JP2017103856A - 永久磁石埋め込み式回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分なトルクを確保しつつ高速回転を可能とする永久磁石埋め込み式回転電機を提供する。【解決手段】 各極を構成する2個の永久磁石34aおよび34bの各々を収容する磁石埋め込み穴35aおよび35bが設けられたロータを有し、磁石埋め込み穴35aおよび35bがロータ3の外周に連通した永久磁石埋め込み式回転電機において、ロータ回転中心からみて永久磁石34aおよび34bの外側のロータ鋼材である外周縁部33は、ロータ半径方向外側に凸形に形成され、磁石埋め込み穴35aから磁石埋め込み穴35bに至る外周上に少なくとも2個の屈折点a1およびa2を有する【選択図】図1

Description

本発明は、電動機や発電機等、ロータを有する回転電機に係り、特にロータに永久磁石が埋め込まれた永久磁石埋め込み式回転電機に関する。
永久磁石回転電機の一例として、永久磁石埋め込み式回転電機が挙げられる。永久磁石埋め込み式回転電機の一例であるPMモータ(Permanent Magnet Motor)は、ロータの内部に埋め込まれた永久磁石の鎖交磁束量(永久磁石で発生した磁束がステータの励磁コイルと鎖交する磁束量)に応じて発生するマグネットトルクに加え、ロータの磁気抵抗を利用したリラクタンストルクを利用した永久磁石埋め込み式回転電機である。PMモータのトルクTは、次式で与えられる。
T=P×Ψa×Iq+P×(Ld−Lq)×Id×Iq
=P×Iq×{Ψa+Id×(Ld−Lq)}・・・・・・・・・・(1)
T:トルク[Nm]
P:極対数
Id:巻線電流のd軸成分[A]
Iq:巻線電流のq軸成分[A]
Ld:d軸インダクタンス[H]
Lq:q軸インダクタンス[H]
Ψa:巻線鎖交磁束量
ここで、(1)式の右辺第一項はマグネットトルクを表し、右辺第二項はリラクタンストルクを表す。また、d軸とは回転子鉄心の中心軸から磁極中心方向に延びる軸であり、q軸とはd軸に電磁気的に直交する(電気角がd軸に対して90度ずれた)軸である。
PMモータのロータには、永久磁石を収容するための磁石埋め込み穴が設けられている。この磁石埋め込み穴を区画する壁面のうちのロータ外周側の壁面(以下、「磁石埋め込み穴の内壁面」と呼ぶ)とロータの外周面との間には、q軸側とd軸側とを連結支持するようにサイドブリッジが形成される場合がある。
このようなサイドブリッジを有するPMモータでは、何ら策を講じないと、サイドブリッジを介して隣り合う磁極間で磁気短絡が生じ、永久磁石の特性に応じた十分なトルクが得られない場合があった。これを防止するためには、サイドブリッジの幅(ロータ半径方向の幅)を狭くすることにより、隣り合う磁極間の磁気短絡を防止することが有効であるとも考えられるが、この場合、次のような問題が生じる。
一般に、PMモータ(特に、高速回転モータ)の組み立ての際には、モータ回転時の動バランスを安定させるため、圧入により鋼板内にシャフトを挿入し、シャフトに対してロータ鋼材を嵌め合い固定する。このとき、ロータに周方向の高い嵌め合いの応力(組み立て残留応力)が残る。
また、高速回転モータでは、ロータを高速で回転させるため、ロータの各部に大きな遠心力が加わる。このため、当該遠心力に起因した応力がロータ各部に加わる。
サイドブリッジの幅を狭めると、機械的強度は低下するため、上記嵌め合いの応力と上記遠心力に起因した応力によってサイドブリッジが破損または破断する虞がある。
このように、サイドブリッジを有するPMモータでは、サイドブリッジの機械的強度の確保のために、ある程度の漏れ磁束を許容せざるを得ず、十分なトルクが得られなかった。この点は、PMモータに限らず、他の種類の永久磁石埋め込み式回転電機についても同様である。
そこで、特許文献1および2に記載の永久磁石埋め込み式回転電機では、サイドブリッジを除去する(磁石埋め込み穴とロータ外周面とを連通させる)ことにより、隣り合う磁極間の磁気短絡を防止していた。
特開2011−4480号公報 国際公開第2014/122947号
