JP2017096064A - 躯体構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業の順序の自由度を高め、これにより十分な工期短縮を実現できる躯体構築方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る躯体構築方法は、(A):対面する一対の山留壁を地中に構築する工程と、(B):上記一対の山留壁の間の地盤を掘削するとともに、地盤の掘削に伴って露出する山留壁を支える複数の第1切梁を順次設置する工程と、(C):上記(B)工程の掘削によって形成された空間内において、下方に位置する第1切梁を撤去しながら躯体を構築する工程と、(D):少なくとも一つの第1切梁を残した状態において、上記(C)工程によって構築された躯体と山留壁との間に第2切梁を設置する工程と、(E):上記(D)工程後、未撤去の第1切梁を撤去する工程と、(F):上記(E)工程後、上記未撤去の第1切梁に邪魔されて実施できなかった躯体の上部における作業を実施する工程とを含む。
【選択図】図11

Description

本発明は山留掘削工法によって形成された空間に躯体を構築する方法に関する。
ある程度の深さと広さを有する空間を掘削によって地盤に形成する場合、掘削に伴って周りの地山が崩れないように事前に山留壁を地中に構築する。特許文献1は山留壁を有するシールド発進立坑1を開示するとともに、腹起し3及び土留アンカー4によって山留壁を支持する態様を開示する。
特開2000−234493号公報
特許文献1の段落[0006]には「グランドアンカーを用いる構成としているため、立坑内に切梁を設ける必要がなく、作業スペースが確保」できることが記載されている。切梁は対面する一対の山留壁の間、つまり掘削した空間内に水平方向に設置される梁である。アンカー(グランドアンカー)は山留壁の背面の地盤内に設置されたアンカー体と山留壁とを鋼線によって緊結することによって山留壁を支えるものである。
設置に伴う作業コストの観点から切梁とアンカーとを比較すると、切梁の方がアンカーよりもコストを抑えることができる点で優れている。一方、躯体を構築するための作業スペース確保の観点ではアンカーの方が切梁よりも優れている。切梁は、上述のとおり、掘削した空間内に設置されるため、その後の作業の妨げとなる場合がある。例えば、掘削によって空間を形成した後、この空間内に躯体を下方から徐々に構築していく場合、下方に位置する切梁がそのまま設置された状態では躯体構築作業の妨げとなる。そこで、下方の切梁から順次撤去し、これによって作業スペースを確保しながら躯体の構築が進められる。
未撤去の切梁が次に実施すべき作業の妨げとなることが認識されていても、所定の作業を実施した後でなければ、その切梁を撤去することができない場合がある。例えば、躯体上部の仕上げ作業は空間内の最上段に位置する切梁を含めた全ての切梁を撤去した状態で実施したいところであるが、山留壁と躯体の側面との間に地盤材料を充填する作業を実施した後でなければ全ての切梁を撤去できない場合がある。つまり、切梁を利用した従来の躯体構築現場においては、次に実施すべき作業を実施できず、他の作業を先に実施せざるを得ない場合があり、これが工期短縮の実現を妨げる要因の一つとなっている。
本発明は、対面する一対の山留壁の間を掘削することによって空間を形成した後、この空間に躯体を構築する一連の工事において作業の順序の自由度を高め、これにより十分な工期短縮を実現できる躯体構築方法を提供することを目的とする。
本発明に係る躯体構築方法は、(A):対面する一対の山留壁を地中に構築する工程と、(B):上記一対の山留壁の間の地盤を掘削するとともに、地盤の掘削に伴って露出する山留壁を支える複数の第1切梁を順次設置する工程と、(C):上記(B)工程の掘削によって形成された空間内において、下方に位置する第1切梁を撤去しながら躯体を構築する工程と、(D):少なくとも一つの第1切梁を残した状態において、上記(C)工程によって構築された躯体と山留壁との間に第2切梁を設置する工程と、(E):上記(D)工程後、未撤去の第1切梁を撤去する工程と、(F):上記(E)工程後、未撤去の第1切梁に邪魔されて実施できなかった躯体の上部における作業を実施する工程とを含む。
