JP2017106382A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関始動時における燃焼の安定化を図って排気エミッション性能の向上を図ることができる内燃機関の可変動弁装置を提供する。【解決手段】吸気弁1,1のピークリフト位相を可変にする吸気VTC3と、排気弁2,2の作動角を可変にする排気VVL4と、を備え、吸気VTCは、第1電磁切換弁23を介してオイルポンプ20からの吐出圧が作用しない場合には、各吸気弁を最遅角側にバイアススプリング34,35によって機械的に保持する一方、排気VVLは、第2電磁切換弁45を介しオイルポンプからの吐出圧が作用しない場合には、大リフトカム31のカムプロフィールにしたがって排気弁を大作動角、大リフトLE2側に機械的に保持するようにした。【選択図】 図5

Description

本発明は、例えば自動車用内燃機関の始動時における燃焼安定性を向上させて排気エミッション性能の改善を図り得る内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来の内燃機関の可変動弁装置としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この可変動弁装置は、吸気弁の作動角を変換させる吸気作動角可変機構と、排気弁の作動角を変換させる排気作動角可変機構と、を備え、前記吸気作動角可変機構は、変換エネルギである油圧が作用しなかった場合には小作動角側に機械的に安定し、前記排気作動角可変機構も、変換エネルギである油圧が作用しなかった場合には小作動角側に機械的に安定するように構成されている。
自動車技術Vol43,No8,1989 P14〜P19
しかしながら、この従来の可変動弁装置は、例えば機関の停止時のように、変換エネルギである油圧が作用しなかった場合には、吸気弁と排気弁の両方を小作動角に機械的に安定させていることから、機関の始動初期(クランキングも含む)においても前記吸気弁と排気弁がとも小作動角に制御された状態になっている。
ここで、機関始動初期の燃焼サイクルについて考えると、ピストンの排気上死点を越えて吸気行程に移行し、ピストンが下降始めると、排気弁は早めに閉じでしまうことから、排気ポ−ト側からの高温の燃焼ガス(高温EGRガス)が筒内(燃焼室内)に逆導入されにくくなる。このため、燃焼室内が暖まりにくくなって、燃焼が不安定になると共に、ハイドロカーボン(HC)などの排気エミッションが多く発生してしまうという問題があった。
本発明は、従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、例えば自動車用内燃機関の始動時における燃焼の安定性を向上させて排気エミッションの改善を図り得る内燃機関の可変動弁装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、排気弁の作動角を可変にする排気作動角可変機構と、吸気弁のピークリフト位相を可変にする吸気位相可変機構と、を備え、
前記排気作動角可変機構は、この機構に変換駆動力が作用しない場合には、前記排気弁の作動角を大作動角側に機械的に保持して、排気弁の開時期をピストンの下死点よりも進角側すると共に、閉時期をピストン上死点よりも遅角側の所定の第1位置に保持する一方、
前記吸気位相可変機構は、この機構に変換駆動力が作用しない場合には、吸気弁のピークリフト位相が最進角位置よりも遅角側で、かつ吸気弁の閉時期を吸気下死点より遅角側であって、上死点と下死点の中間よりも下死点側に進角した所定の第2位置に機械的に保持することを特徴としている。
この発明によれば、機関の始動初期から排気弁の大作動角によって閉時期が遅角位置に機械的に保持されており(デフォルトバルブタイミング)、ピストンの排気上死点を越えて吸気行程に移行し、ピストンが下降始めても排気弁はすぐには閉じないので、ピストンの排気上死点から弁閉時期までの比較的長い期間(第1期間)に、排気ポ−ト側から排気弁を介して高温の燃焼ガス(高温EGRガス)を直接燃焼室内に多量に逆導入することができる。
一方、吸気弁はピークリフト位相が、始動初期から所定の遅角位相(開閉時期遅角位置)に保持されており(デフォルトバルブタイミング)、吸気弁の開時期から排気上死点までの期間(第2期間)は比較的短く、したがって、この期間に排気行程後半の高温燃焼ガス(高温EGRガス)が吸気弁を介して冷たい吸気ポ−ト・吸気管側に一度戻されることによって冷やされた燃焼ガス(低温EGRガス)が次吸気行程で筒内に再導入される量を少なくできる。
したがって、筒内に導入されたEGRガスのうち、前記第2期間による低温EGRガスの比率を小さく抑えつつ、前記第1期間による高温EGRガスの比率を大きくすることができることから、機関始動時の燃焼を安定化させ、HCなどのエミッションを低減する効果が得られる。
本発明によれば、機関始動時における燃焼安定性を向上させて排気エミッション性能の改善を図ることができる。
