JP2017100194A - ロボットおよび制御方法 - Google Patents

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【課題】簡易に箱体を組み立てることができるロボットなどを提供する。【解決手段】第1のアームと、第2のアームと、を備え、第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形するロボット。【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットおよび制御方法に関する。
ロボットにより箱を組み立てる作業が行われている。
例えば、特許文献1に記載のロボットシステムでは、ロボットは、箱材を吸着するハンドと、当該ハンドが取り付けられ当該ハンドに吸着された当該箱材を所定の方向に移動させながら当該箱材の組立を行うロボット本体とを含む。当該ロボットシステムでは、例えば、所定の回胴軸まわりに回胴可能にフレームに連結されたアーム部の先端に、吸着部が配置されている。当該吸着部は、エアシリンダーにより、当該回胴軸まわりに回動されるように構成されている(特許文献1の請求項1、段落0020など参照)。
特開2014−124798号公報
従来のロボットでは、箱を組み立てる作業を行う際に、エアを用いて箱材を吸着することで、箱材を固定すること、あるいは、箱材を起こすことが行われている。
しかしながら、従来のロボットでは、箱を組み立てる作業を行う際に、エアあるいはシリンダーなどのように、複雑な配線あるいは複雑な配管を有する周辺装置が必要であった。
上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の一態様は、第1のアームと、第2のアームと、を備え、第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形するロボットであって、前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度よりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、当該ロボットの関節にトルクを与える、ロボットである。
この構成により、ロボットでは、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
また、本発明の一態様は、ロボットにおいて、前記箱体が畳まれた状態の角度は180度である、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットでは、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
また、本発明の一態様は、ロボットにおいて、前記第1の当接部と前記第2の当接部とがそれぞれ平面であり、前記第1の当接部の面と前記第2の当接部の面とを平行にし、前記第4の部位に前記第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2の当接部を当接させる、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットでは、第1の当接部の面と第2の当接部の面とを平行にして、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
また、本発明の一態様は、ロボットにおいて、前記第1の状態から前記第2の状態にするために、前記第4の部位に前記第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2の当接部を当接させた状態で、前記第1のアームによって、前記第3の板体から前記第1の板体に向かう第1の方向ならびに前記第3の部位から前記第2の部位に向かう第2の方向へ前記第4の部位を押す、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットでは、第1の当接部および第2の当接部により所定の方向へ押すことで、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
また、本発明の一態様は、ロボットにおいて、前記第1のアームによって、前記第4の部位を前記第1の方向ならびに前記第2の方向へ押した後、前記第4の部位を前記第2の方向へ押す、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットでは、第1の当接部および第2の当接部により所定の方向へ押した後に他の所定の方向へ押すことで、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
また、本発明の一態様は、ロボットにおいて、前記第1のアームによって前記第4の部位を前記第2の方向へ押した後、前記第2のアームに設けられた第2の把持部によって前記箱体を把持し、前記第1のアームによって前記第1の角度を固定する治具を前記箱体に押し当てる、構成が用いられてもよい。
この構成により、ロボットでは、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こした後に、所定の治具を箱体に押し当てる。これにより、ロボットでは、組み立てた箱体を治具で固定することができる。
上記課題の少なくとも一つを解決するために本発明の一態様は、第1のアームと、第2のアームと、を備えたロボットを制御して、第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形する制御方法であって、前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるよりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、前記ロボットの関節にトルクを与える、ロボットの制御方法である。
この構成により、ロボットの制御方法では、ロボットにより、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットの制御方法では、ロボットにより、簡易に箱体を組み立てることができる。
以上のように、本発明に係るロボットおよび制御方法によれば、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、本発明に係るロボットおよび制御方法では、簡易に箱体を組み立てることができる。
本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるロボットの概略的な構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置の概略的な構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る組み立て前の箱材の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る完成した箱の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る治具(第1の治具)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る治具(第2の治具)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る治具(第3の治具)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る治具(第4の治具)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る治具(第5の治具)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより第1の箱材部が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより第1の箱材部が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより第1の箱材部が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより第1の箱材部が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより治具を用いて第1の箱材部のタックに折り目を付ける作業の原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の処理の手順の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業における箱材の起立)の処理の手順の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第2の作業)の処理の手順の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第2の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第2の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第2の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第2の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の処理の手順の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボットにより行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[箱材と箱について]
本実施形態では、ロボットシステムにより箱材から箱を組み立てる。
本実施形態では、説明の便宜上、箱が完成していない状態の材料を「箱材」と呼び、箱が完成した状態を「箱」と呼ぶが、箱が完成しているか否かが相違する(つまり、見た目の形状が相違する)だけで物体としては同じものである。
[ロボットシステムの概要]
本実施形態に係るロボットシステムは、ロボットと、その周辺物を含む。当該周辺物は、例えば、治具、テーブル、撮像部である。また、当該周辺物は、箱材(または、完成した箱)を含んでもよい。また、当該周辺物は、作業で使用される他の物を含んでもよい。
なお、本実施形態では、撮像部は、ロボットと一体として備えられているが、ロボットとは別体で備えられてもよい。
また、テーブルは、治具の一種として捉えられてもよい。
[ロボットの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるロボット1の概略的な構成例を示す図である。
