JP2017097119A - 広視野角表示システム - Google Patents

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奨 越智
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Abstract

【課題】本発明は、視野角依存性の小さい広視野角表示システムを提供する。【解決手段】本発明の広視野角表示システムは、液晶パネルと、液晶パネルの光射出側に配置された光制御部材と、を有する液晶表示装置を備え、液晶パネルは、液晶層の液晶分子のダイレクタが所定の方向であって互いに逆の向きを向く、少なくとも2つのドメインを有する複数の画素を備え、第1の偏光板の吸収軸と第2の偏光板の吸収軸とは互いに直交しており、一方の偏光板の吸収軸と2つの液晶分子のダイレクタとが成す角度φ1、φ2は、それぞれ50°<φ1<60°、230°<φ2<240°、もしくは120°<φ1<130°、300°<φ2<310°の範囲内にある。【選択図】図2

Description

本発明は、広視野角表示システムに関する。
スマートフォン等をはじめとする携帯型電子機器、もしくはテレビジョン、パーソナルコンピューター等のディスプレイとして、液晶表示装置が広く用いられている。昨今は特にディスプレイの高精細化が進み、従来のフルハイビジョン映像(1920Pixel×1080Pixel)に対し、縦横4倍の解像度を有するスーパーハイビジョン映像(7680Pixel×4320Pixel)に対応したディスプレイの開発が進んでいる。一般に、液晶表示装置は、表示画面を正面から見たときに優れた表示特性を発揮する。一方、表示画面を斜め方向から見たときにはコントラストが低下し、視認性が悪くなりやすい。このため、良好な視認性で画面を観察可能な視野角範囲を広げる様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1は、視野特性が良好なVA(Vertically Alignment)モードの液晶表示装置及びMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モードの液晶表示装置を開示している。
特開2006−113208号公報
特許文献1のように、1つの画素内を4つ以上の多数のドメインに分割する場合、視野角範囲を広げることができる一方、ドメイン間に生じる暗線、ドメインの分割のために必要な配線等の影響により液晶セルの透過率が低下し、セル内の構造が複雑になる、という欠点がある。暗線の幅や配線の幅は画素のサイズによって大きくは変わらないため、画素のサイズが小さくなる高精細ディスプレイでは、結果的にその影響が大きくなる。その一方、1つの画素におけるドメインの数を減らした場合、例えばドメインの数を2個としたVAモードの液晶表示装置の場合、ドメインの数が4個以上である場合と比べれば、液晶セルの透過率は向上し、セル内の構造は簡単になる。ドメインの数が2個の場合、それぞれのドメインに含まれる液晶分子の長軸の平均的な方向は、電圧印加時において互いに180°異なる方向である。以下、本明細書では、液晶分子の長軸に平行な方向のことをダイレクタと称する。
電圧印加時に液晶分子が液晶表示装置の画面の上下方向に倒れると仮定すると、液晶表示装置を左右方向から斜めに見た場合は、液晶表示装置を正面から見た場合と比較しても、表示画像に大きな変化はない。その一方、この液晶表示装置を上下方向から斜めに見た場合は、液晶表示装置を正面から見た場合と比較して、表示画像の色変化が大きい。つまり、1つの画素に2個のドメインを有するVAモード液晶表示装置は、視野角依存性の高い方位角を有しており、視野特性の方位角依存性が大きい、という問題がある。
本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、視野角依存性の小さい広視野角表示システムを提供することができる。
(1)本発明における一態様の広視野角表示システムは、第1の垂直配向膜を有する第1の基板と、第2の垂直配向膜を有する第2の基板と、前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶層の光射出側に配置された第2の偏光板と、を含む液晶パネルと、前記液晶パネルの光射出側に配置された光制御部材と、を有する液晶表示装置を備え、前記液晶パネルは、前記液晶層の液晶分子のダイレクタが所定の方向であって互いに逆の向きを向く、少なくとも2つのドメインを有する複数の画素を備え、前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸とは互いに直交しており、一方の偏光板の吸収軸と前記2つの液晶分子のダイレクタとが成す角度φ1、φ2は、それぞれ50°<φ1<60°、230°<φ2<240°、もしくは120°<φ1<130°、300°<φ2<310°の範囲内にある。
(2)本発明における一態様の広視野角表示システムにおいて、前記一方の偏光板の吸収軸は、広視野角な第1の方向に対して第1ダイレクタ方向とは逆方位に67.5°の角度をなしており、前記第1の方向が前記液晶パネルの0°―180°方向と一致している構成としてもよい。
(3)本発明における一態様の広視野角表示システムは、前記液晶パネルの光入射側に配置された照明装置をさらに備え、前記照明装置は、前記第1の方向に交差する第2の方向への光の射出が少なく、前記第1の方向への光の射出が多い特性を有する構成としてもよい。
(4)本発明における一態様の広視野角表示システムは、前記光制御部材は、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に設けられた光拡散部と、前記第1の面のうち前記基材の法線方向から見て前記光拡散部と重ならない位置に設けられた遮光部と、前記基材の法線方向から見て前記遮光部と一部重なる位置に設けられ、前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率部と、を備え、前記光拡散部は、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置する光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、前記基材の法線方向から見て、前記遮光部の平面形状が、前記第1の偏光板および前記第2の偏光板のうちの一方の偏光板の吸収軸と平行な直線部分、もしくは前記第1の方向と45°未満の角度をなす直線部分を有する構成としてもよい。
(5)本発明における一態様の広視野角表示システムは、前記平面形状が多角形あるいは菱形である構成としてもよい。
(6)本発明における一態様の広視野角表示システムは、前記平面形状が楕円形状あるいは円形状である構成としてもよい。
(7)(1)〜(3)の本発明における一態様の広視野角表示システムは、前記光制御部材として回折フィルムを用いる構成としてもよい。
本発明によれば、複雑な回路構造を適用することなく、視野角依存性の小さい液晶表示装置を備えた広視野角表示システムを提供することができる。
第1実施形態の液晶表示装置の断面図。 第1実施形態の液晶表示装置の構成を模式的に示す分解斜視図。 液晶パネルの縦断面図。 液晶表示装置のドライバーおよびタイミングコントローラー(TCON)の配線模式図。 液晶表示装置の画像表示領域の拡大図。 光制御部材を視認側から見た斜視図。 光制御部材の模式図。 1つの遮光層を示す平面図。 極角と方位角の定義を説明するための図。 液晶表示装置の正面図。 液晶表示装置に含まれるVAモードの液晶を含む画素と、光制御部材との配置関係を示す模式図。 実施形態における偏光板の吸収軸と液晶分子のダイレクタとの方位関係を示す図。 液晶表示装置の視角特性と偏光板の吸収軸および液晶分子のダイレクタとの方位関係を示す図。 (a)〜(c)は、各偏光板の吸収軸に対する液晶分子のダイレクタの方位関係の例示を示す図。 (a)〜(f)は、各種の形状および配置を有する遮光層と光の反射の様子を示す図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 表示パネル面から見た視角特性を示す図。 従来の液晶表示装置における偏光板の吸収軸と液晶分子のダイレクタとがなす角度を示す図。 従来の構成の液晶表示装置の方位角:0°−180°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 第1実施形態の液晶表示装置における偏光板とダイレクタとのなす角度を示す図。 光制御部材を備えない、本実施形態の液晶パネルの左右方向(方位角:0°−180°)において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 液晶分子のダイレクタと偏光板の吸収軸とがなす角度(極角60°)に対する、セル透過率T[%]および最も視角特性が良い方向のlocalγ特性の関係を示すグラフ。 (a)〜(d)は、光制御部材を備えていない、実施例(本システム)の液晶パネルおよび比較例(従来システム)において、左右方向(方位角:0°−180°)、上下方向(方位角:90°−270°)に、それぞれ極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 式(1)によって算出された値をグラフ化したもの。 光制御部材を備えた、実施例の液晶パネル及び比較例の液晶パネルにおいて、方位角φ:90°−270°方向へ極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 (a)は、液晶パネルのサブ画素と光制御部材の遮光層とを示す図、(b)は、光制御部材における1つの遮光層の最短距離における寸法を示す図。 遮光パターン径と、形成可能な光拡散部におけるテーパ角度と、の関係を示すグラフ。 (a)は、平面視菱形の遮光層を示す図であり、(b)は、平面視交線形の遮光層を示す図である。 第2実施形態におけるバックライトの配向特性を示すグラフ。 (a),(b)は、第3実施形態のシステムにおける遮光層の平面形状を示す図。 表示画面における上下左右の視角特性を示す正面図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図31を用いて説明する。
