JP2017097059A - パターニング基板の製造方法、及び積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】パターニング基板の製造効率を向上させること。
【解決手段】パターニング基板を製造するに際し、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とを、透明導電膜3を介して積層させて積層体4を作製する積層体作製工程と、第一パルスレーザー5及び第二パルスレーザー6の両照射スポット5a,6aを重複させた重複照射スポットSにより、積層体4の透明導電膜3を走査するレーザー走査工程と、両ガラス基板1,2を分離させることで、透明導電膜3の一部が、第一パターンとして第一ガラス基板1に形成されてなる第一パターニング基板と、透明導電膜3の他の一部が、第一パターンに対となる第二パターンとして第二ガラス基板2に形成されてなる第二パターニング基板とを得る分離工程とを実行するようにした。
【選択図】図3
【解決手段】パターニング基板を製造するに際し、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とを、透明導電膜3を介して積層させて積層体4を作製する積層体作製工程と、第一パルスレーザー5及び第二パルスレーザー6の両照射スポット5a,6aを重複させた重複照射スポットSにより、積層体4の透明導電膜3を走査するレーザー走査工程と、両ガラス基板1,2を分離させることで、透明導電膜3の一部が、第一パターンとして第一ガラス基板1に形成されてなる第一パターニング基板と、透明導電膜3の他の一部が、第一パターンに対となる第二パターンとして第二ガラス基板2に形成されてなる第二パターニング基板とを得る分離工程とを実行するようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、ガラス基板や樹脂基板にITO膜等をパターン形成することでパターニング基板を製造する方法、及び、パターニング基板が積層されてなる積層体に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ(LCD)を構成するカラーフィルター基板やTFT基板の製造工程には、これらに組み込まれるガラス基板や樹脂基板等の透明基板に、液晶の配向を制御するためのITO膜等でなる透明導電膜(透明電極)をパターン形成する工程が含まれる。この透明導電膜のパターン形成には、フォトソリグラフィーによる形成方法が多用されている(特許文献1を参照)。
フォトソリグラフィー(ポジ型)による形成方法では、まず、スパッタリング法等により透明基板にITO膜を形成した後、ITO膜上にフォトレジストを塗布する。次に、フォトマスクを用いた露光によりフォトマスクに形成されたパターンをフォトレジストに転写した後、露光部分を現像液で溶解させる。最後に、エッチング処理によりフォトレジストで保護されていないITO膜を除去すると共に、フォトレジストを取り除く。以上の工程により、透明基板に透明導電膜がパターン形成され、パターニング基板が製造される。
しかしながら、上記のような製造方法においては、パターニング基板を得るまでの工程数が多く、その製造効率が悪化しやすいという難点があった。このような事情に鑑みなされた本発明は、パターニング基板の製造効率を向上させることを技術的課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明に係るパターニング基板の製造方法は、第一基板と第二基板との両基板を、光吸収層を介して積層させることで積層体を作製する積層体作製工程と、複数のパルスレーザーの照射スポットを重複させた重複照射スポットにより、積層体における光吸収層を走査するレーザー走査工程と、両基板を分離させることで、光吸収層の一部が、第一パターンとして第一基板に形成されてなる第一パターニング基板と、光吸収層の他の一部が、第一パターンに対となる第二パターンとして第二基板に形成されてなる第二パターニング基板との両パターニング基板を得る分離工程とを実行することに特徴付けられる。ここで、「重複照射スポット」とは、複数のパルスレーザーの照射スポットが完全に重複した状態のスポットのみでなく、複数のパルスレーザーの照射スポットが部分的に重複した状態のスポットをも含む(以下、同じ)。
このような方法によれば、積層体作製工程の実行により、光吸収層を介して第一基板と第二基板とが積層されて積層体が作製される。そして、レーザー走査工程の実行に伴って、積層体の光吸収層を重複照射スポットにより走査すると、走査中の領域で複数のパルスレーザーが干渉し、その干渉パターンに従って光吸収層が加工される。これにより、レーザー走査工程が完了すると、加工された光吸収層の一部が、干渉パターンに従った凹凸でなる第一パターンとして第一基板に形成される。さらに、加工された光吸収層の他の一部が、干渉パターンに従った凹凸でなり、且つ第一パターンに対となる第二パターンとして第二基板に形成される。そして、分離工程の実行に伴って、第一基板と第二基板とを分離させると、第一基板に第一パターンが形成されてなる第一パターニング基板と、第二基板に第二パターンが形成されてなる第二パターニング基板とが得られる。このように、本方法によれば、両パターニング基板を同時に得ることができるため、パターニング基板の製造効率を向上させることが可能である。なお、レーザー走査工程の実行中に、光吸収層において重複照射スポットにより走査された領域では、第一基板と第二基板とを分離させるような作用が生じ、両基板が剥離する。
