JP2017097123A - 液晶表示装置および光制御部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、視角依存性が小さい液晶表示装置を提供する。また、液晶表示装置の視角依存性を小さくするために用いる光制御部材を提供する。
【解決手段】本発明の液晶表示装置は、液晶層の液晶分子のダイレクタが第1の方向であって互いに逆の向きを向く2つのドメインを有する複数の画素を備え、第1の偏光板の吸収軸と第2の偏光板の吸収軸とが、互いに直交するとともに、第1の方向に対して実質的に45°の角度をなし、液晶層の2つのドメインは第1の方向に分割されるとともに、互いの面積が異なっており、第1のドメインに対する第2のドメインの面積比が、1より大きく4より小さい範囲である。また、光制御部材を備えることにより、液晶パネルでは改善できなかった角度範囲の視角特性を改善する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液晶表示装置および光制御部材に関する。
スマートフォン等をはじめとする携帯型電子機器、もしくはテレビジョン、パーソナルコンピューター等のディスプレイとして、液晶表示装置が広く用いられている。昨今は特にディスプレイの高精細化が進み、従来のフルハイビジョン映像(1920Pixel×1080Pixel)に対し、縦横4倍の解像度を有するスーパーハイビジョン映像(7680Pixel×4320Pixel)に対応したディスプレイの開発が進んでいる。一般に、液晶表示装置は、表示画面を正面から見たときに優れた表示特性を発揮する。一方、表示画面を斜め方向から見たときにはコントラストが低下し、視認性が悪くなりやすい。このため、良好な視認性で画面を観察可能な視野角範囲を広げる様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1は、視角特性が良好なVA(Vertically Alignment)モードの液晶表示装置及びMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モードの液晶表示装置を開示している。
特開2006−113208号公報
特許文献1のように、1つの画素内を4つ以上の多数のドメインに分割する場合、視野角範囲を広げることができる一方、ドメイン間に生じる暗線、ドメインの分割のために必要な配線等の影響により液晶セルの透過率が低下し、セル内の構造が複雑になる、という欠点がある。暗線の幅や配線の幅は画素のサイズによって大きくは変わらないため、画素のサイズが小さくなる高精細ディスプレイでは、結果的にその影響が大きくなる。その一方、1つの画素におけるドメインの数を減らした場合、例えばドメインの数を2個としたVAモードの液晶表示装置の場合、ドメインの数が4個以上である場合と比べれば、液晶セルの透過率は向上し、セル内の構造は簡単になる。ドメインの数が2個の場合、それぞれのドメインに含まれる液晶分子の長軸の平均的な方向は、電圧印加時において互いに180°異なる方向である。以下、本明細書では、液晶分子の長軸に平行な方向のことをダイレクタと称する。
電圧印加時に液晶分子が液晶表示装置の画面の上下方向に倒れると仮定すると、液晶表示装置を左右方向から斜めに見た場合は、液晶表示装置を正面から見た場合と比較しても、表示画像に大きな変化はない。その一方、この液晶表示装置を上下方向から斜めに見た場合は、液晶表示装置を正面から見た場合と比較して、表示画像の色変化が大きい。つまり、1つの画素に2個のドメインを有するVAモード液晶表示装置は、視角依存性の高い方位角を有しており、視角特性の方位角依存性が大きい、という問題がある。
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、視角依存性が小さい液晶表示装置を提供することを目的の一つとする。また、本発明の一つの態様は、液晶表示装置の視角依存性を小さくするために用いる光制御部材を提供することを目的の一つとする。
(1).本発明の一態様における液晶表示装置は、第1の垂直配向膜を有する第1の基板と、第2の垂直配向膜を有する第2の基板と、前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶層の光射出側に配置された第2の偏光板と、を含む液晶パネルと、を備え、前記液晶パネルは、前記液晶層の液晶分子のダイレクタが第1の方向であって互いに逆の向きを向く2つのドメインを有する複数の画素を備え、前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸とが、互いに直交するとともに、前記第1の方向に対して実質的に45°の角度をなし、前記液晶層の2つのドメインは前記第1の方向に分割されるとともに、互いの面積が異なっており、第1のドメインに対する第2のドメインの面積比が、1より大きく4より小さい範囲である。
(2).本発明の一態様における液晶表示装置において、第1のドメインの面積S1と第2のドメインの面積S2との面積比が1:2である構成としてもよい。
(3).本発明の一態様における液晶表示装置において、前記液晶パネルの光入射側に配置された照明装置をさらに備え、前記照明装置は、前記第1の方向に交差する第2の方向への光の射出が多く、前記第1の方向への光の射出が少ない特性を有する構成としてもよい。
(4).(1)〜(3)の本発明の一態様における液晶表示装置において、前記液晶パネルの光射出側に配置された光制御部材をさらに備え、前記光制御部材は、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に設けられた光拡散部と、前記第1の面のうち前記基材の法線方向から見て前記光拡散部と重ならない位置に設けられた遮光部と、前記基材の法線方向から見て前記遮光部と一部重なる位置に設けられ、前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率部と、を備え、前記光拡散部は、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置する光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、前記基材の法線方向から見て、前記遮光部の平面形状が、前記第1の偏光板および前記第2の偏光板のうちの一方の偏光板の吸収軸と平行な直線部分、もしくは前記一方の偏光板の吸収軸と45°未満の角度をなす直線部分を有する二等辺三角形であり、前記二等辺三角形の底辺がドメイン境界と平行である構成としてもよい。
(5).の本発明の一態様における液晶表示装置において、前記平面形状が多角形、楕円形あるいは菱形であり、長軸あるいは長いほうの対角線が前記ドメイン境界と平行である構成としてもよい。
(6).本発明の一態様における液晶表示装置において、前記ドメイン境界が、前記画素を区画するブラックマトリクスあるいは前記液晶パネルの金属配線と重なっている構成としてもよい。
(7).(1)〜(6)の本発明の一態様における液晶表示装置において、前記複数の画素は、前記第1の方向において、互いの前記第1のドメインどうしおよび前記第2のドメインどうしが隣り合うように配置されている構成としてもよい。
(8).(1)〜(7)の本発明の一態様における液晶表示装置において、前記画素には容量配線が接続されており、前記容量配線が前記画素の境界またはドメイン境界に配置されている構成としてもよい。
(9).本発明の一態様における液晶表示装置において、前記容量配線と、前記容量配線に平行する前記金属配線と、の間に前記第1のドメインが配置されている構成としてもよい。
(10).本発明の一態様における光制御部材は、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に設けられた光拡散部と、前記第1の面のうち前記基材の法線方向から見て前記光拡散部と重ならない位置に設けられた遮光部と、前記基材の法線方向から見て前記遮光部と一部重なる位置に設けられ、前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率部と、を備え、前記光拡散部は、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置する光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、前記基材の法線方向から見て、前記遮光部の平面形状が、前記第1の偏光板および前記第2の偏光板のうちの一方の偏光板の吸収軸と平行な直線部分、もしくは前記一方の偏光板の吸収軸と45°未満の角度をなす直線部分を有する二等辺三角形であり、前記二等辺三角形の底辺がドメイン境界と平行である。
本発明によれば、複雑な回路構造を適用することなく、視角依存性の小さい液晶表示装置を提供することができる。また、本発明の一つの態様によれば、液晶表示装置の視角依存性を小さくするために用いる光制御部材を提供することができる。
第1実施形態における液晶パネルの縦断面図。 液晶表示装置のドライバーおよびタイミングコントローラー(TCON)の配線模式図。 液晶表示装置の画像表示領域の拡大図。 極角と方位角の定義を説明するための図。 液晶表示装置の正面図。 (a)は、ドメイン分割比率を示す断面図、(b),(c)は、2ドメインVA構造における液晶分子の配向の様子を示す図。 ドメインの分割比率が1:1で均等である比較例の液晶表示装置の方位角φ:0°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 ドメインの分割比率が1:1で均等である比較例の液晶表示装置の方位角φ:90°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 ドメインの分割比率が1:2で不均等である第1本実施形態の液晶表示装置の方位角φ:90°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示すグラフ。 表示パネル面から見た視角を示しており、破線で囲む範囲は日本の家庭における画像歪みの満足限を示し、一点鎖線で囲む範囲は画像ゆがみの満足限の範囲で画像が有効視野に収まる距離から観視したときの視野角を示す図。 (a)は、2ドメインVA構造の従来の液晶パネルにおけるドメイン分割比率「1:1」を示す図、(b)は、従来の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:1」)の液晶表示装置における、上下左右の視角特性を示す正面図、(c)は、第1実施形態の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:2」)液晶パネルにおける、上下方向の視角特性を示す正面図。 従来の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:1」)の液晶表示装置における、上下方向の視角特性を示す断面図。 第1実施形態の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:2」)とその上下方位における視角特性を示す図。 (a),(b)は、ドメイン分割比率が「1:1」の場合の上下方向におけるガンマ視角特性を示すグラフ。 (a),(b)は、ドメイン分割比率が「1:2」の場合の上下方向におけるガンマ視角特性を示すグラフ。 (a),(b)は、ドメイン分割比率が「1:4」の場合のガンマ視角特性を示すグラフ。 第2実施形態におけるバックライトの配光特性を示すグラフ。 第2実施形態における、下方向の正面近くの極角範囲で光束を減らし過ぎない場合のバックライトの配向特性を示すグラフ。 第3実施形態の液晶表示装置の断面図。 光制御部材を視認側から見た斜視図。 光制御部材の模式図。 複数の遮光部のうちの一つの遮光部を示す平面図。 液晶表示装置に含まれるVAモードの液晶を含む画素と、光制御部材との配置関係を示す模式図。 (A)〜(F)は、各種の形状および配置を有する遮光層と光の反射の様子を示す図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 光制御部材の製造工程を、順を追って示す斜視図。 第3実施形態における液晶表示装置が備える液晶パネルと光制御部材の概略構成を模式的に示す図。 第3実施形態における液晶表示装置の上下方位における視角特性を示す断面図。 光制御部材の遮光部による光転換方向を示す図。 光制御部材において転換された光束と、液晶パネルから射出された光束とを示す図。 (a)は、平面視菱形を呈する遮光部を有する光制御部材による視野角改善効果を示す図であり、(b)は、平面視二等辺三角形を呈する遮光部を有する光制御部材による視野角改善効果を示す図。 第3実施形態の液晶表示装置における変形例を示す図。 (a),(b)は、従来の液晶パネルにおけるドメイン分割の配置と構成を示す図。 (a),(b)は、第4実施形態の液晶パネルのドメイン分割の配置と構成を示す図。 隣接する画素のドメインの配置を示す図。 第5実施形態における液晶表示装置における1画素の構成を示す平面図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、以下の説明において、採光装置の位置関係(上下、左右、前後)については、採光装置の使用時における位置関係(上下、左右、前後)に基づくものとし、特に説明がない限りは、図面においても、採光装置の位置関係は、紙面に対する位置関係と一致するものとする。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図16を用いて説明する。
本実施形態では、透過型の液晶パネルを備えた、スーパーハイビジョン(7680Pixel×4320Pixel)映像の表示に対応した液晶表示装置の例を挙げて説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、第1実施形態における液晶表示装置の断面図である。
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置1は、液晶パネル2と、バックライト8と、を備えている。液晶パネル2は、第1偏光板(第2の偏光板)3と、第1位相差フィルム4と、液晶セル5と、第2位相差フィルム6と、第2偏光板(第1の偏光板)7と、を備えている。図1では、液晶セル5を模式的に図示しているが、その詳細な構造については後述する。
本実施形態のバックライト8は、特許請求の範囲の照明装置に対応する。
観察者は、上位偏光板7を介して液晶表示装置1の表示画像を見る。以下の説明では、上位偏光板7が配置された側を視認側と称し、バックライト(照明装置)8が配置された側を背面側と称する。また、以下の説明において、x軸は、液晶表示装置1の画面の水平方向と定義する。y軸は、液晶表示装置1の画面の垂直方向と定義する。z軸は、液晶表示装置1の厚さ方向と定義する。さらに、画面の水平方向は、観察者が液晶表示装置1を正対して見たときの左右方向に対応する。画面の垂直方向は、観察者が液晶表示装置1を正対して見たときの上下方向に対応する。
本実施形態の液晶表示装置1においては、バックライト8から射出された光を液晶パネル2で変調し、変調した光によって所定の画像や文字等を表示する。
(液晶パネル)
以下、液晶パネル2の具体的な構成について説明する。
ここでは、アクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルを一例に挙げて説明する。ただし、本実施形態に適用可能な液晶パネルはアクティブマトリクス方式の透過型液晶パネルに限るものではない。本実施形態に適用可能な液晶パネル2は、例えば半透過型(透過・反射兼用型)液晶パネルであっても良い。さらには、各画素がスイッチング用薄膜トランジスタを備えていない単純マトリクス方式の液晶パネルであっても良い。以下、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)をTFTと略記する。
図1に示すように、液晶セル5は、TFT基板10と、カラーフィルター基板12と、液晶層11と、を有している。TFT基板10は、スイッチング素子基板として機能する。カラーフィルター基板12は、TFT基板10に対向して配置されている。液晶層11は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間に挟持されている。
本実施形態のTFT基板10は、特許請求の範囲の第1の基板に対応する。本実施形態のカラーフィルター基板12は、特許請求の範囲の第2の基板に対応する。
液晶層11は、TFT基板(第1の基板)10と、カラーフィルター基板(第2の基板)12と、枠状のシール部材(図示せず)と、によって囲まれた空間内に封入されている。シール部材は、TFT基板10とカラーフィルター基板12とを所定の間隔をおいて貼り合わせる。
本実施形態の液晶パネル2は、VA(Vertical Alignment, 垂直配向)モードで表示を行う。液晶層11には誘電率異方性が負の液晶が用いられる。TFT基板10とカラーフィルター基板12との間には、スペーサー13が配置されている。スペーサー13は球状あるいは柱状の部材である。スペーサー13は、TFT基板10とカラーフィルター基板12との間の間隔を一定に保持する。
TFT基板10を構成する透明基板14の液晶層11側の面には、半導体層15、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18等を有するTFT19が形成されている。透明基板14としては、例えばガラス基板を用いることができる。
本実施形態のTFT19は、特許請求の範囲のスイッチング素子に対応する。
透明基板14上には、半導体層15が形成されている。半導体層は、例えばインジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)を含む4元混晶半導体材料で構成されている。半導体層の材料としては、In−Ga−Zn−O系4元混晶半導体の他、CGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low−temperature Poly−Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリコン)等の半導体材料が用いられる。
透明基板14上には、半導体層15を覆うようにゲート絶縁膜20が形成されている。
ゲート絶縁膜20の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上には、半導体層15と対向するようにゲート電極16が形成されている。ゲート電極16の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
ゲート絶縁膜20上には、ゲート電極16を覆うように第1層間絶縁膜21が形成されている。第1層間絶縁膜21の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18が形成されている。第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とには、コンタクトホール22およびコンタクトホール23が、第1層間絶縁膜21とゲート絶縁膜20とを貫通して形成されている。
ソース電極17は、コンタクトホール22を介して半導体層15のソース領域に接続されている。ドレイン電極18は、コンタクトホール23を介して半導体層15のドレイン領域に接続されている。ソース電極17およびドレイン電極18の材料としては、上述のゲート電極16と同様の導電性材料が用いられる。
第1層間絶縁膜21上には、ソース電極17およびドレイン電極18を覆うように第2層間絶縁膜24が形成されている。第2層間絶縁膜24の材料としては、上述の第1層間絶縁膜21と同様の材料、もしくは有機絶縁性材料が用いられる。
第2層間絶縁膜24上には、画素電極25が形成されている。第2層間絶縁膜24には、コンタクトホール26が第2層間絶縁膜24を貫通して形成されている。画素電極25は、コンタクトホール26を介してドレイン電極18に接続されている。画素電極25は、ドレイン電極18を中継用電極として半導体層15のドレイン領域に接続されている。
画素電極25の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide、インジウム亜鉛酸化物)等の透明導電性材料が用いられる。
この構成により、ゲートバスラインを通じて走査信号が供給され、TFT19がオン状態となったときに、ソースバスラインを通じてソース電極17に供給された画像信号が、半導体層15、ドレイン電極18を経て画素電極25に供給される。なお、TFT19の形態としては、図1に示したトップゲート型TFTであってもよいし、ボトムゲート型TFTであってもよい。
画素電極25を覆うように、第2層間絶縁膜24上の全面に第1の垂直配向膜27が形成されている。第1の垂直配向膜27は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。本実施形態では、光配向技術を用いて第1の垂直配向膜27に配向処理を施している。つまり、本実施形態では、第1の垂直配向膜27として光配向膜を用いている。
一方、カラーフィルター基板12を構成する透明基板29の液晶層11側の面には、ブラックマトリクス30、カラーフィルター31、平坦化層32、対向電極33、第2の垂直配向膜34が順次形成されている。
ブラックマトリクス30は、画素間領域において光の透過を遮断する機能を有する。ブラックマトリクス30は、例えば、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属、もしくはカーボン粒子を感光性樹脂に分散させたフォトレジストで形成されている。
