JP2017099739A - 二重管 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体を冷凍保存時において内側管体が膨張しても内側管体と外側管体との間の隙間が外方に連通することを抑制できる二重管を提供する。
【解決手段】二重管1は、採取した検体を冷凍保存するものである。二重管1は、採取した検体を入れる有底の内側管体11と、内側管体11との間に間隙が形成されるように内側管体11が挿入され、間隙の開口側が密閉されるように内側管体11に取付けられる有底の外側管体12と、内側管体内11を密封する栓部材3とを備え、内側管体11の下面11gは、外側管体12の底面12dに摺動可能に当接し、内側管体11は、内側管体11の開口側に比べて底側が縮径している。
【選択図】図2

Description

本発明は、採取した検体を保存するための二重管に関する。
採取した検体、具体的には血液を保存するための容器として採血管がある。採血管では、定められた分析を可能にするために事前に液体の添加物が収容され、且つ減圧処理されて採血管内が真空状態になっているものもある。そのため、採血管は、長期にわたって使用されない場合にも液体の添加物を蒸発させず且つ真空状態を保つために、二重管構造が採用されている。そのような採血管として、例えば特許文献1のような容器アセンブリが知られている。
容器アセンブリは、外側管体と、内側管体と、フタとを有しており、内側管体は、外側管体に挿入されて外側管体と共に二重管を構成している。容器アッセンブリは、外側管体の開口端部をフタによって塞がれており、減圧処理することで二重管内が真空状態になっている。
特許第4534506号明細書
採取された血液は、用途は様々であり、血液の成分を検査するために用いられたり、遺伝子を検査するために用いられたりしている。採取された血液を保存する方法として冷凍保存があるが、冷凍保存すると血液に含まれる赤血球細胞が破壊される。成分検査等を行う場合、赤血球細胞が破壊されると検査値が変わるおそれがあるので、全血を冷凍保存することができない。他方、遺伝子が凍結によって破壊されないので、遺伝子検査では、血液を長期保存すべく全血が−80℃前後の低温で冷凍されて長期保存される。
全血を冷凍する際、血液中の水分が0℃以下で氷結し始め、氷結することによって血液中の水分が膨張し始める。血液中の水分が膨張することによって内側管体に半径方向外方に向かう膨張応力が作用し、内側管体の一部分を半径方向外方へと膨張させる。膨張する一部分はやがて外側管体に当たり、血液中の水分は、外側管体を内側管体もろとも半径方向外方に膨張させる。これにより、外側管体が破損したり、また外側管体が内側管体の膨張を抑制することによって内側管体が破損したりすることがある。
このような現象を生じ得ることを把握したうえで、常温で血液を保存する際に用いられることを前提としている特許文献1の容器アセンブリを、冷凍保存において使用した場合について、発明者は検討した。特許文献1の内側管体のようなストレート管では、軸線方向における内側管体の内径が略均一である。この場合、内側管体に作用する応力は、内周面の位置に依らず略一定となる。そのため、内側管体の開口頂部側の部位が膨張することもある。この場合、その膨張した部位が外側管体に当たって外側管体を外側に押すことによって外側管体が内側管体の開口頂部から離れ、内側管体と外側管体との間の隙間が外方と連通するようになる。この状態で血液が解凍されてからフタが開けられると、外側管体が内側管体の開口頂部との間の連通部位を通って外気(即ち、空気)が内側管体と外側管体との間の隙間を通り、更に内側管体の破損した部分を通って勢いよく内側管体内に流れ込む。これにより、内側管体内の血液に泡を発生させ、更に泡が液面まで登っていきそこで破裂することによって内側管体内の血液が飛び散り、容器アッセンブリの外に飛び出すことがある。
そこで本発明は、内側管体が大きく膨張しても内側管体と外側管体との間の隙間が外方に連通することを抑制し、血液が外部に漏れだすことを防止できる二重管を提供することを目的としている。
本発明の二重管は、採取した検体を保存する二重管であって採取した検体を入れる有底の内側管体と、前記内側管体との間に間隙が形成されるように前記内側管体が挿入され、前記間隙の開口側が密閉されるように前記内側管体に取付けられる有底の外側管体と、前記内側管体内を密封する栓部材とを備え、前記内側管体の下面は、前記外側管体の底面に摺動可能に当接し前記内側管体は、前記内側管体の開口側に比べて底側が縮径しているものである。
