JP2015207862A - 撮像装置および撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、測距の精度とHDR画像のダイナミックレンジの幅とに関するユーザの要求に、1台の複眼カメラで柔軟に応じることを目的とする。
【解決手段】本発明の撮像装置は、一体に配列された複数の撮像光学系と、前記複数の撮像光学系に対応し、前記複数の撮像光学系それぞれによって結像された対象物の光学像を撮像する複数の撮像部とを有する複眼カメラと、前記複数の撮像部それぞれの感度を変更する感度変更部と、前記複数の撮像部で撮像された画像から、1枚の画像を作成する画像作成部と、前記対象物が動体であるか否かに関する複数のモードを有し、前記モードに応じて、前記感度変更部に前記複数の撮像部の感度を変更させ、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いて、前記画像作成部に、前記感度に応じた輝度範囲の1枚の画像を作成させる制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイダイナミックレンジ画像を生成する撮像装置及び撮像方法に関するものである。
近年、各種デジタル技術の進展に伴い、例えばCCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いることによってデジタル画像が比較的容易に得られるようになり、このデジタル画像が様々に利用されている。その利用分野として、例えば、複数のデジタル画像から所定の被写体までの距離を計測する技術や、ハイダイナミックレンジ画像(以下、「HDR画像」という。)を作成する技術等がある。
複数のデジタル画像からHDR画像を作成する技術として、カメラの感度(露出)を変えて同一被写体を撮像し、得られた複数の画像を合成してHDR画像を作成する技術がある。1つのカメラで感度を変えながら被写体を撮像する場合には、被写体が移動すると、きれいなHDR画像が得られない場合ある。そこで、同じ被写体に対し、複数の画像を同時に撮像できる複眼カメラを用いる技術が提案されている。例えば、個眼カメラの感度をそれぞれ異ならせた複眼カメラによって対象物を撮像し、得られた複数の画像を合成して、HDR画像を作成する技術が開示されている(特許文献1参照)。尚、このような複眼カメラを用いて撮影された複数の画像は、視差(位置ずれ)が生じているため、合成の際に視差補正を行う技術が開示されている(特許文献3参照)。また、被写体からの入射光が、ビームスプリッタ等によって多眼光学系の各個眼に入力されて、視差の生じていない画像が撮像される技術が開示されている(特許文献3参照)。
複眼カメラは、複数のデジタル画像から所定の被写体までの距離を計測する技術においても利用されている。例えば、複眼カメラで撮像された複数の画像のうちの一対の画像に対し、対応点探索がピクセル単位で実行される。そして、この一対の個眼カメラ間の視差がピクセル単位で求められ、この求められた視差に基づいて被写体までの距離がいわゆる三角測量の原理に基づいて求められる。
このように、1台の複眼カメラによって、HDR画像が作成でき、更に、被写体までの距離が測定できることになる。
特開2002−171430号公報 特開2011−254265号公報 特開2012−199805号公報
しかし、広いダイナミックレンジのHDR画像を得るためには、ダイナミックレンジの幅に応じた複数種類の感度によって、撮像された撮像画像が必要である。そして、所望するHDR画像のダイナミックレンジが広くなればなるほど、より多くの種類の感度で撮像された撮像画像が必要となる。
また、測距の精度は、対応点探索を行う画像を撮像する個眼カメラ間の距離が長い程、高くなる。更に、測距の精度は、個眼カメラの数が多い程、つまり、対応点探索を行う画像のペアの数が多い程、高くなる。但し、対応点探索において高精度で視差を求めるためには、対応点探索を行うペアの画像は、同じ感度で撮像された画像あることが望ましい。
従って、通常、複眼カメラに含まれる個眼カメラの個数は限られているため、感度の種類を多くすれば、対応点探索を行う画像のペアの数は減ることになる。つまり、広いダイナミックレンジのHDR画像を得ようとすれば、測距の精度が落ちることになる。また、測距の精度を上げるために対応点探索を行う画像のペアの数を多くすると、感度の種類を減らすことになる。つまり、測距の精度を上げようとすると、HDR画像のダイナミックレンジの幅が狭くなる。
測距の精度や、HDR画像のダイナミックレンジの幅は、ユーザによって要求が異なる。従って、ユーザの要求毎に、その要求に応じた複眼カメラを作成することは、高コスト化を招くことになり、現実的ではない。
そこで、本発明は、測距の精度とHDR画像のダイナミックレンジの幅に関するユーザの要求に、1台の複眼カメラで柔軟に応じることを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる撮像装置は、一体に配列された複数の撮像光学系と、前記複数の撮像光学系に対応し、前記複数の撮像光学系それぞれによって結像された対象物の光学像を撮像する複数の撮像部とを有する複眼カメラと、前記複数の撮像部それぞれの感度を変更する感度変更部と、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いた対応点探索により、前記複数の画像同士の視差を算出する対応点探索部と、前記感度変更部によって同じ感度に変更された撮像部により撮像された複数の画像を用いて、前記対応点探索部に視差を算出させ、算出された視差を用いて前記対象物の位置合わせを行い、前記複数の撮像部で撮像された画像を合成して、1枚の画像を作成する画像作成部と、前記対象物が動体であるか否かに関する複数のモードを有し、前記モードに応じて、前記感度変更部に前記複数の撮像部の感度を変更させ、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いて、前記画像作成部に、前記感度に応じた輝度範囲の1枚の画像を作成させる制御部とを備えることを特徴とする。
また、他の一態様にかかる撮像方法は、一体に配列された複数の撮像光学系と、前記複数の撮像光学系に対応し、前記複数の撮像光学系それぞれによって結像された対象物の光学像を撮像する複数の撮像部とを有する複眼カメラを備える撮像装置で用いられる撮像方法であって、前記複数の撮像部それぞれの感度を変更する感度変更ステップと、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いた対応点探索により、前記複数の画像同士の視差を算出する対応点探索ステップと、前記感度変更ステップによって同じ感度に変更された撮像部により撮像された複数の画像を用いて、前記対応点探索ステップに視差を算出させ、算出された視差を用いて前記対象物の位置合わせを行い、前記複数の撮像部で撮像された画像を合成して、1枚の画像を作成する画像作成ステップと、前記対象物が動体であるか否かに関する複数のモードを有し、前記モードに応じて、前記感度変更ステップで前記複数の撮像部の感度を変更させ、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いて、前記画像作成ステップで、前記感度に応じた輝度範囲の1枚の画像を作成させる制御ステップとを備えることを特徴とする。
このような撮像装置及び撮像方法では、撮像部の感度を変更することができるので、相対輝度の範囲が同じ、又は、それぞれ異なる複数の画像を取得することができる。従って、被写体が動体であるか否かに関するモードに応じて、広い範囲の輝度範囲(ハイダイナミックレンジ)の画像を作成することができる。また、このような撮像装置では、同じ感度範囲の画像を複数撮像することができるので、これらの画像に基づいて、画像のずれ(視差)を算出することができ、合成した1枚の画像を作成することが可能となる。つまり、撮像装置は、1つの複眼カメラを用いて、様々な輝度範囲(ダイナミックレンジ)の画像を作成することが可能となる。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記モードが、前記対象物が動体である場合に用いるモードである場合には、前記制御部は、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の一部の撮像部の感度を第1感度に変更させ、他の撮像部の感度を第2感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第1画像を用いて、前記画像作成部に1枚の画像を作成させ、前記第1感度及び前記第2感度は、前記第1感度の撮像部により撮像された画像の輝度範囲と、前記第2感度の撮像部で撮像された画像の輝度範囲とが連続するような感度であることを特徴とする。
