JP2017101262A - 金属酸化物膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】緻密な金属酸化物膜を形成する技術を提供することである。【解決手段】n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物を気化させ、前記n(nは2以上の整数)量体の気化した金属有機化合物を単量体の金属有機化合物に解離させた後、前記金属有機化合物を基体に付着させ、前記基体に付着した金属有機化合物を金属酸化物に変化させる為の化合物を供給して該金属有機化合物を金属酸化物に変化させる。【選択図】図1

Description

本発明は金属酸化物膜形成方法に関する。
膜形成方法として、原子層堆積法(ALD)が知られている。ALDはCVD(化学気相成長法)の一種である。それは、ガス(chemical vapor)を利用しているからである。CVDでは、ガスが、そのまま、堆積して行く。しかし、ALDでは、1層ずつ成膜される。成膜時の温度は、CVDにあっては、約400〜900℃であるのに対して、ALDにあっては、約150〜400℃である。プラズマを利用すると、前記温度は更に低くなる。従って、膜が形成される基体(基板)が耐熱性に劣る材料(例えば、プラスチック)の場合、ALDの採用は好ましい。基体が穴(アスペクト比(深さ/径)が大きな穴)を有する場合にも、ALDの採用は好ましい。例えば、100nm以下のサイズの穴の内部に膜を形成する場合、ALDの採用が好ましい。原子レベルの極薄の成膜の場合にも、ALDの採用が好ましい。
ALDによるAl膜の成膜は次のように行われる。チャンバー内に前駆体が供給される。前駆体は金属有機化合物(例えば、TMA(トリメチルアルミニウム)等の有機アルミニウム)である。これによって、TMAが基体の表面に吸着(1層分だけ吸着)する。この後、排気が行われる。これによって、不要な(未吸着:遊離)前駆体(TMA)はチャンバーからパージされる。この後、反応性ガス(例えば、水蒸気(或いは、オゾン等))が供給される。これによって、前記反応性ガス(水蒸気)と前記吸着分子(TMA)とが反応する。この後、排気が行われる。これによって、不要な水蒸気はチャンバーから排気される。前記4ステップ(TMAの供給→排気(未吸着(遊離)TMAのパージ)→水蒸気の供給→排気(水蒸気、及びTMAとHOとの反応で生成した気体のパージ)によって、基体上に原子層(Al膜)が形成される。1サイクル(前記4ステップ)で形成された1層のAl膜は、約0.1nm厚である。従って、10nm厚(100層)のAl膜を形成しようとした場合、前記1サイクル(前記4ステップ)が100回繰り返される。これによって、緻密なAl膜が得られる。ここで、緻密とは、原子レベルでの拡散が少ないことを意味する。例えば、原子(又は、分子)が膜を透過し難いことを意味する。例えば、ガスバリア性が高いことを意味する。
ところで、無機材料や金属材料に比べて、プラスチック(樹脂)にあっては、酸素や水分が透過し易い。この為、容器をプラスチックで構成した場合、容器内部に酸素や水分が侵入してしまう。この為、プラスチック製容器内に収納された製品は経年劣化を免れない。このようなことから、プラスチックの表面に膜(ガスバリア性が高い材料の膜)を形成することが提案されている。例えば、プラスチックの表面にAl膜を形成することが提案されている。Al膜形成方法としてALDの採用が考えられた。
Chem.Mater.2004,16,639-645
しかし、これまでのALDで形成されたAl膜は、実際には、緻密なものではなかった。すなわち、表面にAl膜が形成されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムのガスバリア性(拡散防止性)は高いものではなかった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記の問題点を解決することである。すなわち、緻密な(例えば、ガスバリア性(拡散防止性)が高い)金属酸化物膜を形成する技術を提供することである。
前記問題点に対する検討が、鋭意、推し進められた。TMAを用いてALDによりAl膜を形成する場合、先ず、TMAが基体(PET)表面に付着(吸着)する。この時、二量体のTMAがPET表面に付着していると想像された。TMAは、25℃では液体であり、沸点(122〜125℃)以上では気体である。TMA(単量体)は(CHAlで表される(下記式(I)参照)。しかし、TMAは、液体状態でも、気体状態でも、通常、二量体(下記式(II)参照)である。
式(I)
式(II)
PETフィルム表面に吸着したTMAは上記式(II)で表される二量体であるが故に、形成されたアルミナ膜の緻密度が劣っているのであろうと想像された。すなわち、二量体(TMA)が付着した場合と、単量体(TMA)が付着した場合とを比べると、前者の場合には、配列の乱れや、欠陥が多いであろうことが予想できる。
TMA(二量体)の解離エネルギーは20.2kcal/molである旨の報告がある。そこで、十分な解離エネルギーがTMA(二量体)に与えられた。例えば、気体状態のTMA(二量体)が十分に加熱された。これによって、二量体(式(II)参照)が解離することが判った。すなわち、単量体(式(I)参照)が得られた。