しかし、特許文献1および2に記載の永久磁石埋め込み式回転電機では、サイドブリッジを除去したため、従来サイドブリッジに加わっていた遠心力に起因する応力が、2つの磁石埋め込み穴の間に形成されたセンタブリッジに加わるようになり、ロータの高速回転時にセンタブリッジが破損または破断する虞がある。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、十分なトルクを確保しつつ高速回転を可能とする永久磁石埋め込み式回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、各極を構成する複数の永久磁石の各々を収容する磁石埋め込み穴が設けられたロータを有し、各極の両端に位置する前記磁石埋め込み穴が前記ロータの外周に連通した永久磁石埋め込み式回転電機において、前記ロータ回転中心からみて前記永久磁石の外側のロータ鋼材である外周縁部は、前記ロータ半径方向外側に凸形に形成され、前記両端の磁石埋め込み穴の一方から他方に至る外周上に少なくとも2個の屈折点を有することを特徴とする永久磁石埋め込み式回転電機を提供する。
本発明によれば、ロータ半径方向外側に向かうに従い、外周縁部のロータ周方向の幅が狭くなる。従って、上記幅を一定とした場合に比べ、外周縁部の体積が減少し、その質量が低下する。この結果、ロータの各部に加わる遠心力が減少し、センタブリッジに加わる遠心力に起因する応力が減少する。従って、この減少分だけ、ロータを高速で回転させることが可能となる。また、巻線鎖交磁束量は外周縁部のロータ半径方向の厚みが薄いほど減少するが、各屈折点間の間隔を適宜調整することにより、上記厚みの厚い領域が適度に外周縁部に形成され、十分なトルク(巻線鎖交磁束量)を確保することが可能となる。従って、本発明によれば、十分なトルクを確保しつつ高速回転を可能とする永久磁石埋め込み式回転電機を実現することができる。
本発明の一実施形態である永久磁石埋め込み式回転電機が有するロータ3の1極分を回転中心軸4a方向から見た正面図である。 同実施形態において、δa/δbと鋼板発生応力との関係を示す図である。 同実施形態において、δa/δbの値が小さなロータ3の応力分布を示す図である。 同実施形態におけるロータ3を有する永久磁石埋め込み式回転電機の全体構成を示す縦断面図である。 同実施形態において、δa/δbとトルクとの関係を示す図である。 本発明の他の実施形態におけるロータ3Aの軸方向に垂直な面による部分断面図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態である永久磁石埋め込み式回転電機が有するロータ3の1極分を回転中心軸4a方向から見た正面図である。ロータ3は、回転中心軸4a寄りの芯部31と、極毎に設けられた2個の永久磁石(本実施形態では、永久磁石34aおよび永久磁石34b)と、回転中心軸4aからみて上記2個の永久磁石の外側のロータ鋼材からなる外周縁部33と、芯部31と外周縁部33とを繋ぐセンタブリッジ32と、各々極間に設けられたq軸突起36aおよび36bとに大別される。ロータ3は、けい素鋼板を積層してなるものであるが、単純な鉄ブロックを切削加工することによりロータ3を構成してもよい。
磁石埋め込み穴35aおよび35bは、回転中心軸4aからみて逆V字状に配列されている。つまり、磁石埋め込み穴35aおよび35bの内周壁における回転中心軸4a側の領域(芯部31)は、隣接する極間の中心から2個の磁石埋め込み穴の間(すなわち、センタブリッジ32)に近づくに従って回転中心軸4aから離れる方向に傾いている。このため、センタブリッジ32は、ロータ3の全ての磁石埋め込み穴35a、35bの内接円37からロータ半径方向外側に離れた位置にある。永久磁石34aおよび34bは、この磁石埋め込み穴35aおよび35b内に固定される。その際、永久磁石34aおよび34bの磁石埋め込み穴35aおよび35bへの固定を補助するために接着剤が使用される。永久磁石34aおよび34bが発する磁束は、外周縁部33をロータ半径方向外側(ステータ側)へ貫き、隣接する極(対極)へ至る。
q軸突起36aおよび36bは、芯部31の極間の中央の位置において2個の外周縁部33間の隙間を通過して遠心方向に突き出している。q軸突起36aおよび36bは、q軸磁束に対する磁気抵抗を減らしてリラクタンストルクを高め、ロータ3のトルクを増大させる機能を有する。
1極分の外周縁部33は、ロータ周方向中央(d軸DA上)において、センタブリッジ32を介して芯部31と繋がっている。外周縁部33の内側には、永久磁石34aを保持するための磁石埋め込み穴35aと、永久磁石34bを保持するための磁石埋め込み穴35bが設けられている。この磁石埋め込み穴35aおよび35bは、外周縁部33、センタブリッジ32および芯部31により3方向から囲まれている。各極に対応した各外周縁部33は、隣のものとの間に隙間を挟んでロータ回転方向に並んでいる。2個の外周縁部33間の隙間は、極間の中央に位置している。磁石埋め込み穴35aおよび35bは、この2個の外周縁部33間の隙間を介してロータ外周に連通している。外周縁部33は、ロータ3の回転時に永久磁石34aおよび34bに働く遠心力に対抗して永久磁石34aおよび34bを回転中心軸4a側に支持する。