上記の方法では、重複照射スポットにより、光吸収層の全領域を走査することが好ましい。
このようにすれば、レーザー走査工程において、重複照射スポットによって光吸収層の全領域が走査されることから、全領域に第一基板と第二基板とを分離させるような作用が生じ、両基板が完全に剥離した状態となる。すなわち、レーザー走査工程の完了に伴って、両基板を分離させる分離工程までもが完了することになる。その結果、さらにパターニング基板の製造効率を向上させることができる。
上記の方法では、複数のパルスレーザーの光軸の相互間で、積層体の主面に対する傾斜角度を異ならせることが好ましい。
このようにすれば、複数のパルスレーザーの相互間で、これらの光軸が一致していない状態となる。そのため、各パルスレーザーを発振するための各発振源に対して、他の発振源から発振されたパルスレーザーの光が入射し、発振源を傷めるような事態の発生を防止することが可能となる。
なお、複数のパルスレーザーの相互間で、これらの光軸が一致している場合には、光路上に偏光板、波長板等の光学部品を設置することで、パルスレーザーの光による発振源の傷みを抑制、或いは、回避することができる。
上記の方法では、複数のパルスレーザーを同一の発振源から発振させることが好ましい。
このようにすれば、複数のパルスレーザーが相互にコヒーレントとなるため、これらのレーザーの干渉性を高めることできる。また、重複照射スポットを形成するにあたり、照射するパルスレーザーの数と同数の発振源を準備するような必要がなくなる。これにより、効率的に光吸収層の加工を行うことが可能となる。
上記の方法では、複数のパルスレーザーが、光吸収層に対して第一基板側から照射される第一パルスレーザーと、第二基板側から照射される第二パルスレーザーとを含み、両パルスレーザーのうち、一方のパルスレーザーを、積層体を透過した他方のパルスレーザーを当該積層体に向かって反射させることで発生させると共に、他方のパルスレーザーのパルス幅を0.3ps以上とすることが好ましい。
このようにすれば、第一パルスレーザーと第二パルスレーザーとのうち、一方のパルスレーザーを、積層体を透過した他方のパルスレーザーを単に積層体に向かって反射させるだけで光吸収層に照射し得る。そのため、さらに効率的に光吸収層の加工を行うことができる。また、他方のパルスレーザーのパルス幅が短すぎる場合、重複照射スポットが走査中の領域で第一パルスレーザーと第二パルスレーザーとが干渉しなくなるおそれがあるが、パルス幅を0.3ps以上とすることで、このようなおそれを的確に排除することが可能である。
上記の方法では、レーザー走査工程の実行中に、複数のパルスレーザーの少なくとも一つを、その光軸が積層体の主面に対して傾斜するように照射すると共に、第一基板の端面、又は第二基板の端面を含む領域に照射することが好ましい。
このようにすれば、第一基板の端面、又は第二基板の端面で反射したレーザー光や、屈折したレーザー光が光吸収層に照射される。そのため、これらの端面を含む領域にパルスレーザーを照射しない場合とは異なる第一パターン及び第二パターンを形成することが可能となる。さらに、本方法によれば、下記のようなおそれを可及的に排除することができる。すなわち、第一基板の端面、又は第二基板の端面の付近に位置する光吸収層が加工された場合には、加工後の光吸収層が第一基板や第二基板を汚染するおそれがある。しかしながら、本方法によれば、レーザー光が第一基板の端面、又は第二基板の端面で反射したり、屈折したりすることで、これらの端面の付近に位置する光吸収層が加工され難くなる。これにより、第一基板や第二基板が汚染されるおそれを可及的に排除することが可能となる。
上記の方法では、重複照射スポットを一方向に長尺に形成することが好ましい。
このようにすれば、光吸収層に対して、重複照射スポットをその長尺方向と直交する方向に相対移動させることで、例えば、この重複照射スポットと同一な面積を有する円形の重複照射スポットを形成したような場合と比較して、光吸収層における所望の広さの領域を短時間で走査することができる。
上記の方法では、複数のパルスレーザーのパルス幅を500ns以下とすることが好ましい。
このようにすれば、パルス幅が十分に短いことで、第一基板及び第二基板における過度なエネルギーの吸収を防止でき、両基板の損傷を可及的に抑制することが可能となる。
また、上記の課題を解決するために創案された本発明に係るパターニング基板の製造方法は、第一基板と第二基板との両基板を、光吸収層を介して積層させることで積層体を作製する積層体作製工程と、両基板のうちの一方の基板に光を変調させる変調手段をパターン形成する変調手段形成工程と、変調手段をパターン形成済みの上記の一方の基板側から積層体に対して照射したパルスレーザーの照射スポットにより、光吸収層を走査するレーザー走査工程と、両基板を分離させることで、光吸収層の一部が、第一パターンとして第一基板に形成されてなる第一パターニング基板と、光吸収層の他の一部が、第一パターンに対となる第二パターンとして第二基板に形成されてなる第二パターニング基板との両パターニング基板を得る分離工程とを実行することに特徴付けられる。