このような撮像装置では、撮像の対象物が動体である場合には、異なる感度の撮像部を複数用いて、同時に、対象物の画像を複数撮像することができるので、これらの画像に基づいて、像ブレの少ないハイダイナミックレンジの画像を作成することが可能となる。尚、画像の輝度範囲が連続するとは、2つの画像のそれぞれの輝度範囲の一部重なることで連続する場合も含むものとする。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記モードが、前記対象物が動体ではない場合に用いるモードである場合には、前記制御部は、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第3感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第2画像と、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第4感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第3画像とを用いて、前記画像作成部に1枚の画像を作成させ、前記第3感度及び前記第4感度は、前記第3感度の撮像部により撮像された画像の輝度範囲と、前記第4感度の撮像部で撮像された画像の輝度範囲とが連続するような感度であることを特徴とする。
このような撮像装置では、撮像の対象物が動体でない場合には、撮像部の感度を異ならせて複数回、対象物の画像を複数撮像することができるので、これらの画像に基づいて、ハイダイナミックレンジの画像を作成することが可能となる。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記モードが、前記対象物が動体であるか否かが不明である場合に用いるモードで場合には、前記制御部は、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の一部の撮像部の感度を第5感度に変更させ、他の撮像部の感度を第6感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第4画像と、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第6感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第5画像と、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第5感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第6画像とを用いて、前記画像作成部に、1枚の画像を作成させ、前記第5感度及び前記第6感度は、前記第5感度の撮像部により撮像された画像の輝度範囲と、前記第6感度の撮像部で撮像された画像の輝度範囲とが連続するような感度であることを特徴とする。
このような撮像装置では、撮像の対象物が動体か否か不明である場合には、異なる感度の撮像部を複数用いて、同時に、対象物の画像を撮像し、撮像部の感度を異ならせて複数回、対象物の画像を撮像することができるので、これらの画像に基づいて、ハイダイナミックレンジの画像を作成することが可能となる。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記画像作成部は、第6感度の複数の撮像部のうちの第1撮像部で撮像された前記複数の第4画像のうちの1つの画像と、前記第1撮像部で撮像された前記複数の第5画像のうちの1つの画像との異なる第1領域、又は、第5感度の複数の撮像部のうちの第2撮像部で撮像された前記複数の第4画像のうちの1つの画像と、前記第2撮像部で撮像された前記複数の第6画像のうちの1つの画像との異なる第2領域が存在する場合は、前記対象物が動体であると判断し、前記第1領域と前記第2領域とから成る動体領域を決定し、前記1枚の画像のうちの前記動体領域の画像は、前記第4画像を用いて作成し、前記動体領域以外の領域の画像は、前記第5画像、及び、前記第6画像を用いて作成することを特徴とする。
このような撮像装置では、異なる感度の撮像部を複数用いて、同時に、対象物の画像を撮像し、撮像部の感度を異ならせて複数回、対象物の画像を撮像するので、これらの撮像で得られた画像を用いて、対象物が動体であるか否かが判断できる。そして、動体である場合には、動体領域とそれ以外の領域とを分けて、これらの画像に基づいて、ハイダイナミックレンジの画像を作成することが可能となる。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記複数の撮像光学系のうち少なくとも2つの撮像光学系に対応する撮像部で撮像された画像に基づいて前記対象物までの距離を求める距離演算部を、更に備え、前記距離演算部は、前記感度変更部によって同じ感度に変更された撮像部により撮像された複数の画像を用いて、前記対応点探索部に視差を算出させ、算出された視差に基づいて前記対象物までの距離を算出することを特徴とする。
このような撮像装置では、同じ感度範囲の画像を複数撮像することができるので、これらの画像に基づいて、画像における対象物の視差を算出することができ、対象物までの距離を算出することが可能となる。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記モードを設定する設定入力手段を更に備え、前記制御部は、前記設定入力手段により設定されたモードに応じて、前記感度変更部に前記複数の撮像部の感度を変更させることを特徴とする。
このような撮像装置では、ユーザは、複眼カメラを所望するモードに設定できるので、ダイナミックレンジの画像を容易に得ることが可能となる。
また、他の一態様では、上述の撮像装置において、前記撮像部は、固体撮像素子を有し、前記感度変更部は、前記複数の撮像部それぞれが有する固体撮像素子の蓄積時間を変更することによって、前記複数の撮像部の感度を変更することを特徴とする。
このような撮像装置では、撮像素子の光子の蓄積時間を変えることにより撮像部の感度を変えるので、複数種類の複眼カメラを用いることなく、容易に、感度の異なる複眼カメラによる撮像を行うことが可能となる。
本発明にかかる撮像装置および撮像方法は、測距の精度とHDR画像のダイナミックレンジの幅とに関するユーザの要求に、1台の複眼カメラで柔軟に応じることができる。
実施形態の撮像装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の撮像装置における画像取得部の構成を示すブロック図である。 (a)は、実施形態の画像取得部におけるアレイカメラの構成の一例を示す図であり、(b)は、アレイカメラの構成の他の一例を示す図であり、(c)は、アレイカメラの構成の他の一例を示す図である。 撮像素子の感度範囲(ラチチュード)を説明するための図である。 実施形態のアレイレンズ部とアレイ撮像部の感度とを説明するための図である。 実施形態の撮像装置における、ステレオ法による測距方法を説明するための図である。 実施形態のアレイカメラにより得られた画像の視差を説明するための図である。 実施形態のアレイカメラにより得られた画像の視差を説明するための図である。 実施形態の通常撮像モードにおける対応点探索を説明するための図である。 実施形態の通常撮像モードにおける相対輝度範囲を説明するための図である。 実施形態のHDR動体撮像モードにおける対応点探索を説明するための図である。 実施形態のHDR動体撮像モードにおける相対輝度範囲を説明するための図である。 実施形態のHDR静体撮像モードにおける対応点探索を説明するための図である。 (a)は、HDR静体撮像モードにおける1回目の撮像画像の相対輝度範囲を説明するための図であり、(b)は、2回目の撮像画像の相対輝度範囲を説明するための図である。 HDRオートモードにおける対応点探索を説明するための図であり、(a)は、1回目の撮像の対応点探索を説明するための図であり、(b)は、2回目の撮像の対応点探索を説明するための図であり、(c)は、3回目の撮像の対応点探索を説明するための図である。 HDRオートモードにおける相対輝度範囲を説明するための図であり、(a)は、1回目の撮像画像の相対輝度範囲を説明するための図であり、(b)は、2回目の撮像画像の相対輝度範囲を説明するための図であり、(c)は、3回目の撮像画像の相対輝度範囲を説明するための図である。 実施形態の撮像装置における画像の合成処理を説明するための図である。 実施形態の撮像装置における撮像処理を示すフローチャートである。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
