JP2017100728A - 船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体 - Google Patents

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孝一 萱嶋
正城 岩嵜
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正城 岩嵜
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Naoki Oba
直樹 大庭
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竹実 松村
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Abstract

【課題】船舶や船形海洋構造物の船形構造物において、マザーヤードが船首部と船尾部を建造し、中間部の建造及び船首部、中間部、船尾部の接合は建造ヤードを選ばずに行い、より低コストかつ効率的に船形構造物の完成形を提供できる、船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体を提供する。【解決手段】船首部構造体11と船尾部構造体13を独立させると共に、船首部構造体11と船尾部構造体13を接続して航行可能な移動構造体にして、洋上を移動した後、移動構造体を船首部構造体11と船尾部構造体13に分離して、中央部構造体12に船首部構造体11と船尾部構造体13を接合して船形構造物10を建造し、単数又は複数の船形構造物の建造に際して、標準化した船首部構造体11と船尾部構造体13の間に、標準化した中央部構造体12等を挿入して、これらの船形構造物10を建造する。【選択図】図2

Description

本発明は、貨物船や客船等の商用船舶や洋上生産設備等の船形海洋構造物として使用される船形構造物において、船舶を建造する建造ヤードや技術者を選ばずに、迅速、かつ、低コストで建造できる船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体に関する。
従来の貨物船や客船等の商用船舶や洋上生産設備等の船形海洋構造物として使用される船形構造物の建造においては、オーダーメイド方式で、それぞれの船種の船舶の運航や海洋構造物としての機能に対して、載貨重量、航海速度、耐航性、推進性能などを個別に最適化した船体形状の船舶が提供されている。
特に、同種の船舶における同型船シリーズは、要目も船体形状も変えないのが通常で、要目を変えて別の同型船シリーズで建造する場合は、船体形状も変更することが通常であった。そのため、その同型船シリーズのシリーズ数だけ船体形状の開発及び設計を行って最適な船体形状の船舶を提供しており、膨大な時数と費用を費やしてきた。また、船舶を建造する建造ヤード(造船所の船台や建造ドック)にとっては異なる船体形状が混在した状態で建造するため、生産ラインの単純化及び合理化や建造効率の向上に限界があった。
また、船舶の建造においては、ブロック建造が行われており、船体の一部を大きなブロックに分けて陸上の工場で建造し、このブロックをクレーンで船台や建造ドックに運んで組み立てることにより、同一の建造ヤードで、船舶や海洋構造物を建造している。
また、一方で、積載量を調整可能とした運搬船を実現するために、船首部と、船尾部と、船首部と船尾部との間に介設する中間部の端部に、それぞれ雄型ブロック体または雌型ブロック体を装着し、雄型ブロック体と雌型ブロック体とからなる連結用ブロックを介して船首部と、船尾部と、中間部とを連結して連結船が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−82883号公報
本発明者らは、上記の船首部、船尾部、中間部との分離思想を元に、船首部と船尾部の形状は、間に挟まれている船体平行部に比べて船舶の運航性能や耐航性において重要な部分であると同時に、曲面形状が多く、建造に際しても比較的高度な建造技術が必要であるのに対して、一方の船体平行部は、船舶の運航性能や耐航性に大きな影響を及ぼさない部分であると同時に、曲面形状が少なく、建造に際しても比較的低度な建造技術で建造可能である点に注目し、従来技術における船舶全体を同一建造ヤードで建造している建造方法を見直すことにより、複数の建造ヤードで1隻の船形構造物を建造するという技術的思想に想到した。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船舶や船形海洋構造物の船形構造物において、比較的高い技術を持っている建造ヤード(マザーヤード)が船首部と船尾部を建造し、中間部の建造及び船首部、中間部、船尾部の接合は建造ヤードを選ばずに行うことで、より低コストかつ効率的に船型構造物の完成形を提供できる、船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体を提供することにある。なお、完成形を提供するヤードは1つでも複数でも良い。
