JP2017094796A - 熱管理システム - Google Patents

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Masayuki Takeuchi
雅之 竹内
加藤 吉毅
Yoshitake Kato
吉毅 加藤
憲彦 榎本
Norihiko Enomoto
憲彦 榎本
慧伍 佐藤
Keigo Sato
慧伍 佐藤
功嗣 三浦
Koji Miura
功嗣 三浦
賢吾 杉村
Kengo Sugimura
賢吾 杉村
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    • B60H1/02Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant
    • B60H1/04Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices the heat being derived from the propulsion plant from cooling liquid of the plant
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K11/00Arrangement in connection with cooling of propulsion units
    • B60K11/02Arrangement in connection with cooling of propulsion units with liquid cooling

Abstract

【課題】ラジエータに供給される熱媒体の流量と、空調装置に供給される熱媒体の流量とを個別に調整することのできる構成としながらも、熱媒体を圧送するポンプの大型化を抑制することのできる熱管理システムを提供する。
【解決手段】熱管理システム10は、
一部が凝縮器110によって加熱される第1流路510と、一部が蒸発器120によって冷却される第2流路520と、ラジエータ300に供給される熱媒体が流れる第3流路530と、
第1流路510の一端と、第2流路520の一端と、第3流路530の一端と、がそれぞれ接続されており、熱媒体が流れる経路を切り替える第1弁装置410と、
第1流路510の他端と、第2流路520の他端と、第3流路530の他端と、がそれぞれ接続されており、熱媒体が流れる経路を切り替える第2弁装置420と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される熱管理システムに関する。
冷凍サイクルの凝縮器によって加熱された高温の熱媒体と、冷凍サイクルの蒸発器によって冷却された低温の熱媒体と、をそれぞれ車両内で循環させることにより、車両の空調や各種車載機器の冷却等を行う熱管理システムが知られている。
例えば、下記特許文献1に記載されている熱管理システムでは、空調装置のクーラコアに低温の熱媒体が供給される。空調装置による冷房が行われる際には、当該熱媒体との熱交換により冷却された空気が車室内に吹き出される。また、空調装置のヒータコアには高温の熱媒体が供給される。空調装置による暖房運転が行われる際には、当該熱媒体との熱交換により加熱された空気が車室内に吹き出される。更に、上記熱管理システムの空調装置は、クーラコアによる空気の除湿と、ヒータコアによる空気の加熱とを同時に行う運転、すなわち除湿暖房運転を行うことも可能となっている。
上記熱管理システムでは、空調装置による車室内の空調が行われるとともに、インバータやモータジェネレータのような車載機器の冷却も行われる。それぞれの車載機器には、熱媒体の流路が形成された冷却器が設けられている。車両内を循環する熱媒体の一部が冷却器にも供給されることにより、車載機器の冷却が行われる。
特開2013−230805号公報
除湿暖房運転が行われているときには、クーラコアの除湿性能と、ヒータコアの加熱性能とをそれぞれ適切に発揮させながら、車室内に吹き出される空気の温度を目標温度に一致させる必要がある。本発明の発明者らが検討したところによれば、冷凍サイクルが備えるコンプレッサの回転数を変化させることでヒータコアの表面温度を調整し、吹き出される空気の温度を目標温度に一致させるような制御が、除湿暖房運転には望ましいという知見が得られている。
このとき、コンプレッサの回転数の変化に伴い、クーラコアの表面温度も変化してしまうと、除湿性能が低下する可能性がある。このため、クーラコアの表面温度が適切な温度に保たれるように、ラジエータにおける吸熱量を調整する必要がある。吸熱量は、ラジエータに供給される熱媒の流量を変化させることによって調整することができる。
ところで、上記特許文献1に記載されている熱管理システムは、クーラコアに供給される熱媒体の流量と、ラジエータに供給される熱媒体の流量とが、単一のポンプによって調整される構成となっている。
このため、適切な吸熱量となるように、ラジエータに供給される熱媒体の流量を変化させると、クーラコアに供給される熱媒体の流量も同時に変化してしまう。その結果、クーラコアの表面温度が変化し、そのときの「適切な吸熱量」も変化してしまうので、ラジエータに供給される熱媒体の流量を更に変化させる必要が生じてしまう。その結果、クーラコアの表面温度が不安定になってしまう可能性がある。
このように、従来の熱管理システムにおいては、ラジエータに供給される熱媒体の流量と、空調装置に供給される熱媒体の流量とを個別に調整することができず、空調装置の性能、特に除湿暖房時における性能を安定的に発揮させることが難しい、という問題があった。
