[1.超音波流量計の概要]
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態の超音波流量計は、燃料ガス(例えば、都市ガスやLPガス等である。)の流量を計測する燃料ガスメータである。図1に表すように、本実施形態の超音波流量計1は、メータ筐体100、流量計測ユニット200、及びカバー300等を備えている。
[2.超音波流量計を構成するメータ筐体の形態]
図1や図2に表すように、メータ筐体100は、略直方体状に形成されたものであり、中央空間部102、入口バッファ部104、及び出口バッファ部106が、それぞれメータ筐体100の内部に空洞を有して設けられている。さらに、中央空間部102の開口108、入口バッファ部104の開口110、及び出口バッファ部106の開口112が、メータ筐体100の一側面114に設けられている。
メータ筐体100は、その一側面114に対して図2視の上側で直交して隣り合う他側面116を有している。他側面116の両端には、入口用接続金具118と出口用接続金具120が突出して設けられている。入口用接続金具118には、入口開口部118Aが、後述する円形開口部122まで貫いて設けられている。出口用接続金具120には、出口開口部120Aが出口バッファ部106まで貫いて設けられている。本実施形態の超音波流量計1では、被計測流体である燃料ガスが、入口用接続金具118の入口開口部118Aを介して供給され、出口用接続金具120の出口開口部120Aを介して排出される。
入口バッファ部104では、それを形成する奥側内壁に円形開口部122が開口されて設けられている。円形開口部122を介して、入口用接続金具118の入口開口部118Aは入口バッファ部104に通し連なっている。出口用接続金具120の出口開口部120Aは、出口バッファ部106まで貫かれて設けられることにより、出口バッファ部106に通し連なっている。
メータ筐体100内には、その長手方向両端部からほぼ等しい距離の位置に、中央空間部102の図2視の左右の内壁、すなわち、入口バッファ部104との間及び出口バッファ部106との間に、それぞれ第1仕切壁124と第2仕切壁126が互いに平行となるように設けられている。さらに、第1仕切壁124及び第2仕切壁126は、それらを図2視で上方向に延長すると、メータ筐体100の他側面116に対して直角に交わるように設けられている。つまり、第1仕切壁124及び第2仕切壁126は、図2視で上下方向(メータ筐体100の他側面116に直交する方向)に設けられている。第1仕切壁124と第2仕切壁126の間隔は、中央空間部102の幅B1に相当する。
中央空間部102の図2視の上下内壁は、第1仕切壁124及び第2仕切壁126に直交する、それぞれ第1内壁面128及び第2内壁面130である。つまり、第1内壁面128及び第2内壁面130は、互いに平行であり、さらに、メータ筐体100の他側面116に対し平行に設けられている。
メータ筐体100内では、第1仕切壁124及び第2仕切壁126において、流量計測ユニット200を嵌装させることが可能な一対の取付凹部132,134が設けられている。
各取付凹部132,134において、図2視の上側の各端面132A,134Aは、メータ筐体100の他側面116に対して平行な同一平面上に設けられており、中央空間部102の第1内壁面128から第1距離M1の離間距離に離れるように設けられている。さらに、図2視の下側の各端面132B,134Bは、メータ筐体100の他側面116に対して平行な同一平面上に設けられており、中央空間部102の第2内壁面130から第2距離M2の離間距離に離れるように設けられている。
尚、本実施形態では、第1距離M1と第2距離M2は等しい。
また、各取付凹部132,134において、図2視の奥側の各端面132C,134Cは、メータ筐体100の他側面116に対して直交する同一平面上に設けられている。つまり、図2視の奥側の各端面132C,134Cは、図2視の上側の各端面132A,134A及び図2視の下側の各端面132B,134Bと直交している。
従って、各取付凹部132,134では、図2視の上側の各端面132A,134A、図2視の奥側の各端面132C,134C、及び図2視の下側の各端面132B,134Bにより、流量計測ユニット200を嵌装するためのコ字状切欠が形成されている(図1参照)。
[3.超音波流量計を構成する流量計測ユニットの形態]
図1に表すように、流量計測ユニット200は、計測流路部202及び回路ケース204等を備えている。計測流路部202は、略角筒状に形成されており、その長手方向に直交する断面(つまり、外周)が矩形状である。計測流路部202の両端には、入口部206及び出口部208が設けられている。計測流路部202内では、入口部206から出口部208に向かって、被計測流体である燃料ガスが流れる。