カラーフィルター31には、1個の画素を構成する色の異なるサブ画素毎に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかの色素が含まれている。TFT基板10上の一つの画素電極25に対して、R,G,Bのいずれか一つのカラーフィルター31が対向して配置されている。なお、カラーフィルター31は、R、G、Bの3色以上の多色構成としてもよい。例えば、黄色(Y)を加えた4色構成としてもよいし、白色(W)を加えた4色構成としてもよいし、黄色(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)を加えた6色構成としてもよい。
平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31を覆う絶縁膜で構成されている。平坦化層32は、ブラックマトリクス30およびカラーフィルター31によってできる段差を緩和して平坦化する機能を有している。
平坦化層32上には対向電極33が形成されている。対向電極33の材料としては、画素電極25と同様の透明導電性材料が用いられる。
対向電極33上の全面に第2の垂直配向膜34が形成されている。第2の垂直配向膜34は、液晶層11を構成する液晶分子を垂直配向させる配向規制力を有している。本実施形態では、光配向技術を用いて第2の垂直配向膜34に配向処理を施している。つまり、本実施形態では、第2の垂直配向膜34として光配向膜を用いている。
照明装置であるバックライト8は、光源36と、導光体37と、を備えている。光源36は、導光体37の端面に配置されている。光源36としては、例えば、発光ダイオード、冷陰極管等が用いられる。
本実施形態のバックライト8は、エッジライト型のバックライトである。
導光体37は、光源36から射出された光を液晶パネル2に導く機能を有する。導光体37の材料としては、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料が用いられる。
光源36から導光体37の端面に入射した光は、導光体37の内部を全反射して伝播し、導光体37の上面(光射出面)から概ね均一な強度で射出される。本実施形態では図示はしないが、導光体37の上面には、散乱シート及びプリズムシートが配置されており、導光体37の下面には、散乱シートが配置されている。導光体37の上面から射出された光は、散乱シートにより散乱した後、プリズムシートによって集光され、概ね平行化されて射出される。散乱シートとしては、白色PETを用いてもよい。プリズムシートとしては、例えば、住友3M社製のBEFシート(商品名)を用いてもよい。
本実施形態において、バックライト8は指向性を有していなくてもよい。本実施形態のバックライト8としては、光の射出方向を制御して、指向性がある程度緩やかに設定されたバックライトを用いる。なお、本実施形態において、バックライト8が指向性を有していても構わない。
バックライト8と液晶セル5との間には、下位偏光板3が設けられている。下位偏光板3は、液晶セル5に入射する光の偏光状態を制御する偏光子として機能する。液晶セル5の視認側には、上位偏光板7が設けられている。上位偏光板7は、液晶セル5から射出された光の透過状態を制御する検光子として機能する。後述するように、下位偏光板3の吸収軸と上位偏光板7の吸収軸とは、クロスニコルの配置となっている。
下位偏光板3と液晶セル5との間には、光の位相差を補償するための第1位相差フィルム4が設けられている。上位偏光板7と液晶セル5との間には、光の位相差を補償するための第2位相差フィルム6が設けられている。
本実施形態の位相差フィルム(第1位相差フィルム4、第2位相差フィルム6)としては、例えばTACフィルムが用いられる。
(液晶表示装置の駆動方法)
続いて、本実施形態の液晶表示装置1の駆動方法について説明する。
本実施形態の液晶表示装置1はスーパーハイビジョンの映像を表示するため、水平方向:7680Pixel×垂直方向:4320Pixelの画素を有している。
図2は、液晶表示装置1のドライバーおよびタイミングコントローラー(TCON)の配線模式図を表している。
本実施形態の液晶表示装置1は4個のTCON80を有しており、4つのTCON80はそれぞれ画面83の右上領域、左上領域、右下領域、左下領域のソースドライバー81およびゲートドライバー82への入力信号を制御している。
図3は、液晶表示装置1の画像表示領域の拡大図である。
図3に示すように、TFT基板10には、複数の画素50がマトリクス状に配置されている。画像表示領域は、RGBを基本単位とした画素構造である。TFT基板10には、複数のソースバスラインSBが、互いに平行に延在するように形成されている。TFT基板10には、複数のゲートバスラインGBが、互いに平行に延在するように形成されている。複数のゲートバスラインGBは、複数のソースバスラインSBと直交している。TFT基板10上には、複数のソースバスラインSBと複数のゲートバスラインGBとが格子状に形成されている。隣接するソースバスラインSBと隣接するゲートバスラインGBとによって区画された矩形状の領域が一つの画素50となる。ソースバスラインSBは、TFTのソース電極に接続されている。ゲートバスラインGBは、TFTのゲート電極に接続されている。
本実施形態の液晶表示装置1では、1列の画素50に対して2本のソースバスラインSB1,SB2が形成されており、1本目のソースバスラインSB1に奇数行目(Line1,3,…)の画素50が接続され、2本目のソースバスラインSB2に偶数行目(Line2,4,…)の画素50が接続されている。スキャンする際にゲートバスラインGBは2本ずつ選択され、2行ずつ同時に画素50へ信号が書き込まれる。
外部から映像信号が入力されると、映像信号は4つに分かれて4つのTCON80に供給され、かつゲートバスラインGBは2本ずつ同時選択される。そのため、最初のタイミングで1行目、2行目、2161行目、2162行目に映像が表示され、続いて3行目、4行目、2163行目、2164行目…と4行ずつ映像が表示され、最後の4320行目のゲートバスラインGBが選択された後は再び上から次の映像信号を書きこんでいく。
駆動方法は、前記の4ライン同時書き込みに限らず、配線容量が十分に小さく、かつ液晶の応答速度が十分に早い場合は1ラインずつ上からスキャンしてもかまわない。
図4は、極角と方位角の定義を説明するための図である。
ここで、図4に示すように、液晶表示装置1の画面の法線方向Eを基準とした観察者の視線方向Fのなす角度を極角θとする。x軸の正方向(0°方向)を基準とした観察者の視線方向Fを画面上に射影したときの線分Gの方向のなす角度を方位角φとする。
図5は、液晶表示装置1の正面図である。
図5に示すように、液晶表示装置1の画面において、水平方向(x軸方向)を方位角φ:0°−180°方向とする。垂直方向(y軸方向)を方位角φ:90°−270°方向とする。本実施形態において、下位偏光板3の吸収軸P1は、方位角φ:45°−225°方向に配置され、上位偏光板7の吸収軸P2は、方位角φ:135°−315°方向に配置される。
図6(a)は、ドメイン分割比率を示す断面図である。図6(b),(c)は、2ドメインVA構造における液晶分子の配向の様子を示す図である。
本実施形態における画素50は、図6(a)に示すように、一つの画素50を第1のドメイン50aと第2のドメイン50bの2つのドメインに分割したVA構造、いわゆる2ドメインVA構造を採用している。ここでは、長方形の画素を短手方向に平行な直線で2分割し、互いの面積比が不均等とされたドメインとされている。第1のドメイン50aの面積S1と、第2のドメイン50bの面積S2との面積比が1:2となっており、第1のドメイン50aよりも第2のドメイン50bの面積の方が大きい。なお、ドメインの分割比率は1:2に限られず、第1のドメイン50aに対する第2のドメイン50bの面積比が1より大きく4より小さい範囲であればよい。
本実施形態において、液晶分子51のダイレクタの方向は、液晶分子51の長軸方向を意味し、液晶分子51のダイレクタの向きは、液晶分子51の背面側の端部から視認側の端部へ向かう向きと定義する。液晶分子51のダイレクタを図6(a)に符号Dの矢印で示す。液晶分子51のダイレクタの方向は、画素の長辺方向もしくはドメインの長辺方向と一致する。各画素50に含まれる液晶分子51は、図6(b)に示すように、電圧を印加しない状態においてほぼ垂直に配向している。
電圧が印加されると、図6(c)に示すように、第1のドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2のドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、図4に示した方位角φ:90°−270°(第1の方向)において、互いに180°異なる方向に傾いて配向している。具体的には、図6(c)に示すように、第1のドメイン50aに含まれる液晶分子51は、方位角φ:90°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。第2のドメイン50bに含まれる液晶分子51は、方位角φ:270°における極角θが0°より大きくなるよう傾いている。
このように液晶分子51を配向することにより、図4及び図6(c)に示すように、第1のドメイン50aにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向の中央部では、液晶分子51が方位角φ:90°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。第2のドメイン50bにおいて、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向の中央部では、液晶分子51が方位角φ:270°でかつ極角が90°に近づくように倒れる。つまり、電圧印加時の液晶層11の厚さ方向の中央部では、第1のドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2のドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、方位角φ:90°−270°方向において、互いに180°異なる方向に倒れる。なお、第1配向膜27および第2配向膜34近傍の液晶分子51は、第1配向膜27および第2配向膜34によって配向が規制されているため、電圧印加時においてもほぼ垂直のままである。
よって、第1のドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2のドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、液晶分子51の視認側の端部どうしがドメイン境界Jとは反対側に向くように傾いて、ドメイン境界Jを中心に上下対称(図6(c)においては左右対称)に配向する。
図7は、ドメインの分割比率が1:1で均等である比較例の液晶表示装置の方位角φ:0°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図7において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。規格化輝度とは、255階調での輝度を100%として規格化した輝度を示す。図7では、極角θ:0°、15°、30°、45°、60°におけるガンマ特性を示す。
