JP2017105940A - 粘着剤、及び粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な強靭性、凹凸追従性及び剥離性を有する新規な粘着剤、及びこれを用いた粘着シートであって、中間層を必要としない粘着シートを提供すること。【解決手段】式(I):で表され、X、R1及びR2がそれぞれ独立に2価の有機基で、R3及びR4がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーをモノマー単位として含む第一の重合体と、直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する、粘着剤が開示される。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤、及び粘着シートに関する。
近年、各種電子機器の小型化への要求から、半導体ウエハの薄型化が進んでいる。ウエハの薄型化は、回路形成した後に裏面を研磨することにより行われる。このとき、回路を保護するために、回路面にバックグラインドシートと呼ばれる粘着シートが貼付される。
ウエハの裏面研磨時には、発生した熱を冷却する目的で切削水が用いられる。また、ウエハは薄いほど脆くなり、取り扱いが難しくなる。さらに、近年の回路の複雑化により、ウエハ端部に回路形成されることがある。このため、バックグラインドシートには、切削水が浸入しない適度な密着性、ウエハの割れを防止する強靭性、そして回路形状の凹凸への追従性が求められる。
一方、バックグラインドシートはウエハの裏面研磨後に剥離される必要があることから、剥離後にバックグラインドシートの残渣のない、良好な剥離性も同時に求められる。
特許文献1には、加熱処理に強い粘着シートが開示されている。また、特許文献2には、基材と粘着剤の間に柔軟性を付与した中間層を用いた粘着シートが開示されている。さらに、特許文献3には、ポリロタキサンを導入することで、密着性と剥離性を両立させた粘着シートが開示されている。
特開2012−21164号公報 特許第4054113号公報 国際公開第2013/084952号
しかしながら、特許文献1に開示されている粘着シートには、さらなる剥離性の向上が求められている。また、特許文献2に開示されている粘着シートは中間層を含む複層構造であるため、粘着シートの製造工程が煩雑になり、コストが増加するという課題がある。さらに、特許文献3に開示されている粘着シートには、さらなる凹凸追従性の向上が求められている。
本発明の目的は、良好な強靭性、凹凸追従性及び剥離性を有する新規な粘着剤、及びこれを用いた粘着シートであって、中間層を必要としない粘着シートを提供することである。
本発明の一側面は、式(I):
Figure 2017105940

で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、を含有する、粘着剤に関する。
本発明の別の側面は、支持体と、該支持体上に設けられた上記粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、粘着シートに関する。
本発明の更に別の側面は、第一の重合体、及び直鎖状又は分岐状の第二の重合体を含有する粘着剤を製造する方法に関する。この方法は、式(I)のラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、前記第二の重合体とを含む樹脂組成物中で、反応性モノマーの重合により前記第一の重合体を生成させる工程を備える。
本発明の一側面によれば、良好な強靭性、凹凸追従性及び剥離性を有する粘着剤、及びこれを用いた粘着シートであって、中間層を必要としない粘着シートが提供される。この粘着シートは、半導体加工用粘着シートとして用いることができる。
粘着シートの一実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
一実施形態に係る粘着剤は、(A)成分:第一の重合体と、(B)成分:第二の重合体と、を含有する。以下に、各成分について詳述する。
(A)成分:第一の重合体
式(I):
Figure 2017105940

で表されるラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む、反応性モノマーが活性エネルギー線の照射又は加熱により重合することで、反応性モノマーに由来するモノマー単位から構成される第一の重合体が生成する。式(I)中、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。これにより、樹脂組成物が硬化して、粘着剤(硬化体)が得られる。ここで、活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。第一の重合体は、通常、第二の重合体と共有結合によって結合することなく、第二の重合体とは別の重合体として粘着剤中に形成される。
第一の重合体は、式(I)の化合物に由来する、下記式(II)で表される環状のモノマー単位を含み得る。ただし、第一の重合体は、必ずしも式(II)のモノマー単位を含んでいなくてもよい。
Figure 2017105940
式(I)及び(II)中のXは、例えば、下記式(10):
Figure 2017105940

で表される基であってもよい。式(10)中、Yは置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZはそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjはそれぞれ独立に0〜2の整数である。*は結合手を表す(これは他の式でも同様である)。Xが式(10)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。環状基Yに対するZ及びZの配置が、シス位であってもよいし、トランス位であってもよい。Z及びZは、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)、又は−ONH−で表される基であってもよい。
