JP2017100194A - ロボットおよび制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に記載のロボットシステムでは、ロボットは、箱材を吸着するハンドと、当該ハンドが取り付けられ当該ハンドに吸着された当該箱材を所定の方向に移動させながら当該箱材の組立を行うロボット本体とを含む。当該ロボットシステムでは、例えば、所定の回胴軸まわりに回胴可能にフレームに連結されたアーム部の先端に、吸着部が配置されている。当該吸着部は、エアシリンダーにより、当該回胴軸まわりに回動されるように構成されている(特許文献1の請求項1、段落0020など参照)。
しかしながら、従来のロボットでは、箱を組み立てる作業を行う際に、エアあるいはシリンダーなどのように、複雑な配線あるいは複雑な配管を有する周辺装置が必要であった。
この構成により、ロボットでは、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
この構成により、ロボットでは、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
この構成により、ロボットでは、第1の当接部の面と第2の当接部の面とを平行にして、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
この構成により、ロボットでは、第1の当接部および第2の当接部により所定の方向へ押すことで、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
この構成により、ロボットでは、第1の当接部および第2の当接部により所定の方向へ押した後に他の所定の方向へ押すことで、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットでは、簡易に箱体を組み立てることができる。
この構成により、ロボットでは、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こした後に、所定の治具を箱体に押し当てる。これにより、ロボットでは、組み立てた箱体を治具で固定することができる。
この構成により、ロボットの制御方法では、ロボットにより、箱体が畳まれた状態から、箱体が有する第1の板体〜第4の板体の部分を起こす。これにより、ロボットの制御方法では、ロボットにより、簡易に箱体を組み立てることができる。
本実施形態では、ロボットシステムにより箱材から箱を組み立てる。
本実施形態では、説明の便宜上、箱が完成していない状態の材料を「箱材」と呼び、箱が完成した状態を「箱」と呼ぶが、箱が完成しているか否かが相違する(つまり、見た目の形状が相違する)だけで物体としては同じものである。
本実施形態に係るロボットシステムは、ロボットと、その周辺物を含む。当該周辺物は、例えば、治具、テーブル、撮像部である。また、当該周辺物は、箱材(または、完成した箱)を含んでもよい。また、当該周辺物は、作業で使用される他の物を含んでもよい。
なお、本実施形態では、撮像部は、ロボットと一体として備えられているが、ロボットとは別体で備えられてもよい。
また、テーブルは、治具の一種として捉えられてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットシステムにおけるロボット1の概略的な構成例を示す図である。
ロボット1は、上部にある頭部と、中央部にある胴体部と、下部にある台部(台の部分)と、胴体部に設けられた腕部を備える。
ロボット1は、腕部として2本の腕(アーム)を有する双碗のロボットである。
ロボット1は、他方の腕側の構成として、第2のマニピュレーターMNP2と、第2の力センサー31−2と、第2のエンドエフェクターEND2を備える。これらは一体化され、本実施形態では、第2のマニピュレーターMNP2と第2のエンドエフェクターEND2との間に第2の力センサー31−2を備える。
また、本実施形態では、第2のエンドエフェクターEND2として、ハンドが用いられている。当該ハンドは、4本の爪(指と呼ばれてもよい)と、第2の掌41−2を備える。第2の掌41−2は平らな面を有する。当該ハンドは、第2の掌41−2を支える支柱を有しており、当該ハンドの外部に現れる当該支柱の長さが延び縮みすることで、第2の掌41−2の平らな面での押し付けまたは引っ張りが可能である。なお、図1の例では、4本の爪のうちの1本に符号(爪42−2)を付してある。
ここで、アームは、7軸の自由度で動作する場合、6軸以下の自由度で動作する場合と比較して取り得る姿勢が増えることによって、例えば、動作が滑らかになり、当該アームの周辺に存在する物体との干渉を容易に回避することができる。また、アームが7軸の自由度で動作する場合、当該アームの制御は、アームが8軸以上の自由度で動作する場合と比較して計算量が少なく容易である。このような理由から、本実施形態では、好ましい一例として、7軸の自由度で動作するアームが用いられている。
また、本実施形態では、胴体部は、腰の部分で、1軸の自由度で回転することが可能な構成である。
それぞれの撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いたカメラである。
第1の撮像部11−1および第2の撮像部11−2は、それぞれ、頭部の動きに応じて動かされる。
第3の撮像部21−1および第4の撮像部21−2は、それぞれ、第1のマニピュレーターMNP1および第2のマニピュレーターMNP2のそれぞれの動きに応じて動かされる。
制御装置51は、ロボット1の動作を制御する。制御装置51は、例えば、第1のマニピュレーターMNP1および第2のマニピュレーターMNP2の動作を制御する。さらに、ロボット1の腰などの部分の動作が可能な構成では、制御装置51は当該腰などの部分の動作を制御する。
本実施形態では、第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1および第4の撮像部21−2のそれぞれは、画像を撮像して、撮像された画像の情報を制御装置51に送信(出力)する。また、第1の力センサー31−1および第2の力センサー31−2のそれぞれは、第1のエンドエフェクターEND1および第2のエンドエフェクターEND2のそれぞれに作用する力およびモーメントを検出して、検出結果の情報を制御装置51に送信(出力)する。制御装置51は、これらの情報を受信(入力)し、受信された情報を、ロボット1の動作を制御する際に、使用することが可能である。