本実施形態では、透過型の液晶パネルを備えた、スーパーハイビジョン(7680Pixel×4320Pixel)映像の表示に対応した液晶表示装置の例を挙げて説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図2は、第1実施形態の液晶表示装置の構成を模式的に示す分解斜視図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の広視野角表示システムは、液晶パネル2と、バックライト(照明装置)8と、光制御部材9と、を備えている。液晶パネル2は、下位偏光板(第2の偏光板)3と、下位相差フィルム4と、液晶セル5と、上位相差フィルム6と、上位偏光板(第1の偏光板)7と、を有する液晶表示装置1を含む。図1および図2では、液晶セル5を模式的に図示しているが、その詳細な構造については後述する。
本実施形態のバックライト8は、特許請求の範囲の照明装置に対応する。
観察者は、光制御部材9を介して液晶表示装置1の表示画像を見る。以下の説明では、光制御部材9が配置された側を視認側と称する。バックライト8が配置された側を背面側と称する。また、以下の説明において、x軸は、液晶表示装置1の画面の水平方向と定義する。y軸は、液晶表示装置1の画面の垂直方向と定義する。z軸は、液晶表示装置1の厚さ方向と定義する。さらに、画面の水平方向は、観察者が液晶表示装置1を正対して見たときの左右方向に対応する。画面の垂直方向は、観察者が液晶表示装置1を正対して見たときの上下方向に対応する。
本実施形態の液晶表示装置1においては、バックライト8から射出された光を液晶パネル2で変調し、変調した光によって所定の画像や文字等を表示する。また、液晶パネル2から射出された光が光制御部材9を透過すると、射出光の配光分布が光制御部材9に入射する前より広がった状態となり、光制御部材9から光が射出される。
以下、液晶パネル2の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを一例に挙げて説明する。ただし、本実施形態に適用可能な液晶パネルはアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルに限るものではない。本実施形態に適用可能な液晶パネル2は、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶パネルであっても良い。さらには、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタを備えていない単純マトリクス方式の液晶パネルであっても良い。以下、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)をTFTと略記する。
図3は、液晶パネル2の縦断面図である。
図3に示すように、液晶セル5は、TFT基板(第1の基板)10と、カラーフィルター基板12と、液晶層11と、を有している。TFT基板10は、スイッチング素子基板として機能する。カラーフィルター基板(第2の基板)12は、TFT基板10に対向して配置されている。液晶層11は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間に挟持されている。
本実施形態のTFT基板10は、特許請求の範囲の第1の基板に対応する。本実施形態のカラーフィルター基板12は、特許請求の範囲の第2の基板に対応する。
液晶層11は、TFT基板10と、カラーフィルター基板12と、枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。シール部材は、TFT基板10とカラーフィルター基板12とを所定の間隔をおいて貼り合わせる。
本実施形態の液晶パネル2は、VA(Vertical Alignment, 垂直配向)モードで表示を行う。液晶層11には誘電率異方性が負の液晶が用いられる。TFT基板10とカラーフィルター基板12との間には、スペーサー13が配置されている。スペーサー13は球状あるいは柱状の部材である。スペーサー13は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間の間隔を一定に保持する。
TFT基板10を構成する透明基板14の液晶層11側の面には、半導体層15、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18等を有するTFT19が形成されている。透明基板14としては、例えばガラス基板を用いることができる。
本実施形態のTFT19は、特許請求の範囲のスイッチング素子に対応する。
透明基板14上には、半導体層15が形成されている。半導体層は、例えばインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)を含む4元混晶半導体材料で構成されている。半導体層の材料としては、In−Ga−Zn−O系4元混晶半導体の他、CGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low−temperature Poly−Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリコン)等の半導体材料が用いられる。
透明基板14上には、半導体層15を覆うようにゲート絶縁膜20が形成されている。
ゲート絶縁膜20の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上には、ゲート電極16を覆うように第1層間絶縁膜21が形成されている。第1層間絶縁膜21の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18が形成されている。第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とには、コンタクトホール22およびコンタクトホール23が、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通して形成されている。
ソース電極17は、コンタクトホール22を介して半導体層15のソース領域に接続されている。ドレイン電極18は、コンタクトホール23を介して半導体層15のドレイン領域に接続されている。ソース電極17およびドレイン電極18の材料としては、上述のゲート電極16と同様の導電性材料が用いられる。
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18を覆うように第2層間絶縁膜24が形成されている。第2層間絶縁膜24の材料としては、上述の第1層間絶縁膜21と同様の材料、もしくは有機絶縁性材料が用いられる。
第2層間絶縁膜24上には、画素電極25が形成されている。第2層間絶縁膜24には、コンタクトホール26が第2層間絶縁膜24を貫通して形成されている。画素電極25は、コンタクトホール26を介してドレイン電極18に接続されている。画素電極25は、ドレイン電極18を中継用電極として半導体層15のドレイン領域に接続されている。
画素電極25の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電性材料が用いられる。
この構成により、ゲートバスラインを通じて走査信号が供給され、TFT19がオン状態となったときに、ソースバスラインを通じてソース電極17に供給された画像信号が、半導体層15、ドレイン電極18を経て画素電極25に供給される。なお、TFT19の形態としては、図3に示したトップゲート型TFTであってもよいし、ボトムゲート型TFTであってもよい。
画素電極25を覆うように、第2層間絶縁膜24上の全面に第1の垂直配向膜27が形成されている。第1の垂直配向膜27は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。本実施形態では、光配向技術を用いて第1の垂直配向膜27に配向処理を施している。つまり、本実施形態では、第1の垂直配向膜27として光配向膜を用いている。
一方、カラーフィルター基板12を構成する透明基板29の液晶層11側の面には、ブラックマトリクス30、カラーフィルター31、平坦化層32、対向電極33、第2の垂直配向膜34が順次形成されている。
ブラックマトリクス30は、画素間領域において光の透過を遮断する機能を有する。ブラックマトリクス30は、例えば、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属、もしくはカーボン粒子を感光性樹脂に分散させたフォトレジストで形成されている。
カラーフィルター31には、1個の画素を構成する色の異なる副画素毎に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかの色素が含まれている。TFT基板10上の一つの画素電極25に対して、R,G,Bのいずれか一つのカラーフィルター31が対向して配置されている。なお、カラーフィルター31は、R、G、Bの3色以上の多色構成としてもよい。例えば、黄色(Y)を加えた4色構成としてもよいし、白色(W)を加えた4色構成としてもよいし、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)を加えた6色構成としてもよい。
平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31を覆う絶縁膜で構成されている。平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31によってできる段差を緩和して平坦化する機能を有している。
平坦化層32上には対向電極33が形成されている。対向電極33の材料としては、画素電極25と同様の透明導電性材料が用いられる。