上記躯体構築方法によれば、(C)工程で構築された躯体と(D)工程で設置された第2切梁とによって山留壁を支持することで、全ての第1切梁を撤去することができる((E)工程)。このため、(E)工程後であれば、未撤去の第1切梁に邪魔されて実施できなかった躯体の上部における作業((F)工程)を任意のタイミングで実施できる。これにより、躯体構築工事の工期短縮を実現できる。(F)工程で構築する構造の一例として、躯体の上面から上方に延びる竪壁が挙げられる。
上記躯体構築方法は、(G):上記(D)工程後、躯体の側面と山留壁との間に地盤材料を充填する工程を更に含んでもよい。当該箇所に地盤材料(土、砂、コンクリート、流動化材など)を充填することで躯体とその周りの地盤との隙間をなくすことができる。なお、(B)工程における掘削によって発生した地盤材料で当該隙間を埋め戻してもよい。また、山留壁は最終的に撤去されてもよいし、そのまま残存していてもよい。
上記躯体構築方法において、より一層の工期短縮を実現する観点から、上記(F)工程と上記(G)工程とを並行して実施することが好ましい。
上記躯体構築方法において、躯体と第2切梁によって山留板を支持できる箇所である限り、第2切梁における躯体を設置する箇所に制限はなく、例えば、躯体の側部と山留壁との間に第2切梁を設置すればよい。
上記躯体構築方法によって構築する躯体の一例として、山留壁の延在方向に延びる函体構造(より具体的には、道路、鉄道、水路、地下埋設洞道及びその他暗渠など)が挙げられる。構築する躯体がある程度の長さ(例えば、50m以上)を有する場合、本発明による工期短縮の効果がより顕著となる。
本発明によれば、対面する一対の山留壁の間を掘削することによって空間を形成した後、この空間に躯体を構築する一連の工事において作業の順序の自由度を高めることができ、これにより十分な工期短縮を実現できる。
図1は山留掘削工法によって形成された掘削溝内に構築された躯体の一例を示す断面図である。 図2は図1に示す躯体を上空から見た平面図である。 図3(a)は躯体を構築すべき区画に一対の山留壁を構築した状態を示す断面図であり、図3(b)は一対の山留壁間における地盤の掘削によって露出した山留壁の上部に二つの第1切梁を設置した状態を示す断面図である。 図4(a)は図3(b)に示す状態から更に地盤の掘削が進行した状態であって上から二段目の第1切梁の下方に山留アンカーを設置した状態を示す断面図であり、図4(b)は図4(a)に示す状態から更に地盤の掘削が進行した状態であって山留アンカーの下方に二つの第1切梁を更に設置した状態を示す断面図である。 図5(a)は掘削溝の底面上に第1の保護層を敷設した状態を示す断面図であり、図5(b)は最下段の第1切梁を撤去した後、第1の保護層上に第2の保護層を更に敷設した状態を示す断面図である。 図6(a)は山留壁の内面に沿ってそれぞれ外足場を組み立てるとともに、底版を打設するための型枠を組み立てた状態を示す断面図であり、図6(b)は底版を構築した状態を示す断面図である。 図7(a)は盛替えコンクリートの打設及び側部埋戻しを実施した状態を示す断面図であり、図7(b)は盛替えコンクリートの打設によって不要になった下から二段目の第1切梁を撤去した状態を示す断面図である。 図8(a)は側壁及び支柱を打設するための型枠を組み立てた状態を示す断面図であり、図8(b)は側壁及び支柱を構築した状態を示す断面図である。 図9(a)は上から二段目の第1切梁を撤去した後、頂版及び支柱を打設するための型枠を組み立てた状態を示す断面図であり、図9(b)は頂版、支柱及び梁を構築した状態を示す断面図である。 図10(a)は山留アンカー及び外足場を撤去した状態を示す断面図であり、図10(b)は最上段の第1切梁を残した状態で躯体の外面と山留壁の内面との間に第2切梁を設置した状態を示す断面図である。 