上記のような目的を達成するための本発明の船形構造物の建造方法は、船首部構造体と中央部構造体と船尾部構造体とを接合して船形構造物を建造する建造方法であって、前記船首部構造体と前記船尾部構造体を独立させると共に、前記船首部構造体と前記船尾部構造体を接続して航行可能な移動構造体にして、洋上を移動した後、前記移動構造体を前記船首部構造体と前記船尾部構造体に分離して、前記中央部構造体に前記船首部構造体と前記船尾部構造体を接合して船形構造物を建造すると共に、単数又は複数の前記船形構造物の建造に際して、これらの前記船形構造物の間で、前記船首部構造体と前記船尾部構造体を標準化し、この標準化した前記船首部構造体と前記船尾部構造体の間に、標準化した前記中央部構造体若しくは、標準化した前記中央部構造体の長さを貨物倉長さの整数倍で延長して個別化した前記中央部構造体を挿入して、これらの前記船形構造物を建造することを特徴とする方法である。
この場合、船首部構造体と船尾部構造体は、中央部構造体を建造する建造ヤードでなければ、別の建造ヤードで建造しても、同じ建造ヤードで建造してもよい。別の建造ヤードで建造する場合には、移動構造体とする場所は、どちらかの建造ヤードでもよいが、中央部構造体を建造する建造ヤードでなければ、さらに、別の建造ヤードや洋上接続であってもよい。なお、ここでいう「別の建造ヤード」は、新造船用の建造ヤードであっても、修繕船用の修繕ヤードであってもよい。
なお、ここでいう「航行可能」とは、独立して自力航行(航海)できる場合だけでなく、他船に曳航されて航行できる場合も含む。また、船首部構造体と船尾部構造体を接続して航行可能な移動構造体を構成するので、船首部構造体の接続側の断面と船尾部構造体の接続側の断面とを同じ断面形状とすることが好ましい。同じ断面とならない場合には、接続部分に段差が無くなるように覆いを設けるか、新たな接続構造体を挿入することが航行時の推進抵抗を減少する意味から好ましい。
また、必要に応じて、船首部構造体と船尾部構造体との間に燃料タンクを備えた航行用構造体を介装してもよい。この航行用構造体を船首部構造体の接続側の断面と船尾部構造体の接続側の断面とが同じ断面形状にならない場合の接続構造体とすることもでき、移動構造体を作るときの船首部構造体又は船尾部構造体の追加構成の一部としてもよい。
この方法によれば、船舶や船形海洋構造物の船形構造物において、比較的高い技術を要する船首部構造体と船尾部構造体を建造する建造ヤードと、比較的低い技術で済む中央部構造体を建造する建造ヤードとを分離することで、船形構造物が完成する建造場所や建造ヤードや技術者を選ばずに、高度な技術の詰まった高性能の船形構造物を、迅速、且つ、低コストで建造できる。
また、マザーヤードでは船首尾構造体の建造、サブヤードでは中央部構造体の建造に特化してもよい。この場合、異種のブロックが混在しないことで各ヤード全体を効率的に運営することができ、高性能な船形構造物を更に低コストで建造できるようになることが期待できる。
つまり、従来技術では、船形構造物を建造する際に、同一の建造ヤードで、比較的高い技術を要する船首部と船尾部も建造するため、比較的低い技術しかない建造ヤードでは高性能の船形構造物を建造することが難しかったが、比較的低い技術で建造可能な中央部構造体を建造する能力があれば、別の建造ヤードで建造し、移送してきた移動構造体を、この建造ヤードで船首部構造体と船尾部構造体に分離して、この建造ヤードで建造した中央部構造体の前後に、分離した船首部構造体と船尾部構造体をそれぞれ接合して船形構造物を建造するだけで、高度な技術が詰まった高性能の船形構造物を建造できる。
言い換えれば、比較的高い技術を持っている建造ヤード(マザーヤード)では、船型開発などの設計技術やぎょう鉄(造船業特有の厚鋼板の曲げ加工)や3次元加工のような高度な建造技術が必要であり、高付加価値が付与される船首部構造体のみ、又は、船尾部構造体のみ、又は、これらの両方のみを建造して、輸出することができるので、これらの建造に特化することにより、低価格競争に巻き込まれることなく、高度な技術を持つ建造ヤードを維持できる。
また、その一方で、船首部構造体と船尾部構造体を輸入する比較的低い技術しかない建造ヤード(サブヤード)でも、中央部構造体は平行部が多く、建造が容易で、比較的技術が低くても、ある程度の工場設備があれば効率的に建造できる。この建造ヤードでは、比較的単純で低コストで中央部構造体を建造して、移動してきた船首部構造体と建造した中央部構造体と移動してきた船尾部構造体を接合して、高度な技術が詰まった高性能の船形構造物を建造し、販売できるので、低価格競争に打ち勝つことができる。
つまり、ビジネスモデル的には、マザーヤードは、船首部構造体と船尾部構造体の標準的な組み合わせを2〜3種類保持し、顧客の要望に応じて、適切な組み合わせを選択して建造して、移動構造体を構成し、この移動構造体をサブヤードに提供したり、中央部構造体の要目・形状・接続方法を指示するビジネスや、主機・発電機・プロペラ等の高度な技術を要する主要機器類もパッケージ化して販売するビジネスを展開したりすることができ、また、サブヤードは、これらの組み合わせに対応する船体中央部を建造して、船首部構造体と中央部構造体と船尾部構造体を接合して、船形構造物を建造する。なお、完成形を提供するサブヤードは1つでも複数でも良い。あるいはサブヤードをフランチャイズ方式で展開することも考えられる。また、場合によっては、移動構造体は比較的高度な技術を持つサブヤードにて建造し、それをマザーヤードや別のサブヤードに移動させ、中央部構造体と結合し、高性能の船形構造物を建造し、販売するというビジネスモデルも考えられる。