対向電極33上の全面に第2の垂直配向膜34が形成されている。第2の垂直配向膜34は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。本実施形態では、光配向技術を用いて第2の垂直配向膜34に配向処理を施している。つまり、本実施形態では、第2の垂直配向膜34として光配向膜を用いている。
図1に戻り、照明装置であるバックライト8は、光源36と、導光体37と、を備えている。光源36は、導光体37の端面に配置されている。光源36としては、例えば、発光ダイオード、冷陰極管等が用いられる。
本実施形態のバックライト8は、エッジライト型のバックライトである。なお、これに限られず、直下型のバックライトを用いてもよい。
導光体37は、光源36から射出された光を液晶パネル2に導く機能を有する。導光体37の材料としては、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料が用いられる。
光源36から導光体37の端面に入射した光は、導光体37の内部を全反射して伝播し、導光体37の上面(光射出面)から概ね均一な強度で射出される。本実施形態では図示はしないが、導光体37の上面には、散乱シート及びプリズムシートが配置されており、導光体37の下面には、散乱シートが配置されている。導光体37の上面から射出された光は、散乱シートにより散乱した後、プリズムシートによって集光され、概ね平行化されて射出される。散乱シートとしては、白色PETを用いてもよい。プリズムシートとしては、例えば、住友3M社製のBEFシート(商品名)を用いてもよい。
本実施形態において、バックライト8は指向性を有していなくてもよい。本実施形態のバックライト8としては、光の射出方向を制御して、指向性がある程度緩やかに設定されたバックライト(以下、通常バックライトと称することがある)を用いる。なお、本実施形態において、バックライト8が指向性を有していても構わない。
バックライト8と液晶セル5との間には、下位偏光板3が設けられている。下位偏光板3は、液晶セル5に入射する光の偏光状態を制御する偏光子として機能する。液晶セル5と光制御部材9との間には、上位偏光板7が設けられている。上位偏光板7は、液晶セル5から射出された光の透過状態を制御する検光子として機能する。詳しくは後述するが、上位偏光板7の吸収軸P1と下位偏光板3の吸収軸P2とは、図2に示すように、クロスニコルの配置となっている。
下位偏光板3と液晶セル5との間には、光の位相差を補償するための下位相差フィルム4が設けられている。上位偏光板7と液晶セル5との間には、光の位相差を補償するための上位相差フィルム6が設けられている。
本実施形態の位相差フィルム(下位相差フィルム4、上位相差フィルム6)としては、例えばTACフィルムが用いられる。ここでは、Nz係数が2.25の位相差フィルムを用いた。
続いて、本実施形態の液晶表示装置1の駆動方法について説明する。
本実施形態の液晶表示装置1はスーパーハイビジョンの映像を表示するため、水平方向:7680Pixel×垂直方向:4320Pixelの画素を有している。
図4は、液晶表示装置1のドライバーおよびタイミングコントローラー(TCON)の配線模式図を表している。
本実施形態の液晶表示装置1は4個のTCON80を有しており、4つのTCON80はそれぞれ画面83の右上領域、左上領域、右下領域、左下領域のソースドライバー81およびゲートドライバー82への入力信号を制御している。
図5は、液晶表示装置1の画像表示領域の拡大図である。
図5に示すように、TFT基板10には、複数の画素PXがマトリクス状に配置されている。画素PXは、表示の基本単位である。TFT基板10には、複数のソースバスラインSBが、互いに平行に延在するように形成されている。TFT基板10には、複数のゲートバスラインGBが、互いに平行に延在するように形成されている。複数のゲートバスラインGBは、複数のソースバスラインSBと直交している。TFT基板10上には、複数のソースバスラインSBと複数のゲートバスラインGBとが格子状に形成されている。
隣接するソースバスラインSBと隣接するゲートバスラインGBとによって区画された矩形状の領域が一つの画素PXとなる。ソースバスラインSBは、TFTのソース電極に接続されている。ゲートバスラインGBは、TFTのゲート電極に接続されている。
本実施形態の液晶表示装置1では、1列の画素PXに対して2本のソースバスラインSB1,SB2が形成されており、1本目のソースバスラインSB1に奇数行目(Line1,3,…)の画素PXが接続され、2本目のソースバスラインSB2に偶数行目(Line2,4,…)の画素PXが接続されている。スキャンする際にゲートバスラインGBは2本ずつ選択され、2行ずつ同時に画素PXへ信号が書き込まれる。本実施形態では、RGBの3つのサブ画素によって1つの画素PXが構成されている。
外部から映像信号が入力されると、映像信号は4つに分かれて4つのTCON80に供給され、かつゲートバスラインGBは2本ずつ同時選択される。そのため、最初のタイミングで1行目、2行目、2161行目、2162行目に映像が表示され、続いて3行目、4行目、2163行目、2164行目…と4行ずつ映像が表示され、最後の4320行目のゲートバスラインGBが選択された後は再び上から次の映像信号を書きこんでいく。
駆動方法は、前記の4ライン同時書き込みに限らず、配線容量が十分に小さく、かつ液晶の応答速度が十分に早い場合は1ラインずつ上からスキャンしてもかまわない。
次に、光制御部材9について詳細に説明する。
図6は、光制御部材を視認側から見た斜視図である。図7は、光制御部材の模式図である。図7において、左側上段は光制御部材の平面図である。左側下段は、左側上段の平面図のA−A線に沿った断面図である。右側上段は、左側上段の平面図のB−B線に沿った断面図である。
光制御部材9は、図6に示すように、基材39と、複数の遮光層(遮光部)40と、光拡散部41と、複数の中空部(低屈折率部)42と、を備えている。複数の遮光層40は、基材39の第1の面39a(視認側と反対側の面)に形成されている。光拡散部41は、基材39の第1の面39aのうち、遮光層40の形成領域以外の領域に形成されている。逆に言えば、遮光層40は、第1の面39aのうち、基材39の法線方向から見て光拡散部41と重ならない位置に設けられている。中空部42は、基材39の法線方向から見て遮光層40と一部重なる位置に設けられている。
光制御部材9は、図1に示すように、光拡散部41を上位偏光板7に向け、基材39を視認側に向けて上位偏光板7上に配置される。光制御部材9は、接着剤層43を介して上位偏光板7に固定される。
基材39には、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム等の透明樹脂製の基材が好ましく用いられる。基材39は、製造プロセスにおいて、後で遮光層40や光拡散部41の材料を塗布する際の下地となる。基材39は、製造プロセス中の熱処理工程における耐熱性と機械的強度とを備える必要がある。したがって、基材39には、樹脂製の基材の他、ガラス製の基材等を用いても良い。ただし、基材39の厚さは耐熱性や機械的強度を損なわない程度に薄い方が好ましい。その理由は、基材39の厚さが厚くなる程、液晶表示装置全体の厚みを厚くする必要が生じるからである。また、基材39の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
本実施形態では、基材39に、例えば厚さが100μmの透明樹脂製基材を用いる。
遮光層40は、基材39の第1の面39aの法線方向から見てランダムに配置されている。遮光層40は、一例として、ブラックレジスト、黒色インク等の光吸収性および感光性を有する有機材料で構成されている。その他、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属膜を用いても良い。
光拡散部41は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の光透過性および感光性を有する有機材料で構成されている。また、光拡散部41の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
図7に示すように、光拡散部41は、光射出端面41aと、光入射端面41bと、反射面(傾斜面)41cと、を有する。光射出端面41aは、基材39に接する面である。光入射端面41bは、光射出端面41aと対向する面である。反射面41cは、光拡散部41のテーパ状の傾斜面である。反射面41cは、光入射端面41bから入射した光を反射する面である。本実施形態では、全ての光拡散部41において、光入射端面41bの面積は、光射出端面41aの面積よりも大きい。
光拡散部41は、光制御部材9において光の透過に寄与する部分である。図7の左下に示すように、光拡散部41に入射した光のうち、光L1は、反射面41cで反射されることなく光射出端面41aから射出される。光拡散部41に入射した光のうち、光L2は、光拡散部41の反射面41cで全反射しつつ、光拡散部41の内部に略閉じこめられた状態で導光し、光射出端面41aから射出される。
光制御部材9は、基材39が視認側に向くように配置される。そのため、光拡散部41の2つの対向面のうち、面積の小さい方の面が光射出端面41aとなる。一方、面積の大きい方の面が光入射端面41bとなる。
光拡散部41の反射面41cの傾斜角度(光入射端面41bと反射面41cとのなす角度θc)は、一例として75°〜90°程度である。ただし、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度θcは、光制御部材9から射出する際に、入射光を十分に拡散することが可能な角度であれば、特に限定されない。本実施形態において、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は一定になっている。