本発明に従えば、内側管体の下面が外側管体の底面上を摺動可能にすることができるので、内側管体が膨張して外側管体に当たると外側管体が内側管体を反対側へと押し戻すことができる。即ち、押し戻すことができる分だけ内側管体の膨張を許容することができ、検体の膨張に対する許容量を大きくすることができる。これにより、内側管体が大きく膨張しても内側管体と外側管体との間の隙間が外方に連通することを抑制し、血液が外部に漏れだすことを防止できる。
本発明によれば、内側管体が膨張しても内側管体と外側管体との間の隙間が外方に連通することを抑制し、血液が外部に漏れだすことを防止できる。
本発明の実施形態である二重管を正面から見た正面図である。 図1の二重管を切断面II−IIで切断してみた断面図である。 図2の二重管に備わる内側管体を示す断面図である。 図2の二重管の領域X1を拡大して示す拡大断面図である。 図2の二重管の領域X2を拡大して示す拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施形態の二重管1について前述する図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する二重管1は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
図1に示す二重管1(以下、「二重管1」という)は、採取された検体、例えば血液を−15℃以下の温度で冷凍保存する際に用いられる。具体的には、二重管1は、検体に含まれる酵素の反応を停止させるべく(メディカルフリーズ)−30℃以下で保存したり、また遺伝子検査に用いられる検体を長期保存(ディープフリーズ)すべく−70℃以下で保存したりする際に用いられる。このように用いられる二重管1は、管本体2と、栓部材3とを備えている。
管本体2は、いわゆる二重管であり、図2に示すように内側管体11と外側管体12とを有している。内側管体11は、その軸線L1に沿って延びる長尺の有底の管であり、その中に血管から採取した血液を入れておくことができるようになっている。また、内側管体11は、例えばポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PP(ポリプロピレン)、グリコール変性ポリエステル、PS(ポリスチレン)等の透光性を有する熱可塑性樹脂から成り、例えば射出成型によって製造されている。また、内側管体11は、図3に示すように側面部を構成する円筒部11aが底側に向かって縮径するテーパ状に形成されている。
円筒部11aの形状について更に詳細に説明すると、円筒部11aは、その中間部分に中間テーパ部分11bを有し、中間テーパ部分11bより開口端側に開口側テーパ部分11cを有し、更に中間テーパ部分11bより底側に底側テーパ部分11dを有している。これら3つのテーパ部分11b〜11dは、底側に向かって縮径するテーパ形状になっており、中間テーパ部分11bは、開口側テーパ部分11c及び底側テーパ部分11dに滑らかに繋がっている。また、中間テーパ部分11bの勾配は、開口側テーパ部分11c及び底側テーパ部分11dの勾配に比べて大きくなっており、このように中間テーパ部分11bの勾配を大きくすることによって開口側テーパ部分11cの内径をより大きく、且つ底側テーパ部分11dの内径をより小さくしている。
また、内側管体11の開口端部11hには、半径方向外側へと突出するフランジ11eが形成されており、フランジ11eの外周面は軸線L1に沿って略真直ぐに延びている。即ち、開口端部11hの部分は、ストレート管となっている。更に、内側管体11の底部11fは、図4に示すように部分球面状になっており、内側管体11の底部11fの下面11gであって軸線L1周りの部分が内側管体11の内側へと凹んでいる。これにより、内側管体11の下面11gが円環状に形成されている。このような形状を有する内側管体11は、外側管体12に挿入されている。