図11(a)は頂版及び第2切梁によって山留壁を支持した後、不要になった最上段の第1切梁を撤去した状態を示す断面図であり、図11(b)は対面する一対の竪壁を頂版上に構築した状態を示す断面図である。 図12(a)は連続的に並ぶように構築された複数の躯体の側面を示す断面図であり、図12(b)は複数の躯体の外面と山留壁の内面との間に並ぶ複数の第2切梁を順次撤去しながら、側部埋戻し作業を実施している様子を示す断面図である。 図13は側部埋戻し及び盛替えコンクリートの打設を実施した状態を示す断面図である。 図14(a)は図4(a)に示す山留アンカーの代わりに第1切梁を設置した状態を示す断面図であり、図14(b)は掘削溝内に計五つの第1切梁で山留壁1A,2Bを支持した状態を示す断面図である。 図15(a)は底版上に側壁及び支柱を構築した状態を示す断面図であり、図15(b)は山留アンカーの代わりに設置した第1切梁の撤去後、構築途中の躯体内に盛替梁を設置し且つその外側に盛替えコンクリートを打設した状態を示す断面図である。 図16(a)は上から二段目の第1切梁を撤去後、頂版及び梁などを構築した状態を示す断面図であり、図16(b)は頂版及び第2切梁によって山留壁を支持した後、不要になった最上段の第1切梁を撤去した状態を示す断面図である。 図17(a)は連続的に並ぶように構築された複数の躯体の側面を示す断面図であり、図17(b)は複数の躯体の外面と山留壁の内面との間に並ぶ複数の第2切梁を順次撤去しながら、側部埋戻し作業を実施している様子を示す断面図である。 図18は躯体の頂版の側部に盛替えコンクリートの打設を実施した状態を示す断面図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。ここでは地下に計四車線の高速道路を建設するため、地下に函体構造を構築する工事に本発明を適用する場合を例示するが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は山留掘削工法によって形成された掘削溝(空間)内に構築された函体構造(躯体)の一例を示す断面図である。図2は図1に示す函体構造10を上空から見た平面図である。図1,2に示すとおり、函体構造10は、主な構造として、掘削溝Gaの底面上に保護層10a,10bを介して構築された底版11と、底版11の両端部からそれぞれ上方に延びている側壁12A,12Bと、底版11の中央部から上方に延びている複数の支柱12Cと、函体構造10の天井を構成する頂版13と、頂版13の中央部に設けられた開口部15とを備える。函体構造10の上部には、開口部15に沿って頂版13上に一対の竪壁20A,20Bが設けられている。
底版11、側壁12A,12B、頂版13、開口部15及び竪壁20A,20Bは、いずれも高速道路の延在方向に延びている。複数の支柱12Cは、高速道路の延在方向に並んで設けられており(図2参照)、計四車線の高速道路を片側二車線ずつ分ける中央分離帯を構成している。開口部15は換気口の役割を果たす。開口部15は複数の梁14によって区切られている。これらの梁14によって頂版13の強度が保たれている。
本実施形態においては、函体構造10を構築するにあたり、支保工として切梁とアンカーとを併用する。より具体的には、支保工として四つの切梁K1〜K4(複数の第1切梁)と山留アンカーAとを併用する。本実施形態に係る躯体構築方法は以下の工程を含む。
(a):対面する一対の山留壁1A,1Bを地中に構築する工程。
(b):一対の山留壁1A,1Bの間の地盤Gを掘削するとともに、地盤Gの掘削に伴って露出する山留壁1A,1Bを支える切梁K1,K2、山留アンカーA、及び切梁K3,K4を順次設置する工程。
(c):(b)工程の地盤Gの掘削完了後、下方に位置する切梁K4から順次撤去しながら、掘削溝Ga内に函体構造10を構築する工程。