光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さt1は、遮光層40の層厚t2よりも大きく設定されている。本実施形態の場合、遮光層40の層厚t2は、一例として150nm程度である。光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さt1は、一例として10〜20μm程度である。光拡散部41の反射面41cと遮光層40とにより囲まれた部分は、中空部42となっている。中空部42には空気が存在している。
なお、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とは略同等であることが望ましい。その理由は、以下による。例えば、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とが大きく異なる場合を考える。この場合、光入射端面41bから入射した光が光拡散部41から射出する際に、光拡散部41と基材39との界面で不要な光の屈折や反射が生じることがある。この場合、所望の視野角が得られない、射出光の光量が減少する、等の不具合が生じる虞があるからである。
本実施形態の場合、中空部42(光拡散部の外部)には空気が介在している。そのため、光拡散部41を例えば透明アクリル樹脂で形成したとすると、光拡散部41の反射面41cは、透明アクリル樹脂と空気との界面となる。ここで、中空部42を他の低屈折率材料で充填しても良い。しかしながら、光拡散部41の内部と外部との界面の屈折率差は、外部にいかなる低屈折率材料が存在する場合よりも空気が存在する場合が最大となる。
したがって、Snellの法則より、本実施形態の構成においては臨界角が最も小さくなり、光拡散部41の反射面41cで光が全反射する入射角範囲が最も広くなる。その結果、光の損失がより抑えられ、高い輝度を得ることができる。
本実施形態の中空部42は、特許請求の範囲の低屈折率部に対応する。
本実施形態の光制御部材9は、図7の左上に示すように、複数の遮光層40が、基材39の第1の面39aに点在して設けられている。基材39の法線方向から見た遮光層40の平面形状は、細長い菱形である。すなわち、遮光層40は、長軸と短軸とを有する異方性形状を呈する。
図8に示すように、遮光層40の平面形状である菱形の短軸寸法B2に対する長軸寸法B1の比(B1/B2)は、例えば1以上かつ3以下である。遮光層40の長軸寸法B1は、例えば10〜20μmであり、遮光層40の短軸寸法B2は、例えば5〜10μmである。本実施形態の光制御部材9では、それぞれの遮光層40において、短軸寸法B2自体、長軸寸法B1自体は異なるものの、短軸寸法B2に対する長軸寸法B1の比は概ね等しい。
基材39の第1の面39aの全面積に対する遮光層40の占有面積の割合(被覆率)は、例えば5%〜50%である。
図7の左下、右上に示すように、遮光層40の下方に相当する部分は、四角錐台状の中空部42となる。光制御部材9は、複数の遮光層40に対応して複数の中空部42を有している。複数の中空部42以外の部分には、光拡散部41が一体に連なって設けられている。
光制御部材9では、遮光層40の平面形状をなす菱形の長軸方向は、上記第一の方向と一致していることが望ましく、本実施形態では概ねx軸方向に揃っている。以下、菱形の長軸方向を遮光層40の長軸方向と称することがある。遮光層40の平面形状をなす菱形の短軸方向は、概ねy軸方向に揃っている。以下、菱形の短軸方向を遮光層40の短軸方向と称することがある。光拡散部41の反射面41cは遮光層40の平面形状をなす菱形の各辺に対応することから、光拡散部41の反射面41cの向きを考えると、光拡散部41の反射面41cのうち、x軸方向およびy軸方向に平行な反射面41cの割合は極めて少なく、x軸方向およびy軸方向と角度をなす反射面41cが大半を占める。そのため、光の進行方向をxy平面上に射影して見ると、x軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lxはy軸方向へ進行し、y軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lyはx軸方向へ進行する割合が大きい。さらに後述するように、上記2種類の光を比べると、遮光層40の長軸と平行なx軸方向から短軸と平行なy軸方向へ向けて拡散される光Lxが大きい。
なお、遮光層40の平面形状は、一部に円形、楕円形、多角形、半円等の形状が含まれていても良い。また、遮光層40の一部が重なって形成されていても良い。
以下に、光制御部材9とVAモードの液晶パネル2を組み合わせた場合の効果について説明する。
図9は、極角と方位角の定義を説明するための図である。
ここで、図9に示すように、液晶表示装置1の画面の法線方向Eを基準とした観察者の視線方向Fのなす角度を極角θとする。x軸の正方向(0°方向)を基準とした観察者の視線方向Fを画面上に射影したときの線分Gの方向のなす角度を方位角φとする。
図10は、液晶表示装置1の正面図である。
図10に示すように、液晶表示装置1の画面において、水平方向(x軸方向)を方位角φ:0°−180°方向とする。垂直方向(y軸方向)を方位角φ:90°−270°方向とする。
また、下位偏光板3の吸収軸P2と上位偏光板7の吸収軸P1とは互いに直交する。本実施形態において、下位偏光板3の吸収軸P2は、液晶表示装置1の上記0°−180°方向に対して、方位角φ:67.5°-247.5°方向に配置され、上位偏光板7の吸収軸P1は、液晶表示装置1の上記0°−180°方向に対して、方位角φ:157.5°-337.5°方向に配置される。
図2に示したように、下位相差フィルム4の吸収軸は、下位偏光板3の吸収軸P2と同じ方位に配置され、上位相差フィルム6の吸収軸は、上位偏光板7の吸収軸P1と同じ方位に配置されている。
図11は、液晶表示装置1に含まれるVAモードの液晶を含むサブ画素50と、光制御部材9との配置関係を示す模式図である。
実際には図1に示すように、サブ画素50上に光制御部材9が配置されるが、図示の都合上、図11ではサブ画素50と光制御部材9とを並列して記載している。また、サブ画素50の右側には、下位偏光板3の吸収軸P2および上位偏光板7の吸収軸P1を図示した。
本実施形態におけるサブ画素50は、一つのサブ画素50を第1ドメイン50aと第2ドメイン50bの2つのドメインに分割したVA構造、いわゆる2ドメインVA構造を採用している。ここでは、長方形の画素を長手方向に平行な直線で2分割し、縦長のドメインとしている。サブ画素50に含まれる液晶分子51は、電圧を印加しない状態においてほぼ垂直に配向している。図11では、液晶分子51を円錐状に記載している。円錐の頂点は、液晶分子51の背面側の端部を意味する。円錐の底面は、液晶分子51の視認側の端部を示している。
本実施形態において、液晶分子51のダイレクタの方向は、液晶分子51の長軸方向を意味し、液晶分子51のダイレクタの向きは、液晶分子51の背面側の端部から視認側の端部へ向かう向きと定義する。液晶分子51のダイレクタを符号Dの矢印で示す。
本実施形態における液晶分子51のダイレクタの方向は、図11に示すように、画素の長辺方向もしくはドメインの長辺方向に対して所定の角度で傾斜している。
図11に示すように、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、液晶表示装置1の上記0°−180°方向に対し、方位角φ:122.5°−302.5°方向において、互いに180°異なる方向に傾いて配向している。具体的には、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51は、方位角φ:122.5°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51は、方位角φ:302.5°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。
このように液晶分子51を配向することにより、第1ドメイン50aにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向の中央部では、液晶分子51が方位角φ:122.5°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。第2ドメイン50bにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向の中央部では、液晶分子51が方位角φ:302.5°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。つまり、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向の中央部では、第1ドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2ドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、方位角φ:122.5°−302.5°方向において、互いに180°異なる方向に倒れる。なお、第1の垂直配向膜27および第2の垂直配向膜34近傍の液晶分子51は、第1の垂直配向膜27および第2の垂直配向膜34によって配向が規制されているため、電圧印加時においてもほぼ垂直のままである。
ここで、互いに直交する下位偏光板3の吸収軸P2および上位偏光板7の吸収軸P1に対する液晶分子51のダイレクタの方位関係について述べる。
図12は、本実施形態における偏光板の吸収軸と液晶分子のダイレクタとの方位関係を示す図である。図13は、液晶表示装置の視角特性と偏光板の吸収軸および液晶分子のダイレクタとの方位関係を示す図である。
図12に示すように、上位偏光板7の吸収軸P1に対して第1ドメイン50aの液晶分子51のダイレクタの方向D1がなす角度φ1は、50°<φ1<60°の範囲内にある。また、上位偏光板7の吸収軸P1に対して第2ドメイン50bの液晶分子51のダイレクタの方向D2のなす角度φ2は、230°<φ2<240°の範囲内にある。