図2に示すように、外側管体12は、その軸線L2に沿って延びる長尺の有底円筒状のストレート管であり、例えばポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PP(ポリプロピレン)、グリコール変性ポリエステル、PS(ポリスチレン)等の透光性を有する熱可塑性樹脂から成る。本実施形態において、外側管体12は、PEよりガラス転移点が高いPETによって構成されている。しかし、内側管体と外側管体の材質の組み合わせは、例示されたものに制限されず、外側管体12の材質のガラス転移点は内側管体11のガラス転移点より低くても構わない。また、外側管体12は、例えば射出成型によって製造されている。それ故、外側管体12の円筒部分12aには抜き勾配が付けられているが、その内周面は軸線L2に沿って略真直ぐに形成されている。外側管体12の底部12bもまた、図4に示すように部分球面状になっており、外側管体12の底部12bの下面12cであって軸線L2周りの部分は、外側管体12の内側へと凹んでいる。また、外側管体12の底面12d(即ち、底部12bの内側の面)は、軸線L2に略直交するように平坦になっており、挿入されている内側管体11の下面11gが底面12dに当接している。
このように形成されている外側管体12は、内側管体11より長尺に形成されており、内側管体11全体が外側管体12内に収まるようになっている。即ち、内側管体11全体が外側管体12によって覆われている。また、図5に示すように内側管体11の外径は、フランジ11eの部分において最も大きくなっており、このフランジ11eがシールを達成している状態で外側管体12の内周面の嵌挿部位12hに嵌合している。つまり、内側管体11のフランジ11eの部分の外径が外側管体12の内径と略同じ(又は大径)に形成されている。他方、内側管体11は、開口端部11hを除く円筒部11aが底側に向かって縮径するテーパ形状になっており、外側管体12の内周面は、軸線L2に沿って略真直に形成されている。そのため、外側管体12の内周面と内側管体11の外周面との間に間隙15が空いている。本実施形態では、間隙15において外側管体12の内周面と開口側テーパ部分11cの外周面とが接しておらず、外側管体12の内周面と開口側テーパ部分11cの外周面との間が最も狭くなっている。また、間隙15において外側管体12の内周面と底側テーパ部分11dの外周面との間(特に、底部11f付近)が最も広くなっている。更に、間隙15の間隔Hは、外側管体12の内周面と底側テーパ部分11dの外周面との間において所定の範囲、例えば0.1mm≦H≦2.5mm、好ましくは0.5mm≦H≦1.0mmに収まるようになっている。なお、本実施形態において、底側テーパ部分11dと中間テーパ部分11bの境界部分における間隔H1は、0.8mmであり(図4参照)、底側テーパ部分11dと底部11fの境界部分における間隔H2は0.9mmである(図1参照)。
このように構成される管本体2は、互いの軸線L1,L2が略一致するように外側管体12に内側管体11が挿入されており、内側管体11の下面11gが外側管体12の底面12dに当接している。また、内側管体11の開口端部11hは、軸線方向(軸線L1,L2に沿う方向)において外側管体12の開口端より低く位置しており、図5に示すように内側管体11のフランジ11eが外側管体12内に収まっている。
フランジ11eは、シールを達成した状態で外側管体12の内周面に嵌合しており、これにより内側管体11と外側管体12との間の間隙15が密閉されている。管本体2では、外側管体12の嵌挿部位12hの形状に合わせてフランジ11eの外周面(即ち、開口端部11hの外周面)がストレート形状で形成されているので、フランジ11eと外側管体12の嵌挿部位12hとの接触面積を広くとることができ、より高いシール性能を確保することができる。なお、本実施形態では、フランジ11eを外側管体12の内周面に嵌合させることで内側管体11と外側管体12との間のシール性を確保しているが、フランジ11eを外側管体12に固着(例えば、超音波溶着)することによってシール性を確保するようにしてもよい。
このように管本体2は、外側管体12と内側管体11との間に間隙15を有する二重構造の管として構成されている。このように構成される管本体2は、軸線方向一方側に開口2a(外側管体12の開口12e)を有しており、管本体2の開口端部2bに栓部材3が嵌合されることによって開口2aが塞がれている。