このような問題を解決するためには、ラジエータに熱媒体を供給するための流路と、クーラコアに熱媒体を供給するための流路とを、互いに直列ではなく並列に接続することが考えらえられる。具体的には、クーラコアに供給される熱媒体の一部がラジエータにも供給される構成とした上で、ラジエータに熱媒体を供給するための流路の途中に流量調整弁を配置することも考えられる。
しかしながら、その場合には、ラジエータに熱媒体を供給するための流路における圧力損失が大きくなり過ぎてしまう。このため、夏期や冬期のような高負荷時において、ラジエータの吸熱性能等を十分に発揮させるためには、大型のポンプによって熱媒体を圧送する必要が生じる。ただし、大型のポンプが用いられた場合には、熱媒体の流路を形成するホース等の高耐圧化が必要となるなど、ポンプのみならずシステム全体のコストが増加してしまうという問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ラジエータに供給される熱媒体の流量と、空調装置に供給される熱媒体の流量とを個別に調整することのできる構成としながらも、熱媒体を圧送するポンプの大型化を抑制することのできる熱管理システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る熱管理システムは、車両に搭載される熱管理システム(10,10A,10B)であって、凝縮器(110)と蒸発器(120)とを有する冷凍サイクル(100)と、熱媒体が流れる流路であって、その一部が凝縮器によって加熱される第1流路(510,510A,510B)と、第1流路に設けられ、熱媒体を圧送する第1ポンプ(P1)と、熱媒体が流れる流路であって、その一部が蒸発器によって冷却される第2流路(520,520A,520B)と、第2流路に設けられ、熱媒体を圧送する第2ポンプ(P2)と、車室内に供給される空気を、第1流路を通った熱媒体との熱交換、及び第2流路を流れた熱媒体との熱交換によって加熱又は冷却する空調装置(200)と、空調装置を流れた熱媒体と、外気とを熱交換させるラジエータ(300)と、ラジエータに供給される熱媒体が流れる流路である第3流路(530)と、第3流路に設けられ、熱媒体を圧送する第3ポンプ(P3)と、第1流路の一端と、第2流路の一端と、第3流路の一端と、がそれぞれ接続されており、熱媒体が流れる経路を切り替える第1弁装置(410,410A,410B)と、第1流路の他端と、第2流路の他端と、第3流路の他端と、がそれぞれ接続されており、熱媒体が流れる経路を切り替える第2弁装置(420,420A,420B)と、熱管理システムの全体の動作を制御する制御装置(20)と、を備える。
このような熱管理システムでは、第1流路及び第2流路に対して互いに並列となる位置に、第3流路が接続されている。空調装置に供給される熱媒体の流量は、第1ポンプ又は第2ポンプの回転数によって調整される。一方、ラジエータに供給される熱媒体の流量は、第1ポンプや第2ポンプとは別に設けられた第3ポンプによって調整される。
このため、ラジエータに供給される熱媒体の流量と、空調装置に供給される熱媒体の流量とを、個別に調整することが可能となる。その結果、ラジエータにおける吸熱量や放熱量を確保するための制御と、空調装置から吹き出される空気の温度を目標温度に一致させ且つ安定させるための制御とを、互いに独立に行うことが可能となる。
また、上記熱管理システムでは、空調装置に向けて熱媒体を圧送するポンプとは別に設けられた第3ポンプにより、ラジエータへの熱媒体の圧送が行われる。このように、単一のポンプではなく複数のポンプによって熱媒体の循環が行われるので、それぞれのポンプに求められる負荷が小さくなる。このため、ポンプを大型化させる必要が無い。
本発明によれば、ラジエータに供給される熱媒体の流量と、空調装置に供給される熱媒体の流量とを個別に調整することのできる構成としながらも、熱媒体を圧送するポンプの大型化を抑制することのできる熱管理システムが提供される。
本発明の第1実施形態に係る熱管理システムの全体構成を示す図である。 暖房時又は除湿暖房時における、熱媒体の流れを示す図である。 冷房時における、熱媒体の流れを示す図である。 制御装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る熱管理システムの全体構成を示す図である。 暖房時又は除湿暖房時における、熱媒体の流れを示す図である。 冷房時における、熱媒体の流れを示す図である。 本発明の第3実施形態に係る熱管理システムの全体構成を示す図である。 暖房時又は除湿暖房時における、熱媒体の流れを示す図である。 冷房時における、熱媒体の流れを示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の第1実施形態に係る熱管理システム10の構成について、図1を参照しながら説明する。熱管理システム10は車両(不図示)に搭載されるものであり、車室内の空調、及び車両に備えられた各種車載機器の冷却等を行うためのシステムとして構成されている。本実施形態では、当該車両は電気自動車である。つまり、内燃機関を有しておらず、回転電機の駆動力によって走行する車両である。
熱管理システム10は、冷凍サイクル100と、空調装置200と、ラジエータ300と、インバータ冷却器E1と、電池冷却器E2と、第1弁装置410と、第2弁装置420と、制御装置20と、を備えている。
