JP2017101622A - リリーフ弁装置、及び、それを用いる高圧ポンプ - Google Patents

リリーフ弁装置、及び、それを用いる高圧ポンプ Download PDF

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振一郎 越本
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Abstract

【課題】 シール部材のリフト量のばらつきを低減するリリーフ弁装置を提供する。
【解決手段】 吐出通路214の燃料の圧力を低減可能なリリーフ弁1は、吐出通路214に連通する通孔310の周囲に形成される内壁311を有する弁座部31、弁座部31の内壁311側に設けられ燃料室211に連通する第一連通路321及び第一連通路321とは別異に燃料室211に連通する第二連通路322を有する第一筒部32、内壁311に当接可能なシール部43、シール部43を支持しつつ第一筒部32内を往復移動可能に設けられ第一筒部32の内部を通孔310と第一連通路321とに連通可能な受圧室301と第二連通路322に連通可能な背圧室302とに区画する底部41及び摺動部42を備える。摺動部42は、シール部43が内壁311から離間するとき、第二連通路322の背圧室302側の開口324の開口面積を小さくするよう移動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リリーフ弁装置、及び、それを用いる高圧ポンプに関する。
従来、第一空間と第二空間とを接続するよう設けられ、第一空間の流体の圧力が規定以上の圧力になると開弁し、第一空間の流体の圧力に比べ低い圧力の流体が滞留する第二空間に第一空間の流体を送り、第一空間の圧力を低減するリリーフ弁装置が知られている。例えば、特許文献1には、第一空間に連通する通孔を有する筒状の弁ボディ、弁ボディ内に往復移動可能に収容され第一空間の流体の圧力が作用する受圧面を有する弁部材、及び、弁部材の開弁方向への移動を規制する規制部材を備えるリリーフ弁装置が記載されている。
特許5472395号明細書
特許文献1に記載のリリーフ弁装置では、開弁するとき、弁部材には受圧面の面積と第一空間の流体の圧力との積からスプリングの付勢力及び弁部材の通孔とは反対側の流体の圧力に応じた力を差し引いた力が作用する。特許文献1に記載のリリーフ弁装置を比較的高圧の流体が貯留されている第一空間のリリーフ弁装置として適用する場合、リリーフ時の流量が比較的多くなるため、開弁時に弁部材に作用する流れの抵抗が比較的大きくなる。流れの抵抗が大きくなると弁部材の移動速度は比較的速くなる。このため、開弁方向に比較的速く移動する弁部材と規制部材とが衝突するときの衝撃によって規制部材が所定の位置からずれたり、衝撃によって破損したりするおそれがある。
本発明は、シール部材のリフト量のばらつきを低減するリリーフ弁装置を提供することにある。
本発明は、第一空間と第一空間とは異なる空間である第二空間とに接続するよう設けられ、第一空間の流体の圧力を低減可能なリリーフ弁装置であって、弁座部材、弁ボディ、シール部材、支持部材、第一付勢部材、及び、規制部材を備える。
弁座部材は、第一空間に連通する通孔、及び、通孔の第一空間とは反対側の周囲に形成される弁座を有する。
弁ボディは、弁座部材の弁座側に設けられ、第二空間に連通する第一連通路、通孔と第一連通路とに連通可能な第一室、第一連通路に比べ通孔から離れた位置に形成され第一連通路とは別異に第二空間に連通する第二連通路、及び、第二連通路に連通可能な第二室を有する。
シール部材は、弁ボディ内を往復移動可能に設けられ、弁座に当接すると第一空間と第二空間との間の流体の流れを規制し、弁座から離間すると第一連通路を介した第一空間と第二空間との間の流体の流れを許容する。
支持部材は、シール部材を支持しつつ弁ボディ内を往復移動可能に設けられ、弁ボディ内を第一室と第二室とに区画しつつ第二連通路の第二室側の開口を有する弁ボディの内壁に摺動可能である。
第一付勢部材は、シール部材と弁座とが当接するよう支持部材を付勢する。
規制部材は、シール部材が弁座から離間する方向である開弁方向への支持部材の移動を規制可能である。
本発明のリリーフ弁装置では、支持部材は、シール部材が弁座から離間するとき、第二連通路の第二室側の開口の開口面積を小さくするよう移動する。
本発明のリリーフ弁装置では、第二連通路の第二室側の開口を有する弁ボディの壁面に摺動する支持部材は、支持部材が支持するシール部材が弁座から離間するとき、第二連通路の第二室側の開口の開口面積を小さくするよう移動する。これにより、第二室の流体は、支持部材が開弁方向に移動しても第二空間に押し出されず第二室に留まるため、支持部材の開弁方向への移動速度が第二室に滞留している流体のダンパ効果によって低下する。支持部材の開弁方向への移動速度が低下すると、開弁方向に移動する支持部材と衝突するおそれがある規制部材における衝突のストレスを低減もしくは0とすることができる。これにより、規制部材の所定の位置からのずれや座屈、破損などの発生を防止することができる。したがって、規制部材が設けられている位置によって規定されているシール部材のリフト量のばらつきを低減することができる。