このような方法によれば、積層体作製工程の実行により、光吸収層を介して第一基板と第二基板とが積層されて積層体が作製される。そして、レーザー走査工程の実行に伴って、変調手段をパターン形成済みの一方の基板側から照射したパルスレーザーの照射スポットにより積層体の光吸収層を走査すると、変調手段形成工程でパターン形成された変調手段のパターンに従って光吸収層が加工される。これにより、レーザー走査工程が完了すると、加工された光吸収層の一部が、変調手段のパターンに従った凹凸でなる第一パターンとして第一基板に形成される。さらに、加工された光吸収層の他の一部が、変調手段のパターンに従った凹凸でなり、且つ第一パターンに対となる第二パターンとして第二基板に形成される。そして、分離工程の実行に伴って、第一基板と第二基板とを分離させると、第一基板に第一パターンが形成されてなる第一パターニング基板と、第二基板に第二パターンが形成されてなる第二パターニング基板とが得られる。このように、本方法によれば、両パターニング基板を同時に得ることができるため、パターニング基板の製造効率を向上させることが可能である。なお、レーザー走査工程の実行中に、光吸収層において照射スポットにより走査された領域では、第一基板と第二基板とを分離させるような作用が生じ、両基板が剥離する。
上記の方法では、変調手段として、上記の一方の基板におけるパルスレーザーの入射面に付着させた付着物を用いると共に、レーザー走査工程の実行後に、付着物を上記の一方の基板から除去するようにしてもよい。
このようにすれば、レーザー走査工程の実行中には、付着物をパターンに従って光吸収層を加工するための変調手段として機能させることが可能である。また、レーザー走査工程の実行後には、付着物を一方の基板から除去するため、付着物の残存に起因して一方の基板の品質が低下するような事態の発生についても防止できる。
上記の方法では、レーザー走査工程の実行中に、パルスレーザーを、その光軸が積層体の主面に対して傾斜するように照射すると共に、第一基板の端面、又は第二基板の端面を含む領域に照射することが好ましい。
このようにすれば、上記のパターニング基板の製造方法に係る説明で、これに対応する構成について既に述べた事項と同一の作用・効果を得ることができる。
上記の方法では、照射スポットにより、光吸収層の全領域を走査することが好ましい。
このようにすれば、上記のパターニング基板の製造方法に係る説明で、これに対応する構成について既に述べた事項と同一の作用・効果を得ることができる。
上記の方法では、照射スポットを一方向に長尺となるように形成することが好ましい。
このようにすれば、上記のパターニング基板の製造方法に係る説明で、これに対応する構成について既に述べた事項と同一の作用・効果を得ることができる。
上記の方法では、パルスレーザーのパルス幅を500ns以下とすることが好ましい。
このようにすれば、上記のパターニング基板の製造方法に係る説明で、これに対応する構成について既に述べた事項と同一の作用・効果を得ることができる。
上記の方法では、第一基板及び第二基板としてガラス基板を用いると共に、光吸収層として両基板のいずれかに成膜された透明導電膜を用いてもよい。
このようにすれば、分離工程の実行によって得られる両パターニング基板を、液晶ディスプレイを構成するカラーフィルター基板用やTFT基板用のパターニング基板として好適に用いることができる。
上記のパターニング基板の製造方法の過程では、光吸収層でなる凹凸が第一パターンとして形成された第一パターニング基板と、光吸収層でなると共に第一パターンに対となる凹凸が第二パターンとして形成された第二パターニング基板とを備え、第一パターンの凹凸と第二パターンの凹凸とが噛み合った状態で両パターニング基板が積層された積層体を得ることが可能である。
また、上記のパターニング基板の製造方法の過程では、第一パターンの凹凸及び第二パターンの凹凸の各々が、これら凹凸の並びに沿って周期的に形成された積層体を得ることもできる。
さらに、上記のパターニング基板の製造方法の過程では、第一パターンの凹凸及び第二パターンの凹凸の周期のピッチが0.1μm〜40μmの範囲内である積層体を得ることもできる。
本発明に係るパターニング基板の製造方法によれば、第一パターニング基板と第二パターニング基板とを同時に得ることができるため、パターニング基板の製造効率を向上させることが可能である。
以下、本発明の実施形態に係るパターニング基板の製造方法及び積層体について、添付の図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1〜図4は、本発明の第一実施形態に係るパターニング基板の製造方法に含まれる各工程を示す図である。このパターニング基板の製造方法は、透明導電膜がパターン形成された基板を得るための方法である。この方法は、第一基板としての第一ガラス基板1と、これを支持する第二基板としての第二ガラス基板2とを、光吸収層としての透明導電膜3を介して積層させることで積層体4を作製する積層体作製工程(図1)と、第一パルスレーザー5の照射スポット5aと、第二パルスレーザー6の照射スポット6aとを重複させて形成した重複照射スポットSにより、積層体4の透明導電膜3を走査するレーザー走査工程(図2〜図4)とを含んでいる。