ここで、第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2、第1の力センサー31−1および第2の力センサー31−2のそれぞれと制御装置51とは回線を介して接続されており、当該回線を介して情報を通信することが可能である。
具体例として、制御装置51は、各マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1および第2のマニピュレーターMNP2)の動作を制御することで、各エンドエフェクター(第1のエンドエフェクターEND1および第2のエンドエフェクターEND2)により物体を把持すること、各エンドエフェクターにより把持された物体を移動させること、各エンドエフェクターにより把持された物体を所定位置に載置して離す(把持を解除する)こと、各エンドエフェクターにより把持された物体を加工(例えば、穴開けなど)すること、などが可能である。
制御装置51は、入力部111と、出力部112と、記憶部113と、制御部114を備える。制御部114は、情報取得部131と、ロボット動作決定部132と、ロボット動作制御部133を備える。
出力部112は、外部へ情報を出力する。例えば、出力部112は、表示画面を有し、当該表示画面に情報を出力してもよく、また、外部の装置へ情報を出力してもよい。出力部112は、例えば、各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)に動作の指示を与える情報を出力してもよく、各力センサー(力センサー31−1、力センサー31−2)に動作の指示を与える情報を出力してもよい。
制御部114は、ロボット1に関する各種の制御を行う。例えば、制御部114は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサーを備え、記憶部113に記憶された動作制御プログラムを実行することにより、各種の制御を行う。
ロボット動作決定部132は、ロボット1により行う動作(ロボット動作)を決定する。この場合、ロボット動作決定部132は、情報取得部131により取得された情報に基づいて、ロボット1により行う動作を決定してもよい。
ロボット動作制御部133は、ロボット動作決定部132により決定されたロボット動作を実現するように、ロボット1の動作を制御する。
図3は、本発明の一実施形態に係る組み立て前の箱材201の一例を示す図である。図3の例では、箱材201は略平面状に畳まれた状態にある。
図4は、本発明の一実施形態に係る完成した箱201Aの一例を示す図である。箱201Aは、箱材201を折ることで生成される箱である。
図3に示される箱材201は、第1の箱材部1001と、第2の箱材部1002と、第3の箱材部1003と、第1の箱材部1001と第2の箱材部1002とを接続する板状の第1の接続部241と、第1の箱材部1001と第3の箱材部1003とを接続する板状の第2の接続部242を備える。
第1の箱材部1001から第1の箱1001Aが生成され、第2の箱材部1002から第2の箱1002Aが生成され、第3の箱材部1003から第3の箱1003Aが生成される。第1の箱1001Aの一面と第2の箱1002Aの一面とが第1の接続部241を介して接続され、第1の箱1001Aの当該一面と第3の箱1003Aの一面とが第2の接続部242を介して接続される。
当該筒状の胴体は、4個の板状の面を有し、これらが接続されていて筒状を形成している。これら4個の板状の面を、接続された順に、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面と呼ぶと、完成した箱1001Aでは、第1の面と第3の面とが対向し、第2の面と第4の面とが対向する。第1の面と第3の面とは同じ形状であり、第2の面と第4の面とは同じ形状である。本実施形態では、第1の面と第3の面は正方形であり、第2の面と第4の面は当該正方形の一辺と同じ長さの辺とそれより短い長さの辺を持つ長方形である。
当該差し込み式のフタは、それぞれの開口部において、第1の面に接続された板状の面を有し、当該面はいわゆるタックの一種である。当該面は、第1の面に近い1個の面と、第1の面から遠い他の1個の面とが接続されて構成されている。第1の面に近い1個の面は、開口部と略同じ形状である。第1の面に近い1個の面と比べて、第1の面から遠い他の1個の面は小さい。
また、当該差し込み式のフタは、それぞれの開口部において、第2の面および第4の面のそれぞれに接続された板状の面(1個の開口部について計2個の面)を有し、当該面はいわゆるフラップの一種である。
なお、畳まれた箱材201の他方の面(反対の面)の側の外観については、図示を省略するが、上記において本実施形態に係る第1の箱材部1001を説明した通りの面を有する。
第2の箱材部1002は、第1の箱材部1001と比べて、全体的にサイズが小さく、また、上記した第1の面に相当する面が長方形である点を除いて、第1の箱材部1001と同様な形状である。第2の箱材部1002では、上記した第1の面に相当する長方形の面における短い方の辺にタックが設けられており開口部となっている。また、本実施形態では、第2の箱材部1002における上記した第1の面に相当する長方形の面における長い方の辺の長さが、第1の箱材部1001における正方形の第1の面の一辺の長さと等しい。
なお、畳まれた箱材201の他方の面(反対の面)の側の外観については、図示を省略するが、上記において本実施形態に係る第2の箱材部1002を説明した通りの面を有する。
図3の例では、畳まれた箱材201の一方の面の側の外観を示してある。図3の例では、第2の箱材部1003の構成部として、面231、232、233、234、235、236、237を示してある。例えば、面234および235がタックであり、面236および面237がタックであり、面233がフラップである。
なお、畳まれた箱材201の他方の面(反対の面)の側の外観については、図示を省略するが、上記において本実施形態に係る第3の箱材部1003を説明した通りの面を有する。
なお、第1の接続部241は、例えば、第1の箱材1001における第3の面と第2の箱材1002における第3の面に相当する面との一方または両方と一体であってもよい。
なお、第2の接続部242は、例えば、第1の箱材1001における第3の面と第3の箱材1003における第3の面に相当する面との一方または両方と一体であってもよい。
図5は、本発明の一実施形態に係る治具(第1の治具311)の一例を示す図である。
第1の治具311は、略同一の形状の面が厚みを持った形状を有する。当該略同一の形状の面は、長方形の部分と、当該長方形の長辺の両端のそれぞれから直交する同じ向きに突起した部分(両端の2個の突起部分)と、当該長方形の長辺の中央から両端の突起部分とは逆向きに直交する突起した部分(中央の1個の突起部分)から構成される。本実施形態では、中央の1個の突起部分が、ロボット1により把持される。