<実施形態>
図1は、実施形態における撮像装置の構成を示すブロック図である。図2は、実施形態の撮像装置における画像取得部の構成を示すブロック図である。図3(a)は、前記画像取得部におけるアレイカメラの構成の一例を示す図であり、図3(b)は、前記画像取得部におけるアレイカメラの構成の他の一例を示す図であり、図3(c)は、前記画像取得部におけるアレイカメラの構成の他の一例を示す図である。
実施形態における撮像装置は、アレイカメラを構成する複数の個眼カメラの感度(固体撮像素子の感度)を変えて撮像した画像を用いて、HDR画像を作成するとともに、被写体までの距離を算出するものである。実施形態の撮像装置Dでは、被写体が動体であるモード、静体であるモード、動体か静体であるかが不明であるモードを提供する。
実施形態における撮像装置Dは、例えば、図1に示すように、制御処理部1と、記憶部2と、画像取得部3と、入力部4と、出力部5とを備える。
<画像取得部>
画像取得部3は、制御処理部1に接続され、同一の測定対象(物体、被写体)を撮像した複数の画像を取得するものである。このような画像取得部3は、例えば、図2に示すように、アレイカメラ31を備える。
アレイカメラ31は、複数の個眼レンズ(撮像光学系)を有するアレイレンズ部311と、この複数の個眼レンズそれぞれによって結像された物体の光学像をそれぞれ撮像する複数の個眼撮像部(撮像部)を有するアレイ撮像部312とを備える。
図3(a)にアレイカメラ31の構成の一例を示す。アレイレンズ部311は、複数のレンズ基盤3112を備え、レンズ基盤3112それぞれには、1つの個眼レンズ3111が設けられる。1個の個眼レンズ3111は、その光軸に沿って1または複数の光学レンズを備えて構成される。複数の個眼レンズ3111は、図3(a)に示す例では、各光軸が互いに略平行となるように、そして、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2次元マトリクス状に配列される。図3(a)に示す例では、複数の個眼レンズ3111は、4行4列に2次元マトリクス状に配列された16個の個眼レンズ3111−11〜3111−44として示されている。
アレイ撮像部312は、1つの撮像基盤3122と、撮像基板3122上に配置された複数の個眼撮像部3121を備える。1個の個眼撮像部3121は、2次元マトリクス状に配列された複数の光電変換素子(複数の画素)を備え、各光電変換素子は、それぞれ、受光した光の光量に応じて変換した電気信号を画像における各画素のデータとして出力する。複数の個眼撮像部3121は、アレイレンズ部311における複数の個眼レンズ3111に対応し、各撮像面が互いに同一平面となるように配列される。図3(a)に示す例では、複数の個眼撮像部3121は、線形独立な2方向、より具体的には互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2次元マトリクス状に配列されている。図3(a)に示す例では、複数の個眼撮像部3121は、4行4列に2次元マトリクス状に配列された16個の個眼撮像部3121−11〜3121−44として示されている。撮像基板3122は、例えばシリコン等の支持部材であり、撮像素子3121を制御する制御回路等を含む。
図3(b)にアレイカメラ31の他の構成例を示す。図3(a)に示したアレイレンズ部311は、1つの個眼レンズ3111を備えたレンズ基盤3112が、複数で構成されていたが、図3(b)に示すアレイレンズ部311は、1つのレンズ基盤3112を備え、1つのレンズ基盤3112に、複数の個眼レンズ3111が設けられている。また、図3(a)に示したアレイ撮像部312は、1つの撮像基盤3122上に複数の個眼撮像部3121が配置されていたが、図3(b)に示すアレイ撮像部312は、1つの撮像基盤3122と、撮像基板3122上に配置され、複数の個眼撮像部3121として利用される1個の固体撮像素子とを備える。この場合、1個の固体撮像素子は、1つの受光部3121bを備えており、被写体の光学像が、アレイレンズ部311の個眼レンズ3111それぞれによって、個別に受光部3121bに結像される。受光部3121bに個別に結像された複数の光学像のそれぞれが、1つの個眼撮像部3121で撮像された画像として読み出される。
図3(c)にアレイカメラ31の他の構成例を示す。図3(c)のアレイレンズ部311は、図3(b)に示したアレイレンズ部311と同じである。また、図3(b)に示したアレイ撮像部312は、1つの撮像基盤3122上に、複数の個眼撮像部3121として利用される1個の固体撮像素子が配置されており、この点は、図3(c)のアレイ撮像部312と同じである。しかし、図3(c)の場合は、1個の固体撮像素子における有効画素領域が、各個眼撮像部3121に対応するように、2次元マトリクス状に配列された複数の領域に分割され、これら各領域が各個眼撮像部3121として利用される。
複数の個眼撮像部3121の各光電変換素子は、それぞれ、受光した光を、その光量に応じた電気信号に光電変換し、この電気信号を画像における各画素のデータとして制御処理部1へ出力する。複数の個眼撮像部3121は、同じ被写体を写した略視差だけずれた画像データを出力する。以下、それぞれ対向する個眼撮像部3121と個眼レンズ3111との組み合わせを、「個眼カメラ」というものとする。
ここで、撮像素子(個眼カメラ)の感度範囲について、図4を用いて説明する。
図4は、撮像素子の出力とその信頼度との関係を模式的に示したグラフ(以下、「信頼度グラフ」という。)である。横軸に、撮像素子の出力に基づく相対輝度を示し、縦軸に、画素値(出力値)の信頼度を示す。信頼度は、縦軸の矢印の方に行くにしたがって高くなるものとする。信頼度とは、階調表現力、S/N比等をいうものとする。横軸の「2」は、相対輝度「10」〜「10−2」の範囲は、6ビットで表すことを示す(矢印42参照)。尚、この相対輝度の範囲は、撮像素子の性能に依存する。
図4の信頼度グラフにおいて、実線で示すグラフと破線で示すグラフは、それぞれ感度の異なる撮像素子が出力する画像の相対輝度の範囲を示す。撮像素子の感度の変更(矢印41参照)は、撮像素子の光子の蓄積時間(積分時間)を変更することで行う。
また、図4の信頼度グラフが示すように、撮像素子の感度範囲(相対輝度10−2〜10)内において、撮像素子の出力値の信頼度は一定ではなく、相対的に暗い領域では暗くなるにつれて信頼度が徐々に低下する領域(以下、「裾部分」という。)がある(矢印43参照)。尚、人間の感じる明るさの範囲は、撮像素子が一度にとらえることができる感度範囲に比べてかなり広いので、人間が一度に見ることができる明るさの範囲をカバーすることが望まれている。
<入力部>
図1に戻って、入力部4は、制御処理部1に接続され、例えば、撮像の開始を指示するコマンド等の各種コマンド、及び、撮像モードの設定等の撮像処理を実行する上で必要な各種データを撮像装置Dに入力する機器である。例えば、撮像装置Dの本体に付属する操作部であり、ボタン、スライドスイッチ等である。また、通信可能に接続されたキーボード等であってもよい。
<出力部>
出力部5は、制御処理部1に接続され、入力部4から入力されたコマンドやデータ、および、撮像装置Dによって作成されたHDR画像や、測距された測定対象までの距離等を出力する機器であり、例えばCRTディスプレイ、LCDおよび有機ELディスプレイ等の表示装置等である。
尚、入力部4及び出力部5からタッチパネルが構成されてもよい。このタッチパネルを構成する場合において、入力部4は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置であり、出力部5は、表示装置である。このタッチパネルでは、表示装置の表示面上に位置入力装置が設けられ、表示装置に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として撮像装置Dに入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い撮像装置Dが提供される。
<記憶部>
記憶部2は、制御処理部1に接続され、撮像処理を実行する上で必要な各種プログラムや各種データを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子およびその周辺回路等を備えて構成される。記憶部2は、例えばハードディスク等の大容量記憶装置を備えても良い。
そして、記憶部2は、画像データを記憶し、この画像データに対し制御処理部1によって後述の撮像処理を行うための作業領域として用いられる。
<制御処理部>