そして、複数の建造ヤードで船形構造物を分割建造することにより、高性能の船舶や船形海洋構造物を、低価格で、中央部構造体を効率的に建造できるサブヤードで建造できるようになる。特に平行部を長く持つ肥大船などにおいては、どこでも、誰でも、安く、早く建造できるようになる。
上記の船形構造物の建造方法により、次の効果を奏することができる。すなわち、標準化した中央部構造体を用いる場合は、従来技術で同型船シリーズと呼ばれる船幅と長さが同じ船舶を、標準化した船首部構造体と船尾部構造体の間に標準化した中央部構造体を挿入することにより効率的に建造できる。
また、標準化した中央部構造体を延長して挿入してもよい。特に貨物倉長さの整数倍であると効率がよい。つまり、基本となる長さのベース船から、貨物倉(ホールド又はタンク)の長さの整数倍で中央部構造体の長さを延ばすと、船体平行部に貨物倉を差し込むだけの単純な構成となるので更に効率がよい。
つまり、船首部、船尾部、及び、可変長さの平行部を持つ船形建造物において、船首部構造体、船尾部構造体は全く同じ構成で、平行部を有する中央部構造体のみの長さを変えることで、顧客のニーズに合った船型を迅速に、低価格で提供できる。
また、個別化した中央部構造体を用いる場合は、従来技術では、船幅が同じで長さが異なる船舶に関しても、それぞれ別々な船首尾形状を持つのが通例であったが、船幅が同じで長さが異なる場合は、船首部と船尾部を、標準化した船首部構造体と船尾部構造体で構成し、長さの異なる個別の中央部構造体を挿入することにより、顧客の要望に答えることができる船形構造物を建造できる。
上記の船形構造物の建造方法において、前記船形構造物が、自航可能若しくは曳航可能な船舶、又は、自航可能若しくは曳航可能な船形海洋構造物である場合には、より適切な建造方法となる。この自航可能な船舶や船形海洋構造物は、船尾部構造体に航行用の動力源と推進器を有する船舶や、船形構造物用とは別に、移動構造体を移動させるためだけに推進器を装備する船形構造物であってもよい。
特に、自航可能な船舶や船形海洋構造物の場合においては、船首尾形状は船種によって影響を受け難いので、船首部構造体と船尾部構造体を独立させることにより、異なる船種の間でも、有効に使用できる。また、自航可能な場合には、自航用の多くの機器、装置、設備を設けるために、比較的高度な技術を必要とするので、分割建造の効果が大きい。
また、バルクキャリアとタンカー等の比較的低速の船舶等では、標準化した船首尾形状であっても推進性能に優れた船首尾形状であれば、中央部構造体が異なっていても、抵抗性能は船首形状、自航要素は船尾形状にほぼ依存するので、標準化した船首部構造体と船尾部構造体を使用できる。また、抵抗推進に関する要求が殆んど無い海洋構造物に関しては、特に有効となる。
上記の船形構造物の建造方法において、前記移動構造体が自航可能であるとすることにより、マザーヤードからサブヤードまでの洋上移動が、マザーヤードで建造した船首部構造体と船尾部構造体の接続体である移動構造体で自力航行できるので、曳船が不要になり、建造コストを抑制することができる。
上記の船形構造物の建造方法において、前記中央部構造体を船体平行部構造体で形成することにより、中央部構造体は、複雑な曲がり形状が無く、比較的低い技術で建造可能で、しかも、大量生産に向いている船体平行部となるので、サブヤードにて、分離、中央部構造体の挿入、接合(組立)の工事を効率よく行って建造できるようになる。
上記の船形構造物の建造方法において、前記中央部構造体を、前部接合部構造体と船体平行部構造体とで形成、又は、船体平行部構造体と後部接合部構造体とで形成、又は、前部接合部構造体と船体平行部構造体と後部接合部構造体とで形成するとすることにより、より多くの形状の船形建造物に対応することができる。
船形建造物において、船首部構造体と船尾部構造体の接合部の第1断面が、船体平行部構造体の第2断面より大きい又は小さい場合には、幅方向及び深さ方向及び乾舷に関しては、前部接合部構造体と後部接合部構造体の一端側を第1断面で、他端側を第2断面で形成し、この間において、幅、深さ、乾舷等を円滑に変化させて構成することで、船首部構造体と船尾部構造体の組み合わせと、中央部構造体の組み合わせを多様なものとすることができ、数多くの船形建造物に対応できるようになる。
例えば、幅方向に関しては、船首部構造体と船尾部構造体の組み合わせを標準化して2〜3種類用意しておくことで、幅が狭い船首部構造体と船尾部構造体、及び、幅が広い船体平行部構造体と、船体平行部構造体の端部に接続配置される、平面視で見て台形形状の前部接合部構造体と後部接合部構造体の一方又は両方を組み合せることによって、数多くの幅寸法に対応可能となる。
また、第1断面と第2断面が同じで、船の長さを増加させるような場合には、同じ断面の前部接合部構造体、後部接合部構造体の一方又は両方を建造して、船首部構造体と船尾部構造体と、中央部構造体の間に、前部接合部構造体、後部接合部構造体の一方又は両方を挿入することで容易に対応可能となる。
上記の船形構造物の建造方法において、複数の前記船形構造物の建造に際して、前記船体平行部構造体を標準化することにより、船体平行部構造体の大量生産が可能となり、効率よく建造できるようになる。