冷凍サイクル100は、熱管理システム10を循環する熱媒体を加熱及び冷却するための装置である。尚、本実施形態においては、上記熱媒体として、エチレングリコールを主成分とする不凍液が用いられている。冷凍サイクル100は、循環流路101と、コンプレッサ130と、膨張弁140と、凝縮器110と、蒸発器120と、を有している。
循環流路101は、冷凍サイクル100の冷媒が循環するための流路である。冷媒としては、例えば二酸化炭素が用いられる。
コンプレッサ130は、冷媒を圧送して循環流路101で循環させるための装置であって、循環流路101の途中に設けられている。コンプレッサ130の回転数は、後述の制御装置20によって制御される。つまり、循環流路101を循環する冷媒の流量が、制御装置20によって制御される。
膨張弁140は、循環流路101の途中に設けられたオリフィスである。循環流路101の流路断面積は、膨張弁140において局所的に絞られている。このため、コンプレッサ130が動作して冷媒が循環しているときには、循環流路101のうちコンプレッサ130よりも下流側部分おいては冷媒の圧力が高くなっており、循環流路101のうちコンプレッサ130よりも上流側部分においては冷媒の圧力が低くなっている。
凝縮器110は、循環流路101のうちコンプレッサ130よりも下流側であり、且つ膨張弁140よりも上流側となる位置に設けられている。コンプレッサ130が動作して循環流路101を冷媒が循環しているときには、凝縮器110の内部では冷媒が気相から液相へと変化して、その温度を上昇させる。このため、凝縮器110は高温となる。
凝縮器110の外側には、後述の第1流路510を構成する配管の一部が取り付けられている。このため、上記のように凝縮器110が高温となっているときには、第1流路510の一部が凝縮器110によって加熱され、第1流路510の内部を流れる熱媒体も加熱される。コンプレッサ130の回転数が大きくなるほど、すなわち循環流路101を循環する冷媒の流量が大きくなるほど、凝縮器110から第1流路510に与えられる熱量も大きくなる。
蒸発器120は、循環流路101のうちコンプレッサ130よりも上流側であり、且つ膨張弁140よりも下流側となる位置に設けられている。コンプレッサ130が動作して循環流路101を冷媒が循環しているときには、蒸発器120の内部では冷媒が液相から気相へと変化して、その温度を低下させる。このため、蒸発器120は低温となる。
蒸発器120の外側には、後述の第2流路520を構成する配管の一部が取り付けられている。このため、上記のように蒸発器120が低温となっているときには、第2流路520の一部が蒸発器120によって冷却され、第2流路520の内部を流れる熱媒体も冷却される。コンプレッサ130の回転数が大きくなるほど、すなわち循環流路101を循環する冷媒の流量が大きくなるほど、蒸発器120によって第2流路520から奪われる熱量も大きくなる。
空調装置200は、空気を加熱又は冷却した後に車室内に吹き出すことで、車室内の空調を行うための装置である。空調装置200は、ケーシング201と、送風機202と、ヒータコア210と、クーラコア220と、を有している。
ケーシング201は、空気が通過する流路が内部に形成された容器である。ケーシング201のうち空気の吹き出し口側(図1では右側)には、温度センサ203が設けられている。温度センサ203は、空調装置200から車室内に吹き出される空気の温度を測定するためのセンサである。温度センサ203で測定された温度は、制御装置20に送信される。
ケーシング201には、不図示のエアミックスドアが配置されている。エアミックスドアの動作により、クーラコア220を通過した空気がヒータコア210を通過することなく吹き出される冷房状態と、クーラコア220を通過した空気がヒータコア210をも通過してから吹き出される暖房状態と、が切り替えられる。尚、このようなエアミックスドアの構造や動作については公知であるから、その具体的な説明は省略する。
送風機202は、車室内に吹き出される空気の流れを作り出すための装置であって、ケーシング201のうち空気の入口側(図1では左側)に設けられている。送風機202の動作は、制御装置20によって制御される。送風機202が動作すると、送風機202から送り出された空気がケーシング201の内部を流れた後、車室内に吹き出される。
ヒータコア210は、ケーシング201内を流れる空気を加熱するための熱交換器である。ヒータコア210は、ケーシング201の内部のうち吹き出し口の近傍となる位置に配置されている。
ヒータコア210には、第1流路510を流れて高温となった熱媒体、すなわち、凝縮器110によって加熱され高温となった熱媒体が供給される。ヒータコア210では、高温の熱媒体と、ケーシング201内を流れる空気との熱交換が行われ、これにより空気が加熱される。既に述べたように、コンプレッサ130の回転数が大きくなるほど、凝縮器110から第1流路510に与えられる熱量が大きくなる。これに伴い、ヒータコア210を通過する熱媒体の温度が上昇し、空調装置200から吹き出される空気の温度も上昇する。
クーラコア220は、ケーシング201内を流れる空気を冷却するための熱交換器である。また、空気がクーラコア220を通過する際には、当該空気に含まれる水分が結露する。このため、クーラコア220は、ケーシング201内を流れる空気を除湿するもの、ともいうことができる。クーラコア220は、ケーシング201の内部のうち、空気の流れ方向(図1の矢印AR1で示される方向)においてヒータコア210よりも上流側となる位置に配置されている。