本発明の第一実施形態によるリリーフ弁装置の断面図である。 本発明の第一実施形態によるリリーフ弁装置を備える高圧ポンプを用いる燃料供給システムの模式図である。 本発明の第一実施形態によるリリーフ弁装置の開弁時の作用を説明する断面図である。 本発明の第一実施形態によるリリーフ弁装置の開弁時における弁部材のリフト量と第二連通路の開口面積との関係を示す特性図である。 本発明の第二実施形態によるリリーフ弁装置の断面図である。 本発明の第三実施形態によるリリーフ弁装置の断面図である。 本発明の第三実施形態によるリリーフ弁装置が備えるスプリングのたわみ量とスプリングが発生する荷重との関係を示す特性図である。 本発明のその他の実施形態によるリリーフ弁装置の断面図である。 本発明のその他の実施形態によるリリーフ弁装置の断面図であって、図8とは異なる断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による「リリーフ弁装置」としてのリリーフ弁1を図1〜4に基づいて説明する。リリーフ弁1は、図2に示すように、高圧ポンプ20に設けられる。高圧ポンプ20は、図示しない車両に設けられる。ここでの車両は、例えば、ガソリンを燃料とする内燃機関を駆動源として走行可能である。
燃料ポンプ11は、燃料タンク12に貯留された燃料を汲み上げ、配管13を経由して高圧ポンプ20に供給する。高圧ポンプ20は、燃料ポンプ11から供給された燃料を加圧及び吐出し、配管14を経由して燃料レール15に供給する。燃料レール15に蓄えられる高圧の燃料は、燃料レール15に接続された複数のインジェクタ16を経由して、車両の内燃機関に供給される。
高圧ポンプ20は、「ハウジング」としてのポンプハウジング21、吸入弁22、吐出弁23、駆動部24、プランジャ25、リリーフ弁1などを備えている。
ポンプハウジング21は、例えば、ステンレスなどの金属から形成されている。ポンプハウジング21は、図3に示すように、「第二空間」としての燃料室211、吸入通路212、加圧室213、「第一空間」としての吐出通路214などを有している。燃料室211は、配管13内と吸入通路212とを連通するよう形成されている。吸入通路212は、加圧室213に連通するよう形成されている。加圧室213は、吐出通路214に連通するよう形成されている。吐出通路214は、配管14内と連通するよう形成されている。ポンプハウジング21では、配管13内の燃料が燃料室211、吸入通路212、加圧室213、及び、吐出通路214を通って配管14内に流れ込む。
吸入弁22は、図2に示すように、吸入通路212と加圧室213との間に設けられている。吸入弁22は、弁座221、弁部材222、及び、付勢部材223などを有している。弁座221は、吸入通路212の加圧室213側の内壁に形成されている。弁部材222は、弁座221に加圧室213側から当接可能に設けられている。付勢部材223は、弁部材222を弁座221側に付勢している。弁部材222が弁座221から離間すると、吸入通路212と加圧室213との間の燃料の流れが許容される。また、弁部材222が弁座221に当接すると、吸入通路212と加圧室213との間の燃料の流れが規制される。
吐出弁23は、加圧室213と吐出通路214との間に設けられている。吐出弁23は、弁座231、弁部材232、付勢部材233を有している。弁座231は、加圧室213の吐出通路214側の内壁に形成されている。弁部材232は、弁座231に吐出通路214側から当接可能に設けられている。付勢部材233は、弁部材232を弁座231側に付勢している。弁部材232が弁座231から離間すると、加圧室213と吐出通路214との間の燃料の流れが許容される。また、弁部材232が弁座231に当接すると、加圧室213と吐出通路214との間の燃料の流れが規制される。すなわち、吐出弁23は、加圧室213から吐出通路214側への燃料の流れを許容する一方、吐出通路214側から加圧室213側への燃料の流れを規制する逆止弁として機能する。
駆動部24は、弁部材222に連結するよう設けられている。駆動部24は、電力が供給されると、弁部材222が弁座221側または加圧室213側に移動するよう駆動可能である。
駆動部24は、電力が供給されていないとき、付勢部材223の付勢力に抗して弁部材222を加圧室213側に付勢する。これにより、弁部材222は、弁座221から離間し吸入弁22は開弁状態となる。一方、電力が供給されると、駆動部24は、弁部材222を加圧室213側に付勢する力が小さくなるよう駆動する。これにより、弁部材222は、付勢部材223の付勢力によって弁座221に当接するよう弁座221側に移動し、吸入弁22は閉弁状態となる。このように、吸入弁22は、駆動部24との組み合わせによってノーマリーオープンタイプの弁装置として機能する。
プランジャ25は、例えば、ステンレスなどの金属から形成されている棒状の部材である。プランジャ25は、加圧室213に接続するようポンプハウジング21に形成されたシリンダ部の内側に一端が挿入されるようにして設けられている。プランジャ25は、外壁が当該シリンダ部の内壁と摺動可能であり、シリンダ部の内壁によって軸方向に往復移動可能に支持されている。プランジャ25が軸方向に往復移動すると、加圧室213の容積が変化する。
リリーフ弁1は、吐出通路214と燃料室211との間に設けられている。リリーフ弁1は、吐出通路214の燃料の圧力がリリーフ圧としての開弁圧以上になると開弁し、吐出通路214の燃料を燃料室211に戻す。リリーフ弁1の詳細な構成は後述する。