本発明の第1実施形態の内燃機関の可変動弁装置の概略図である。 本実施形態に供される吸気位相可変機構(吸気VTC)の縦断面図及び油圧回路図である。 フロントカバーと通路構成部を外した状態の吸気VTCを示し、(A)は吸気VTCにより吸気弁のピークリフト位相を最遅角側に制御された状態を示す作動説明図、(B)は吸気弁のピークリフト位相を最進角側に制御された状態を示す作動説明図である。 本実施形態に供される排気作動角可変機構(排気VVL)を示し、(A)はこの機構によって排気弁が小リフトに制御された状態を示し、(B)は排気弁が大リフトに制御された状態を示す作動説明図である。 本実施形態の吸気VTCと排気VVLによるクランク角とリフト量の関係を示す特性図である。 本実施形態に供されるコントロールユニットによる制御フローチャート図である。 第2実施形態における吸気VTCの作動説明図である。 本実施形態の吸気VTCと排気VVLによるクランク角とリフト量の関係を示す特性図である。 本実施形態に供されるコントロールユニットによる制御フローチャート図である。
以下、本発明に係る内燃機関の可変動弁装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。本実施形態では、ガソリン仕様の4サイクル多気筒内燃機関に適用したものを示している。
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態における内燃機関の可変動弁装置を示し、吸気側と排気側は、1気筒当たりそれぞれ2つの吸気弁1,1と排気弁2,2とを備えている。
前記各吸気弁1,1側には、機関状態に応じて吸気弁1,1のピークリフト位相を変化させる吸気位相可変機構である吸気VTC3が設けられている一方、前記各排気弁2,2側には、機関状態に応じて各排気弁2,2の作動角とバルブリフト量を段階的に可変制御する排気作動角可変機構である排気VVL4が設けられている。なお、前記各吸気弁1、1は、バルブリフト自体は図5に示すようにLIの高さに固定的になっている。
〔吸気VTCの構造〕
まず、吸気VTC3を図2及び図3A、Bに基づいて説明すると、これは、いわゆるベーンタイプのものであって、機関のクランクシャフトによって回転駆動されて、この回転駆動力を吸気カムシャフト5に伝達するタイミングスプロケット6と、前記吸気カムシャフト5の端部に固定されて、前記タイミングスプロケット6と一体的な後述するハウジング9内に回転自在に収容されたベーン部材7と、該ベーン部材7を油圧によって正逆回転させる油圧回路8と、を備えている。
前記吸気カムシャフト5は、外周に一気筒あたり2つの駆動カム5a、5aが設けられていると共に、シリンダヘッドSの上端部に形成されたカム軸受によって回転自在に設けられている。前記各駆動カム5a、5aは、同一のカムプロフィールに形成されて、回転によって図外のバルブスプリングと協働して前記各吸気弁1,1を開閉作動させるようになっている。
前記タイミングスプロケット6は、例えば鉄系金属によってほぼ円盤状に形成されて、外周にタイミングチェーンが噛合する歯車部6aが一体に有していると共に、前端側には、前記ベーン部材7を回転自在に収容したハウジング9と、該ハウジング9の前端開口を閉塞する円板状のフロントカバー10と、ハウジング9の後端開口を閉塞し、かつタイミングスプロケット6と一体に形成された円板状のリアカバー11が設けられている。これらハウジング9及びフロントカバー10,リアカバー11は、4本の小径ボルト12によって吸気カムシャフト5の軸方向から一体的に共締め固定されている。
前記ハウジング9は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面の周方向の約90°位置に4つの隔壁であるシュー9aが内方に向かって突設されている。
この各シュー9aは、横断面ほぼ台形状を呈し、ほぼ中央位置に前記各小径ボルト12の軸部が挿通する4つのボルト挿通孔9bが軸方向へ貫通形成されていると共に、各内端面に軸方向に沿って切欠形成された保持溝内に、コ字形のシール部材13と該シール部材13を内方へ押圧する図外の板ばねが嵌合保持されている。
前記フロントカバー10は、円盤プレート状に形成されて、中央に比較的大径な支持孔10aが穿設されていると共に、外周部に前記各シュー9aの各ボルト挿通孔9bに対応する位置に図外の4つのボルト孔が穿設されている。
前記リアカバー11は、後端側に一体に設けられた前記タイミングスプロケット6と共に、ほぼ中央に大径な軸受孔11aが軸方向に貫通形成されている。
前記ベーン部材7は、中央位置に有する円筒状のベーンロータ7aと、該ベーンロータ7aの外周面の周方向のほぼ90°位置に一体に設けられた4つのベーン7bと、を備えている。前記ベーンロータ7aは、中央内部に比較的大径な支持穴7cが形成されていると共に、該支持穴7cの底面中央位置にカムボルトを14が挿入される小径なボルト挿通孔7dが貫通形成されている。 ベーン部材7は、ベーンロータ7aの前端側に設けられた小径筒部7eが前記フロントカバー10の支持孔10aに相対回転自在に支持されている一方、後端側に設けられた小径な円筒部7fが前記リアカバー11の軸受孔11aに回転自在に支持されている。
ベーン部材7は、前記ベーンロータ7aの支持穴7c及びボルト挿通孔7dに対応した頭部と軸部が軸方向から挿通したカムボルト14によって吸気カムシャフト5の前端部に軸方向から締結固定されている。
前記各ベーン7bは、その内の3つが比較的細長い長方体形状に形成され、他の1つの幅長さが大きな台形状に形成されて、前記3つのベーン7bはそれぞれの幅長さがほぼ同一に設定されているのに対して1つのベーン7bはその幅長さが前記3つのものよりも大きく設定されて、ベーン部材7全体の重量バランスが取られている。