前記TMAを加熱して長時間が経過する前(単量体(TMA)が会合して二量体(TMA)となる前)に、TMA(単量体)をPETフィルム表面に付着させた。この後、遊離TMAのパージ、水蒸気供給と言った通常のALD工程が行われた。このようにして得られたアルミナ膜は緻密(高ガスバリア性)なことが判った。
上記知見を基にして本発明が達成された。
本発明は、
n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物を気化させ、前記n(nは2以上の整数)量体の気化した金属有機化合物を単量体の金属有機化合物に解離させた後、前記金属有機化合物を基体に付着させ、前記基体に付着した金属有機化合物を金属酸化物に変化させる為の化合物を供給して該金属有機化合物を金属酸化物に変化させる
ことを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、n(nは2以上の整数)量体の気化した金属有機化合物に解離エネルギーを与えることによって、前記n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物が単量体の金属有機化合物に解離することを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記解離エネルギーが熱であることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記熱が150〜330℃の加熱であることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記解離エネルギーが電磁波であることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記解離エネルギーが光であることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、
金属有機化合物を気化させる第1工程と、
気化した金属有機化合物を150〜330℃に加熱する第2工程と、
加熱された金属有機化合物を容器内の基体に付着させる第3工程と、
基体に付着していない金属有機化合物を容器内から排出する第4工程と、
容器内に水蒸気を供給し、前記水蒸気と基体に付着している金属有機化合物とを反応させ、金属有機化合物を金属酸化物に変化させる第5工程
とを具備することを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記第5工程で生じた気体と残存水蒸気とを排出する第6工程を更に具備し、前記第1工程から第6工程を繰返して行うことを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物に不活性な物質の加熱流体を金属有機化合物に供給することによって、加熱が行われることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物を加熱流路内に案内することによって、加熱が行われることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物に光を照射することによって、加熱が行われることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物を加熱体に衝突させることによって、加熱が行われることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物を基体に付着させる際の基体の温度が330℃以下であることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物を金属酸化物に変化させる為に供給された化合物は、その温度が100〜330℃であることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記金属有機化合物が有機アルミニウムであることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記有機アルミニウムがアルキルアルミニウムであることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
本発明は、前記金属酸化物膜形成方法であって、前記基体の材料がプラスチックであることを特徴とする金属酸化物膜形成方法を提案する。
緻密な酸化膜が得られた。
ALD装置の概略図
本発明は金属酸化物膜形成方法である。金属酸化物は、例えばAlである。勿論、アルミナに限られない。金属有機化合物として存在し得る金属は全て対象となる。Alの他には、例えばZn,Ti,Mg,Li,Y,La,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Cu,Ag,Si,Ge,Sn,Bi等が挙げられる。金属酸化物膜の形成には、例えばALDが用いられた。金属酸化物膜の形成には、金属有機化合物が用いられた。前記金属有機化合物としては、例えばアルキル金属化合物が挙げられる。前記金属有機化合物としては、例えば有機アルミニウムが挙げられる。前記有機アルミニウムとしては、例えばアルキルアルミニウムが挙げられる。前記アルキル基は、例えば炭素数が1〜5である。前記アルキルアルミニウムとしては、例えばTMAが挙げられる。前記金属有機化合物は、通常、n(nは2以上の整数)量体を構成する。例えば、2量体または3量体が挙げられる。前述の通り、TMAは、通常、二量体である。前記金属酸化物膜が形成される基体の材料は何であっても良い。本発明では、特に、プラスチック(樹脂)が挙げられる。