Yは、炭素数2〜10の環状基であってもよいし、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。この環状基Yは、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。環状エーテル基は、単糖又は多糖が有する環状基であってもよい。Yの具体例としては、特に限定されないが、下記式(11)、(12)、(13)、(14)又は(15)で表される環状基が挙げられる。Yは、式(11)の基(特に、1,2−シクロヘキサンジイル基)であってもよい。
Figure 2017105940
式(I)及び(II)中のR及びRは、互いに同一でも異なっていてもよく、下記式(20)で表される基であってもよい。
Figure 2017105940
式(20)中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基(アルキレン基等)であり、式(I)又は(II)中の窒素原子に結合する。Zは−O−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。R及びRが式(20)の基であると、式(II)の環状のモノマー単位が特に形成され易いと考えられる。Rの炭素数は、2以上であってもよいし、6以下、又は4以下であってもよい。
式(I)のラジカル重合性化合物の一つの具体例は、下記式(Ia)で表される化合物である。ここでのY、Z、Z、i及びjは式(10)と同様に定義される。
Figure 2017105940
式(Ia)の化合物としては、例えば、下記式(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(I−7)、又は(I−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017105940
Figure 2017105940
Figure 2017105940
以上例示した化合物を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物における式(I)のラジカル重合性化合物の割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、0.01モル%以上、0.1モル%以上、又は0.5モル%以上であってもよく、10モル%以下、5モル%以下、又は1モル%以下であってもよい。式(I)のラジカル重合性化合物の割合がこれら範囲内にあると、伸び、強度などの機械特性に優れた粘着剤(硬化体)が得られるという点で更に有利な効果が得られる。
式(I)の化合物は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって合成することができる。例えば、環状ジオール化合物又は環状ジアミン化合物と、(メタ)アクリロイル基及びイソシアネート基を有する化合物との反応により、式(I)の化合物を合成することができる。
樹脂組成物中の反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーとして、アルキル(メタ)アクリレート、及び/又はアクリロニトリルを含んでいてもよい。
アルキル(メタ)アクリレートは、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸と置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキルアルコールとのエステル)であってもよい。炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが有し得る置換基は、酸素原子及び/又は窒素原子を含んでいてもよい。
反応性モノマーが炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいることにより、粘着剤の弾性率及びガラス転移温度(Tg)を制御できるという効果が得られる。
樹脂組成物における、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、10モル%以上、15モル%以上、又は20モル%以上であってもよく、95モル%以下、90モル%以下、又は85モル%以下であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、伸び、強度などの機械特性に優れた粘着剤が得られるという点で更に有利な効果が得られる。
少ない炭素数のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを用いることで、硬化後の粘着剤が剥離性を有する傾向がある。係る観点から、反応性モノマーが、単官能ラジカル重合性モノマーとして、置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。樹脂組成物における、置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル(メタ)アクリレートの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、8モル%以上、10モル%以上、又は15モル%以上であってもよく、55モル%以下、45モル%以下、又は25モル%以下であってもよい。置換基を有していてもよい炭素数10以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合がこれら範囲内にあると、剥離性及び凹凸追従性を有する粘着剤が形成され易いという点で更に有利な効果が得られる。