クーラコア220には、第2流路520を流れて低温となった熱媒体、すなわち、蒸発器120によって冷却され低温となった熱媒体が供給される。クーラコア220では、低温の熱媒体と、ケーシング201内を流れる空気との熱交換が行われ、これにより空気が冷却される。既に述べたように、コンプレッサ130の回転数が大きくなるほど、蒸発器120によって第2流路520から奪われる熱量が大きくなる。これに伴い、クーラコア220を通過する熱媒体の温度が低下し、ヒータコア210に到達する空気の温度も低下する。
クーラコア220には、その表面温度を測定するための温度センサ221が設けられている。温度センサ221によって測定されたクーラコア220の表面温度は、制御装置20に送信される。
ラジエータ300は、熱管理システム10を循環する熱媒体と、外気とを熱交換させるための熱交換器である。後に説明するように、第1弁装置410や第2弁装置420の動作によって、高温の熱媒体がラジエータ300に供給される放熱状態と、低温の熱媒体がラジエータ300に供給される吸熱状態と、が切り替えられる。
放熱状態においては、凝縮器110及びヒータコア210を通り高温となった熱媒体の熱が、外気へと放出される。このため、熱媒体は、ラジエータ300を通過する際においてその温度を低下させる。空調装置200により車室内の冷房が行われるときには、放熱状態とされる。
吸熱状態においては、蒸発器120及びクーラコア220を通り低温となった熱媒体に、外気からの熱が取り込まれる。このため、熱媒体は、ラジエータ300を通過する際においてその温度を上昇させる。空調装置200により車室内の暖房が行われるときには、吸熱状態とされる。
ラジエータ300には、電動ファン301が設けられている。電動ファン301は、ラジエータ300を通過する外気の流量を調整するための装置である。電動ファン301の回転数は、制御装置20によって制御される。
インバータ冷却器E1は、車両に搭載されたインバータ(不図示)の温度を調整するための熱交換器であって、インバータに取り付けられている。インバータは、車両に搭載された蓄電池(不図示)から供給される直流電力を、交流電力に変換して回転電機に供給する電力変換器である。
インバータ冷却器E1には、第1流路510を流れた高温の熱媒体、又は第2流路520を流れた低温の熱媒体が供給される。インバータ冷却器E1により、熱媒体とインバータとの熱交換が行われる。高温の熱媒体がインバータ冷却器E1に供給されると、インバータが暖機される。低温の熱媒体がインバータ冷却器E1に供給されると、インバータが冷却される。インバータ冷却器E1にいずれの熱媒体が供給されるかは、後に説明する第1弁装置410等の動作によって切り替えられる。
電池冷却器E2は、車両に搭載された蓄電池の温度を調整するための熱交換器であって、蓄電池に取り付けられている。蓄電池は、車両の走行に必要な電力を蓄えておくためのものである。
インバータ冷却器E1と同様に、電池冷却器E2にも、第1流路510を流れた高温の熱媒体、又は第2流路520を流れた低温の熱媒体が供給される。電池冷却器E2により、熱媒体と蓄電池との熱交換が行われる。高温の熱媒体が電池冷却器E2に供給されると、蓄電池が暖機される。低温の熱媒体が電池冷却器E2に供給されると、蓄電池が冷却される。電池冷却器E2にいずれの熱媒体が供給されるかは、第1弁装置410等の動作によって切り替えられる。
第1弁装置410及び第2弁装置420の説明に先立ち、熱管理システム10において熱媒体が循環する流路について説明する。熱管理システム10には、熱媒体が流れる流路として、第1流路510と、第2流路520と、第3流路530と、ヒータコア用流路550と、クーラコア用流路540と、インバータ用流路560と、蓄電池用流路570と、が設けられている。これらは、いずれも車両の内部に配置された配管によって構成されている。当該配管は、一部が金属によって形成され、一部が樹脂によって形成されている。
第1流路510は、内部を流れる熱媒体を凝縮器110によって加熱するための流路である。既に述べたように、第1流路510を構成する配管の一部は凝縮器110の外側に取り付けられている。第1流路510のうち、凝縮器110よりも上流側となる位置には、第1ポンプP1が設けられている。第1ポンプP1は、第1流路510を熱媒体が流れるよう熱媒体を圧送するためのポンプである。第1ポンプP1の回転数は制御装置20によって制御される。つまり、第1流路510を流れて凝縮器110を通過する熱媒体の流量が、制御装置20によって制御される。
第2流路520は、内部を流れる熱媒体を蒸発器120によって冷却するための流路である。既に述べたように、第2流路520を構成する配管の一部は蒸発器120の外側に取り付けられている。第2流路520のうち、蒸発器120よりも上流側となる位置には、第2ポンプP2が設けられている。第2ポンプP2は、第2流路520を熱媒体が流れるよう熱媒体を圧送するためのポンプである。第2ポンプP2の回転数は制御装置20によって制御される。つまり、第2流路520を流れて蒸発器120を通過する熱媒体の流量が、制御装置20によって制御される。
第3流路530は、ラジエータ300に供給される熱媒体が流れる流路である。本実施形態では、第3流路530の途中にラジエータ300が設けられている。第3流路530のうち、ラジエータ300よりも上流側となる位置には、第3ポンプP3が設けられている。つまり、第3流路530において、ラジエータ300と第3ポンプP3とが直列に並ぶように配置されている。第3ポンプP3は、第3流路530を熱媒体が流れるよう熱媒体を圧送するためのポンプである。第3ポンプP3の回転数は制御装置20によって制御される。つまり、第3流路530を流れてラジエータ300を通過する熱媒体の流量が、制御装置20によって制御される。