本発明は気化ステップを具備する。前記気化ステップにおいては、n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物(液体)が気化する。本発明は解離ステップを具備する。前記解離ステップにおいては、前記n(nは2以上の整数)量体の気化(気相状態)金属有機化合物が単量体の金属有機化合物に解離する。本発明は付着ステップを具備する。前記付着ステップにおいては、前記金属有機化合物が基体に付着(吸着)する。前記付着ステップにおいては、前記金属有機化合物は、基本的に、解離した金属有機化合物(例えば、単量体)である。しかし、前記付着した金属有機化合物は全てが単量体でなくても良い。すなわち、目的とする特性が実質的に問題とならなければ、何%かは単量体でなくても差し支えない。例えば、0≦(n量体)/(単量体)≦1/2(モル比)程度ならば大きな問題とはならないであろう。好ましくは、0≦(n量体)/(単量体)≦1/3(モル比)である。より好ましくは、0≦(n量体)/(単量体)≦1/5(モル比)である。更に好ましくは、0≦(n量体)/(単量体)≦1/9(モル比)である。n量体は少ない方が好ましい。n量体の許容量は次のようにして決めることが出来る。条件(例えば、解離してから付着までの時間・温度などの条件)を変えて成膜が試みられる。得られた膜の物性が目的とする物性であるか否かを測定する。目的とする物性であれば、前記条件で成膜が行われる。尚、解離から付着までの時間が長すぎると、単量体と単量体とが衝突する。その結果、会合が起きる。すなわち、n量体が生成する。その結果、吸着したのはn量体であったと言う恐れが有る。その意味では、解離ステップから付着ステップへの進行は迅速に進むことが好ましい。本発明は、好ましくは、排除(排気)ステップを具備する。前記排除(排気)ステップは前記付着ステップの後である。前記排除(排気)ステップにおいては、遊離している(未吸着)金属有機化合物が排除(排気)される。本発明は供給ステップを具備する。前記供給ステップにおいては、化合物(反応性化合物)が供給される。前記化合物は、前記基体に付着した金属有機化合物と反応する化合物である。前記反応によって、前記金属有機化合物は金属酸化物に変る。本発明は、好ましくは、排除(排気)ステップを具備する。前記排除(排気)ステップは前記供給ステップの後である。前記排除(排気)ステップにおいては、残存している前記化合物や、前記反応で生成した気体が排除(排気)される。前記排除は真空排気が挙げられる。又は、不活性ガスを吹き付けることによっても可能である。そして、必要に応じて、前記ステップが順に繰り返される。
前記n量体を単量体に解離させる為には、前記気相状態のn量体の金属有機化合物に解離エネルギーを与えることが必要になる。前記解離エネルギーは、例えば熱である。例えば、150〜330℃の加熱である。より好ましくは、160℃以上の加熱である。更に好ましくは、180℃以上の加熱である。より好ましくは、300℃以下の加熱である。更に好ましくは、250℃以下の加熱である。前記解離エネルギーは、例えば電磁波である。例えば、光(赤外線や紫外線も含まれる)である。尚、前記解離エネルギーの大きさは、n(nは2以上の整数)量体が単量体に解離する程度である。前記エネルギーは前記金属有機化合物が分解すると言った大きなものでは無い。その意味において、加熱温度は、「高すぎず」「低すぎず」である。高すぎた場合には、分解が起きた。低すぎた場合は、解離が起きなかった。
本発明は前記とは異なる表現でも表される。本発明は第1工程を具備する。前記第1工程においては、前記金属有機化合物が気化する。本発明は第2工程を具備する。前記第2工程においては、前記気化した金属有機化合物が150〜330℃に加熱される。この加熱によって、n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物が解離する。例えば、単量体になる。前記加熱は、より好ましくは、160℃以上の加熱である。更に好ましくは、180℃以上の加熱である。より好ましくは、300℃以下の加熱である。更に好ましくは、250℃以下の加熱である。尚、前記第1工程と前記第2工程とは同時であっても良い。第2工程は、基本的には、第1工程の後である。本発明は第3工程を具備する。前記第3工程においては、前記加熱された金属有機化合物(単量体の金属有機化合物)が容器内の基体に付着(吸着)する。第3工程は第2工程の後である。本発明は第4工程を具備する。前記第4工程においては、前記基体に付着していない金属有機化合物が容器内から排出される。第4工程は第3工程の後である。本発明は第5工程を具備する。前記第5工程においては、前記容器内に水蒸気が供給される。前記水蒸気と前記基体に付着している金属有機化合物とが反応する。前記反応によって、前記金属有機化合物が金属酸化物に変る。第5工程は、基本的には、第4工程の後である。本発明は、好ましくは、第6工程を更に具備する。前記第6工程においては、前記第5工程で生じた気体と残存水蒸気とが排出される。好ましくは、前記第1〜第6の工程が、順に、繰返して行われる。