また、各ベーン7bは、各シュー9a間に配置されていると共に、各外面の軸方向に形成された細長い保持溝内に前記ハウジング9の内周面に摺接するコ字形のシール部材15及び該シール部材15をハウジング9の内周面方向に押圧する板ばねが夫々嵌着保持されている。また、前記幅広の一つのベーン7bは、前記タイミングスプロケット6の回転方向側の一側面基部に該ベーン7bが進角方向へ相対回転した際に、前記一つのシュー9aの対向面に当接する突起部7hが設けられている。したがって、前記ベーン部材7は、遅角側と進角側の最大相対回転角度は、図3Aに示すθaの角度範囲になっている。
また、前記各ベーン7bの前記タイミングスプロケット6の回転方向と反対側のそれぞれの一側面には、ほぼ円形状の一対の凹溝7gが軸方向に並列状態に形成されている。
また、この各ベーン7bの両側と各シュー9aの両側面との間に、それぞれ4つの遅角側油圧室16と進角側油圧室17がそれぞれ隔成されている。
前記油圧回路8は、図2に示すように、前記各遅角側油圧室16に対して作動油の油圧を給排する第1油圧通路18と、前記各進角側油圧室17に対して作動油の油圧を給排する第2油圧通路19との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路18,19には、後述するオイルポンプ20の吐出通路20aと連通する供給通路21とドレン通路22とが夫々通路切り換え用の第1電磁切換弁23を介して接続されている。前記供給通路21には、オイルパン24内の油を圧送するオイルポンプ20が設けられている一方、ドレン通路22の下流端がオイルパン24に連通している。
前記第1、第2油圧通路18,19は、円柱状の通路構成部25の内部に形成されており、この通路構成部25は、一端部が前記ベーンロータ7aの小径筒部内から前記支持穴7c内に挿通配置されている一方、他端部が前記第1電磁切換弁23に接続されている。
また、前記通路構成部25の一端部の外周面と支持穴7cの内周面との間には、各油圧通路18,19の一端側間を隔成シールする3つの環状シール部材26が嵌着固定されている。
前記第1油圧通路18は、通路構成部25の一端部内で止められ、該一端部の外周面に形成された環状室18aと、ベーンロータ7aの内部にほぼL字形状に折曲形成されて、前記環状室18aと各遅角側油圧室16と連通する第2油路18bとを備えている。
一方、前記第2油圧通路19は、前記支持穴7cの吸気カムシャフト5側の端部に形成された油室19aと、ロータ7aの内部にほぼ放射状に形成されて油室19aと各進角側油圧室17とを連通する4本の分岐路19bとを備えている。
前記第1電磁切換弁23は、4ポート3位置型であって、内部の弁体が各油圧通路18、19と供給通路21及びドレン通路22とを相対的に切り替え制御するようになっていると共に、コントロールユニット(ECU)27からの制御信号によって切り替え作動されるようになっている。
また、この第1電磁切換弁23は、例えば機関停止などで制御電流が作用しない場合に、供給通路21が遅角側油圧室16に連通する第1油圧通路18と連通し、ドレン通路22が進角側油圧室17と連通する前記第2油圧通路19に連通するようになっている。また、第1電磁切換弁23内のバルブスプリングによって機械的にこのポジションとなるように形成されている。
前述のコントロールユニット27は、吸気VTC3の第1電磁切換弁23と、排気VVL4の後述する第2電磁切換弁45とも共通のものを用いており、機関運転状態を検出すると共に、クランク角センサ及び吸気カムシャフト5の角度センサからの信号によって、前記タイミングスプロケット6と吸気カムシャフト5との相対回転位置を検出している。
また、吸気VTC3は、ハウジング9に対してベーン部材7の回転をロック及びロックを解除するロック機構を有している。このロック機構は、前記幅長さの大きな1つのベーン7bとリアカバー11との間に設けられ、前記ベーン7bの内部に吸気カムシャフト5の軸方向に沿って形成された摺動用穴28と、該摺動用穴28の内部に摺動自在に設けられた有蓋円筒状のロックピン29と、前記リアカバー11の所定位置に貫通形成された固定用孔内に固定された横断面カップ状の係合穴構成部30に設けられて、前記ロックピン29のテーパ状先端部27aが係脱するロック穴31と、前記摺動用穴28の底面側に固定されたスプリングリテーナ32に保持されて、ロックピン29をロック穴31方向へ付勢するばね部材33とから構成されている。
また、前記ロック穴31には、図外の油孔を介して前記遅角側油圧室16内の油圧あるいはオイルポンプ20の油圧が直接供給されるようになっている。
そして、前記ロックピン29は、前記ベーン部材7が最遅角側に回転した位置(デフォルト位置)で、先端部29aが前記ばね部材33のばね力によってロック穴31に係合してタイミングスプロケット6と吸気カムシャフト5との相対回転をロックする。また、前記遅角側油圧室16からロック穴31内に供給された油圧あるいはオイルポンプ20の油圧によって、ロックピン29が後退移動してロック穴31との係合が解除されるようになっている。つまり、かかるロック機構は前記デフォルト位置に保持固定する機能を有している。
また、前記各ベーン7bの一側面側の前記各凹溝7g底面と該底面に対向する各シュー9aの対向面との間には、ベーン部材7を遅角側へ回転付勢する付勢部材である一対のバイアススプリング34、35が配置されている。
各バイアススプリング34,35は、最大圧縮変形時にも互いが接触しない軸間距離をもってベーン部材7の回転軸方向に並設されていると共に、各一端部が前記各凹溝7gに嵌合する図外の薄板状のリテーナを介して連結されている。