ロボット1は、上部にある頭部と、中央部にある胴体部と、下部にある台部(台の部分)と、胴体部に設けられた腕部を備える。
ロボット1は、腕部として2本の腕(アーム)を有する双碗のロボットである。
ロボット1は、一方の腕側の構成として、第1のマニピュレーターMNP1と、第1の力センサー31−1と、第1のエンドエフェクターEND1を備える。これらは一体化され、本実施形態では、第1のマニピュレーターMNP1と第1のエンドエフェクターEND1との間に第1の力センサー31−1を備える。
ロボット1は、他方の腕側の構成として、第2のマニピュレーターMNP2と、第2の力センサー31−2と、第2のエンドエフェクターEND2を備える。これらは一体化され、本実施形態では、第2のマニピュレーターMNP2と第2のエンドエフェクターEND2との間に第2の力センサー31−2を備える。
ここで、本実施形態では、第1のエンドエフェクターEND1として、ハンドが用いられている。当該ハンドは、4本の爪(指と呼ばれてもよい)と、第1の掌41−1を備える。第1の掌41−1は平らな面を有する。当該ハンドは、第1の掌41−1を支える支柱を有しており、当該ハンドの外部に現れる当該支柱の長さが延び縮みすることで、第1の掌41−1の平らな面での押し付けまたは引っ張りが可能である。なお、図1の例では、4本の爪のうちの1本に符号(爪42−1)を付してある。
また、本実施形態では、第2のエンドエフェクターEND2として、ハンドが用いられている。当該ハンドは、4本の爪(指と呼ばれてもよい)と、第2の掌41−2を備える。第2の掌41−2は平らな面を有する。当該ハンドは、第2の掌41−2を支える支柱を有しており、当該ハンドの外部に現れる当該支柱の長さが延び縮みすることで、第2の掌41−2の平らな面での押し付けまたは引っ張りが可能である。なお、図1の例では、4本の爪のうちの1本に符号(爪42−2)を付してある。
本実施形態では、一方の腕側の構成(エンドエフェクターEND1が取り付けられたマニピュレーターMNP1)により7軸の自由度の動作を行うことが可能であり、他方の腕側の構成(エンドエフェクターEND2が取り付けられたマニピュレーターMNP2)により7軸の自由度の動作を行うことが可能であるが、他の構成例として、6軸以下または8軸以上の自由度の動作を行う構成が用いられてもよい。
ここで、アームは、7軸の自由度で動作する場合、6軸以下の自由度で動作する場合と比較して取り得る姿勢が増えることによって、例えば、動作が滑らかになり、当該アームの周辺に存在する物体との干渉を容易に回避することができる。また、アームが7軸の自由度で動作する場合、当該アームの制御は、アームが8軸以上の自由度で動作する場合と比較して計算量が少なく容易である。このような理由から、本実施形態では、好ましい一例として、7軸の自由度で動作するアームが用いられている。
本実施形態では、ロボット1は、一方の腕側(エンドエフェクターEND1が取り付けられたマニピュレーターMNP1の側)に7軸の関節(アクチュエーター)を備えており、これらの各関節にトルクを与えることにより、当該一方の腕側の動作を行う。同様に、ロボット1は、他方の腕側(エンドエフェクターEND2が取り付けられたマニピュレーターMNP2の側)に7軸の関節(アクチュエーター)を備えており、これらの各関節にトルクを与えることにより、当該他方の腕側の動作を行う。
また、本実施形態では、胴体部は、腰の部分で、1軸の自由度で回転することが可能な構成である。
また、ロボット1は、頭部の左右のそれぞれに設けられた2個の撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2)と、第1のマニピュレーターMNP1の所定部位に設けられた撮像部(第3の撮像部21−1)と、第2のマニピュレーターMNP2の所定部位に設けられた撮像部(第4の撮像部21−2)を備える。
それぞれの撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いたカメラである。
第1の撮像部11−1および第2の撮像部11−2は、それぞれ、頭部の動きに応じて動かされる。
第3の撮像部21−1および第4の撮像部21−2は、それぞれ、第1のマニピュレーターMNP1および第2のマニピュレーターMNP2のそれぞれの動きに応じて動かされる。
また、ロボット1は、制御装置51を備える。本実施形態では、ロボット1は、台部の内部に制御装置51を備える。
制御装置51は、ロボット1の動作を制御する。制御装置51は、例えば、第1のマニピュレーターMNP1および第2のマニピュレーターMNP2の動作を制御する。さらに、ロボット1の腰などの部分の動作が可能な構成では、制御装置51は当該腰などの部分の動作を制御する。
本実施形態では、第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1および第4の撮像部21−2のそれぞれは、画像を撮像して、撮像された画像の情報を制御装置51に送信(出力)する。また、第1の力センサー31−1および第2の力センサー31−2のそれぞれは、第1のエンドエフェクターEND1および第2のエンドエフェクターEND2のそれぞれに作用する力およびモーメントを検出して、検出結果の情報を制御装置51に送信(出力)する。制御装置51は、これらの情報を受信(入力)し、受信された情報を、ロボット1の動作を制御する際に、使用することが可能である。
ここで、第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2、第1の力センサー31−1および第2の力センサー31−2のそれぞれと制御装置51とは回線を介して接続されており、当該回線を介して情報を通信することが可能である。
本実施形態では、第1のマニピュレーターMNP1の位置および姿勢、第2のマニピュレーターMNP2の位置および姿勢、および各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)により撮像される画像について、座標系のキャリブレーションが行われている。
本実施形態では、制御装置51は、あらかじめ設定された動作制御プログラムにしたがって、ロボット1の動作を制御する。制御装置51は、ロボット1の動作を実現するために必要な各種の情報を、ロボット1(本体)に対して教示する。
具体例として、制御装置51は、各マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1および第2のマニピュレーターMNP2)の動作を制御することで、各エンドエフェクター(第1のエンドエフェクターEND1および第2のエンドエフェクターEND2)により物体を把持すること、各エンドエフェクターにより把持された物体を移動させること、各エンドエフェクターにより把持された物体を所定位置に載置して離す(把持を解除する)こと、各エンドエフェクターにより把持された物体を加工(例えば、穴開けなど)すること、などが可能である。
ここで、本実施形態では、制御装置51がロボット1の内部に備えられる場合を示したが、他の構成例として、制御装置51はロボット1とは別体で備えられてもよく、この構成では、制御装置51とロボット1とは有線のケーブルまたは無線により接続される。
図2は、本発明の一実施形態に係る制御装置51の概略的な構成例を示すブロック図である。
制御装置51は、入力部111と、出力部112と、記憶部113と、制御部114を備える。制御部114は、情報取得部131と、ロボット動作決定部132と、ロボット動作制御部133を備える。
入力部111は、外部から情報を入力する。例えば、入力部111は、ユーザーにより操作される操作部を有し、操作部の操作に応じた情報を入力してもよく、また、外部の装置から出力された情報を入力してもよい。入力部111は、例えば、各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)から出力された画像(撮像画像)の情報を入力し、各力センサー(力センサー31−1、力センサー31−2)から出力された検出結果の情報を入力する。
出力部112は、外部へ情報を出力する。例えば、出力部112は、表示画面を有し、当該表示画面に情報を出力してもよく、また、外部の装置へ情報を出力してもよい。出力部112は、例えば、各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)に動作の指示を与える情報を出力してもよく、各力センサー(力センサー31−1、力センサー31−2)に動作の指示を与える情報を出力してもよい。
記憶部113は、情報を記憶する。例えば、記憶部113は、動作制御プログラム、および各種のパラメーターなどを記憶する。
制御部114は、ロボット1に関する各種の制御を行う。例えば、制御部114は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーを備え、記憶部113に記憶された動作制御プログラムを実行することにより、各種の制御を行う。
情報取得部131は、情報を取得する。例えば、情報取得部131は、入力部111により入力された情報を取得すること、および、記憶部113により記憶された情報を取得することが可能である。情報取得部131は、例えば、各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)から出力された画像(撮像画像)の情報、および各力センサー(力センサー31−1、力センサー31−2)から出力された検出結果の情報を取得することが可能である。また、情報取得部131は、例えば、記憶部113に記憶されたパラメーターなどの情報を取得することが可能である。
ロボット動作決定部132は、ロボット1により行う動作(ロボット動作)を決定する。この場合、ロボット動作決定部132は、情報取得部131により取得された情報に基づいて、ロボット1により行う動作を決定してもよい。
ロボット動作制御部133は、ロボット動作決定部132により決定されたロボット動作を実現するように、ロボット1の動作を制御する。
ここで、本実施形態では、2本のアーム(腕)を備える双腕ロボットが用いられるが、他の構成例として、1本のアーム(腕)を備える単腕ロボットが用いられてもよい。また、複数の単腕ロボットが用いられてもよい。また、ロボットは、例えば、パラレルリンクロボットであってもよく、直交軸ロボットであってもよく、単軸ロボットであってもよく、スカラロボットであってもよい。
[箱材および箱の例]
図3は、本発明の一実施形態に係る組み立て前の箱材201の一例を示す図である。図3の例では、箱材201は略平面状に畳まれた状態にある。
図4は、本発明の一実施形態に係る完成した箱201Aの一例を示す図である。箱201Aは、箱材201を折ることで生成される箱である。