図1〜図4は、本発明の第一実施形態に係るパターニング基板の製造方法に含まれる各工程を示す図である。このパターニング基板の製造方法は、透明導電膜がパターン形成された基板を得るための方法である。この方法は、第一基板としての第一ガラス基板1と、これを支持する第二基板としての第二ガラス基板2とを、光吸収層としての透明導電膜3を介して積層させることで積層体4を作製する積層体作製工程(図1)と、第一パルスレーザー5の照射スポット5aと、第二パルスレーザー6の照射スポット6aとを重複させて形成した重複照射スポットSにより、積層体4の透明導電膜3を走査するレーザー走査工程(図2〜図4)とを含んでいる。
なお、本実施形態では、図1〜図4に示すように、第二ガラス基板2の厚みが第一ガラス基板1の厚みよりも大きくなっているが、これに限定されるものではない。本実施形態の変形例として、第二ガラス基板2よりも第一ガラス基板1の厚みを大きくしてもよいし、両ガラス基板1,2を同一な厚みとしてもよい。
図1に示す積層体作製工程では、はじめに、共に矩形に形成された第一ガラス基板1及び第二ガラス基板2の各々の積層面(透明導電膜3と接触する側の面)について、その表面粗さRaの値が2.0nm以下となるように平滑な面に仕上げる。このような値の表面粗さRaとするためには、例えば、下記の(1)〜(3)のいずれかの操作を実行すればよい。(1)オーバーフローダウンドロー法で成形したガラスリボンから切り出した未研磨のガラス板を第一ガラス基板1及び第二ガラス基板2として使用する。(2)第一ガラス基板1及び第二ガラス基板2にケミカルエッチングを施し、その際のエッチング液の濃度、液温度、処理時間の調整を行う。(3)第一ガラス基板1及び第二ガラス基板2に鏡面研磨や光学研磨を施す。
次に、第二ガラス基板2について、積層面の全面に透明導電膜3を均一な厚みで成膜する。透明導電膜3の成膜は、例えば、スパッタリング法等によって行えばよい。透明導電膜3の厚みとしては、1nm〜200nmとすることが好ましい。この透明導電膜3は、両ガラス基板1,2に比べて、波長が300nm〜5000nmの光に対する透過率が低い膜である。そして、透明導電膜3を成膜済の第二ガラス基板2上に第一ガラス基板1を積層させて積層体4を作製する。なお、透明導電膜3の具体例としては、ITO膜、ATO膜、AZO膜、GZO膜、IZO膜等を挙げることができる。以上により、積層体作製工程が完了する。
ここで、本実施形態の変形例として、透明導電膜3を第二ガラス基板2ではなく、第一ガラス基板1に成膜してもよい。さらに、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2との少なくとも一方に代えて、樹脂基板を第一基板、第二基板として使用してもよい。樹脂基板を構成する樹脂の一例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド等を挙げることができる。
図2〜図4に示すレーザー走査工程では、第一パルスレーザー5及び第二パルスレーザー6として、固体レーザー、LDレーザー、ディスクレーザー、ファイバーレーザー等を使用することができる。なお、両パルスレーザー5,6の強度分布については特に限定されるものではなく、ガウシアン、トップハット等であってよい。両パルスレーザー5,6の波長としては、300nm〜5000nmとすることが好ましい。また、パルス幅は、100fs〜1μsとすることが好ましく、0.3ps〜100nsとすることがより好ましい。さらに、周波数としては、0.5Hz〜10kHzとすることが好ましい。加えて、パルスエネルギーとしては、1mJ〜2Jとすることが好ましい。また、パルスエネルギーの尖頭値としては、5.0×106J/cm2・s〜1.0×1015J/cm2・sとすることが好ましい。なお、両パルスレーザー5,6は、透明導電膜3に集光させずにデフォーカスした状態で照射している(透明導電膜3を両パルスレーザー5,6の焦点位置としていない)。また、両パルスレーザー5,6の偏光は、直線偏光としている。
図2に示すように、第一パルスレーザー5は、発振源としてのレーザー発振器7から発振させた後、ミラー8で反射させることで透明導電膜3に対して第二ガラス基板2側から照射している。一方、第二パルスレーザー6は、積層体4を透過した第一パルスレーザー5を、積層体4に向かってミラー8(8a)で反射させることで発生させており、透明導電膜3に対して第一ガラス基板1側から照射している。つまり、第一パルスレーザー5と第二パルスレーザー6とは、同一のレーザー発振器7(発振源)から発振されている。そして、これら両パルスレーザー5,6を定点に照射しつつ積層体4を移動方向Mに移動させる。これにより、積層体4の移動に伴って移動中の透明導電膜3の先頭部3aから最後部(図示省略)までの全領域を、重複照射スポットSで順次に走査していく。積層体4を透過した第二パルスレーザー6は、ビームダンパー9に吸収させている。
ここで、本実施形態の変形例として、両パルスレーザー5,6を共に第一ガラス基板1側、或いは、第二ガラス基板2側から透明導電膜3に対して照射するようにしてもよい。また、両パルスレーザー5,6は、異なるレーザー発振器(発振源)から発振させてもよい。さらに、両パルスレーザー5,6の二つのレーザーのみでなく、より多数のパルスレーザーによって重複照射スポットSを形成してもよい。一例を挙げると、両パルスレーザー5,6に加えて、第三パルスレーザーを透明導電膜3に対して照射する場合には、積層体4を透過した第二パルスレーザー6を、ミラーで反射させることで透明導電膜3に対して第二ガラス基板2側から照射する態様としてもよい。また、本実施形態の変形例として、積層体4を定点に固定した状態で、重複照射スポットSを移動させて透明導電膜3を走査するようにしてもよいし、積層体4と重複照射スポットSとの双方を移動させて透明導電膜3を走査するようにしてもよい。