(d)最上段に位置する切梁K1を残した状態において、(c)工程によって構築された函体構造10の外面と山留壁1A,1Bのそれぞれの内面との間に切梁K5(第2切梁)を設置する工程。
(e):(d)工程後、未撤去の切梁K1を撤去する工程。
(f):(e)工程後、未撤去の切梁K1に邪魔されて実施できなかった函体構造10の上部における作業を実施する工程。
(g):高速道路の延在方向に複数の函体構造10を構築した後、高速道路の延在方向に並ぶように配置された切梁Kを順次撤去しながら、複数の函体構造10の外面と山留壁1A,1Bのそれぞれの内面との間に地盤材料18の充填(側部埋戻し)を実施する工程。
(h):頂版13と山留壁1A,1Bの内面との間に盛替えコンクリート19をそれぞれ打設する工程。
以下、各工程について説明する。
<(a)工程>
図3(a)は函体構造10を構築すべき全区間又はそのうちの一部の区画(例えば、長さ5m〜20m)に、対面する一対の山留壁1A,1Bを構築した状態を示している。山留壁1A,1Bの到達深さは、構築すべき躯体のサイズや地下水レベルに応じて設定すればよく、例えば10m程度〜40m以上に設定することができる。本実施形態に係る函体構造10においては山留壁1A,1Bの到達深さは約30mである。山留壁1Aと山留壁1Bの離間距離は、構築すべき躯体のサイズに応じて設定すればよく、例えば20m〜40m以上に設定することができる。本実施形態に係る函体構造10においては山留壁1A,1Bの離間距離は約32mである。山留壁1A,1Bとしては、遮水性を有するものが好ましく、鋼矢板を採用してもよいし、地中連続壁を採用してもよい。
<(b)工程>
図3(b)は地盤Gの掘削に伴って露出した山留壁1A,1Bの上部に切梁K1及び切梁K2を順次設置した状態を示している。切梁K1,K2を設置する方法としては、例えば水平切梁工法が挙げられる。切梁K1,K2を構成する主な部材として例えばH鋼を使用できる。
図4(a)は図3(b)に示す状態から更に地盤Gの掘削が進行した状態を示している。本実施形態においては、切梁K2の下方に高速道路の延在方向に並ぶように複数の山留アンカーAを設置する。山留アンカーAは、地中に埋設されるアンカー体a1と、山留壁の表面に腹起しを介して設置されるアンカーヘッドa2と、アンカー体a1とアンカーヘッドa2とを連結する鋼線a3とを備え、例えばジャッキ(不図示)によって鋼線a3に張力が付与される。山留アンカーAのタイプは特に制限はないが、山留アンカーAによる山留壁1A,1Bの支持が不要になった段階で鋼線a3を撤去できるタイプが好ましい。
図4(b)は図4(a)に示す状態から更に地盤Gの掘削が進行して掘削作業が完了した状態、つまり掘削溝Gaが完成した状態を示している。その過程において、山留アンカーAの下方に切梁K3及び切梁K4が順次設置される。これにより、山留壁1A,1Bの延在方向に直交する断面において、高さ方向に切梁と山留アンカーとが併用された状態となる。より具体的には、一対の山留アンカーAのそれぞれのアンカーヘッドa2は、上方に位置する切梁K2と、下方に位置する切梁K3との間に位置することになる。なお、切梁K3,K4を構成する主な部材としては、切梁K1,K2と同様、例えばH鋼を使用できる。
<(c)工程>
図5(a)は掘削溝Gaの底面上に第1の保護層10aを形成した状態を示している。第1の保護層10aは、例えば、基礎砕石及び均しコンクリートを敷設することによって形成することができる。図5(b)は切梁K4を撤去した後、第1の保護層10a上に第2の保護層10bを更に形成した状態を示している。第2の保護層10bは、例えば、底面防水層及び保護モルタル層を敷設することによって形成することができる。
図6(a)は一対の山留壁1A,1Bの内面に沿ってそれぞれ外足場2A,2Bを組み立てた状態を示している。同図は更に函体構造10の底版11を構築する準備が整った状態を示している。すなわち、同図は底版11(及び側壁12A,12Bなどの一部)を打設するための型枠11aを組み立てた状態を示している。型枠11a内には多数の鉄筋(不図示)が配置されている。型枠11aにコンクリートを打設することにより、図6(b)に示すように底版11が構築される。