そして、上記のような目的を達成するための本発明の船形構造物の設計方法は、上記の船形構造物の建造方法で使用する、船首部構造体、若しくは、中央部構造体、若しくは、船尾部構造体、又は、上記の船形構造物の建造方法で使用する、前部接合部構造体、若しくは、船体平行部構造体、若しくは、後部接合部構造体である分割構造体の一部又は幾つかの組み合わせ、又は、全体を設計することを特徴とする方法である。
この方法によれば、上記の船形構造物の建造方法のために特化した、船首部構造体、中央部構造体、船尾部構造体、前部接合部構造体、船体平行部構造体、後部接合部構造体などの分割構造体を設計するので、上記の船形構造物の建造方法を効率的に実施できるようになる。
また、上記のような目的を達成するための本発明の分割構造体は、上記の船形構造物の建造方法で使用する、船首部構造体、若しくは、中央部構造体、若しくは、船尾部構造体、又は、上記の船形構造物の建造方法で使用する、前部接合部構造体、若しくは、船体平行部構造体、若しくは、後部接合部構造体のうちの一つ又はいくつかの組み立て構造体である。
これらの分割構造体を個々に建造及び販売することより、それぞれの技術レベルと地勢的な差を考慮して、個々の建造ヤードをそれぞれの分割構造体の建造に特化した建造ヤードとすることができ、個々の独立した建造ヤードではなく、連合した建造ヤード全体として効率的に船形構造物を建造することができるようになる。
また、上記のような目的を達成するための本発明の移動構造体は、上記の船形構造物の建造方法で使用する移動構造体、あるいは、標準化した船首部構造体と、標準化した中央部構造体若しくは、標準化した中央部構造体の長さを貨物倉長さの整数倍で延長して個別化した中央部構造体と、標準化した船尾部構造体とを接合すると船形構造物となる前記船首部構造体と前記船尾部構造体を接続して形成した航行可能な移動構造体である。
この移動構造体は、自航可能な船舶の場合には、船尾部構造体には、推進器や舵やこれらの動力源やこれらの操作装置や、乗組員が居住する居住区や操船用の船橋を有する上部構造物があるので、容易に自航可能とすることができる。
本発明に係る、船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体によれば、比較的高い技術を要する船首部構造体と船尾部構造体を建造する建造ヤードと、比較的低い技術で済む中央部構造体を建造する建造ヤードとを分離することで、船舶や船形海洋構造物の船形構造物において、マザーヤードが船首部と船尾部を建造し、中間部の建造及び船首部、中間部、船尾部の接合は建造ヤードを選ばずに行い、より低コストかつ効率的に船形構造物の完成形を提供できる。なお、完成形を提供するヤードは1つでも複数でも良い。
本発明の第1の実施の形態の船形構造物と分割構造体の関係を模式的に示す平面視図である。 船首部構造体と船尾部構造体を独立させて建造することを模式的に示す平面視図である。 船首部構造体の形状を模式的に示す斜視図である。 船尾部構造体の形状を模式的に示す斜視図である。 船首部構造体と船尾部構造体を接続して航行可能とした移動構造体を模式的に示す平面視図である。 接続構造体を挿入した移動構造体を模式的に示す平面視図である。 航行用構造体を挿入した移動構造体を模式的に示す平面視図である。 移動構造体を船首部構造体と船尾部構造体に分離して、中央部構造体を船首部構造体と船尾部構造体の間に挿入する建造方法を説明するための平面視図を示す。 中央部構造体に船首部構造体と船尾部構造体を接合して組み立てた船形構造物を模式的に示す平面視図である。 中央部構造体の形状を模式的に示す斜視図である。 標準化した船首部構造体と船尾部構造体の間に、標準化した中央部構造体を挿入して建造される同型船シリーズの船舶の建造の船形構造物を模式的に示す平面視図である。 標準化した船首部構造体と船尾部構造体の間に、個別化した中央部構造体を挿入して建造される船長変更の船舶の建造の船形構造物を模式的に示す平面視図である。 前方縮小型の前部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 前方拡大型の前部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 後方縮小型の後部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 後方拡大型の後部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 前方縮小型の前部接合部構造体と後方縮小型の後部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 前方縮小型の前部接合部構造体と後方拡大型の後部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 前方拡大型の前部接合部構造体と後方縮小型の後部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。 前方拡大型の前部接合部構造体と後方拡大型の後部接合部構造体を用いた中央部構造体で建造される船形構造物を模式的に示す平面視図である。
以下、本発明に係る実施の形態の、船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体について、図面を参照しながら説明する。