第2の治具321は、略同一の形状の面が厚みを持った形状を有する。当該略同一の形状の面は、L字状の面である。本実施形態では、L字状が有する互いに直交する2個の板状の面のうちの一方が、ロボット1により把持される。なお、L字状が有する互いに直交する2個の板状の面の長さ(互いに直交する方向に延びる長さ)としては、本実施形態では、異なるが、他の構成例として、同じであってもよい。
第3の治具331は、略同一の形状の面が厚みを持った形状を有する。当該略同一の形状の面は、L字状に近いが、L字状の凹部が曲面になっている面である。本実施形態では、このような略L字状が有する互いに略直交する2個の板状の面のうちの一方が、ロボット1により把持される。
本例では、第3の治具331は、ヘラの部分とスロープの部分を持つ滑り台のような形状を有している。
第4の治具341は、略同一の形状の面が厚みを持った形状と、当該面から当該厚みの一方の向きに突起した部分とを有する。当該略同一の形状の面は、長方形の部分と、当該長方形の長辺の両端のそれぞれから直交する同じ向きに突起した部分(両端の2個の突起部分)から構成される。また、当該面から当該厚みの一方の向きに突起した部分は、当該長方形の長辺の中央から突起した部分(中央の1個の突起部分)から構成される。本実施形態では、中央の1個の突起部分が、ロボット1により把持される。
第5の治具351は、厚みを持ったブロック状の部分と、当該ブロック状の部分に接続された長方形状の部分とを有する。当該長方形状の部分は、薄い板状であり、当該ブロック状の部分から、当該長方形状の長手方向に延びている。本実施形態では、当該ブロック状の部分が、ロボット1により把持される。
図10〜図13を参照して、ロボット1により、第1の箱材部1001が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明する。
図10、図11、図12、図13は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により第1の箱材部1001が畳まれた状態から起こされた状態に動かす作業の原理を説明するための図である。
図10〜図13の説明では、第3の面403が下側に配置されているのに対して、第1の面401が上側に配置されているとし、また、第4の面404が左側に配置されているのに対して、第2の面402が右側に配置されているとする。
第1の面401と第2の面402とが成す角度を第1の角度θ1と呼び、第2の面402と第3の面403とが成す角度を第2の角度θ2と呼び、第3の面403と第4の面404とが成す角度を第3の角度θ3と呼び、第4の面404と第1の面401とが成す角度を第4の角度θ4と呼ぶ。
なお、図10〜図13では、第1の箱材部1001が有する第1の面401、第2の面402、第3の面403および第4の面404と、第1の辺411、第2の辺412、第3の辺413および第4の辺414以外の構成部については、図示を省略してある。
第1の箱材部1001が完全に折り畳まれた状態では、第1の角度θ1および第3の角度θ3が180度(または、約180度)であり、第2の角度θ2および第4の角度θ4が0度(または、約0度)である。図10には、第1の箱材部1001が少し起こされた状態を示してある。
本例では、第1の箱材部1001の第3の面403は、移動しないように固定されているとする。
本例では、第1の掌41−1は第4の辺414に当接させられており、第2の掌41−2は第2の辺412に当接させられている。ロボット1は、第2の掌41−2の位置および姿勢を固定したまま、第1の掌41−1を所定の方向P1に動かす。当該所定の方向P1は、第1の掌41−1から第1の箱材部1001の側へ、斜め上方に向かう方向(図11において、右斜め上の方向)である。これにより、摩擦力によって、第1の箱材部1001が立ち上がっていき、具体的には、第1の面401と第3の面403との距離(垂線方向の距離)が大きくなっていき、第1の角度θ1および第3の角度θ3が小さくなっていき、第2の角度θ2および第4の角度θ4が大きくなっていく。
ロボット1は、第2の掌41−2の位置および姿勢を固定したまま、第1の掌41−1を所定の方向P2に動かす。当該所定の方向P2は、第1の掌41−1から第1の箱材部1001の側へ、略水平に向かう方向(図12において、略右の方向)である。これにより、摩擦力によって、第1の箱材部1001がさらに立ち上がっていき、第1の角度θ1、第2の角度θ2、第3の角度θ3および第4の角度θ4が90度に近付いていく。
ロボット1の第1の掌41−1の面と第4の面404とが平行に接しており、ロボット1の第2の掌41−2の面と第2の面402とが平行に接している。第1の角度θ1、第2の角度θ2、第3の角度θ3および第4の角度θ4が90度となっている。
図14は、ロボット1により、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のタック(面431および面432)に折り目を付ける作業の原理を説明するための図である。図14は、図13に示されるように少なくとも第1の面401、第2の面402、第3の面403および第4の面404が完全に起こされた状態で、第1の箱材1001を第2の面402の外側から第2の面402に垂直に見た様子を示してある。
なお、図14では、第1の箱材部1001の概略的な形状および当該タックを示してあり、他の構成部については図示を省略してある。
ここで、ロボット1は、第2の治具321に付与する力の大きさあるいは方向に応じて、当該タックを動かす速さあるいは方向を調整することが可能である。
例えば、ロボット1は、タックの面431と第1の面401とを接続する辺を折り曲げることで、当該タックの面431を第1の面401に対して上側に折り曲げる。また、ロボット1は、タックの面431と面432とを接続する辺を折り曲げることで、当該タックの面432を面431に対して下側に折り曲げる。
以下で、ロボット1により行われる作業(第1の作業〜第3の作業)を説明する。
以下の各処理は、制御装置51がロボット1を制御することで、当該ロボット1により行われる。ロボット1は、第1のマニピュレーターMNP1および第1のエンドエフェクターEND1を使用すること、第2のマニピュレーターMNP2および第2のエンドエフェクターEND2を使用することが可能である。制御装置51は、例えば、各撮像部(第1の撮像部11−1、第2の撮像部11−2、第3の撮像部21−1、第4の撮像部21−2)からの画像情報、あるいは、各力センサー(力センサー31−1、力センサー31−2)からの検出情報などをロボット1の制御に使用してもよい。例えば、制御装置51は、それぞれの処理において、画像情報に基づいて位置制御を行ってもよく、または、力の検出情報に基づいて力制御を行ってもよく、または、これらの制御を組み合わせて行ってもよい。