この場合、最も視角特性が良い方位は、上位偏光板7の吸収軸P1に対して、方位角φ:112.5°−292.5°方向となる。そのため、液晶表示装置1に適用する場合には、視角特性が良い方位(広視野角の第1の方向)が方位角:0°−180°方位となるように、偏光板3,7および位相差フィルム4,6を反時計回りに所定の角度、回転させて配置する。本実施形態では反時計回りに67.5°回転させ、図13に示すような配置にする。
本実施形態では、図13に示すように、上位偏光板7の吸収軸P1に対して第1ドメイン50aの液晶分子51のダイレクタの方向D1がなす角度φ1は、50°<φ1<60°の範囲内にある。言い換えれば、下位偏光板3の吸収軸P2に対して第1ドメイン50aの液晶分子51のダイレクタの方向D1がなす角度φ3は、30°<φ3<40°の範囲内にある。
言い換えると、基材39の法線方向から見て、遮光層40の平面形状である菱形は、最も視角特性が良くなる方位と45°未満の角度をなす直線部分を有している。本実施形態の場合、この直線部分は菱形の4辺に対応する。この場合、光の進行方向をxy平面上に射影して見ると、x軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lxはy軸方向へ進行し、y軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lyはx軸方向へ進行する割合が大きい。さらに、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光Lxの量と、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光Lyの量と、を比較すると、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光Lxの量が、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光Lyよりも多い。
この理由を以下、図15を用いて説明する。
なお、下位偏光板3の吸収軸P2および上位偏光板7の吸収軸P1に対する液晶分子51のダイレクタの方位関係は、上述した関係に限られない。図14(a)〜(c)に、上述した関係以外の、各偏光板の吸収軸に対する液晶分子51のダイレクタの方位関係について例示する。
図14(a)に示すように、上位偏光板7の吸収軸P1に対して第1ドメイン50aの液晶分子のなす角度φ1が、120°<φ1<130°の範囲内にある場合、上位偏光板7の吸収軸P1に対して第2ドメイン50bの液晶分子51のなす角度φ2は、300°<φ1<310°の範囲内にある。
この場合、最も視角特性が良い方位は、上位偏光板7の吸収軸P1に対して、方位角φ:67.5°−247.5°方位となる。図示を省略するが、液晶表示装置に適用する場合には、視角特性が良い第1の方向が方位角:0°−180°方位となるように、偏光板3,7および位相差フィルム4,6を時計回りに67.5°回転させて配置する。
図14(b)に示すように、下位偏光板3の吸収軸P2に対して第1ドメイン50aの液晶分子のダイレクタの方向D1のなす角度φ1が、50°<φ1<60°の範囲内にある場合、下位偏光板3の吸収軸P2に対して第2ドメイン50bの液晶分子51のダイレクタの方向D2のなす角度φ2は、230°<φ2<240°の範囲内にある。
この場合、最も視角特性が良い方位は、下位偏光板3の吸収軸P2に対して、方位角φ:−67.5°−112.5°方位である。図示を省略するが、液晶表示装置に適用する場合には、視角特性が良い第1の方向が方位角:0°−180°方位となるように、偏光板3,7及び位相差フィルム4,6を時計回りに22.5°回転させて配置する。
図14(c)に示すように、下位偏光板3の吸収軸P2に対して第1ドメイン50aの液晶分子51のダイレクタの方向D1のなす角度φ1が、120°<φ1<−130°の範囲内にある場合、上位偏光板7の吸収軸P2に対して第2ドメイン50bの液晶分子51のダイレクタの方向D2のなす角度φ2は、300°−310°の範囲内にある。
この場合、最も視角特性が良い方位は、下位偏光板3の吸収軸P2に対して、方位角φ:67.5°−247.5°方位である。図示を省略するが、液晶表示装置に適用する場合には、視角特性が良い第1の方向が方位角:0°−180°方位となるように、偏光板3,7及び位相差フィルム4,6を反時計回りに22.5°回転させて配置する。
図15(a)〜(f)は、各種の形状および配置を有する遮光層と光の反射の様子を示している。図15(a)〜(f)においては、光の進行方向を矢印で示しているが、この矢印は光の進行方向をxy平面上に射影して示したものであり、実際の光の進行方向はz軸方向の成分を有している。角度φ1〜φ6は、xy平面上に射影したときの光の入射方向と射出方向とのなす角度である。
例えばx軸方向から入射する光の方位角方向の進行方向を変えるためには、x軸に対して0°より大きく、90°より小さい角度をなす反射面があればよい。
最初に、図15(a)に示すように、正方形の一辺をx軸およびy軸に対して45°回転させた平面形状の遮光層140を考える。この場合、反射面141cは、x軸に対して45°の角度をなす。仮に反射面141cが遮光層140の形成面に対して垂直方向に図15(a)の紙面の奥側に向かって配置されていたとする。この場合、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L1は、反射面141cで反射してxy平面上で90°方向を変え、y軸に平行な方向に進行する。すなわち、xy平面上に射影した光L1の入射方向と射出方向とのなす角度φ1は90°である。
ところが、本実施形態の光制御部材に即して考えると、反射面141cは、遮光層140に対して垂直方向に配置されているのではなく、図15(b)に示すように、紙面の奥側に向かって遮光層140の外形形状を示す実線の正方形の内側に示した破線の正方形(中空部の外形)に向けて斜めに傾斜している。この場合、角度φ2は90°よりも小さくなり、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L2は、反射面141cで反射した後、y軸に平行な方向には進まず、y軸に平行な方向よりもx軸の負側に傾いた方向に進む。
これに対して、図15(c)、(d)に示すように、本実施形態のように、菱形の遮光層40を長軸方向がx軸方向を向くように配置した場合を考える。この場合、図15(c)に示すように、反射面41cが遮光層40の形成面に対して垂直方向に配置されていると仮定すると、角度φ3は90°よりも大きく、x軸の負側から正側に向けて反射面41cに入射した光L3は、反射面41cで反射した後、y軸に平行な方向には進まず、y軸に平行な方向よりもx軸の正側に傾いた方向に進む。ところが、図15(d)に示すように、実際の反射面41cは、遮光層40の外形形状を示す実線の菱形の内側に示した破線の菱形(中空部の外形)に向けて斜めに傾斜している。これにより、角度φ4を90°にすることができ、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L4は、反射面141cで反射した後、y軸に平行な方向に進む。
比較例として、図15(e)、(f)に示すように、本実施形態と異なり、菱形の遮光層40を長軸方向がy軸方向を向くように配置した場合を考える。この場合、図15(e)に示すように、反射面41cが遮光層40の形成面に対して垂直方向に配置されていると仮定すると、角度φ5は90°よりも小さく、x軸の負側から正側に向けて反射面41cに入射した光L5は、反射面41cで反射した後、y軸に平行な方向には進まず、y軸に平行な方向よりもx軸の負側に傾いた方向に進む。ところが、図15(f)に示すように、実際の反射面41cは斜めに傾斜しているため、角度φ6は角度φ5よりもさらに小さくなり、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L6は、反射面141cで反射した後、y軸に平行な方向よりもx軸の負側に傾いた方向に進む。
以上述べたように、遮光層140の平面形状が正方形の場合、平面形状が菱形の遮光層40を長軸方向がx軸方向を向くように配置した場合、平面形状が菱形の遮光層40を長軸方向がy軸方向を向くように配置した場合、の3つのケースを比較したとき、x軸に平行な方向から反射面に入射してy軸に平行な方向に進む光の量は、平面形状が菱形の遮光層40を長軸方向がx軸方向を向くように配置した場合が最も多くなる。
このことから、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光の量と、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光の量と、を比較すると、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光の量が、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光よりも多いことになる。
言い換えると、本実施形態の場合、方位角φ:0°−180°方向(第1の方向)から光制御部材9に入射した光は、菱形の遮光層40の平面形状に対応して配置される光拡散部41の反射面41cによって反射され、方位角φ:90°−270°方向(第2の方向)へ射出される。その際、光拡散部41の傾斜角θcが90°よりも小さいことから(図7参照)、光の進行方向の極角θは、光制御部材9に入射する前よりも大きくなる方向へ変わる。光制御部材9を用いなかったとすると、方位角φ:90°−270°方向とφ:0°−180°方向は視野特性の差が大きい。この問題を改善するためには、光制御部材9を用いて、方位角φ:0°−180°方向に進む光を視野特性の劣る方位角φ:90°−270°方向へ意図的に混合すればよい。これにより、方位ごとの視野特性の差が緩和される。これにより、輝度変化のばらつきが平均化され、方位角φ:90°−270°方向における極角θに依存したガンマ特性の変化を改善することができる。