同様の観点から、反応性モノマーは、置換基を有していてもよい炭素数8以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでいてもよく、その割合は上記数値範囲であってもよい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの例としては、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート(MEA)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性モノマーがアクリロニトリルを含んでいることにより、剥離性を有する粘着剤が形成され易い傾向がある。アクリロニトリルと、炭素数1〜16(又は1〜10)のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとの組み合わせは、高い剥離性を有する粘着剤を得るために特に有利である。樹脂組成物における、アクリロニトリルの割合は、反応性モノマーの全体量を基準として、40モル%以上、50モル%以上、又は70モル%以上であってもよく、90モル%以下、85モル%以下、又は80モル%以下であってもよい。アクリロニトリルの割合がこれら範囲内にあると、剥離性及び凹凸追従性について更に有利な効果が得られる。
反応性モノマーは、単官能ラジカル重合性モノマーとして、ビニルエーテル、スチレン及びスチレン誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含んでいてもよい。ビニルエーテルの例としては、ビニルブチルエーテル、ビニルオクチルエーテル、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルドデシルエーテル、ビニルクタデシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、及びビニルクレシルエーテルが挙げられる。スチレン誘導体の例としては、アルキルスチレン、アルコキシスチレン(α−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等)、及びm−クロロスチレンが挙げられる。
反応性モノマーは、その他の単官能ラジカル重合性モノマー及び/又は多官能ラジカル重合性モノマーを含んでいてもよい。その他の単官能ラジカル重合性モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルフェノール、N−ビニルカルバゾール、2−ビニル−5−エチルピリジン、酢酸イソプロペニル、ビニルイソシアネート、ビニルイソブチルスルフィド、2−クロロ−3−ヒドロキシプロペン、ビニルステアレート、p−ビニルベンジルエチルカルビノール、ビニルフェニルスルフィド、アリルアクリレート、α−クロロエチルアクリレート、酢酸アリル、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルメタクリレート、N、N−ジエチルビニルカルバメート、ビニルイソプロペニルケトン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルホルメート、p−ビニルベンジルメチルカルビノール、ビニルエチルスルフィド、ビニルフェロセン、ビニルジクロロアセテート、N−ビニルスクシンイミド、アリルアルコール、ノルボルナジエン、ジアリルメラミン、ビニルクロロアセテート、N−ビニルピロリドン、ビニルメチルスルフィド、N−ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルスルホキシド、N−ビニル−N’−エチル尿素、及びアセナフタレンが挙げられる。
以上例示した各種の反応性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物は、粘着付与剤の少なくとも1種を含んでもよい。粘着付与剤における粘着成分としては、例えば、アクリル共重合体、ジエンモノマーのゴム状重合体又は共重合体、シリコーンゴム、及び天然ゴムを用いることができる。粘着付与剤のガラス転移温度について特に制限はないが、例えば、−80℃以上であってもよく、−20℃以下であってもよい。
アクリル共重合体としては、アクリル酸アルキルエステルモノマー又はメタクリル酸アルキルエステルモノマーと官能基付与モノマーを共重合させた共重合体などが挙げられる。
アクリル酸アルキルエステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、及びオクチルメタクリレート等の、アルキルエステル部位の炭素数が1〜8のものなどが挙げられる。上記アクリル酸アルキルエステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモノマーとともに、それらと共重合可能なビニル系モノマー、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、又はメタクリロニトリルを適当量共重合させた共重合体を用いることもできる。
官能基付与モノマーとしては、後述の架橋剤と反応性を有するものであれば特に制限されないが、具体的には、以下のものが挙げられる。
(1)水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。
(2)カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、及びイタコン酸が挙げられる。
(3)アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、及びN−メチロールメタクリルアミドが挙げられる。
(4)アミノ基含有モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のジアルキルアミノアルキルエステルが挙げられる。
(5)オキシラン基含有モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレートが挙げられる。