この本発明に係る第1の実施の形態の船形構造物の建造方法は、図1に示すように、自航可能若しくは曳航可能な船舶、又は、自航可能若しくは曳航可能な船形海洋構造物等の船形構造物10に対して、船首部構造体11と中央部構造体12と船尾部構造体13等の分割構造体11〜13を接合して船形構造物10を建造する建造方法であり、図2に示すように、これらの船首部構造体11と船尾部構造体13を独立させて建造する。
これらの船首部構造体11と船尾部構造体13は、図3及び図4に示すように、曲面が多い形状をしており、推進性能の面からも高度な技術を必要とする分割構造体となる。また、船首部構造体11は、錨や投錨装置や係留装置などの機器を搭載し、また、船尾部構造体13は、推進器や舵やこれらの動力源となる主機関(メインエンジン)や補機などを搭載している上に、これらの操作装置や、乗組員が居住する居住区や操船用の船橋を有する上部構造物があり、多くの機器を搭載する、高度な技術を有する構造体である。
このように、高度な建造技術を必要とする上に、多くの機器を搭載しているので、搭載機器の入手が容易な場所に立地し、且つ、高度の建造技術をもつ建造ヤード(造船所)の船台や建造ドックで建造する。ここでは、この建造ヤードを「マザーヤード」という。
この比較的高い技術を持っているマザーヤードでは、船型開発などの設計技術やぎょう鉄や3次元加工のような高度な建造技術が必要であり、高付加価値が付与される船首部構造体11のみ、又は、船尾部構造体13のみ、又は、これらの両方の分割構造体11、13のみを建造する。
これらの船首部構造体11と船尾部構造体13を、マザーヤードで建造した後、図5に示すように、これらの船首部構造体11と船尾部構造体13を接続して航行可能な移動構造体20を構成する。なお、ここでいう「航行可能」とは、独立して自力航行できる場合だけでなく、曳船等の他船に曳航されて航行できる場合も含む。また、移動構造体20を移動させるための補助推進器を備えてもよい。つまり、この自航可能な船形構造物10は、船尾部構造体13に航行用の動力源と推進器を有する船舶や、船形構造物用とは別に、移動構造体20を移動させるためだけに推進器を装備する船形構造物であってもよい。
この移動構造体20は、建造される船形構造物10が自航可能な船舶の場合には、船尾部構造体13には、航行用の機器や装備や設備が設けられているので、容易に自航可能とすることができる。
また、船形海洋構造物の場合においても、完成時に曳航可能とされる場合が多く、船首部構造体11と船尾部構造体13を接続した移動構造体20も曳航可能になる場合が多い。この移動構造体20が自航可能又は曳航可能となることにより、マザーヤードで建造した船首部構造体11と船尾部構造体13の接続体である移動構造体20を洋上移動させることができる。
また、図3に示すように、船首部構造体11は、一般的に、船舶の船首部においては、船首部隔壁11aを設けて船首部を水密構造にするので、船首部構造体11だけであっても浮力を維持し易い構造となっている場合が多い。また、図4に示すように、船尾部構造体13も、一般的に、主機関を収容する機関室の前に水密隔壁13aを設けるので、船尾部は水密構造となり、船尾部構造体13だけでも浮力を維持し易い構造となっている。従って、これらの接続体である移動構造体20も浮力を維持して航行できる場合が多い。
この船首部構造体11の接続側の断面と船尾部構造体13の接続側の断面は、接続して航行可能な移動構造体20を構成するので、同じ断面形状とすることが好ましい。しかし、同じ断面とならない場合でも、接続部分に段差が発生しないように覆いを設けるか、図6に示すように、新たな接続構造体21を挿入することで、容易に推進抵抗を減少することができる。
この移動構造体20のトリム姿勢の調整は、船首部構造体11に通常設けられるフォアピークタンク等の船首トリムタンクと、船尾部構造体13に通常設けられるアフトピークタンクなどの船尾トリムタンクへのバラスト水の注水量で調整することができる。
なお、これらのトリム調整タンクで調整できない場合や、移動構造体20の全体としての浮力が不足する場合には、必要に応じて、図7に示すように、船首部構造体11と船尾部構造体13との間に燃料タンクやバラストタンクを備えた航行用構造体22を介装したり、浮力部材(図示しない)を移動構造体20に一時的に取り付けたりする。この航行用構造体22を、完成したときの船形建造物10の構成の一部となるように構成したり、他の船形建造物10においても繰り返し使用できるように構成したりすると、航行用構造体22は無駄にならず、建造コストの低下を図ることができる。
また、航行用構造体22は、船首部構造体11の接続側の断面と船尾部構造体13の接続側の断面とが同じ断面形状にならない場合の接続構造体21とすることもでき、この航行用構造体22を標準化して、標準化した船首部構造体11、又は、標準化した船尾部構造体13の追加構成の一部としてもよい。
そして、この移動構造体20を、中央部構造体12を効率的に建造できる建造ヤード(サブヤードという)に移動させ、このサブヤードで、図8に示すように、洋上移動してきた移動構造体20を船首部構造体11と船尾部構造体13に分離して、中央部構造体12を船首部構造体11と船尾部構造体13の間に挿入して、図9に示すように、中央部構造体12に船首部構造体11と船尾部構造体13を接合して組み立てて船形構造物10を建造する。この中央部構造体12は、この組み立て接合を行うサブヤードで建造しても良く、この組み立て接合を行う建造ヤードとは別の建造ヤードで建造してもよい。この別の建造ヤードは、新造船用の建造ヤードであっても、修繕船用の修繕ヤードであってもよい。また、船形構造物10の完成形を提供するサブヤードは1つでも複数でも良い。