制御処理部1は、所定の撮像処理プログラムに基づき後述の撮像処理を実行するべく、撮像装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。前記所定の撮像処理プログラムは、ユーザが設定した撮像モードに従って被写体を撮像し、HDR画像を作成し、また、被写体までの距離を測定するためのプログラムである。制御処理部1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成され、所定の撮像処理プログラムを実行することによって、制御処理部1には、機能的に、制御部11、感度調整部12、及び、演算部13が構成される。
制御部11は、所定の撮像処理を実行するために、撮像装置Dの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。
感度調整部12は、個眼撮像部3121の撮像素子の光子の蓄積時間(積分時間)をそれぞれ変更する。つまり、個眼撮像部3121の光電変換素子の受光時間を変更することで、個眼カメラの感度を変更する。
図5は、アレイレンズ部311を示す、以下、2行2列に2次元マトリクス状に配列された4個の個眼レンズ3111から成るアレイレンズ部311を用いて説明する。図形の円1つが、1つの個眼レンズ3111を示す。以下、円の内部の数値が「1」の個眼レンズ3111を「個眼レンズ1」といい、円の内部の数値が「2」の個眼レンズ3111を「個眼レンズ2」などというものとする。また、個眼レンズ1と、個眼レンズ1と対向する個眼撮像部3121とで構成されるカメラを、「個眼カメラ1」といい、個眼レンズ2と、個眼レンズ2と対向する個眼撮像部3121とで構成されるカメラを、「個眼カメラ2」などというものとする。また、個眼カメラ1で撮像された画像を「画像1」、個眼カメラ2で撮像された画像を「画像2」等というものとする。
実施形態では、感度調整部12は、図5に示すように、個眼レンズ3111をグループに分けて、つまり、アレイカメラ31の4個の個眼カメラを2つのグループ(グループA、グループB)に分けて、グループごとに感度を変更する。つまり、グループAは、個眼カメラ1、個眼カメラ3で構成され、グループBは、個眼カメラ2、個眼カメラ4で構成される。尚、グループ分けは、図5に示すようなグループに限らず、例えば、個眼カメラ1と個眼カメラ2とを同じグループとし、個眼カメラ3と個眼カメラ4とを同じグループとしてもよい。
また、感度調整部12は、ユーザにより設定された撮像モードに応じて、グループA、及び、グループBの感度を変更する。撮像モードに応じた処理については、<撮像モード>の項で、説明する。
演算部13は、例えば、図1に示すように、HDR画像生成部131、対応点探索部132、及び、距離算出部133を備える。
HDR画像生成部131は、アレイカメラ31により撮像された画像を、視差だけずらして合成し、1枚のHDR画像を生成する。つまり、HDR画像生成部131は、各画像内の被写体の位置合わせを行って、各画像を合成する。各画像間の視差は、対応点探索部132が算出する。また、HDR画像生成部131は、アレイ撮像部312の複数の個眼撮像部3121それぞれを構成する撮像素子からの出力値に基づいて、ダイナミックレンジ(輝度範囲)を決定し、アレイカメラ31により撮像された画像を合成して、決定したダイナミックレンジの1枚の画像を作成する。尚、後述する通常撮像モードの場合は、HDR画像を作成せずに、グループAかグループBのいずれかの画像を作成した画像とする。
ここで、画像のずれについて図7、8を用いて説明する。各画像のずれの現れる方向は、各画像を撮像した個眼カメラの個眼レンズの位置に基づく。図7(a)に、2つの個眼カメラで撮像した2つの画像を重ねた合成画像を示し、図7(b)には、図7(a)の2つの画像を撮像したアレイカメラのアレイ撮像部を示す。このアレイカメラのアレイ撮像部は、2行2列の2次元マトリクス状に配列された4個の個眼撮像部から成る。内部に数値が表された矩形は、個眼撮像部を示し、ここでは、個眼撮像部で撮像された画像を、矩形の中の数値を用いて、画像1、画像2のように表すものとする。図7(a)に示す合成画像は、図7(b)に示す画像1と画像2の合成画像である。画像1と画像2とのずれは、画像1を撮像した個眼レンズの光軸と個眼撮像部の撮像面との交点と、画像2を撮像した個眼レンズの光軸と個眼撮像部の撮像面との交点とを結んだ方向に現れる(矢印72参照)。図7(a)の合成画面の矢印71の方向が、ずれの方向である。
同様に、図8(a)に、2つの個眼カメラで撮像した2つの画像を重ねた合成画像を示し、図8(b)には、図8(a)の2つの画像を撮像したアレイカメラのアレイ撮像部を示す。図8(a)に示す合成画像は、図8(b)に示す画像2と画像4の合成画像である。画像2と画像4とのずれは、画像2を撮像した個眼レンズの光軸と個眼撮像部の撮像面との交点と、画像4を撮像した個眼レンズの光軸と個眼撮像部の撮像面との交点とを結んだ方向に現れる(矢印82参照)。図8(a)の合成画面の矢印81の方向が、ずれの方向である。このずれの方向が、いわゆるエピポールラインの方向となる。エピポールラインとは、基準画像側のカメラの視線を参照画像上に投影した線であるからである。個眼カメラが、図3に示すように、互いに直交するX方向およびY方向の2方向に2次元マトリクス状に配列され、個眼カメラ間の基線長が等しい場合には、図7に示すように、X軸方向の2つの画像、例えば、画像1と画像2のずれ量と、図8に示すように、Y軸方向の2つの画像、例えば、画像2と画像4のずれ量とを求めればよい。画像間のX軸方向のずれ量は、左右に隣り合う画像間では同じであり、Y軸方向のずれ量は、上下の画像間では同じだからである。具体的には、例えば、画像1と画像2のX軸方向のずれ量と、画像2と画像3とのずれ量とは同じである(図7(b)参照)。また、画像4と画像2のY軸方向ずれ量と、画像3と画像1とのずれ量とは同じである(図8(b)参照)。つまり、HDR画像生成部131は、HDR画像を作成する際に必要な各画像間の視差を、容易に求めることができる。HDR画像生成部131が、視差を求めるために選択する画像は、後述する距離算出部133が視差を求めるために選択する画像ペアと同じである。いずれの画像ペアを用いるかは、<撮像モード>の項で、説明する。尚、画像ペアは、X軸方向のY軸方向の隣り合った画像ペアに限られず、1以上の画像を間に挟んでいてもよく、また、ななめの位置の関係にある画像ペアであってもよい。
また、複数の画像から得られたハイダイナミックレンジデータを、同一枚の画像データにまとめアルゴリズムついては、以下の文献を参照できる。
M. Debevec: “Recovering High Dynamic Range Radiance Maps from Photographic”. In: Proc. SIGGRAPH (1997)
S.B. King, M. Uyttendaele, S. Winder, R. Szeliski: “High Dynamic Range Video”. ACM Transaction on Graphics (TOG), 22, 3 (July 2003)
対応点探索部132は、アレイカメラ31により撮像された複数の画像のずれ量(視差)を算出する。具体的には、対応点探索部132は、アレイカメラ31により撮像された画像のいずれかを基準画像とし、他の画像のいずれかを参照画像として対応点探索を行い、視差(ずれ画素数)を求める。対応点探索部132は、基準画像上に、対応点を探索したい所定の画素位置を中心に所定の大きさを持つウィンドウ(テンプレートT)を設定する。同様に、対応点探索部132は、参照画像上にも同じ大きさを持つウィンドウWを、エピポールライン上に複数設定する。そして、対応点探索部132は、基準画像上におけるテンプレートTに対する、参照画像上における各ウィンドウWの一致度(相関度)を所定の手法で求め(テンプレートマッチング)、最も一致度の高いウィンドウWにおける中心位置の画素を対応点として求める。対応点探索部132は、テンプレートTの中心位置の画素と、対応点との差をずれ量として算出する。一致度を求める前記所定の手法には、公知の常套手段、例えば、SAD(Sum of Absolute Difference)法(絶対誤差法)、POC(Phase−Only Correlation)等が用いられる。
距離算出部133は、対応点探索部132が求めた視差を用いて、被写体までの距離を算出する。距離の算出について、図6を用いて説明する。予め定める間隔(基線長)だけ離間して設けられた一対の個眼カメラによって被写体の各画像が得られ、これら各画像に対し対応点探索がピクセル単位で実行され、これら各画像から前記離間方向における前記一対のカメラ間の視差がピクセル単位で求められる。そして、この求められた視差に基づいて被写体までの距離がいわゆる三角測量の原理に基づいて求められる。より具体的には、図6において、少なくとも焦点距離(f)、撮像面(個眼撮像部3121)の画素数、1画素の大きさ(μ)が相互に等しい2台の第1および第2カメラが、所定の基線長(B)だけ左右に離間させて光軸AX−1、AX−2を平行に配置される。これら第1および第2カメラで物体(被写体)Obが撮影された場合に、撮像面IP−1、IP−2上の視差(ずれ画素数)がd(=d1+d2)であるとすると、前記物体(被写体)Obまでの距離(Z)は、斜線を施して示す三角形が相似であることから、
