暖房システムの管路をしっかりと固定するだけでなく、設置する際の時間とコストを低減することができ、設置位置の変更可能性が高い、床暖房システムの管路に適用する管路固定構造を提供することを目的とするものである。

本発明の第１態様に係る床暖房システムの管路を固定するための管路固定構造は、基材シートと少なくとも１つの固定具とを有する。基材シートは、床に固定されると共に、ループ面を有する。又、固定具は、その第１の面に基材シートのループ面と機械的に係合するフック体を複数有する。基材シートに管路を設置した後、管路を囲むように固定具を配置し、その複数のフック体と基材シートのループ面との間の機械的係合により、管路が固定される。

好ましくは、本発明の第１態様に係る管路固定構造においては、固定具は中央領域と、中央領域の反対する両側に位置する２つの外側領域とを有する。中央領域が管路の周面の一部を囲むように配置されると共に、外側領域がそのフック体によって基材シートのループ面と機械的に係合する。

好ましくは、本発明の第１態様に係る管路固定構造においては、固定具は第１の面と反対側の第２の面を有し、その第２の面にループ面を設ける。又、固定具は、連結本体部と、連結本体部の反対する両側に位置する２つの翼部とを有し、連結本体部はその複数のフック体によって基材シートのループ面と機械的に係合すると共に、２つの翼部が管路の周面を囲むように配置される。２つの翼部夫々は、連結本体部に連結される固定端と、連結本体部から脱離可能に設けられる自由端とを有し、２つの翼部の自由端同士は、一方の翼部の自由端の第１の面にある複数のフック体と他方の翼部の自由端の第２の面にあるループ面との機械的係合により接合し、管路が固定される。又、連結本体部と２つの翼部とは一体成形されたものである。２つの翼部は夫々中空部を有し、連結本体部は中央部と２つの延伸部とを有し、２つの延伸部は中央部から２つの翼部の中空部にかけて延伸する。

本発明の第２態様に係る床暖房システムの管路を固定するための管路固定構造は、基材シートとベースと面ファスナーとを有する。基材シートは、床に固定されると共に、ループ面を有する。ベースは開口を有し、管路が開口を介してベース内に収納される。面ファスナーの外面に第１の領域と第２の領域とを有し、第１の領域がループ面を有し、第２の領域に複数のフック体を設ける。面ファスナーの第１の領域に位置する第１の端がベースの一方側に接続されると共に、面ファスナーの第２の領域に位置する第２の端が、面ファスナーが開口を横断した状態において、ベースの他方側に形成されたスロットに挿通し折り返されることによって、面ファスナーの第２の領域に設けた複数のフック体を第１の領域のループ面に機械的に係合させる。

好ましくは、本発明の第２態様に係る管路固定構造においては、ベースは、管路の周面に対応する弧状面を有する。

好ましくは、本発明の第１又は第２態様に係る管路固定構造においては、フック体は一方向に湾曲するフックである。

好ましくは、本発明の第１又は第２態様に係る管路固定構造においては、フック体は二方向に湾曲するフックである。

本発明の詳細な説明及び利点については、添付図面を参照しながら、以下の実施形態の説明によって明らかにする。

図１は、本発明の第１実施例に係る管路固定構造を示す模式的分解斜視図である。 図２は、本発明の第１実施例に係る管路固定構造によって管路を固定した状態を示す模式的断面図である。 図３は、本発明の第１実施例に係る管路固定構造によって管路を固定した状態を示す模式図である。 図４は、本発明の第２実施例に係る管路固定構造を示す模式的分解斜視図である。 図５は、本発明の第２実施例に係る管路固定構造によって管路を固定した状態を示す模式的断面図である。 図６は、本発明の第２実施例に係る管路固定構造の固定具が管路の周面に囲む状態を示す模式的斜視図である。 図７は、本発明の第３実施例に係る管路固定構造を示す模式的分解斜視図である。 図８は、本発明の第３実施例に係る管路固定構造によって管路を固定した状態を示す模式的断面図である。

図１乃至図３は、本発明の第１実施例に係る管路固定構造を示す図面である。図１に示すように、本発明の第１実施例に係る管路固定構造は、基材シート１と固定具２とを有する。基材シート１はループ面を有する。固定具２の一方の面（第１の面）には複数のフック体２０を設け、フック体２０を基材シート１のループ面に機械的に係合することができる。

本発明の第１実施例に係る管路固定構造によって床暖房システムの管路９を固定することについては、以下に詳述する。図２に示すように、先ず、床暖房システムを構築すべき所定範囲の床に基材シート１を敷設（固定）し、設置すべき管路９を基材シート１に配置する。そして、固定具２の中央領域が管路９の周面を囲むように配置されると共に、固定具２の中央領域の反対する両側に位置する２つの外側領域に設けられた複数のフック体２０を基材シート１のループ面に機械的に係合させることによって、管路９を基材シート１にしっかりと固定することができる。