本例では、制御装置51は、あらかじめ設定された動作制御プログラムを実行することで、作業(第1の作業〜第3の作業)の処理を行う。
また、箱材201を組み立てる作業の処理を行う動作制御プログラムを設計する際に、箱材201の大きさあるいは材質などが考慮されてもよい。
図15〜図28を参照して、ロボット1により行われる第1の作業を説明する。
図15は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第1の作業)の処理の手順の一例を示す図である。
図16は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第1の作業における箱材の起立)の処理の手順の一例を示す図である。
図17〜図28は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第1の作業)の過程を示す図である。本例では、図17から図28への順で、第1の作業の過程の時間的な流れを示してある。
第1の作業では、図3に示される箱材201の第1の箱材部1001を組み立てる。図17〜図28では、図を見易くするために、箱材201については第1の箱材部1001の構成部のみを示してあり、また、マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1、第2のマニピュレーターMNP2)およびエンドエフェクター(第1のエンドエフェクターEND1、第2のエンドエフェクターEND2)の一部または全部の図示を省略してある場合がある。また、図17〜図28では、図を見易くするために、箱材201に対する作業を行う作業領域における他の物体(例えば、治具など)あるいは符号の一部または全部について図示を省略してある場合がある。
また、図17〜図28では、図1および図5〜図14に示される符号と同じ符号を用いている。例えば、第1の箱材部1001が有する面の符号としては、図3および図4に示されるものとは異なる符号を用いるが、同じ形状であるため、同じ配置の面は対応する。
また、図15に示されるステップS2の処理の詳細は、図16に示されるステップS31〜ステップS33の処理に相当する。このため、ステップS2の処理の説明において、ステップS31〜ステップS33の処理を説明する。
ロボット1は、箱材201を第6の治具1011に設置する。初期状態では、箱材201は、図3に示されるように、完全に畳まれた状態であり、ロボット1の作業領域に置かれている。ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪(または、第2のエンドエフェクターEND2の爪)で当該箱材201を把持して移動させて、第6の治具1011に設置する。そして、ロボット1は、当該箱材201の把持を解除する。
本例では、箱材201は、第6の治具1011に固定されて、ロボット1による作業によってずれないようにされる。
ここで、箱材201をテーブルに固定する方法としては、任意の方法が用いられてもよく、例えば、テーブルの台に設けられた吸着機構により箱材部201を吸着する方法、または、ロボット1または人によってテーブルの台と箱材部201とをクリップなどで留める方法が用いられてもよい。
ロボット1は、第1の箱材部1001を起こす。
ここで、ステップS2の処理の詳細であるステップS31〜ステップS33の処理を説明する。当該処理の原理は、図10〜図13を参照して説明した通りである。
ロボット1は、第1の箱材部1001の二辺に掌(第1の掌41−1、第2の掌41−2)を当接させる。
具体的には、図17に示されるように、ロボット1は、マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1、第2のマニピュレーターMNP2)あるいは掌(第1の掌41−1、第2の掌41−2)を動かして、第1の掌41−1の面を第1の箱材部1001の第4の辺414に当接させ、第2の掌41−2の面を第1の箱材部1001の第2の辺412に当接させる。
ロボット1は、第1の箱材部1001に力を加える。
具体的には、図18に示されるように、ロボット1は、第2の掌41−2の位置および姿勢を固定したまま、第1の掌41−1に、第1の箱材部1001の第1の面401〜第4の面404の部分が起き上がる方向の力を付与する。これにより、当該力が第1の箱材部1001に加えられる。そして、当該部分が次第に起き上がっていく。なお、当該力の方向(あるいは、当該力をかけて移動させる距離など)は、例えば、第1の箱材部1001の大きさなどに基づいて計算などによって決められてもよい。
ロボット1は、第1の箱材部1001を完全に起こす。
具体的には、図19に示されるように、ロボット1の第1の掌41−1の面が第1の箱材部1001の第4の面404と平行に接し、当該ロボット1の第2の掌41−2の面が第1の箱材部1001の第2の面402と平行に接する。
ロボット1は、起こした第1の箱材部1001を固定する第1の治具311を設置する。
具体的には、まず、図20に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第1の箱材部1001の第1の面401と第3の面403を把持する。その後、ロボット1は、第2の掌41−2の部分を縮めることで、第2の掌41−2を第2の辺412から離間させ、これとともに、第1の掌41−1の部分を縮めることで、第1の掌41−1を第4の辺414から離間させる。そして、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第1の治具311を把持する。ここで、初期状態では、第1の治具311は、ロボット1の作業領域に置かれている。
その後、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪による第1の箱材部1001の把持を解除する。
その後、ロボット1は、第1の治具311を第1の面401に接しさせたまま、第1の治具311を第1の面401に沿って移動させてもよい。
ここで、本例では、第1の治具311の形状および大きさが第1の箱材部1001の形状および大きさに合わせて作成されている。
ロボット1は、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のタックに折り目を付ける。この処理の原理は、図14を参照して説明した通りである。ここでは、折り目を付ける対象は、2箇所のタックのうちの一方のタック(面431および面432)である。