Z:f=B:(d×μ)
の関係があり、
Z=(B×f)/(d×μ)
で求めることができる。
距離算出部133は、被写体までの距離を算出する際の視差を算出するために用いる2つの画像(画像ペア)を選択し、選択した画像ペアを対応点探索部132に渡して、視差を求めさせる。いずれの画像ペアを用いて視差を算出させるかは、ユーザによって設定された撮像モードによって異なる。いずれの画像ペアを用いるかは、<撮像モード>の項で、説明する。
距離算出部133は、複数の画像ペアから複数の視差を求めさせた場合には、算出された距離に基づいて、被写体までの距離を算出する。例えば、それぞれの距離の平均を測定対象物までの距離とする、または、信頼性の高い方の距離を採用するなどである。
<撮像モード>
以下、撮像装置Dが備える撮像モードについて説明する。撮像装置Dは、4つの撮像モードを備える。1つ目のモードは、「通常撮像モード」であり、2つ目のモードは、「HDR動体撮像モード」であり、3つ目のモードは、「HDR静体撮像モード」であり、4つ目のモードは、「HDRオートモード」である。
<通常撮像モード>
通常撮像モードは、HDR画像ではなく、通常の画像を撮像するモードである。但し、アレイカメラ31により複数の画像が得られるので、撮像装置Dは、高い精度の測距を行うことができる。
以下、図9、10を用いて、通常撮像モード時の、感度調整部12の感度調整、及び、距離算出部133が選択する画像ペアについて説明する。
図9は、個眼カメラの感度調整、及び、画像ペアを説明するためのアレイレンズ部311の図である。図10は、アレイカメラ31が出力する画像の相対輝度の範囲を説明するための図である。
感度調整部12は、図5のグループA及びグループBを、同じ感度に調整する。つまり、アレイ撮像部312を構成する全ての個眼撮像部3121の撮像素子の、受光時間を同じにする。図10の信頼度グラフは、アレイカメラ31の4つの個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示す。個眼カメラそれぞれの感度は同じであるので、それぞれの個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲も同じである。従って、アレイカメラ31の相対輝度の範囲は、おおむね101.8となる。
距離算出部133は、測距のための視差を算出する画像ペアを、4つの個眼カメラが出力する4つの画像から、画像ペアを選択する。図9では、距離算出部133は、例えば、画像ペア91、画像ペア92、画像ペア93、画像ペア94の4つの画像ペアを選択する。つまり、距離算出部133は、X軸上の2つの個眼レンズ1及び個眼レンズ3による画像ペア91、Y軸上の2つの個眼レンズ2及び個眼レンズ4による画像ペア94、斜め方向に位置する個眼レンズ1及び個眼レンズ4による画像ペア92、斜め方向に位置する個眼レンズ2及び個眼レンズ3による画像ペア93を用いて、対応点探索を行う。このような画像ペアは、ペアとなる個眼カメラ間の基線長がそれぞれ異なり、また、基線長の向きがそれぞれ異なる。このような画像ペアを用いた対応点探索は、被写体を映した画像に、所定の画像が一定の間隔で繰り返し現れる、例えば縞模様が含まれる場合であっても、高精度で視差を算出できる可能性が高い。また、このような画像ペアを用いた対応点探索は、オクルージョンが生じている場合であっても、画像ペアの数が多いので、高精度で視差を算出できる可能性が高くなる。従って、通常撮像モードでは、画像ペアの選択の幅が広く、適切な画像ペアを選択することが可能であるので、測距精度が高くなることになる。
尚、更に、個眼カメラ2及び個眼カメラ4による画像を画像ペアとして選択してもよく、個眼カメラ3及び個眼カメラ4による画像を画像ペアとして選択してもよい。
HDR画像生成部131は、通常撮像モードでは、アレイカメラ31が撮像した画像のうちのグループAかグループBのいずれかの画像を、生成した画像とするものとする。尚、HDR画像生成部131は、距離算出部13が選択する画像ペアのうち、画像間のずれ量を算出するのに必要な画像ペアを選択し、画像間のずれ量を用いて、公知の常套手段を用いて、超解像画像を作成してもよい。超解像画像とは、アレイカメラ31が撮像した複数の画像を用いて作成した、これらの画像の解像度よりも高い解像度の画像である。この場合、距離算出部133は、超解像画像を用いた測距を行ってもよい。
<HDR動体撮像モード>
HDR動体撮像モードは、動く被写体を撮像して、HDR画像を作成するモードである。従って、ユーザは、被写体が動体である場合に、このモードを選択する。
以下、図11、12を用いて、HDR動体撮像モード時の、感度調整部12の感度調整、及び、距離算出部133が選択する画像ペアについて説明する。
図11は、個眼カメラの感度調整、及び、画像ペアを説明するためのアレイレンズ部31の図である。図12は、アレイカメラ31の相対輝度範囲を説明するための図である。
感度調整部12は、グループAの個眼カメラの感度と、グループBの個眼カメラの感度を異ならせる。例えば、感度調整部12は、グループAの受光時間を、グループBの受光時間より長くなるように調整する。つまり、アレイ撮像部312を構成する個眼撮像部3121のうち、グループAに属する個眼撮像部3121の撮像素子の受光時間を、グループBに属する個眼撮像部3121の撮像素子の受光時間よりも、長くする。この受光時間を長くする時間は、図12に示すように、各個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲が一部重なり、輝度範囲が連続するような時間である。図12の信頼度グラフにおいて、グラフGAは、グループAの個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示し、グラフGBは、グループBの個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示す。図12に示すように、アレイカメラ31の相対輝度範囲は、おおむね10となる。感度調整部12は、グループAの受光時間とグループBの受光時間とを異ならせることで、図12に示すように、アレイカメラ31が出力する複数画像全体の相対輝度範囲を広くすることが可能となる。
尚、図12に示すように各個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲の一部が重なるようになる受光時間は、予め求め、定めておくものとする。
距離算出部133は、図11に示すように、同じ感度の個眼カメラで撮像された画像の画像ペア111、又は、画像ペア112を選択する。
このように、HDR動体撮像モードでは、同時に、相対輝度範囲の異なる画像を複数枚撮像することができるので、動体を撮像し、HDR画像を作成することに適している。
<HDR静体撮像モード>
HDR静体撮像モードは、動かない被写体を撮像し、HDR画像を作成し、高精度の測距を行うモードである。従って、ユーザは、被写体が静体である場合に、このモードを選択する。
被写体が、静体である場合には、複数回撮像したとしても、撮像した画像内で被写体が変化することはない。従って、撮像装置Dは、個眼カメラの感度を変えて、複数回撮像する。実施形態では、撮像装置Dは、2回撮像するものとする。
以下、図13、14を用いて、HDR静体撮像モード時の、感度調整部12の感度調整、及び、距離算出部133が選択する画像ペアについて説明する。
図13は、個眼カメラの感度調整、及び、画像ペアを説明するためのアレイレンズ部31の図である。図14は、アレイカメラ31の相対輝度範囲を説明するための図である。
まず、1回目の撮像時において、感度調整部12は、全ての個眼カメラの感度を同じに設定する。そして、2回目の撮像時には、全ての個眼カメラの感度を、1回目の感度よりも高い感度に設定する。つまり、全ての個眼カメラの個眼撮像部3121の撮像素子の受光時間を、1回目の時よりも長くする。
図14(a)に、1回目の撮像によって撮像された画像の相対輝度の範囲を示し、図14(b)に、2回目の撮像によって撮像された画像の相対輝度の範囲を示す。
図14に示すように、相対輝度範囲の異なる画像が得られるので、相対輝度範囲の広い画像を作成することが可能となる。
尚、1回目と2回目の受光時間は、予め定めておくものとする。