図3に示される箱材201は、第1の箱材部1001と、第2の箱材部1002と、第3の箱材部1003と、第1の箱材部1001と第2の箱材部1002とを接続する板状の第1の接続部241と、第1の箱材部1001と第3の箱材部1003とを接続する板状の第2の接続部242を備える。
第1の箱材部1001から第1の箱1001Aが生成され、第2の箱材部1002から第2の箱1002Aが生成され、第3の箱材部1003から第3の箱1003Aが生成される。第1の箱1001Aの一面と第2の箱1002Aの一面とが第1の接続部241を介して接続され、第1の箱1001Aの当該一面と第3の箱1003Aの一面とが第2の接続部242を介して接続される。
第1の箱材部1001は、筒状の胴体を有し、当該筒状の2個の開口部のそれぞれに差し込み式のフタを有する形状であり、いわゆるキャラメル箱の一種である。
当該筒状の胴体は、4個の板状の面を有し、これらが接続されていて筒状を形成している。これら4個の板状の面を、接続された順に、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面と呼ぶと、完成した箱1001Aでは、第1の面と第3の面とが対向し、第2の面と第4の面とが対向する。第1の面と第3の面とは同じ形状であり、第2の面と第4の面とは同じ形状である。本実施形態では、第1の面と第3の面は正方形であり、第2の面と第4の面は当該正方形の一辺と同じ長さの辺とそれより短い長さの辺を持つ長方形である。
当該差し込み式のフタは、それぞれの開口部において、第1の面に接続された板状の面を有し、当該面はいわゆるタックの一種である。当該面は、第1の面に近い1個の面と、第1の面から遠い他の1個の面とが接続されて構成されている。第1の面に近い1個の面は、開口部と略同じ形状である。第1の面に近い1個の面と比べて、第1の面から遠い他の1個の面は小さい。
また、当該差し込み式のフタは、それぞれの開口部において、第2の面および第4の面のそれぞれに接続された板状の面(1個の開口部について計2個の面)を有し、当該面はいわゆるフラップの一種である。
図3の例では、畳まれた箱材201の一方の面の側の外観を示してある。図3の例では、第1の箱材部1001の構成部として、面211、212、213、214、215、216、217、218を示してある。例えば、面211は第1の面であり、面212が第2の面であり、面213および面214がタックであり、面215がフラップであり、面216および面217がタックであり、面218がフラップである。
なお、畳まれた箱材201の他方の面(反対の面)の側の外観については、図示を省略するが、上記において本実施形態に係る第1の箱材部1001を説明した通りの面を有する。
第2の箱材部1002は、第1の箱材部1001と同様に、筒状の胴体を有し、当該筒状の2個の開口部のそれぞれに差し込み式のフタを有する形状であり、いわゆるキャラメル箱の一種である。
第2の箱材部1002は、第1の箱材部1001と比べて、全体的にサイズが小さく、また、上記した第1の面に相当する面が長方形である点を除いて、第1の箱材部1001と同様な形状である。第2の箱材部1002では、上記した第1の面に相当する長方形の面における短い方の辺にタックが設けられており開口部となっている。また、本実施形態では、第2の箱材部1002における上記した第1の面に相当する長方形の面における長い方の辺の長さが、第1の箱材部1001における正方形の第1の面の一辺の長さと等しい。
図3の例では、畳まれた箱材201の一方の面の側の外観を示してある。図3の例では、第2の箱材部1002の構成部として、面221、222、223、224、225、226、227を示してある。例えば、面223および224がタックであり、面225および面226がタックであり、面227がフラップである。
なお、畳まれた箱材201の他方の面(反対の面)の側の外観については、図示を省略するが、上記において本実施形態に係る第2の箱材部1002を説明した通りの面を有する。
第3の箱材部1003は、第2の箱材部1002と同じ形状を有しており、すなわち、筒状の胴体を有し、当該筒状の2個の開口部のそれぞれに差し込み式のフタを有する形状であり、いわゆるキャラメル箱の一種である。
図3の例では、畳まれた箱材201の一方の面の側の外観を示してある。図3の例では、第2の箱材部1003の構成部として、面231、232、233、234、235、236、237を示してある。例えば、面234および235がタックであり、面236および面237がタックであり、面233がフラップである。
なお、畳まれた箱材201の他方の面(反対の面)の側の外観については、図示を省略するが、上記において本実施形態に係る第3の箱材部1003を説明した通りの面を有する。
ここで、本実施形態に係る箱材201では、第1の箱材部1001における第3の面の一方の開口部の側の辺と、第2の箱材部1002における第3の面に相当する面の開口部ではない一方の側の辺とが、第1の接続部241を介して接続されている。本実施形態では、第1の接続部241は、長方形であり、第1の箱材1001におけるタックのうちの第1の面に近い1個の面と同じ形状である。
なお、第1の接続部241は、例えば、第1の箱材1001における第3の面と第2の箱材1002における第3の面に相当する面との一方または両方と一体であってもよい。
同様に、本実施形態に係る箱材201では、第1の箱材部1001における第3の面の他方の開口部の側の辺と、第3の箱材部1003における第3の面に相当する面の開口部ではない一方の側の辺とが、第2の接続部242を介して接続されている。本実施形態では、第2の接続部242は、長方形であり、第1の箱材1001におけるタックのうちの第1の面に近い1個の面と同じ形状である。
なお、第2の接続部242は、例えば、第1の箱材1001における第3の面と第3の箱材1003における第3の面に相当する面との一方または両方と一体であってもよい。
なお、箱材部201における任意の面に、必要に応じて、穴、あるいは、切り欠きなどが設けられてもよい。
[治具の例]
図5は、本発明の一実施形態に係る治具(第1の治具311)の一例を示す図である。
第1の治具311は、略同一の形状の面が厚みを持った形状を有する。当該略同一の形状の面は、長方形の部分と、当該長方形の長辺の両端のそれぞれから直交する同じ向きに突起した部分(両端の2個の突起部分)と、当該長方形の長辺の中央から両端の突起部分とは逆向きに直交する突起した部分(中央の1個の突起部分)から構成される。本実施形態では、中央の1個の突起部分が、ロボット1により把持される。
図6は、本発明の一実施形態に係る治具(第2の治具321)の一例を示す図である。
第2の治具321は、略同一の形状の面が厚みを持った形状を有する。当該略同一の形状の面は、L字状の面である。本実施形態では、L字状が有する互いに直交する2個の板状の面のうちの一方が、ロボット1により把持される。なお、L字状が有する互いに直交する2個の板状の面の長さ(互いに直交する方向に延びる長さ)としては、本実施形態では、異なるが、他の構成例として、同じであってもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る治具(第3の治具331)の一例を示す図である。
第3の治具331は、略同一の形状の面が厚みを持った形状を有する。当該略同一の形状の面は、L字状に近いが、L字状の凹部が曲面になっている面である。本実施形態では、このような略L字状が有する互いに略直交する2個の板状の面のうちの一方が、ロボット1により把持される。
本例では、第3の治具331は、ヘラの部分とスロープの部分を持つ滑り台のような形状を有している。
図8は、本発明の一実施形態に係る治具(第4の治具341)の一例を示す図である。
第4の治具341は、略同一の形状の面が厚みを持った形状と、当該面から当該厚みの一方の向きに突起した部分とを有する。当該略同一の形状の面は、長方形の部分と、当該長方形の長辺の両端のそれぞれから直交する同じ向きに突起した部分(両端の2個の突起部分)から構成される。また、当該面から当該厚みの一方の向きに突起した部分は、当該長方形の長辺の中央から突起した部分(中央の1個の突起部分)から構成される。本実施形態では、中央の1個の突起部分が、ロボット1により把持される。
図9は、本発明の一実施形態に係る治具(第5の治具351)の一例を示す図である。
第5の治具351は、厚みを持ったブロック状の部分と、当該ブロック状の部分に接続された長方形状の部分とを有する。当該長方形状の部分は、薄い板状であり、当該ブロック状の部分から、当該長方形状の長手方向に延びている。本実施形態では、当該ブロック状の部分が、ロボット1により把持される。
[ロボットにより行われる作業の原理の説明]
図10〜図13を参照して、ロボット1により、第1の箱材部1001が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明する。
図10、図11、図12、図13は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により第1の箱材部1001が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明するための図である。
図10〜図13は、第1の箱材部1001が有する第1の面401(第1の板体)、第2の面402(第2の板体)、第3の面403(第3の板体)および第4の面404(第4の板体)について、これらの面401〜404に垂直な断面を示してある。本例では、この断面は、平行四辺形(長方形あるいは正方形でもよい)となっている。また、図11〜図13は、第1の掌41−1および第2の掌41−2について、同様な断面を示してある。本例では、図11から図13への順で、作業の過程の時間的な流れを示してある。
図10〜図13の説明では、第3の面403が下側に配置されているのに対して、第1の面401が上側に配置されているとし、また、第4の面404が左側に配置されているのに対して、第2の面402が右側に配置されているとする。
第1の面401と第2の面402とを接続(連結)する辺(第1の部位)を第1の辺411と呼び、第2の面402と第3の面403とを接続(連結)する辺(第2の部位)を第2の辺412と呼び、第3の面403と第4の面404とを接続(連結)する辺(第3の部位)を第3の辺413と呼び、第4の面404と第1の面401とを接続(連結)する辺(第4の部位)を第4の辺414と呼ぶ。
第1の面401と第2の面402とが成す角度を第1の角度θ1と呼び、第2の面402と第3の面403とが成す角度を第2の角度θ2と呼び、第3の面403と第4の面404とが成す角度を第3の角度θ3と呼び、第4の面404と第1の面401とが成す角度を第4の角度θ4と呼ぶ。
