JP2017098929A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の視差画像から生成した合成画像に発生するボケ領域を精度良く検出することが可能な画像処理装置および画像処理方法の提供。
【解決手段】複数の視差画像の合成比率が異なる複数の合成画像について予め定められた評価値を算出する。複数の視差画像を合成して得られる合成画像に生じるボケ領域を、合成画像のそれぞれから得られる複数の評価値に基づいて検出する。
【選択図】図4
【解決手段】複数の視差画像の合成比率が異なる複数の合成画像について予め定められた評価値を算出する。複数の視差画像を合成して得られる合成画像に生じるボケ領域を、合成画像のそれぞれから得られる複数の評価値に基づいて検出する。
【選択図】図4
Description
本発明は画像処理装置および画像処理方法に関する。
従来、共通の被写体を複数の撮像系で撮影して得られる複数の画像を合成することにより、単一の画像を得る複眼撮像装置が提案されている。
特許文献1では、2つの撮像系でサンプリング点を空間位相で1/2ピッチずらして同一の被写体を撮影し、得られた画像を合成することで、1つの撮像系で撮影した場合よりも高解像度な画像を得る構成が開示されている。
特許文献1では、2つの撮像系でサンプリング点を空間位相で1/2ピッチずらして同一の被写体を撮影し、得られた画像を合成することで、1つの撮像系で撮影した場合よりも高解像度な画像を得る構成が開示されている。
また、撮影レンズの射出瞳を複数の瞳領域に分割し、複数の視差画像を同時に撮影可能な撮像装置が提案されている。
特許文献2では、1つのマイクロレンズを複数の光電変換部で共有する構成の画素が2次元配列された撮像素子を用いた撮像装置が開示されている。1つのマイクロレンズを共有する個々の光電変換部は、撮影レンズの射出瞳のうち、異なる瞳領域に対応するため、各画素において同じ位置の光電変換部で得られる信号群から複数の視差画像を生成することができる。
特許文献2では、1つのマイクロレンズを複数の光電変換部で共有する構成の画素が2次元配列された撮像素子を用いた撮像装置が開示されている。1つのマイクロレンズを共有する個々の光電変換部は、撮影レンズの射出瞳のうち、異なる瞳領域に対応するため、各画素において同じ位置の光電変換部で得られる信号群から複数の視差画像を生成することができる。
各撮影光学系の光軸がずれて視差を有する場合、複数の画像を合成する合成比率を変えることにより、ボケ補正を行うことが可能である。
このことについて、ステレオカメラの機能構成を模式的に示した図18を用いて説明する。撮影光学系601、602は一次元方向(ここでは水平方向)に配置され、その光軸の輻輳角はθである。撮像素子603は撮影光学系601が形成する像を、撮像素子604は撮影光学系602が形成する像を、それぞれ撮像する。
このことについて、ステレオカメラの機能構成を模式的に示した図18を用いて説明する。撮影光学系601、602は一次元方向(ここでは水平方向)に配置され、その光軸の輻輳角はθである。撮像素子603は撮影光学系601が形成する像を、撮像素子604は撮影光学系602が形成する像を、それぞれ撮像する。
撮像素子603、604はモザイク状もしくはストライプ状のカラーフィルタを備える。画像処理回路605、606は撮像素子603、604が生成する画素信号にホワイトバランス調整処理やデモザイク処理などを適用してカラー画像を生成する。画像合成処理回路607は画像処理回路605、606が生成した2つの画像を合成し、合成画像を生成する。
輻輳角θを有する、撮影光学系601、602の光軸が距離k2で交差するものとする。この場合、距離k1、k3では光軸が交差せず、撮影光学系601、602に視差が生じる。そのため、距離k1、k3に位置する被写体は、画像処理回路605、606が生成する画像で異なる位置に存在する。
図19において、701は撮影光学系601を通じて得られた画像、702は撮影光学系602を通じて得られた画像、703は画像701、702を合成比率1:1で合成した合成画像を示している。また、被写体o1〜o3はそれぞれ図18に示した距離k1〜k3に存在するものとする。撮影光学系601、602の光軸が距離k2で交差するため、画像701、702における被写体o2の位置は同一であり、合成画像703においても画像ずれは生じない。距離k2を基準距離と呼ぶ。
しかし、撮影光学系601、602の視差の影響により、画像701、702における被写体o1およびo3の水平方向の位置が異なる。そのため、合成画像703では画像ずれが発生する。なお、複数の撮影光学系が水平方向だけでなく垂直方向にも配置されていれば、水平方向および垂直方向の両方で画像ずれが現れる。
合成画像703では被写体o2に被写体o1が重なっているが、これは画像702において被写体o2に被写体o1が重なっているからである。そのため、被写体o1および被写体o2については画像701と702の合成比率を2:0に変更し、被写体o3については画像701と702の合成比率を1:1で合成すると、合成画像704が得られる。
合成する画像間に生じる視差の影響により、合成画像において、基準距離およびその近傍に存在する被写体o2と、被写体o2より近くに存在する被写体o1とが重なる場合、合成比率を変更することで、被写体の重なりを軽減することができる。合成画像において、基準距離およびその近傍に位置する被写体の像に、この被写体より手前に位置する被写体の像が合成されて生じるボケ領域を削減又は除去する処理をボケ補正と呼ぶ。
しかしながら、画像701と702の全体について一律に合成比率を変更すると、補正が不要な領域に不自然なぼけが発生したり、ノイズが増加したりする。この問題を解決するには、補正が必要なボケ領域を精度良く検出する必要があるが、従来、そのような技術は提案されていなかった。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、視差画像から生成した合成画像に発生するボケ領域を精度良く検出可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、複数の視差画像を取得する取得手段と、複数の視差画像を合成して合成画像を生成する合成手段と、合成によって合成画像に生じるボケ領域を検出する第1の検出手段と、を有し、第1の検出手段は、複数の視差画像の合成比率が異なる複数の合成画像のそれぞれから得られる複数の評価値に基づいてボケ領域を検出することを特徴とする画像処理装置によって達成される。
このような構成により、本発明によれば、視差画像から生成した合成画像に発生するボケ領域を精度良く検出可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することができる。
以下、本発明の例示的な実施形態について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下では本発明に係る画像処理装置の一例として、視差画像を生成可能なデジタルカメラについて説明するが、本発明においては視差画像を生成するための構成は必須ではない。例えば、予め記録されている視差画像を記憶装置などから取得するなど、視差画像をなんらかの方法で取得できればよい。従って、本発明はパーソナルコンピュータ、携帯電話機、ゲーム機などを含む、任意の電子機器において実施可能である。
●(第1実施形態)
(デジタルカメラ100の機能構成例)
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成例を示すブロック図である。絞り240を有する撮影レンズ230は、着脱可能であってもなくてもよい。撮像素子110は、1つのマイクロレンズを複数の光電変換部で共有する構成の画素が2次元配列された構成を有する。A/D変換器120は撮像素子110が出力するアナログ信号をディジタル信号(RAWデータ)に変換する。RAWデータは、画像処理部130、カメラ信号処理部140を介して、あるいはカメラ信号処理部140をだけを介して、メモリ190に書き込まれる。
(デジタルカメラ100の機能構成例)
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成例を示すブロック図である。絞り240を有する撮影レンズ230は、着脱可能であってもなくてもよい。撮像素子110は、1つのマイクロレンズを複数の光電変換部で共有する構成の画素が2次元配列された構成を有する。A/D変換器120は撮像素子110が出力するアナログ信号をディジタル信号(RAWデータ)に変換する。RAWデータは、画像処理部130、カメラ信号処理部140を介して、あるいはカメラ信号処理部140をだけを介して、メモリ190に書き込まれる。
画像処理部130はA/D変換器120から出力されるRAWデータや、メモリ190に記憶されているRAWデータに対し、デモザイク処理、色変換処理など予め定められた画像処理を適用し、画像データを生成する。また、画像処理部130は、画像データに対して必要に応じて符号化処理や復号処理を適用する。