図7(a)は底版11の両端と山留壁1A,1Bの内面との間に盛替えコンクリート17をそれぞれ打設した状態を示している。また、底版11の両端と山留壁1A,1Bの内面との隙間への地盤材料18の充填(側部埋戻し)を実施する。地盤材料18の具体例としては、土、砂、コンクリート、流動化材などが挙げられる。地盤Gの掘削によって発生した地盤材料で側部埋戻しを実施してもよい。底版11及び盛替えコンクリート17によって山留壁1A,1Bを支持した状態とした後、図7(b)に示すように切梁K3を撤去する。
図8(a)は側壁12A,12B及び支柱12Cを打設するための型枠12a,12b,12cをそれぞれ組み立てた状態を示している。型枠12a,12b,12c内には多数の鉄筋(不図示)がそれぞれ配置されている。型枠12a,12b,12cにコンクリートを打設することにより、図8(b)に示すように側壁12A,12B及び支柱12Cがそれぞれ構築される。
図9(a)は切梁K2を撤去した後、頂版13及び梁14を打設するための型枠13a,14aをそれぞれ組み立てた状態を示している。型枠13a,14a内には多数の鉄筋(不図示)がそれぞれ配置されている。型枠13a,14aにコンクリートを打設することにより、図9(b)に示すように頂版13及び梁14がそれぞれ構築される。
<(d)工程>
図10(a)は山留アンカーA及び外足場2A,2Bを撤去した状態を示している。図10(b)は最上段に位置する切梁K1を残した状態において、(c)工程によって構築された函体構造10の外面と山留壁1A,1Bのそれぞれの内面との間に切梁K5を設置した状態を示している。頂版13及び切梁K5によって山留壁1A,1Bの上部が支持される。切梁K5を構成する主な部材として例えば、切梁K1,K2と同様、H鋼を使用できる。
<(e)工程>
図11(a)は、頂版13及び切梁K5によって山留壁1A,1Bを支持した後、最上段の切梁K1を撤去した状態を示している。切梁K1を撤去することで、切梁K1に邪魔されて実施できなかった函体構造10の上部における作業((f)工程)を任意のタイミングで実施することが可能になる。なお、ここでいう「切梁K1に邪魔されて実施できなかった函体構造10の上部」とは函体構造10の上方の領域であって切梁K1の高さ位置及びそれよりも上方の領域(切梁K1と干渉する函体構造10の上方領域)を意味する。
<(f)工程>
図11(b)は、切梁K1の撤去後、頂版13から上方に延びている一対の竪壁20A,20Bを構築した状態を示している。
<(g)工程>
図12(a)は、高速道路の延在方向に沿って複数の函体構造10が構築された状態を示している。複数の函体構造10と山留壁1A,1Bとの間には、高速道路の延在方向に複数の切梁K5が所定の間隔をあけて並んでいる。図12(b)は高速道路の延在方向に並ぶ複数の切梁K5を順次撤去しながら、複数の函体構造10の外面と山留壁1A,1Bのそれぞれの内面との間に地盤材料18を充填する作業(側部埋戻し)を実施している様子を示している。複数の函体構造10に対して一括して側部埋戻しを実施することで、各函体構造10に対して側部埋戻しを実施する場合と比較して作業の効率化を図ることができる。工期短縮化の観点から、(f)工程と(g)工程とを並行して実施してもよい。
<(h)工程>
図13は、函体構造10の頂版13と山留壁1A,1Bの内面との間に盛替えコンクリートをそれぞれ打設した状態を示している。頂版13及び盛替えコンクリート19によって山留壁1A,1Bの上部が支持される。その後、頂版13上の溝部に地盤材料18を充填する作業などを経て図1に示す函体構造10が構築される。なお、山留壁1A,1Bは最終的に撤去されてもよいし、そのまま残存していてもよい。