計測流路部202では、その長手方向の中央部において、回路ケース204が固定されている。回路ケース204は、略直方体状に形成されている。
計測流路部202の回路ケース204より入口部206側の外方には、互いに対向した一対のリブ210が計測流路部202の外周に渡って設けられている。一対のリブ210によって、計測流路部202の外周には、矩形状溝部212が形成されている。同様にして、計測流路部202の回路ケース204より出口部208側の外方には、互いに対向した一対のリブ214が計測流路部202の外周に渡って設けられている。一対のリブ214によって、計測流路部202の外周には、矩形状溝部216が形成されている。
図3に表すように、計測流路部202は、回路ケース204が固定された第1側面202Aと、その第1側面202Aに対向する第2側面202Bを有する。回路ケース204は、一側面204Aを有する。その一側面204Aは、計測流路部202に対向する面とは反対側の面であり、回路ケース204の高さを決める面である。従って、回路ケース204の一側面204Aは、計測流路部202の第1側面202A及び第2側面202Bと平行にある。特に、回路ケース204の一側面204Aは、所定距離を置いて、計測流路部202の第1側面202Aと平行にある。つまり、回路ケース204は、計測流路部202の第1側面202Aに対して、所定距離に相当する高さHで設けられている。
上述した第1距離M1及び第2距離M2(図2参照)は、高さHより長く設けられている。つまり、メータ筐体100の各取付凹部132,134の各端面132A,134Aから中央空間部102の第1内壁面128までの第1距離M1は、高さHより長い。同様に、メータ筐体100の各取付凹部132,134の各端面132B,134Bから中央空間部102の第2内壁面130までの第2距離M2は、高さHより長い。
回路ケース204内には、一対の超音波振動子218A,218Bが設けられている。一対の超音波振動子218A,218Bは、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスの流れ方向に沿って設けられることにより、超音波が第2側面202Bの内壁で反射されるV字型の超音波の伝搬経路222を計測流路部202の流路220内に形成する。
さらに、回路ケース204内には、回路基板224が設けられている。回路基板224には、一対の超音波振動子218A,218Bを電気的に接続した計測回路224Aが形成されている。このような回路構成により、流量計測ユニット200では、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスの流速が一対の超音波振動子218A,218Bで測定され、その測定値に基づいて、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスの流量が計測される。
但し、本実施形態の超音波流量計1では、一対の超音波振動子218A,218Bが内蔵された回路ケース204を、計測流路部202の第1側面202A、つまり、計測流路部202より鉛直方向Dの上側D1に位置させた状態を確保して、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスの流量が計測される。ちなみに、符号D2は、鉛直方向Dの下側を示している。
また、回路ケース204は、その長手方向の長さに相当する幅B2を有する。回路ケース204の幅B2は、メータ筐体100が有する中央空間部102の幅B1(図2参照)より小さい。
尚、計測流路部202の流路220内には、複数枚の分流板226が、計測流路部202の長手方向に対して平行に立設して、計測流路部202の図3視の奥行方向に略等間隔で設けられている。すなわち、各分流板226は、一対の超音波振動子218A,218B間の超音波の伝搬経路222を含む面と平行になるように設けられている。このような構造にある各分流板226によって、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスに対し、その流れ方向を安定化させることが可能となる。
[4.接続金具上向きのメータ筐体に対する流量計測ユニットの取付]
図1、図4、及び図5に表すメータ筐体100は、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの上側D1に位置する態様にある。以下、このような態様にあるメータ筐体100を「接続金具上向きのメータ筐体」と称する。
接続金具上向きのメータ筐体100では、流量計測ユニット200が取り付けられる。そのためには、流量計測ユニット200の計測流路部202の各矩形状溝部212,216にOリング(不図示)が嵌め込まれ、そのOリング(不図示)が嵌め込まれた計測流路部202の各部分が、接続金具上向きのメータ筐体100の一側面114から各取付凹部132,134に嵌め込まれる。