以下、吸気VTC3の基本的な動作を説明すると、まず、機関停止時には、コントロールユニット27から第1電磁切換弁23に対する制御電流の出力が停止されることから、供給通路21と遅角側の第1油圧通路18とが連通されると共に、ドレン通路22と進角側の第2油圧通路19が連通される。また、かかる機関が停止された状態ではオイルポンプ20の油圧が作用せず供給油圧も零になる。
したがって、ベーン部材7は、図3Aに示すように、前記各バイアススプリング34,35のばね力によって最遅角側に回転付勢されて1つの幅広ベーン7bの一端面が対向する1つのシュー9aの一側面に当接する、と同時に前記ロック機構のロックピン29の先端部29aがロック穴31内に係入して、ベーン部材7をかかる最遅角位置に安定に保持する。すなわち、この吸気弁VTC3は、最遅角位置が機械的に安定するデフォルト位置になっている。このデフォルト位置は、前述したベーン部材7の最進角位置に対してベーン7bの角度でθaになっている。
次に、機関始動時、つまりイグニッションスイッチをオン操作して、スタータモータによりクランクシャフトをクランキング回転させると、第1電磁切換弁23にコントロールユニット27から制御信号が出力されるようになる。しかしながら、このクランク開始直後の時点では、まだオイルポンプ20の吐出油圧が十分に上昇していないことから、ベーン部材7は、ロック機構と各バイアススプリング34,35のばね力とによって最遅角側に保持されている。
このとき、コントロールユニット27から出力された制御信号によって第1電磁切換弁23が供給通路21(吐出通路20a)と第1油圧通路18を連通させると共に、ドレン通路22と第2油圧通路19とを連通させている。そして、クランキングが進み、オイルポンプ20から圧送された油圧の油圧上昇とともに第1油圧通路18を通って遅角側油圧室16に高い油圧が供給される一方、進角側油圧室17には、油圧が殆ど供給されずにドレン通路22から油圧がオイルパン24内に排出されて低圧状態となっている。
ここで、クランキング回転が上昇し油圧がさらに上昇した後は、第1電磁切換弁23によってベーン部材7の位置制御がされるようになる。すなわち、ポンプ油圧及び遅角側油圧室16の油圧の上昇に伴ってロック機構のロック穴31内の油圧も高まってロックピン29が後退移動し、先端部29aがロック穴31から抜け出してハウジング9に対するベーン部材7の相対回転を許容するため、ベーン部材7の自由な位置制御が可能になる。
例えば、コントロールユニット27からの制御信号によって第1電磁切換弁23が作動して、供給通路21と第2油圧通路19を連通させる一方、ドレン通路22と第1油圧通路18を連通させる。
したがって、今度は遅角側油圧室16内の油圧が第1油圧通路18を通ってドレン通路22からオイルパン24内に戻され、該遅角側油圧室16内が低圧になる一方、進角側油圧室17内に油圧が供給されて高圧となる。
よって、ベーン部材7は、かかる進角側油圧室17内の高圧化によって各バイアススプリング34,35のばね力に抗して図中時計方向へ回転して図3Bに示す位置に向かって相対回転して、タイミングスプロケット6に対する吸気カムシャフト5の相対回転位相を進角側に変換する。また、第1電磁切換弁23のポジションを中立位置にすることで、任意の相対回転位相に保持できる。
さらに、暖機終了後には、機関運転状態に応じて前記タイミングスプロケット6に対する吸気カムシャフト5の相対回転位相を最遅角(図3A)と最進角(図3B)との間を連続的に変化させるのである。
〔排気VVLの構造〕
前記排気VVL4について説明すると、この排気VVL4は、図1及び図4A,Bに示すように、排気カムシャフト6に一体的に固定されて、各気筒の中央に配置された大リフト用の卵型の大リフトカム31と、該大リフトカム31の両側に設けられた小リフト用の小リフトカム32,32と、ロッカシャフト33に揺動自在に支持されて、前記両小リフトカム32,32に対応した位置に一対のフォロワ部34a、34aが配置され、該フォロワ部34a、34aの各先端部の下端が前記両排気弁2,2のステムエンドに当接した一体的なメインロッカアーム34と、前記大リフトカム31に対応した位置にフォロア部35aが設けられて、ロストモーション可能なサブロッカアーム35と、該サブロッカアーム35内に設けられて、該サブロッカアーム35を前記大リフトカム31側に付勢するロストモーション機構36と、メインロッカアーム34に固定された支軸37に揺動自在に支持されて、前記サブロッカアーム35の下端部35bに係脱することにより該サブロッカアーム35とメインロッカアーム34とを同期連動させるか、あるいは連動を解除するレバー部材38と、該レバー部材38を係脱作動させる油圧プランジャ39及びメインロッカアーム34内に設けられて、油圧プランジャ39を進出する方向へ付勢するリターンスプリング40と、を備えている。
前記サブロッカアーム35は、メインロッカアーム34の後端部に設けられた支持軸41によって揺動自在に支持されている。
前記ロストモーション機構36は、サブロッカアーム35の下部内に形成されて、前記メインロッカアーム34の中央下部に形成された凸部34bに当接するプランジャ42と、該プランジャ42を凸部34b方向へ付勢するロストモーションスプリング43と、から構成されている。そして、前記レバー部材38がサブロッカアーム35の下端段差部35bに対する係合が解除されている場合は、前記プランジャ42とロストモーションスプリング43を介してサブロッカアーム35がロストモーションするようになっている。