具体的には、まず、図22に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第2の治具321を把持する。ここで、初期状態では、第2の治具321は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、L字型の第2の治具321を図14に示されるように少し傾けて、当該タックの手前に配置する。このとき、ロボット1は、把持するL字型の第2の治具321の一方の面に対して、他方の面が第1の面401に平行であって当該タックの開口部に向かって延びるように配置する。
ここで、本例では、L字型の第2の治具321の当該他方の面が当該タックの開口部に向かって延びる長さが、当該タックの長さ(同じ方向の長さ)よりも長くなるように設計されている。
ロボット1は、第2の治具321を用いて、第1の箱材部1001のフラップを折る。本例では、ロボット1は、タックに折り目を付けるために使用した第2の治具321をそのまま使用して、当該タックの両側のフラップを折る。
具体的には、まず、図25に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で一方のフラップの面451を第1の箱材部1001の外側から内側に向かって押し付ける。このとき、ロボット1は、第2の治具321がフラップのところの開口部の面(仮想的な面)と平行に、第1の箱材部1001の外側から内側に向かって動くようにする。これにより、当該一方のフラップの面451が開口部の面(仮想的な面)と平行(または、略平行)に折り曲げられる。
さらに、続けて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で、折り曲げられた一方のフラップの面451を開口部の外側から内側に向かって押し付けてもよい。これにより、当該一方のフラップの面451が開口部の内側に折り目を付けられる。
さらに、続けて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の治具321を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第2の治具321で、折り曲げられた他方のフラップの面452を開口部の外側から内側に向かって押し付けてもよい。これにより、当該他方のフラップの面452が開口部の内側に折り目を付けられる。
ロボット1は、タックを挿入するための第3の治具331を設置する。なお、上記の処理によって、当該タックは上側に折り目を付けられており、両側のフラップは折り曲げられている。
具体的には、図26に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で、第3の治具331を把持する。ここで、初期状態では、第3の治具331は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、略L字型の第3の治具331を当該タックの手前に配置する。このとき、ロボット1は、把持する略L字型の第3の治具331の一方の面に対して、他方の面が第1の面401に平行であって当該タックの開口部に向かって延びるように配置する。これにより、第3の治具331のL字状の凹部の曲面が、第1の箱材部1001の当該タックおよび開口部と対向させられる。
そして、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪による第3の治具331の把持を解除する。
ロボット1は、第4の治具341を用いて、タックを挿入する。
具体的には、まず、図27に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第4の治具341を把持する。ここで、初期状態では、第4の治具341は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341を第3の治具331に当接させる。
また、本例では、ロボット1は、第4の治具341の下面が第1の箱材部1001の第1の面401と平行になり、当該下面の高さが第1の面401の高さよりも高くなるように配置する。図27の例では、これらの高さが略同じにされている。
ここで、本例では、第4の治具341の形状および大きさが、第3の治具331および第1の箱材部1001の形状および大きさに合わせて作成されている。
ロボット1は、第3の治具331および第4の治具341を除く。
具体的には、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第4の治具341を第1の箱材部1001から離れた位置に置く。また、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第3の治具331を把持して、第3の治具331を第1の箱材部1001から離れた位置に置く。
なお、各治具(第1の治具311、第2の治具321、第3の治具331、第4の治具341)は、例えば、初期状態の位置に戻されて(置かれて)もよく、または、他の位置に置かれてもよい。
ここで、第1の箱材部1001が有する2箇所の開口部のうちの一方は、タックおよびフラップが閉じられて完成している。
ロボット1は、第6の治具1011を回転させる。
具体的には、ロボット1は、既に作業が完了したタックおよびフラップの位置と、まだ作業が行われていないタックおよびフラップの位置とが入れ替わるように、第6の治具1011(本例では、テーブル)を回転させる。この回転の機構としては、任意のものが用いられてもよく、例えば、テーブルの台の部分のみが回転する機構が用いられてもよく、または、テーブルの全体が回転する機構が用いられてもよい。
なお、本例では、第6の治具1011に回転の機構を備えたが、回転の代わりに、回転以外の動きの機構が備えられてもよい。また、本例では、ロボット1が第6の治具1011を動かしたが、他の構成例として、他の装置または人によって第6の治具1011を動かす構成が用いられてもよい。
ロボット1は、第1の箱材部1001の他方の開口部の作業を行う。
具体的には、ロボット1は、既に作業が完了したタックおよびフラップに対して行った作業と同じようにして、まだ作業が行われていないタックおよびフラップに対して作業を行う。これにより、第1の箱材部1001が有する2箇所の開口部の両方が、タックおよびフラップが閉じられて完成する。つまり、第1の箱材部1001から完成した第1の箱1001Aが生成される。
以上のように、本実施形態に係るロボット1では、双腕を用いて、第1の箱材部1001を組み立てる。