ロータ3の回転時、ロータ3の各部にはその質量に比例した遠心力に起因する応力(以下、「鋼板発生応力」と呼ぶ)が発生する。例えば、センタブリッジ32には、外周縁部33の質量に応じた鋼板発生応力が加わる。許容値を上回る鋼板発生応力がセンタブリッジ32に加わると、上述したようにセンタブリッジ32の破損または破断が生じる。この問題を回避するためには、外周縁部33の質量を低減する必要がある。
外周縁部33の質量を低減する方法は種々考えられる。例えば、外周縁部33のロータ半径方向の厚みをロータ周方向に沿って一様に薄くする態様が考えられるが、この場合、外周縁部33を貫く磁束量が減少し、十分なトルク(巻線鎖交磁束量)が得られない虞がある。これを回避するためには、上記厚みの厚い領域を外周縁部33に可能な限り設け、十分な磁束密度を有する磁束がステータ側に到達するようにする必要がある。そこで、本実施形態の外周縁部33は、以下のように構成されている。
本実施形態における外周縁部33は、その外周(外周縁部33の周囲を取り囲む周)上に以下の屈折点を有する。より詳細には、外周縁部33は、その外周とd軸DAとの交点cと、磁石埋め込み穴35aに沿った外周上におけるd軸からの距離が最大である点b1との間に屈折点a1を有する。同様に、外周縁部33は、その外周とd軸DAとの交点cと、磁石埋め込み穴35bに沿った外周上におけるd軸からの距離が最大である点b2との間に屈折点a2を有する。つまり、本実施形態における外周縁部33は、極の両端に位置する磁石埋め込み穴の一方(例えば、磁石埋め込み穴35a)から他方(磁石埋め込み穴35b)へ至る外周面上に2つの屈折点(すなわち、a1およびa2)を有する。屈折点a1およびa2は、ロータ3の外周上に位置しており、各々を結ぶ輪郭線は緩やかな弧を描いている。
本実施形態では、a1およびa2を結ぶ円弧の長さが、b1およびb2を結ぶ円弧の長さよりも短くなるよう、外周縁部33は形成されている。このように外周縁部33を形成することにより、回転中心軸4aからみたa1〜a2までの開角度δaの、回転中心軸4aからみたb1〜b2までの開角度δbに対する比δa/δbは1よりも小さくなる。つまり、cとb1とを含む周上の複数の点をb1からcへ向けてたどったとき、各点からd軸DAへ下した垂線のd軸DAとの交点が順次d軸遠心方向に向かうとともに、当該垂線の長さが順次短くなる。同様に、cとb2とを含む周上の複数の点をb2からcへ向けてたどったとき、各点からd軸DAへ下した垂線のd軸DAとの交点が順次d軸遠心方向に向かうとともに、当該垂線の長さが順次短くなる。
このため、ロータ半径方向各部における外周縁部33のロータ周方向の幅は、ロータ遠心方向(回転中心軸4aから離れる方向)に向かうに従って狭くなり、その断面形状が略台形状(或いは、ロータ半径方向外側に凸形状)となる。このように外周縁部33を形成することにより、外周縁部33のd軸DA付近におけるロータ半径方向の幅が厚くなり、十分な磁束密度を有する磁束をステータ側に到達させることが可能となる。この結果、ロータ3の各部に加わる遠心力が減少し、センタブリッジ32や外周縁部33に加わる鋼板発生応力が小さくなる。
従来の永久磁石埋め込み式回転電機のロータでは、a1およびa2を結ぶ円弧とb1およびb2を結ぶ円弧の各々の長さが略同一であった。つまり、δa/δbの値はほぼ1であり、ロータ周方向各部における外周縁部33のロータ半径方向の厚み(外周縁部33のロータ半径方向の厚みの平均値)は、a1およびb1間の長さと略同一である。
一方、本実施形態では、b1およびb2を結ぶ円弧の長さは変えず、a1およびa2を結ぶ円弧の長さのみ短くしたため、δa/δbの値は1よりも小さい。このため、ロータ周方向各部における外周縁部33のロータ半径方向の厚みは、δa/δb=1とした場合に比べて小さくなる。従って、従来の永久磁石埋め込み式回転電機に比べて、外周縁部33の体積が減少し、その質量が減少する。
ところで、このδa/δbの値が1よりも十分に小さくなるように外周縁部33を形成することで、センタブリッジ32に加わる鋼板発生応力を十分に抑えることが可能となるものと予想されるが、本願発明者が鋼板発生応力について測定を行ったところ、以下のような結果が得られた。