第1の実施の形態では、この中央部構造体12を船体平行部構造体12aで形成する。これにより、図10に示すように、中央部構造体12は、船体平行部と呼ばれる同じ断面形状の部分が多く、曲面部分もビルジ部がある程度で、複雑な曲がり形状が無く、比較的低い技術で建造可能であり、しかも、大量生産に向いているので、サブヤードで効率よく建造できる。
つまり、中央部構造体12は、平行部が多く、建造が容易で、比較的技術が低くても工場設備があれば効率的に建造できるので、比較的低い技術しかない建造ヤード(サブヤード)で、低コストで単純な構造の中央部構造体12を建造し、移動してきた移動構造体20から分離して得られる船首部構造体11と船尾部構造体13との間に中央部構造体12と挿入して接合する。
そして、マザーヤードでは船首構造体11と船尾構造体13の建造、サブヤードでは中央部構造体12の建造に特化してもよい。この場合、異種のブロックが混在しないことで各ヤード全体を効率的に運営することができ、高性能な船形構造物10を更に低コストで建造できるようになることが期待できる。
この船形構造物の建造方法によれば、従来技術では、船形構造物10を建造する際に、同一の建造ヤードで、比較的高い技術を要する船首部と船尾部も建造するため、比較的低い技術しかない建造ヤードでは建造が難しかったが、比較的低い技術で建造可能な中央部構造体12を建造する能力があれば、移送してきた移動構造体20を船首部構造体11と船尾部構造体13に分離して、中央部構造体12に船首部構造体11と船尾部構造体13を接合して船形構造物10を建造するだけで、サブヤードにおいても高度な技術が詰まった船形構造物10を建造できるようになる。
従って、マザーヤードやサブヤードが、これらの分割構造体11〜13の一部の建造にそれぞれ特化することにより、低価格競争に巻き込まれることなく、高度な技術を持つ建造ヤードはマザーヤードとして、また、比較的低い技術の建造ヤードはサブヤードとして維持できる。
さらに、本発明では、図11及び図12に示すように、複数の船形構造物10、10A、10A’の建造に際して、これらの複数の船形構造物10、10A、10A’の間で、船首部構造体11と船尾部構造体13を標準化する。この標準化した船首部構造体11と船尾部構造体13の間に、図11に示すように、標準化した中央部構造体12を挿入して、これらの船形構造物10を建造する。あるいは、標準化した船首部構造体11と船尾部構造体13の間に、図12に示すように、個別化した中央部構造体12A、12A’を挿入して、船形構造物10A、10A’を建造する。
この船首部構造体11と船尾部構造体13の標準化では、自航可能な船舶の場合においては、船首尾形状は船種による影響を受け難いので、船首部構造体11と船尾部構造体13を標準化することにより、異なる船種の間でも使用可能となる。特に、比較的低速のバルクキャリアとタンカー等では、同じ船首尾形状を採用しても、抵抗性能は船首形状、自航要素は船尾形状にほぼ依存するので、標準化した同じ形状の船首部構造体11と船尾部構造体13を使用する効果が大きい。また、抵抗推進に関する要求が殆んど無い海洋構造物に関しては、特に有効となる。
図11に示すように、標準化した中央部構造体12を用いる場合は、従来技術で同型船シリーズと呼ばれる船幅と長さが同じ船舶を、それぞれ標準化して共通使用可能にした船首部構造体11と船尾部構造体13の間に、標準化して共通使用可能にした中央部構造体12を挿入することにより、非常に効率的に建造できる。
また、図12に示すように、標準化されているが船長が変更される個別の中央部構造体12A、12A’を用いる場合は、従来技術では、長さが異なる船舶に関しては、船幅が同じであっても、それぞれ別々な船型形状を用意するのが通例であったが、長さが異なっても幅が同じ場合は、船首部と船尾部を、標準化した船首部構造体11と船尾部構造体13で構成し、標準化されていない、長さの異なる個別の中央部構造体12A、12A’を挿入することにより、顧客の要望に答えることができる船形構造物10A、10A’を建造できる。
また、標準化した中央部構造体12を延長して挿入してもよい。特に貨物倉長さの整数倍であると効率がよい。つまり、基本となる長さの標準船(ベース船)から、貨物倉(ホールド又はタンク)の長さの整数倍で中央部構造体12の長さを延ばすと、船体平行部に貨物倉を差し込む構成だけの単純な構成となるので更に建造効率が良くなる。
つまり、船首部、船尾部、及び、可変長さの平行部を持つ船形建造物10において、船首部構造体11、船尾部構造体13は全く同じ構成、即ち、標準化されたタイプで、平行部を有する中央部構造体12のみの長さを変えることで、顧客のニーズに合った船型の船形構造体10A、10A’を迅速に、低価格で提供できる。