前記油圧プランジャ39は、後端縁の外周にフランジ部39aが形成されて、このフランジ部39aを介して先端側周囲側に円筒状の受圧室44が形成されている。この受圧室44に前記オイルポンプ20からの油圧(変換作動力)が第2電磁切換弁45を介して給排されることによって進退移動するようになっている。
すなわち、受圧室44には、前記ロッカシャフト33の内部軸方向やメインロッカアーム34内に形成された油圧通路46a、46bなどを介して油圧が給排されるようになっており、前記第2電磁切換弁45は、図1に示すように、前記油圧通路46aに対してドレン通路47、あるいはオイルポンプ20の吐出通路20aとの導通を切り換えるようになっている。
したがって、油圧プランジャ39は、第2電磁切換弁45にオフ信号が出力(非通電)されて、受圧室44へポンプ油圧の供給がない場合は、図4Bに示すように、油圧プランジャ39が前記リターンスプリング40のばね力によって進出移動して、前記レバー部材38の先端部が前記段差部35bに係合する。
これにより、各排気弁2,2は、サブロッカアーム35の揺動によりメインロッカアーム34を介して大リフトカム31のカムプロフィールにしたがって図5のLE2に示すような大リフト(大作動角)に制御される。
一方、第2電磁切換弁45にオン信号が出力(通電)されて、受圧室44へオイルポンプ20からポンプ油圧が供給されると、油圧プランジャ39は、図4Aに示すように、後退移動して前記レバー部材38の先端部がサブロッカアーム35に内部に設けられた押圧ピン48によってコイルスプリング48aのばね力により前記段差部35bから離脱して係合が解除される。これにより、サブロッカアーム35は、ロストモーション機構36によってロストモーション状態となることから、各排気弁2,2は、メインロッカアーム34により両小リフトカム32,32の両者同じ形状のカムプロフィールにしたがって図5のLE1に示すような小リフトに制御される。
ここで、機関停止などの前記オイルポンプ20の油圧(変換駆動力)が発生しない場合を考えると、前記第2電磁切換弁45がオフ位置となって、各排気弁2,2は機械的に大リフト制御位置に安定に保持される(これをデフォルト位置と呼ぶ。)。つまり、各排気弁2,2は、大作動角、大リフトLE2がデフォルト態様となるのである。
前記コントロールユニット(ECU)27は、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、機関水温センサ、油温センサ、スロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサなどの各種のセンサに基づいて現在の機関運転状態を検出して、前記第1、第2電磁切換弁23、45に制御電流をオン−オフ的に出力するようになっている。
〔本実施形態の作用効果〕
前述したように、デフォルト態様は、各吸気弁1,1では、図5の実線で示すようにピークリフト位相が最遅角側に制御されて、クランク角でいえば2×θaだけ遅角していることになる。一方、排気弁2、2では、大リフト(LE2)、大作動角(LD2)になっている。したがって、機関停止時や、クランキング時など変換駆動力であるオイルポンプ20によるポンプ吐出圧が殆ど発生しない状態では、このデフォルト態様に機械的に安定しているのである。
このデフォルトバルブタイミングは、不安定になりがちな始動時(特に冷機始動の場合)の燃焼を安定化させ、HCなどの始動時の排気エミッションを低減させる効果を得ることができる。
しかも、機関停止時において既にこのデフォルトバルブタイミングになっているので、まさに始動燃焼初期からこの効果を得ることができるのである。
各排気弁2,2は、大作動角、大リフト(LE2)であるので、ピストンの排気上死点を越えて吸気行程に入り、ピストンが下降始めても排気弁2,2はすぐには閉じないので、排気弁2,2の閉時期(EVC2)までの比較的長い期間(第1期間、図5中(1)−2で示す期間)に、排気ポート側から排気弁2,2を介して高温の燃焼ガス(高温EGRガス)を直接燃焼室内に多量に逆導入させることができる。一方、吸気弁1,1は最遅角位相であって、吸気弁1,1の開時期(IVO1)から排気上死点(TDC)までの期間(第2期間である図5中(2)−1で示す期間)は比較的短く、したがって、該期間中に排気行程後半の高温燃焼ガス(高温EGRガス)が吸気弁1,1を介して冷たい吸気ポ−ト・吸気管側に一度戻されることによって冷やされた燃焼ガス(低温EGRガス)が次の吸気行程で筒内に再導入される量は少なくできる。
このように、燃焼室内に導入されるEGRガスのうち、前記第2期間による低温EGRガスの比率を小さく抑えつつ、前記第1期間による高温EGRガスの比率を大きくすることができる。
さらに、各排気弁2,2は、大作動角なので、該排気弁2,2の開時期が比較的早くなり(EVO2)、燃焼ガスの温度が十分には下がっていないうちに排気系に排出させることができるので、下流側の触媒を有効に暖めることができ、触媒の活性(転化率向上)が促進されて、その面からも排気エミッションを低減できる。
また、各吸気弁1,1は、図5の実線で示すように、最遅角位置であるが、閉時期(IVC1)は吸気下死点(BDC)の中間位置(C点)よりは、吸気下死点側に進角しており、有効圧縮比を可及的に高めることができ、これも燃焼安定化に貢献する。
これらの高温EGRガスの比率を大きくできる効果と、有効圧縮比を高められる効果により、始動燃焼を安定化させると共に、また前述の触媒の活性促進効果も加わりHCなどの排気エミッションを一層低減する効果が得られる。