カメラ信号処理部140はデジタルカメラ100の動作全体を制御する。カメラ信号処理部140は例えばプログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサ(CPU)と、プログラムや設定値などを記憶する記憶装置と、メモリとを有してよい。カメラ信号処理部140は、プログラムを1つ以上のプロセッサで実行することにより、後述する画像合成処理をはじめとしたデジタルカメラ100の機能を実現する。
表示部220は例えばLCDの表示装置を有し、メモリ190に記憶された表示用の画像データ、GUIデータなどを表示する。動画撮影を行い、得られた動画を表示部220でリアルタイム表示することにより、ライブビュー機能を実現することができる。
メモリ190は静止画像や動画像、各種の設定、GUIデータ、撮像素子110の欠陥画素情報などの記憶に用いられる。
必要に応じて設けられる姿勢センサ195はデジタルカメラ100の姿勢を検出するセンサであり、例えば加速度センサやジャイロセンサであってよい。姿勢センサ195の出力は、手振れ補正に用いられてもよい。
必要に応じて設けられる姿勢センサ195はデジタルカメラ100の姿勢を検出するセンサであり、例えば加速度センサやジャイロセンサであってよい。姿勢センサ195の出力は、手振れ補正に用いられてもよい。
操作部210はユーザがデジタルカメラ100に指示を入力するための入力デバイス群である。スイッチ、ボタン、キー、タッチパネル、ダイヤルのような物理的な操作部材だけでなく、音声入力や視線入力を受け付ける部材が含まれてもよい。本実施形態のデジタルカメラ100では、操作部210に含まれるレリーズボタンのハーフストロークでONになるスイッチ(SW1)と、フルストロークでONになるスイッチ(SW2)を有している。
SW1のONは撮影準備動作の開始指示である。撮影準備動作には、AF(オートフォーカス)処理およびAE(自動露出)処理が含まれる。AE処理やAF処理は、例えばライブビュー表示用の画像から得られる情報に基づいてカメラ信号処理部140が実施することができる。
また、SW2のONは記録用画像の撮影動作の開始指示である。記録用画像は表示用画像と解像度が異なる以外は同様に生成され、メモリ190に格納される。そして、カメラ信号処理部140は、必要に応じて画像処理部130で符号化処理を行ったのち、記録形式に応じたデータファイルに格納してメディアIF150を通じてメモリカードなどの記録媒体160に記録する。
(画像処理部130の概要)
図2は、画像処理部130のうち、複数の視差画像から合成画像を生成する処理に関する機能を模式的に示している。距離検出部131は複数の視差画像から被写体距離の情報を検出する。ボケ領域検出部133は、複数の視差画像において合焦している領域およびその周辺領域の中のボケ領域(合焦被写体よりも手前の被写体がボケた領域)を検出する。合成比率算出部134は、複数の視差画像の画素位置ごとの合成比率を決定する。画像合成部132は、合成比率算出部134が算出した合成比率に基づいて複数の視差画像を合成し、合成画像を生成する。後述するように、画像の合成は重み付け加算による。
図2は、画像処理部130のうち、複数の視差画像から合成画像を生成する処理に関する機能を模式的に示している。距離検出部131は複数の視差画像から被写体距離の情報を検出する。ボケ領域検出部133は、複数の視差画像において合焦している領域およびその周辺領域の中のボケ領域(合焦被写体よりも手前の被写体がボケた領域)を検出する。合成比率算出部134は、複数の視差画像の画素位置ごとの合成比率を決定する。画像合成部132は、合成比率算出部134が算出した合成比率に基づいて複数の視差画像を合成し、合成画像を生成する。後述するように、画像の合成は重み付け加算による。
なお、画像処理部130はFPGAやASICのようなハードウェアによって実現されてもよいし、少なくとも一部の機能がCPUによってソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアを実行するCPUは、カメラ信号処理部140が有するCPUであってもよい。
(撮像素子110の画素配列)
図3は、撮像素子110における画素の配置例を模式的に示す図であり、画素が横4画素×縦4画素配列された領域を代表的に示している。撮像素子110は、撮影光学系101の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく複数の画像信号を生成可能に構成されている。具体的には、各画素の光電変換領域が水平方向(瞳分割方向)に2分割されており、各光電変換領域が副画素として機能する。従って、図3は、副画素が横8画素×縦4画素配列された領域とも言うことができる。
図3は、撮像素子110における画素の配置例を模式的に示す図であり、画素が横4画素×縦4画素配列された領域を代表的に示している。撮像素子110は、撮影光学系101の瞳領域を瞳分割方向に分割して、異なる瞳部分領域を通過した光束に基づく複数の画像信号を生成可能に構成されている。具体的には、各画素の光電変換領域が水平方向(瞳分割方向)に2分割されており、各光電変換領域が副画素として機能する。従って、図3は、副画素が横8画素×縦4画素配列された領域とも言うことができる。
本実施形態において、図3の左上の2×2の画素群200は、撮像素子110に設けられた原色ベイヤー配列のカラーフィルタの繰り返し単位に対応している。従って、R(赤)の分光感度を有する画素200Rが左上に、G(緑)の分光感度を有する画素200Gが右上と左下に、B(青)の分光感度を有する画素200Bが右下に配置されている。また、図2の右上の画素に代表的に示すように、各画素は、横2×縦1に等分割された光電変換部を有しており、左半分の光電変換部が第1副画素201、右半分の光電変換部が第2副画素202として利用可能である。副画素201の出力を取得して得られる1つの画像と、副画素202の出力を取得して得られる1つの画像とが、1組の視差画像を構成する。したがって、デジタルカメラ100は1回の撮影によって2つの視差画像を生成することができる。また、各画素の第1副画素201と第2副画素202で得られる信号を加算することで、1つの通常画素として利用することができる。なお、副画素を水平方だけでなく垂直方向にも設けてもよい。
図2に示した4×4の撮像画素(8×4の副画素)の配列を撮像素子110の撮像面に多数配置することにより、撮像画像を取得しつつ、画面の様々な位置を焦点検出領域として用いた撮像面位相差検出方式の焦点検出を行うことができる。本実施形態では、画素のピッチ(周期)Pが縦横とも4μmで、画素数Nは、横5575×縦3725=約2075万画素であるものとする。また、副画素の縦方向のピッチPは撮像画素と同じであるが、横方向のピッチPAFは2μmであり、従って副画素数NAFが横11150×縦3725=約4150万画素であるものとする。
(合成画像生成処理)
次に、本実施形態のデジタルカメラ100が、複数の視差画像から合成画像を生成する動作について、図2および、図4のフローチャートを用いて説明する。
図4(a)は、合成画像生成処理の全体を示すフローチャートである。
S401で、画像処理部130は、複数の視差画像(視差画像AおよびB)をメモリ190、記録媒体160または外部装置などから取得し、距離検出部131および画像合成部132に供給する。
次に、本実施形態のデジタルカメラ100が、複数の視差画像から合成画像を生成する動作について、図2および、図4のフローチャートを用いて説明する。
図4(a)は、合成画像生成処理の全体を示すフローチャートである。
S401で、画像処理部130は、複数の視差画像(視差画像AおよびB)をメモリ190、記録媒体160または外部装置などから取得し、距離検出部131および画像合成部132に供給する。
S402で画像合成部132は、S401で取得した視差画像Aと視差画像Bを基準合成比率1:1で合成し、合成画像Cを生成する。
S403で距離検出部131とボケ領域検出部133とにより、視差画像A、視差画像B、およびS402で生成した合成画像Cから、合焦距離およびその近傍に位置する被写体の領域に含まれるボケ領域を検出する。このボケ領域は、合焦している被写体よりも手前に位置する被写体に起因するものである。S403におけるボケ領域の検出処理の詳細については後述する。
S403で距離検出部131とボケ領域検出部133とにより、視差画像A、視差画像B、およびS402で生成した合成画像Cから、合焦距離およびその近傍に位置する被写体の領域に含まれるボケ領域を検出する。このボケ領域は、合焦している被写体よりも手前に位置する被写体に起因するものである。S403におけるボケ領域の検出処理の詳細については後述する。