このように、2ドメインVA方式を採用した液晶表示装置に、本実施形態の光制御部材9を組み合わせることにより、液晶分子51のダイレクタの方向である方位角φ:90°−270°方向における視野特性が改善される。従来の2ドメインVA方式を採用した液晶表示装置においては、液晶分子が倒れる方向と垂直な方位角φ:0°−180°方向の視野特性は良好なものであったが、本実施形態の光制御部材9を組み合わせることにより、さらに方位角φ:90°−270°方向における視野特性が改善され、方位角による視野特性の差異が低減する、という効果が得られる。特に高精細ディスプレイにおいては、セル内の構造を複雑にすることなく、高い透過率を維持したまま視野特性を改善することができる。
(液晶表示装置の製造方法)
図16〜図19は、光制御部材9の製造工程を、順を追って示す斜視図である。
上記構成の液晶表示装置1を構成する光制御部材9の製造工程を中心に、その製造方法について説明する。
液晶パネル2の製造工程の概略を先に説明する。
最初に、TFT基板10とカラーフィルター基板12をそれぞれ作製する。その後、TFT基板10のTFT19が形成された側の面とカラーフィルター基板12のカラーフィルター31が形成された側の面とを対向させて配置する。その後、TFT基板10とカラーフィルター基板12とをシール部材を介して貼り合わせる。その後、TFT基板10とカラーフィルター基板12とシール部材とによって囲まれた空間内に液晶を注入する。このようにしてできた液晶セル5の両面に、光学接着剤等を用いて下位相差フィルム4、下位偏光板3、上位相差フィルム6、上位偏光板7をそれぞれ貼り合わせる。以上の工程を経て、液晶パネル2が完成する。
なお、TFT基板10やカラーフィルター基板12の製造方法は常法によれば良く、その説明を省略する。
光制御部材9の製造工程について説明する。
図16に示すように、厚さが100μmのポリエチレンテレフタレートの基材39を準備する。次いで、スリットコーターを用いて、この基材39の一面に遮光層材料としてカーボンが含有されたブラックネガレジストを塗布する。これにより、膜厚150nmの塗膜45を形成する。
上記の塗膜45を形成した基材39をヒーターで加熱し、温度90℃で塗膜45のプリベークを行う。これにより、ブラックネガレジスト中の溶媒が揮発する。
露光装置を用い、平面形状が例えば菱形形状の複数の開口パターン46が形成されたフォトマスク47を介して塗膜45に光Lを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。
上記のフォトマスク47を用いて露光を行った後、専用の現像液を用いてブラックネガレジストからなる塗膜45の現像を行い、100℃で乾燥し、図17に示すように、平面形状が例えば菱形の複数の遮光層40を基材39の一面に形成する。本実施形態の場合、次工程でブラックネガレジストからなる遮光層40をマスクとして透明ネガレジストの露光を行い、中空部42を形成する。そのため、フォトマスク47の開口パターン46の位置が中空部42の形成位置に対応する。
平面形状が菱形の遮光層40は、次工程の光拡散部41の非形成領域(中空部42)に対応する。本例では、複数の開口パターン46は、全て菱形のパターンである。開口パターン46の長径と短径は様々の大きさのものから構成されている。隣接する開口パターン46間の間隔(ピッチ)の配置は、規則的でもなく、周期的でもない。開口パターン46の間隔(ピッチ)は液晶パネル2の画素の間隔(ピッチ、例えば60μm)よりも小さいことが望ましい。これにより、画素内に少なくとも1つの遮光層40が形成される。そのため、高精細ディスプレイと組み合わせたときに、特に広視野角化を図ることができる。
本実施形態では、ブラックネガレジストを用いたフォトリソグラフィー法によって遮光層40を形成したが、これに限らない。この他に、本実施形態の開口パターン46と遮光パターンとが反転したフォトマスクを用いれば、光吸収性を有するポジレジストを用いることもできる。もしくは、蒸着法や印刷法等を用いて遮光層40を直接形成しても良い。
フォトリソグラフィー法により、Roll to Rollプロセスで連続的に遮光層を形成する場合には、平板のフォトマスクに代えて、円筒状のフォトマスクと、円筒内のUVランプで露光するローリングマスクフォトリソグラフィー法を用いることもできる。
次いで、図18に示すように、スリットコーターを用いて、遮光層40の上面に光拡散部材料としてアクリル樹脂からなる透明ネガレジストを塗布する。これにより、膜厚20μmの塗膜48を形成する。
次いで、上記の塗膜48を形成した基材39をヒーターで加熱し、温度95℃で塗膜48のプリベークを行う。これにより、透明ネガレジスト中の溶媒が揮発する。
次いで、基材39側から遮光層40をマスクとして塗膜48に拡散光Fを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は500mJ/cmとする。
その後、上記の塗膜48を形成した基材39をヒーターで加熱し、温度95℃で塗膜48のポストエクスポージャーベイク(PEB)を行う。
次いで、専用の現像液を用いて透明ネガレジストからなる塗膜48の現像を行い、100℃でポストベークし、図19に示すように、複数の中空部42を有する光拡散部41を基材39の一面に形成する。光拡散部41は、透明樹脂材料からなる。本実施形態では、図18に示したように、拡散光Fを用いて露光を行っているため、塗膜48を構成する透明ネガレジストが遮光層40の非形成領域から外側に広がるように放射状に露光される。これにより、順テーパ状の中空部42が形成される。光拡散部41は逆テーパ状の形状となる。光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は拡散光Fの拡散の度合いで制御できる。
ここで用いる光Fとして、平行光、もしくは拡散光、もしくは特定の射出角度における強度が他の射出角度における強度と異なる光、すなわち特定の射出角度に強弱を有する光を用いることができる。平行光を用いた場合、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度が例えば60°〜90°程度の単一の傾斜角度となる。拡散光を用いた場合には、傾斜角度が連続的に変化する、断面形状が曲線状の傾斜面となる。特定の射出角度に強弱を有する光を用いた場合には、その強弱に対応した斜面角度を有する傾斜面となる。このように、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度を調整することができる。これにより、光制御部材9の光拡散性を、目的とする視認性が得られるように調整することが可能となる。
なお、露光装置から出射された平行光を光Fとして基材39に照射する手段の一つとして、例えば露光装置から出射された光の光路上にヘイズ50程度の拡散板を配置し、拡散板を介して光を照射してもよい。
また、現像液を用いて現像を行う際、現像液を加圧して透明ネガレジストへ噴射して、不要なレジストの除去を促進してもよい。
以上、図16〜図19の工程を経て、本実施形態の光制御部材9が完成する。
光制御部材9の全光線透過率は、90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られ、光制御部材に求められる光学性能を十分に発揮できる。
全光線透過率は、JIS K7361−1の規定によるものである。なお、本実施形態では、液体状のレジストを用いる例を挙げたが、この構成に代えて、フィルム状のレジストを用いても良い。
最後に、完成した光制御部材9を、図1に示すように、基材39を視認側に向け、光拡散部41を上位偏光板7に対向させた状態で、接着剤層を介して液晶パネル2に貼り合わせる。
光制御部材9を、接着剤層を介して液晶パネル2に貼付する際、加熱加圧処理をしてもよい。加熱加圧処理を加えることにより、液晶パネル2に対する光制御部材9の密着性が向上するとともに、圧力によっては光拡散部41の反射面41cの傾斜角度が小さくなり、光拡散性を上げることができる。加熱加圧処理の方法としては、例えばオートクレーブ装置や加温ラミネーター等を用いることができる。
以上の工程により、本実施形態の液晶表示装置1が完成する。
次に、液晶表示装置として左右上下に求められる視角範囲について述べる。
人間の眼は横長であることから、左右視野は広く、上下視野は狭いという特徴を有する。例えば、JEITA「フラットパネルディスプレイの人間工学シンポジウム2003」における資料「テレビ視聴に関する人間工学ガイドライン策定へ向けてガイドライン標準化の是非とその施策(日本人間工学会 久武雄三)」では、視野角の主な調査研究結果とISO規格要求値について示されている。図20は、表示パネル面から見た視角特性を示しており、破線で囲む範囲は日本の家庭における画像歪みの満足限を示し、一点鎖線で囲む範囲は画像ゆがみの満足限の範囲で画像が有効視野に収まる距離から観視したときの視野角を示す。
図20に示すように、人間の左右方位における視角は42°程度である。また、下方位における視角が35°であるのに対し、上方位における視角は20°弱である。よって、液晶表示装置を家庭用のテレビとして用いる場合には、上方よりも下方の視角特性が重要となる。
図21は、従来の液晶表示装置における偏光板の吸収軸と液晶分子のダイレクタとがなす角度を示す図である。
従来の液晶表示装置は、図21に示すように、互いに直交する上位偏光板7及び下位偏光板3の各吸収軸P1,P2に対して2つの液晶分子51のダイレクタの方向D1,D2がなす角度がそれぞれ45°、225°とされている。この構成において、最も視角特性が良い方向は、上位偏光板7の吸収軸P1に対して方位角:135°−315°の方位である。
図22は、従来の構成の液晶表示装置の方位角:0°−180°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図22において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。規格化輝度とは、256階調での輝度を100%として規格化した輝度を示す。図22では、極角θ:0°、15°、30°、45°、60°、75°におけるガンマ特性を示す。液晶分子51のダイレクタの方向D1,D2は、図21に示したように、45°−225°方向とする。