官能基付与モノマーの割合は、全モノマーに対して3質量%以上であってもよく、25質量%以下であってもよい。官能基付与モノマーが3質量%以上であると、架橋後の粘着剤の凝集力が十分に保持され、剥離性も低下しない傾向がある。官能基付与モノマーが25質量%以下であると、架橋後の粘着剤が適度の硬さを有し、十分な粘着性が得られる傾向がある。
アクリル共重合体の重量平均分子量は、100000以上であってもよく、1000000以下であってもよい。重量平均分子量が100000以上であると、低分子量のアクリル共重合体が少なく剥離性が低下しない傾向がある。重量平均分子量が1000000以下であると、粘着剤を溶剤に溶かしたときに得られる溶液の粘度が良好で、支持体への塗工後に平滑な外観を有する粘着剤層が得られ易い傾向がある。
ジエンモノマーのゴム状重合体又は共重合体としては、例えば、イソブチレン重合体(ポリイソブチレン)、ブタジエン共重合体、イソブチレンとノルマルブチレンのランダム共重合体、イソブチレンとイソプレンとの共重合体(ブチルゴム)、レギュラーブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、及び部分架橋ブチルゴムが挙げられる。これらジエンモノマーのゴム状重合体又は共重合体を、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の官能基で変性したものを用いることもでき、上記官能基付与モノマーを共重合させることで変性することができる。
樹脂組成物における、粘着付与剤の割合は、樹脂組成物の全体量を基準として、1質量%以上、3質量%以上、又は5質量%以上であってもよく、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってもよい。粘着付与剤の割合がこれら範囲内にあると、粘着性及び剥離性について更に有利な効果が得られる。
粘着付与剤は、架橋剤の少なくとも1種を含んでもよい。架橋剤としては、例えば、多官能イソシアネート化合物、メラミン樹脂、及びエポキシ樹脂が挙げられる。
多官能イソシアネート化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が用いられ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びキシレンジイソシアネートが挙げられる。上記多官能イソシアネート化合物の二量体、三量体を用いることもでき、例えば、ジヘキサメチレンジイソシアネート付加縮合体、及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート付加縮合体が挙げられる。さらに、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多官能アルコール化合物と上記多官能イソシアネート化合物との付加体を用いることもできる。
エポキシ樹脂としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アクリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、付加モル数が5以下のポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、及びソルビトールテトラグリシジルエーテルが挙げられる。また、エピビス型エポキシ樹脂、その他の型のエポキシ樹脂など、市販のエポキシ樹脂も用いることができる。
架橋剤の使用量は、粘着付与剤における粘着成分中の官能基数に対して、架橋剤の官能基数が当量で20%〜100%となる範囲内であってもよい。架橋剤の使用量が上記範囲内であると、粘着剤中で架橋している部分が適量であるために粘着剤の凝集力が十分に保持され、剥離性も低下しない傾向があり、かつ粘着剤を剥離した後に、粘着剤中の未反応成分が残渣としてウエハ上に残りにくい。
(B)成分:直鎖状又は分岐状の重合体(第二の重合体)
第二の重合体は、2以上の線状鎖と、それらの末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であってもよい。この重合体は、例えば下記式(B)で表される分子鎖を含む。式(B)中、R20は線状鎖を構成するモノマー単位であり、n、n及びnはそれぞれ独立に1以上の整数であり、Lは連結基である。同一分子中の複数のR20及びLは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Figure 2017105940
モノマー単位R20から構成される線状鎖は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせから誘導される分子鎖であってもよい。それぞれの線状鎖は、ポリマーであってもよいし、オリゴマーであってもよい。
ポリエーテルから誘導される線状鎖の例としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシブチレン鎖及びこれらの組み合わせのようなポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。ポリアルキレングリコールのようなポリエーテルからポリオキシエチレン鎖が誘導される。ポリオレフィンから誘導される線状鎖の例としては、ポリエチレン鎖、ポリプロピレン鎖、ポリイソブチレン鎖及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリエステルから誘導される線状鎖としては、ポリεカプロラクトン鎖が挙げられる。ポリオルガノシロキサンから誘導される線状鎖としては、ポリジメチルシロキサン鎖が挙げられる。重合体は、これらを単独で、又はこれらから選ばれる2種以上の組み合わせを含むことができる。