第一パルスレーザー5の光軸5bと、第二パルスレーザー6の光軸6bとでは、第一ガラス基板1の主面1a(積層体4の主面)に対する傾斜角度を異ならせている。光軸5bは第一ガラス基板1の主面1aに対して垂直であり、光軸6bは主面1aに対して角度θ1だけ傾斜している。これにより、光軸5bと光軸6bとが角度θ2(ただし,0°<θ2≦90°とし、両光軸5b,6bのなす角度のうち小さい方をθ2とする)をなして交差している。この角度θ2の大小を調節することで、後述の第一パターン3b及び第二パターン3cの形成パターンを変更することが可能である(詳細は後述する)。
ここで、本実施形態の変形例として、両パルスレーザー5,6の偏光を、円偏光、楕円偏光、ラジアル偏光、アジマス偏光等としてもよい。このようにすれば、後述の第一パターン3b及び第二パターン3cの形成パターンを、直線偏光の場合とは異なった形成パターンとすることができる。また、本実施形態の変形例として、光軸6bのみでなく、光軸5bについても第一ガラス基板1の主面1aに対して傾斜するように、第一パルスレーザー5を照射してもよい。
図3(同図では透明導電膜3を透過した両パルスレーザー5,6の光の図示を省略している)に示すように、第一パルスレーザー5の照射スポット5a、及び第二パルスレーザー6の照射スポット6aは、共に透明導電膜3上で矩形に形成している。そして、両照射スポット5a,6aの一部を重複させることで、積層体4の移動方向Mに直交する幅方向に長尺な矩形の重複照射スポットSを透明導電膜3上に形成している。この重複照射スポットSは、透明導電膜3の全幅に亘って形成しており、透明導電膜3に対して相対的に移動方向Mとは逆向きに移動しながら全幅を走査していく。なお、両パルスレーザー5,6の各照射スポット5a,6aの面積は、相互に等しい面積であってもよいし、異なる面積であってもよいが、各面積は10mm2〜10000mm2の範囲内とすることが好ましい。さらに、重複照射スポットSの面積は、各照射スポット5a,6aの面積のうち、小さい方の10%〜99.9%の面積とすることが好ましい。
ここで、本実施形態の変形例として、円形や楕円形の重複照射スポットSを透明導電膜3上に形成してもよいし、ライン状とした重複照射スポットSを透明導電膜3上に形成してもよい。また、第一パルスレーザー5の照射スポット5aと、第二パルスレーザー6の照射スポット6aとを一部のみでなく、完全に重複(両照射スポット5a,6aの外周輪郭同士が重なった状態)させることで重複照射スポットSを形成してもよい。さらに、重複照射スポットSは、透明導電膜3の全幅に対して幅が狭くなるように形成してもよく、この重複照射スポットSによって透明導電膜3の全領域ではなく、一部の領域のみを走査するようにしてもよい。この場合、後述の第一パターン3b及び第二パターン3cが、それぞれ第一ガラス基板1上及び第二ガラス基板2上で一部の領域にのみ形成される。また、透明導電膜3の全領域を走査する場合に、全領域を複数の区画に分割すると共に、分割された各区画の走査をそれぞれ完了させることで全領域を走査するようにしてもよい。
重複照射スポットSによって透明導電膜3を走査すると、図4に示すように、走査中の領域で両パルスレーザー5,6が干渉し、その干渉パターンに従って透明導電膜3が加工される。詳細には、透明導電膜3の一部が、干渉パターンに従った周期的な凹凸でなる第一パターン3bとして第一ガラス基板1に形成されていく。また、透明導電膜3の他の一部が、干渉パターンに従った周期的な凹凸でなり、且つ第一パターン3bに対となる第二パターン3cとして第二ガラス基板2に形成されていく。第一パターン3b及び第二パターン3cにおける凹凸の周期のピッチは、上記の角度θ2の大小によって調節することができる。
ここで、第一パターン3b及び第二パターン3cにおける凹凸の周期のピッチが決定される過程について詳述する。図5(a)〜(c)において、相互に平行に描かれた線5x(線6x)は、第一パルスレーザー5(第二パルスレーザー6)の波の山を表している。つまり、隣り合う線5x同士(線6x同士)の距離は、第一パルスレーザー5(第二パルスレーザー6)のガラス内での波長に等しくなる。また、これらの図において、点Xは、第一パルスレーザー5の波の山と、第二パルスレーザー6の波の山とが重なる位置を表している。そして、隣り合う点X同士の距離が、凹凸の周期のピッチとなる。以上のことから、凹凸の周期のピッチをd、真空中での第一パルスレーザー5及び第二パルスレーザー6の波長をλ、ガラスの屈折率をnとすると、d=λ/(n・sinθ2)の関係が成立する。これにより、図5(b)と図5(c)とに対比して示すように、角度θ2が小さいほど、凹凸の周期のピッチdが大きくなり、角度θ2が大きいほど、凹凸の周期のピッチdが小さくなる。
また、レーザー走査工程の実行中に、透明導電膜3において重複照射スポットSにより走査された領域では、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とを分離させるような作用が生じ、両ガラス基板1,2が剥離する。このようにして、重複照射スポットSによる透明導電膜3の全領域の走査を終えれば、レーザー走査工程が完了する。