なお、図10〜図13では、第1の箱材部1001が有する第1の面401、第2の面402、第3の面403および第4の面404と、第1の辺411、第2の辺412、第3の辺413および第4の辺414以外の構成部については、図示を省略してある。
図10には、第1の箱材部1001が折り畳まれた状態に近い状態を示してある。
第1の箱材部1001が完全に折り畳まれた状態では、第1の角度θ1および第3の角度θ3が180度(または、約180度)であり、第2の角度θ2および第4の角度θ4が0度(または、約0度)である。図10には、第1の箱材部1001が少し起こされた状態を示してある。
本例では、第1の箱材部1001の第3の面403は、移動しないように固定されているとする。
図11には、ロボット1が、第1の掌41−1および第2の掌41−2を第1の箱材部1001に当接させた(度あたりさせた)状態を示してある。
本例では、第1の掌41−1は第4の辺414に当接させられており、第2の掌41−2は第2の辺412に当接させられている。ロボット1は、第2の掌41−2の位置および姿勢を固定したまま、第1の掌41−1を所定の方向P1に動かす。当該所定の方向P1は、第1の掌41−1から第1の箱材部1001の側へ、斜め上方に向かう方向(図11において、右斜め上の方向)である。これにより、摩擦力によって、第1の箱材部1001が立ち上がっていき、具体的には、第1の面401と第3の面403との距離(垂線方向の距離)が大きくなっていき、第1の角度θ1および第3の角度θ3が小さくなっていき、第2の角度θ2および第4の角度θ4が大きくなっていく。
図12には、図11に示される状態よりも第1の箱材部1001が立ち上がった状態を示してある。
ロボット1は、第2の掌41−2の位置および姿勢を固定したまま、第1の掌41−1を所定の方向P2に動かす。当該所定の方向P2は、第1の掌41−1から第1の箱材部1001の側へ、略水平に向かう方向(図12において、略右の方向)である。これにより、摩擦力によって、第1の箱材部1001がさらに立ち上がっていき、第1の角度θ1、第2の角度θ2、第3の角度θ3および第4の角度θ4が90度に近付いていく。
図13には、第1の箱材部1001が完全に立ち上がった状態を示してある。
ロボット1の第1の掌41−1の面と第4の面404とが平行に接しており、ロボット1の第2の掌41−2の面と第2の面402とが平行に接している。第1の角度θ1、第2の角度θ2、第3の角度θ3および第4の角度θ4が90度となっている。
ここで、図11〜図13の例において、ロボット1が第2の掌41−2に付与する力の大きさおよび方向としては、例えば実験あるいは理論によってあらかじめ定められ、任意の態様が用いられてもよい。一例として、当該力の大きさあるいは方向が連続的に変化する態様が用いられてもよく、または、当該力の大きさあるいは方向が離散的に変化する態様が用いられてもよい。
図14を参照して、ロボット1により、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のタック(面431および面432)に折り目を付ける作業の原理を説明する。
図14は、ロボット1により、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のタック(面431および面432)に折り目を付ける作業の原理を説明するための図である。図14は、図13に示されるように少なくとも第1の面401、第2の面402、第3の面403および第4の面404が完全に起こされた状態で、第1の箱材1001を第2の面402の外側から第2の面402に垂直に見た様子を示してある。
なお、図14では、第1の箱材部1001の概略的な形状および当該タックを示してあり、他の構成部については図示を省略してある。
ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪によりL字型の第2の治具321の一方の面の端を把持し、当該L字型の第2の治具321の当該一方の面または他方の面をタックに接触させて、当該タックに折り目を付ける。このとき、ロボット1は、当該L字型の第2の治具321の当該一方の面が第1の面401に対して垂直な向きを基準として、そこから、把持している部分(当該一方の面の端)が第1の面401に近付く方向に少し傾けた状態で、当該タックに折り目を付ける。
ここで、ロボット1は、第2の治具321に付与する力の大きさあるいは方向に応じて、当該タックを動かす速さあるいは方向を調整することが可能である。
例えば、ロボット1は、タックの面431と第1の面401とを接続する辺を折り曲げることで、当該タックの面431を第1の面401に対して上側に折り曲げる。また、ロボット1は、タックの面431と面432とを接続する辺を折り曲げることで、当該タックの面432を面431に対して下側に折り曲げる。
[ロボットにより行われる作業の説明]
以下で、ロボット1により行われる作業(第1の作業〜第3の作業)を説明する。
以下の各処理は、制御装置51がロボット1を制御することで、当該ロボット1により行われる。ロボット1は、第1のマニピュレーターMNP1および第1のエンドエフェクターEND1を使用すること、第2のマニピュレーターMNP2および第2のエンドエフェクターEND2を使用することが可能である。制御装置51は、例えば、各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)からの画像情報、あるいは、各力センサー(力センサー31−1、力センサー31−2)からの検出情報などをロボット1の制御に使用してもよい。例えば、制御装置51は、それぞれの処理において、画像情報に基づいて位置制御を行ってもよく、または、力の検出情報に基づいて力制御を行ってもよく、または、これらの制御を組み合わせて行ってもよい。
本例では、制御装置51は、あらかじめ設定された動作制御プログラムを実行することで、作業(第1の作業〜第3の作業)の処理を行う。
なお、本実施形態に係るロボット1では、一方の腕側(第1のマニピュレーターMNP1および第1のエンドエフェクターEND1)の構成と、他方の腕側(第2のマニピュレーターMNP2および第2のエンドエフェクターEND2)の構成とは同じであるため、本実施形態で例示している一方の腕側または他方の腕側の代わりに、反対側の腕側が用いられてもよい。
また、箱材201を組み立てる作業の処理を行う動作制御プログラムを設計する際に、箱材201の大きさあるいは材質などが考慮されてもよい。
<ロボットにより行われる第1の作業の説明>
図15〜図28を参照して、ロボット1により行われる第1の作業を説明する。
図15は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第1の作業)の処理の手順の一例を示す図である。
図16は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第1の作業における箱材の起立)の処理の手順の一例を示す図である。
図17〜図28は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。本例では、図17から図28への順で、第1の作業の過程の時間的な流れを示してある。
ここで、第1の作業は、第1の箱材部1001を組み立てる作業である。
第1の作業では、図3に示される箱材201の第1の箱材部1001を組み立てる。図17〜図28では、図を見易くするために、箱材201については第1の箱材部1001の構成部のみを示してあり、また、マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1、第2のマニピュレーターMNP2)およびエンドエフェクター(第1のエンドエフェクターEND1、第2のエンドエフェクターEND2)の一部または全部の図示を省略してある場合がある。また、図17〜図28では、図を見易くするために、箱材201に対する作業を行う作業領域における他の物体(例えば、治具など)あるいは符号の一部または全部について図示を省略してある場合がある。
また、図17〜図28では、図1および図5〜図14に示される符号と同じ符号を用いている。例えば、第1の箱材部1001が有する面の符号としては、図3および図4に示されるものとは異なる符号を用いるが、同じ形状であるため、同じ配置の面は対応する。
以下で、図15に示されるステップS1〜ステップS10の処理の順で説明する。
また、図15に示されるステップS2の処理の詳細は、図16に示されるステップS31〜ステップS33の処理に相当する。このため、ステップS2の処理の説明において、ステップS31〜ステップS33の処理を説明する。
(ステップS1)
ロボット1は、箱材201を第6の治具1011に設置する。初期状態では、箱材201は、図3に示されるように、完全に畳まれた状態であり、ロボット1の作業領域に置かれている。ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪(または、第2のエンドエフェクターEND2の爪)で当該箱材201を把持して移動させて、第6の治具1011に設置する。そして、ロボット1は、当該箱材201の把持を解除する。
本例では、箱材201は、第6の治具1011に固定されて、ロボット1による作業によってずれないようにされる。
本例では、第6の治具1011は、テーブルである。本例では、第1の箱材部1001の第3の面403あるいは接続部(第1の箱材部1001と第2の箱材部1002との接続部、第1の箱材部1001と第3の箱材部1003との接続部)が、当該テーブルの台の上に平行に置かれて、固定される。
ここで、箱材201をテーブルに固定する方法としては、任意の方法が用いられてもよく、例えば、テーブルの台に設けられた吸着機構により箱材部201を吸着する方法、または、ロボット1または人によってテーブルの台と箱材部201とをクリップなどで留める方法が用いられてもよい。
(ステップS2)
ロボット1は、第1の箱材部1001を起こす。
ここで、ステップS2の処理の詳細であるステップS31〜ステップS33の処理を説明する。当該処理の原理は、図10〜図13を参照して説明した通りである。
(ステップS31)
ロボット1は、第1の箱材部1001の二辺に掌(第1の掌41−1、第2の掌41−2)を当接させる。
具体的には、図17に示されるように、ロボット1は、マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1、第2のマニピュレーターMNP2)あるいは掌(第1の掌41−1、第2の掌41−2)を動かして、第1の掌41−1の面を第1の箱材部1001の第4の辺414に当接させ、第2の掌41−2の面を第1の箱材部1001の第2の辺412に当接させる。
(ステップS32)
ロボット1は、第1の箱材部1001に力を加える。