高圧ポンプ20では、車両の内燃機関のカムシャフト17に設けられたカム18にプランジャ25の他端が当接するよう設けられる。高圧ポンプ20は、プランジャ25をカム18側に付勢するスプリング251を備えている。内燃機関が運転しているとき、クランクシャフトに同期してカムシャフト17及びカム18が回転し、プランジャ25が軸方向に往復移動する。
吸入弁22が開弁した状態でプランジャ25がカム18側に移動すると、加圧室213の容積が増大し、吸入通路212内の燃料が加圧室213に吸入される。また、吸入弁22が開弁した状態で、プランジャ25がカム18とは反対側に移動すると、加圧室213の容積が減少し、加圧室213内の燃料は、吸入通路212に戻される。
一方、吸入弁22が閉弁した状態で、プランジャ25がカム18とは反対側に移動すると、加圧室213の容積が減少し、加圧室213内の燃料は、圧縮され加圧される。加圧室213内の燃料の圧力が吐出弁23の開弁圧以上になると、吐出弁23が開弁し、燃料が加圧室213から吐出通路214に吐出される。
燃料レール15に接続する配管14は、吐出通路214に接続するようポンプハウジング21に接続される。加圧室213で加圧された燃料は、吐出通路214及び配管14を経由して燃料レール15に供給される。これにより、燃料レール15には高圧の燃料が蓄えられることとなる。
次に、リリーフ弁1の構成について、図1に基づき詳細に説明する。
リリーフ弁1は、弁ハウジング30、弁部材40、「第一付勢部材」としてのスプリング45、「規制部材」としてのアジャスティングパイプ50などを備える。なお、図1には、弁部材40が有する傾斜面431が弁ハウジング30が有する「弁座」としての内壁311に当接するよう移動する方向を「閉弁方向」とし、傾斜面431が内壁311から離間するよう移動する方向を「開弁方向」として図示する。
弁ハウジング30は、例えば、ステンレスなどの金属から形成されている。弁ハウジング30は、「弁座部材」としての弁座部31、第一筒部32、第二筒部33、プラグ34などから形成されている。本実施形態では、弁座部31、第一筒部32及び第二筒部33は、高圧ポンプ20のポンプハウジング21と一体に略有底筒状に形成されている。第一筒部32、第二筒部33及びプラグ34は、特許請求の範囲に記載の「弁ボディ」に相当する。
弁座部31は、弁ハウジング30が有する内部空間300を形成する第一筒部32の第二筒部33とは反対側に設けられている。弁座部31は、吐出通路214と連通する通孔310を有する。通孔310を形成する弁座部31の吐出通路214とは反対側の内壁311は、吐出通路214側から内部空間300に向かうにつれて内径が大きくなるよう形成されている
第一筒部32は、弁部材40を往復移動可能に収容する略筒状の部位である。第一筒部32は、内壁320が弁部材40の径方向外側の外壁421と摺動可能に形成されている。第一筒部32は、弁座部31が設けられる側とは反対側の内部にアジャスティングパイプ50が圧入されている。
第一筒部32は、内壁320の弁部材40が摺動可能な部位に内部空間300と燃料室211とを連通する第一連通路321及び第二連通路322を有する。第一連通路321は、第二連通路322に比べて通孔310の近くに形成されている。第二連通路322は、弁部材40の傾斜面431と弁座部31の内壁311とが当接しているとき、弁部材40とアジャスティングパイプ50との間の内壁320に形成されている。
第二筒部33は、第一筒部32の弁座部31とは反対側に設けられる筒状の部位である。第二筒部33は、内径が第一筒部32に比べ大きくなるよう形成されている。第二筒部33の内壁331にはねじ溝が形成されている。
プラグ34は、第二筒部33の第一筒部32とは反対側に設けられ、弁座部31、第一筒部32及び第二筒部33とともに内部空間300を形成する。プラグ34は、大外径部341、小外径部342、筒部343などを有する。大外径部341、小外径部342及び筒部343は、一体に形成されている。
大外径部341は、断面が略六角形の柱状の部位である。大外径部341は、第二筒部33の第一筒部32が設けられる側とは反対側の開口を塞ぐよう設けられる。
小外径部342は、大外径部341の内壁311側に設けられる略円板状の部位である。小外径部342は、外径が大外径部341の外径に比べ小さくなるよう形成されている。小外径部342は、外径が第二筒部33の内径と略同等となるよう形成されている。これにより、小外径部342に第二筒部33内に挿入されている。
筒部343は、小外径部342の内壁311側に設けられる略筒状の部位である。筒部343は、外径が第二筒部33の内径と略同等となるよう形成されている。筒部343の外壁344には、ねじ溝が形成されている。当該ねじ溝は、第二筒部33の内壁331に形成されているねじ溝と係合可能なねじ溝である。これにより、プラグ34は、第二筒部33とねじ結合している。筒部343は、内側にアジャスティングパイプ50の端部を挿入可能なパイプ挿入空間345を有する。パイプ挿入空間345は、プラグ34の内壁311側で内部空間300と連通している。
弁部材40は、例えば、ステンレスなどの金属から有底筒状に形成されている。弁部材40は、第一筒部32内に往復移動可能に収容されている。弁部材40は、内部空間300を弁部材40の内壁311側の「第一室」としての受圧室301と弁部材40の内壁311とは反対側の「第二室」としての背圧室302とに区画している。受圧室301は、通孔310及び第一連通路321と連通可能に形成されている。背圧室302は、第二連通路322に連通可能に形成されている。弁部材40は、底部41、摺動部42、「シール部材」としてのシール部43などから形成されている。底部41、摺動部42及びシール部43は、一体に形成されている。底部41及び摺動部42は、特許請求の範囲に記載の「支持部材」に相当する。