第二の重合体を構成する線状の分子鎖のそれぞれの数平均分子量は、特に制限されないが、例えば1000以上、3000以上、又は5000以上であってもよく、80000以下、50000以下、又は20000以下であってもよい。本明細書において、数平均分子量は、特に別に定義されない限り、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる、標準ポリスチレン換算値を意味する。
連結基Lは、環状基を含む有機基、又は分岐状の有機基である。連結基Lは、例えば、下記式(30)で表される2価の基であってもよい。
Figure 2017105940
30は、環状基、2以上の環状基を含みそれらが直接若しくはアルキレン基を介して結合している基、又は、炭素原子を含み、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい分岐状の有機基を示す。Z及びZは、R30と線状鎖とを結合する2価の基であり、例えば、−NHC(=O)−、−NHC(=O)O−、−O−、−OC(=O)−、−S−、−SC(=O)−、−OC(=S)−、又は−NR10−(R10は水素原子又はアルキル基)で表される基である。本明細書において、線状鎖の末端の原子(線状鎖を構成するモノマーに由来する原子)は、通常、Z又はZを構成する原子とは解釈しない。線状鎖の末端の原子が、モノマーに由来する原子であるか否かが明確でない場合、その原子は、線状鎖、又は連結基のうちいずれに含まれると解釈してもよい。
連結基Lが含む環状基は、窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい。連結基Lが含む環状基は、例えば、脂環基、環状エーテル基、環状アミン基、環状チオエーテル基、環状エステル基、環状アミド基、環状チオエステル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせであり得る。連結基Lが含む環状基の具体例としては、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、1,3−ベンゼンジイル基、1,2−ベンゼンジイル基、及び3,4−フランジイル基が挙げられる。
連結基Lが含む分岐状の有機基(例えば式(30)中のR30)の例としては、リジントリイル基、メチルシラントリイル基、及び1,3,5−シクロヘキサントリイル基が挙げられる。
式(30)で表される連結基Lは、下記式(31)で表される基であってもよい。式(31)中のR31は、単結合、又はアルキレン基を示す。R31は炭素数1〜3のアルキレン基であってもよい。Z及びZの定義は式(30)と同様である。
Figure 2017105940
第二の重合体の重量平均分子量は、特に制限されないが、例えば5000以上、7000以上、又は9000以上であってもよく、100000以下、80000以下、又は60000以下であってもよい。本明細書において、重量平均分子量は、特に別に定義されない限り、ゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる、標準ポリスチレン換算値を意味する。重合体の重量平均分子量がこれらの数値範囲内にあることで、重合体の他の成分との良好な相溶性、及び粘着剤の良好な諸特性が得られ易い傾向がある。
第二の重合体は、当業者には理解されるように、通常入手可能な原料を出発物質として用いて、通常の合成方法によって得ることができる。例えば、反応性の末端基(水酸基等)を有するポリアルキレングリコール、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含む混合物と、反応性の官能基(イソシアネート基等)及び環状基若しくは分岐状の基を有する化合物との反応により、重合体を合成することができる。合成される重合体は、イソシアネート基の三量化等の副反応に基づく分岐構造を含んでいてもよい。
式(I)のラジカル重合性化合物を含む反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位が形成されると考えられる。第一の重合体の存在下で反応性モノマーが重合すると、式(II)の環状のモノマー単位の少なくとも一部において、環状部分を第二の重合体が貫通している構造が形成され得る。下記式(III)は、第一の重合体(A)が有する式(II)のモノマー単位の環状部分を、第二の重合体(B)が貫通している構造を模式的に示す。式(III)中のRは、式(I)のラジカル重合性化合物以外の反応性モノマーに由来するモノマー単位である。式(III)のような構造が形成されることで、第一の重合体と第二の重合体とで、三次元共重合体のような架橋ネットワーク構造が形成される。このネットワーク構造においては、環状部分を貫通する第二の重合体の運動の自由度が比較的高く保たれると考えられる。このような構造は、当業者に環動構造と称されることがある。環動構造が形成されていることを直接的に確認することは技術的に容易でないが、例えば、粘着剤の引張試験によって得られる応力−歪み曲線が、いわゆるJ字型の曲線であることから、環動構造の形成が示唆される。ただし、粘着剤は、このような環動構造を必ずしも含んでいなくてもよい。
Figure 2017105940
式(III)の例では、第二の重合体(B)は、複数のポリオキシエチレン鎖と、それらの末端同士を連結する連結基Lとを有している。連結基Lがポリオキシエチレン鎖と比較して嵩高いことから、ポリロタキサンのように、第二の重合体が式(II)のモノマー単位の環状部分を貫通している状態が維持され易い。第二の重合体を、環状のモノマー単位の大きさ、包接能力などのバランス、ポリロタキサンの特性に基づいて適宜選択することができる。
光重合開始剤