つまり、メータ筐体100が有する第1仕切壁124の取付凹部132には、Oリング(不図示)が嵌め込まれた流量計測ユニット200の矩形状溝部212が嵌め込まれる。これに対して、メータ筐体100が有する第2仕切壁126の取付凹部134には、Oリング(不図示)が嵌め込まれた流量計測ユニット200の矩形状溝部216が嵌め込まれる。
これにより、接続金具上向きのメータ筐体100では、流量計測ユニット200の計測流路部202が第1仕切壁124及び第2仕切壁126に嵌装され、流量計測ユニット200が取り付けられる。
さらに、メータ筐体100の中央空間部102や、各取付凹部132,134、流量計測ユニット200の計測流路部202、回路ケース204等が有する形状・位置・寸法等の構造的関係から、以下の各配置が実現される。
流量計測ユニット200の計測流路部202は、接続金具上向きのメータ筐体100の入口バッファ部104、中央空間部102、及び出口バッファ部106に渡って存在し、メータ筐体100の他側面116に対し平行に配置される。従って、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202Aは、メータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128に対向する。さらに、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第2側面202Bは、メータ筐体100が有する中央空間部102の第2内壁面130に対向する。
流量計測ユニット200が有する回路ケース204の一側面204Aは、接続金具上向きのメータ筐体100の中央空間部102内でメータ筐体100の他側面116に対し平行に配置される。
また、接続金具上向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられると、以下の長さ関係がある。つまり、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202Aからメータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128までの第1距離L1(図5参照)は、上述した第1距離M1(図2参照)に略等しく、上述した高さH(図3参照)より長い。従って、接続金具上向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられる際には、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202Aからメータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128までの間にて、流量計測ユニット200の回路ケース204を収納させることが可能である。
よって、図1、図4、及び図5に表すようにして、流量計測ユニット200は、計測流路部202の第1側面202Aより回路ケース204が鉛直方向Dの上側D1に位置させた状態を確保されながら、接続金具上向きのメータ筐体100に対して取り付けられる。
ちなみに、接続金具上向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられた際には、以下の長さ関係もある。つまり、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第2側面202Bからメータ筐体100が有する中央空間部102の第2内壁面130までの第2距離L2(図5参照)は、上述した第2距離M2(図2参照)に略等しく、上述した高さH(図3参照)より長い。
[5.超音波流量計を構成するカバーの形態と取付]
カバー300には、図6及び図7に表すように、第1開口凹部302、第2開口凹部304、及び第3開口凹部306がそれぞれ設けられている。
第1開口凹部302は、その開口308が中央空間部102の開口108と同一になるように形成されている。第2開口凹部304は、その開口310が入口バッファ部104の開口110と同一になるように形成されている。第3開口凹部306は、その開口312が出口バッファ部106の開口112と同一になるように形成されている。第1開口凹部302の開口308、第2開口凹部304の開口310、及び第3開口凹部306の開口312は、カバー300の背面314に設けられている。
カバー300がメータ筐体100に取り付けられる際は、カバー300の背面314がパッキン(不図示)を介してメータ筐体100の一側面114に突き合わされた状態で、カバー300がメータ筐体100の一側面114にネジ止めで固定される。