概略的には、まず、ロボット1は、水平に置かれた第1の箱材部1001について、第1の箱材部1001の一方の側を一方の掌41−1で押さえ、第1の箱材部1001の他方の側を他方の掌41−2で押さえる。ここで、第1の箱材部1001が単純に水平に押されると、第1の箱材部1001がつぶれる可能性がある。そこで、ロボット1は、一方の掌41−1を斜め上に動かすことで、第1の箱材部1001を起こす。ここで、このままロボット1の両方の掌(第1の掌41−1、第2の掌41−2)が第1の箱材部1001から離されると、第1の箱材部1001の形状が元の状態に戻る可能性がある。そこで、ロボット1は、片方の手の爪(第2のエンドエフェクターEND2の爪)で第1の箱材部1001を把持しながら、第1の箱材部1001に蓋のような治具(第1の治具311)を設置する。
なお、本例のように第1の治具311が設置されることで第1の箱材部1001に強い折り癖を付けることが可能であるが、他の構成例として、第1の治具311が用いられなくてもよい。
このように、本実施形態では、フラップとタックに折り癖を付け、当該タックの挿入の安定度を向上させることができる。
図29〜図33を参照して、ロボット1により行われる第2の作業を説明する。
図29は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第2の作業)の処理の手順の一例を示す図である。
図30〜図33は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第2の作業)の過程を示す図である。本例では、図30から図33への順で、第2の作業の過程の時間的な流れを示してある。
第2の作業では、図3に示される箱材201の第1の箱材部1001を組み立てる。図30〜図33では、図26〜図28と同様に、図を見易くするために、一部の構成要素あるいは符号の図示を省略してある場合がある。
また、図30〜図33では、図1および図7〜図14に示される符号と同じ符号を用いている。例えば、第1の箱材部1001が有する面の符号としては、図3および図4に示されるものとは異なる符号を用いるが、同じ形状であるため、同じ配置の面は対応する。
ロボット1は、タックを挿入するための第3の治具331を設置する。
ここで、ステップS51の処理は、図15に示されるステップS6の処理と同様である。
また、ステップS6の処理の場合と同様に、ステップS1〜ステップS5の処理と同様な処理によって、当該タックは上側に折り目を付けられており、両側のフラップは折り曲げられている。
ロボット1は、第5の治具351を第1の箱材部1001のフラップの前に設置する。
具体的には、図30に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で、第5の治具351を把持する。ここで、初期状態では、第5の治具351は、ロボット1の作業領域に置かれている。そして、ロボット1は、第5の治具351を当該フラップ(面451および面452)の前に配置する。このとき、ロボット1は、第1の箱材部1001の開口部に平行(または、略平行)に折り曲げられたフラップの面451、452に対して、第1の箱材部1001の内側とは反対の側(外側)に、第5の治具351の長方形状の部分を平行に挿入する。これにより、当該フラップの面451、452が、折り曲げられた状態で、第5の治具351に当接されて保持される。
ここで、本例では、ロボット1は、図15に示されるステップS7の処理と同様に、第1のエンドエフェクターEND1の爪で、第4の治具341を把持している。
ロボット1は、第4の治具341を用いて、タックを途中まで挿入する。
具体的には、図31に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341を第3の治具331に当接させる。
続いて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けていく。そして、ロボット1は、第4の治具341の2個の突起部の先端の面(最も第1の箱材部1001の側の面)を、第1の面401とタックの面431との境界付近に配置する。その後、ロボット1は、第4の治具341の下面を第1の箱材部1001の第1の面401と平行に保ったまま、第4の治具341を少し下側へ移動させる。
続いて、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けていく。本例では、ロボット1は、当該タックを完全に挿入せずに、途中まで挿入する。ここで、当該タックを途中まで挿入する程度としては、任意に設定されてもよい。
ロボット1は、第5の治具351を抜き出す。
具体的には、図32に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第5の治具351を把持したまま、第2のエンドエフェクターEND2を動かして、第5の治具351の長方形状の部分をフラップの面451、452の前から抜き出す。本例では、ロボット1は、第5の治具351の長方形状の部分をフラップの面451、452の前に挿入したときと逆向きに、第5の治具351の長方形状の部分を抜き出す。
ロボット1は、第4の治具341を用いて、タックを挿入する。
具体的には、図33に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第4の治具341を把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1を動かして、第4の治具341によって、第3の治具331を第1の箱材部1001の開口部に近付けて、タックを完全に挿入する。これにより、当該タックの面432が第1の箱材部1001の開口部に収容され、当該タックの面431が当該開口部を覆う面(直方体の第1の箱1001Aの一面)として完成させられる。
他の構成例として、ロボット1は、第5の治具351をフラップに当接させた状態でタックを完全に挿入し、当該タックが完全に挿入された状態で第5の治具351を取り除いてもよい。
以上のように、本実施形態に係るロボット1では、双腕を用いて、第1の箱材部1001を組み立てる。
概略的には、例えば、第1の箱材部1001の開口部の内部に物体が入っている場合、フラップを中に折ることができず、フラップが折り癖を付ける前の状態の付近に戻ってしまい、フラップがタックの挿入時に干渉してしまう可能性がある。そこで、ロボット1は、タックを挿入する際に、一方の手の爪(第2のエンドエフェクターEND2の爪)でヘラのような治具(第5の治具351)を持ち、当該治具によってフラップを押さえた状態で、タックを挿入する。このとき、ロボット1は、タックの先端が第1の箱材部1001の下の面(第3の面403)に接触した付近で、つまり当該タックの先端の一部がフラップにかかった辺りで、ヘラのような治具(第5の治具351)を抜き、当該タックの挿入動作を行う。