樹脂組成物は、反応性モノマーの重合のための光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により硬化反応(重合反応)を促進させる成分であれば特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(Irgacure 651(日本チバガイギー株式会社製))等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体が挙げられる。光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の全質量に対して、0.01質量%以上、0.05質量%以上、又は0.1質量%以上であってもよく、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下であってもよい。光重合開始剤の含有量が0.01質量%以上であると重合反応が十分進行し、5質量%以下であると厚い材料においても硬化不良を起こさない。
熱重合開始剤
樹脂組成物は、反応性モノマーの重合のための熱重合開始剤を含有してもよい。熱重合開始剤としては、加熱により硬化反応(重合反応)を促進させる成分であれば特に制限はなく、通常用いられる熱重合開始剤を用いることができる。熱重合開始剤の例としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸等のアゾ化合物、ナトリウムエトキシド、tert−ブチルリチウム等のアルキル金属、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン等のケイ素化合物等を挙げることができる。
熱重合開始剤と、触媒とを組み合わせてもよい。この触媒としては、金属塩、及び、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の第3級アミン化合物のような還元性を有する化合物が挙げられる。
樹脂組成物における熱重合開始剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の全質量に対して、0.01質量%以上、0.05質量%以上、又は0.1質量%以上であってもよく、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下であってもよい。熱重合開始剤の含有量が0.01質量%以上であると重合反応が十分進行し、5質量%以下であると厚い材料においても硬化不良を起こさない。
その他の成分
樹脂組成物は、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する化合物(オキセタン化合物等);カチオン重合開始剤;マラカイトグリーン、ビクトリアピュアブルー、ブリリアントグリーン、メチルバイオレット等の染料;トリブロモフェニルスルホン、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、2−クロロアニリン等の光発色剤;熱発色防止剤;p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤;顔料;充填剤;消泡剤;難燃剤;安定剤;密着性付与剤;レベリング剤;剥離促進剤;酸化防止剤;香料;イメージング剤;熱架橋剤などを含有してもよい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物がその他の成分を含有する場合、それらの含有量は、(A)成分及び(B)成分の全質量に対して、0.01質量%以上であってもよく、20質量%以下であってもよい。
樹脂組成物の溶液
樹脂組成物は、必要に応じて、粘度を調整するために、有機溶剤の少なくとも1種を更に含有してもよい。用いられる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。樹脂組成物に含まれる有機溶剤の含有量は、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂組成物は、固形分(有機溶剤以外の成分)が30質量%〜60質量%程度となる溶液として用いることができる。以下、有機溶剤を含む樹脂組成物を「塗布液」ともいう。
上記塗布液を、後述する支持体の表面上に塗布し、乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
粘着剤
粘着剤及びこれを含む粘着剤層は、樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより得ることができる。また、粘着剤は、樹脂組成物を加熱することにより得ることもできる。
粘着シート
図1は、粘着シートの一実施形態を示す。図1に示す粘着シート1は、支持体2と、該支持体2上に設けられた上記粘着剤層3とを備える。粘着シート1は、必要に応じて、粘着剤層3の、支持体2とは反対側の表面を被覆する保護層4等を備えてもよい。
支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリスルホン、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、ポリアリレート、芳香族ポリエーテルケトン、ポリエチレンナフタレートなどの耐熱性を有する重合体フィルムを用いることができる。これらのうち、芳香族ポリイミド、又はポリエチレンナフタレートが好適に用いられる。支持体のガラス転移温度について特に制限はないが、例えば、200℃以上、又は250℃以上であってもよい。上記ガラス転移温度を有することにより、半導体ウエハの製造において熱が発生する工程においても支持体が軟化せずに、効率よく作業を行うことができる。
粘着剤層に対する密着性を十分高めるために、支持体の表面が処理されてもよい。支持体の表面処理方法には特に制限はないが、例えば、アルカリ処理、シランカップリング処理等の化学処理、サンドマット処理等の物理的処理、プラズマ処理、及びコロナ処理が挙げられる。
支持体の厚さは、5μm以上、10μm以上、又は20μm以上であってもよく、100μm以下、50μm以下、又は30μm以下であってもよい。支持体の厚さが5μm以上であると、十分な強度を得ることができる。支持体の厚さが100μm以下であると、粘着シートを貼り合わせた後に生じる反りを低減することができる。