上記実施形態によれば、(b)工程において使用する支保工として切梁K1〜K4と山留アンカーAとを併用することで、その後の(c)工程の函体構造10の構築作業において切梁の盛替え作業を実施しない態様を実現できる。これにより、躯体を構築する工事の工期を十分に短縮することができる。これに加え、上記実施形態によれば、(c)工程で構築された函体構造10と(d)工程で設置された切梁K5とによって山留壁1A,1Bを支持することで、切梁K1〜K4を全て撤去することができる((e)工程)。このため、(e)工程後であれば、切梁K1に邪魔されて実施できなかった函体構造10の上部における作業((f)工程)を任意のタイミングで実施できる。作業の順序の自由度が高まることは全体の工事の工期短縮に寄与する。
(第2実施形態)
上記実施形態においては、切梁K2と切梁K3との間に山留アンカーAを設置する場合を例示したが、以下、山留アンカーAの代わりに、切梁K2などと同様の切梁K(第1切梁)を切梁K2と切梁K3との間に設置する実施形態について説明する。
図14(a)は図4(a)に示す山留アンカーAの代わりに切梁Kを設置した状態を模式的に示す断面図である。図14(b)は掘削溝Ga内に計五つの切梁で山留壁1A,2Bを支持した状態を示す断面図である。図14(b)は図14(a)に示す状態から更に地盤Gの掘削が進行して掘削作業が完了した状態、つまり掘削溝Gaが完成した状態を示している。その過程において、切梁Kの下方に切梁K3及び切梁K4が順次設置される。本実施形態は、図14(b)に示すように山留壁1A,1Bの延在方向に直交する断面において高さ方向に切梁(第1切梁)のみが使用されている点において、切梁と山留アンカーとを併用する第1実施形態と相違する(図4(b)参照)。
図14(b)に示された状態から、第1実施形態と同様にして函体構造10の下部が構築される(図5〜7参照)。以下、図15〜18を参照しながら、本実施形態と第1実施形態の相違点について主に説明する。
図15(a)は底版11上に側壁12A,12B及び支柱12Cを構築した状態を示している。本実施形態においては、切梁Kが構築途中の函体構造内に存在するため、この段階においては側壁12A,12B及び支柱12Cの全体は構築されず、これらの上部はそれぞれ後の工程で別途構築される。すなわち、本実施形態においては、切梁Kの設置高さによっては、側壁12A,12B及び支柱12Cをそれぞれ複数の工程で構築する点において、第1実施形態と相違する(図8(b)参照)。
図15(b)は切梁Kの撤去後、構築途中の函体構造内に盛替梁Mを設置し且つその外側に盛替えコンクリート17aを打設した状態を示している。本実施形態においては、切梁Kの撤去後、山留壁1A,1Bを支持するための盛替梁M及び盛替えコンクリート17aを設置する点、及び、盛替えコンクリート17aに先立って地盤材料18による側部埋戻しが実施される点において、第1実施形態と相違する(図8(b)参照)。なお、第1実施形態によれば、一対の山留壁1A,1Bの間の地盤掘削時に山留アンカーAで山留壁1A,1Bを支持しているため、函体構造10の構築時において盛替梁Mを設置する作業を不要にすることができる(図9参照)。換言すれば、第1実施形態では(C)工程において盛替梁Mの設置作業が不要になるように、盛替梁Mを設置すべき高さにおいて山留壁1A,1Bを山留アンカーAで支持している。
図16(a)は最上段に位置する切梁K1を残した状態において、函体構造10の外面と山留壁1A,1Bのそれぞれの内面との間に切梁K5を設置した状態を示している。頂版13及び切梁K5によって山留壁1A,1Bを支持した後、最上段の切梁K1を撤去することで、切梁K1に邪魔されて実施できなかった函体構造10の上部における作業を任意のタイミングで実施することが可能になる。図16(b)は、切梁K1の撤去後、頂版13から上方に延びている一対の竪壁20A,20Bを構築した状態を示している。