底部41は、弁部材40が往復移動する方向、すなわち、リリーフ弁1の中心軸CA1の方向に対して略垂直に形成されている円板状の部位である。底部41は、外径が第一筒部32の内径に比べ小さくなるよう形成されている。底部41の一方の面411にはシール部43が設けられている。一方の面411は、リリーフ弁1が開弁しているとき、吐出通路214の流体の圧力が作用する受圧面となる。底部41の他方の面412にはスプリング45の一端が当接している。
摺動部42は、底部41の他方の面412側に設けられる略筒状の部位である。摺動部42は、径方向外側の外壁421が第一筒部32の内壁320に摺動可能である。これにより、摺動部42に支持されている底部41及びシール部43は、弁ハウジング30によって往復移動が案内される。
シール部43は、底部41の一方の面411側に設けられる。シール部43は、一方の面411から弁座部31に向かって突出するよう形成されている。シール部43は、底部41とは反対側の先端の角部に中心軸CA1に対して傾斜するよう形成されている傾斜面431を有する。
傾斜面431は、弁座部31の内壁311に当接可能に形成されている。傾斜面431と内壁311とが当接すると吐出通路214と受圧室301との間の燃料の流れが規制される。傾斜面431と内壁311とが離間すると吐出通路214と受圧室301との間の燃料の流れを許容する。弁座部31側の先端面432は、リリーフ弁1が閉弁しているとき、吐出通路214の流体の圧力が作用する受圧面となる。
スプリング45は、例えば、コイルスプリングである。スプリング45は、弁部材40及びアジャスティングパイプ50の内部に収容されている。一端が弁部材40の他方の面412に当接し、他端がアジャスティングパイプ50に当接している。スプリング45は、傾斜面431と内壁311とが当接するよう弁部材40を付勢する。
アジャスティングパイプ50は、例えば、ステンレスなどの金属から有底筒状に形成され、弁部材40の内壁311とは反対側に設けられている。アジャスティングパイプ50は、筒部51、底部52などを有している。筒部51及び底部52は、一体に形成されている。
筒部51は、外径が第一筒部32の内径と同等、または、第一筒部32の内径よりやや大きくなるよう形成されている筒状の部位である。筒部51は、弁部材40側及び弁部材40と反対側に開口を有する。筒部51は、例えば、溶接または圧入などにより第一筒部32の内側に固定されている。
底部52は、筒部51の弁部材40とは反対側の開口を塞ぐよう設けられている。底部52及び筒部51の一部は、プラグ34のパイプ挿入空間345に挿入されている。このとき、底部52及び筒部51の一部とプラグ34との間には隙間が形成されている。底部52は、中央に筒部51の内部と外部とを連通する孔520を有している。底部52の弁部材40側の底面521には、スプリング45の他端が当接している。これにより、アジャスティングパイプ50の第一筒部32に対する固定位置を変更すると、スプリング45の付勢力が調整される。
また、第一実施形態のアジャスティングパイプ50は、開弁時、弁部材40の開弁方向への移動を規制する。具体的には、開弁方向に移動する弁部材40のアジャスティングパイプ50側の端面422がアジャスティングパイプ50の弁部材40側の端面511に当接すると、弁部材40の開弁方向への移動が規制される。
次に、本実施形態の高圧ポンプ20の作動について、図2に基づき説明する。
「吸入工程」
駆動部24への電力の供給が停止されているとき、吸入弁22の弁部材222は、駆動部24によって加圧室213側へ付勢されている。これにより、弁部材222は、弁座221から離間しており、吸入弁22は開弁している。この状態で、プランジャ25がカム18側に移動すると、加圧室213の容積が増大し、吸入通路212の燃料は、加圧室213に吸入される。
「調量工程」
吸入弁22が開弁した状態でプランジャ25がカム18とは反対側に移動すると、加圧室213の容積が減少し、加圧室213の燃料は、吸入通路212に戻される。調量工程の途中において駆動部24に電力を供給すると、吸入弁22は閉弁する。この吸入弁22を閉弁するタイミングによって加圧室213から吸入通路212に戻される燃料の量が調整され、加圧室213で加圧される燃料の量が決定される。
「加圧工程」
吸入弁22が閉弁した状態でプランジャ25がカム18とは反対側にさらに移動すると、加圧室213の容積が減少し、加圧室213の燃料は、加圧される。加圧室213の燃料の圧力が吐出弁23の開弁圧以上になると、吐出弁23が開弁し、燃料が加圧室213から吐出通路214に吐出される。
駆動部24への電力の供給が停止され、プランジャ25がカム18側に移動すると、吸入弁22は再び開弁する。これにより、燃料を加圧する加圧工程が終了し、吸入通路212から加圧室213に燃料が吸入される吸入工程が再開する。
上記の「吸入工程」、「調量工程」、「加圧工程」を繰り返すことにより、高圧ポンプ20は、吸入した燃料タンク12内の燃料を加圧及び吐出し、燃料レール15に供給する。高圧ポンプ20から燃料レール15への燃料の供給量は、駆動部24への電力の供給タイミングなどを制御することによって調節される。