図34〜図40を参照して、ロボット1により行われる第3の作業を説明する。
図34は、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第3の作業)の処理の手順の一例を示す図である。
図35〜図40は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るロボット1により行われる作業(第3の作業)の過程を示す図である。本例では、図35から図40への順で、第3の作業の過程の時間的な流れを示してある。
第3の作業では、図3に示される箱材201の第2の箱材部1002を組み立てる。図35〜図40では、図を見易くするために、箱材201については第2の箱材部1002の構成部のみを示してあり、また、マニピュレーター(第1のマニピュレーターMNP1、第2のマニピュレーターMNP2)およびエンドエフェクター(第1のエンドエフェクターEND1、第2のエンドエフェクターEND2)の一部または全部の図示を省略してある場合がある。また、図35〜図40では、図を見易くするために、箱材201に対する作業を行う作業領域における他の物体(例えば、治具など)あるいは符号の一部または全部について図示を省略してある場合がある。
また、図35〜図40では、図1に示される符号と同じ符号を用いている。例えば、第2の箱材部1002が有する面の符号としては、図3および図4に示されるものとは異なる符号を用いるが、同じ形状であるため、同じ配置の面は対応する。
ここで、初期状態では、第2の箱材部1002は、完全に畳まれた状態である。
また、本例では、箱材201は、第6の治具1011に固定されて、ロボット1による作業によってずれないようにされている。
ロボット1は、第2の箱材部1002の両側のタックを爪で把持する。
具体的には、図35に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で第2の箱材部1002の一方の側のタック(面511と面512の一方または両方)を把持し、第2のエンドエフェクターEND2の爪で第2の箱材部1002の他方の側のタック(面521と面522の一方または両方)を把持する。
ロボット1は、第2の箱材部1002に力を加える。
具体的には、図36に示されるように、第1のエンドエフェクターEND1の爪で一方の側のタックを把持し、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持した状態で、第2の箱材部1002を起こす力を第2の箱材部1002に加える。当該力は、例えば、斜め右上の方向である。これにより、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)が次第に立ち上がっていく。
ロボット1は、第2の箱材部1002を反対側に倒す。
具体的には、図37に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で一方の側のタックを把持し、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持した状態で、第2の箱材部1002を起こした後に、第2の箱材部1002に力を加えて、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)を反対側に倒す。当該力は、例えば、斜め右下の方向である。これにより、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)が、初期状態において畳まれていた状態とは反対の側に畳まれる。
ロボット1は、第2の箱材部1002の一方の側のタックを離す。
具体的には、図38に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の爪で一方の側のタックを把持した状態を解除する。このとき、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持したままとする。
ロボット1は、第2の箱材部1002を掌で押す。
具体的には、図39に示されるように、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持したまま、第1のエンドエフェクターEND1の第1の掌41−1の面で、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)の上側の面(面501と面504の一方または両方)を下側に押す。このとき、ロボット1は、第1の掌41−1の面と第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)の上側の面とが平行になるようにする。
ロボット1は、第2の箱材部1002から掌を離す。
具体的には、図40に示されるように、ロボット1は、第1のエンドエフェクターEND1の第1の掌41−1の面を、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)の上側の面から離す。また、本例では、ロボット1は、第2のエンドエフェクターEND2の爪で他方の側のタックを把持した状態を解除する。これにより、第2の箱材部1002の筒状の部分(4個の面で囲われた部分)が立ち上がって完成する。
一例として、図15に示されるステップS1〜ステップS8の処理(第1の箱材部1001の立ち上げ、および、一方の側のタックおよびフラップの挿入)が行われた後に、図34に示されるステップS71〜ステップS76の処理(当該一方の側にある第2の箱材部1002の組み立ての一部または全部)が行われ、その後、図15に示されるステップS9〜ステップS10の処理(第6の治具1011の回転、および、第1の箱材部1001の他方の側のタックおよびフラップの挿入)が行われた後に、図34に示されるステップS71〜ステップS76の処理と同様な処理(当該他方の側にある第3の箱材部1003の組み立ての一部または全部)が行われてもよい。また、図15に示されるステップS6〜ステップS7の処理は、図29に示されるステップS51〜ステップS55の処理に置き換えられてもよい。
以上のように、本実施形態に係るロボット1では、双腕を用いて、第2の箱材部1002を組み立てる。