さらに、クランキング及び始動のまさに初期から、前述のようなバルブタイミングとなっているので、前述の効果がまさに始動燃焼初期から確実に得られるのである。
図6は前記コントロールユニット27による制御フロ−チャートを示し、機関停止移行も含めたフロ−になっている。
まず、ステップ1では、機関停止条件(キーオフ)か否かを判別し、機関停止条件であると判別すると、ステップ2において機関停止(燃料カット)信号が出力され、機関回転(Ne)は低下していく。
それに伴い、オイルポンプ20の吐出油圧が低下していき、吸気VTC3と排気VVL4の第1、第2電磁切換弁20,47の制御位置に関わらず、変換油圧(変換駆動力)が作用しなくなるので、ステップ3において、前記デフォルト位置(吸気弁1,1が最遅角IVC1,排気弁2,2が大作動角、大リフトLE2)に移行し、そこで機械的に安定する。その後、ステップ4で機関が停止される。
その後、ステップ5では、再び機関始動条件(キーオン)になったか否かを判別し、機関始動条件と判別した場合は、この機関状態でも、前記デフォルト位置に機械的に安定しているが、ステップ6において、さらに念のため第1,第2電磁切換弁23、45には同デフォルト位置に対応する位置に制御する制御信号を出力しても良い。これは、次行程のクランキング時に不意にポンプ油圧が変動したり、クランキングによる回転変動があった場合にも僅かなポンプ油圧ながらデフォルト位置により安定化させる効果があるためである(なお、この行程は省略することも可能である。)。
その後、ステップ7で、クランキング信号を出力してクランキングが開始されと、ステップ8で所定のクランキング回転に達したか否かを判別し、完爆できるクランキング回転数まで達したと判別すると、ステップ9において始動燃焼のための燃料噴射・点火(完爆制御)が行われる。
この始動燃焼のまさしく初期から、前述のデフォルトバルブタイミングに安定しているので、確実に始動燃焼を安定化できると共に、排気エミッションも低下できるのである。
その後、ステップ10では、タイマーによって始動後に所定時間が経過したか否かを判別し、所定時間が経過したと判別した場合は回転変動も安定化したとして、ステップ11で機関温度TがT0以下か否か判別する。ここで所定温度T0を越えていないことを判別するとリターンするが、もし越えていれば、ステップ12に移行する。
このステップ12では、排気VVL4に排気弁2,2のバルブリフト量を小リフト(LE1)まで低下させる信号を出力する。なぜなら、所定温度T0を越えると充分暖機が進んでいると考えられ、この状態ではノッキングやプレイグニッションといった高温に起因する異常燃焼が逆に発生する可能性が出てくるからである。前記デフォルトバルブタイミングでは、高温EGRガスを筒内に多量に導入するので、冷機燃焼は改善するものの、機関温度が上昇すると、この高温EGRガスによって、前述した異常燃焼が発生し易くなるのである。
そこで、排気弁2,2のバルブリフト量を減少させると、排気上死点(TDC)から排気弁閉時期(EVC1)までの第1期間が減少し(図5中(1)−1で示す期間)、排気ポ−ト側から排気弁2,2を介して高温の燃焼ガス(高温EGRガス)が直接燃焼室内に逆流する量が減少する。これにより、燃焼室内の過度な加熱を抑制し、ノッキングやプレイグニッションといった異常燃焼を回避するのである。
さらに、ステップ13では、アクセル開度αが所定の開度αOに達したか否かを判別し、所定開度αOに達しない場合は戻るが、達したと判別した場合は、ステップ14において、吸気VTC3によって各吸気弁1,1を進角方向に変換する信号を出力する。
これは、ピークリフト位相が最遅角のままであると、吸気弁1,1の閉時期IVC1が下死点よりもかなり遅角しているので、充分には吸気充填効率を確保することができず、トルク・出力が抑制されてしまい、大アクセル開度で求められるトルク・出力が得られないからである。
そこで、各吸気弁1,1の閉時期をIVC2に向けて進角させ、高負荷域での吸気充填効率を高めてトルク・出力を増大させるのである。
このように、トルク・出力が増加すると、熱負荷も増加し、やはりノッキングやプレイグニッションといった異常燃焼が発生しやすくなる。ところが、この吸気弁1,1のピークリフト位相を進角させた場合は、開時期IVOが進むことになる(IVO1→IVO2)。つまり、開時期IVO2から排気上死点(TDC)までの第2期間が拡大するので、燃焼室内に再吸入される低温EGRの比率の方が相対的に増加することから、それによって異常燃焼が抑制できる効果も出てきて、もって高回転域のトルク・出力を確保しつつノッキングやプレイグニッションも抑制できるのである。
なお、前述のデフォルトバルブタイミングによる始動時における燃焼安定化や排気エミッションの低減効果は、各電磁切換弁23,45に断線などの電気的故障が発生した場合でも有効なメカニカルフェールセーフ機能を有している。なぜなら、断線により各電磁切換弁23,45にオフ信号(非通電)が常時出力されてオフ位置固定となってしまった場合、あるいは電子制御系異常などによりオン信号が誤出力されてオン位置になってしまった場合でも、変換駆動力であるポンプ油圧が殆ど供給されない始動時においては、前述のデフォルトバルブタイミングに機械的(メカニカル)に安定しているので、始動時の燃焼を安定化でき排気エミッションも低減できるのである。
〔第2実施形態〕
図7は本発明の第2実施形態を示し、第1実施形態の吸気VTC3の仕様を異ならせたものであり、排気VVL4の構造は同じであるから、具体的な説明は省略する。