例えば、駆動部24への電力の供給が停止された状態のままプランジャ25の往復移動が所定期間継続すると、吸入弁22は開弁状態を維持しているため、加圧室213での燃料の加圧は行われず、燃料は高圧ポンプ20から燃料レール15に供給されない。また、弁部材222の固着など何らかの原因により吸入弁22が開弁状態を維持している場合、加圧室213での燃料の加圧は行われず、燃料は高圧ポンプ20から燃料レール15に供給されない。また、弁部材222の固着など何らかの原因により吸入弁22が閉弁状態を維持している場合、加圧室213に燃料は吸入されなくなるため、燃料の加圧は行われず、燃料は高圧ポンプ20から燃料レール15に供給されない。
一方、例えば、駆動部24への電力の供給が所定期間継続すると、吸入弁22は閉弁状態を維持するため、燃料は、加圧室213で加圧され、高圧ポンプ20から燃料レール15に供給され、吐出通路214、配管14、燃料レール15内の燃料の圧力が増大していく。また、連続通電や駆動部の故障などによって吸入弁22の弁部材222が加圧室213の圧力に応じて駆動すると、加圧は継続される。
次に、本実施形態のリリーフ弁1の作動について図1、3に基づき説明する。
吐出通路214の燃料の圧力がリリーフ弁1の開弁圧より小さいとき、図1に示すように、弁部材40の傾斜面431と弁座部31の内壁311とが当接している。このとき、第一連通路321は、図1に示すように、内部空間300側の開口323が弁部材40によって塞がれている。また、第二連通路322は、内部空間300側の開口324が弁部材40とアジャスティングパイプ50との間の内壁320に位置しているため、内部空間300と燃料室211とを連通している。これにより、背圧室302には燃料室211の流体の圧力と同じ圧力の流体が滞留している。
吐出通路214の燃料の圧力が開弁圧以上になると、傾斜面431が内壁311から離間する。傾斜面431が内壁311から離間すると、通孔310を介して受圧室301に吐出通路214の燃料が流入する。このとき、弁部材40には、吐出通路214の燃料の圧力と弁部材40の一方の面411の面積及び先端面432の面積の積に相当する力、背圧室302の燃料の圧力と弁部材40他方の面412の面積及び端面422の面積の積に相当する力、並びに、スプリング45の付勢力が作用する。弁部材40は、これらの力のバランスに応じて内壁311から離間する方向、すなわち、開弁方向に加速しつつ移動する。
弁部材40が開弁方向に移動すると、受圧室301と第一連通路321とが連通する。これにより、吐出通路214の燃料は、通孔310、受圧室301、及び、第一連通路321を介して燃料室211に流入する。このとき、背圧室302は、第二連通路322を介して燃料室211に連通しているため、背圧室302に滞留している燃料の一部は開弁方向に移動する弁部材40に押し出され、燃料室211に流入する。
弁部材40が開弁方向にさらに移動すると、図3に示すように、受圧室301と第一連通路321とが連通したまま、弁部材40が第二連通路322の開口324と重なる。これにより、開口324の開口面積が小さくなるため、背圧室302に滞留する燃料が燃料室211に流出しにくくなる。このとき、弁部材40の開弁方向への移動によって背圧室302に滞留している燃料が加圧されるため、弁部材40の開弁方向への移動速度は低下する。開弁方向に移動する弁部材40は、端面422がアジャスティングパイプ50の端面511に当接する前に弁部材40の開弁方向への移動が停止する。
吐出通路214の燃料の圧力が低下すると、弁部材40は、スプリング45の付勢力によって閉弁方向に移動する。弁部材40が閉弁方向に移動すると、受圧室301と第一連通路321とが遮断されるとともに、傾斜面431と内壁311とが当接する。これにより、リリーフ弁1は、閉弁する。
図4に、開弁時の弁部材40のリフト量に対する弁部材40の移動速度及び開口324の実質的な開口面積との関係を示す。図4では、横軸を弁部材40のリフト量とし、第一の縦軸を弁部材40の移動速度とし、第二の縦軸を開口324の実質的な開口面積とする。図4には、リリーフ弁1における弁部材40の移動速度を実線G11で示し、開口324の実質的な開口面積を点線G12で示す。また、図4には、比較例として第二連通路の内部空間側の開口が弁部材の移動によって重ならない位置に形成されているリリーフ弁における弁部材の移動速度を二点鎖線G0で示す。
ここで、弁部材40のリフト量とは、閉弁状態の弁部材40が開弁方向に移動した距離であって、具体的には、傾斜面431と内壁311とが当接しているときの弁部材40の端面422の位置を原点とし、当該原点から開弁方向の距離を指す。図4には、閉弁時の弁部材40の端面422とアジャスティングパイプ50の端面511との間の距離を距離L10として示している。
また、開口324の実質的な開口面積とは、弁部材40との重なりによって開口324と内部空間300とが実際に連通している部分の面積である。弁部材40と重なっていないときの開口324の実質的な開口面積は開口324の実際の面積である面積A324であり、弁部材40と開口324の全部とが重なっているときの開口324の実質的な開口面積は0となる。
図4に示すように、閉弁時、すなわち、弁部材40のリフト量が0のとき、弁部材40の開弁方向への移動速度は0であり、開口324の実質的な開口面積は、面積A324となる。
吐出通路214の燃料の圧力が開弁圧以上になると弁部材40は開弁方向への移動を開始する。吐出通路214の燃料が受圧室301に流入すると弁部材40に作用する力は大きくなるため、弁部材40は開弁方向に加速しつつ移動する。