具体的には、図18に示されるように、ロボット1は、第2の掌41−2の位置および姿勢を固定したまま、第1の掌41−1に、第1の箱材部1001の第1の面401〜第4の面404の部分が起き上がる方向の力を付与する。これにより、当該力が第1の箱材部1001に加えられる。そして、当該部分が次第に起き上がっていく。なお、当該力の方向(あるいは、当該力をかけて移動させる距離など)は、例えば、第1の箱材部1001の大きさなどに基づいて計算などによって決められてもよい。
(ステップS33)
ロボット1は、第1の箱材部1001を完全に起こす。
具体的には、図19に示されるように、ロボット1の第1の掌41−1の面が第1の箱材部1001の第4の面404と平行に接し、当該ロボット1の第2の掌41−2の面が第1の箱材部1001の第2の面402と平行に接する。
(ステップS3)
ロボット1は、起こした第1の箱材部1001を固定する第1の治具311を設置する。
具体的には、まず、図20に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第1の箱材部1001の第1の面401と第3の面403を把持する。その後、ロボット1は、第2の掌41−2の部分を縮めることで、第2の掌41−2を第2の辺412から離間させ、これとともに、第1の掌41−1の部分を縮めることで、第1の掌41−1を第4の辺414から離間させる。そして、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第1の治具311を把持する。ここで、初期状態では、第1の治具311は、ロボット1の作業領域に置かれている。
続いて、図21に示されるように、ロボット1は、第1の治具311を第1の箱材部1001の第1の面401の上側からかぶせて押し当てて、第1の治具311で第1の箱材部1001の起き上がった部分を固定する。
その後、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪による第1の箱材部1001の把持を解除する。
ここで、本例では、ロボット1は、第1の治具311の中央の突起部を把持し、第1の治具311の両端の突起部によって、起き上がった第1の面401と第2の面402と第4の面404を挟み込む。これにより、第1の治具311の両端の突起部の内側の面が第2の面402および第4の面404に接し、第1の治具311の両端の突起部の間の内側の面が第1の面401に接する。このとき、ロボット1は、第1の力センサー31−1の検出結果に基づいて力制御を行ってもよく、例えば、第1の治具311に加えられる上方向の力が所定の閾値以上となった場合に第1の治具311が第1の箱材部1001に嵌ったと判定してもよい。
その後、ロボット1は、第1の治具311を第1の面401に接しさせたまま、第1の治具311を第1の面401に沿って移動させてもよい。
ここで、本例では、第1の治具311の形状および大きさが第1の箱材部1001の形状および大きさに合わせて作成されている。
(ステップS4)
ロボット1は、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のタックに折り目を付ける。この処理の原理は、図14を参照して説明した通りである。ここでは、折り目を付ける対象は、2箇所のタックのうちの一方のタック(面431および面432)である。
具体的には、まず、図22に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第2の治具321を把持する。ここで、初期状態では、第2の治具321は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、L字型の第2の治具321を図14に示されるように少し傾けて、当該タックの手前に配置する。このとき、ロボット1は、把持するL字型の第2の治具321の一方の面に対して、他方の面が第1の面401に平行であって当該タックの開口部に向かって延びるように配置する。
ここで、本例では、L字型の第2の治具321の当該他方の面が当該タックの開口部に向かって延びる長さが、当該タックの長さ(同じ方向の長さ)よりも長くなるように設計されている。
続いて、図23に示されるように、ロボット1は、L字型の第2の治具321の前記一方の面を当該タックに近付けるように、第2の治具321を動かす。このとき、ロボット1は、第1の辺411(および第2の辺412、第3の辺413、第4の辺414)に沿った方向に、第2の治具321を動かす。これにより、当該タックの面432の端に第2の治具321が接した状態で、当該タックの面432が面431に対して下側に折り曲げられる。
続いて、図24に示されるように、ロボット1は、L字型の第2の治具321の前記他方の面の一部がタックの面432の下側に入った状態で、第2の治具321を上側に動かす。このとき、ロボット1は、L字型の第2の治具321の前記一方の面が第1の面401に対して垂直な向きとなるように第2の治具321を動かした後に(つまり、前記した傾きを解消した後に)、第2の治具321を上側に動かしてもよい。これにより、当該タックの面431が第1の面401に対して上側に折り曲げられる。
(ステップS5)
ロボット1は、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のフラップを折る。本例では、ロボット1は、タックに折り目を付けるために使用した第2の治具321をそのまま使用して、当該タックの両側のフラップを折る。
具体的には、まず、図25に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で一方のフラップの面451を第1の箱材部1001の外側から内側に向かって押し付ける。このとき、ロボット1は、第2の治具321がフラップのところの開口部の面(仮想的な面)と平行に、第1の箱材部1001の外側から内側に向かって動くようにする。これにより、当該一方のフラップの面451が開口部の面(仮想的な面)と平行(または、略平行)に折り曲げられる。
さらに、続けて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で、折り曲げられた一方のフラップの面451を開口部の外側から内側に向かって押し付けてもよい。これにより、当該一方のフラップの面451が開口部の内側に折り目を付けられる。
続いて、ロボット1は、他方のフラップの面452についても同様に、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で他方のフラップの面452を第1の箱材部1001の外側から内側に向かって押し付ける。これにより、当該他方のフラップの面452が開口部の面(仮想的な面)と平行(または、略平行)に折り曲げられる。
さらに、続けて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で、折り曲げられた他方のフラップの面452を開口部の外側から内側に向かって押し付けてもよい。これにより、当該他方のフラップの面452が開口部の内側に折り目を付けられる。
ここで、本例では、ロボット1は、タックが上側に折り目を付けられた状態でフラップを折るため、フラップを折る際にタックが干渉すること(ぶつかること)を抑制することができる。
(ステップS6)
ロボット1は、タックを挿入するための第3の治具331を設置する。なお、上記の処理によって、当該タックは上側に折り目を付けられており、両側のフラップは折り曲げられている。
具体的には、図26に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で、第3の治具331を把持する。ここで、初期状態では、第3の治具331は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、略L字型の第3の治具331を当該タックの手前に配置する。このとき、ロボット1は、把持する略L字型の第3の治具331の一方の面に対して、他方の面が第1の面401に平行であって当該タックの開口部に向かって延びるように配置する。これにより、第3の治具331のL字状の凹部の曲面が、第1の箱材部1001の当該タックおよび開口部と対向させられる。
そして、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪による第3の治具331の把持を解除する。
(ステップS7)
ロボット1は、第4の治具341を用いて、タックを挿入する。
具体的には、まず、図27に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第4の治具341を把持する。ここで、初期状態では、第4の治具341は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341を第3の治具331に当接させる。
ここで、本例では、ロボット1は、第4の治具341の中央の突起部を把持し、第4の治具341の両端の突起部によって、略L字型の第3の治具331の一方の面を挟み込む。当該一方の面は、第1の箱材部1001の第1の面401に対して垂直な面であり、開口部に対向させられていない方の面である。これにより、第4の治具341の両端の突起部の間の内側の面が第3の治具331に接する。
また、本例では、ロボット1は、第4の治具341の下面が第1の箱材部1001の第1の面401と平行になり、当該下面の高さが第1の面401の高さよりも高くなるように配置する。図27の例では、これらの高さが略同じにされている。
ここで、本例では、第4の治具341の形状および大きさが、第3の治具331および第1の箱材部1001の形状および大きさに合わせて作成されている。
続いて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けていく。そして、ロボット1は、第4の治具341の2個の突起部の先端の面(最も第1の箱材部1001の側の面)を、第1の面401とタックの面431との境界付近に配置する。その後、ロボット1は、第4の治具341の下面を第1の箱材部1001の第1の面401と平行に保ったまま、第4の治具341を少し下側へ移動させる。
続いて、図28に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けていく。このとき、タックが第3の治具331のL字状の凹部の曲面に沿って案内されることで、当該タックが滑らかに第1の箱材部1001の開口部に挿入されていく。これにより、当該タックの面432が第1の箱材部1001の開口部に収容され、当該タックの面431が当該開口部を覆う面(直方体の第1の箱1001Aの一面)として完成させられる。
(ステップS8)
ロボット1は、第3の治具331および第4の治具341を除く。