すなわち、吸気VTC3は、前記ベーン部材7を遅角側へ相対回転させる前記各バイアススプリング34,35の他に、該バイアススプリング34,35のばね力と反対方向(進角方向)へばね力を付与する例えば図外のトーションスプリングとの相対ばね力によって、最遅角位置と最進角位置の間の中間位置にデフォルト安定するようになっている。つまり、ベーン部材7は、図7に示す状態では相対回転位置が最大遅角位置になっているが、機関停止などにおいてオイルポンプ20からのポンプ吐出圧が作用しないデフォルト位置では、バイアススプリング34,35のばね力と、新たに加えられた前記トーションスプリングのばね力との相対力によって前記中間位置に保持されるようになっている。また、この中間位置では、前記ロック機構のロックピン29がロック穴31に係合するように、それぞれの形成位置が設定されている。
また、前記ロック機構が設けられた一つのベーン7bの進角方向の一側面側に設けられていた前記突起部7hの大部分を切り取って小さく形成した。
したがって、ベーン部材7の最大相対回転角度は、図3に示す第1実施形態の相対回転角度θaからθa+θbへと拡大している(カム角、ベーン角)。ここで、ベーン部材7の相対回転角度θaでの吸気弁1,1のピークリフト位相は、第1実施形態と同じに設定されている。つまり、吸気弁1,1の開閉時期は、図8に示すように、第1実施形態の場合と同じくIVO2、IVC2に設定されている。
また、ベーン部材7の最遅角側の相対回転位置における吸気弁1,1の開閉時期IVO3、IVC3は、図8に示すように、第1実施形態でのIVO1、IVC1に対して、さらに2×θbだけクランク角で遅角側に設定される。
ここで、デフォルト位置は、第1実施形態のIVO2,IVC2とほぼ同一に設定されている。すなわち、第1実施形態と同様にベーン部材7を遅角方向へ付勢する前記バイアススプリング34,35に加え、前述したように進角方向へ付勢するトーションスプリングが設けられ、両スプリングのつり合い位置が、ベーン部材7の最進角位置に対して第1実施形態と同じθa(カム角)とほぼ一致するように設定されているのである。
そして、機関回転が極低回転ないし零回転まで低下すると、オイルポンプ20のポンプ吐出圧が低下して、ベーン部材7はロック機構によってタイミングスプロケット6に対して中間位置でロックされるようになる。このとき、吸気弁1,1のバルブタイミングは、前述のように第1実施形態のIVO2,IVC2とほぼ同一である。
これによる効果としては、プレイグニッションが発生しやすい高機関温度始動時において、吸気弁1,1の閉時期が下死点から充分離れたIVC3に制御されることによって、有効圧縮比が充分に低下し、もって始動時のプレイグニッションを抑制できるのである。
図8にも示すように、このIVC3は、上死点(TDC)と下死点(BDC)との中間点であるC点より上死点側に遅角しており、これにより、有効圧縮比を十分に下げ、もって始動時プレイグニッションを確実に防止できるのである。
次に、図9に基づいて前記コントロールユニット22による制御フローチャートについて説明する。
まず、ステップ21では、機関停止条件(キーオフ)か否かを判別し、機関停止条件であると判別すると、ステップ22において機関停止(燃料カット)信号が出力され、機関回転(Ne)は低下していく。
それに伴い、オイルポンプ20の吐出油圧が低下していき、吸気VTC3と排気VVL4の第1、第2電磁切換弁20,47の制御位置に関わらず、変換油圧(変換駆動力)が作用しなくなるので、ステップ23において、前記デフォルト位置(吸気弁1,1が中間角IVC1,排気弁2,2が大作動角、大リフトLE2)に移行し、そこで機械的に安定する。その後、ステップ24で機関が停止される。
その後、ステップ25では、再び機関始動条件(キーオン)になったか否かを判別し、機関始動条件と判別した場合は、この機関状態でも、前記デフォルト位置に機械的に安定している。
ステップ26では、現在の機関温度が所定の高温TH以上になっているか否かを判別し、つまり、例えば、アイドリングストップなどで機関温度がTH以上である場合には、始動プレイグニッションが発生する可能性あることから、ステップ27においてクランキング開始信号を出力した後に、ステップ28に移行する。
このステップ28では、吸気弁1,1の閉時期過遅角(最遅角)のIVC3に変換する信号を出力すると共に、排気VVL4で排気弁2,2の大作動角、大リフトLE2(デフォルト位置)への変換信号を出力する。
その後、ステップ29において所定のクランキング回転に達したか否かを判別し、達していない場合はステップ28に戻るが、達していると判別した場合は、ステップ30に移行して燃料噴射や点火といった始動の燃焼制御を行う。ここで、IVC3が過遅角なので、有効圧縮比が充分に低減し、もって高温始動時に懸念される始動プレイグニッションを抑制できるのである。
ステップ31では、始動後所定期間を経過したか否かを判別し、所定期間を経過しない場合はステップ31に戻るが、経過したと判別した場合は、ステップ32に移行する。
このステップ32では、吸気VTC3によって吸気弁1,1の閉時期をIVC1に変換すると共に、排気VVLによって排気弁2,2のバルブリフトを小リフトLE1に戻す制御を行う。つまり、ステップS31において前記所定期間を経過すると、不安定な始動燃焼領域が過ぎて燃焼が安定したと判断され、プレイグニッションが発生しにくいと考えられるから、デフォルト相当の前記IVC1に変換して有効圧縮比をやや高めて吸気充填効率を高める。また、排気弁2,2のバルブリフトを小リフトLE1に戻して高温EGRの比率を減少させて、高充填効率でのノッキングの発生を抑制するのである。