比較例のリリーフ弁では、加速しつつ移動する弁部材は、減速することなく比較的速い移動速度を保ったままアジャスティングパイプに衝突する。このため、衝突の衝撃によるアジャスティングパイプのずれや座屈、破損などの不具合が発生するおそれがある。
一方、本実施形態のリリーフ弁1では、弁部材40のリフト量がリフト量L11より長くなると開口324と弁部材40とが少しずつ重なるため、開口324の実質的な開口面積は弁部材40リフト量が増加するに従って徐々に小さくなる(図4のリフト量L11とリフト量L12との間の点線G12参照)。ここで、リフト量L11は、図1に示すように、閉弁時における弁部材40の端面422と開口324の内壁311側の縁部325との距離である。
弁部材40がさらに開弁方向に移動し弁部材40のリフト量がリフト量L12になると、弁部材40と開口324の全部とが重なるため開口324の実質的な開口面積は0となる。これにより、第二連通路322を介して背圧室302から燃料室211に流れる燃料の量は0となる。ここで、リフト量L12は、図1に示すように、閉弁時における弁部材40の端面422と開口324の内壁311とは反対側の縁部326との距離である。
この後、弁部材40は、さらに開弁方向に移動し続けるが、燃料室211に流出することができない背圧室302の燃料のダンパ効果によって弁部材40の移動速度は遅くなる。これにより、弁部材40の移動速度は徐々に低下し、アジャスティングパイプ50と衝突する前に弁部材40は開弁方向への移動が停止する。
このように、リリーフ弁1では、開弁直後には背圧室302の燃料を燃料室211に流入させ、背圧室302の燃料に影響されることなく弁部材40を開弁方向にスムーズに移動させる。その後、弁部材40のリフト量がリフト量L11になると、開口324を徐々に閉じることで背圧室302の燃料を圧縮する。圧縮された背圧室302の燃料は、開弁方向に移動する弁部材40に対してダンパとして機能するため、弁部材40の移動速度が低下し、アジャスティングパイプ50との衝突を防止する。これにより、弁部材40との衝突によるアジャスティングパイプ50のずれや座屈、破損などの不具合の発生を防止することができる。
また、リリーフ弁1では、閉弁時における弁部材40の端面422と開口324の縁部325との距離L11が閉弁時の弁部材40の端面422とアジャスティングパイプ50の端面511との距離L10に比べ短くなるよう第二連通路322が形成されている。これにより、弁部材40の移動速度をアジャスティングパイプ50に衝突する前に確実に低下させることができる。
また、リリーフ弁1では、閉弁時における弁部材40の端面422と開口324の縁部326との距離L12が距離L10に比べ短くなるよう第二連通路322は形成されている。これにより、弁部材40がアジャスティングパイプ50に当接する前に弁部材40と開口324の全部に重なるため、背圧室302の流体によるダンパ効果をさらに強くすることができる。したがって、弁部材40の移動速度をアジャスティングパイプ50に衝突する前に確実に低下させることができる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態によるリリーフ弁装置を図5に基づき説明する。第二実施形態では、皿ばねを備える点が第一実施形態と異なる。
「リリーフ弁装置」としてのリリーフ弁2は、弁ハウジング30、弁部材40、スプリング45、アジャスティングパイプ50、「第二付勢部材」としての皿ばね60などを備える。なお、図5には、弁部材40の傾斜面431が弁ハウジング30の内壁311に当接するよう移動する方向を「閉弁方向」とし、傾斜面431が内壁311から離間するよう移動する方向を「開弁方向」として図示する。
皿ばね60は、アジャスティングパイプ50の弁部材40側に設けられている。皿ばね60は、弁部材40を閉弁方向に付勢可能な付勢力を有する。開弁方向に移動する弁部材40が皿ばね60に衝突すると皿ばね60の付勢力によって弁部材40の開弁方向への移動速度が低下する。
リリーフ弁2では、背圧室302の燃料によるダンパ効果に加えて皿ばね60の付勢力によって弁部材40の開弁方向への移動速度を低下させることができる。これにより、リリーフ弁2では、アジャスティングパイプ50のずれや座屈、破損などの不具合の発生をさらに防止することができる。したがって、リリーフ弁2は、第一実施形態の効果を奏する。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態によるリリーフ弁装置を図6、7に基づき説明する。第三実施形態では、スプリングが第一実施形態と異なる。
「リリーフ弁装置」としてのリリーフ弁3は、弁ハウジング30、弁部材40、スプリング65、アジャスティングパイプ50などを備える。なお、図6には、弁部材40の傾斜面431が弁ハウジング30の内壁311に当接するよう移動する方向を「閉弁方向」とし、傾斜面431が内壁311から離間するよう移動する方向を「開弁方向」として図示する。
スプリング65は、弁部材40及びアジャスティングパイプ50の内部に収容されている。一端が弁部材40の他方の面412に当接し、他端がアジャスティングパイプ50の底面521に当接している。スプリング65は、傾斜面431と内壁311とが当接するよう弁部材40を付勢する。