概略的には、本例では、ロボット1が、第2の箱材部1002を起こす際に、2箇所のタックに手を挿入することができる場合を示してある。ロボット1は、両手の爪(第1のエンドエフェクターEND1の爪、第2のエンドエフェクターEND2の爪)で、第2の箱材部1002の2箇所のタックを把持して、上方(斜め上でもよい)に移動することにより、第2の箱材部1002の筒状部(4個の面で囲まれた部分)を起こすことが可能である。なお、ロボット1は、例えば、あらかじめ設定された移動距離(完了とみなす移動距離)に基づいて、第2の箱材部1002を両手の爪で持ち上げる処理の完了を判定してもよい。
また、本例では、ロボット1は、第2の箱材部1002を起こした後に、さらにそのまま反対側に90度以上傾けることで、強い折り癖を付けることができ、安定性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るロボット1は、箱(箱体)を組み立てて成形することができる。
一般に、紙などの柔軟な物体からなる箱を組み立てるためには、期待する部分のみを折り、さらに折ったフラップおよびタックを挿入する必要がある。また、フラップおよびタックを挿入する際には、周辺の物(箱の一部)との干渉あるいは破損が起こらないように動作を制御する必要がある。例えば、一品一様の装置を構成すれば箱を組み立てることは可能であるが、通常は、そのような装置は複雑になってしまい、形状が少しでも異なる箱を組み立てることができない。
これに対して、本実施形態に係るロボット1では、いわゆるキャラメル箱のような箱を対象として、簡易な治具を用いて、箱の組み立て方を工夫して、箱を組み立てることが可能である。
一構成例として、ロボットにおいて、箱体が畳まれた状態の角度は180度である(図11〜図13の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1の当接部と第2の当接部とがそれぞれ平面であり、第1の当接部の面と第2の当接部の面とを平行にし、第4の部位に第1の当接部を当接させ、第2の部位に第2の当接部を当接させる(図11の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1の状態から第2の状態にするために、第4の部位に第1の当接部を当接させ、第2の部位に第2の当接部を当接させた状態で、第1のアームによって、第3の板体から第1の板体に向かう第1の方向ならびに第3の部位から第2の部位に向かう第2の方向へ第4の部位を押す(図11の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1のアームによって、第4の部位を第1の方向ならびに第2の方向へ押した後、第4の部位を第2の方向へ押す(図12の例)。
一構成例として、ロボットにおいて、第1のアームによって第4の部位を第2の方向へ押した後、第2のアームに設けられた第2の把持部(実施形態では、第2のエンドエフェクターEND2の爪)によって箱体を把持し、第1のアームによって第1の角度を固定する治具(本実施形態では、図5に示される第1の治具311)を箱体に押し当てる。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (7)
- 第1のアームと、第2のアームと、を備え、
第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形するロボットであって、
前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、
前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度よりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、当該ロボットの関節にトルクを与える、
ロボット。 - 前記箱体が畳まれた状態の角度は180度である、
請求項1に記載のロボット。 - 前記第1の当接部と前記第2の当接部とがそれぞれ平面であり、前記第1の当接部の面と前記第2の当接部の面とを平行にし、前記第4の部位に前記第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2の当接部を当接させる、
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記第1の状態から前記第2の状態にするために、前記第4の部位に前記第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2の当接部を当接させた状態で、前記第1のアームによって、前記第3の板体から前記第1の板体に向かう第1の方向ならびに前記第3の部位から前記第2の部位に向かう第2の方向へ前記第4の部位を押す、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボット。 - 前記第1のアームによって、前記第4の部位を前記第1の方向ならびに前記第2の方向へ押した後、前記第4の部位を前記第2の方向へ押す、
請求項4に記載のロボット。 - 前記第1のアームによって前記第4の部位を前記第2の方向へ押した後、前記第2のアームに設けられた第2の把持部によって前記箱体を把持し、前記第1のアームによって前記第1の角度を固定する治具を前記箱体に押し当てる、
請求項5に記載のロボット。 - 第1のアームと、第2のアームと、を備えたロボットを制御して、
第1の板体と、第2の板体と、第3の板体と、第4の板体と、を有し、前記第1の板体と前記第2の板体とが第1の部位で連結し、前記第2の板体と前記第3の板体とが第2の部位で連結し、前記第3の板体と前記第4の板体とが第3の部位で連結し、前記第4の板体と前記第1の板体とが第4の部位で連結した箱体を成形する制御方法であって、
前記第1の板体と前記第2の板体とが成す第1の角度が、前記第2の板体と前記第3の板体とが成す第2の角度よりも大きい場合、
前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度であるときの状態を第1の状態とし、前記第1の角度が前記箱体が畳まれた状態の角度よりも小さい状態を第2の状態とした場合、前記第4の部位に前記第1のアームに設けられた第1の当接部を当接させ、前記第2の部位に前記第2のアームに設けられた第2の当接部を当接させ、前記第1の状態から前記第2の状態にするように、前記ロボットの関節にトルクを与える、
ロボットの制御方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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