S404で、画像処理部130は、S403でボケ領域が検出されたか否かを判定し、検出されたと判定されればS406へ、検出されたと判定されなければS405へ処理を進める。S405で、画像処理部130は、S403で生成した合成画像Cを合成処理の結果として出力して、合成画像の生成処理を終了する。
一方、S406で合成比率算出部134は、視差画像Aと視差画像Bの画素ごとの合成比率を決定する。S403においてボケ領域が検出されている場合、ボケ領域に対する視差画像A、視差画像Bの合成比率が検出されている。従って、合成比率算出部134は、ボケ領域についてはS403で検出された合成比率を用いる。
ボケ領域以外については、ボケ領域から所定距離以上の画素については、視差画像Aと視差画像Bとの合成比率を基準合成比率(1:1)とし、所定距離未満の画素については、ボケ領域の合成比率と基準合成比率とを距離に応じて線形補間して算出する。なお、ある画素についてのボケ領域からの距離は、その画素とボケ領域の外縁を形成する画素との最短距離とすることができるが、これに限定されない。合成比率の変化をなだらかにして画質劣化を目立たなくする境界処理の方法に制限は無く、第2実施形態で説明するようなテーブル関数を用いる方法であってもよい。に合成比率算出部134が画素ごとの合成比率を決定すると、画像処理部130は処理をS407に進める。
S407で画像合成部132は、合成比率算出部134で決定された合成比率を用いて視差画像Aと視差画像Bを合成し、合成画像Dを生成する。画像処理部130は、S407で生成した合成画像Dを合成処理の結果として出力し、合成画像の生成処理を出力する。
なお、補正したボケ領域(補正領域)を示す指標を重畳した合成画像Dを、合成比率の調整用GUIとともに表示部220に表示し、ボケ領域ごとにユーザが合成比率を調整できるように構成してもよい。この場合、カメラ信号処理部140は、調整用GUIの操作に応じた合成比率に基づいて合成画像Dを再生成するように画像処理部130(画像合成部132)を制御する。
次に、S403で行うボケ領域検出処理の詳細について図4(b)のフローチャートを用いて説明する。
S501で、距離検出部131は、視差画像Aと視差画像Bからデフォーカスマップを生成する。デフォーカスマップは、画像の領域ごとあるいは画素ごとのデフォーカス量を表す情報である。デフォーカス量は画像を撮像した装置から被写体までの距離にも対応するため、デフォーカスマップの生成は被写体距離情報の生成ともいえる。
S501で、距離検出部131は、視差画像Aと視差画像Bからデフォーカスマップを生成する。デフォーカスマップは、画像の領域ごとあるいは画素ごとのデフォーカス量を表す情報である。デフォーカス量は画像を撮像した装置から被写体までの距離にも対応するため、デフォーカスマップの生成は被写体距離情報の生成ともいえる。
デフォーカスマップは公知の任意の方法によって生成することができる。例えば距離検出部131は、視差画像Aおよび視差画像Bをそれぞれ複数の領域に分割し、対応する分割領域内の画素値の相関量が最大となる相対移動量(シフト量、像ずれ量)を、その領域に対する位相差として検出する。そして、距離検出部131は、位相差(視差量、像ずれ量)に係数を適用してデフォーカス量に変換することで、領域ごとのデフォーカス量を示すデフォーカスマップを生成する。位相差をデフォーカス量に変換する係数は、撮影光学系の口径情報、視差画像A,Bの感度分布の重心間隔などに基づいて予め求めた値を用いることができる。ここで、本実施形態では被写体距離情報としてデフォーカスマップを用いるが、上述したようにデフォーカス量と像ずれ量(位相差)は一対一に対応しているため、像ずれ量の分布を示す像ずれマップをデフォーカスマップの代わりに用いてもよい。さらには、デフォーカス量を被写体距離に換算した被写体距離の距離マップをデフォーカスマップの代わりに用いてもよい。なぜなら、本実施形態においては被写体距離情報によって被写体のボケ具合を検出しようとしており、この点ではいずれのマップの形態でも検出可能だからである。
図5(a)は、合成画像Cの例を、図5(b)は、視差画像Aおよび視差画像Bを11×11画素の領域に分割し、各領域について検出した位相差(像ずれ量)を、位相差が小さいほど輝度が低いグレースケールで視覚化した例を、それぞれ示している。各領域で検出した位相差を係数によってデフォーカス量に変換すると、デフォーカスマップが得られる。
S502で距離検出部131は、S501で生成したデフォーカスマップから、デフォーカス量が予め定められた値以下の領域と、その周辺領域とを選択し、合焦している被写体の領域とその周辺領域を検出する。デフォーカス量が予め定められた値以下の領域がなければ、距離検出部131はボケ領域の検出なしと判定し、ボケ領域検出処理を終了する。
例えば、デフォーカスマップから焦点深度内の領域を選択する場合、本実施形態では1画素が2つの副画素を有する構成のため、撮影光学系の絞り値(F値)をF、許容錯乱円をδとすると、デフォーカス量(絶対値)≦2Fδの領域を選択すればよい。なお、1画素がN×Nの副画素を有する場合、デフォーカス量(絶対値)≦NFδの領域を選択すればよい。
S503でボケ領域検出部133は、S502で選択した領域のそれぞれについて、ボケ領域が含まれている否かを検出する。具体的には、まず、画像合成部132で、視差画像Aと視差画像Bの合成比率をα:(2.0−α)として、0≦α≦2.0の範囲でαの値を変化させて複数の合成画像K(α)を生成する。なお、合成画像K(α)は、S502で選択された領域についてのみ生成すればよいが、全領域について生成してもよい。
そして、ボケ領域検出部133は、S502で選択した領域のそれぞれをさらに分割した小領域ごとに、個々のK(α)について、S402で生成した合成画像Cとの画素値の差分絶対値和を評価値として算出し、評価値を積分する。また、ボケ領域検出部133は、評価値が最大となるαの値を小領域ごとに記憶する。なお、αをどのような刻みで変化させるかは例えば画像処理部130の処理能力や、合成画像に求められる画質などに基づいて決定することができる。αを細かい刻みで変化させれば精度の良い合成が可能であるが、処理時間や処理負荷が増加する。
予め定められた数の合成画像K(α)について、各小領域における評価値を積分したら、ボケ領域検出部133は、積分値が所定の閾値以上の小領域を検出する。ここで検出される小領域は、合成比率を基準合成比率1:1から変化させたことによって評価値が有意に変化した領域、すなわち合焦度合いが有意に変化した領域であり、図19で説明した、合成比率を変化させることによるボケ補正が有効な領域に相当する。
そして、S505でボケ領域検出部133は、S504で検出した小領域ごとに、評価値(画素値の差分絶対値和)が最大となるαの値を対応付けて記憶する。このαは、その小領域に対するボケ補正の効果が最も得られる合成比率α:(2−α)を示す。
本実施形態によれば、複数の視差画像から合成比率を変えて生成した複数の合成画像の差分に基づく評価値を算出し、合成比率の変化に伴う評価値の変化に基づいて、視差画像から生成した合成画像に発生するボケ領域を精度良く検出することができる。そのため、補正が必要な領域については領域ごとに適切な補正を適用することができるほか、補正が不要な領域に補正が適用されることによる画質劣化を防止できる。
●(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図3に示した1つの撮像画素(ここでは200Gとする)を、撮像素子の受光面側(+z側)から見た平面図を図6(a)に示し、図6(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図6(b)に示す。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図3に示した1つの撮像画素(ここでは200Gとする)を、撮像素子の受光面側(+z側)から見た平面図を図6(a)に示し、図6(a)のa−a断面を−y側から見た断面図を図6(b)に示す。
図6に示すように、本実施形態の画素200Gでは、各画素の受光側に入射光を集光するためのマイクロレンズ305が形成され、x方向にNH分割(2分割)、y方向にNV分割(1分割)された光電変換部301と光電変換部302が形成される。光電変換部301と光電変換部302が、それぞれ、第1副画素201と第2副画素202に対応する。
光電変換部301と光電変換部302は、p型層とn型層の間にイントリンシック層を挟んだpin構造フォトダイオードとしても良いし、必要に応じて、イントリンシック層を省略し、pn接合フォトダイオードとしてもよい。
各画素には、マイクロレンズ305と、光電変換部301および光電変換部302との間に、カラーフィルタ306が形成される。また、必要に応じて、第1副画素201と第2副画素202とでカラーフィルタの分光透過率を変えても良いし、カラーフィルタを省略してもよい。