このとき、カバー300が有する第1開口凹部302の開口308は、メータ筐体100が有する中央空間部102の開口108に重ね合わされる。カバー300が有する第2開口凹部304の開口310は、メータ筐体100が有する入口バッファ部104の開口110に重ね合わされる。カバー300が有する第3開口凹部306の開口312は、メータ筐体100が有する出口バッファ部106の開口112に重ね合わされる。
これにより、入口バッファ部104は、流量計測ユニット200の計測流路部202の入口部206が存在した状態で気密に保持される。中央空間部102は、流量計測ユニット200の計測流路部202及び計測流路部202に取り付けられた回路ケース204が存在した状態で気密に保持される。出口バッファ部106は、流量計測ユニット200の計測流路部202の出口部208が存在した状態で気密に保持される。
従って、入口バッファ部104及び出口バッファ部106は、流量計測ユニット200の計測流路部202の流路220を介して連通される。そのため、被計測流体の燃料ガスは、入口用接続金具118の入口開口部118Aを介して入口バッファ部104に供給されると、流量計測ユニット200の計測流路部202の流路220内を流れ、出口バッファ部106を介して出口用接続金具120の出口開口部120Aから排出される。
これにより、流量計測ユニット200では、計測流路部202の流路220より鉛直方向Dの上側D1に位置させた一対の超音波振動子218A,218Bによって、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスの流速が測定され、その測定値に基づいて、計測流路部202の流路220内を流れる燃料ガスの流量が計測されることが可能となる。
また、カバー300がメータ筐体100に取り付けられた際は、カバー300の第1開口凹部302内には、流量計測ユニット200の回路ケース204の一部が収められる。カバー300の第2開口凹部304内には、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の入口部206の一部が収められる。カバー300の第3開口凹部306内には、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の出口部208の一部が収められる。
[6.接続金具下向きのメータ筐体に対する流量計測ユニットの取付]
図8乃至図10に表すメータ筐体100は、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの下側D2に位置する態様にある。以下、このような態様にあるメータ筐体100を「接続金具下向きのメータ筐体」と称する。
ちなみに、「接続金具下向きのメータ筐体」は、上述した「接続金具上向きのメータ筐体」を鉛直方向Dで上下に反転させたものである。
接続金具下向きのメータ筐体100では、流量計測ユニット200が取り付けられる。そのためには、流量計測ユニット200の計測流路部202の各矩形状溝部212,216にOリング(不図示)が嵌め込まれ、そのOリング(不図示)が嵌め込まれた計測流路部202の各部分が、接続金具下向きのメータ筐体100の一側面114から各取付凹部132,134に嵌め込まれる。
つまり、メータ筐体100が有する第1仕切壁124の取付凹部132には、Oリング(不図示)が嵌め込まれた流量計測ユニット200の矩形状溝部212が嵌め込まれる。これに対して、メータ筐体100が有する第2仕切壁126の取付凹部134には、Oリング(不図示)が嵌め込まれた流量計測ユニット200の矩形状溝部216が嵌め込まれる。
これにより、接続金具下向きのメータ筐体100では、流量計測ユニット200の計測流路部202が第1仕切壁124及び第2仕切壁126に嵌装され、流量計測ユニット200が取り付けられる。
さらに、メータ筐体100の中央空間部102や、各取付凹部132,134、流量計測ユニット200の計測流路部202、回路ケース204等が有する形状・位置・寸法等の構造的関係から、以下の各配置が実現される。
流量計測ユニット200の計測流路部202は、接続金具下向きのメータ筐体100の入口バッファ部104、中央空間部102、及び出口バッファ部106に渡って存在し、メータ筐体100の他側面116に対し平行に配置される。従って、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202Aは、メータ筐体100が有する中央空間部102の第2内壁面130に対向する。さらに、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第2側面202Bは、メータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128に対向する。
流量計測ユニット200が有する回路ケース204の一側面204Aは、接続金具下向きのメータ筐体100の中央空間部102内でメータ筐体100の他側面116に対し平行に配置される。