図2は、δa/δbと鋼板発生応力との関係を示す図である。図2において、縦軸は鋼板発生応力(遠心力に起因する応力)、横軸はδa/δbを示している。図中に示す鋼板応力許容値とは、ロータ鋼板の種類(材質)に応じて定まる値であり、ロータ鋼板を破損させることなく使用するのに許容される鋼板発生応力の上限値を示している。図2に示すように、δa/δb=1における鋼板発生応力(従来の永久磁石埋め込み式回転電機にて観測され得る鋼板発生応力)は、鋼板応力許容値に略等しい。0.7≦δa/δb≦1では、鋼板発生応力はδa/δbの減少に従って減少しているものの、δa/δb≦0.4では、鋼板発生応力は上記予想に反して増大し、鋼板応力許容値を超過している。この現象について検証するため、本願発明者が、外周縁部33における応力分布について調査したところ、以下のような結果が得られた。
図3は、δa/δbの値が小さなロータ10の応力分布を示す図である。図3に示すように、δa/δbの値が小さい場合、外周縁部33とセンタブリッジ32との付け根付近(図中点線部)に鋼板発生応力が集中的に加わるようになる。この鋼板発生応力は、上記部位のうち磁石埋め込み穴35bの付近が最も大きく、図中の矢印で示す方向に向かって次第に小さくなる。
上述したように、上記部位(センターブリッジ32)に鋼板発生応力が集中的に加わると、センタブリッジ32の破損または破断の虞がある。これを防止するためには、δa/δbの下限値を、鋼板発生応力が鋼板応力許容値以下となる値、すなわちδa/δb=0.4とする必要がある。また、図2に示すように、鋼板発生応力は、δa/δb≧1においても、鋼板応力許容値を超過している。従って、δa/δbの上限値についても同様に、鋼板発生応力が鋼板応力許容値以下となる値、すなわちδa/δb=1とする必要がある。
以上の考察から、本実施形態では、δa/δbの値が0.4≦δa/δb<1の範囲に収まるよう、外周縁部33は形成されている。
以上が本実施形態におけるロータ3の構成である。
ロータ3は、図4に示すような態様で永久磁石埋め込み式回転電機内に固定される。図4は、ロータ3を有する永久磁石埋め込み式回転電機の全体構成を示す縦断面図である。図4において、フレーム1は、永久磁石埋め込み式回転電機全体を覆う筐体であり、鉄、アルミ、ステンレスなどにより構成されている。フレーム1の内側には、中空円筒状の固定側鉄心2が設けられている。この固定側鉄心2は、けい素鋼板を積層してなるものである。この固定側鉄心2には、穴が設けられており、この穴には銅線などによるステータ巻線が挿通されている(図示略)。固定側鉄心2の内側には、固定側鉄心2との間に所定のギャップを挟んだ状態で、回転側鉄心であるロータ3が挿通されている。
シャフト4は例えば鉄で形成されており、ロータ3の中心を貫通している。理想的には、シャフト4の中心軸がロータ3の回転中心軸4aとなる。そして、シャフト4は、ベアリング鋼などからなる転がり軸受け5を介して、フレーム1の前後両端に設けられたシールド6に支持されている。この永久磁石埋め込み式回転電機においてロータ3は、ステータ巻線(図示せず)によって作られる回転磁界によってエネルギを与えられ、回転中心軸4a廻りに回転する。
このとき、ロータ3を高速回転させるために、巻線電流Iq((1)式)を増加させた場合、その分だけ外周縁部33に加わる鋼板発生応力が増加するため、何ら策を講じないと、センタブリッジ32(センタブリッジ32と外周縁部33との付け根付近)に加わる鋼板発生応力が鋼板応力許容値を超過する虞がある。本実施形態では、鋼板発生応力が鋼板応力許容値以下となる0.4≦δa/δb<1の範囲にδa/δbの値が収まるよう、外周縁部33は形成されているため、鋼板発生応力の鋼板応力許容値に対する余裕が生まれる。従って、この余裕に応じた分だけロータ3の回転速度(巻線電流Iq)を増加させれば、鋼板発生応力が鋼板応力許容値を超過することはない。従って、本実施形態によれば、ロータ3の高速回転が可能となる。
δa/δb=1から順次δa/δbの値を小さくすると、δa/δb=1の場合に比べて、外周縁部33のロータ半径方向の厚みの平均値が減少し、外周縁部33を貫く磁束の磁束密度が低下する虞がある。従って、δa/δb=1の場合に比べて、巻線鎖交磁束量が小さくなり、トルク(マグネットトルク)が小さくなるようにも思われる。