この場合に、マザーヤードは、標準化した船首部構造体11と船尾部構造体13の組み合わせを2〜3種類保持し、顧客の要望に応じた組み合わせを選択して建造して、移動構造体20を構成し、この移動構造体20をサブヤードに提供したり、中央部構造体12の要目・形状・接続方法を指示するビジネスや、主機・発電機・プロペラ等の高度な技術を要する主要機器類もパッケージ化して販売するビジネスを展開したりすることができ、また、サブヤードは、これらの組み合わせに対応する中央部構造体12(又は、12A、12A’)を建造して、船首部構造体11と中央部構造体12(又は、12A、12A’)と船尾部構造体13を接合して、船形構造物10(又は、10A、10A’)を建造する。
従って、この方法によれば、複数の建造ヤードで船形構造物10、10A、10A’を分割建造することにより、高性能の船舶や船形海洋構造物を、低価格で、中央部構造体12を効率的に建造できるサブヤードで建造できる。特に平行部を長く持つ肥大船などにおいては、この効果は大きい。
次に、第2の実施の形態の船形構造物の建造方法について説明する。この建造方法では、中央部構造体12を、船体平行部構造体12aだけではなく、前部接合部構造体12b又は後部接合部構造体12cを追加して、図13及び図14に示すように、前部接合部構造体12bと船体平行部構造体12aとで形成、又は、図15及び図16に示すように、船体平行部構造体12aと後部接合部構造体12cとで形成、又は、図17〜図20に示すように、前部接合部構造体12bと船体平行部構造体12aと後部接合部構造体12cとで形成する。この建造方法により、より多くの形状の船形建造物10B〜10Iに対応することができる。
船形建造物10B〜10Iにおいて、船首部構造体11と船尾部構造体13の接合部の第1断面が、船体平行部構造体12aの第2断面より大きい又は小さい場合には、幅方向、深さ方向、乾舷等に関しては、前部接合部構造体12bと後部接合部構造体12cの一端側を第1断面で、他端側を第2断面で形成し、この間において、幅、深さ、乾舷等をそれぞれ円滑に変化させて構成することで、図13〜図20に示すように、船首部構造体11と船尾部構造体13の組み合わせと、中央部構造体12の組み合わせを多様なものとすることができ、数多くの船形建造物10B〜10Iに対応できるようになる。
例えば、幅方向に関しては、標準化した船首部構造体11と船尾部構造体13の組み合わせを2〜3種類だけ用意しておくことで、幅が狭い船首部構造体11と船尾部構造体13に対しても、幅が広い船体平行部構造体12aと、船体平行部構造体12aの端部に接続配置される、平面視で見て台形形状の前部接合部構造体12bと後部接合部構造体12cの一方又は両方を組み合せることによって、数多くの幅寸法に対応可能となる。
また、第1断面と第2断面が同じで、船の長さを増加させるような場合には、同じ断面の前部接合部構造体12b、後部接合部構造体12cの一方又は両方を建造して、船首部構造体11と船尾部構造体13と、船体平行部構造体12aの間に、前部接合部構造体12b、後部接合部構造体12cの一方又は両方を挿入することで容易に対応可能となる。
さらに、複数の船形構造物10B〜10Iの建造に際して、船体平行部構造体12aを標準化することにより、前部接合部構造体12bと後部接合部構造体12cが標準化が難しい場合であっても、船体平行部構造体12aの大量生産が可能となり、効率よく建造できるようになる。
そして、本発明に係る実施の形態の船形構造物の設計方法は、上記の第1及び第2の実施の形態の船形構造物の建造方法で使用する、船首部構造体11、若しくは、中央部構造体12、12A、12A’、若しくは、船尾部構造体13、又は、上記の第2の実施の形態の船形構造物の建造方法で使用する、前部接合部構造体12b、若しくは、船体平行部構造体12a、若しくは、後部接合部構造体12cを設計する方法である。
この方法によれば、上記の第1及び第2の実施の形態の船形構造物の建造方法において、特化した、船首部構造体11、中央部構造体12、船尾部構造体13、前部接合部構造体12b、船体平行部構造体12a、後部接合部構造体12cなどの分割構造体11〜13を設計するので、上記の第1及び第2の実施の形態の船形構造物の建造方法を効率的に実施できるようになる。
また,本発明に係る実施の形態の分割構造体11〜13は、上記の第1及び第2の実施の形態の船形構造物の建造方法で使用する、船首部構造体11、若しくは、中央部構造体12、12A、12A’、若しくは、船尾部構造体13、又は、上記の第2の実施の形態の船形構造物の建造方法で使用する、前部接合部構造体12b、若しくは、船体平行部構造体12a、若しくは、後部接合部構造体12cの一つ又はいくつかの組み立て構造体である。
これらの分割構造体11〜13を個々に建造及び販売することより、それぞれの技術レベルと地勢的な差を考慮して、個々の建造ヤードをそれぞれの分割構造体11〜13の建造に特化した建造ヤードとすることができ、個々の独立した建造ヤードではなく、連合した建造ヤード全体として効率的に船形構造物10〜10Iを建造することができるようになる。
また、本発明の実施の形態の移動構造体20は、上記の船形構造物10の建造方法で使用する移動構造体20、あるいは、船首部構造体11と中央部構造体12と船尾部構造体13とを接合すると船形構造物10〜10Iとなる船首部構造体11と船尾部構造体13を接続して形成した航行可能な移動構造体20である。
この移動構造体20は、自航可能な船舶の場合には、船尾部構造体13には、推進器や舵やこれらの動力源やこれらの操作装置や、乗組員が居住する居住区や操船用の船橋を有する上部構造物があるので、容易に自航可能とすることができる。