距離算出部133は、図13に示すように、個眼カメラで撮像された画像の画像ペア131、画像ペア132、画像ペア133、画像ペア134を選択する。距離算出部133は、1回目の撮像、2回目の撮像のそれぞれで得られる画像において、これら画像ペアを選択することが可能である。
このような個眼カメラ間の基線長がそれぞれ異なり、また、基線長の向きがそれぞれ異なる画像ペアを用いた対応点探索は、被写体を映した画像に、所定の画像が一定の間隔で繰り返し現れる、例えば縞模様が含まれる場合であっても、高精度で視差を算出できる可能性が高い。また、このような画像ペアを用いた対応点探索は、オクルージョンが生じている場合であっても、画像ペアの数が多いので、高精度で視差を算出できる可能性が高くなる。従って、HDR静体撮像モードは、画像ペアの選択の幅が広く、適切な画像ペアを選択することが可能であるので、測距精度が高くなることになる。
尚、更に、個眼カメラ2及び個眼カメラ4による画像を画像ペアとして選択してもよく、個眼カメラ3及び個眼カメラ4による画像を画像ペアとして選択してもよい。
HDR画像生成部131は、上述したように、距離算出部13が選択する画像ペアのうち、画像間のずれ量を算出するのに必要な画像ペアを選択する。
このように、HDR静体撮像モードでは、複数回にわたって、相対輝度範囲の異なる画像を複数枚ずつ撮像するので、撮像装置Dは、HDR画像を作成し、高精度の測距を行うことが可能となる。
<HDRオートモード>
HDRオートモードは、被写体が動体であるか静体であるかに関わらず、HDR画像を作成し、高精度の測距を行うモードである。従って、ユーザは、被写体が動体であるか静体であるか判断がつかない場合、例えば、頻繁に動いたり止まったりするような、動きが読めない被写体を撮像する場合に、このモードを選択する。
HDRオートモードで、撮像装置Dは、上述の<HDR動体撮像モード>と<HDR静体撮像モード>のそれぞれの撮像方法で、被写体を撮像し、HDR画像の作成及び測距を行う。実施形態では、撮像装置Dは、<HDR動体撮像モード>で1回、<HDR静体撮像モード>で1回、被写体を撮像するものとする。つまり、上述のように、<HDR静体撮像モード>では、2回撮像することから、計3回の画像が得られることになる。
以下、図15、16を用いて、HDRオートモード時の、感度調整部12の感度調整、及び、距離算出部133が選択する画像ペアについて説明する。
図15は、個眼カメラの感度調整、及び、画像ペアを説明するためのアレイレンズ部31の図である。図16は、アレイカメラ31の相対輝度範囲を説明するための図である。
まず、図15(a)に示すように、1回目の撮像時(HDR動体撮像モード)において、感度調整部12は、グループAの個眼カメラの感度と、グループBの個眼カメラの感度を異ならせる。例えば、感度調整部12は、グループAの受光時間を、グループBの受光時間より長くなるように調整する。つまり、アレイ撮像部312を構成する個眼撮像部3121のうち、グループAに属する個眼撮像部3121の撮像素子の受光時間を、グループBに属する個眼撮像部3121の撮像素子の受光時間よりも、長くする。この受光時間を長くする時間は、図16(a)に示すように、各個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲が一部重なるような時間である。図16(a)の信頼度グラフにおいて、グラフGAは、グループAの個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示し、グラフGBは、グループBの個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示す。
距離算出部133は、図15(a)に示すように、同じ感度の個眼カメラで撮像された画像の画像ペア161、又は、画像ペア162を選択する。
次に、2回目の撮像時(HDR動体撮像モードの1回目)において、感度調整部12は、全ての個眼カメラの感度を同じに設定する。そして、3回目(の撮像時HDR動体撮像モードの2回目)には、全ての個眼カメラの感度を、2回目の感度よりも高い感度に設定する。つまり、全ての個眼カメラの個眼撮像部3121の撮像素子の受光時間を、2回目の時よりも長くする。尚、1回目の撮像のグループA(図15(a)の破線Aで囲んだ個眼カメラ1、3)の感度と、3回目の撮像の全個眼カメラ(図15(c)の破線Cで囲んだ個眼カメラ1〜4)の感度とは、同じ感度とする。また、1回目の撮像のグループB(図15(a)の個眼カメラ2、4)の感度と、2回目の撮像の全個眼カメラ(図15(b)の個眼カメラ1〜4)の感度とは、同じ感度とする。そして、破線で囲まれている個眼カメラの感度は、破線で囲まれていない個眼カメラの感度に比べて、高く設定される。
図16(b)に、2回目の撮像によって撮像された画像の相対輝度の範囲を示し、図16(c)に、3回目の撮像によって撮像された画像の相対輝度の範囲を示す。図16(b)の信頼度グラフにおけるグラフGBは、2回目の撮像において個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示し、図16(c)の信頼度グラフにおけるグラフGAは、3回目の撮像において個眼カメラが出力する画像の相対輝度の範囲を示す。
HDRオートモードでは、まず、HDR画像生成部131は、被写体が動体であるか否かを判断する。HDR画像生成部131は、異なるタイミングで、同じ感度の同じ位置の個眼カメラで撮像された画像同士を比較し、異なる部分がある場合には、被写体が動体であると判断する。そして、異なる部分を動体領域とする。尚、動体領域以外の領域は、静体領域である。
異なるタイミングで、同じ位置の同じ感度の個眼カメラで撮像された画像は、図15において、符号162で示す画像2、4と、符号163で示す画像2、4の、一組である。従って、HDR画像生成部131は、1回目の撮像で得られた画像2と、2回目の撮像で得られた画像2とを比較し、また、1回目の撮像で得られた画像4と、2回目の撮像で得られた画像4とを比較することで、動体領域を検出する。また、もう一組の、異なるタイミングで、同じ位置の同じ感度の個眼カメラで撮像された画像は、符号161で示す画像1、3と、符号164で示す画像1、3である。従って、HDR画像生成部131は、1回目の撮像で得られた画像1と、3回目の撮像で得られた画像1とを比較し、また、1回目の撮像で得られた画像3と、3回目の撮像で得られた画像3とを比較することで、動体領域を検出する。
HDR画像生成部131は、画像内の動体領域は、HDR動体撮像モードで撮像された画像、つまり、1回目の撮像で得られた画像を用いて、画素値を決定し、静体領域は、HDR静体撮像モードで撮像された画像、つまり、2回目と3回目の撮像で得られた画像を用いて、画素値を決定する。尚、HDR画像生成部131は、被写体が動体でないと判断した場合は、HDR静体撮像モードで撮像された画像、つまり、2回目と3回目の撮像で得られた画像を用いて、HDR画像を作成する。
図17を用いて、HDR画像生成部131が、被写体が動体であると判断した場合に、HDR画像を作成する方法を説明する。画像P1は、1回目の撮像タイミングT1で得られた画像を示し、画像P2は、2回目の撮像タイミングT2で得られた画像を示し、画像P3は、3回目の撮像タイミングT3で得られた画像を示す。尚、画像P1〜P3は、各個眼カメラにより撮像された4つの画像を有する。画像P0は、HDR画像を示す。オブジェクトObが、動体であるとする。
HDR画像生成部131は、感度が同じ個眼カメラで撮像された画像P1の画像と、画像P2の画像とを比較し、画素値が異なる領域を第1動体領域として検出する。更に、HDR画像生成部131は、感度が同じ個眼カメラで撮像された画像P1の画像と、画像P3の画像とを比較し、画素値が異なる領域を第2動体領域として検出する。このようにして抽出した第1動体領域と第2動体領域が合わされて動体領域とされる。画像P1の破線で示す領域A1が、動体領域である。HDR画像生成部131は、HDR画像P0内の動体領域である領域A0の画像を、1回目の撮像で得られた画像を用いて作成し、領域A0以外の領域である静体領域の画像を、HDR静体撮像モードで撮像された画像、つまり、2回目と3回目の撮像で得られた画像を用いて作成する。
距離算出部133は、図15(a)に示すように、個眼カメラで撮像された画像の画像ペア161、又は、画像ペア162を選択する。
<動作>
次に、本実施形態における撮像装置Dの動作について、図18を用いて説明する。図18は、撮像装置Dの撮像処理のフローチャートである。
ユーザは、入力部4を操作して、撮像モードを設定する。ユーザにより設定された撮像モードを、制御処理部1を介して受け付けた制御部11は、設定された撮像モードが「通常撮像モード」である場合には(ステップS11:Yes)、感度調整部12にグループA及びグループBの感度を同じにするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間を設定する(ステップS13)。