栓部材3は、いわゆるゴム栓であり、例えば合成ゴムから成る。栓部材3は、大略円柱状に形成されており、その先端側部分3aが内側管体11まで延びている。また、ゴム栓の基端側部分3bは、外側管体12の開口端部12fから外側に突き出ており、ゴム栓の基端側部分3bは、その周方向全周にわたって形成されるフランジ3cを有している。フランジ3cの外径は、外側管体12の外径より大径に形成されており、栓部材3によって管本体2の開口2aを塞いだ際に外側管体12の開口端部12fに当接するようになっている。これにより、外側管体12の開口端部12fに当接することにより、当接していない場合と比較して、底部での膨張が防止されやすい。このような形状を有する栓部材3は、内側管体11が内装される外側管体12内を密閉しており、密閉されることによって内側管体11内の気体及び液体が外側に放出されないようになっている。
このように構成されている二重管1は、内側管体11内が減圧処理されて真空になっており、採血針付きホルダー(図示せず)を用いることによって血液を採取できるようになっている。即ち、採血針付きホルダーの採血針を血管に穿刺し、その後、採血針付きホルダーに二重管1を取付けることによって血管内の血液が減圧処理された内側管体11内に流れ込むようになっている。そして、適量の血液が採取されたところで採血針付きホルダーから二重管1を取外す。これにより、内側管体11内に採取された血液を密閉した状態で保存することができる。
また、二重管1は、採取した血液を冷凍保存するために、血液と共に冷凍される。例えば、採取された血液を遺伝子検査に用いる場合、長期保存されることがあり、その際、二重管1は、血液と共に−70℃以下で冷凍保存される。血液を冷凍すると、血液に含まれる水分が0℃以下で氷結し始め、それに伴って血液が膨張し始める。膨張する水分は、内側管体11において栓部材3の方、即ち上側に進んでいき、やがて内側管体11内において上側にある水分から先に凍結する。そうすると、水分の上側へ膨張が徐々に抑制され、その結果、血液中の水分の膨張は、軸線方向ではなく半径方向外側へと遷移する。そのため、内側管体11は、膨張しようとする血液中の水分から半径方向外側に膨張応力を受けることになる。血液中の水分の凍結箇所が内側管体の底側に近づくほど軸線方向の膨張が困難となって内側管体11を半径方向外側に押し広げることになり、内側管体11が破損しやすくなる。
更に、血液中の水分の膨張応力は、内側管体11の内周面において均一に作用するわけではなく、内側管体11の内径に応じて大きさが変化する。即ち、内側管体11の内径が大きい程作用する膨張応力が小さくなり、また内径が小さい程作用する膨張応力が大きくなる。
なお、底側テーパ部分11dであっても、曲面を有する形状になっていることにより剛性が高い底部11f付近は、変形しにくくなっており、底部11fより中間テーパ部分11b寄りの部位で変形が発生しやすくなっている(例えば、図4の二点鎖線の変形箇所16参照)。血液の膨張に伴う変形は、内側管体11の底側テーパ部分11dにおいて局所的に発生し、変形箇所16は、血液の膨張に応じて膨張し続ける。そして血液が膨張し続けることにより、やがて変形箇所16が外側管体12の内周面に当たる。その後も、血液が膨張し続けると、外側管体12が変形箇所16によって半径方向外方に押されることになる。これにより外側管体12の内周面が変形することがあるが、変形箇所16を底側テーパ部分11dで発生させることによって、変形箇所16をフランジ11eから離すことができる。これにより、内側管体11の変形箇所16が膨張して、フランジ11eと外側管体12の嵌挿部位12hから離れて間隙15が外部と連通することを防ぐことができる。
また、二重管1では、内側管体11が開口端部11h(詳しくはフランジ11e)と外側管体12の底面12dだけで支持されており、内側管体11が外側管体12内において開口端部11hを基点にして半径方向の全方向に揺動できるようになっている。また、二重管1では、外側管体12の底面12dが平坦に形成され且つ底側テーパ部分11dと外側管体12との内周面との間の間隙15が広いので、内側管体11の底部11fを底面12d上で摺動させることができ、内側管体11は半径方向の何れの方向においても動きが規制されることがない。それ故、変形箇所16を底側テーパ部分11dで発生させることにより、外側管体12の内周面に当たった状態で更に血液が膨張しても外側管体12に内側管体11を反対方向に押し戻させることができる。これにより、外側管体12が変形させられて破損することを抑制できる。