図３に示すように、本発明の第１実施例に係る管路固定構造では、１又は複数の固定具２を用いて管路９を基材シート１の任意の位置に固定することができる。図３に示すのは、２つの固定具２を用いて管路９を基材シート１の任意の位置に固定するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、１つの固定具２を用いて管路９を基材シート１の任意の位置に固定してもよく、３つ以上の固定具２を用いて管路９を基材シート１の任意の位置に固定してもよい。

従来技術の管路固定構造と比べて、本発明の第１実施例に係る管路固定構造では、フック体とループ面との組合せを用いるため、床暖房システムの管路を、簡単な操作で床にしっかりと固定することができ、又床から外すことも容易となる。又、本発明の第１実施例に係る管路固定構造に使用されるフック体及びループ面は、共に製造コストが低いの利点を有する。更に、本発明の基材シートが床暖房システムを構築すべき所定範囲の床に敷設（固定）され、固定具のフック体と基材シートのループ面との機械的係合により管路を基材シートの任意位置に着脱可能に固定しているので、本発明の第１実施例に係る管路固定構造によれば、床暖房システムの管路の設置位置の変更可能性が高い。

図４乃至図６は、本発明の第２実施例に係る管路固定構造を示す図面である。

図４に示すように、本発明の第２実施例に係る管路固定構造は、ループ面を有する基材シート１と固定具３とを含む。固定具３は、その第１の面に複数のフック体３０を設けると共に、第１の面と反対側の第２の面にループ面を設ける。固定具３は、連結本体部３００と、連結本体部３００の反対する両側に位置する２つの翼部３１０とを有し、２つの翼部３１０夫々は、連結本体部３００に連結される固定端と、連結本体部３００から脱離可能に設けられる自由端とを有する（図４、６を参照する）。具体的には、固定具３の連結本体部３００と２つの翼部３１０とが一体成形されたものであり、図４、６に示すように、連結本体部３００は中央部と、中央部から外方へ延伸する２つの延伸部と、を有し、２つの翼部３１０の固定端が連結本体部３００の中央部に接続し、２つの翼部３１０夫々は、連結本体部３００の延伸部に対応する中空部を有する。言い換えると、本発明の第２実施例における固定具３はプレート状材であり、それに開口が対向する２つのＵ字型の切り取り線をつけて、当該切り取り線に沿って切った上で、連結本体部３００と２つの翼部３１０とが形成される。

図５は、本発明の第２実施例に係る管路固定構造によって管路９を固定した状態を示す模式的断面図である。連結本体部３００は複数のフック体３０によって基材シート１のループ面と機械的に係合する。又、図５に示すように、２つの翼部３１０が管路９の周面を囲むように配置すると共に、２つの翼部３１０の自由端同士は、一方の翼部３１０の自由端に設ける複数のフック体３０と他方の翼部３１０の自由端に設けるループ面３５との機械的係合により接合し、管路９が基材シート１に固定される。

従来技術の管路固定構造と比べて、本発明の第２実施例に係る管路固定構造では、上記本発明の第１実施例に係る管路固定構造と同様の利点を有する以外に、固定具が２つの翼部によって管路を下方から包囲し固定したため、より優れた固定性を有し、管路を基材シートに一層しっかりと固定することができる。

図７と８は、本発明の第３実施例に係る管路固定構造を示す図面である。

図７に示すように、本発明の第３実施例に係る管路固定構造は、基材シート１とベース４と面ファスナー５とを有する。基材シート１は、床に固定されると共に、ループ面を有する。ベース４の底面には、基材シート１のループ面と機械的に係合するフック体４０を複数設ける。ベース４は開口を有し、管路９が開口を介してベース４の弧状面４８に収納される（図８を参照する）。好適な収納効果を図るために、弧状面４８がその上に載せる管路９の周面と対応するように形成される。面ファスナー５の外面に第１の領域５１と第２の領域５２とを有し、第１の領域５１がループ面５１０を有し、第２の領域５２に複数のフック体５２０を設ける。面ファスナー５の第１の領域５１に位置する第１の端が、例えば縫合、超音波溶着、高周波溶着などの手段によってベース４の一方側４１に接続されると共に、面ファスナー５の第２の領域５２に位置する第２の端が、面ファスナー５がベース４の開口を横断した状態において、ベース４の他方側４２に形成されたスロット４２０に挿通し折り返されることによって、面ファスナー５の第２の領域５２に設けた複数のフック体５２０を第１の領域５１のループ面５１０に機械的に係合させる（図８を参照する）。

図８は、本発明の第３実施例に係る管路固定構造によって管路を固定した状態を示す模式的断面図である。ベース４のフック体４０と基材シート１のループ面とが機械的に係合する前に、又は機械的に係合した後で、管路９をベース４の弧状面４８に設置する。面ファスナー５がベース４に収納された管路９の上方を横断した状態において、面ファスナー５の第２の端をベース４のスロット４２０に挿通し折り返させて、面ファスナー５の第２の領域５２に設けた複数のフック体５２０を第１の領域５１のループ面５１０に機械的に係合させることによって、管路９をベース４と面ファスナー５との間にしっかりと固定することができる。