前記加熱は、例えば加熱流体(前記金属有機化合物に不活性な物質の加熱流体)を金属有機化合物に供給することによって、行われる。前記加熱は、例えば前記金属有機化合物を加熱流路内に案内することによって、行われる。前記加熱は、例えば前記金属有機化合物に光を照射することによって、行われる。前記加熱は、例えば前記金属有機化合物を加熱体に衝突させることによって、行われる。前記n量体を単量体に解離させる為の加熱方法としては、前記以外にも適宜な方法が考えられる。
前記基体(前記金属有機化合物が付着する際の基体)の温度は、好ましくは330℃以下である。より好ましくは、300℃以下である。更に好ましくは、250℃以下である。好ましくは、160℃以上である。より好ましくは、180℃以上である。その理由は、金属有機化合物の付着効率、及びn量体の生成防止の観点からである。
前記金属有機化合物を金属酸化物に変化させる為に供給された化合物(例えば、HO,O等)は、その温度が、好ましくは、100〜330℃である。より好ましくは、150℃以上である。更に好ましくは、200℃以上である。より好ましくは、300℃以下である。更に好ましくは、280℃以下である。その理由は、金属有機化合物との反応効率の観点からである。
以下、具体的な実施例が挙げられる。但し、本発明は以下の実施例にのみ限定されない。本発明の特長が大きく損なわれない限り、各種の変形例や応用例も本発明に含まれる。
[実施例1]
図1の装置が用いられた。1,2,3は容器である。4,5,6は加熱装置である。7は透明な石英管である。8は加熱ランプである。9はチャンバー(成膜室)である。10は基体(PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム)である。11は排気ポンプである。容器1には、有機金属化合物(例えば、TMA(液体))が入っている。TMAは(CHAlで表される。しかし、容器1内に入っている液体のTMAは、前述の通り、2量体である。容器2には、HO(液体)が入っている。容器3にはArが入っている。Arが容器1,2内に供給(30ml/min)された。この供給(バブリング)によって揮発したTMAと水とが、加熱装置4,5によって、160℃に加熱された。前記加熱によって、TMAは2量体(式(II)参照)から単量体(式(I)参照)になった。前記加熱されたTMAとHO(水蒸気)とはドレインに流された。バルブが切り換えられ、加熱水蒸気がチャンバー9内に2秒間供給された。この後、排気が、10秒間、行われた。これによって、チャンバー9内は高真空になった。この後、バルブが切り換えられ、加熱によって単量体になったTMAがチャンバー9内に2秒間供給された。これによって、基板10の表面に(CHAl(単量体)が付着(吸着)した。この後、排気が、10秒間、行われた。これによって、チャンバー9内は高真空になった。バルブが切り換えられ、加熱水蒸気がチャンバー9内に2秒間供給された。この後、排気が、10秒間、行われた。前記工程(加熱TMA供給→排気→加熱水蒸気供給→排気)が150回繰り返された。これによって、PETフィルム10の表面に透明なアルミナ膜が設けられた。
前記アルミナ膜が設けられたPETフィルムの酸素透過性が調べられた。その結果、(前記アルミナ膜が設けられたPETフィルムの酸素透過性)/(アルミナ膜が設けられていないPETフィルムの酸素透過性)<0.1であった。
本実施例1で得られたアルミナ膜が設けられたPETフィルムが40℃の純水に7日間に亘って浸漬された。誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-AES)によって、溶出Alの定量分析が行われた。溶出Al量は0.02μg/mlであった。
[比較例1]
実施例1において、加熱装置4による加熱温度を40℃に変更した以外は、実施例1に準じて行われた。
本比較例1で得られたアルミナ膜が設けられたPETフィルムの酸素透過性が調べられた。しかし、酸素透過性の改善(ガスバリア性の向上)は殆ど認められなかった。
本比較例1で得られたアルミナ膜が設けられたPETフィルムが40℃の純水に7日間に亘って浸漬された。前記ICP-AESによって、溶出Alの定量分析が行われた。溶出Al量は0.05μg/mlであった。本比較例1のアルミナ膜の耐水性は劣っていた。
[比較例2]
実施例1において、加熱装置4による加熱温度を500℃に変更した以外は、実施例1に準じて行われた。
アルミナ膜は成膜されなかった。加熱装置4が分解されて調べられた。加熱装置4内のTMA流通管の内壁に炭素を多く含むAl膜が堆積していた。このことは、原料(TMA)が加熱装置4内で熱分解したことを示している。すなわち、TMAがチャンバー9内に供給されてなかった。
[比較例3]
実施例1において、加熱装置4による加熱温度を350℃に変更した以外は、実施例1に準じて行われた。
PETフィルム10の表面に膜が成膜されていた。しかし、この膜は濁っていた。この膜の分析が行われた。その結果、前記膜は炭素を多く含むAl系の膜であった。熱分解による堆積物が加熱装置4内には観察されなかった。このことから、2量体が解離した単量体のTMAが更に反応性の高い活性分子種になり、Al膜の成膜が阻害されたのであろうと思われた。
[実施例2]