図7に示されるように、画素を有する液晶表示装置を方位角φ:0°−180°方向において極角θを変化させながら観察した場合、ガンマ特性の変化は比較的小さい。
図8は、ドメインの分割比率が1:1で均等である比較例の液晶表示装置の方位角φ:90°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図8では、極角θ:0°、15°、30°、45°、60°におけるガンマ特性を示す。液晶分子51のダイレクタの方向は、図6(a)に示したように、90°−270°方向とする。
図8に示されるように、方位角φ:90°−270°方向において極角θを変化させながら観察した場合、ガンマ特性の変化が大きい。図7と比較した場合、極角θに依存してガンマ特性が大きく変化することがわかる。
このように、ドメインの分割比率が1:1で均等である比較例の液晶表示装置において、方位角φ:0°−180°方向における視角特性と方位角φ:90°−270°方向における視角特性とが異なるのは、液晶分子が方位角φ:90°−270°方向のみに倒れるよう配向していることに起因する。
方位角φ:0°−180°方向において観察者の視点の極角θを変化させた場合は、液晶分子の短軸方向に視点を動かすことになるため、液晶分子の複屈折差はそれほど大きくない。その一方、方位角φ:90°−270°方向において観察者の視点の極角θを変化させると、液晶分子の長軸方向に視点を動かすことになり、さらに、液晶分子が倒れる方向に沿って視点を動かすことになるため、液晶分子の複屈折差が大きい。
図9は、ドメインの分割比率が1:2で不均等である第1実施形態の液晶表示装置1の方位角φ:90°において、極角θを変化させた場合のガンマ特性を示している。図9において、横軸は階調を示し、縦軸は規格化輝度を示す。図9では、極角θ:0°、15°、30°、45°、60°、75°におけるガンマ特性を示す。
図9のグラフによれば、図8に示すドメインの分割比率が1:1で均等である液晶表示装置の場合と比較して、極角θ:30°以下では極角θに依存したガンマ特性の変化が小さくなっていることがわかる。このことから、方位角φ:270°において、正面に近い極角θ:30°以下の範囲では斜め方向から液晶表示装置1を見た場合の色変化が緩和されるということがわかる。
なお、図9においては、方位角φ:90°におけるガンマ特性の変化を示しているが、方位角φ:270°におけるガンマ特性の変化も図9と同等である。その理由は、本実施形態における画素の構成が2ドメインVA方式を採用していることにある。各ドメイン50a,50bにおいて液晶分子51は、方位角φ:90°−270°方向において、互いに180°異なる方向に傾いて配向しているため、方位角φ:90°におけるガンマ特性は、方位角φ:270°におけるガンマ特性と同等となる。同様に、図7において方位角φ:0°におけるガンマ特性の変化を示しているが、方位角φ:180°におけるガンマ特性の変化も図7と同等である。また、図8において方位角φ:90°におけるガンマ特性の変化を示しているが、方位角φ:270°におけるガンマ特性の変化も図8と同等である。
次に、液晶表示装置として左右上下に求められる視角範囲について述べる。
人間の眼は横長かつ水平に左右2つ並んでいることから、左右視野は広く、上下視野は狭いという特徴を有する。例えば、JEITA「フラットパネルディスプレイの人間工学シンポジウム2003」における資料「テレビ視聴に関する人間工学ガイドライン策定へ向けてガイドライン標準化の是非とその施策(日本人間工学会 久武雄三)」では、視野角の主な調査研究結果とISO規格要求値について示されている。図10は、表示パネル面から見た視角を示しており、破線で囲む範囲は日本の家庭における画像歪みの満足限を示し、一点鎖線で囲む範囲は画像ゆがみの満足限の範囲で画像が有効視野に収まる距離から観視したときの視野角を示す。
図10に示すように、人間の左右方位における視野角は42°程度である。また、下方位における視野角が35°であるのに対し、上方位における視野角は20°弱である。よって、液晶表示装置を家庭用のテレビとして用いる場合には、上方よりも下方の視野角特性が重要となる。
図11(a)は、2ドメインVA構造の従来の液晶パネルにおけるドメイン分割比率「1:1」を示す図である。図11(b)は、従来の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:1」)の液晶表示装置における、上下左右の視角特性を示す正面図である。図12は、従来の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:1」)の液晶表示装置における、上下方向の視角特性を示す断面図である。また、図11(c)は、第1実施形態の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:2」)液晶パネルにおける、上下方向の視角特性を示す正面図である。
従来の液晶パネルは、図11(a)に示すように、ドメイン分割比率を1:1とした2ドメインVA構造を採用し、液晶分子51を上下方向に配向させている。この場合、左右方向では良好な視角特性が得られるが、上下方向の視角特性は良好とは言えない。また、図12に示すように、正面方向(図12中の矢印Aで示す極角範囲)における視角特性は良好である。
しかしながら、特に、極角20°〜30°(図11(b)中の符号R1で示す極角範囲)では、正面(0°)に対して色変化が非常に大きい。ガンマ曲線の中間調の浮きが大きく、白っぽく見える現象が生じていた。
このように従来の構成では、上下方向における極角30°以下の方位(図11(b)中の符号R1で示す方位)における視角特性を改善することができない。そのため、液晶パネルの視角特性の改善が必要であった。
図13は、第1実施形態の2ドメインVA構造(ドメイン分割比率「1:2」)とその上下方位における視角特性を示す図である。
本実施形態では、下方側における極角30°以下(図13中の矢印Bで示す極角範囲)の視角特性を液晶パネルで改善する構成となっている。図13に示すように、本実施形態では2ドメインの分割比率を1:2に変更し、不均等な面積比にすることによって、上下方位におけるいずれか一方の視角特性を大きく改善することが可能である。なお、左右方位における視角特性は変わらない。
図13に示すように、第1のドメイン50aおよび第2のドメイン50bのうち、面積の広い第2のドメイン50b側を下方に向けて配置することによって、下方側から液晶パネルを視認した際に、図12に示すような分割比率1:1の従来の構成よりも、面積比率の大きい第2のドメイン50b側の液晶分子51の短軸が多く見えることになる。そのため、液晶分子51における位相差が小さくなる。正面に対して液晶分子51による位相差の変化が小さくなれば、正面での輝度及び色味を保つことができる。よって本実施形態では、下方側の視角特性を改善することが可能である。
次に、2ドメインの分割比率とガンマ視角特性との関係について述べる。
図14(a),(b)は、ドメイン分割比率が「1:1」の場合の上下方向におけるガンマ視角特性を示すグラフである。図15(a),(b)は、ドメイン分割比率が「1:2」の場合の上下方向におけるガンマ視角特性を示すグラフである。図16(a),(b)は、ドメイン分割比率が「1:4」の場合のガンマ視角特性を示すグラフである。ここで、図14〜図16において、縦軸は輝度規格化値を示し、横軸は階調を示している。本実施形態では、中間調(128階調)の表示に着目して比較する。
以下において、方位角φ:0°、極角θ:0°の方向を「正面方向」とし、方位角φ:90°、極角θ:30°の方向を「斜め上方」とし、方位角φ:270°、極角θ:30°の方向を「斜め下方」とする。
図14(a),図15(a),図16(a)に示すように、ドメイン分割比率が大きくなるほど、表示画面に対して斜め上方のガンマ特性が、正面方向のガンマ特性から離れていることがわかる。このことから、液晶表示装置1を斜め上方から見た場合の色変化は改善されていないことが分かる。つまり、白浮きや沈みなどの表示不良が生じてしまうため、視角特性がいいとは言えない。
一方、図14(b),図15(b),図16(b)に示すように、ドメイン分割比率が大きくなるほど、斜め下方のガンマ特性が、正面方向のガンマ特性に近づいていることが分かる。このことから、斜め下方から液晶表示装置1を見た場合の色変化が改善されるということがわかる。さらに、ドメイン分割比率が「1:4」よりも大きい場合には、斜め下方のガンマ特性のグラフ曲率が、正面方向のガンマ特性のグラフ曲率に対して大きくなってしまう。
このように、2ドメインVA方式の液晶パネル2においてドメイン比率を1:2とすることにより、液晶分子51のダイレクタの方向である方位角φ:90°−270°方向における視角特性が改善される。
従来の2ドメインVA方式(ドメイン比率「1:1」)を採用した液晶表示装置においては、液晶分子が倒れる方向と垂直な方位角φ:0°−180°方向の視角特性は良好なものであった。
これに対し、本実施形態のようにドメイン比率を「1:2」とすることにより、さらに方位角φ:90°−270°方向における270°(下方)側の視角特性が改善され、方位角による視角特性の差異が低減する、という効果が得られる。特に高精細ディスプレイにおいては、セル内の構造を複雑にすることなく、高い透過率を維持したまま視野角特性を改善することができる。
以上述べたように、本実施形態の液晶パネルを備えることにより、視角依存性の小さい液晶表示装置を提供することができる。
なお、先の記載では最良の実施形態として、第1のドメイン50aに対する第2のドメイン50bの面積比を1:2としたが、これに関わらず、第1のドメイン50aに対する第2のドメイン50bの面積比が1より大きく4より小さい範囲であればよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の液晶表示装置について説明する。
以下に示す本実施形態の液晶表示装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、バックライトの特性において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態と異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図16と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図17は、第2実施形態におけるバックライトの配光特性を示すグラフである。図中、縦軸に輝度、横軸に射出光の極角を示す。
本実施形態におけるバックライトは、左右方向(x軸方向)を方位角φ:0°−180°方向に多くの光を射出し、上下方向(y軸方向)を方位角φ:90°−270°方向に射出する光が少ない特性を有している。例えば、図 に示すように、従来のバックライトの配光特性に比べて、本実施形態のバックライトの配向特性は上下方向における輝度が低下しており、上下方向への射出光が少なくなっている。