図5は、δa/δbとトルクとの関係を示す図である。図5に示すように、トルクは、δa/δbの変化にほとんど依存することなくほぼ一定となっており、トルクの減少が問題となることはない。
以上より、本実施形態によれば、十分なトルクを確保しつつ高速回転を可能とする永久磁石埋め込み式回転電機を実現することができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の各実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態が考えられる。例えば、以下の通りである。
(1)上記実施形態では、2個の永久磁石で1極を構成するロータへの本発明の適用例について示したが、3個以上の永久磁石で1極を構成するロータに本発明を適用してもよい。図6は、他の実施形態におけるロータ3Aの軸方向に垂直な面による部分断面図である。図6に示すように、ロータ3には、その周方向に磁石埋め込み穴35c、35dおよび35eが配列されている。磁石埋め込み穴35dは、d軸DAと交差する位置に設けられている。磁石埋め込み穴35dの両端には、磁石埋め込み穴35cおよび35eが配列されている。磁石埋め込み穴35cおよび35eの各々は、ロータ3Aの外周に連通している。各磁石埋め込み穴には、それぞれ永久磁石34c、34dおよび34eが埋め込まれている。このように3個の永久磁石で1極を構成した場合、ロータ3Aに埋め込まれる永久磁石の量が増え、ロータ3の回転速度を更に高めることが可能となる。この場合も、δa/δbの値を適宜調整することにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。また、2個のセンタブリッジ32aおよび32bで外周縁部33Aを支持することが可能となり、鋼板発生応力によるセンタブリッジの破損または破断をより確実に防止することができる。
(2)上記実施形態において、外周縁部33の外周上のcとb1の間に2個以上の屈折点を設けてもよい。同様に、外周縁部33の外周上のcとb2の間に2個以上の屈折点を設けてもよい。要は、外周縁部33の外周上の両端点(b1およびb2)をロータ回転中心からみた開角度に対する少なくとも2つの屈折点のうちロータの外周方向の両端に位置する2つの屈折点をロータ回転中心からみた開角度の比が1よりも小さければよく、当該比が0.4以上かつ1未満であればさらに好ましい。
(3)上記実施形態において、外周縁部33の外周上のb1とa1の間、a1とa2の間、およびb2とa2の間を、適宜屈曲させたり、直線的にしてもよい。変形例(2)に示す外周縁部の外周上の各屈折点間についても同様である。
(4)上記実施形態において、出力させるトルクの大きさ等に応じて、極数やスロット数を適宜変更してもよい。
(5)上記実施形態では、回転中心軸4aからみて逆V字状に配列された磁石埋め込み穴35aおよび35bを有するロータへの本発明の適用例について示したが、回転中心軸4aからみてV字状に配列された磁石埋め込み穴を有するロータに本発明を適用してもよい。この態様でも、上記実施形態と同様の効果が得られる。
3,3A…ロータ、34a,34b,34c,34d,34e…永久磁石、35a,35b,35c,35d,35e…磁石埋め込み穴、4a…回転中心軸、31…芯部、32,32a,32b…センタブリッジ、33,33A…外周縁部、36a,36b…q軸突起。

Claims (3)

  1. 各極を構成する複数の永久磁石の各々を収容する磁石埋め込み穴が設けられたロータを有し、各極の両端に位置する前記磁石埋め込み穴が前記ロータの外周に連通した永久磁石埋め込み式回転電機において、
    前記ロータの回転中心からみて前記永久磁石の外側のロータ鋼材である外周縁部は、
    前記ロータの半径方向外側に凸形に形成され、前記両端の磁石埋め込み穴の一方から他方に至る外周上に少なくとも2個の屈折点を有する
    ことを特徴とする永久磁石埋め込み式回転電機。
  2. 前記外周縁部の外周上の両端点を前記ロータ回転中心からみた開角度に対する前記少なくとも2つの屈折点のうち前記ロータの外周方向の両端に位置する2つの屈折点を前記ロータ回転中心からみた開角度の比が1よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石埋め込み式回転電機。
  3. 前記比は0.4以上1未満であることを特徴とする請求項2に記載の永久磁石埋め込み式回転電機。
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