図17(a)は、高速道路の延在方向に沿って複数の函体構造10が構築された状態を示している。複数の函体構造10と山留壁1A,1Bとの間には、高速道路の延在方向に複数の切梁K5が所定の間隔をあけて並んでいる。図17(b)は高速道路の延在方向に並ぶ複数の切梁K5を順次撤去しながら、盛替えコンクリート17aの上方であって複数の函体構造10の外面と山留壁1A,1Bのそれぞれの内面との間に地盤材料18の充填(側部埋戻し)を実施する。複数の函体構造10に対して一括して側部埋戻しを実施することで、各函体構造10に対して側部埋戻しを実施する場合と比較して作業の効率化を図ることができる。
図18は、函体構造10の頂版13と山留壁1A,1Bの内面との間に盛替えコンクリートをそれぞれ打設した状態を示している。頂版13及び盛替えコンクリート19によって山留壁1A,1Bの上部が支持される。その後、頂版13上の溝部に地盤材料18を充填する作業などを経て図1に示す函体構造10が構築される。なお、盛替梁Mは適切なタイミングで撤去すればよい。
第2実施形態によれば、(c)工程で構築された函体構造10と(d)工程で設置された切梁K5とによって山留壁1A,1Bを支持することで、切梁K1〜K4を全て撤去することができる((e)工程)。このため、(e)工程後であれば、切梁K1に邪魔されて実施できなかった函体構造10の上部における作業((f)工程)を任意のタイミングで実施できる。作業の順序の自由度が高まることは全体の工事の工期短縮に寄与する。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、掘削溝Gaに函体構造10を構築することによって地下に高速道路を建設する場合を例示したが、高速道路以外の道路、鉄道、水路、地下埋設洞道及びその他暗渠などの建設に本発明を適用してもよい。
1A,1B…山留壁、2A,2B…外足場、10…函体構造(躯体)、11…底版、11a,12a,12b,12c,13a,14a…型枠、12A,12B…側壁、12C…支柱、13…頂版、14…梁、17,17a,19…盛替えコンクリート、18…地盤材料、20A,20B…竪壁、G…地盤、Ga…掘削溝(空間)、A…山留アンカー、K1〜K4,K…切梁(第1切梁)、K5…切梁(第2切梁)、M…盛替梁。

Claims (6)

  1. (A):対面する一対の山留壁を地中に構築する工程と、
    (B):前記一対の山留壁の間の地盤を掘削するとともに、前記地盤の掘削に伴って露出する前記山留壁を支える複数の第1切梁を順次設置する工程と、
    (C):前記(B)工程の掘削によって形成された空間内において、下方に位置する前記第1切梁を撤去しながら躯体を構築する工程と、
    (D):少なくとも一つの前記第1切梁を残した状態において、前記(C)工程によって構築された前記躯体と前記山留壁との間に第2切梁を設置する工程と、
    (E):前記(D)工程後、未撤去の前記第1切梁を撤去する工程と、
    (F):前記(E)工程後、前記未撤去の第1切梁に邪魔されて実施できなかった前記躯体の上部における作業を実施する工程と、
    を含む、躯体構築方法。
  2. (G):前記(D)工程後、前記躯体と前記山留壁との間に地盤材料を充填する工程を更に含む、請求項1に記載の躯体構築方法。
  3. 前記(F)工程と前記(G)工程とを並行して実施する、請求項2に記載の躯体構築方法。
  4. 前記(D)工程において、前記躯体の側部と前記山留壁との間に前記第2切梁を設置する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の躯体構築方法。
  5. 前記躯体は前記山留壁の延在方向に延びる函体構造である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の躯体構築方法。
  6. 前記(F)工程において、前記躯体の上面から上方に延びる竪壁を構築する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の躯体構築方法。
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