スプリング65は、いわゆる、不等ピッチコイルスプリングであって、図6に示すように、弁部材40側の隣り合う線材のピッチとアジャスティングパイプ50側の隣り合う線材のピッチとが異なる。スプリング65では、アジャスティングパイプ50側の隣り合う線材のピッチの方が弁部材40側の隣り合う線材のピッチに比べ狭い。これにより、スプリング65は、たわみ量が所定のたわみ量より大きくなるとばね定数が大きくなる。
図7にスプリング65のたわみ量に対するスプリング65の荷重の変化を示す。図7では、横軸をスプリング65の自然長からのたわみ量とし、縦軸をスプリング65が弁部材40に作用させる荷重とする。横軸には、傾斜面431と内壁311とが当接しているときのスプリング65のたわみ量をたわみ量D31とし、弁部材40とアジャスティングパイプ50とが当接可能な位置でのスプリング65のたわみ量をたわみ量D32として示す。
閉弁時、すなわち、傾斜面431と内壁311とが当接しているときのスプリング65の荷重は、荷重F31となっている。この荷重によって弁部材40は内壁311に押し付けられている。
開弁時、弁部材40が開弁方向に移動すると、スプリング65のたわみ量は大きくなるため、荷重も大きくなる。スプリング65ではたわみ量がたわみ量D33より大きくなるとスプリング65のばね定数が大きくなる。具体的には、図7に示すように、スプリング65のたわみ量がたわみ量D33のとき荷重は荷重F33となる一方、たわみ量がたわみ量D32になると荷重は荷重F32となることから、以下の関係式(1)が成立する。
(F33−F31)/(D33−D31)<(F32−F33)/(D32−D33)
・・・(1)
これにより、アジャスティングパイプ50と当接する直前の弁部材40は、開弁直後に比べて大きな荷重が作用するため、開弁方向への移動速度がさらに低下する。
リリーフ弁3では、背圧室302の燃料によるダンパ効果に加えて一定程度圧縮されるとばね定数が大きくなるスプリング65の付勢力によって弁部材40の開弁方向への移動速度を低下させることができる。これにより、リリーフ弁3では、アジャスティングパイプ50のずれや座屈、破損などの不具合の発生をさらに防止することができる。したがって、リリーフ弁3は、第一実施形態の効果を奏する。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、リリーフ弁は、内燃機関に高圧の燃料を供給する高圧ポンプに適用されるとした。しかしながら、リリーフ弁が適用される装置はこれに限定されない。比較的高圧となっている第一空間の流体を当該流体の圧力に応じて第一空間とは異なる空間である第二空間に送り、第一空間の流体の圧力を低減可能なよう設けられていればよい。
上述の実施形態では、弁部材が開弁方向に移動するとき、受圧室と第一連通路とが連通したまま、弁部材と第二連通路の開口とが重なるとした。しかしながら、弁部材と第二連通路の開口とが重なるとき、受圧室と第一連通路とが連通したままでなくてもよい。
上述の実施形態では、弁部材は、アジャスティングパイプと当接する前に開弁方向への移動が停止するとした。しかしながら、弁部材は、アジャスティングパイプに当接してもよい。このときでも、背圧室の燃料のダンパ効果によって弁部材との衝突によるアジャスティングパイプへの衝撃は緩和されるため、アジャスティングパイプのずれや座屈、破損などの不具合の発生を防止することができる。
上述の実施形態では、アジャスティングパイプが弁部材の開弁方向への移動を規制するとした。しかしながら、弁部材の開弁方向への移動を規制する規制部材はこれに限定されない。アジャスティングパイプとは別異に設けられてもよい。
上述の実施形態では、距離L12が距離L10に比べ短くなるよう第二連通路322が形成されているとした。しかしながら、距離L12と距離L10との位置関係はこれに限定されない。開口324の縁部326がアジャスティングパイプ50の端面511に比べ弁部材40の端面422から離れた位置に形成されていてもよい。また、上述の実施形態では、開弁方向に移動する弁部材40は、開口324の全部に重なるとした。しかしながら、弁部材40は、開口324の全部に重ならなくてもよい。弁部材40と開口324の一部とでも重なると、背圧室302から燃料室211への燃料の流入が規制されるため、背圧室302の燃料によるダンパ効果を発揮することができる。
また、閉弁時、最初から弁部材40と開口324とが重なっていてもよいし、開弁直後に弁部材40と開口324とが重なってもよい。すなわち、上述の実施形態における距離L11が0であってもよい。
上述の実施形態では、第一連通路及び第二連通路は、それぞれ一つずつであるとした。第一連通路及び第二連通路は、複数あってもよい。
上述の実施形態では、弁部材は、スプリングによって閉弁方向に付勢されるとした。弁部材を閉弁方向に付勢する第一付勢部材は、スプリングでなくてもよい。
上述の実施形態では、弁部材及びアジャスティングパイプは、有底筒状に形成されるとした。しかしながら、弁部材及びアジャスティングパイプの形状はこれに限定されない。
上述の実施形態では、「弁座部材」としての弁座部と「弁ボディ」としての第一筒部などとは弁ハウジングとして一体に形成されるとした。しかしながら、弁座部材と弁ボディとは別体に形成されてもよい。