具体的には、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第4の治具341を第1の箱材部1001から離れた位置に置く。また、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第3の治具331を把持して、第3の治具331を第1の箱材部1001から離れた位置に置く。
なお、各治具(第1の治具311、第2の治具321、第3の治具331、第4の治具341)は、例えば、初期状態の位置に戻されて(置かれて)もよく、または、他の位置に置かれてもよい。
(ステップS9)
ここで、第1の箱材部1001が有する2箇所の開口部のうちの一方は、タックおよびフラップが閉じられて完成している。
ロボット1は、第6の治具1011を回転させる。
具体的には、ロボット1は、既に作業が完了したタックおよびフラップの位置と、まだ作業が行われていないタックおよびフラップの位置とが入れ替わるように、第6の治具1011(本例では、テーブル)を回転させる。この回転の機構としては、任意のものが用いられてもよく、例えば、テーブルの台の部分のみが回転する機構が用いられてもよく、または、テーブルの全体が回転する機構が用いられてもよい。
なお、本例では、第6の治具1011に回転の機構を備えたが、回転の代わりに、回転以外の動きの機構が備えられてもよい。また、本例では、ロボット1が第6の治具1011を動かしたが、他の構成例として、他の装置または人によって第6の治具1011を動かす構成が用いられてもよい。
(ステップS10)
ロボット1は、第1の箱材部1001の他方の開口部の作業を行う。
具体的には、ロボット1は、既に作業が完了したタックおよびフラップに対して行った作業と同じようにして、まだ作業が行われていないタックおよびフラップに対して作業を行う。これにより、第1の箱材部1001が有する2箇所の開口部の両方が、タックおよびフラップが閉じられて完成する。つまり、第1の箱材部1001から完成した第1の箱1001Aが生成される。
ここで、本例では、既に作業が完了したタックおよびフラップの位置と、まだ作業が行われていないタックおよびフラップの位置とを入れ替えて、ロボット1が両方の作業を行う構成を示したが、他の構成例として、既に作業が完了したタックおよびフラップの位置と、まだ作業が行われていないタックおよびフラップの位置を変化させずに、ロボット1が両方の作業を行う構成が用いられてもよい。
<第1の作業のまとめ>
以上のように、本実施形態に係るロボット1では、双腕を用いて、第1の箱材部1001を組み立てる。
概略的には、まず、ロボット1は、水平に置かれた第1の箱材部1001について、第1の箱材部1001の一方の側を一方の掌41−1で押さえ、第1の箱材部1001の他方の側を他方の掌41−2で押さえる。ここで、第1の箱材部1001が単純に水平に押されると、第1の箱材部1001がつぶれる可能性がある。そこで、ロボット1は、一方の掌41−1を斜め上に動かすことで、第1の箱材部1001を起こす。ここで、このままロボット1の両方の掌(第1の掌41−1、第2の掌41−2)が第1の箱材部1001から離されると、第1の箱材部1001の形状が元の状態に戻る可能性がある。そこで、ロボット1は、片方の手の爪(第2のエンドエフェクターEND2の爪)で第1の箱材部1001を把持しながら、第1の箱材部1001に蓋のような治具(第1の治具311)を設置する。
このように、本実施形態では、例えば、第1の箱材部1001の2箇所のタックの部分をロボット1により把持するスペースが無いような場合においても、ロボット1は、第1の箱材部1001の筒状の部分(4個の面401〜404で囲まれた部分)を起こすことが可能である。
なお、本例のように第1の治具311が設置されることで第1の箱材部1001に強い折り癖を付けることが可能であるが、他の構成例として、第1の治具311が用いられなくてもよい。
概略的には、続けて、ロボット1は、タックをフラップよりも先に折って、タックを癖付けする。この理由は、フラップを第1の箱材部1001の開口部の内部に折り込む際に、フラップとタックとが干渉することを防ぐためである。このとき、ロボット1は、単純なL字型の治具(第2の治具321)を把持して、当該治具を設置治具(第6の治具1011)に対して斜めにして折ることで、期待した方向と逆方向に折れることを防ぐことができる。次に、ロボット1は、フラップを折る。本例では、ロボット1は、2箇所のフラップのそれぞれについて、タックの癖付けをした治具と同じ治具(第2の治具321)を用いて、当該治具を横方向に移動してフラップを折り、その後、当該治具を第1の箱材部1001の開口部の内部に向けて押し、これにより、当該フラップの折り癖を付ける。なお、ロボット1は、力制御を用いて、当該治具と当該フラップとの接触を検出(判定)してもよい。
概略的には、続けて、ロボット1は、タックを挿入する。このとき、ロボット1は、滑り台のような治具(第3の治具331)を設置し、当該治具のスロープの部分によって、タックが90度付近に折れた状態を維持しながら、当該タックをフラップの下に挿入する。なお、当該治具のスロープの下のヘラのような部分は、例えば、第1の箱材部1001の紙のつなぎ目あるいは糊付け面による段差をタックが乗り越えるために必要である。そして、ロボット1は、上から見て凹のような形状をした治具(第4の治具341)を用いて、タックの両端に力がかかるようにして、当該タックを挿入する。その後、ロボット1は、例えば、当該治具で当該タックを数回押して、より確実に当該タックを挿入してもよい。
このように、本実施形態では、フラップとタックに折り癖を付け、当該タックの挿入の安定度を向上させることができる。
ここで、第1の箱材部1001には2箇所の開口部(タックおよびフラップ)がある。このため、ロボット1は、例えば、第6の治具1011(テーブル)の少なくとも台の部分を180度回転することにより、第1の箱材部1001の配置を変更して作業を行うことが可能である。
<ロボットにより行われる第2の作業の説明>
図29〜図33を参照して、ロボット1により行われる第2の作業を説明する。
図29は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第2の作業)の処理の手順の一例を示す図である。
図30〜図33は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第2の作業)の過程を示す図である。本例では、図30から図33への順で、第2の作業の過程の時間的な流れを示してある。
ここで、第2の作業は、図15に示されるステップS6〜ステップS7におけるタックの挿入の作業に関する他の例である。
第2の作業では、図3に示される箱材201の第1の箱材部1001を組み立てる。図30〜図33では、図26〜図28と同様に、図を見易くするために、一部の構成要素あるいは符号の図示を省略してある場合がある。
また、図30〜図33では、図1および図7〜図14に示される符号と同じ符号を用いている。例えば、第1の箱材部1001が有する面の符号としては、図3および図4に示されるものとは異なる符号を用いるが、同じ形状であるため、同じ配置の面は対応する。
以下で、図29に示されるステップS51〜ステップS55の処理の順で説明する。
(ステップS51)
ロボット1は、タックを挿入するための第3の治具331を設置する。
ここで、ステップS51の処理は、図15に示されるステップS6の処理と同様である。
また、ステップS6の処理の場合と同様に、ステップS1〜ステップS5の処理と同様な処理によって、当該タックは上側に折り目を付けられており、両側のフラップは折り曲げられている。
(ステップS52)
ロボット1は、第5の治具351を第1の箱材部1001のフラップの前に設置する。
具体的には、図30に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で、第5の治具351を把持する。ここで、初期状態では、第5の治具351は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、第5の治具351を当該フラップ(面451および面452)の前に配置する。このとき、ロボット1は、第1の箱材部1001の開口部に平行(または、略平行)に折り曲げられたフラップの面451、452に対して、第1の箱材部1001の内側とは反対の側(外側)に、第5の治具351の長方形状の部分を平行に挿入する。これにより、当該フラップの面451、452が、折り曲げられた状態で、第5の治具351に当接されて保持される。
ここで、本例では、ロボット1は、図15に示されるステップS7の処理と同様に、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第4の治具341を把持している。
(ステップS53)
ロボット1は、第4の治具341を用いて、タックを途中まで挿入する。
具体的には、図31に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341を第3の治具331に当接させる。
続いて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けていく。そして、ロボット1は、第4の治具341の2個の突起部の先端の面(最も第1の箱材部1001の側の面)を、第1の面401とタックの面431との境界付近に配置する。その後、ロボット1は、第4の治具341の下面を第1の箱材部1001の第1の面401と平行に保ったまま、第4の治具341を少し下側へ移動させる。
続いて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けていく。本例では、ロボット1は、当該タックを完全に挿入せずに、途中まで挿入する。ここで、当該タックを途中まで挿入する程度としては、任意に設定されてもよい。
(ステップS54)
ロボット1は、第5の治具351を抜き出す。
具体的には、図32に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第5の治具351を把持したまま、第2のエンドエフェクターEND2を動かして、第5の治具351の長方形状の部分をフラップの面451、452の前から抜き出す。本例では、ロボット1は、第5の治具351の長方形状の部分をフラップの面451、452の前に挿入したときと逆向きに、第5の治具351の長方形状の部分を抜き出す。
(ステップS55)
ロボット1は、第4の治具341を用いて、タックを挿入する。
具体的には、図33に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けて、タックを完全に挿入する。これにより、当該タックの面432が第1の箱材部1001の開口部に収容され、当該タックの面431が当該開口部を覆う面(直方体の第1の箱1001Aの一面)として完成させられる。