粘着剤層の厚さは、乾燥後の厚さで、10μm以上、又は50μm以上であってもよく、600μm以下、又は500μm以下であってもよい。粘着剤層の厚さが10μm以上であると、凹凸に十分追従可能である。また、粘着剤層の厚さが600μm以下であると、硬化に要する時間が短くなる。
保護層としては、粘着剤層に対する接着力が、支持体の粘着剤層に対する接着力よりも小さくてもよい。また低フィッシュアイのフィルムであってもよい。ここで、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものを意味する。すなわち、「低フィッシュアイ」とは、フィルム中の異物等が少ないことを意味する。
保護層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンなどの耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとしては、王子製紙株式会社製のアルファンMA−410及びE−200、信越フィルム株式会社製等のポリプロピレンフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製のPS−25等のポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。保護層は支持体と同一のものでもよい。
保護層の厚さは、10μm以上、又は25μm以上であってもよく、200μm以下、又は100μm以下であってもよい。保護層の厚さが10μm以上であると、粘着剤層を十分に保護できる。また、保護層の厚さが200μm以下であると、粘着シートを剥離する時の取り扱いが容易である。
図1に示す粘着シート1は、例えば、以下のようにして製造することができる。具体的には、1)樹脂組成物を有機溶剤に溶解した塗布液を調製する工程と、2)前記塗布液を支持体2上に塗布して塗布層を形成する工程と、3)前記塗布層を乾燥して樹脂組成物層を形成する工程と、4)必要に応じて樹脂組成物層の支持体2とは反対側の面を保護層4で被覆する工程と、5)反応性モノマーの重合による第一の重合体の生成により粘着剤層を形成する工程と、を含む方法で製造することができる。
樹脂組成物の溶液の支持体上への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法により行うことができる。
塗布層の乾燥は、塗布層から有機溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はなく、例えば、70℃〜150℃で、5分〜30分間乾燥してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.合成
合成例1:trans−1,2−ビス(2−アクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシ)シクロヘキサン(BACH)の合成
100mL二口ナスフラスコにtrans−1,2−シクロヘキサンジオール(2.32g、20.0mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。そこに乾燥したジクロロメタン(40mL)、及びジラウリン酸ジブチル錫(11.8μL、0.10mol%:0.020mmol)を入れた。フラスコ中の反応液に2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(5.93g、42.0mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液を滴下ロートから滴下し、反応液を30℃で24時間撹拌して、反応を進行させた。反応終了後、反応液にジエチルエーテルを加えて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。残渣をアセトニトリルに溶解させ、得られた溶液をヘキサンで3回洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣をジエチルエーテル及びヘキサンの混合溶媒からの再結晶によって精製して、BACHの白色結晶を得た。収量は、5.1gであり、収率は、64質量%であった。
Figure 2017105940
合成例2:PEG−PPGオリゴマーの合成
20mLナスフラスコにポリエチレングリコール(PEG1500、750mg、0.500mmol、数平均分子量1500)、ポリプロピレングリコール(PPG4000、2000mg、0.500mmol、数平均分子量4000)を加えてからフラスコ内を窒素置換し、内容物を115℃で融解させた。融解液に4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(262mg、1.00mmol)を加えて、窒素雰囲気下、115℃で24時間撹拌して、PEG−PPGオリゴマー(ポリオキシエチレン鎖及びポリオキシプロプレン鎖を含む第二の重合体)を得た。
PEG−PPGオリゴマーのGPCクロマトグラムを、10mMの臭化リチウムを含むDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)を溶離液として用いて、流速1mL/分の条件で得た。得られたクロマトグラムから、PEG−PPGオリゴマーの数平均分子量及び重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めた。PEG−PPGオリゴマーの重量平均分子量(Mw)は9300で、PEG−PPGオリゴマーの重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)は1.65であった。
合成例3:粘着付与剤の合成
2−エチルヘキシルアクリレート82質量部及びヒドロキシエチルメタクリレート18質量部を溶液重合法により重合させてアクリル共重合体を合成した。得られたアクリル共重合体の重量平均分子量は900000、ガラス転移温度は−61℃であった。このアクリル共重合体100質量部に対し、架橋剤として多官能イソシアネート化合物であるCoronate L(日本ポリウレタン工業株式会社製)を20質量部配合し、濃度が50質量%になるようにトルエンで希釈して、粘着付与剤の溶液を得た。