図22に示されるように、従来の液晶表示装置を方位角φ:0°−180°方向において極角θを変化させながら観察した場合、ガンマ特性の変化は高角度において変化が大きく、輝度浮きが生じる。
図23は、第1実施形態の液晶表示装置における偏光板とダイレクタとのなす角度を示す図である。
本実施形態の液晶表示装置1は、図23に示したように、最も視角特性が良い方向が方位角:0°−180°となっている。上位偏光板7の吸収軸P1は、最も視角特性が良い方向に対して方位角:67.5°−247.5°に配置され、下位偏光板3の吸収軸P2は、最も視角特性が良い方向に対して方位角:157.5°−337.5°方向に配置されている。液晶分子51のダイレクタの方向は、図11に示したように、122.5°−302.5°方向である。
図24は、光制御部材を備えない、本実施形態の液晶パネルの左右方向(方位角:0°−180°)において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。
図24に示されるように、本実施形態の液晶パネルを方位角φ:0°−180°方向において極角θを変化させながら観察した場合、ガンマ特性の変化は高角度においても比較的小さく、輝度浮きが生じない。つまり、高角度においても液晶表示装置の正面方向と同じ特性を得ることができる。
図25は、液晶分子のダイレクタと偏光板の吸収軸とがなす角度(極角60°)に対する、セル透過率[%]および最も視角特性が良い方向のlocalγ特性の関係を示すグラフである。
図25に示すように、上位偏光板7の吸収軸P1と液晶分子51のダイレクタとのなす角度が45°よりも大きくなるほどセル透過率は低下していく。本実施形態の液晶表示装置では、上位偏光板7の吸収軸P1と、一方の液晶分子51のダイレクタの方向D1とがなす角度φ1を50°<φ1<60°の範囲内と定義したことにより、従来の構成と比較して、セル透過率70%以上は保持される。
また、最も視角特性が良い方向の極角60°におけるlocalγ特性は、液晶分子51のダイレクタの方向D1と上位偏光板7の吸収軸P1とのなす角度φ1が55°のときにピークとなり、角度φ1が50〜60°の範囲内において高い値を保持する。
以上の結果から、上位偏光板7の吸収軸P1と、2つの液晶分子51のダイレクタの方向D1,D2とがなす角度φ1、φ2において、高透過率、最良視角特性を併せ持つ角度範囲を定義した。
図26に、光制御部材を備えていない、実施例(本システム)の液晶パネルおよび比較例(従来システム)において、左右方向(方位角:0°−180°)、上下方向(方位角:90°−270°)に、それぞれ極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。
図26(a),(b),(c),(d)により、実施例における液晶パネルは、比較例の液晶パネルと比較して、上下方向における視角特性を殆ど低下させることなく、左右方向の視角特性が改善されることが分かった。
このように、光制御部材9を備えていない、比較例の液晶パネルにおいて、方位角φ:0°−180°方向における視野特性と方位角φ:90°−270°方向における視野特性とが異なるのは、液晶分子が方位角φ:90°−270°方向のみに倒れるよう配向していることに起因する。
図26(a),(b)に示すように、方位角φ:0°−180°方向において観察者の視点の極角θを変化させた場合は、液晶分子の短軸方向に視点を動かすことになるため、液晶分子の複屈折差はそれほど大きくない。
図26(c),(d)に示すように、方位角φ:90°−270°方向において極角θを変化させながら観察した場合、液晶分子の長軸方向に視点を動かすことになり、液晶分子の複屈折差が大きく、ガンマ特性の変化が大きい。図26において上下左右で比較した場合、上下方向の方が極角θに依存してガンマ特性が大きく変化することがわかる。
しかしながら、比較例の液晶パネルでは、図26(b)に示したように、上下方向に比べればわずかであるが、左右方向においても多少の極角依存が存在する。そのため、特に高階調側において多少の輝度浮きが生じ、視角特性が低下している。
一方、光制御部材9を備えていない、実施例の液晶パネルにおいても、方位角φ:0°−180°方向の視野特性と方位角φ:90°−270°方向の視野特性とが異なることについては、比較例と略同様のことが言えるが、左右方向の視角特性に関しては比較例よりも実施例の方が改善している。これは、実施例では、液晶分子が方位角φ:122.5°−302.5°方向に倒れるよう配向させたことによる。実施例では、液晶分子51のダイレクタ方向と偏光板3,7の吸収軸P1,P2の方向とのなす角度を調整した構成となっており、これによって左右方向における視角特性が改善されると考えられる。
実施例における液晶パネルのガンマ特性を数値化すると、下記の式(1)で表される。
Local γ=log255/128(L255/L128) ・・・(1)
255:255階調での輝度
128:128階調での輝度
図27は、式(1)によって算出された値をグラフ化したものである。
図27に示されるように、比較例の液晶パネルでは、上下方向及び左右方向のいずれにおいても、極角θが大きくなるにしたがってガンマ値が低下している。
これに対し、実施例の液晶パネルでは、上下方向におけるガンマ値に従来構成との差異はそれほどないものの、左右方向におけるガンマ値は、従来構成に比して大きく異なった。具体的には、実施例における左右方向では、極角θに関わらず、比較例の液晶パネルにおける左右方向のガンマ値よりも高いガンマ値が得られた。実施例では、極角θが大きくなるにしたがって高いガンマ値が得られ、どの極角θでも2.2に近い値が得られた。ガンマ値が2.2に近いほど、視角特性が良いと言える。
本実施形態の広視野角表示システムでは、液晶パネル2における液晶分子51のダイレクタ方向と偏光板3,7の吸収軸P1,P2の方向とのなす角度を調整することによって、液晶リタデーションと位相差フィルムの位相差が左右方向で正確に合致した構成となっている。これにより、特に高角度における輝度浮きが殆ど無くなり、左右方向における視角特性が改善されると考えられる。なお、本実施形態で使用している位相差フィルムは現在テレビ機種全般で使用されている汎用品である。
さらに、光制御部材9は、左右方向の光を上下方向に拡散させることで上下方向の特性を改善することを役割とする。つまり、液晶パネル2の左右方向の特性が良くなると、光制御部材9によって上下方向の改善効果もそれに伴い向上するため、全方位角における視角特性の改善に繋がる。
次に、光制御部材による視角改善効果について述べる。
図28は、光制御部材を備えた、実施例の液晶パネル及び比較例の液晶パネルにおいて、方位角φ:90°−270°方向へ極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。
[シミュレーション条件]
・テレビに使用されている一般的なバックライト(下端からのエッジ入光タイプ:導光板、レンズシート、BEF+DBEF)
・平面視におけるパターン形状が菱形とされた遮光層(寸法:短軸長さ18μm、長軸長さ27μm、1画素に対する遮光層40の被覆率:30%)
上記条件の下、光制御部材9を備えたシステムでは、実施例及び比較例のいずれの構成においても、光制御部材9を備えていない構成に比べて上下方向におけるガンマ値が向上した。また、光制御部材9を備えていない場合は、実施例及び比較例におけるいずれの液晶パネルにおいても極角が大きくなるほどガンマ値が低下していたが、光制御部材9を備えている場合には、実施例及び比較例の液晶パネルのどちらも極角θが45°以上になってもガンマ値が殆ど低下せず、変化が小さいことが分かった。特に、極角θが30°を境にして、これよりも高角度において実施例と比較例との間でガンマ値の差が顕著となっている。光制御部材9を備えた実施例の液晶パネル2の場合、光制御部材9を備えた比較例の液晶パネルよりも、高角度において高いガンマ値が得られ、極角θが大きくなるほどガンマ値が僅かに上昇している。
このように、実施例及び比較例のいずれの液晶パネルにおいても、光制御部材9を備えることによって上下方向における視角特性を改善することができるが、視野角依存の少ない実施例の液晶パネル2に光制御部材9を組み合わせることによって、より高い視角改善効果が得られることが分かった。このように、液晶パネル2側で左右方向における視角改善対策を図り、光制御部材9側で上下方向における視角改善対策を図ることによって、上下左右の全方位での視覚特性を改善することができる。
次に、光制御部材に起因するザラツキ低減効果について述べる。
図29(a)は、液晶パネル2のRGBの各サブ画素50R、50G,50Bと光制御部材9の遮光層40とを示す図であり、(b)は、光制御部材9における1つの遮光層40の最短距離における寸法(以下、遮光パターン径と言う)を示す図である。図29(b)で示す符号Wが、遮光パターン径である。
図29(a)に示すように、光制御部材9の遮光層40が画素サイズに対して大きくなるとザラツキ感が生じてしまい、ディスプレイとしての品質を低下させてしまう可能性がある。このザラツキ感は、コントラストの変動係数によって評価が可能なものである。
下記の式(2)は、遮光パターン径と画素サイズとの関係を示す式である。
(遮光パターン径/画素サイズ)=0.07 ・・・(2)
上記条件の下であれば、表示にザラツキ感は感じられない。
本実施形態では、液晶パネル2の視角特性において、左右方向の高角度における視角特性が、従来の構成よりも優れており、正面から見たときと同等の視角特性を有している。そのため、従来の構成では、より正面付近の特性の良い光を上下方向の高角度に反射させるために、光拡散部41のテーパ角度を80°程度にする必要があったが、本実施形態の構成であれば、左右方向の高角度の光を上下方向に反射しても十分に改善効果が期待できる。つまり、光拡散部41のテーパ角度を90°にしても上下方向の改善効果を見込める。