また、変形箇所16が膨張する方向の反対側に内側管体11を押し戻すことができるので、押し戻すことができる分だけ血液の膨張を許容することができる。即ち、間隙15の間隔Hの約2倍分の血液の膨張を許容することができる。それ故、内側管体11が外側管体12内で固定されている場合に比べて、血液の膨張を許容すべく空ける間隙15の間隔Hを小さくすることができる。これにより、二重管1の外形寸法を抑えることができる。
なお、二重管1では、血液の凍結の仕方等によって血液が半径方向に大きく膨らみ、変形した内側管体11が耐えきれずに局所的に破損することがある。しかし、前述するように外側管体12が破損することがないので、遺伝子検査等に使用する際に血液が解凍されても二重管1から血液が漏れ出ることを抑制できる。
また、二重管1では、シールを達成している状態でフランジ11eを外側管体12の内周面(嵌挿部位12h)に嵌合させ、外側管体12と内側管体11との間にある間隙15を密閉している。このように間隙15を密閉しているので、内側管体11が破損しても内側管体11内と間隙15と繋がっても内側管体11内の血液が間隙15に入りにくくなっている。それ故、毛細管現象によって内側管体11内の血液が間隙15へと引き込まれることを抑制できる。これにより、間隙15へと流れ出て取り出せなくなる血液の量を少なくすることができ、検査等で使用可能な血液量が減少することを防ぐことができる。また、仮に流れ込んだとしても、間隙15の間隔Hが小さいので、間隙15へと流れ出て取り出せなくなる血液の量を抑えることができる。
また、二重管1では、間隙15が密閉されているので、内側管体11が破損して内側管体11内と間隙15とが繋がっても開栓時に間隙15が負圧となって間隙15に外気(空気)が流れ込むことを抑制できる。これにより、間隙15に流れ込んだ空気が破損個所を通って内側管体11内に入ることがない。これにより、開栓時に内側管体11内で泡が発生し、その泡が破裂して血液が飛び散ることを防げる。
更に、二重管1では、開口側テーパ部分11cと底側テーパ部分11dとの間にそれらの勾配に比べて勾配が大きい中間テーパ部分11bが形成されているので、開口側テーパ部分11cと底側テーパ部分11dとの外径差を大きくすることができる。これにより、開口側テーパ部分11cの外径を大きくしてそこに作用する膨張応力を低減しつつ、底側テーパ部分11d周りの間隙15の間隔Hを大きくすることができる。
外側管体12の内周面と底側テーパ部分11dの外周面との間の間隔Hが0.5mm≦H≦1.0mmとなるように、内側管体11及び外側管体12が形成されている。間隔Hが0.5mm未満の場合、間隙15により変形箇所16の膨張を吸収できずに外側管体12が破損することがあり、また1.0mm以上の場合、変形箇所16が局所的に膨張しすぎて変形箇所16が破損することがある。このようなことを鑑み、外側管体12の内周面と底側テーパ部分11dの外周面との間の間隔Hが0.1mm≦H≦2.5mm、好ましくは0.5mm≦H≦1.0mmの範囲に収まることが好ましい。
二重管1のような検体を保存する管では、検査装置等に装着すべく外側管体12の外径寸法が予め決められている。間隙15を設ける場合でも例外ではなく、二重管1の外側管体12の外径を大きくすることは難しい。それ故、間隙15を確保するためには、内側管体11の外径を小さくする必要がある。内側管体11及び外側管体12がストレート管である場合、間隙15を密閉すべく外側管体12の開口端部12eと内側管体11の開口端部11hとを当接させるべく内側管体11の外径と外側管体12の内径を同程度にする必要がある。そうすると、膨張を許容する間隙15を確保することが難しくなる。他方、内側管体11の外径が小さいと、間隙15が広くなるので断熱性が高まって血液中の水分の凍結が遅くなる。これらを鑑みて、外側管体12の内周面と底側テーパ部分11dの外周面との間の間隔Hを上記の範囲とすることにより、血液中の水分の膨張に伴う内側管体11の膨張を許容すべく間隙15を確保すると同時に、内側管体11内の血液中の水分の凍結速度が遅くなることを抑制することができる。