そして、上記の船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体11〜13と移動構造体20によれば、比較的高い技術を要する船首部構造体11と船尾部構造体13を建造する建造ヤードをマザーヤードとし、比較的低い技術で済む中央部構造体12を建造する建造ヤードをサブヤードとして分離することで、船舶や船形海洋構造物の船形構造物10〜10Iにおいて、船形構造物10〜10Iが完成する建造場所や建造ヤードや技術者を選ばずに、高度な技術の詰まった高性能の船舶又は船形海洋構造物を、迅速、且つ、低コストで建造できる。
本発明の、船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの方法で使用する分割構造体と移動構造体によれば、船舶や船形海洋構造物の船形構造物において、比較的高い技術を要する船首部構造体と船尾部構造体を建造する建造ヤードと、比較的低い技術で済む中央部構造体を建造する建造ヤードとを分離することで、マザーヤードが船首部と船尾部を建造し、中間部の建造及び船首部、中間部、船尾部の接合は建造ヤードを選ばずに行い、より低コストかつ効率的に船形構造物の完成形を提供できるので、数多くの船舶や船形海洋構造物等の船形構造物の建造方法と船形構造物の設計方法、及び、これらの船形構造物に利用できる。
10、10A、10A’、10B〜10I 船形建造物
11 船首部構造体(分割構造体)
12、12A、12A’ 中央部構造体(分割構造体)
12a 船体平行部構造体(分割構造体)
12b 前部接合部構造体(分割構造体)
12c 後部接合部構造体(分割構造体)
13 船尾部構造体(分割構造体)
20 移動構造体

Claims (10)

  1. 船首部構造体と中央部構造体と船尾部構造体とを接合して船形構造物を建造する建造方法であって、前記船首部構造体と前記船尾部構造体を独立させると共に、前記船首部構造体と前記船尾部構造体を接続して航行可能な移動構造体にして、洋上を移動した後、前記移動構造体を前記船首部構造体と前記船尾部構造体に分離して、前記中央部構造体に前記船首部構造体と前記船尾部構造体を接合して船形構造物を建造すると共に、
    単数又は複数の前記船形構造物の建造に際して、これらの前記船形構造物の間で、前記船首部構造体と前記船尾部構造体を標準化し、この標準化した前記船首部構造体と前記船尾部構造体の間に、標準化した前記中央部構造体若しくは、標準化した前記中央部構造体の長さを貨物倉長さの整数倍で延長して個別化した前記中央部構造体を挿入して、これらの前記船形構造物を建造することを特徴とする船形構造物の建造方法。
  2. 前記船形構造物が、自航可能若しくは曳航可能な船舶、又は、自航可能若しくは曳航可能な船形海洋構造物であることを特徴とする請求項1記載の船形構造物の建造方法。
  3. 前記移動構造体が自航可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の船形構造物の建造方法。
  4. 前記中央部構造体を船体平行部構造体で形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法。
  5. 前記中央部構造体を、前部接合部構造体と船体平行部構造体とで形成、又は、船体平行部構造体と後部接合部構造体とで形成、又は、前部接合部構造体と船体平行部構造体と後部接合部構造体とで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法。
  6. 複数の前記船形構造物の建造に際して、前記船体平行部構造体を標準化することを特徴とする請求項4又は5に記載の船形構造物の建造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法で使用する、船首部構造体、若しくは、中央部構造体、若しくは、船尾部構造体、又は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法で使用する、前部接合部構造体、若しくは、船体平行部構造体、若しくは、後部接合部構造体である分割構造体の一部又は幾つかの組み合わせ、又は、全体を設計することを特徴とする船形構造物の設計方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法で使用する、船首部構造体、若しくは、中央部構造体、若しくは、船尾部構造体、又は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法で使用する、前部接合部構造体、若しくは、船体平行部構造体、若しくは、後部接合部構造体のうちの一つ又はいくつかの組み立て構造体である分割構造体。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の船形構造物の建造方法で使用する移動構造体。
  10. 標準化した船首部構造体と、標準化した中央部構造体若しくは、標準化した中央部構造体の長さを貨物倉長さの整数倍で延長して個別化した中央部構造体と、標準化した船尾部構造体とを接合すると船形構造物となる前記船首部構造体と前記船尾部構造体を接続して形成した航行可能な移動構造体。
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