なお、重複照射スポットSが透明導電膜3の先頭部3aに形成された際においては、図4に矢印5cで示すように、第一パルスレーザー5の光の一部が、第一ガラス基板1の端面1bで反射し、この反射光が透明導電膜3に照射される。なお、ここでは第一パルスレーザー5の光の一部を第一ガラス基板1の端面1bで反射させているが、光の一部を端面1bで屈折させることもできる。一例を挙げると、第一パルスレーザー5の光軸5bを、第一ガラス基板1の主面1aに対して本実施形態とは逆向きに傾斜させれば、重複照射スポットSが透明導電膜3の先頭部3aに形成された際に、光の一部が端面1bで屈折し、この屈折光が透明導電膜3に照射される。また、同様にして、第二パルスレーザー6の光軸6bを、第一ガラス基板1の主面1aに対して傾斜させれば、重複照射スポットSが透明導電膜3の先頭部3aに形成された際に、第二パルスレーザー6の光の一部を第二ガラス基板2の端面2bで反射させたり、屈折させたりすることが可能である。
レーザー走査工程が完了すると、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とが完全に剥離した状態となる。詳述すると、レーザー走査工程の実行時に、重複照射スポットSによって透明導電膜3の全領域を走査しているため、全領域に第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とを分離させるような作用が生じ、両ガラス基板1,2が完全に剥離する。すなわち、本実施形態では、レーザー走査工程の完了に伴って、両ガラス基板1,2を分離させる分離工程までもが完了する。
また、レーザー走査工程が完了すると、図6に示すように、第一ガラス基板1に第一パターン3b(透明導電膜)が形成されてなる第一パターニング基板10と、第二ガラス基板2に第二パターン3c(透明導電膜)が形成されてなる第二パターニング基板11とを備え、第一パターン3bの凹凸と第二パターン3cの凹凸とが噛み合った状態で両パターニング基板10,11が積層された積層体12が作製される。この積層体12では、第一パターン3bの凹凸、及び第二パターン3cの凹凸の周期のピッチP1(図5(a)〜(c)におけるdに相当)が、0.1μm〜40μmの範囲内となっている。
なお、上述のように、本実施形態の変形例として、重複照射スポットSによって透明導電膜3の一部の領域のみを走査した場合には、レーザー走査工程の完了後においても、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とが部分的に剥離しているだけで、両ガラス基板1,2が透明導電膜3を介して密着した状態の箇所が残存している。この場合には、例えば、吸着パッド等の剥離手段を用いて第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とを剥離させ、分離させることにより、レーザー走査工程とは別途に分離工程を実行する。
以上に説明した第一実施形態に係るパターニング基板の製造方法によれば、第一パターニング基板と第二パターニング基板との両パターニング基板を同時に得ることができるため、パターニング基板の製造効率を向上させることが可能である。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態に係るパターニング基板の製造方法について説明する。なお、この第二実施形態の説明において、上記の第一実施形態で既に説明済みの事項については、第二実施形態の説明で参照する図面に同一の符号を付すことで重複する説明を省略し、第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
以下、本発明の第二実施形態に係るパターニング基板の製造方法について説明する。なお、この第二実施形態の説明において、上記の第一実施形態で既に説明済みの事項については、第二実施形態の説明で参照する図面に同一の符号を付すことで重複する説明を省略し、第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
図7に示すように、第二実施形態に係るパターニング基板の製造方法が、上記の第一実施形態に係るパターニング基板の製造方法と相違している主な点は、積層体作製工程の実行後で、且つレーザー走査工程の実行前に、光を変調させる手段としてのパーティクル13を第一ガラス基板1にパターン形成する変調手段形成工程を実行する点と、レーザー走査工程において、単一のパルスレーザー14の照射スポット14aによって透明導電膜3を走査する点である。
変調手段形成工程では、後に実行するレーザー走査工程でパルスレーザー14が第一ガラス基板1に入射する面となる入射面1a(主面1a)に対し、パーティクル13を付着物として付着させることにより、当該パーティクル13によってパターンを形成する。このパーティクル13でなるパターンは周期的に形成しており、その周期のピッチP2は0.1μm〜40μmの範囲内としている。