基本的に、液晶パネルは左右方向に優れた視角特性を有している。そのため、バックライトは、左右方向に多くの光を射出するように構成し、輝度分布が左右方向に強い特性を有していることが好ましいと考えられる。そのため、表示画面のうち、視角特性に優れた正面や左右方向に集光させて輝度を高める一方、視覚特性が良くない上下方向の光を減らして輝度を低くすることで、上下方向における色変化を目立たなくすることができる。このように、バックライトから射出される光束の配分を効率的に利用することによって優れた表示の行える液晶表示装置が得られる。
図18は、下方向の正面に近い領域のみの輝度を向上させる場合のバックライトの配向特性を示すグラフである。
図18に示すように、左右方向に集光させるとともに上下方向への射出光を減らす一方、下方向の正面付近の射出光は減らしすぎないようにする。第1実施形態で液晶パネル2における上下片側の視角特性が改善される方向でのバックライト8の光束を極端に少なくしないことで、上または下方向での正面近くの極角範囲で、輝度の明るい良好な見映えとなる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の液晶表示装置について説明する。
以下に示す本実施形態の液晶表示装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、光制御部材を備える点において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態と異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図16と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図19は、第3実施形態の液晶表示装置の断面図である。
図19に示すように、本実施形態の液晶表示装置1は、上述した液晶パネル2と、バックライト8と、さらに光制御部材9と、を備えている。観察者は、光制御部材9を介して液晶表示装置1の表示画像を見る。以下の説明では、光制御部材9が配置された側を視認側と称する。
本実施形態の液晶表示装置1においては、バックライト8から射出された光を液晶パネル2で変調し、変調した光によって所定の画像や文字等を表示する。また、液晶パネル2から射出された光が光制御部材9を透過すると、射出光の配光分布が光制御部材9に入射する前より広がった状態となり、光制御部材9から光が射出される。
液晶パネル2は、先の実施形態と同様のものでドメイン比率が「1:2」とされている。
(光制御部材)
次に、光制御部材9について詳細に説明する。
図20は、光制御部材9を視認側から見た斜視図である。図21は、光制御部材9の模式図である。図21において、左側上段は光制御部材9の平面図である。左側下段は、左側上段の平面図のA−A線に沿った断面図である。右側上段は、左側上段の平面図のB−B線に沿った断面図である。図22は、複数の遮光部のうちの1つの遮光部を示す平面図である。
光制御部材9は、図20に示すように、基材39と、複数の遮光部40と、光拡散部41と、複数の中空部(低屈折率部)42と、を備えている。複数の遮光部40は、基材39の第1の面39a(視認側と反対側の面)に形成されている。光拡散部41は、基材39の第1の面39aのうち、遮光部40の形成領域以外の領域に形成されている。逆に言えば、遮光部40は、第1の面39aのうち、基材39の法線方向から見て光拡散部41と重ならない位置に設けられている。中空部42は、基材39の法線方向から見て遮光部40と一部重なる位置に設けられている。
光制御部材9は、図19に示すように、光拡散部41を上位偏光板7に向け、基材39を視認側に向けて上位偏光板7上に配置される。光制御部材9は、接着剤層43を介して上位偏光板7に固定される。
基材39には、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム等の透明樹脂製の基材が好ましく用いられる。基材39は、製造プロセスにおいて、後で遮光部40や光拡散部41の材料を塗布する際の下地となる。基材39は、製造プロセス中の熱処理工程における耐熱性と機械的強度とを備える必要がある。したがって、基材39には、樹脂製の基材の他、ガラス製の基材等を用いても良い。ただし、基材39の厚さは耐熱性や機械的強度を損なわない程度に薄い方が好ましい。その理由は、基材39の厚さが厚くなる程、液晶表示装置全体の厚みを厚くする必要が生じるからである。また、基材39の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
本実施形態では、基材39に、例えば厚さが100μmの透明樹脂製基材を用いる。
遮光部40は、基材39の第1の面39aの法線方向から見てランダムに配置されている。遮光部40は、一例として、ブラックレジスト、黒色インク等の光吸収性および感光性を有する有機材料で構成されている。その他、Cr(クロム)やCr/酸化Crの多層膜等の金属膜を用いても良い。
光拡散部41は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の光透過性および感光性を有する有機材料で構成されている。また、光拡散部41の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られる。
図21に示すように、光拡散部41は、光射出端面41aと、光入射端面41bと、反射面(傾斜面)41cと、を有する。光射出端面41aは、基材39に接する面である。光入射端面41bは、光射出端面41aと対向する面である。反射面41cは、光拡散部41のテーパ状の傾斜面である。反射面41cは、光入射端面41bから入射した光を反射する面である。本実施形態では、全ての光拡散部41において、光入射端面41bの面積は、光射出端面41aの面積よりも大きい。
光拡散部41は、光制御部材9において光の透過に寄与する部分である。図21の左下に示すように、光拡散部41に入射した光のうち、光L1は、反射面41cで反射されることなく光射出端面41aから射出される。光拡散部41に入射した光のうち、光L2は、光拡散部41の反射面41cで全反射しつつ、光拡散部41の内部に略閉じこめられた状態で導光し、光射出端面41aから射出される。
光制御部材9は、基材39が視認側に向くように配置される。そのため、光拡散部41の2つの対向面のうち、面積の小さい方の面が光射出端面41aとなる。一方、面積の大きい方の面が光入射端面41bとなる。
光拡散部41の反射面41cの傾斜角度(光入射端面41bと反射面41cとのなす角度θc)は、一例として80°±5°程度である。ただし、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度θcは、光制御部材9から射出する際に、入射光を十分に拡散することが可能な角度であれば、特に限定されない。本実施形態において、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は一定になっている。
光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さt1は、遮光部40の層厚t2よりも大きく設定されている。本実施形態の場合、遮光部40の層厚t2は、一例として150nm程度である。光拡散部41の光入射端面41bから光射出端面41aまでの高さt1は、一例として10〜20μm程度である。光拡散部41の反射面41cと遮光部40とにより囲まれた部分は、中空部42となっている。中空部42には空気が存在している。
なお、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とは略同等であることが望ましい。その理由は、以下による。例えば、基材39の屈折率と光拡散部41の屈折率とが大きく異なる場合を考える。この場合、光入射端面41bから入射した光が光拡散部41から射出する際に、光拡散部41と基材39との界面で不要な光の屈折や反射が生じることがある。この場合、所望の視野角が得られない、射出光の光量が減少する、等の不具合が生じる虞があるからである。
本実施形態の場合、中空部42(光拡散部41の外部)には空気が介在している。そのため、光拡散部41を例えば透明アクリル樹脂で形成したとすると、光拡散部41の反射面41cは、透明アクリル樹脂と空気との界面となる。ここで、中空部42を他の低屈折率材料で充填しても良い。しかしながら、光拡散部41の内部と外部との界面の屈折率差は、外部にいかなる低屈折率材料が存在する場合よりも空気が存在する場合が最大となる。
したがって、Snellの法則より、本実施形態の構成においては臨界角が最も小さくなり、光拡散部41の反射面41cで光が全反射する入射角範囲が最も広くなる。その結果、光の損失がより抑えられ、高い輝度を得ることができる。
本実施形態の中空部42は、特許請求の範囲の低屈折率部に対応する。
本実施形態の光制御部材9は、図21の左上に示すように、複数の遮光部40が、基材39の第1の面39aに点在して設けられている。基材39の法線方向から見た遮光部40の平面形状は、細長い菱形である。すなわち、遮光部40は、長軸と短軸とを有する異方性形状を呈する。
基材39の第1の面39aの全面積に対する遮光部40の占有面積の割合は、例えば30%±10%である。
図21の左下、右上に示すように、遮光部40の下方に相当する部分は、四角錐台状の中空部42となる。光制御部材9は、複数の遮光部40に対応して複数の中空部42を有している。複数の中空部42以外の部分には、光拡散部41が一体に連なって設けられている。
本実施形態の光制御部材9では、遮光部40の平面形状をなす菱形の長いほうの対角線方向は、概ねx軸方向に揃っている。以下、菱形の長いほうの対角線方向を遮光部40の長軸方向と称することがある。遮光部40の平面形状をなす菱形の短いほうの対角線方向は、概ねy軸方向に揃っている。以下、菱形の短いほうの対角線方向を遮光部40の短軸方向と称することがある。光拡散部41の反射面41cは遮光部40の平面形状をなす菱形の各辺に対応することから、光拡散部41の反射面41cの向きを考えると、光拡散部41の反射面41cのうち、x軸方向およびy軸方向に平行な反射面41cの割合は極めて少なく、x軸方向およびy軸方向と角度をなす反射面41cが大半を占める。そのため、光の進行方向をxy平面上に射影して見ると、x軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lxはy軸方向へ進行し、y軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lyはx軸方向へ進行する割合が大きい。さらに後述するように、上記2種類の光を比べると、遮光部40の長軸と平行なx軸方向から短軸と平行なy軸方向へ向けて拡散される光Lxが大きい。
なお、遮光部40の平面形状は、一部に円形、楕円形、多角形、半円等の形状が含まれていても良い。また、遮光部40の一部が重なって形成されていても良い。
(遮光層)
図22は、複数の遮光部40のうちの一つの遮光部40を示す平面図である。