ここで、本例のようにロボット1が第5の治具351によってフラップを押さえながらタックを挿入する構成は、例えば、特に、第1の箱材部1001に物体(例えば、梱包物)が収容された状態でタックを挿入する場合に有効である。つまり、第1の箱材部1001に収容された物体が第1の箱材部1001の内側から外側に向かってフラップを押すような場合においても、当該フラップを第5の治具351によって外側から押さえながら、タックを滑らかに挿入することが可能である。
また、本例では、ロボット1は、第5の治具351をフラップに当接させた状態でタックを途中まで挿入し、その後、第5の治具351を除いた状態で当該タックを完全に挿入した。このような作業は、例えば、特に、タックが完全に挿入された状態では第5の治具351が当該タックに押さえ付けられて取り除きにくい場合に有効である。
他の構成例として、ロボット1は、第5の治具351をフラップに当接させた状態でタックを完全に挿入し、当該タックが完全に挿入された状態で第5の治具351を取り除いてもよい。
<第2の作業のまとめ>
以上のように、本実施形態に係るロボット1では、双腕を用いて、第1の箱材部1001を組み立てる。
概略的には、例えば、第1の箱材部1001の開口部の内部に物体が入っている場合、フラップを中に折ることができず、フラップが折り癖を付ける前の状態の付近に戻ってしまい、フラップがタックの挿入時に干渉してしまう可能性がある。そこで、ロボット1は、タックを挿入する際に、一方の手の爪(第2のエンドエフェクターEND2の爪)でヘラのような治具(第5の治具351)を持ち、当該治具によってフラップを押さえた状態で、タックを挿入する。このとき、ロボット1は、タックの先端が第1の箱材部1001の下の面(第3の面403)に接触した付近で、つまり当該タックの先端の一部がフラップにかかった辺りで、ヘラのような治具(第5の治具351)を抜き、当該タックの挿入動作を行う。
このように、本実施形態では、第1の箱材部1001の開口部の内部に物体が入っているような場合においても、フラップを押さえて、タックを滑らかに挿入することができる。例えば、タックを挿入する際に、当該タックがフラップに干渉することを防ぎ、当該フラップの折り癖が不十分であっても、当該タックの挿入を可能として安定化することができる。
ここで、本例では、タックを途中まで挿入した段階でヘラのような治具の板状部分を抜いているが、他の構成例として、当該板状部分が薄い場合には、タックを完全に挿入して閉じてから、当該板状部分を抜いてもよい。
なお、本例では、第1の箱材部1001の筒状の部分(4個の面401〜404で囲まれた部分)が起こされた時点で開口部の内部に物体が入れられる場合が想定されるが、他の例として、さらに2箇所の開口部のうちの一方のタックおよびフラップが閉じられた時点で他方から開口部の内部に物体が入れられてもよい。一例として、チリトリ状または他の形状の治具(図示せず)を用いて、当該治具に載せられた物体を当該治具の面を沿わせて、第1の箱材部1001の開口部から内部に移動させて収容してもよい。
<ロボットにより行われる第3の作業の説明>
図34〜図40を参照して、ロボット1により行われる第3の作業を説明する。
図34は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第3の作業)の処理の手順の一例を示す図である。
図35〜図40は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。本例では、図35から図40への順で、第3の作業の過程の時間的な流れを示してある。
ここで、第3の作業は、第2の箱材部1002を組み立てる作業である。
第3の作業では、図3に示される箱材201の第2の箱材部1002を組み立てる。図35〜図40では、図を見易くするために、箱材201については第2の箱材部1002の構成部のみを示してあり、また、マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1、第2のマニピュレーターMNP2)およびエンドエフェクター(第1のエンドエフェクターEND1、第2のエンドエフェクターEND2)の一部または全部の図示を省略してある場合がある。また、図35〜図40では、図を見易くするために、箱材201に対する作業を行う作業領域における他の物体(例えば、治具など)あるいは符号の一部または全部について図示を省略してある場合がある。
また、図35〜図40では、図1に示される符号と同じ符号を用いている。例えば、第2の箱材部1002が有する面の符号としては、図3および図4に示されるものとは異なる符号を用いるが、同じ形状であるため、同じ配置の面は対応する。
以下で、図34に示されるステップS71〜ステップS76の処理の順で説明する。
ここで、初期状態では、第2の箱材部1002は、完全に畳まれた状態である。
また、本例では、箱材201は、第6の治具1011に固定されて、ロボット1による作業によってずれないようにされている。
本例では、第6の治具1011(本例では、テーブル)から第2の箱材部1002への方向を上の方向とし、起き上がりの前に下側にある側面(面504)を左側とし、起き上がりの前に上側にある側面(面502)を右側とする。
(ステップS71)
ロボット1は、第2の箱材部1002の両側のタックを爪で把持する。
具体的には、図35に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の箱材部1002の一方の側のタック(面511と面512の一方または両方)を把持し、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第2の箱材部1002の他方の側のタック(面521と面522の一方または両方)を把持する。
(ステップS72)
ロボット1は、第2の箱材部1002に力を加える。
具体的には、図36に示されるように、第1のエンドエフェクターEND1の爪で一方の側のタックを把持し、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持した状態で、第2の箱材部1002を起こす力を第2の箱材部1002に加える。当該力は、例えば、斜め右上の方向である。これにより、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)が次第に立ち上がっていく。
(ステップS73)
ロボット1は、第2の箱材部1002を反対側に倒す。
具体的には、図37に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で一方の側のタックを把持し、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持した状態で、第2の箱材部1002を起こした後に、第2の箱材部1002に力を加えて、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)を反対側に倒す。当該力は、例えば、斜め右下の方向である。これにより、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)が、初期状態において畳まれていた状態とは反対の側に畳まれる。
(ステップS74)
ロボット1は、第2の箱材部1002の一方の側のタックを離す。
具体的には、図38に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で一方の側のタックを把持した状態を解除する。このとき、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持したままとする。
(ステップS75)
ロボット1は、第2の箱材部1002を掌で押す。
具体的には、図39に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1の第1の掌41−1の面で、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)の上側の面(面501と面504の一方または両方)を下側に押す。このとき、ロボット1は、第1の掌41−1の面と第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)の上側の面とが平行になるようにする。
(ステップS76)
ロボット1は、第2の箱材部1002から掌を離す。
具体的には、図40に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の第1の掌41−1の面を、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)の上側の面から離す。また、本例では、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持した状態を解除する。これにより、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)が立ち上がって完成する。
ここで、ロボット1は、第2の箱材部1002が有する2箇所のタップおよびフラップについては、任意の方法で、組み立てを行ってもよい。一例として、ロボット1は、第1の箱材部1001と同様な方法を用いて、第2の箱材部1002が有する2箇所のタップおよびフラップの部分を組み立ててもよい。このとき、例えば、ロボット1は、第6の治具1011(本例では、テーブル)に対する第2の箱材部1002の配置を変更した後に、第2の箱材部1002が有する2箇所のタップおよびフラップの部分を組み立ててもよい。
また、本例では、第3の箱材部1003は、第2の箱材部1002と同様な方法で組み立てられる。
一例として、図15に示されるステップS1〜ステップS8の処理(第1の箱材部1001の立ち上げ、および、一方の側のタックおよびフラップの挿入)が行われた後に、図34に示されるステップS71〜ステップS76の処理(当該一方の側にある第2の箱材部1002の組み立ての一部または全部)が行われ、その後、図15に示されるステップS9〜ステップS10の処理(第6の治具1011の回転、および、第1の箱材部1001の他方の側のタックおよびフラップの挿入)が行われた後に、図34に示されるステップS71〜ステップS76の処理と同様な処理(当該他方の側にある第3の箱材部1003の組み立ての一部または全部)が行われてもよい。また、図15に示されるステップS6〜ステップS7の処理は、図29に示されるステップS51〜ステップS55の処理に置き換えられてもよい。
<第3の作業のまとめ>
以上のように、本実施形態に係るロボット1では、双腕を用いて、第2の箱材部1002を組み立てる。