ここで、本実施形態の変形例として、変調手段形成工程は、積層体作製工程の前に実行してもよい。また、パーティクル13を第一ガラス基板1の主面1aではなく、第二ガラス基板2の主面2aに付着させてパターンを形成してもよい。この場合、後に実行するレーザー走査工程では、第二ガラス基板2の主面2aをパルスレーザー14の入射面とする。パーティクル13でなるパターンは、例えば、自己組織化による配置を行ってもよい。さらに、パーティクル13でなるパターンは、周期的に形成しなくともよく、任意のパターンとして形成してよい。加えて、パーティクル13に代えて、インプリント、インクジェットにより堆積させた樹脂等を付着物として用いてもよい。
レーザー走査工程では、上記の第一実施形態における第一パルスレーザー5及び第二パルスレーザー6と同様のレーザーをパルスレーザー14として使用することができる。そして、レーザー走査工程においては、パーティクル13をパターン形成済みの第一ガラス基板1側から積層体4に対して照射したパルスレーザー14の照射スポット14aにより、透明導電膜3を走査する。照射スポット14aによる透明導電膜3の走査の態様は、上記の第一実施形態において重複照射スポットSによって透明導電膜3を走査する態様と同様である。また、重複照射スポットSにより透明導電膜3を走査する場合と同様の変形例を適用することが可能である。なお、本実施形態では、パルスレーザー14の光軸14bは、第一ガラス基板1の主面1aに対して垂直としているが、本実施形態の変形例として、パルスレーザー14の光軸14bが、主面1aに対して傾斜するように、パルスレーザー14を照射してもよい。
照射スポット14aによって透明導電膜3を走査すると、変調手段形成工程でパターン形成されたパーティクル13のパターンに従って透明導電膜3が加工される。詳細には、透明導電膜3の一部が、パーティクル13のパターンに従った凹凸でなる第一パターン3bとして第一ガラス基板1に形成されていく。また、透明導電膜3の他の一部が、パーティクル13のパターンに従った凹凸でなり、且つ第一パターン3bに対となる第二パターン3cとして第二ガラス基板2に形成されていく。なお、レーザー走査工程の実行中に、透明導電膜3において照射スポット14aにより走査された領域では、第一ガラス基板1と第二ガラス基板2とを分離させるような作用が生じ、両ガラス基板1,2が剥離する。レーザー走査工程が完了すると、パーティクル13を拭き取る等して、当該パーティクル13を第一ガラス基板1から除去する。
また、レーザー走査工程が完了すると、第一ガラス基板1に第一パターン3bが形成されてなる第一パターニング基板と、第二ガラス基板2に第二パターン3cが形成されてなる第二パターニング基板とを備え、第一パターン3bの凹凸と第二パターン3cの凹凸とが噛み合った状態で両パターニング基板が積層された積層体が作製される。この積層体では、第一パターン3bの凹凸、及び第二パターン3cの凹凸の周期のピッチが、0.1μm〜40μmの範囲内となっている。
以上に説明した第二実施形態に係るパターニング基板の製造方法によっても、上記の第一実施形態に係るパターニング基板の製造方法と同様の作用・効果を得ることができる。
ここで、本発明に係るパターニング基板の製造方法は、上記の実施形態で説明した態様に限定されるものではない。例えば、上記の第二実施形態においては、光を変調させる変調手段として、パターン形成したパーティクルを用いているが、この限りではない。図8に示すように、第一ガラス基板1におけるパルスレーザー14の入射面1a(主面1a)に形成した窪み部1cを変調手段として用いてもよい。この窪み部1cは、例えば、入射面1a(主面1a)に微細な傷を付けることで形成することができる。また、図9に示すように、第一ガラス基板1の内部に形成した加工痕1dを変調手段として用いてもよい。この加工痕1dは、例えば、第一ガラス基板1の内部にレーザーを集光させることで形成することが可能である。これらの他、第一ガラス基板に形成された孔(貫通孔、非貫通孔のいずれであってもよい)等を変調手段として用いることも可能である。
1 第一ガラス基板
1a 主面(入射面)
1b 端面
1c 窪み部
1d 加工痕
2 第二ガラス基板
2a 主面
2b 端面
3 透明導電膜
3a 先頭部
3b 第一パターン
3c 第二パターン
4 積層体
5 第一パルスレーザー
5a 照射スポット
5b 光軸
6 第二パルスレーザー
6a 照射スポット
6b 光軸
10 第一パターニング基板
11 第二パターニング基板
12 積層体
13 パーティクル
14 パルスレーザー
14a 照射スポット
14b 光軸
S 重複照射スポット
P1 ピッチ
P2 ピッチ
θ1 角度
θ2 角度
1a 主面(入射面)
1b 端面
1c 窪み部
1d 加工痕
2 第二ガラス基板
2a 主面
2b 端面
3 透明導電膜
3a 先頭部
3b 第一パターン
3c 第二パターン
4 積層体
5 第一パルスレーザー
5a 照射スポット
5b 光軸
6 第二パルスレーザー
6a 照射スポット
6b 光軸
10 第一パターニング基板
11 第二パターニング基板
12 積層体
13 パーティクル
14 パルスレーザー
14a 照射スポット
14b 光軸
S 重複照射スポット
P1 ピッチ
P2 ピッチ
θ1 角度
θ2 角度
Claims (18)
- 第一基板と第二基板との両基板を、光吸収層を介して積層させることで積層体を作製する積層体作製工程と、
複数のパルスレーザーの照射スポットを重複させた重複照射スポットにより、前記積層体における前記光吸収層を走査するレーザー走査工程と、