光制御部材9において、遮光部40の平面視の大きさは、ある程度小さくした方がよい。その理由は、遮光部40の平面視の大きさが大きすぎると、観察者が液晶表示装置1の表示画像を見たときに、遮光部40がドットとして認識されてしまうおそれがあるからである。
図22に示すように、遮光部40の長軸方向の長さをB1とし、遮光部40の短軸方向の長さをB2とする。遮光部40の平面形状である菱形の短いほうの対角線寸法B2に対する長軸寸法B1の比(B1/B2)は、例えば1以上かつ3以下である。遮光部40の長軸寸法B1は、例えば10〜20μmであり、遮光部40の短軸寸法B2は、例えば5〜10μmである。本実施形態の光制御部材9では、それぞれの遮光部40において、短軸寸法B2自体、長軸寸法B1自体は異なるものの、短軸寸法B2に対する長軸寸法B1の比は概ね等しい。
遮光部40がドットとして認識されにくくするためには、遮光部40の長軸方向の長さB1が100μm以下であることが好ましい。
以下に、光制御部材9とVAモードの液晶パネル2を組み合わせた場合の効果について説明する。
図23は、液晶表示装置1に含まれるVAモードの液晶を含む画素50と、光制御部材9との配置関係を示す模式図である。
実際には図19に示すように、液晶パネル2に光制御部材9が配置されるが、図示の都合上、図23では画素50と光制御部材9とを並列して記載している。また、画素50の右側には、下位偏光板3の吸収軸P1および上位偏光板7の吸収軸P2を図示した。
図23に示す本実施形態における画素50は、先の実施形態と同様に、一つの画素50における第1のドメイン50aの面積S1と、第2のドメイン50bの面積S2との面積比は1:2となっており、第1のドメイン50aよりも第2のドメイン50bの面積の方が大きい。
図23では、液晶分子51を円錐状に記載している。円錐の頂点は、液晶分子51の背面側の端部を意味する。円錐の底辺は、液晶分子51の視認側の端部を示している。本実施形態において、液晶分子51のダイレクタの方向は、液晶分子51の長軸方向を意味し、液晶分子51のダイレクタの向きは、液晶分子51の背面側の端部から視認側の端部へ向かう向きと定義する。液晶分子51のダイレクタを図23中の符号Dの矢印で示す。液晶分子51のダイレクタの方向は、画素の長辺方向もしくはドメインの長辺方向と一致する。
図23に示すように、第1のドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2のドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、方位角φ:90°−270°方向(第1の方向)において、互いに180°異なる方向に傾いて配向している。つまり、第1のドメイン50aに含まれる液晶分子51と第2のドメイン50bに含まれる液晶分子51とは、液晶分子51の視認側の端部どうしがドメイン境界とは反対側に向くように傾いて、ドメイン境界を中心に上下対称に配向する。
このように、2ドメインVA方式(ドメイン比率「1:2」)を採用した液晶パネル2に、本実施形態の光制御部材9を組み合わせることにより、液晶分子51のダイレクタの方向である方位角φ:90°−270°方向における視角特性が改善され、方位角による視角特性の差異が低減する、という効果が得られる。特に、高精細ディスプレイにおいては、セル内の構造を複雑にすることなく、高い透過率を維持したまま視角特性を改善することができる。
本実施形態では、図23に示すように、電圧印加時に液晶分子51が倒れる方向、すなわち液晶分子のダイレクタの方向Dと光制御部材9の遮光部40の短軸方向とが、概ね一致するように光制御部材9が配置されている。液晶分子のダイレクタの方向Dと下位偏光板3および上位偏光板7の吸収軸P1,P2は45°の角度をなすため、光制御部材9の遮光部40の短軸方向と下位偏光板3および上位偏光板7の吸収軸P1,P2とは45°の角度をなす。
言い換えると、基材39の法線方向から見て、遮光部40の平面形状である菱形は、下位偏光板3および上位偏光板7のうちの一方の偏光板の吸収軸P1,P2と45°未満の角度をなす直線部分を有している。本実施形態の場合、この直線部分は菱形の4辺に対応する。この場合、光の進行方向をxy平面上に射影して見ると、x軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lxはy軸方向へ進行し、y軸方向から入射して反射面41cで反射した光Lyはx軸方向へ進行する割合が大きい。さらに、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光Lxの量と、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光Lyの量と、を比較すると、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光Lxの量が、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光Lyよりも多い。
この理由を以下、図24を用いて説明する。
図24(A)〜(F)は、各種の形状および配置を有する遮光層と光の反射の様子を示している。図24(A)〜(F)においては、光の進行方向を矢印で示しているが、この矢印は光の進行方向をxy平面上に射影して示したものであり、実際の光の進行方向はz軸方向の成分を有している。角度φ1〜φ6は、xy平面上に射影したときの光の入射方向と射出方向とのなす角度である。
例えばx軸方向から入射する光の方位角方向の進行方向を変えるためには、x軸に対して0°より大きく、90°より小さい角度をなす反射面があればよい。
最初に、図24(A)に示すように、正方形の一辺をx軸およびy軸に対して45°回転させた平面形状の遮光層140を考える。この場合、反射面141cは、x軸に対して45°の角度をなす。仮に反射面141cが遮光層140の形成面に対して垂直方向に図24(A)の紙面の奥側に向かって配置されていたとする。この場合、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L1は、反射面141cで反射してxy平面上で90°方向を変え、y軸に平行な方向に進行する。すなわち、xy平面上に射影した光L1の入射方向と射出方向とのなす角度φ1は90°である。
ところが、本実施形態の光制御部材9に即して考えると、反射面141cは、遮光層140に対して垂直方向に配置されているのではなく、図24(B)に示すように、紙面の奥側に向かって遮光層140の外形形状を示す実線の正方形の内側に示した破線の正方形(中空部の外形)に向けて斜めに傾斜している。この場合、角度φ2は90°よりも小さくなり、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L2は、反射面141cで反射した後、y軸に平行な方向には進まず、y軸に平行な方向よりもx軸の負側に傾いた方向に進む。
これに対して、図24(C)、(D)に示すように、本実施形態のように、菱形の遮光部40を長軸方向がx軸方向を向くように配置した場合を考える。この場合、図24(C)に示すように、反射面41cが遮光部40の形成面に対して垂直方向に配置されていると仮定すると、角度φ3は90°よりも大きく、x軸の負側から正側に向けて反射面41cに入射した光L3は、反射面41cで反射した後、y軸に平行な方向には進まず、y軸に平行な方向よりもx軸の正側に傾いた方向に進む。ところが、図24(D)に示すように、実際の反射面41cは、遮光部40の外形形状を示す実線の菱形の内側に示した破線の菱形(中空部の外形)に向けて斜めに傾斜している。これにより、角度φ4を90°にすることができ、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L4は、反射面141cで反射した後、y軸に平行な方向に進む。
比較例として、図24(E)、(F)に示すように、本実施形態と異なり、菱形の遮光部40を長軸方向がy軸方向を向くように配置した場合を考える。この場合、図24(E)に示すように、反射面41cが遮光部40の形成面に対して垂直方向に配置されていると仮定すると、角度φ5は90°よりも小さく、x軸の負側から正側に向けて反射面41cに入射した光L5は、反射面41cで反射した後、y軸に平行な方向には進まず、y軸に平行な方向よりもx軸の負側に傾いた方向に進む。ところが、図24(F)に示すように、実際の反射面41cは斜めに傾斜しているため、角度φ6は角度φ5よりもさらに小さくなり、x軸の負側から正側に向けて反射面141cに入射した光L6は、反射面141cで反射した後、y軸に平行な方向よりもx軸の負側に傾いた方向に進む。
以上述べたように、遮光層140の平面形状が正方形の場合、平面形状が菱形の遮光部40を長軸方向がx軸方向を向くように配置した場合、平面形状が菱形の遮光部40を長軸方向がy軸方向を向くように配置した場合、の3つのケースを比較したとき、x軸に平行な方向から反射面に入射してy軸に平行な方向に進む光の量は、平面形状が菱形の遮光部40を長軸方向がx軸方向を向くように配置した場合が最も多くなる。
このことから、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光の量と、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光の量と、を比較すると、x軸方向から入射してy軸方向に進行する光の量が、y軸方向から入射してx軸方向に進行する光よりも多いことになる。
言い換えると、本実施形態の場合、方位角φ:0°−180°方向から光制御部材9に入射した光は、菱形の遮光部40の平面形状に対応して配置される光拡散部41の反射面41cによって反射され、方位角φ:90°−270°方向へ射出される。その際、光拡散部41の傾斜角θcが90°よりも小さいことから(図21参照)、光の進行方向の極角θは、光制御部材9に入射する前よりも大きくなる方向へ変わる。上述したように、光制御部材9を用いなかったとすると、方位角φ:90°−270°方向とφ:0°−180°方向は視角角特性の差が大きい。この問題を改善するためには、光制御部材9を用いて、方位角φ:0°−180°方向に進む光を視角特性の劣る方位角φ:90°−270°方向へ意図的に混合すればよい。これにより、方位ごとの視角特性の差が緩和される。これにより、輝度変化のばらつきが平均化され、方位角φ:90°−270°方向における極角θに依存したガンマ特性の変化を改善することができる。
(液晶表示装置の製造方法)
上記構成の液晶表示装置1を構成する光制御部材9の製造工程を中心に、その製造方法について説明する。ここでは、図25〜図28は、光制御部材9の製造工程を、順を追って示す斜視図である。
先ず、液晶パネル2の製造工程の概略を先に説明する。
最初に、TFT基板10とカラーフィルター基板12をそれぞれ作製する。その後、TFT基板10のTFT19が形成された側の面とカラーフィルター基板12のカラーフィルター31が形成された側の面とを対向させて配置する。その後、TFT基板10とカラーフィルター基板12とをシール部材を介して貼り合わせる。その後、TFT基板10とカラーフィルター基板12とシール部材とによって囲まれた空間内に液晶を注入する。このようにしてできた液晶セル5の両面に、光学接着剤等を用いて第1位相差フィルム4、下位偏光板3、第2位相差フィルム6、上位偏光板7をそれぞれ貼り合わせる。以上の工程を経て、液晶パネル2が完成する。