画素200Gに入射した光は、マイクロレンズ305により集光され、カラーフィルタ306で分光されたのち、光電変換部301と光電変換部302で受光される。
光電変換部301と光電変換部302では、受光量に応じて電子とホールが対生成し、空乏層で分離された後、負電荷の電子はn型層に蓄積され、ホールは定電圧源(不図示)に接続されたp型層300を通じて撮像素子110の外部へ排出される。
光電変換部301と光電変換部302のn型層に蓄積された電子は、転送ゲートを介して、静電容量部(FD)に転送され、電圧信号に変換される。
図6に示した本実施形態の画素構造と瞳分割との対応関係を示した概略説明図を図7に示す。図7では、射出瞳面の座標軸と対応を取るために、断面図のx軸とy軸を図6に対して反転させている。
図7で、第1副画素201の第1瞳部分領域501は、重心が−x方向に偏心している光電変換部301の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第1副画素201で受光可能な瞳領域を表している。第1副画素201の第1瞳部分領域501は、瞳面上で+X側に重心が偏心している。
図7で、第2副画素202の第2瞳部分領域502は、重心が+x方向に偏心している光電変換部302の受光面と、マイクロレンズ305によって、概ね共役関係になっており、第2副画素202で受光可能な瞳領域を表している。第2副画素202の第2瞳部分領域502は、瞳面上で−X側に重心が偏心している。
また、図7で、瞳領域500は、光電変換部301と光電変換部302(第1副画素201と第2副画素202)を合わせた、画素200G全体で受光可能な瞳領域である。
入射光は、マイクロレンズにより、焦点位置に集光される。しかし、光の波動性による回折の影響により、集光スポットの直径は回折限界Δより小さくすることはできず、有限の大きさとなる。光電変換部の受光面サイズが約1〜2μm程度なのに対し、マイクロレンズの集光スポットも約1μm程度である。そのため、光電変換部の受光面とマイクロレンズを介して共役の関係にある図7の第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502は、回折ボケのため、明瞭に瞳分割されず、受光率分布(瞳強度分布)となる。
本実施形態の撮像素子と瞳分割との対応関係を示した概略図を図8(a)に示す。第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502の異なる瞳部分領域を通過した光束は、撮像素子の各(撮像)画素に、撮像面800からそれぞれ異なる角度で入射し、2×1分割された光電変換部301および302(副画素201および202)で受光される。なお、本実施形態は、瞳領域が水平方向に2つに瞳分割されているが、必要に応じて、垂直方向に瞳分割を行ってもよいし、さらに多分割してもよい。
撮像素子110には、撮影光学系の第1瞳部分領域501を通過する光束を受光する第1副画素201と、第1瞳部分領域と異なる撮影光学系の第2瞳部分領域502を通過する光束を受光する第2副画素202を有する画素が配列されている。従って、画素は、撮影光学系の第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502を合わせた瞳領域500を通過する光束を受光する。
上述の通り、複数の第1副画素201で得られる信号から視差画像Aを生成し、複数の第2副画素202から得られる信号から視差画像Bを生成する。必要に応じて、視差画像Aおよび視差画像Bにデモザイキング処理(デベイヤー処理)を行ってもよい。なお、画素ごとに第1副画素201と第2副画素202で得られる信号を加算することで、有効画素数Nの解像度の撮像信号(撮像画像)を生成することもできる。
(デフォーカス量と像ずれ量の関係)
以下、本実施形態の撮像素子により取得される視差画像のデフォーカス量と像ずれ量との関係について説明する。
図8(b)に、デフォーカス量と視差画像Aと視差画像B間の像ずれ量の概略関係図を示す。撮像面800に撮像素子110(不図示)が配置され、図7、図8(a)と同様に、撮影光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
以下、本実施形態の撮像素子により取得される視差画像のデフォーカス量と像ずれ量との関係について説明する。
図8(b)に、デフォーカス量と視差画像Aと視差画像B間の像ずれ量の概略関係図を示す。撮像面800に撮像素子110(不図示)が配置され、図7、図8(a)と同様に、撮影光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割される。
デフォーカス量dの大きさ|d|は、被写体の結像位置から撮像面800までの距離である。また、デフォーカス量dが負(d<0)の場合は、被写体の結像位置が撮像面800より被写体側にある前ピン状態、正(d>0)の場合は、被写体の結像位置が撮像面800より被写体の反対側にある後ピン状態を意味する。そして、被写体の結像位置が撮像面800にある合焦状態で、デフォーカス量dの大きさは0となる。図8(b)で、被写体801は合焦状態(d=0)にあり、被写体802は前ピン状態(d<0)の例を示している。前ピン状態(d<0)と後ピン状態(d>0)を合わせて、デフォーカス状態(|d|>0)と呼ぶ。
前ピン状態(d<0)では、被写体802からの光束のうち、第1瞳部分領域501(第2瞳部分領域502)を通過した光束は、撮像面800より被写体側の位置で一度集光する。そして、その後、光束の重心位置G1(G2)を中心として幅Γ1(Γ2)に広がり、撮像面800でボケた像となる。ボケた像は、それを受光する複数の画素のそれぞれで第1副画素201(第2副画素202)により電気信号に変換される。そして、第1副画素201群(第2副画素202群)の信号から視差画像A(視差画像B)が生成される。よって、視差画像A(視差画像B)は、撮像面800上の重心位置G1(G2)に、被写体802が幅Γ1(Γ2)にボケた被写体像として記録される。
被写体像のボケ幅Γ1(Γ2)は、デフォーカス量dの大きさ|d|の増加に概ね比例して増加する。同様に、視差画像Aと視差画像B間の被写体像の像ずれ量p(=光束の重心位置の差G1−G2)の大きさ|p|も、デフォーカス量dの大きさ|d|の増加に概ね比例して増加していく。後ピン状態(d>0)の場合、視差画像Aと視差画像B間の被写体像の像ずれ方向が前ピン状態と反対となることをのぞき、デフォーカス量の大きさ|d|と被写体像のボケ幅、像ずれ量pとの関係は同様である。
したがって、視差画像Aと視差画像B、もしくは、視差画像Aと視差画像Bを加算した撮像信号のデフォーカス量の大きさの増加に伴い、視差画像Aと視差画像B間の像ずれ量の大きさが増加する。
(ボケ補正)
ここで、視差画像の合成画像において発生する、合焦被写体よりも手前に存在する被写体のボケた像が合成されることにより合焦被写体の像の画質が低下する現象が、視差画像の合成比率を変えることによって補正(抑制)できる原理について、再度説明する。
図9は、図8と同様に、撮影光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割されている状態で、被写体q1に合焦している状態を示している。
ここで、視差画像の合成画像において発生する、合焦被写体よりも手前に存在する被写体のボケた像が合成されることにより合焦被写体の像の画質が低下する現象が、視差画像の合成比率を変えることによって補正(抑制)できる原理について、再度説明する。
図9は、図8と同様に、撮影光学系の射出瞳が、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502に2分割されている状態で、被写体q1に合焦している状態を示している。
図9(a)に示すように、撮像面800において、被写体q1の合焦した像p1に、被写体q1より手前に位置する被写体q2のボケた像Γ1+Γ2が重なっていることが分かる。つまり、視差画像Aと視差画像Bを合成比率1:1で合成した画像では、被写体q1の像のうち、被写体q2の像が重なった部分がぼやけ、画質が低下する。
図9(a)を、第1瞳部分領域501に対応する視差画像Aと、第2瞳部分領域502に対応する視差画像Bに相当する像に分離して示したのが図9(b)と図9(c)である。
図9(b)に示すように、第1瞳部分領域501から第1副画素201(光電変換部301)に入射する光束によって形成される視差画像Aでは、被写体q1の像p1に、被写体q2の像Γ1が重ならない。
一方、図9(c)に示すように、第2瞳部分領域502から第2副画素202(光電変換部302)に入射する光束によって形成される視差画像Bでは、被写体q1の像p1に、被写体q2の像Γ2が重なっている。
図9(b)に示すように、第1瞳部分領域501から第1副画素201(光電変換部301)に入射する光束によって形成される視差画像Aでは、被写体q1の像p1に、被写体q2の像Γ1が重ならない。