実施例1と同じ装置が用いられた。本実施例では、加熱装置4による加熱は行われなかった。その代わり、加熱ランプ8によって、透明な石英管7が300℃に加熱された。石英管7内をTMAが通過する際、TMAは300℃に加熱された。これによって、PETフィルム10の表面に透明なアルミナ膜が設けられた。このアルミナ膜は実施例1のアルミナ膜と同等であった。
[実施例3]
実施例1と同じ装置が用いられた。本実施例では、加熱装置4,5による加熱は行われなかった。その代わり、加熱装置6によって200℃に加熱されたArが供給された。この加熱ArがTMA及び未加熱水蒸気に合流された。すなわち、TMA及び水蒸気の加熱は、加熱Arとの混合(合流)により、行われた。その他は実施例1に準じて行われた。これによって、PETフィルム10の表面に透明なアルミナ膜が設けられた。このアルミナ膜は実施例1のアルミナ膜と同等であった。

Claims (17)

  1. n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物を気化させ、前記n(nは2以上の整数)量体の気化した金属有機化合物を単量体の金属有機化合物に解離させた後、前記金属有機化合物を基体に付着させ、前記基体に付着した金属有機化合物を金属酸化物に変化させる為の化合物を供給して該金属有機化合物を金属酸化物に変化させる
    ことを特徴とする金属酸化物膜形成方法。
  2. n(nは2以上の整数)量体の気化した金属有機化合物に解離エネルギーを与えることによって、前記n(nは2以上の整数)量体の金属有機化合物が単量体の金属有機化合物に解離する
    ことを特徴とする請求項1の金属酸化物膜形成方法。
  3. 解離エネルギーが熱である
    ことを特徴とする請求項2の金属酸化物膜形成方法。
  4. 熱が150〜330℃の加熱である
    ことを特徴とする請求項3の金属酸化物膜形成方法。
  5. 解離エネルギーが電磁波である
    ことを特徴とする請求項2の金属酸化物膜形成方法。
  6. 解離エネルギーが光である
    ことを特徴とする請求項2の金属酸化物膜形成方法。
  7. 金属有機化合物を気化させる第1工程と、
    気化した金属有機化合物を150〜330℃に加熱する第2工程と、
    加熱された金属有機化合物を容器内の基体に付着させる第3工程と、
    基体に付着していない金属有機化合物を容器内から排出する第4工程と、
    容器内に水蒸気を供給し、前記水蒸気と基体に付着している金属有機化合物とを反応させ、金属有機化合物を金属酸化物に変化させる第5工程
    とを具備することを特徴とする金属酸化物膜形成方法。
  8. 第5工程で生じた気体と残存水蒸気とを排出する第6工程を更に具備し、
    第1工程〜第6工程が繰返して行われる
    ことを特徴とする請求項7の金属酸化物膜形成方法。
  9. 金属有機化合物に不活性な物質の加熱流体を金属有機化合物に供給することによって、加熱が行われる
    ことを特徴とする請求項3,4,7,8いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  10. 金属有機化合物を加熱流路内に案内することによって、加熱が行われる
    ことを特徴とする請求項3,4,7,8いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  11. 金属有機化合物に光を照射することによって、加熱が行われる
    ことを特徴とする請求項3,4,7,8いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  12. 金属有機化合物を加熱体に衝突させることによって、加熱が行われる
    ことを特徴とする請求項3,4,7,8いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  13. 金属有機化合物を基体に付着させる際の基体の温度は330℃以下である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項12いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  14. 金属有機化合物を金属酸化物に変化させる為に供給された化合物は、その温度が100〜330℃である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項13いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  15. 金属有機化合物が有機アルミニウムである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項14いずれかの金属酸化物膜形成方法。
  16. 有機アルミニウムがアルキルアルミニウムである
    ことを特徴とする請求項15の金属酸化物膜形成方法。
  17. 基体の材料がプラスチックである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項16いずれかの金属酸化物膜形成方法。

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