また、接続金具下向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられると、以下の長さ関係がある。つまり、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202Aからメータ筐体100が有する中央空間部102の第2内壁面130までの第3距離L3(図10参照)は、上述した第2距離M2(図2参照)に略等しく、上述した高さH(図3参照)より長い。従って、接続金具下向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられる際には、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202Aからメータ筐体100が有する中央空間部102の第2内壁面130までの間にて、流量計測ユニット200の回路ケース204を収納させることが可能である。
よって、図8乃至図10に表すようにして、流量計測ユニット200は、計測流路部202の第1側面202Aより回路ケース204が鉛直方向Dの上側D1に位置させた状態を確保されながら、接続金具下向きのメータ筐体100に対して取り付けられる。
ちなみに、接続金具下向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられた際には、以下の長さ関係もある。つまり、流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第2側面202Bからメータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128までの第4距離L4(図10参照)は、上述した第1距離M1(図2参照)に略等しく、上述した高さH(図3参照)より長い。
このようにして、接続金具下向きのメータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられると、上述したようにして、接続金具下向きのメータ筐体100の一側面114にカバー300が固定される。
但し、接続金具下向きのメータ筐体100の一側面114にカバー300が固定される際は、接続金具上向きのメータ筐体100の一側面114にカバー300が固定される際と比べて、カバー300が鉛直方向Dで上下して反転される。
[7.まとめ]
以上より、本実施形態の超音波流量計1は、メータ筐体100の中央空間部102に収納される計測流路部202と回路ケース204を使用して、被計測流体である燃料ガスの流速を計測する。略角筒状の計測流路部202には、流速を計測するために燃料ガスが導入される。回路ケース204では、一対の超音波振動子218A,218Bの超音波による計測処理が行われる。さらに、使用状態において、計測流路部202の鉛直方向Dの上側D1に位置する計測流路部202の第1側面202Aに回路ケース204が取り付けられる。
計測流路部202が収納された状態にあるメータ筐体100の中央空間部102では、計測流路部202の第1側面202Aからその第1側面202Aに対向する中央空間部102の第1内壁面128までの第1距離L1が、計測流路部202の第1側面202Aから回路ケース204で最も高い位置にある一側面204Aまでの高さHより長い(図5参照)。従って、計測流路部202の第1側面202Aからその第1側面202Aに対向する中央空間部102の第1内壁面128までの間に、計測流路部202の第1側面202Aに取り付けられた回路ケース204を収納させることができる(図5参照)。
さらに、計測流路部202が収納された状態にあるメータ筐体100の中央空間部102では、計測流路部202の第1側面202Aに対向する第2側面202Bからその第2側面202Bに対向する中央空間部102の第2内壁面130までの第2距離L2が、計測流路部202の第1側面202Aから回路ケース204で最も高い位置にある一側面204Aまでの高さHより長い(図5参照)。従って、計測流路部202の第1側面202Aに対向する第2側面202Bからその第2側面202Bに対向する中央空間部102の第2内壁面130までの間に、計測流路部202の第1側面202Aに取り付けられた回路ケース204を収納させることができる(図5、図10参照)。
そのため、「接続金具上向きのメータ筐体」(図5参照)のように、第1内壁面128が鉛直方向Dの上側D1に位置するメータ筐体100の中央空間部102では、第2側面202Bより第1側面202Aを鉛直方向Dの上側D1にした計測流路部202が収納されると、計測流路部202の第1側面202Aに取り付けられた回路ケース204が、計測流路部202の第1側面202Aからその第1側面202Aに対向する中央空間部102の第1内壁面128までの間に、つまり、計測流路部202より鉛直方向Dの上側D1の中央空間部102内に収納される。