一方、図9(c)に示すように、第2瞳部分領域502から第2副画素202(光電変換部302)に入射する光束によって形成される視差画像Bでは、被写体q1の像p1に、被写体q2の像Γ2が重なっている。
なお、被写体q1の像p1近傍においてコントラスト評価値を求めた場合、図9(b)に示す視差画像Aの方が、図9(c)に示す視差画像Bよりも大きな値となる。従って、同距離に存在する被写体像の領域に対するコントラスト評価値の差から、至近側に存在する被写体のボケた像の影響の程度を検出できる。なお、コントラスト評価値は、合焦度合いを表す評価値の一例である。
したがって、像p1の近傍においては、視差画像Aの重みまたは割合が視差画像Bの重みまたは割合よりも大きくなるような合成比率を用いることで、手前に存在する被写体のボケた像の重畳によって合焦被写体の像の画質が低下する現象を補正(抑制)できる。
(補正処理の具体例)
次に、合成比率を変更した画像合成の具体的な手法の例について説明する。
j,iを整数として、視差画像A(および視差画像B)の行方向j番目、列方向i番目の座標を(j,i)とし、座標(j,i)における視差画像Aの画素値をA(j,i)、視差画像Bの画素値をB(j,i)とする。また、ここでは説明及び理解を容易にするために、補正を行う領域Rが、行方向で座標[j1,j2]、列方向で座標[i1,i2]の範囲の矩形領域であるとするが、領域Rの形状に制限はない。
次に、合成比率を変更した画像合成の具体的な手法の例について説明する。
j,iを整数として、視差画像A(および視差画像B)の行方向j番目、列方向i番目の座標を(j,i)とし、座標(j,i)における視差画像Aの画素値をA(j,i)、視差画像Bの画素値をB(j,i)とする。また、ここでは説明及び理解を容易にするために、補正を行う領域Rが、行方向で座標[j1,j2]、列方向で座標[i1,i2]の範囲の矩形領域であるとするが、領域Rの形状に制限はない。
画像合成部132は、まず、領域Rの境界幅σを設定し、以下の式(1)により、領域Rと境界幅σに応じたテーブル関数T(j,i)を算出する。なお、異なる領域Rは異なる境界幅σを有してもよい。
テーブル関数T(j,i)は、領域Rの内側で1、外側で0となり、境界幅σの範囲で、概ね1から0に連続的に変化する。
次に画像合成部132は、実係数w(−1≦w≦1)とし、式(2A)により視差画像A(j,i)の重み係数Wa(j,i)を、式(2B)により視差画像B(j,i)の重み係数Wb(j,i)を算出する。
次に画像合成部132は、A(j,i)、B(j,i)、Wa(j,i)、Wb(j,i)から、式(3)により、合成画像Iの画素値I(j,i)を生成する。
視差画像を相対的にシフトさせて合成することで、リフォーカス画像を生成することが可能である。従って、合成画像を生成する際に視差画像を相対的にシフトさせることで、リフォーカス処理を合わせて実行することができる。この場合、式(4A)もしくは式(4B)により、リフォーカス画像Isの画素値Is(j,i)を生成することができる。
なお、sは視差画像AとBの相対的なシフト量である。なお、第1実施形態においても本実施形態で説明した方法で補正を行うことができる。
図10(a)に、700で示す領域における合焦被写体(鳥)に、手前に存在する花びらのボケた像が重畳している合成画像の例を、図10(b)にボケ補正後の合成画像の例をそれぞれ示す。鳥のくちばしや目、羽における補正前のかすみが、ボケ補正によって軽減されていることがわかる。
必要に応じて、ボケ調整処理を行わない所定領域以外では、撮影光学系のボケ形状を変化させないために、複数の視差画像ごとの重み係数(第1重み係数、第2重み係数)を、概ね均等に加算し、出力画像を生成することが望ましい。
(瞳ずれ)
次に、図11を用いて、画素と光軸との距離が瞳分割に与える影響について説明する。
図11(a)は、結像光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子110の設定瞳距離Dsが同じ場合を示している。この場合は、像高が小さい(光軸近くに位置する)画素および像高が大きい(光軸から離れて位置する)画素のいずれでも、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、結像光学系の射出瞳400が、概ね均等に瞳分割される。
次に、図11を用いて、画素と光軸との距離が瞳分割に与える影響について説明する。
図11(a)は、結像光学系の射出瞳距離Dlと撮像素子110の設定瞳距離Dsが同じ場合を示している。この場合は、像高が小さい(光軸近くに位置する)画素および像高が大きい(光軸から離れて位置する)画素のいずれでも、第1瞳部分領域501と第2瞳部分領域502により、結像光学系の射出瞳400が、概ね均等に瞳分割される。
図11(b)は、結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより短い(Dl<Ds)場合を示している。この場合、撮像素子の周辺部の画素では、結像光学系の射出瞳400と撮像素子110の入射瞳とにずれが生じ、結像光学系の射出瞳400が、平面図で示すように不均一に分割されてしまう。図11(b)の例では、第1瞳部分領域501に対応した視差画像Aの実効絞り値が、第2瞳部分領域502に対応した視差画像Bの実効絞り値より小さい(明るい)値となる。反対側の像高では、逆に、第1瞳部分領域501に対応した視差画像Aの実効絞り値が、第2瞳部分領域502に対応した視差画像Bの実効絞り値より大きい(暗い)値となる。
図11(c)は、結像光学系の射出瞳距離Dlが撮像素子の設定瞳距離Dsより長い(Dl>Ds)場合を示している。この場合も、Dl<Dsの場合と同様、撮像素子の周辺部の画素では、結像光学系の射出瞳400と撮像素子110の入射瞳とにずれが生じ、結像光学系の射出瞳400が不均一に分割されてしまう。図11(c)の例では、第1瞳部分領域501に対応した視差画像Aの実効絞り値が、第2瞳部分領域502に対応した視差画像Bの実効絞り値より大きい(暗い)値となる。反対側の像高では、逆に、第1瞳部分領域501に対応した視差画像Aの実効絞り値が、第2瞳部分領域502に対応した視差画像Bの実効絞り値より小さい(明るい)値となる。
瞳ずれにより撮像素子の周辺部の画素で瞳分割が不均一になると、視差画像Aと視差画像Bの実効F値も不均一になる。そのため、視差画像Aと視差画像Bの一方のボケの拡がりが大きくなり、他方のボケの拡がりが小さくなる。
そのため、必要に応じて、複数の視差画像のうち、実効絞り値が最も小さい視差画像の重みまたは割合を最も小さく、もしくは、実効絞り値が最も大きい視差画像の重みまたは割合を最も大きくするように合成比率を決定し、瞳ずれの影響を抑制してもよい。
(ボケ領域検出処理)
本実施形態は、図4(a)に示した合成画像生成処理のうち、特にボケ領域検出処理において第1の実施形態と異なる。従って、以下では本実施形態におけるボケ領域検出処理について説明する。
本実施形態は、図4(a)に示した合成画像生成処理のうち、特にボケ領域検出処理において第1の実施形態と異なる。従って、以下では本実施形態におけるボケ領域検出処理について説明する。
図12は本実施形態におけるボケ領域検出処理に関するフローチャートである。第1の実施形態と同様の処理については図4(b)と同じ参照数字を付してある。
S501およびS502で距離検出部131は第1実施形態と同様に、デフォーカスマップの生成およびデフォーカスマップに基づく領域選択を行う。デフォーカス量が選択条件に該当する領域がなければ、距離検出部131はボケ領域検出処理を終了する。
S501およびS502で距離検出部131は第1実施形態と同様に、デフォーカスマップの生成およびデフォーカスマップに基づく領域選択を行う。デフォーカス量が選択条件に該当する領域がなければ、距離検出部131はボケ領域検出処理を終了する。
次にS601〜S603でボケ領域検出部133は、第1実施形態におけるS503と同様に、視差画像Aと視差画像B像の合成比率を変更した合成画像K(α)を生成する。そして、ボケ領域検出部133は、個々の合成画像K(α)について、S502で選択した領域(以下、評価領域という)それぞれについて、合焦度合いを表す評価値としてコントラスト評価値を求める。
コントラスト評価値は公知の方法のいずれかで算出することができる。例えば、ボケ領域検出部133は、コントラスト評価値を求める画像(評価領域)にバンドパスフィルタを適用して評価帯域の成分を抽出し、評価帯域の成分に微分フィルタを適用して隣接画素の差分値を算出する。そして、ボケ領域検出部133は、算出した差分値の最大値を評価領域の各ラインについて検出し、その積算値を評価領域のコントラスト評価値とすることができる。
全ての合成画像K(α)について、評価領域のコントラスト評価値を算出したら、ボケ領域検出部133は処理をS604に進める。S604でボケ領域検出部133は、個々の評価領域について算出したコントラスト評価値の変化量(最大値−最小値)を算出する。