従来技術の管路固定構造と比べて、本発明の第３実施例に係る管路固定構造では、上記本発明の第１実施例に係る管路固定構造と同様の利点を有する以外に、ベースと面ファスナーとの機械的係合することによって両者の間で管路を固定したため、より優れた固定性を有し、管路を基材シートに一層しっかりと固定することができる。又、本発明の第３実施例に係る管路固定構造によれば、使用者が基材シート上において管路の配置位置を変更する場合、ベース及び面ファスナーと共に管路を基材シートから取り外し、基材シートの他の位置に取り付ければよい。この場合、管路をベースと面ファスナーとの間から離脱する必要がないため、ベースと面ファスナーとの係合解除に係る時間を節約することができる。したがって、本発明の第３実施例に係る管路固定構造は、管路の設置位置の変更可能性が非常に高い。

本発明の第１〜３実施例に用いるフック体としては、上記図面には一方向に湾曲するフックが示されるが、ループ面と機械的に係合する機能を果たすものであれば、二方向に湾曲するフック、又は他の形式のフックであってもよい。

以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

１ 基材シート
２、３ 固定具
４ ベース
５ 面ファスナー
９ 管路
２０、３０、４０ フック体
３５ ループ面
４１ 一方側
４２ 他方側
４８ 弧状面
５１ 第１の領域
５２ 第２の領域
３００ 連結本体部
３１０ 翼部
４２０ スロット
５１０ ループ面
５２０ フック体

Claims (9)

1. 床暖房システムの管路を固定するための管路固定構造であって、
   基材シートと少なくとも１つの固定具とを有し、
   前記基材シートが、床に固定されると共に、ループ面を有し、
   前記固定具が、その第１の面に前記基材シートの前記ループ面と機械的に係合するフック体を複数有し、
   前記基材シートに前記管路を設置した後、前記管路を囲むように前記固定具を配置し、
   前記複数のフック体と前記基材シートの前記ループ面との間の機械的係合により、前記管路が固定されることを特徴とする管路固定構造。
2. 前記固定具が中央領域と、中央領域の反対する両側に位置する２つの外側領域とを有し、
   前記中央領域が前記管路の周面の一部を囲むように配置されると共に、前記外側領域が前記フック体によって前記基材シートの前記ループ面と機械的に係合する請求項１に記載の管路固定構造。
3. 前記固定具が前記第１の面と反対側の第２の面を有し、前記第２の面にループ面を設け、
   前記固定具が、連結本体部と、前記連結本体部の反対する両側に位置する２つの翼部とを有し、前記連結本体部が前記複数のフック体によって前記基材シートの前記ループ面と機械的に係合すると共に、前記２つの翼部が前記管路の周面を囲むように配置され、
   前記２つの翼部夫々が、前記連結本体部に連結される固定端と、前記連結本体部から脱離可能に設けられる自由端とを有し、前記２つの翼部の前記自由端同士が、一方の前記翼部の前記自由端の前記第１の面にある前記複数のフック体と他方の前記翼部の前記自由端の前記第２の面にある前記ループ面との機械的係合により接合し、前記管路が固定される請求項１に記載の管路固定構造。
4. 前記連結本体部と前記２つの翼部とが一体成形されたものである請求項３に記載の管路固定構造。
5. 前記２つの翼部が夫々中空部を有し、
   前記連結本体部が中央部と２つの延伸部とを有し、前記２つの延伸部が前記中央部から前記２つの翼部の前記中空部にかけて延伸する請求項４に記載の管路固定構造。
6. 床暖房システムの管路を固定するための管路固定構造であって、
   基材シートとベースと面ファスナーとを有し、
   前記基材シートが、床に固定されると共に、ループ面を有し、
   前記ベースが開口を有し、前記管路が前記開口を介して前記ベース内に収納され、
   前記面ファスナーの外面に第１の領域と第２の領域とを有し、前記第１の領域がループ面を有し、前記第２の領域に複数のフック体を設け、
   前記面ファスナーの前記第１の領域に位置する第１の端が前記ベースの一方側に接続されると共に、前記面ファスナーの前記第２の領域に位置する第２の端が、前記面ファスナーが前記開口を横断した状態において、前記ベースの他方側に形成されたスロットに挿通し折り返されることによって、前記面ファスナーの前記第２の領域に設けた前記複数のフック体を前記第１の領域の前記ループ面に機械的に係合させることを特徴とする管路固定構造。
7. 前記ベースが、前記管路の周面に対応する弧状面を有する請求項６に記載の管路固定構造。
8. 前記フック体が、一方向に湾曲するフックである請求項１から７のいずれかに記載の管路固定構造。
9. 前記フック体が、二方向に湾曲するフックである請求項１から７のいずれかに記載の管路固定構造。