2.樹脂組成物
合成例1のBACH、合成例2のPEG−PPGオリゴマー、合成例3の粘着付与剤(トルエン溶液)、アクリロニトリル、2−エチルヘキシルアクリレート及びIrgacure 651を表1に示す質量比で配合し、3本ロールミルで混練して、実施例及び比較例の樹脂組成物(塗布液)を調製した。
3.貯蔵弾性率の測定
得られた樹脂組成物(塗布液)を、約1mmの厚さ(乾燥後)になるようにポリエチレンフィルムに塗布し、80℃で30分間熱風循環式乾燥機で乾燥させた。次に、紫外線露光装置を用いて、500mJ/cmの紫外線で露光し、実施例及び比較例の粘着剤層を備える粘着シートを得た。その後、ポリエチレンフィルムを剥離して粘着剤層の単膜を得た。
得られた粘着剤層の単膜から5mm幅、長さ30mmの短冊状の試験片を切り出した。この試験片を用いて、TAインスツルメント株式会社社製動的粘弾性測定装置(RSA−G2)を用いて、25℃における貯蔵弾性率を測定した。測定条件は以下のとおりである。
・チャック間距離:20mm
・測定周波数:10Hz
4.破断伸びの測定
得られた粘着剤層の単膜を幅5mmの短冊状に打ち抜き、ストログラフT(株式会社東洋精機製作所)を用いて、室温、チャック間距離:30mm、引張速度:10.0mm/minの条件で、破断伸びを測定した。
5.粘着性の評価
中心線表面粗さ(Ra)が0.2μmのマット処理ポリエチレンテレフタレートフィルムに、得られた粘着剤層を2kgのゴムロールを1往復させて貼り付けることで、粘着性評価用のサンプルを得た。ストログラフT(株式会社東洋精機製作所)を用いて、室温、180°剥離、剥離速度:10.0mm/分の条件で粘着性の評価を行った。全てのサンプルで、0.2N/25mm以上の良好な粘着性を示した。
6.凹凸追従性の評価
得られた樹脂組成物を、約200μmの厚さ(乾燥後)になるようにポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、80℃で30分間熱風循環式乾燥機で乾燥させた。次に、紫外線露光装置を用いて、500mJ/cmの紫外線で露光し、実施例及び比較例の粘着剤層を備える粘着シートを得た。
表面に高さ40μm、幅2mm、間隔10mmの凹凸形状を有するシリコンウエハ上に、実施例及び比較例の粘着シートを貼り合わせることで、凹凸追従性評価用のサンプルを得た。倍率50倍の光学顕微鏡を用いて、ウエハ表面の凸部周辺と粘着剤層の間のボイドの有無を確認した。ボイドのないものを「良」、ボイドのあるものを「不良」と判定した。
7.剥離性の評価
上記凹凸追従性評価用のサンプルから粘着シートを剥離し、シリコンウエハ上の残渣の数を倍率50倍の光学顕微鏡を用いて確認した。20mm四方に認められる残渣の数が5個以下のものを「良」、6個以上のものを「不良」と判定した。
Figure 2017105940
各実施例の粘着シートは、良好な強靭性、凹凸追従性及び剥離性を示すことが確認された。
1…粘着シート、2…支持体、3…粘着剤層、4…保護層。

Claims (9)

  1. 式(I):
    Figure 2017105940

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを、モノマー単位として含む第一の重合体と、
    直鎖状又は分岐状の第二の重合体と、
    を含有する、粘着剤。
  2. 前記第二の重合体が、ポリオキシアルキレン鎖を含む重合体である、請求項1に記載の粘着剤。
  3. 前記第二の重合体が、2以上の線状鎖と、前記線状鎖の末端同士を連結する連結基と、を含む重合体であり、前記連結基が、環状基を含む有機基又は分岐状の有機基である、請求項1又は2に記載の粘着剤。
  4. 前記単官能ラジカル重合性モノマーが、置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤。
  5. 前記単官能ラジカル重合性モノマーが、アクリロニトリルを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤。
  6. 前記式(I)中のXが、下記式(10):
    Figure 2017105940

    で表され、Yが置換基を有していてもよい環状基で、Z及びZがそれぞれ独立に炭素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子を含む官能基で、i及びjがそれぞれ独立に0〜2の整数で、*が結合手を表す、基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤。
  7. 前記第二の重合体の重量平均分子量が5000以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤。
  8. 支持体と、
    該支持体上に設けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤を含む粘着剤層と、
    を備える、粘着シート。
  9. 第一の重合体、及び直鎖状又は分岐状の第二の重合体を含有する粘着剤を製造する方法であって、
    式(I):
    Figure 2017105940

    で表され、X、R及びRがそれぞれ独立に2価の有機基で、R及びRがそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である、ラジカル重合性化合物、及び単官能ラジカル重合性モノマーを含む反応性モノマーと、前記第二の重合体とを含む樹脂組成物中で、前記反応性モノマーの重合により前記第一の重合体を生成させる工程を備える、
    方法。
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