そして、S605でボケ領域検出部133は、
(1)コントラスト評価値の変化量が閾値以上で、かつ
(2)視差画像の一方の合成比率を徐々に高め、視差画像の他方の合成比率を徐々に低めた合成画像K(α)について、コントラスト評価値が単調増加または単調減少している、評価領域を選択する。合成比率を変化させたことでコントラスト評価値に一定以上の差が生じた領域は、合成比率を変えることによって合焦度合いが変化している領域であり、ボケの補正が有効な領域(合成によってボケが生じている領域)と考えられる。したがって、(1)の条件だけでもある程度の精度で補正対象とするボケ領域を検出できるが、(2)の条件をさらに考慮することで、合成によってボケが生じている領域であることをより精度良く検出できる。なお、(1)の判定に用いる閾値は実験的に予め求めておくことができる。なお、撮影感度、被写体輝度などの組み合わせに応じて閾値を変化させてもよい。
(1)コントラスト評価値の変化量が閾値以上で、かつ
(2)視差画像の一方の合成比率を徐々に高め、視差画像の他方の合成比率を徐々に低めた合成画像K(α)について、コントラスト評価値が単調増加または単調減少している、評価領域を選択する。合成比率を変化させたことでコントラスト評価値に一定以上の差が生じた領域は、合成比率を変えることによって合焦度合いが変化している領域であり、ボケの補正が有効な領域(合成によってボケが生じている領域)と考えられる。したがって、(1)の条件だけでもある程度の精度で補正対象とするボケ領域を検出できるが、(2)の条件をさらに考慮することで、合成によってボケが生じている領域であることをより精度良く検出できる。なお、(1)の判定に用いる閾値は実験的に予め求めておくことができる。なお、撮影感度、被写体輝度などの組み合わせに応じて閾値を変化させてもよい。
図13は、図5(b)の領域M,Nについての、合成比率とコントラスト評価値との関係を示している。領域M,Nはいずれも焦点深度内の領域であるが、領域Mには合成によるボケが生じず、領域Nには合成によるボケが生じている。図5(b)の横軸は、視差画像Aに対する視差画像Bの合成比率、縦軸がコントラスト評価値を示す。ここでは、視差画像Bの合成比率が0から1の範囲(視差画像Aの合成比率が2から1の範囲)を示している。
合成によるボケが生じていない領域Mのコントラスト評価値は視差画像Bの合成比率にかかわらず一定であるが、合成によるボケが生じている領域Nのコントラスト評価値は、視差画像Bの合成比率の単調増加に応じて単調減少していることが分かる。
S606でボケ領域検出部133は、評価領域ごとに、コントラスト評価値が最大となる合成画像K(α)の合成比率を記憶する。この合成比率は個々の評価領域でボケ補正の効果が最も得られる合成比率を示す。
ボケ領域検出処理で検出されたボケ領域がある場合の合成比率の決定ならびに合成画像の生成処理については、上述した方法もしくは第1実施形態で説明した方法で行うことができるため、説明を省略する。
本実施形態によれば、複数の視差画像から合成比率を変えて生成した複数の合成画像の合焦度合いを表す評価値の変化に基づいて、視差画像から生成した合成画像に発生するボケ領域を精度良く検出することができる。そのため、第1実施形態の効果に加え、画素の差分に基づいて検出しづらい状況においても、補正対象領域を精度良く検出することができるという効果を有する。
●(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1および第2実施形態において検出された補正対象領域についてのボケ補正のパラメータをユーザが調整するための構成に関する。なお、本実施形態も第1および第2実施形態と同様、図1および図2に示したデジタルカメラ100で実施可能なため、画像処理装置の機能構成に関する説明は省略する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1および第2実施形態において検出された補正対象領域についてのボケ補正のパラメータをユーザが調整するための構成に関する。なお、本実施形態も第1および第2実施形態と同様、図1および図2に示したデジタルカメラ100で実施可能なため、画像処理装置の機能構成に関する説明は省略する。
図14は、本実施形態に係るパラメータ調整処理の手順を示すフローチャートである。パラメータ調整処理は、表示制御手段としてのカメラ信号処理部140が有するCPUがプログラムを実行することによって実現することができる。なお、図14に示す処理は、例えば図4(a)のS403においてボケ領域検出処理が終了し、S404でボケ領域が検出されたと判定された際に実行することができる。
S1002でカメラ信号処理部140は、S402で生成した合成画像Cを、S403のボケ領域検出処理で検出されたボケ領域が識別できるように、パラメータ調整用のGUIとともに表示部220に表示させる。図15(a)に、S1002で表示する補正パラメータ調整画面900の例を模式的に示す。
補正パラメータ調整画面900には、合成画像970の表示領域と、GUIの表示領域が含まれる。合成画像970の表示倍率は変更可能であってもよい。合成画像970では、検出されたボケ領域が識別できるように、指標を重畳表示したり、色や輝度を変更したり、点滅させたり、特定の色で塗りつぶしたり、といった強調表示972を行う。なお、他の方法で強調表示を行ってもよい。なお、近接したボケ領域(例えば外縁間の最短距離が予め定められた閾値以下(例えば10画素以下)のボケ領域)は1つのグループとして取り扱うこともできる。近接したボケ領域をグループ化することで、複数のボケ領域についての補正パラメータの調整を一括して行うことを可能にできる。なお、グループとして取り扱うボケ領域はユーザが変更可能であってもよいし、ユーザが所望のボケ領域をグループとして指定することができてもよい。
なお、補正パラメータ調整画面900の操作は、操作部210が有するキーやボタン、タッチパネルなどを用いて行うものとするが、外部接続される入力機器を用いてもよい。パーソナルコンピュータで実施する場合にはキーボードやマウスなどを用いてもよい。
検出領域表示チェックボックス910がチェックされると、カメラ信号処理部140は画像処理部130に対して合成画像970におけるボケ領域を強調表示するように指示する。また、検出領域表示チェックボックス910のチェックが外されると、カメラ信号処理部140は画像処理部130に対して合成画像970におけるボケ領域の強調表示を行わないよう指示する。ユーザはチェックを外して強調表示を解除することで、パラメータの調整の効果を確認したり、ボケ領域の画像を確認したりすることができる。
合成比率調整ツール920は、合成画像970を生成する際の視差画像Aと視差画像Bの合成比率を手動で変更するためのGUIである。例えばスライダ921が左端にある場合は視差画像Aの合成比率が最大(2.0)、視差画像Bの合成比率が最小(0)で、スライダ921が右端にある場合は視差画像Aの合成比率が最小(0)、視差画像Bの合成比率が最大(2.0)となる。スライダ921を左右に操作することで、ユーザは合成比率を任意の値に設定できる。なお、S1002で表示する合成画像が合成画像Cでなく、合成画像Dの場合には、選択されている画素に対応する合成比率に連動してスライダ921の表示位置を変化させる。
なお、合成比率調整ツール920は、スライダ921に限定されず、合成比率を数値で直接入力して指定するGUIなど、値を入力可能な他の任意のGUIを用いることができる。
画素指定ツール930は、パラメータ調整を反映させる領域を選択するためのGUI群である。鉛筆ボタン931、ブラシボタン932は合成画像970の領域を指定するためのツールの例である。半径スライダ933は、ブラシの大きさを指定するためのGUIである。図15(a)の例では、鉛筆ボタン931が操作され、鉛筆状のカーソル980が表示されている。
なお、パラメータ調整を反映させる領域は、他の方法でも選択できる。例えば図16(a)では、範囲指定ツール940として、矩形領域ボタン941、円形領域ボタン942、フリー領域ボタン943が示されている。図16(a)の例では、矩形領域ボタン941が選択され、カーソルのドラッグ操作によって矩形領域を指定している状態を示している。指標984により、ユーザは選択される範囲を確認することができる。
画素指定ツール930や範囲指定ツール940による画像領域の指定操作や、指定操作に対してカメラ信号処理部140が行う視覚的なフィードバックは一般的な画像処理ソフトウェアで知られているものと同様であってよいため、詳細に関する説明は省略する。
また、パラメータ調整を反映させる領域は、グループを指定することによっても選択できる。図16(b)の例では、グループ指定ツール950が含まれている。検出されたボケ領域のうち、グループ化されているもののリスト951が表示され、対応するグループのチェックボックスをチェックしたりチェックを外したりすることで、グループ単位の選択、非選択が可能である。