図8に第一実施形態の変形例として、弁座部材と弁ボディとが別体となっているリリーフ弁1を示す。リリーフ弁1が備える弁ハウジング30は、第一筒部32、第二筒部33、及び、プラグ34を有する。弁ハウジング30には、吐出通路214が形成されている。また、弁ハウジング30の内部には、弁ハウジング30とは別体に形成される弁座部材35が設けられている。弁座部材35は、吐出通路214と連通する通孔350を有する。通孔350を形成する弁座部材35の吐出通路214とは反対側の内壁351は、吐出通路214側から内部空間300に向かうにつれて内径が大きくなるよう形成されている。内壁351には、傾斜面431が当接可能である。
上述の実施形態では、「シール部材」としてのシール部と「支持部材」としての底部及び摺動部とは一体に形成されるとした。しかしながら、シール部材と支持部材とは別体に形成されてもよい。
図9に第一実施形態の変形例として、シール部材と支持部材とが別体となっているリリーフ弁1を示す。リリーフ弁1が備える弁部材40は、底部41及び摺動部42を有する。また、底部41の一方の面411には、シール部材46が嵌合可能な孔413が形成されている。シール部材46は、略球状に形成されている。シール部材46の外壁面のうち外壁面461は内壁311に当接可能に形成されている。また、シール部材46の外壁面のうち吐出通路214側の外壁面462は、リリーフ弁1が閉弁しているとき、吐出通路214の流体の圧力が作用する受圧面となる。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3・・・リリーフ弁(リリーフ弁装置)
31・・・弁座部(弁座部材)
302・・・背圧室(第二室)
310・・・通孔
311・・・内壁(弁座)
32・・・第一筒部(弁ボディ)
322・・・第二連通路
35・・・弁座部材
41・・・シール部(シール部材)
43・・・摺動部(支持部材)
46・・・シール部材

Claims (6)

  1. 第一空間(214)と前記第一空間とは異なる空間である第二空間(211)とに接続するよう設けられ、前記第一空間の流体の圧力を低減可能なリリーフ弁装置(1、2、3)であって
    前記第一空間に連通する通孔(310、350)、及び、前記通孔の前記第一空間とは反対側の周囲に形成される弁座(311、351)を有する弁座部材(31、35)と、
    前記弁座部材の前記弁座側に設けられ、前記第二空間に連通する第一連通路(321)、前記通孔と前記第一連通路とに連通可能な第一室(301)、前記第一連通路に比べ前記通孔から離れた位置に形成され前記第一連通路とは別異に前記第二空間に連通する第二連通路(322)、及び、前記第二連通路に連通可能な第二室(302)を有する弁ボディ(32、33、34)と、
    前記弁ボディ内を往復移動可能に設けられ、前記弁座に当接すると前記第一空間と前記第二空間との間の流体の流れを規制し、前記弁座から離間すると前記第一連通路を介した前記第一空間と前記第二空間との間の流体の流れを許容するシール部材(43、46)と、
    前記シール部材を支持しつつ前記弁ボディ内を往復移動可能に設けられ、前記弁ボディ内を前記第一室と前記第二室とに区画しつつ前記第二連通路の前記第二室側の開口(324)を有する前記弁ボディの内壁(320)に摺動可能な支持部材(41、42)と、
    前記シール部材と前記弁座とが当接するよう前記支持部材を付勢する第一付勢部材(45、65)と、
    前記シール部材が前記弁座から離間する方向である開弁方向への前記支持部材の移動を規制可能な規制部材(50)と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記シール部材が前記弁座から離間するとき、前記第二連通路の前記第二室側の開口(324)の開口面積を小さくするよう移動するリリーフ弁装置。
  2. 前記シール部材と前記弁座とが当接しているとき、前記開口の前記弁座とは反対側の縁部(326)と前記支持部材の前記弁座とは反対側の端面(422)との間の距離(L12)は、前記支持部材の前記弁座とは反対側の端面と前記規制部材の前記弁座側の端面(511)との間の距離(L10)に比べ短い請求項1に記載のリリーフ弁装置。
  3. 前記支持部材が前記開口の開口面積を小さくするとき、前記第一空間と前記第二空間とは、前記通孔、前記第一室、及び、前記第一連通路を介して連通している請求項1または2に記載のリリーフ弁装置。
  4. 前記支持部材と前記規制部材との間に設けられ、前記支持部材を前記シール部材と前記弁座とが当接する方向である閉弁方向に付勢可能な第二付勢部材(60)をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のリリーフ弁装置。
  5. 前記第一付勢部材は、たわみ量が大きくなるとばね定数が大きくなる請求項1〜4のいずれか一項に記載のリリーフ弁装置。
  6. 流体を吸入し加圧する加圧室(213)、前記加圧室に吸入される流体が流れる吸入通路(212)、及び、前記加圧室で加圧され吐出される流体が流れる吐出通路を有するハウジング(21)と、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のリリーフ弁装置と、
    前記吸入通路と前記加圧室との間に設けられ、前記加圧室で加圧される流体の量を調整可能な吸入弁(22)と、
    前記加圧室と前記吐出通路との間に設けられ、前記加圧室で加圧された流体を外部に吐出可能な吐出弁(23)と、
    を備え、
    前記第一空間は、前記吐出通路、または、前記吐出通路に連通する空間である高圧ポンプ。
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