その後、ステップ33でアクセル開度は所定開度(α0)に達したか否かを判別し、所定開度に達しない場合は戻るが、達したと判別した場合は、第1実施形態と同様にしてステップ34に移行して、ここで吸気VTC3によって吸気弁1,1のさらなる進角変換信号を出力する。つまり、アクセル開度(機関負荷要求)に応じて吸気VTC3によって吸気弁1,1の進角制御を行うのである。
なお、前記ステップ26において、機関温度が未だTH以上になっていないと判別した場合には、ステップ35に移行する、ここでは、吸気VTC3によって吸気弁1,1の閉時期が中間位相の遅角IVC1になるように、また、排気VVL4によって排気弁2,2のバルブリフト量が大作動角、大リフトLE2になるように信号を出力する。その後、ステップ36において、クランキングを開始する信号を出力する。
その後は、図6に示す第1実施形態におけるステップ8以降と同じ制御を行うので、具体的説明は省略する。
本発明は、前記第1、第2実施形態の構成や構造に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲で、種々の構成、構造にも適用可能である。
例えば、排気作動角可変機構や吸気位相可変機構は、2段可変などのステップ変換であっても良いし、連続変換であっても良い。
また、変換駆動力は油圧以外の電動や空気圧などであっても良い。また、機械的な安定位置であるデフォルト位置への保持は、スプリングに限らず油圧や電動であっても良い。
なお、前述した吸排気弁の開閉時期とは、まさしくリフト作動開始時期やリフト作動終了時期としても良いが、僅かなランプリフトとなった瞬間の時期を開閉時期としても良い。後者の場合は、実質的なガス交換開始時期やガス交換終了時期とほぼ対応しているので、本発明の効果を充分に得ることができる。
以上説明した実施形態に基づく内燃機関の可変動弁装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
内燃機関の可変動弁装置は、排気弁の作動角を可変にする排気作動角可変機構と、吸気弁のピークリフト位相を可変にする吸気位相可変機構と、を備え、前記排気作動角可変機構は、この機構に変換駆動力が作用しない場合には、前記排気弁の作動角を大作動角側に機械的に保持して、排気弁の開時期を排気下死点よりも進角側に制御すると共に、閉時期を上死点よりも遅角側の所定の第1位置に保持する一方、前記吸気位相可変機構は、この機構に変換駆動力が作用しない場合には、吸気弁のピークリフト位相が最進角位置よりも遅角側で、かつ吸気弁の閉時期を吸気上死点と下死点の中間よりも下死点側に進角した所定の第2位置に機械的に保持するようになっている。
可変動弁装置の好ましい態様において、前記吸気位相可変機構による前記吸気弁の第2位置は、該吸気位相可変機構のピークリフト位相可変範囲における最遅角位置である。
別の好ましい態様では、前記吸気位相可変機構の前記吸気弁の第2位置は、ピークリフト位相可変範囲における最進角位置と最遅角位置の間に位置している。
さらに別の好ましい態様では、機関始動開始時における機関温度が所定温度を越えていた場合には、前記吸気位相可変機構によって吸気弁を第2位置よりも遅角側に制御するようになっている。
1…吸気弁
2…排気弁
3…吸気VTC(吸気位相可変機構)
4…排気VVL(排気作動角可変機構)
5…吸気カムシャフト
6…排気カムシャフト
7…ベーン部材
7a…ベーンロータ
7b…ベーン
8…油圧回路
9…ハウジング
20…オイルポンプ
23…第1電磁切換弁
27…コントロールユニット
31…大リフトカム
32…小リフトカム
45…第2電磁切換弁

Claims (4)

  1. 排気弁の作動角を可変にする排気作動角可変機構と、
    吸気弁のピークリフト位相を可変にする吸気位相可変機構と、
    を備え、
    前記排気作動角可変機構は、この機構に変換駆動力が作用しない場合には、前記排気弁の作動角を大作動角側に機械的に保持して、排気弁の開時期を排気下死点よりも進角側に制御すると共に、閉時期を上死点よりも遅角側の所定の第1位置に保持する一方、
    前記吸気位相可変機構は、この機構に変換駆動力が作用しない場合には、吸気弁のピークリフト位相が最進角位置よりも遅角側で、かつ吸気弁の閉時期を吸気下死点より遅角側であって、上死点と下死点の中間よりも下死点側に進角した所定の第2位置に機械的に保持することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記吸気位相可変機構による前記吸気弁の第2位置は、該吸気位相可変機構のピークリフト位相可変範囲における最遅角位置であることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記吸気位相可変機構の前記吸気弁の第2位置は、ピークリフト位相可変範囲における最進角位置と最遅角位置の間に位置することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    機関始動開始時における機関温度が所定温度を越えていた場合には、前記吸気位相可変機構によって吸気弁を第2位置よりも遅角側に制御することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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