このように構成されている二重管1は、例えば内側管体11がPEから成り、且つ外側管体12がPETから成る。即ち、内側管体11の材料の方が外側管体12の材料よりもガラス転移点が低くなっており、内側管体11の粘度が外側管体12の粘度に比べて小さくなっている。従って、外側管体11に比べて内側管体12の方が伸びやすく破損しにくくなっており、血液が膨張した際の外側管体12の破損を更に発生しにくくすることができる。
<その他の実施形態>
本実施形態の二重管1は、血液を採取するための採血管として使用されたが、採取される検体は血液に限定されない。採取される検体は、例えば、唾液及び胃液等の消化液、又は汗等の分泌液であってもよい。
また、内側管体11では、中間テーパ部分11bの軸線方向両側に開口側テーパ部分11c及び底側テーパ部分11dが形成されているが、必ずしも中間テーパ部分11bの軸線方向両側がテーパ形状である必要はない。中間テーパ部分11bの軸線方向両側の外径が異なっていればよく、中間テーパ部分11bの軸線方向両側が略真直ぐに形成されていてもよい。また、内側管体11の中間部分に中間テーパ部分11bを形成することによって、内側管体11の外径を滑らかに変化させることができるので応力集中を発生しないようにすることができるが、必ずしも中間テーパ部分11bが必要ではなく、円筒部11aの開口側と底側との外径が異なるように円筒部11aの中間部分に段差を形成してもよい。段差を形成する場合、応力に対する耐久性を上げるため、段差はR形状にすることが好ましい。
更に、内側管体11は、必ずしも外側管体12より低い必要はなく、外側管体12と同じ高さであってもよい。このような実施形態の場合、外側管体12の開口端部12fに内側管体11のフランジ11eが嵌合される。この実施形態の二重管もまた、本実施形態の二重管1と同様の効果を奏する。更に、内側管体11の下面11gは、必ずしも軸線L1回りが凹んでいる必要はなく、平坦であってもよく、また球面状であってもよい。
1 二重管
3 栓部材
11 内側管体
11b 中間テーパ部分
11c 開口側テーパ部分
11d 底側テーパ部分
11g 下面
11h 開口端部
12 外側管体
12d 底面
12h 嵌挿部位
15 間隙

Claims (7)

  1. 採取した検体を保存する二重管であって
    採取した検体を入れる有底の内側管体と、
    前記内側管体との間に間隙が形成されるように前記内側管体が挿入され、前記間隙の開口側が密閉されるように前記内側管体に取付けられる有底の外側管体と、
    前記内側管体内を密封する栓部材とを備え、
    前記内側管体の下面は、前記外側管体の底面に摺動可能に当接し、
    前記内側管体は、前記内側管体の開口側に比べて底側が縮径している、二重管。
  2. 前記内側管体は、その軸線方向中間部分に中間テーパ部分を有しており、
    中間テーパ部分は、前記内側管体の底側に向かって縮径している、請求項1に記載の二重管。
  3. 前記内側管体は、前記中間テーパ部分より前記底側に形成される底側テーパ部分と、前記中間テーパ部分より前記開口側に形成される開口側テーパ部分とを有し、
    前記底側テーパ部分及び前記開口側テーパ部分は、前記内側管体の底側から前記開口側に向かって拡径し、
    前記底側テーパ部分及び前記開口側テーパ部分の勾配は、前記中間テーパ部分の勾配より小さくなっている、請求項2に記載の二重管。
  4. 前記内側管体の前記底側テーパ部分と前記外側管体との間の前記間隙の間隔は、0.1mm以上2.5mm以下で形成されている、請求項3に記載の二重管。
  5. 前記内側管体の前記底側テーパ部分と前記外側管体との間の前記間隙の間隔は、好ましくは0.5mm以上1.0mm以下で形成されている、請求項4に記載の二重管。
  6. 前記内側管体の開口端部の外周面は、その軸線に沿って略真直ぐに形成され、前記外側管体の内周面の嵌挿部位に密着させた状態で嵌合されている、
    前記嵌挿部位は、前記外側管体の軸線に沿って略真直ぐに形成されている、請求項1乃至4の何れか1つに記載の二重管。
  7. 前記外側管体及び前記内側管体は、樹脂材料から成り、
    前記内側管体の樹脂材料は、前記外側管体の樹脂材料のガラス転移点より低いガラス転移点を有する樹脂材料である、請求項1乃至5の何れか1つに記載の二重管。
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