なお、TFT基板10やカラーフィルター基板12の製造方法は常法によれば良く、その説明を省略する。
次に、光制御部材9の製造工程について説明する。
図25に示すように、厚さが100μmのポリエチレンテレフタレートの基材39を準備する。次いで、スリットコーターを用いて、この基材39の一面に遮光層材料としてカーボンが含有されたブラックネガレジストを塗布する。これにより、膜厚150nmの塗膜45を形成する。
上記の塗膜45を形成した基材39をヒーターで加熱し、温度90℃で塗膜45のプリベークを行う。これにより、ブラックネガレジスト中の溶媒が揮発する。
露光装置を用い、平面形状が例えば菱形形状の複数の開口パターン46が形成されたフォトマスク47を介して塗膜45に光Lを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は100mJ/cmとする。
上記のフォトマスク47を用いて露光を行った後、専用の現像液を用いてブラックネガレジストからなる塗膜45の現像を行い、100℃で乾燥し、図26に示すように、平面形状が例えば菱形の複数の遮光部40を基材39の一面に形成する。本実施形態の場合、次工程でブラックネガレジストからなる遮光部40をマスクとして透明ネガレジストの露光を行い、中空部42を形成する。そのため、フォトマスク47の開口パターン46の位置が中空部42の形成位置に対応する。
平面形状が菱形の遮光部40は、次工程の光拡散部41の非形成領域(中空部42)に対応する。本例では、複数の開口パターン46は、全て菱形のパターンである。開口パターン46の長径と短径は様々の大きさのものから構成されている。隣接する開口パターン46間の間隔(ピッチ)の配置は、規則的でもなく、周期的でもない。開口パターン46の間隔(ピッチ)は液晶パネル2の画素の間隔(ピッチ、例えば60μm)よりも小さいことが望ましい。これにより、画素内に少なくとも1つの遮光部40が形成される。そのため、高精細ディスプレイと組み合わせたときに、特に広視野角化を図ることができる。
本実施形態では、ブラックネガレジストを用いたフォトリソグラフィー法によって遮光部40を形成したが、これに限らない。この他に、本実施形態の開口パターン46と遮光パターンとが反転したフォトマスクを用いれば、光吸収性を有するポジレジストを用いることもできる。もしくは、蒸着法や印刷法等を用いて遮光部40を直接形成しても良い。
フォトリソグラフィー法により、Roll to Rollプロセスで連続的に遮光層を形成する場合には、平板のフォトマスクに代えて、円筒状のフォトマスクと、円筒内のUVランプで露光するローリングマスクフォトリソグラフィー法を用いることもできる。
次いで、図27に示すように、スリットコーターを用いて、遮光部40の上面に光拡散部材料としてアクリル樹脂からなる透明ネガレジストを塗布する。これにより、膜厚20μmの塗膜48を形成する。
次いで、上記の塗膜48を形成した基材39をヒーターで加熱し、温度95℃で塗膜48のプリベークを行う。これにより、透明ネガレジスト中の溶媒が揮発する。
次いで、基材39側から遮光部40をマスクとして塗膜48に拡散光Fを照射し、露光を行う。このとき、波長365nmのi線、波長404nmのh線、波長436nmのg線の混合線を用いた露光装置を使用する。露光量は500mJ/cmとする。
その後、上記の塗膜48を形成した基材39をヒーターで加熱し、温度95℃で塗膜48のポストエクスポージャーベイク(PEB)を行う。
次いで、専用の現像液を用いて透明ネガレジストからなる塗膜48の現像を行い、100℃でポストベークし、図28に示すように、複数の中空部42を有する光拡散部41を基材39の一面に形成する。本実施形態では、図27に示したように、拡散光Fを用いて露光を行っているため、塗膜48を構成する透明ネガレジストが遮光部40の非形成領域から外側に広がるように放射状に露光される。これにより、順テーパ状の中空部42が形成される。光拡散部41は逆テーパ状の形状となる。光拡散部41の反射面41cの傾斜角度は拡散光Fの拡散の度合いで制御できる。
ここで用いる光Fとして、平行光、もしくは拡散光、もしくは特定の射出角度における強度が他の射出角度における強度と異なる光、すなわち特定の射出角度に強弱を有する光を用いることができる。平行光を用いた場合、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度が例えば60°〜90°程度の単一の傾斜角度となる。拡散光を用いた場合には、傾斜角度が連続的に変化する、断面形状が曲線状の傾斜面となる。特定の射出角度に強弱を有する光を用いた場合には、その強弱に対応した斜面角度を有する傾斜面となる。このように、光拡散部41の反射面41cの傾斜角度を調整することができる。これにより、光制御部材9の光拡散性を、目的とする視認性が得られるように調整することが可能となる。
なお、露光装置から出射された平行光を光Fとして基材39に照射する手段の一つとして、例えば露光装置から出射された光の光路上にヘイズ50程度の拡散板を配置し、拡散板を介して光を照射してもよい。
また、現像液を用いて現像を行う際、現像液を加圧して透明ネガレジストへ噴射して、不要なレジストの除去を促進してもよい。
以上、図25〜図28の工程を経て、本実施形態の光制御部材9が完成する。
光制御部材9の全光線透過率は、90%以上が好ましい。全光線透過率が90%以上であると、十分な透明性が得られ、光制御部材に求められる光学性能を十分に発揮できる。
全光線透過率は、JIS K7361−1の規定によるものである。なお、本実施形態では、液体状のレジストを用いる例を挙げたが、この構成に代えて、フィルム状のレジストを用いても良い。
最後に、完成した光制御部材9を、図19に示したように、基材39を視認側に向け、光拡散部41を上位偏光板7に対向させた状態で、接着剤層を介して液晶パネル2に貼り合わせる。
光制御部材9を、接着剤層を介して液晶パネル2に貼付する際、加熱加圧処理をしてもよい。加熱加圧処理を加えることにより、液晶パネル2に対する光制御部材9の密着性が向上するとともに、圧力によっては光拡散部41の反射面41cの傾斜角度が小さくなり、光拡散性を上げることができる。加熱加圧処理の方法としては、例えばオートクレーブ装置や加温ラミネーター等を用いることができる。
以上の工程により、本実施形態の液晶表示装置1が完成する。
ここでは、遮光部40の平面形状が菱形の構成を一例に挙げて説明したが、遮光部40の平面形状が菱形に限らないのは上述の通りである。円形、楕円形、多角形、半円等の形状のうち、本発明者らは、平面形状が二等辺三角形の遮光部40を備える構成が最良の形態であると考えている。よって、以下に、平面形状が二等辺三角形の遮光部40を有する光制御部材9を備えた構成について述べることにする。
図29は、平面視二等辺三角形の遮光部を有する光制御部材をドメイン分割比率「1:2」の液晶パネルに組み合わせた構成を模式的に示す図である。基材39と光拡散部41は図面上省略している。図30は、ドメイン分割比率「1:2」の液晶パネルに平面視二等辺三角形の遮光部を有する光制御部材を組み合わせてなる液晶表示装置の上下方位における視角特性を示す断面図である。図31は、平面視二等辺三角形を呈する遮光部による光転換方向を示す図である。図32は、図31に示す光制御部材において転換された光線と、液晶パネルから射出された光線とを示す図である。
本実施形態の液晶表示装置の光制御部材9は、図29に示すように、平面形状が二等辺三角形を呈する遮光部40を複数有している。遮光部40は、平面視において、一方の偏光板の吸収軸と45°未満の角度をなす直線部分を有する二等辺三角形であり、二等辺三角形を呈する遮光部40の底辺40bがドメイン境界Jと平行している。遮光部40は、平面視二等辺三角形の底辺40b側が2つのドメインのうち視角特性の狭い方、つまり本実施形態の場合はドメイン比率の小さい方に向けて配置されている。本実施形態の液晶パネル2に設ける光制御部材9は、二等辺三角形を呈する遮光部40の底辺40bを第1のドメイン50a側に向けて配置した構成とする。これにより、左右方向から入射した光を底辺40b以外の2辺に沿う空気層との界面において全反射し、光線方向を下方向の広角へ転換する。このように、平面視二等辺三角形を呈する遮光部40を有することで、下方向への光束転換性に優れた光制御部材9となる。
図29及び図30に示すように、液晶パネル2における2つのドメイン50a、50b間では、液晶分子51のダイレクタが90°−270°方位であって互いに逆向きとなるよう設定されている。液晶分子51は、ドメイン境界Jと反対側に倒れるように傾斜する。そのため、ドメイン比率の大きい第2のドメイン50b側に視角を傾けた場合に液晶分子51の短軸が多く見えることになり、第2のドメイン50b側に広い視角特性が得られる。よって、ドメイン比率の小さい(視角特性が狭い)第1のドメイン50a側が上方、ドメイン比率の大きい(視角特性が広い)第2のドメイン50b側が下方となるよう、液晶パネル2が構成されている。
(液晶パネルによる視角改善効果)
図30に示すように、液晶パネル2において、画素内で2つのドメイン比率を異ならせることによって上下方向における視角特性が非対称となり、広い視角特性が得られる方位を下方側に配置すると、下方側の極角30°近傍の視角特性を改善することができる。
(光制御部材による視角改善効果)
図30に示すように、液晶パネル2上に上述した光制御部材9を設けることによって、液晶パネル2では改善できない、下方側における極角30°以上の角度範囲の視角特性を改善できる。
このように、ドメイン分割比率が「1:2」の液晶パネル2と、平面視二等辺三角形を呈する遮光部を備える光制御部材9との相乗効果により、液晶表示装置1の下方側における視角特性を極角に対して連続的に改善することができる。また、図31に示すように、左右方向から光制御部材9に入射する光が強いほど、遮光部40において下方側へ反射される光が増えるため、より優れた視角特性を得ることができる。さらに、図32に示すように、液晶パネル2から下方側へ射出された光L7(光制御部材9で反射されない光)が、光制御部材9によって下方側へ反射された光L8と混ざり合って見えることになり、視角特性が良好となる。
図33(a)は、平面視菱形を呈する遮光部を有する光制御部材による視野角改善効果を示す図であり、図33(b)は、平面視二等辺三角形を呈する遮光部を有する光制御部材による視野角改善効果を示す図である。
図33(a)に示すように、平面視菱形を呈する遮光部を有する光制御部材によれば、液晶パネル2では改善できない、極角30°以上(図33(a)中の符号R2で示す極角範囲)の視角特性を改善することができる。
図33(b)に示すように、平面視二等辺三角形を呈する遮光部40を有する光制御部材9によれば、菱形の遮光部40では改善できない極角30°以下の視角特性を含む下方位の略全体を改善でき、視角依存性を小さくすることができる。つまり、平面視二等辺三角形を呈する遮光部40を有する光制御部材9をドメイン分割比率が「1:2」の液晶パネルと組み合わせることで、下方向への光束転換性によって一層視角特性に優れた液晶表示装置を得ることができる。