これに対して、「接続金具下向きのメータ筐体」(図10参照)のように、第2内壁面130が鉛直方向Dの上側D1に位置するメータ筐体100の中央空間部102では、第2側面202Bより第1側面202Aを鉛直方向Dの上側D1にした計測流路部202が収納されると、計測流路部202の第1側面202Aに取り付けられた回路ケース204が、計測流路部202の第1側面202Aからその第1側面202Aに対向する中央空間部102の第2内壁面130までの間に、つまり、計測流路部202より鉛直方向Dの上側D1の中央空間部102内に収納される。
従って、本実施形態の超音波流量計1では、例えば、「接続金具上向きのメータ筐体」(図5参照)や「接続金具下向きのメータ筐体」(図10参照)のように、メータ筐体100が鉛直方向Dで上下して反転して使用されても、メータ筐体100の中央空間部102内において、燃料ガスが導入される計測流路部202に対して、超音波による計測処理を行う回路ケース204を、鉛直方向Dの上側D1に位置させることが可能である。
本実施形態の超音波流量計1では、回路ケース204の幅B2は、計測流路部202が収納される中央空間部102の幅B1より小さい。従って、本実施形態の超音波流量計1は、計測流路部202が収納される中央空間部102が、計測流路部202の中央部に取り付けられた回路ケース204を収納する幅B1を有しているので、計測流路部202より鉛直方向Dの上側D1の中央空間部102内に回路ケース204を収納させることを支障なく行うことができる。
本実施形態の超音波流量計1では、メータ筐体100は、中央空間部102を挟んで入口バッファ部104と出口バッファ部106とを有する。そのメータ筐体100の入口バッファ部104と出口バッファ部106には、それぞれ入口開口部118Aと出口開口部120Aが設けられる。入口バッファ部104には、メータ筐体100の中央空間部102に収納された計測流路部202が有する入口部206が収納され、入口用接続金具118の入口開口部118Aから燃料ガスが導入される(図5、図10参照)。出口バッファ部106には、メータ筐体100の中央空間部102に収納された計測流路部202の出口部208が収納され、出口用接続金具120の出口開口部120Aから燃料ガスが導出される(図5、図10参照)。
従って、入口用接続金具118の入口開口部118Aを介して入口バッファ部104に導入された燃料ガスは、入口バッファ部104に収納されている計測流路部202の入口部206から計測流路部202の流路220内に導入される。計測流路部202の流路220内に導入された燃料ガスは、その流速が計測流路部202に対して鉛直方向Dの上側D1に位置した回路ケース204内で一対の超音波振動子218A,218Bの超音波による計測処理された後に、出口バッファ部106に収納されている計測流路部202の出口部208から導出される。計測流路部202の出口部208から導出された燃料ガスは、出口バッファ部106を介して出口用接続金具120の出口開口部120Aから導出される。
このようなメータ筐体100内での燃料ガスに対する計測処理は、その計測処理が行われる回路ケース204が計測流路部202に対して鉛直方向Dの上側D1に位置する限り、メータ筐体100に設けられた入口用接続金具118の入口開口部118Aや出口用接続金具120の出口開口部120Aの各方向に影響されない。
従って、本実施形態の超音波流量計1では、メータ筐体100内の回路ケース204が計測流路部202に対して鉛直方向Dの上側D1に位置していれば、入口用接続金具118の入口開口部118Aや出口用接続金具120の出口開口部120Aは、それらの方向が制限されることなく、メータ筐体100に設けることが可能である。
つまり、メータ筐体100内の回路ケース204が計測流路部202に対して鉛直方向Dの上側D1に位置することが実現されていれば、メータ筐体100に設けられる入口用接続金具118の入口開口部118Aや出口用接続金具120の出口開口部120Aは、「接続金具上向きのメータ筐体」(図5参照)や「接続金具下向きのメータ筐体」(図10参照)とは異なり、違う方向に向けてもよい。
ちなみに、本実施形態において、メータ筐体100は、「ケース筐体」の一例である。中央空間部102は、「空間部」の一例である。第1内壁面128は、「第1端面」の一例である。第2内壁面130は、「第2端面」の一例である。回路ケース204は、「計測部」の一例である。鉛直方向Dの上側D1は、「鉛直上側」の一例である。計測流路部202の入口部206は、「計測流路部の一端部」の一例である。計測流路部202の出口部208は、「計測流路部の他端部」の一例である。