ユーザが入力部4を操作して、撮像を指示するコマンドを入力すると、制御処理部1を介して撮像指示を受け付けた制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS13)。
そして、制御部11は、HDR画像生成部131に、HDR画像の作成を指示する。指示を受けたHDR画像生成部131は、現在のモードが、通常撮像モードであるので、記憶部2から画像を読み出し、いずれかの画像を生成した画像とする(ステップS14)。
また、制御部11は、距離算出部133に、被写体までの距離の算出を指示する。指示を受けた距離算出部133は、上述したような画像ペアを記憶部2から読み出し、読み出した画像ペアを対応点探索部132に渡し、視差の算出を依頼する。依頼を受けた対応点探索部132は、ペアの画像を用いて対応点探索を行い、視差を求め、距離算出部133に渡す。
対応点探索部132から視差を受け取った距離算出部133は、図6を用いて説明したように、被写体までの距離を算出する(ステップS15)。
制御部11は、HDR画像生成部131が作成した画像、及び、距離算出部133が算出した被写体までの距離を出力部5に出力する。
ステップS11において、設定された撮像モードが「通常撮像モード」ではなく(ステップS11:No)、設定された撮像モードが「HDR動体撮像モード」である場合には(ステップS21:Yes)、制御部11は、<HDR動体撮像モード>の項で説明したように、感度調整部12にグループAの感度とグループBの感度とを、それぞれ予め定められた感度にするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、HDR動体撮像モード用に予め定められている受光時間を、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間として、グループごとに設定する(ステップS22)。
ユーザが入力部4を操作して、撮像を指示するコマンドを入力すると、制御処理部1を介して撮像指示を受け付けた制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS23)。
そして、制御部11は、HDR画像生成部131に、HDR画像の作成を指示する。指示を受けたHDR画像生成部131は、記憶部2から画像を読み出し、各画像間のずれを算出することが可能な画像ペアを選択し、選択した画像ペアを対応点探索部132に渡して、視差(ずれ量)の算出を依頼する。依頼を受けた対応点探索部132は、ペアの画像を用いて対応点探索を行い、視差を求め、HDR画像生成部131に渡す。
対応点探索部132から、画像間のずれ量を受け取ったHDR画像生成部131は、記憶部2から読み出した画像を、ずれ量だけずらして合成し、1枚のHDR画像を生成する(ステップS24)。
また、制御部11は、距離算出部133に、被写体までの距離の算出を指示する。指示を受けた距離算出部133は、<HDR動体撮像モード>の項で説明したような画像ペアを記憶部2から読み出し、読み出した画像ペアを対応点探索部132に渡し、視差を算出させ、算出された視差を用いて、被写体までの距離を算出する(ステップS25)。
制御部11は、HDR画像生成部131が作成したHDR画像、及び、距離算出部133が算出した被写体までの距離を出力部5に出力する。
ステップS21において、設定された撮像モードが「HDR動体撮像モード」ではなく(ステップS21:No)、設定された撮像モードが「HDR静体撮像モード」である場合には(ステップS31:Yes)、制御部11は、<HDR静体撮像モード>の項で説明したように、感度調整部12に、全個眼カメラの感度を、1回目の撮像の感度とするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、1回目の撮像の受光時間を、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間として、全個眼撮像部3121に設定する(ステップS32)。
ユーザが入力部4を操作して、撮像を指示するコマンドを入力すると、制御処理部1を介して撮像指示を受け付けた制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS33)。
次に、制御部11は、感度調整部12に、全個眼カメラの感度を、2回目の撮像の感度とするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、2回目の撮像の受光時間を、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間として、全個眼撮像部3121に設定する(ステップS34)。
そして、制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS35)。
制御部11は、HDR画像生成部131に、HDR画像の作成を指示する。指示を受けたHDR画像生成部131は、記憶部2から画像を読み出し、対応点探索部132に渡して視差(ずれ量)を算出させ、算出されたずれ量を用いて、1枚のHDR画像を生成する1枚のHDR画像を生成する(ステップS36)。
また、制御部11は、距離算出部133に、被写体までの距離の算出を指示する。指示を受けた距離算出部133は、<HDR静体撮像モード>の項で説明したような画像ペアを記憶部2から読み出し、読み出した画像ペアを対応点探索部132に渡し、視差を算出させ、算出された視差を用いて、被写体までの距離を算出する(ステップS37)。
制御部11は、HDR画像生成部131が作成したHDR画像、及び、距離算出部133が算出した被写体までの距離を出力部5に出力する。
ステップS31において、設定された撮像モードが「HDR静体撮像モード」でない場合には(ステップS31:No)、制御部11は、<HDRオートモード>の項で説明したように、感度調整部12にグループAの感度とグループBの感度とを、HDR動体撮像モードにおける個眼カメラの感度にするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、HDR動体撮像モードで予め定められている受光時間を、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間として、グループごとに設定する(ステップS41)。
ユーザが入力部4を操作して、撮像を指示するコマンドを入力すると、制御処理部1を介して撮像指示を受け付けた制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS42)。
次に、制御部11は、感度調整部12に、全個眼カメラの感度を、HDR静体撮像モードにおける1回目の撮像の感度にするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、HDR静体撮像モードで予め定められている受光時間を、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間として、設定する(ステップS43)。
そして、制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS44)。
次に、制御部11は、感度調整部12に、全個眼カメラの感度を、HDR静体撮像モードにおける2回目の撮像の感度にするよう指示する。指示を受けた感度調整部12は、HDR静体撮像モードで予め定められている受光時間を、画像取得部3のアレイカメラ31の個眼撮像部3121の受光時間として、設定する(ステップS45)。
そして、制御部11は、画像取得部3から、感度調整部12が設定した感度で撮像された複数の画像を取得し、記憶部2に記憶させる(ステップS46)。
次に、制御部11は、HDR画像生成部131に、HDR画像の作成を指示する。指示を受けたHDR画像生成部131は、記憶部2から画像を読み出し、対応点探索部132に渡して視差(ずれ量)を算出させ、算出されたずれ量を用い、上述のような動体領域及び静体領域の画像を作成して、1枚のHDR画像を生成する(ステップS47)。
また、制御部11は、距離算出部133に、被写体までの距離の算出を指示する。指示を受けた距離算出部133は、<HDRオートモード>の項で説明したような画像ペアを記憶部2から読み出し、読み出した画像ペアを対応点探索部132に渡し、視差を算出させ、算出された視差を用いて、被写体までの距離を算出する(ステップS48)。
制御部11は、HDR画像生成部131が作成したHDR画像、及び、距離算出部133が算出した被写体までの距離を出力部5に出力する。