[光制御部材の変形例]
図34は、光制御部材の変形例を示す図である。
図34に示す液晶パネル2は、2つのドメイン50a、50b間における液晶分子51の傾斜する方位が、図30に示した液晶分子51の傾斜する方位と異なっている。つまり、図34に示す液晶分子51は、電圧が印加されると、液晶分子51の視認側の端部がドメイン境界J側に倒れるように傾斜する。そのため、第1のドメイン50a側に視角を傾けた場合には、第2のドメイン50b側の液晶分子51の短軸が多く見えることになり、視角特性が広い。一方、第2のドメイン50b側に視角を傾けた場合には、液晶分子51の長軸が多く見えることになり、視角特性が狭い。
そのため、光制御部材9は、二等辺三角形を呈する遮光部40の底辺40bを視角特性が狭い第2のドメイン50b側に向けて配置した構成とする。つまり、光制御部材9の二等辺三角形を呈する遮光部40の頂部を上方に向けて設けることによって、上方へ多くの光を反射させることができ、液晶表示装置1の上方側の視角特性を改善することが可能である。
このように、液晶パネル2側の液晶分子51の配向特性と、光制御部材9の構成との組み合わせ次第で、上下いずれかの方位における視角特性を改善することが可能である。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の液晶表示装置について説明する。
以下に示す本実施形態の液晶表示装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、ドメイン分割の境界位置において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態と異なる部分について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図16と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図35(a),(b)は、従来の液晶パネルにおける1つのサブ画素内のドメイン分割の配置と構成を示す図である。図36(a),(b)は、本発明に係る液晶パネルの1つのサブ画素内のドメイン分割の配置と構成を示す図である。
図35(a)に示すように、従来の液晶パネルでは、画素領域の左右方向にドメインを2つに分割しており、サブ画素領域の長手方向(液晶パネルの上下方向)に沿ってドメイン境界Jが延在していた。そのため、ドメイン境界Jの部分には、互いに逆の向きに配向した液晶分子51の配向の分かれ目が出現する。液晶分子51の配向の分かれ目は、2つの偏光板3,7のうちの一方の吸収軸に沿うため、図35(b)中の破線で囲むように画素中央の上下方向に延在する2本の黒い暗線61となって現れてしまう。これが画素の透過率および視角特性に影響していた。
従来の構成に対し、本実施形態の液晶パネル2では、図36(a)に示すように画素領域の上下方向に2つのドメインを分割しており、ドメイン境界Jが画素領域の短手方向に沿って延在する。ドメイン境界Jを、図36(b)に示すような画素のブラックマトリクス30あるいは金属配線と重なるように配置する。もともと透過率に寄与しない領域に液晶ドメインの境界を配置することにより、画素領域における透過率および視角特性が向上する。
図37は、隣接する画素のドメインの配置を示す図である。
図37に示すように、複数の画素50は、図中の上下方向で隣接する画素のうち、一方の画素50の第2のドメイン50bにおける液晶分子51と、他方の画素50の第1のドメイン50aにおける液晶分子51と、のダイレクタが上下方向であって互いに同じ向きに配向する。
このように、隣接する画素50のドメイン配置を工夫することによって、ドメイン境界Jに発生する暗線が生じず、透過率を高めることができる。一例には、透過率を約5%高めることが可能である。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態の液晶表示装置について説明する。
以下に示す本実施形態の液晶表示装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、ドメインと金属配線との配置関係において異なる。よって、以下の説明では、先の実施形態と異なる部分について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図16と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図38は、第5実施形態における液晶表示装置における1画素の構成を示す平面図である。
図38に示すように、本実施形態では、画素領域の境界Kであって、2つのドメイン50a,50bのうち、分割比率の小さい第1のドメイン50a側に共通容量線(容量配線)CSが配置されている。これにより、ドメイン境界部分に配置されたTFT19と共通容量線CSとの接続配線52を短くすることができる。あるいは、ドメイン境界部分に共通容量線CSを配置し、画素領域の境界にTFT19を配置してもよい。
本実施形態の構成によれば、面積の小さいドメイン側に共通容量線CSとゲート配線とを設けることによって、接続配線52に起因する透過率のロスを低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…液晶表示装置、2…液晶パネル、3,7…偏光板、8…バックライト(照明装置)、9…光制御部材、11…液晶層、27…第1の垂直配向膜、30…ブラックマトリクス、34…第2の垂直配向膜、39…基材、39a…第1の面、40…遮光部、40b…遮光部の底辺、41…光拡散部、41a…光射出端面、41b…光入射端面、41c…反射面(傾斜面)、42…中空部(低屈折率部)、50…画素、50a,VA…ドメイン、50a…第1のドメイン、50b…第2のドメイン、51…液晶分子、CS…共通容量線(容量配線)、D…ダイレクタの方向、E…法線方向、J…ドメイン境界、P1,P2…吸収軸、S1…第1のドメインの面積、S2…第2のドメインの面積

Claims (10)

  1. 第1の垂直配向膜を有する第1の基板と、第2の垂直配向膜を有する第2の基板と、前記第1の垂直配向膜と前記第2の垂直配向膜との間に挟持された負の誘電異方性を有する液晶層と、前記液晶層の光入射側に配置された第1の偏光板と、前記液晶層の光射出側に配置された第2の偏光板と、を含む液晶パネルと、を備え、
    前記液晶パネルは、前記液晶層の液晶分子のダイレクタが第1の方向であって互いに逆の向きを向く2つのドメインを有する複数の画素を備え、
    前記第1の偏光板の吸収軸と前記第2の偏光板の吸収軸とが、互いに直交するとともに、前記第1の方向に対して実質的に45°の角度をなし、
    前記液晶層の2つのドメインは前記第1の方向に分割されるとともに、互いの面積が異なっており、第1のドメインに対する第2のドメインの面積比が、1より大きく4より小さい範囲である、液晶表示装置。
  2. 第1のドメインの面積S1と第2のドメインの面積S2との面積比が1:2である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶パネルの光入射側に配置された照明装置をさらに備え、
    前記照明装置は、前記第1の方向に交差する第2の方向への光の射出が多く、前記第1の方向への光の射出が少ない特性を有する、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶パネルの光射出側に配置された光制御部材をさらに備え、
    前記光制御部材は、光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に設けられた光拡散部と、前記第1の面のうち前記基材の法線方向から見て前記光拡散部と重ならない位置に設けられた遮光部と、前記基材の法線方向から見て前記遮光部と一部重なる位置に設けられ、前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率部と、を備え、
    前記光拡散部は、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置する光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、
    前記基材の法線方向から見て、前記遮光部の平面形状が、前記第1の偏光板および前記第2の偏光板のうちの一方の偏光板の吸収軸と平行な直線部分、もしくは前記一方の偏光板の吸収軸と45°未満の角度をなす直線部分を有する二等辺三角形であり、前記二等辺三角形の底辺がドメイン境界と平行である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記平面形状が多角形、楕円形あるいは菱形であり、長軸あるいは長いほうの対角線が前記ドメイン境界と平行である、請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記ドメイン境界が、前記画素を区画するブラックマトリクスあるいは前記液晶パネルの金属配線と重なっている、請求項4または5に記載の液晶表示装置。
  7. 前記第1の方向で隣接する前記画素のうち、一方の前記画素の前記第1のドメインにおける前記液晶分子と、他方の前記画素の前記第2のドメインにおける前記液晶分子とのダイレクタが、前記第1の方向であって互いに同じ向きに配向している、請求項1に記載の液晶表示装置。
  8. 前記画素には容量配線が接続されており、
    前記容量配線が前記画素の境界またはドメイン境界に配置されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
  9. 前記容量配線と、前記容量配線に平行する前記金属配線と、の間に前記第1のドメインが配置されている、請求項8に記載の液晶表示装置。
  10. 光透過性を有する基材と、前記基材の第1の面に設けられた光拡散部と、前記第1の面のうち前記基材の法線方向から見て前記光拡散部と重ならない位置に設けられた遮光部と、前記基材の法線方向から見て前記遮光部と一部重なる位置に設けられ、前記光拡散部の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率部と、を備え、
    前記光拡散部は、前記基材側に位置する光射出端面と、前記基材側と反対側に位置する光入射端面と、前記光射出端面と前記光入射端面との間に位置する傾斜面と、を有し、
    前記基材の法線方向から見て、前記遮光部の平面形状が、前記第1の偏光板および前記第2の偏光板のうちの一方の偏光板の吸収軸と平行な直線部分、もしくは前記一方の偏光板の吸収軸と45°未満の角度をなす直線部分を有する二等辺三角形であり、前記二等辺三角形の底辺がドメイン境界と平行である、光制御部材。
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