両基板を分離させることで、前記光吸収層の一部が、第一パターンとして前記第一基板に形成されてなる第一パターニング基板と、前記光吸収層の他の一部が、前記第一パターンに対となる第二パターンとして前記第二基板に形成されてなる第二パターニング基板との両パターニング基板を得る分離工程とを実行することを特徴とするパターニング基板の製造方法。 - 前記重複照射スポットにより、前記光吸収層の全領域を走査することを特徴とする請求項1に記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記複数のパルスレーザーの光軸の相互間で、前記積層体の主面に対する傾斜角度を異ならせることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記複数のパルスレーザーを同一の発振源から発振させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記複数のパルスレーザーが、前記光吸収層に対して前記第一基板側から照射される第一パルスレーザーと、前記第二基板側から照射される第二パルスレーザーとを含み、
両パルスレーザーのうち、一方のパルスレーザーを、前記積層体を透過した他方のパルスレーザーを該積層体に向かって反射させることで発生させると共に、該他方のパルスレーザーのパルス幅を0.3ps以上とすることを特徴とする請求項4に記載のパターニング基板の製造方法。 - 前記レーザー走査工程の実行中に、前記複数のパルスレーザーの少なくとも一つを、その光軸が前記積層体の主面に対して傾斜するように照射すると共に、前記第一基板の端面、又は前記第二基板の端面を含む領域に照射することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記重複照射スポットを一方向に長尺に形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記複数のパルスレーザーのパルス幅を500ns以下とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 第一基板と第二基板との両基板を、光吸収層を介して積層させることで積層体を作製する積層体作製工程と、
両基板のうちの一方の基板に光を変調させる変調手段をパターン形成する変調手段形成工程と、
前記変調手段をパターン形成済みの前記一方の基板側から前記積層体に対して照射したパルスレーザーの照射スポットにより、前記光吸収層を走査するレーザー走査工程と、
両基板を分離させることで、前記光吸収層の一部が、第一パターンとして前記第一基板に形成されてなる第一パターニング基板と、前記光吸収層の他の一部が、前記第一パターンに対となる第二パターンとして前記第二基板に形成されてなる第二パターニング基板との両パターニング基板を得る分離工程とを実行することを特徴とするパターニング基板の製造方法。 - 前記変調手段として、前記一方の基板における前記パルスレーザーの入射面に付着させた付着物を用いると共に、前記レーザー走査工程の実行後に、前記付着物を前記一方の基板から除去することを特徴とする請求項9に記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記レーザー走査工程の実行中に、前記パルスレーザーを、その光軸が前記積層体の主面に対して傾斜するように照射すると共に、前記第一基板の端面、又は前記第二基板の端面を含む領域に照射することを特徴とする請求項9又は10に記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記照射スポットにより、前記光吸収層の全領域を走査することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記照射スポットを一方向に長尺となるように形成することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記パルスレーザーのパルス幅を500ns以下とすることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 前記第一基板及び前記第二基板としてガラス基板を用いると共に、前記光吸収層として両基板のいずれかに成膜された透明導電膜を用いることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のパターニング基板の製造方法。
- 光吸収層でなる凹凸が第一パターンとして形成された第一パターニング基板と、光吸収層でなると共に前記第一パターンに対となる凹凸が第二パターンとして形成された第二パターニング基板とを備え、前記第一パターンの凹凸と前記第二パターンの凹凸とが噛み合った状態で両パターニング基板が積層されていることを特徴とする積層体。
- 前記第一パターンの凹凸及び前記第二パターンの凹凸の各々が、これら凹凸の並びに沿って周期的に形成されていることを特徴とする請求項16に記載の積層体。
- 前記第一パターンの凹凸及び前記第二パターンの凹凸の周期のピッチが0.1μm〜40μmの範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の積層体。
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