ヒータコア用流路550は、ヒータコア210に供給される熱媒体が流れる流路である。ヒータコア210は、ヒータコア用流路550の途中に設けられている。熱媒体は、先に説明した第1流路510を流れた後、第1弁装置410を経由してヒータコア用流路550を流れる。このため、ヒータコア用流路550を流れる熱媒体の流量は、第1流路510に設けられた第1ポンプP1によって調整される。
クーラコア用流路540は、クーラコア220に供給される熱媒体が流れる流路である。クーラコア220は、クーラコア用流路540の途中に設けられている。熱媒体は、先に説明した第2流路520を流れた後、第1弁装置410を経由してクーラコア用流路540を流れる。このため、クーラコア用流路540を流れる熱媒体の流量は、第2流路520に設けられた第2ポンプP2によって調整される。
インバータ用流路560は、インバータ冷却器E1に供給される熱媒体が流れる流路である。インバータ冷却器E1は、インバータ用流路560の途中に設けられている。インバータ用流路560を流れる熱媒体の流量は、第1弁装置410の開度又は第2弁装置420の開度によって調整される。
蓄電池用流路570は、電池冷却器E2に供給される熱媒体が流れる流路である。電池冷却器E2は、蓄電池用流路570の途中に設けられている。蓄電池用流路570を流れる熱媒体の流量は、第1弁装置410の開度又は第2弁装置420の開度によって調整される。
第1弁装置410は電動式の結合多方弁である。第1弁装置410には、熱媒体の入口である開口411、412と、熱媒体の出口である開口413、414、415、416、417とが形成されている。開口411には、第1流路510の下流側端部が接続されている。開口412には、第2流路520の下流側端部が接続されている。開口413には、第3流路530の上流側端部が接続されている。開口414には、クーラコア用流路540の上流側端部が接続されている。開口415には、ヒータコア用流路550の上流側端部が接続されている。開口416には、インバータ用流路560の上流側端部が接続されている。開口417には、蓄電池用流路570の上流側端部が接続されている。
第1流路510を流れた後、開口411から第1弁装置410に流入した高温の熱媒体は、少なくともその一部が開口415から排出されて、ヒータコア210に供給される。また、第1弁装置410は、内部に形成された流路を切り替えることにより、高温の熱媒体の一部を開口413からラジエータ300に供給することもできる。また、高温の熱媒体の一部を開口416からインバータ冷却器E1に供給したり、開口417から電池冷却器E2に供給したりすることもできる。
第2流路520を流れた後、開口412から第1弁装置410に流入した低温の熱媒体は、少なくともその一部が開口414から排出されて、クーラコア220に供給される。また、第1弁装置410は、内部に形成された流路を切り替えることにより、低温の熱媒体の一部を開口413からラジエータ300に供給することもできる。また、低温の熱媒体の一部を開口416からインバータ冷却器E1に供給したり、開口417から電池冷却器E2に供給したりすることもできる。
上記のように、第1弁装置410の内部には、高温の熱媒体が流れる流路と、低温の熱媒体が流れる流路とが形成されている。ただし、それぞれの流路は分離されている。このため、第1弁装置410の内部において、高温の熱媒体と低温の熱媒体とが合流することはない。
尚、このような第1弁装置410の具体的な構成としては、例えば特開2013−230805号公報に記載された切替弁の構成のような、公知の構成を採用し得る。また、電動式の2方弁、3方弁、4方弁等を複数個組み合わせることにより、上記のように機能する第1弁装置410が構成されていてもよい。
第2弁装置420は、第1弁装置410と同様の電動式の結合多方弁である。第2弁装置420には、熱媒体の出口である開口421、422と、熱媒体の入口である開口423、424、425、426、427とが形成されている。開口421には、第1流路510の上流側端部が接続されている。開口422には、第2流路520の上流側端部が接続されている。開口423には、第3流路530の下流側端部が接続されている。開口424には、クーラコア用流路540の下流側端部が接続されている。開口425には、ヒータコア用流路550の下流側端部が接続されている。開口426には、インバータ用流路560の下流側端部が接続されている。開口427には、蓄電池用流路570の下流側端部が接続されている。
ヒータコア用流路550を流れた後、開口425から第2弁装置420に流入した高温の熱媒体は、少なくともその一部が開口421から排出されて第1流路510を流れる。また、ラジエータ300に高温の熱媒体が供給されているときには、第2弁装置420は、内部に形成された流路を切り替えることにより、当該熱媒体を開口423から受け入れる。当該熱媒体は、第1流路510やヒータコア用流路550を流れる熱媒体に合流する。
また、第2弁装置420は、インバータ冷却器E1を流れた高温の熱媒体を開口426から受け入れたり、電池冷却器E2を流れた高温の熱媒体を開口427から受け入れたりすることもできる。この場合、当該熱媒体は、第1流路510やヒータコア用流路550を流れる熱媒体に合流する。