図30は、遮光パターン径と、形成可能な光拡散部におけるテーパ角度と、の関係を示すグラフである。
製造プロセス上において形成可能なテーパ角度は、遮光パターン径によって図30に示すように束縛を受ける。そのため、テーパ角度が90°で良いとすると、遮光パターン径を1/3程度に小さくすることが可能となる。つまり、上記式(2)の値をより小さくすることが可能となり、表示におけるザラツキ感を低減させることができる。または、より高精細な液晶パネルにも対応することも可能となる。
なお、本実施形態の広視野角表示システムにおける液晶表示装置1は、上述した構成に限られず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、図31(a)に示すように平面視菱形の遮光層40を用いたが、図31(b)に示すような直線をなす複数の遮光線44a、44bが互いに交差する交線形の遮光層44を用いてもよい。このように、2回点対称の反射特性を有する形状であればよい。
なお、菱形を呈する遮光層40における4つの角部に丸みを付けてもよい。また、交線形の遮光層44の場合に、遮光線44a、44bどうしの交点部分が丸まっていてもよい。さらに、遮光線44a、44bは連続した直線でなくてもよく、点線のような途切れた線であってもよい。すなわち、最も視角特性の良い方位の光を他方位へと反射できる光拡散形状が望ましい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の広視野角表示システムについて説明する。
以下に示す本実施形態の広視野角表示システムの基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、バックライトの配向特性において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図31と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図32は、第2実施形態におけるバックライトの配向特性を示すグラフであって、輝度特性と射出光の極角との関係を示す。例えば、家庭用のテレビを想定した左右方向の視角特性を優先した表示システムの場合には、図32に示すように、バックライト8の配向特性を上下方向への射出光が少なくなるように設定する。
また、光制御部材9による光拡散効果との組み合わせを考慮すると、液晶パネル2における視角特性が良い方向に多くの光を射出させることによって、上下方向に射出される光は左右方向からの反射光がより支配的となる。そのため、上下方向への視角改善効果がより高くなる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の広視野角表示システムについて説明する。
以下に示す本実施形態の広視野角表示システムの基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、遮光層の平面視形状において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態とは異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図31と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図33(a),(b)は、第3実施形態のシステムにおける遮光層の平面形状を示す図である。
第1実施形態の光制御部材9では、全ての遮光層40の平面形状が菱形であった。これに対して、図33(a),(b)に示すように、本実施形態の光制御部材509Dでは、複数の遮光層540Dのうちの一部の遮光層540Dの形状が円形もしくは楕円形である。円形や楕円形の他、例えば六角形等、他の形状の遮光層が混在していてもよい。
このように、光制御部材9における遮光層540Dの遮光パターン形状に直線形状が無く、円形もしくは楕円形の場合、菱形などの直線性があるパターン形状と比較して全方位的な改善効果は落ちるが、印刷など比較的量産に適した手段での形成が可能となる。そのため、大きなコストダウンにも繋がる。楕円形の場合、長軸の方位方向については特に規定しないが、最も視角特性が優れる方位と平行に配するほうが望ましい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の広視野角表示システムについて説明する。
以下に示す本実施形態の広視野角表示システムの基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、光制御部材の代わりに視野角改善部材を用いた点において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態とは異なるについて詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図31と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図34は、表示画面における上下左右の視角特性を示す正面図である。
液晶パネル2の表示面側に設けられる光制御部材9には、視角特性が良好な方向からの光線を方向転換して、視角特性が良くない方向へ射出させることにより、全方位において視角特性を高めるという効果がある。例えば、図34中における極角30°以上の領域(符号R2で示す領域)の視野特性を改善できる。
しかしながら、光制御部材9の構造上、上下方向における極角30°以下の方位へは光線を転向することができない。つまり、光制御部材9では上下方向における極角30°以下の方位における視角特性を改善することができない。そのため、本実施形態では、上述したような構成の光制御部材9に代えて視野角改善部材(光制御部材)を用い、視角特性の改善を行う構成となっている。具体的に、視野角改善部材として、サブミクロンピッチの回折格子パターンを配した回折フィルムを用いた。これにより、図34中における極角30°以下の領域(符号R1で示す領域)の視野特性を改善できる。視野角改善フィルムは、反射ではなく、光を回折により曲げるため、光制御部材9では改善が難しい正面付近の特性改善が可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…液晶表示装置、2…液晶パネル、3…偏光板、8…バックライト(照明装置)、9…光制御部材、11…液晶層、27…第1の垂直配向膜、34…第2の垂直配向膜、39…基材、39a…第1の面、40…遮光層(遮光部)、41…光拡散部、41a…光射出端面、41b…光入射端面、41c…反射面(傾斜面)、42…中空部(低屈折率部)、50…サブ画素、51…液晶分子、D1…方向、E…法線方向、P1…上位偏光板の吸収軸、P2…下位偏光板の吸収軸、PX…画素、VA…ドメイン

Claims (7)

  1. 第1の垂直配向膜を有する第1の基板と、第2の垂直配向膜を有する第2の基板と、前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶層の光射出側に配置された第2の偏光板と、を含む液晶パネルと、
    前記液晶パネルの光射出側に配置された光制御部材と、を有する液晶表示装置を備え、
    前記液晶パネルは、前記液晶層の液晶分子のダイレクタが所定の方向であって互いに逆の向きを向く、少なくとも2つのドメインを有する複数の画素を備え、
    前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸とは互いに直交しており、一方の偏光板の吸収軸と前記2つの液晶分子のダイレクタとが成す角度φ1、φ2は、それぞれ50°<φ1<60°、230°<φ2<240°、もしくは120°<φ1<130°、300°<φ2<310°の範囲内にある、広視野角表示システム。
  2. 前記一方の偏光板の吸収軸は、広視野角な第1の方向に対して第1ダイレクタ方向とは逆方位に67.5°の角度をなしており、
    前記第1の方向が前記液晶パネルの0°―180°方向と一致している、請求項1に記載の広視野角表示システム。
  3. 前記液晶パネルの光入射側に配置された照明装置をさらに備え、
    前記照明装置は、前記第1の方向に交差する第2の方向への光の射出が少なく、前記第1の方向への光の射出が多い特性を有する、請求項1または2に記載の広視野角表示システム。
  4. 前記光制御部材は、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に設けられた光拡散部と、前記第1の面のうち前記基材の法線方向から見て前記光拡散部と重ならない位置に設けられた遮光部と、前記基材の法線方向から見て前記遮光部と一部重なる位置に設けられ、前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率部と、を備え、
    前記光拡散部は、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置する光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、
    前記基材の法線方向から見て、前記遮光部の平面形状が、前記第1の偏光板および前記第2の偏光板のうちの一方の偏光板の吸収軸と平行な直線部分、もしくは前記第1の方向と45°未満の角度をなす直線部分を有する請求項2または3に記載の広視野角表示システム。
  5. 前記平面形状が多角形あるいは菱形である、請求項4に記載の広視野角表示システム。
  6. 前記平面形状が楕円形状あるいは円形状である、請求項4に記載の広視野角表示システム。
  7. 前記光制御部材として回折フィルムを用いる、請求項1から3のいずれか一項に記載の広視野角表示システム。
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