なお、ここで説明した領域指定ツール930、940、950は単なる例であり、他の方法で画像の領域を指定するツールが含まれてもよい。
なお、ここで説明した領域指定ツール930、940、950は単なる例であり、他の方法で画像の領域を指定するツールが含まれてもよい。
なお、カーソルがボケ領域外(補正パラメータを調整できない領域)を指している際には、図15(b)に示すように、カーソル980に選択不能であることを示す指標981を重畳表示させてもよい。
設定ボタン960が操作されると、カメラ信号処理部140は、操作時に指定されている画像の範囲とそれに対する合成比率の設定を保存する。
キャンセルボタン962が操作されると、カメラ信号処理部140は、未保存の調整内容を破棄して処理を終了する。
完了ボタン964が操作されると、カメラ信号処理部140は、未保存の調整内容を保存して処理を終了する。
キャンセルボタン962が操作されると、カメラ信号処理部140は、未保存の調整内容を破棄して処理を終了する。
完了ボタン964が操作されると、カメラ信号処理部140は、未保存の調整内容を保存して処理を終了する。
一般的なデジタルカメラは、デジタルカメラの姿勢を検出可能なセンサ(姿勢センサ195)を有している。例えば手振れ補正に用いられるセンサを兼用することもあれば、姿勢検出用に独立したセンサを有することもある。そして、撮影画像の例えばメタデータに関する情報を記録する。例えば、Exif規格では、画像の付属情報として、画像の0番目の行と0番目の列が目で見たときの画像の上、下、右、左のどちら側になるかを示す情報を画像方向(Orientation)として記録することが規定されている。一方、撮影画像の再生時にカメラ信号処理部140は、撮影画像の向きと、現在のデジタルカメラの姿勢との関係に応じて、ユーザが正しい向きで画像を見られるよう、必要に応じて画像を回転してから表示する。
そのため、例えば水平位置と、水平位置から180°回転した位置で撮影された画像のように、撮影時の視点位置の相対関係が逆転している画像であっても、同じ向きに表示されるため、見た目はで区別することはできない。従って、図15および図16に示した補正パラメータ調整画面900において、特定の視差画像(例えば視差画像A)の比率を高めたい場合に、スライダ921を左右どちらに移動したらよいか把握することが難しい。
従って、例えば図15や図16に示した補正パラメータ調整画面900において、スライダ921の移動方向と、合成比率が高まる視差画像との関係を明示することで、ユーザが意図に沿った合成比率を指定することを可能にすることができる。例えば、図15(a)に示した補正パラメータ調整画面900に、スライダ921の移動方向と、移動によって合成比率が高まる視差画像との関係を明示させた例を図17に示す。
具体的にはカメラ信号処理部140は、例えば視差画像AおよびBのメタデータを参照して撮像時のデジタルカメラの姿勢を判定する。カメラ信号処理部140は例えば、水平位置(0°)、水平位置から90度右回転した縦位置(90°)、水平位置から90度左回転した縦位置(270°)、水平位置から180°回転した横位置(180°)のいずれかを判定する。なお、カメラ信号処理部140は、デジタルカメラの姿勢の代わりに、画像の方向を判定してもよい。
そして、カメラ信号処理部140は、視差画像A,Bの撮影時および現在のデジタルカメラ100の姿勢に応じて、撮影時の画像の上下左右の関係が維持されて表示されるよう、必要に応じて画像処理部130によって合成画像Cを回転させる。そして、カメラ信号処理部140は、合成画像を含んだ補正パラメータ調整画面900を表示部220に表示する。この際、カメラ信号処理部140は、合成比率調整ツール920のスライダ921の可動範囲の両端に、スライダ921の移動によって合成比率が高まる視差画像を特定する情報(左、右、上、下のいずれか)を表示する。これによりユーザは、撮影時の画像の向きを意識することなく、表示された合成画像とスライダ921とを見ながら、所望の視差画像の合成比率を容易に調整することが可能になる。
図17(a)〜(d)において、デジタルカメラ100の現在の姿勢は正位置(水平位置)であるものとする。また、各図の右側には、撮影時のデジタルカメラ100の姿勢と、撮像素子110の副画素201,202の位置関係を模式的に示している。
図17(a)は、撮影時のデジタルカメラ100が正位置(水平位置)である場合を示している。この場合、撮像時と表示時の撮像装置の姿勢が等しいため、合成画像970は回転されずに表示される。また、スライダ921の可動範囲の左端に「左」、右端に「右」が表示されている。これによりユーザは、スライダ921を中央から左側に移動させると、左側の第1副画素201で撮影された視差画像Aの合成比率が高くなり、右側に移動させると、右側の第2副画素202で撮影された視差画像Bの合成比率が高くなることがわかる。
図17(b)は、撮影時のデジタルカメラ100が正位置から右に90°回転した縦位置である場合を示している。この場合、合成画像970は右に90°回転されて表示される。また、スライダ921の可動範囲の左端に「上」、右端に「下」が表示されている。これによりユーザは、スライダ921を中央から左側に移動させると、上側の第1副画素201で撮影された視差画像Aの合成比率が高くなり、右側に移動させると、下側の第2副画素202で撮影された視差画像Bの合成比率が高くなることがわかる。
図17(c)は、撮影時のデジタルカメラ100が正位置から180°回転した横位置である場合を示している。この場合、合成画像970は180°回転されて表示される。また、スライダ921の可動範囲の左端に「右」、右端に「左」が表示されている。これによりユーザは、スライダ921を中央から左側に移動させると、右側の第1副画素201で撮影された視差画像Aの合成比率が高くなり、右側に移動させると、左側の第2副画素202で撮影された視差画像Bの合成比率が高くなることがわかる。
図17(d)は、撮影時のデジタルカメラ100が正位置から左に90°(右に270°)回転した縦位置である場合を示している。この場合、合成画像970は左に90°回転されて表示される。また、スライダ921の可動範囲の左端に「下」、右端に「上」が表示されている。これによりユーザは、スライダ921を中央から左側に移動させると、下側の第1副画素201で撮影された視差画像Aの合成比率が高くなり、右側に移動させると、上側の第2副画素202で撮影された視差画像Bの合成比率が高くなることがわかる。
なお、表示後にユーザが画像を回転させた場合、現在のデジタルカメラ100の姿勢に加え、ユーザ操作による回転量を考慮して、スライダ921の移動によって合成比率が高まる視差画像を特定する情報を表示することができる。
図15に戻り、S1004でカメラ信号処理部140は、補正パラメータ調整画面900のGUI操作を通じて、補正範囲の調整があったか否かを判定する。調整があったと判定されれば、カメラ信号処理部140はS1006で調整後の範囲を記憶する。調整があったと判定されなければ、カメラ信号処理部140は処理をS1008に進める。
S1008でカメラ信号処理部140は、補正パラメータ調整画面900のGUI操作を通じて、合成比率の調整があったか否かを判定する。調整があったと判定されれば、カメラ信号処理部140はS1010で調整後の合成比率を反映した合成画像を画像処理部130に生成させ、補正パラメータ調整画面900における合成画像970の表示を更新し、処理をS1012に進める。この際、S1002と同様、ボケ領域の強調表示も行う。なお、S1010における合成画像の生成処理は、図4におけるS406、S407と同様の処理で実現することができる。
S1008で、合成比率の調整があったと判定されなければ、カメラ信号処理部140は処理をS1012に進める。
S1012でカメラ信号処理部140は、補正パラメータ調整画面900で設定ボタン960が操作されたか否かを判定する。設定ボタン960が操作されたと判定されれば、カメラ信号処理部140は、S1014で操作時に指定されている画像の範囲とそれに対する合成比率の設定を保存して、処理をS1016に進める。設定ボタン960が操作されたと判定されなければ、カメラ信号処理部140は処理を直ちにS1016に進める。
S1016でカメラ信号処理部140は、補正パラメータ調整画面900でキャンセルボタン962が操作されたか否かを判定する。キャンセルボタン962が操作されたと判定されれば、カメラ信号処理部140は処理をS1018に進め、未保存の調整内容を破棄して処理を終了する。キャンセルボタン962が操作されたと判定されなければ、カメラ信号処理部140は処理をS1020に進める。
S1020でカメラ信号処理部140は、補正パラメータ調整画面900で完了ボタン964が操作されたか否かを判定する。完了ボタン964が操作されたと判定されれば、カメラ信号処理部140は処理をS1022に進め、未保存の調整内容を保存して処理を終了する。完了ボタン964が操作されたと判定されなければ、カメラ信号処理部140は処理をS1004に戻す。