概略的には、本例では、ロボット1が、第2の箱材部1002を起こす際に、2箇所のタックに手を挿入することができる場合を示してある。ロボット1は、両手の爪(第1のエンドエフェクターEND1の爪、第2のエンドエフェクターEND2の爪)で、第2の箱材部1002の2箇所のタックを把持して、上方(斜め上でもよい)に移動することにより、第2の箱材部1002の筒状部(4個の面で囲まれた部分)を起こすことが可能である。なお、ロボット1は、例えば、あらかじめ設定された移動距離(完了とみなす移動距離)に基づいて、第2の箱材部1002を両手の爪で持ち上げる処理の完了を判定してもよい。
このように、ロボット1により、水平に置かれた箱材部(本例では、第2の箱材部1002)の2箇所のタックを両手の爪で把持することができる場合、つまり2箇所のタックに両手の爪でアプローチすることが可能なスペースが存在する場合には、2箇所のタックを両手の爪で把持して、設置治具(第6の治具1011)に対して斜め上に両手の爪を移動することにより、当該箱材部を起こすことが可能である。
また、本例では、ロボット1は、第2の箱材部1002を起こした後に、さらにそのまま反対側に90度以上傾けることで、強い折り癖を付けることができ、安定性を向上させることができる。
[以上の実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態に係るロボット1は、箱(箱体)を組み立てて成形することができる。
一般に、紙などの柔軟な物体からなる箱を組み立てるためには、期待する部分のみを折り、さらに折ったフラップおよびタックを挿入する必要がある。また、フラップおよびタックを挿入する際には、周辺の物(箱の一部)との干渉あるいは破損が起こらないように動作を制御する必要がある。例えば、一品一様の装置を構成すれば箱を組み立てることは可能であるが、通常は、そのような装置は複雑になってしまい、形状が少しでも異なる箱を組み立てることができない。
これに対して、本実施形態に係るロボット1では、いわゆるキャラメル箱のような箱を対象として、簡易な治具を用いて、箱の組み立て方を工夫して、箱を組み立てることが可能である。
一構成例として、第1のアームと、第2のアームと、を備え、第1の板体(図10の例では、第1の面401)と、第2の板体(図10の例では、第2の面402)と、第3の板体(図10の例では、第3の面403)と、第4の板体(図10の例では、第4の面404)と、を有し、第1の板体と第2の板体とが第1の部位(図10の例では、第1の辺411)で連結し、第2の板体と第3の板体とが第2の部位(図10の例では、第2の辺412)で連結し、第3の板体と第4の板体とが第3の部位(図10の例では、第3の辺413)で連結し、第4の板体と第1の板体とが第4の部位(図10の例では、第4の辺414)で連結した箱体(実施形態では、少なくとも第1の箱材部1001を含む箱体)を成形するロボット(実施形態では、図1に示される双腕のロボット1)である。そして、当該ロボットは、第1の板体と第2の板体とが成す第1の角度(図10の例では、第1の角度θ1)が、第2の板体と第3の板体とが成す第2の角度(図10の例では、第2の角度θ2)よりも大きい場合、第1の角度が箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、第1の角度が箱体が畳まれた状態の角度であるよりも小さい状態を第2の状態とした場合、第4の部位に第1のアームに設けられた第1の当接部(図11〜図13の例では、第1の掌41−1)を当接させ、第2の部位に第2のアームに設けられた第2の当接部(図11〜図13の例では、第2の掌41−2)を当接させ、第1の状態から第2の状態にするように、当該ロボットの関節にトルクを与える。
一構成例として、ロボットにおいて、箱体が畳まれた状態の角度は180度である(図11〜図13の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1の当接部と第2の当接部とがそれぞれ平面であり、第1の当接部の面と第2の当接部の面とを平行にし、第4の部位に第1の当接部を当接させ、第2の部位に第2の当接部を当接させる(図11の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1の状態から第2の状態にするために、第4の部位に第1の当接部を当接させ、第2の部位に第2の当接部を当接させた状態で、第1のアームによって、第3の板体から第1の板体に向かう第1の方向ならびに第3の部位から第2の部位に向かう第2の方向へ第4の部位を押す(図11の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1のアームによって、第4の部位を第1の方向ならびに第2の方向へ押した後、第4の部位を第2の方向へ押す(図12の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1のアームによって第4の部位を第2の方向へ押した後、第2のアームに設けられた第2の把持部(実施形態では、第2のエンドエフェクターEND2の爪)によって箱体を把持し、第1のアームによって第1の角度を固定する治具(本実施形態では、図5に示される第1の治具311)を箱体に押し当てる。
一構成例として、第1のアームと、第2のアームと、を備えたロボットを制御して、第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形する制御方法であって、前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、前記第1の角度が箱体が畳まれた状態の角度であるのときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が箱体が畳まれた状態の角度であるよりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、前記ロボットの関節にトルクを与える、ロボットの制御方法(実施形態では、図1に示されるロボット1の制御装置51により行われる制御の方法)である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
なお、以上に説明した装置(例えば、制御装置51)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体(記憶媒体)に記録(記憶)し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM:Random Access Memory)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…ロボット、11−1〜11−2、21−1〜21−2…撮像部、31−1〜31−2…力センサー、41−1〜41−2…掌、42−1〜42−2…爪(指)、51…制御装置、MNP1〜MNP2…マニピュレーター、END1〜END2…エンドエフェクター、111…入力部、112…出力部、113…記憶部、114…制御部、131…情報取得部、132…ロボット動作決定部、133…ロボット動作制御部、201…箱材、211〜218、221〜227、231〜237、401〜404、431〜432、451〜452、501、502、504、511〜512、521〜522…面、241、242…接続部、311、321、331、341、351、1011…治具、411〜414…辺、P1、P2…方向、1001…第1の箱材部、1002…第2の箱材部、1003…第3の箱材部、201A…箱、1001A…第1の箱、1002A…第2の箱、1003A…第3の箱

Claims (7)

  1. 第1のアームと、第2のアームと、を備え、
    第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形するロボットであって、
    前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、
    前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度よりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、当該ロボットの関節にトルクを与える、
    ロボット。
  2. 前記箱体が畳まれた状態の角度は180度である、
    請求項1に記載のロボット。
  3. 前記第1の当接部と前記第2の当接部とがそれぞれ平面であり、前記第1の当接部の面と前記第2の当接部の面とを平行にし、前記第4の部位に前記第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2の当接部を当接させる、
    請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のロボット。
  4. 前記第1の状態から前記第2の状態にするために、前記第4の部位に前記第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2の当接部を当接させた状態で、前記第1のアームによって、前記第3の板体から前記第1の板体に向かう第1の方向ならびに前記第3の部位から前記第2の部位に向かう第2の方向へ前記第4の部位を押す、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボット。
  5. 前記第1のアームによって、前記第4の部位を前記第1の方向ならびに前記第2の方向へ押した後、前記第4の部位を前記第2の方向へ押す、
    請求項4に記載のロボット。
  6. 前記第1のアームによって前記第4の部位を前記第2の方向へ押した後、前記第2のアームに設けられた第2の把持部によって前記箱体を把持し、前記第1のアームによって前記第1の角度を固定する治具を前記箱体に押し当てる、
    請求項5に記載のロボット。
  7. 第1のアームと、第2のアームと、を備えたロボットを制御して、
    第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形する制御方法であって、
    前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、
    前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度よりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、前記ロボットの関節にトルクを与える、
    ロボットの制御方法。
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