クーラコア用流路540を流れた後、開口424から第2弁装置420に流入した低温の熱媒体は、少なくともその一部が開口422から排出されて第2流路520を流れる。また、ラジエータ300に低温の熱媒体が供給されているときには、第2弁装置420は、内部に形成された流路を切り替えることにより、当該熱媒体を開口423から受け入れる。当該熱媒体は、第2流路520やクーラコア用流路540を流れる熱媒体に合流する。
また、第2弁装置420は、インバータ冷却器E1を流れた低温の熱媒体を開口426から受け入れたり、電池冷却器E2を流れた低温の熱媒体を開口427から受け入れたりすることもできる。この場合、当該熱媒体は、第2流路520やクーラコア用流路540を流れる熱媒体に合流する。
上記のように、第2弁装置420の内部には、高温の熱媒体が流れる流路と、低温の熱媒体が流れる流路とが形成されている。ただし、それぞれの流路は分離されている。このため、第2弁装置420の内部において、高温の熱媒体と低温の熱媒体とが合流することはない。
尚、このような第2弁装置420の具体的な構成としては、例えば特開2013−230805号公報に記載された切替弁の構成のような、公知の構成を採用し得る。また、電動式の2方弁、3方弁、4方弁等を複数個組み合わせることにより、上記のように機能する第1弁装置410が構成されていてもよい。
制御装置20は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムであって、熱管理システム10の全体の動作を制御する装置として構成されている。制御装置20は、これまでに説明した種々の構成機器の動作を制御する。例えば、制御装置20は、第1ポンプP1の回転数、第2ポンプP2の回転数、及び第3ポンプP3の回転数を、それぞれ個別に調整する。すなわち、それぞれを通過する熱媒体の流量を個別に調整する。また、第1弁装置410や第2弁装置420の状態を切り替えることにより、熱管理システム10における熱媒体の流路を切り替える。
熱管理システム10の全体において熱媒体が流れる経路について説明する。図2に示されるのは、空調装置200によって車室内の暖房が行われる際における、熱媒体の流れである。図2においては、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が流れる経路が、実線で示されている。また、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が流れる経路が、一点鎖線で示されている。
実線で示されるように、凝縮器110から排出された高温の熱媒体は、第1弁装置410、ヒータコア210、第2弁装置420、第1ポンプP1を順に流れて、再び凝縮器110に戻される。
尚、暖房が行われるような期間、すなわち冬期においては、インバータ等の車載機器が低温となり、始動時等において暖機が必要となることが多い。このため、インバータ等の暖機が必要な際には、インバータ冷却器E1や電池冷却器E2にも高温の熱媒体が供給される。つまり、開口411から第1弁装置410に流入した高温の熱媒体の一部が、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を流れるように、第1弁装置410及び第2弁装置420の状態が切り換えられる。
図2においては、当該熱媒体が流れる経路が点線で示されている。尚、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を熱媒体が流れるときであっても、実線及び一点鎖線で示される熱媒体の流れは維持される。
尚、インバータ用流路560における熱媒体の流量は、第1弁装置410又は第2弁装置420のうち少なくとも一方の動作を制御して、インバータ用流路560に繋がる開口(416又は426)の開度を変化させることにより調整される。
同様に、蓄電池用流路570における熱媒体の流量は、第1弁装置410又は第2弁装置420のうち少なくとも一方の動作を制御して、蓄電池用流路570に繋がる開口(417又は427)の開度を変化させることにより調整される。
一点鎖線で示されるように、蒸発器120から排出された低温の熱媒体は、第1弁装置410、クーラコア220、第2弁装置420、第2ポンプP2を順に流れて、再び蒸発器120に戻される。
また、第1弁装置410に流入した低温の熱媒体の一部は、開口413から排出された後、第3ポンプP3、ラジエータ300を順に通り、開口423から第2弁装置420に流入する。当該熱媒体は、第2流路520やクーラコア用流路540を流れる熱媒体に合流する。
このように、空調装置200による暖房が行われているときには、低温の熱媒体がラジエータ300に供給される。ラジエータ300においては、低温の熱媒体と外気との熱交換が行われ、外気の熱が低温の熱媒体に取り込まれる。つまり、ラジエータ300では、暖房を行うために必要な熱が外気から取り込まれる。
第2流路を流れた低温の熱媒体の少なくとも一部がラジエータ300に供給される状態、すなわち図2に示される経路で熱媒体が循環する状態が、先に説明した「吸熱状態」に該当する。
暖房が行われているときには、空調装置200では、クーラコア220との熱交換によって空気が一旦冷却された後、ヒータコア210との熱交換によって空気が加熱される。最終的に高温となった空気が、空調装置200から車室内へと吹き出される。