このように、撮像装置Dでは、画像のダイナミックレンジ、及び、測距精度の選択を、ユーザが容易に行うことが可能となっている。
尚、実施形態では、ハイダイナミックレンジ画像を作成することとしているが、アレイカメラ31から得られた複数の画像を用いて、超解像画像を作成してもよく、更に、超解像画像を用いた測距を行ってもよい。
また、実施形態では、感度調整部12は、2種類の感度を個眼カメラに設定することとしているが、個眼カメラの数に応じて3種類以上の感度を設定することとしてもよい。感度の種類が多い程、撮像装置Dが、広いダイナミックレンジの画像を作成することが可能となる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
D 測距装置
12 感度調整部
13 演算部
131 HDR画像生成部
132 対応点探索部
133 距離算出部
3 画像取得部
31 アレイカメラ
311 アレイレンズ部
312 アレイ撮像部

Claims (9)

  1. 一体に配列された複数の撮像光学系と、前記複数の撮像光学系に対応し、前記複数の撮像光学系それぞれによって結像された対象物の光学像を撮像する複数の撮像部とを有する複眼カメラと、
    前記複数の撮像部それぞれの感度を変更する感度変更部と、
    前記複数の撮像部で撮像された画像を用いた対応点探索により、前記複数の画像同士の視差を算出する対応点探索部と、
    前記感度変更部によって同じ感度に変更された撮像部により撮像された複数の画像を用いて、前記対応点探索部に視差を算出させ、算出された視差を用いて前記対象物の位置合わせを行い、前記複数の撮像部で撮像された画像を合成して、1枚の画像を作成する画像作成部と、
    前記対象物が動体であるか否かに関する複数のモードを有し、前記モードに応じて、前記感度変更部に前記複数の撮像部の感度を変更させ、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いて、前記画像作成部に、前記感度に応じた輝度範囲の1枚の画像を作成させる制御部と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記モードが、前記対象物が動体である場合に用いるモードである場合には、
    前記制御部は、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の一部の撮像部の感度を第1感度に変更させ、他の撮像部の感度を第2感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第1画像を用いて、前記画像作成部に1枚の画像を作成させ、
    前記第1感度及び前記第2感度は、前記第1感度の撮像部により撮像された画像の輝度範囲と、前記第2感度の撮像部で撮像された画像の輝度範囲とが連続するような感度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記モードが、前記対象物が動体ではない場合に用いるモードである場合には、
    前記制御部は、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第3感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第2画像と、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第4感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第3画像とを用いて、前記画像作成部に1枚の画像を作成させ、
    前記第3感度及び前記第4感度は、前記第3感度の撮像部により撮像された画像の輝度範囲と、前記第4感度の撮像部で撮像された画像の輝度範囲とが連続するような感度である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記モードが、前記対象物が動体であるか否かが不明である場合に用いるモードで場合には、
    前記制御部は、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の一部の撮像部の感度を第5感度に変更させ、他の撮像部の感度を第6感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第4画像と、前記感度変更部に、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第6感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第5画像と、前記複数の撮像部の全ての撮像部の感度を第5感度に変更させて、前記複数の撮像部に撮像させた複数の第6画像とを用いて、前記画像作成部に、1枚の画像を作成させ、
    前記第5感度及び前記第6感度は、前記第5感度の撮像部により撮像された画像の輝度範囲と、前記第6感度の撮像部で撮像された画像の輝度範囲とが連続するような感度である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記画像作成部は、第6感度の複数の撮像部のうちの第1撮像部で撮像された前記複数の第4画像のうちの1つの画像と、前記第1撮像部で撮像された前記複数の第5画像のうちの1つの画像との異なる第1領域、又は、第5感度の複数の撮像部のうちの第2撮像部で撮像された前記複数の第4画像のうちの1つの画像と、前記第2撮像部で撮像された前記複数の第6画像のうちの1つの画像との異なる第2領域が存在する場合は、前記対象物が動体であると判断し、
    前記第1領域と前記第2領域とから成る動体領域を決定し、前記1枚の画像のうちの前記動体領域の画像は、前記第4画像を用いて作成し、前記動体領域以外の領域の画像は、前記第5画像、及び、前記第6画像を用いて作成する
    ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記複数の撮像光学系のうち少なくとも2つの撮像光学系に対応する撮像部で撮像された画像に基づいて前記対象物までの距離を求める距離演算部を、更に備え、
    前記距離演算部は、前記感度変更部によって同じ感度に変更された撮像部により撮像された複数の画像を用いて、前記対応点探索部に視差を算出させ、算出された視差に基づいて前記対象物までの距離を算出する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記モードを設定する設定入力手段を更に備え、
    前記制御部は、前記設定入力手段により設定されたモードに応じて、前記感度変更部に前記複数の撮像部の感度を変更させる
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記撮像部は、固体撮像素子を有し、
    前記感度変更部は、前記複数の撮像部それぞれが有する固体撮像素子の蓄積時間を変更することによって、前記複数の撮像部の感度を変更する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 一体に配列された複数の撮像光学系と、前記複数の撮像光学系に対応し、前記複数の撮像光学系それぞれによって結像された対象物の光学像を撮像する複数の撮像部とを有する複眼カメラを備える撮像装置で用いられる撮像方法であって、
    前記複数の撮像部それぞれの感度を変更する感度変更ステップと、
    前記複数の撮像部で撮像された画像を用いた対応点探索により、前記複数の画像同士の視差を算出する対応点探索ステップと、
    前記感度変更ステップによって同じ感度に変更された撮像部により撮像された複数の画像を用いて、前記対応点探索ステップに視差を算出させ、算出された視差を用いて前記対象物の位置合わせを行い、前記複数の撮像部で撮像された画像を合成して、1枚の画像を作成する画像作成ステップと、
    前記対象物が動体であるか否かに関する複数のモードを有し、前記モードに応じて、前記感度変更ステップで前記複数の撮像部の感度を変更させ、前記複数の撮像部で撮像された画像を用いて、前記画像作成ステップで、前記感度に応じた輝度範囲の1枚の画像を作成させる制御ステップと
    を備えることを特徴とする撮像方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024031245A1 (zh) * 2022-08-08 2024-02-15 北京原创力科技有限公司 一种基于相机阵列的同步视频拍摄方法及系统

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