さらに、本実施形態の超音波流量計1については、以下のように言及することができる。本実施形態の超音波流量計1では、「接続金具上向きのメータ筐体」(図5参照)のように、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの上側D1に位置するメータ筐体100に対して、計測流路部202より回路ケース204が鉛直方向Dの上側D1に位置する流量計測ユニット200を取り付け可能とする(図1、図4、及び図5参照)。と共に、「接続金具下向きのメータ筐体」(図10参照)のように、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの下側D2に位置するメータ筐体100に対して、計測流路部202より回路ケース204が鉛直方向Dの上側D1に位置する流量計測ユニット200を取り付け可能とする(図8乃至図10参照)。
この点、計測流路部202より回路ケース204が鉛直方向Dの上側D1に位置する流量計測ユニット200では、回路ケース204に内蔵された一対の超音波振動子218A,218Bも計測流路部202より鉛直方向Dの上側D1に位置する(図3参照)。
従って、本実施形態の超音波流量計1では、「接続金具上向きのメータ筐体」(図5参照)のように、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの上側D1に位置する接続金具上向きのメータ筐体100内であっても、「接続金具下向きのメータ筐体」(図10参照)のように、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの下側D2に位置する接続金具下向きのメータ筐体100内であっても、被計測流体である燃料ガスが流れる計測流路部202に対して鉛直方向Dの上側D1に一対の超音波振動子218A,218Bを位置させることが可能である。
また、本実施形態の超音波流量計1は、第1内壁面128及び第2内壁面130を有する。第1内壁面128は、メータ筐体100内でメータ筐体100の他側面116に対し平行に設けられ、第1仕切壁124及び第2仕切壁126に直交してメータ筐体100の中央空間部102を形成するものである。第2内壁面130は、第1内壁面128に対向すると共にメータ筐体100内でメータ筐体100の他側面116に対し平行に設けられ、第1仕切壁124及び第2仕切壁126に直交してメータ筐体100の中央空間部102を形成するものである。
流量計測ユニット200の回路ケース204は、流量計測ユニット200の計測流路部202に対して高さHで設けられる。その高さHと比べ、メータ筐体100に取り付けられた流量計測ユニット200の計測流路部202からメータ筐体100の第1内壁面128までの第1距離L1(第4距離L4)は長く、且つ、メータ筐体100に取り付けられた流量計測ユニット200の計測流路部202からメータ筐体100の第2内壁面130までの第2距離L2(第3距離L3)も長い。
このようにして、本実施形態の超音波流量計1では、流量計測ユニット200の計測流路部202及び回路ケース204が配置されるメータ筐体100の中央空間部102を形成することにより、「接続金具上向きのメータ筐体」(図5参照)のようにして、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの上側D1に位置するようにメータ筐体100が使用されても、あるいは、「接続金具下向きのメータ筐体」(図10参照)のように、入口用接続金具118及び出口用接続金具120が鉛直方向Dの下側D2に位置するようにメータ筐体100が使用されても、被計測流体である燃料ガスが流れる計測流路部202に対して鉛直方向Dの上側D1に一対の超音波振動子218A,218Bを位置させることが確保されている。
[8.その他]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、第1距離M1と第2距離M2は等しいことから(図2参照)、メータ筐体100の中央空間部102は、一対の取付凹部132,134を基準にして対称である。もっとも、第1距離M1と第2距離M2は、高さH(図3参照)より短くなければ、異なってもよい。そのような場合では、メータ筐体100の中央空間部102は、一対の取付凹部132,134を基準にして非対称となる。
また、本実施形態では、メータ筐体100に流量計測ユニット200が取り付けられると、メータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128及び第2内壁面130と流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202A及び第2側面202Bが平行関係にある。もっとも、第1距離L1及び第2距離L2(図5参照)が高さH(図3参照)より長ければ、メータ筐体100が有する中央空間部102の第1内壁面128及び第2内壁面130と流量計測ユニット200が有する計測流路部202の第1側面202A及び第2側面202Bは、平行関係でなくてもよい。