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザがボケ補正のパラメータを容易に調整することが可能になり、ユーザが希望するボケ補正を実現することができる。特に、ボケ領域単位で補正パラメータを調整できるため、ユーザの細かな要求に応じた補正が実現できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、デフォーカス量が小さい領域をまず抽出し、抽出した領域についてボケ領域を検出していた。しかし、まず差分やコントラスト評価値に基づいて合焦度合いの変化が条件を満たす領域を検出した後、デフォーカス量が小さい領域をボケ領域として検出してもよい。この場合、差分絶対値和の積分値が大きすぎる小領域はデフォーカス量による選択から除外してもよい。
上述の実施形態では、デフォーカス量が小さい領域をまず抽出し、抽出した領域についてボケ領域を検出していた。しかし、まず差分やコントラスト評価値に基づいて合焦度合いの変化が条件を満たす領域を検出した後、デフォーカス量が小さい領域をボケ領域として検出してもよい。この場合、差分絶対値和の積分値が大きすぎる小領域はデフォーカス量による選択から除外してもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100…デジタルカメラ、110…撮像素子、120…A/D変換、230…レンズ、240…絞り、130…画像処理部、201…距離検出部、202…画像合成部、203…前ボケ検出部、204…合成比率算出部、205…表示部。
Claims (19)
- 複数の視差画像を取得する取得手段と、
複数の視差画像を合成して合成画像を生成する合成手段と、
前記合成によって前記合成画像に生じるボケ領域を検出する第1の検出手段と、を有し、
前記第1の検出手段は、前記複数の視差画像の合成比率が異なる複数の合成画像それぞれから得られる複数の評価値に基づいて前記ボケ領域を検出することを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の検出手段は、前記複数の視差画像の合成比率が異なる複数の合成画像について、前記合成比率の変化に伴う前記複数の評価値の変化に基づいて前記ボケ領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記複数の評価値が、前記複数の合成画像の差分に基づく評価値を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記複数の評価値が、合焦度合いを表す評価値を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記合焦度合いを表す評価値が、コントラスト評価値であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記複数の視差画像から、前記合成画像における焦点深度内の領域を検出する第2の検出手段をさらに有し、
前記第1の検出手段は、前記焦点深度内の領域を含む領域について前記ボケ領域を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記第1の検出手段は、
前記焦点深度内の領域を含む領域を複数の小領域に分割し、
前記小領域ごとに前記評価値を算出し、
前記小領域ごとに前記ボケ領域か否かを判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 - 前記ボケ領域のボケを補正した合成画像を生成するための合成比率を決定する決定手段をさらに有し、
前記合成手段は、前記決定手段が決定した合成比率を用いて前記複数の視差画像を合成し、前記ボケを補正した合成画像をさらに生成する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記決定手段は、前記ボケを補正した合成画像を生成するための合成比率として、前記ボケ領域についてはボケを補正するための合成比率を、前記ボケ領域以外の領域の少なくとも一部については、予め定められた基準合成比率を決定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記ボケ領域と、前記基準合成比率が決定される領域との間の領域についての合成比率が連続的に変化するように、前記ボケを補正した合成画像を生成するための合成比率を決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記決定手段は、前記ボケ領域に対する合成比率を、該ボケ領域についての合焦度合いが、前記複数の視差画像を予め定められた基準合成比率で合成した合成画像における合焦度合いと最も異なる合成画像を生成するために用いた合成比率に基づいて決定することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1の検出手段が検出した前記ボケ領域の範囲と、前記合成手段で該ボケ領域に対して用いる合成比率との少なくとも一方をユーザが変更するための調整画面を表示装置に表示させる表示制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記表示制御手段は、前記第1の検出手段が前記ボケ領域を検出した合成画像を、検出した前記ボケ領域が識別できるように前記調整画面に表示させることを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
- 前記表示制御手段は前記調整画面に、前記複数の視差画像の合成比率を変更するためのGUIを、該GUIの移動方向と、前記複数の視差画像の合成比率の変化との関係を示す表示とともに表示することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の画像処理装置。
- 前記表示制御手段は、前記複数の視差画像が撮影された際の撮像装置の姿勢と、前記画像処理装置の姿勢との関係とに応じて、前記複数の視差画像の合成比率の変化との関係を示す表示の内容を変更することを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
- 前記第1の検出手段が検出した前記ボケ領域のうち、最短距離が予め定めた閾値以下の複数のボケ領域を、1つのグループとして取り扱うことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記複数の視差画像を生成可能な撮像手段と、
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 複数の視差画像を合成して合成画像を生成可能な画像処理装置が実行する画像処理方法であって、
複数の視差画像を取得し、
前記複数の視差画像の合成比率が異なる複数の合成画像を生成し、
前記複数の合成画像のそれぞれから得られる複数の評価値に基づいて、前記複数の視差画像を合成した合成画像に生じるボケ領域を検出する、
ことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016112102A Pending JP2017098929A (ja) | 2015-11-17 | 2016-06-03 | 画像処理装置および画像処理方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019155981A1 (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-15 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、およびプログラム |
-
2016
- 2016-06-03 JP JP2016112102A patent/JP2017098929A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019155981A1 (ja) * | 2018-02-06 | 2019-08-15 | キヤノン株式会社 | 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、およびプログラム |
US11323689B2 (en) | 2018-02-06 | 2022-05-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Image processing device, imaging device, image processing method, and recording medium |
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