このとき、クーラコア220の温度を除湿に適した温度に維持することにより、効率的な空気の除湿と、空気の加熱とを同時に行うこともできる。このように行われる空調は暖房の一種ではあるが、除湿が成り行きで行われるような暖房と区別するために、以下では、「除湿暖房」とも称する。除湿暖房が行われているときに熱媒体が流れる経路は、図2に示されるものと同一である。除湿暖房の際に実行される制御については、後に説明する。
図3に示されるのは、空調装置200によって車室内の冷房が行われる際における、熱媒体の流れである。図3においても、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が流れる経路が、実線で示されている。また、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が流れる経路が、一点鎖線で示されている。
実線で示されるように、凝縮器110から排出された高温の熱媒体は、第1弁装置410、ヒータコア210、第2弁装置420、第1ポンプP1を順に流れて、再び凝縮器110に戻される。
また、第1弁装置410に流入した高温の熱媒体の一部は、開口413から排出された後、第3ポンプP3、ラジエータ300を順に通り、開口423から第2弁装置420に流入する。当該熱媒体は、第1流路510やヒータコア用流路550を流れる熱媒体に合流する。
一点鎖線で示されるように、蒸発器120から排出された低温の熱媒体は、第1弁装置410、クーラコア220、第2弁装置420、第2ポンプP2を順に流れて、再び蒸発器120に戻される。
尚、冷房が行われるような期間、すなわち夏期においては、インバータ等の車載機器の温度が上昇しやすく、車載機器の動作に支障をきたす可能性がある。このため、インバータ等の温度が高くなった際には、インバータ冷却器E1や電池冷却器E2にも低温の熱媒体が供給される。つまり、開口412から第1弁装置410に流入した低温の熱媒体の一部が、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を流れるように、第1弁装置410及び第2弁装置420の状態が切り換えられる。
図3においては、当該熱媒体が流れる経路が点線で示されている。尚、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を熱媒体が流れるときであっても、実線及び一点鎖線で示される熱媒体の流れは維持される。
以上のように、空調装置200による冷房が行われているときには、高温の熱媒体がラジエータ300に供給される。ラジエータ300においては、高温の熱媒体と外気との熱交換が行われ、熱媒体の熱が外気に放出される。つまり、ラジエータ300では、外気に熱を放出することによって車室内の冷房が行われる。
第1流路を流れた高温の熱媒体の少なくとも一部がラジエータ300に供給される状態、すなわち図3に示される経路で熱媒体が循環する状態が、先に説明した「放熱状態」に該当する。
冷房が行われているときには、空調装置200では、クーラコア220との熱交換によって空気が一旦冷却される。当該空気は、エアミックスドアで案内されることにより、ヒータコア210を通ることなく車室内に吹き出される。
図4に示されるのは、これまでに説明した吸熱状態と放熱状態とを切り替えるために、制御装置20によって実行される処理の流れである。図4に示される一連の処理は、空調装置200による空調が行われている期間において、所定の周期が経過する毎に繰り返し実行されている。
最初のステップS01では、空調装置200で行われる空調が冷房か否かが判定される。例えば、車両のフロントパネルに設けられたスイッチ等が操作され、「冷房」が選択されているときには、冷房が行われると判定される。冷房が行われると判定されれば、ステップS02に移行する。
ステップS02では、第1弁装置410及び第2弁装置420のそれぞれを動作させることにより、図3に示される放熱状態に切り換える。これにより、ラジエータ300には高温の熱媒が流れるようになり、ラジエータ300における放熱が行われる。
ステップS01において、冷房が行われると判定されなかった場合、すなわち暖房が行われると判定された場合には、ステップS03に移行する。ステップS03では、第1弁装置410及び第2弁装置420のそれぞれを動作させることにより、図2に示される吸熱状態に切り換える。これにより、ラジエータ300には低温の熱媒が流れるようになり、ラジエータ300における外気からの吸熱が行われる。
図5を参照しながら、空調装置200による除湿暖房が行われているときに、制御装置20によって実行される処理の流れについて説明する。図5に示される一連の処理は、除湿暖房が行われている期間において、所定の周期が経過する毎に繰り返し実行されている。
最初のステップS11では、温度センサ203で測定された温度、すなわち、空調装置200から車室内に吹き出される空気の温度(以下、「吹き出し温度」とも称する)が、所定の目標値を下回っているか否かが判定される。当該目標値は、車両のフロントパネルに設けられたスイッチ等の操作によって、車両の運転者により設定された空調の目標温度である。このような態様に替えて、車室内を快適に保つための目標値が、制御装置20が行う演算によって自動的に設定される態様であってもよい。
ステップS11において、吹き出し温度が目標値を下回っていれば、ステップS12に移行する。ステップS12では、冷凍サイクル100が備えるコンプレッサ130の回転数を増加させる。これにより、凝縮器110における発熱量が増加するので、第1流路510及びヒータコア用流路550を通りヒータコア210に到達する熱媒体の温度が上昇する。その結果、吹き出し温度も上昇し、目標値に近づくこととなる。
ステップS11において、吹き出し温度が目標値以上であった場合には、ステップS13に移行する。ステップS13では、吹き出し温度が目標値を超えているか否かが判定される。吹き出し温度が目標値を超えていなかった場合には、吹き出し温度が目標値に一致しているということであるから、図5に示される一連の処理を終了する。
吹き出し温度が目標値を超えていれば、ステップS14に移行する。ステップS14では、冷凍サイクル100が備えるコンプレッサ130の回転数を減少させる。これにより、凝縮器110における発熱量が減少するので、第1流路510及びヒータコア用流路550を通りヒータコア210に到達する熱媒体の温度が低下する。その結果、吹き出し温度も低下し、目標値に近づくこととなる。
以上のように、除湿暖房時においては、コンプレッサ130の回転数を調整することにより、吹き出し温度を目標値に一致させる制御が行われる。
尚、コンプレッサ130の回転数が変化すると、上記のように凝縮器110における発熱量が変化するのみならず、蒸発器120における吸熱量も変化する。その結果、クーラコア220の表面温度が変化してしまい、除湿性能が発揮し得なくなってしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態においては、第3ポンプP3の回転数もあわせて調整することにより、クーラコア220の表面温度を一定に保つ制御が行われる。その結果として、空調装置200から吹き出される空気の温度(吹出空気温度)を目標値に一致させる制御が行われることとなる。当該制御のために制御装置20によって実行される処理の流れを、図6を参照しながら説明する。図6に示される一連の処理は、図5に示される処理と並行して、所定の周期が経過する毎に繰り返し実行されている。
最初のステップS21では、温度センサ221で測定された温度、すなわち、クーラコア220の表面温度が、所定の目標値を下回っているか否かが判定される。当該目標値は、クーラコア220において除湿性能が適切に発揮される温度として、予め設定されたものである。例えば、クーラコア220の表面温度が低すぎる場合には、クーラコア220の表面に付着した結露水が凍結して着霜(所謂「フロスト」)が発生し、ケーシング201を通過する空気の流れが阻害されてしまう可能性がある。逆に、クーラコア220の表面温度が高すぎる場合には、クーラコア220の表面に付着した凝縮水が蒸発するので、高湿の空気が車室内に吹き出されてしまう可能性がある。以上のような現象を防止するために、クーラコア220の表面温度についての上記目標値は、例えば0℃〜10℃程度に設定されることが望ましい。
ステップS21において、クーラコア220の表面温度が目標値を下回っていれば、ステップS22に移行する。ステップS22では、第3流路530に設けられた第3ポンプP3の回転数を増加させる。これにより、ラジエータ300を通過する低温の熱媒体の流量が増加するので、ラジエータ300において外気から熱媒体に取り込まれる熱量が増加する。その結果、クーラコア220の表面温度は上昇し、目標値に近づくこととなる。
ステップS21において、クーラコア220の表面温度が目標値以上であった場合には、ステップS23に移行する。ステップS23では、クーラコア220の表面温度が目標値を超えているか否かが判定される。クーラコア220の表面温度が目標値を超えていなかった場合には、クーラコア220の表面温度が目標値に一致しているということであるから、図6に示される一連の処理を終了する。
クーラコア220の表面温度が目標値を超えていれば、ステップS24に移行する。ステップS24では、第3ポンプP3の回転数を減少させる。これにより、ラジエータ300を通過する低温の熱媒体の流量が減少するので、ラジエータ300において外気から熱媒体に取り込まれる熱量が減少する。その結果、クーラコア220の表面温度は低下し、目標値に近づくこととなる。
このように、除湿暖房が行われているときには、コンプレッサ130の回転数によって吹き出し温度の調整を行いながら、第3ポンプP3の回転数によってクーラコア220の表面温度を調整する。これにより、空調装置200の除湿性能と暖房性能とを安定して発揮させることができる。
低温の熱媒体が流れる流路において、仮にクーラコア220とラジエータ300とが直列に配置されていた場合には、クーラコア220を流れる熱媒体の流量と、ラジエータ300を流れる熱媒体の流量とは常に一致することとなる。従って、ラジエータ300における吸熱量を適切なものとするために、ラジエータ300を流れる熱媒体の流量の調整が行われると、これに合わせてクーラコア220を通過する熱媒体の流量が変化してしまう。
クーラコア220では熱媒体の相変化が生じないので、潜熱変化ではなく顕熱変化が生じている。このため、上記のようにクーラコア220を通過する熱媒体の流量が変化すると、それに伴ってクーラコア220の表面における温度分布が大きく変化してしまう。その結果、クーラコア220の表面温度を目標値に一致させるために、ラジエータ300を流れる熱媒体の流量を更に変化させる必要が生じる。
つまり、クーラコア220とラジエータ300とが互いに直列に配置された構成とした場合には、それぞれを流れる熱媒体の流量を個別に調整することができない。クーラコア220における熱媒体の最適流量と、ラジエータ300における熱媒体の最適流量と、は互いに異なっているので、上記構成においては、クーラコア220の表面温度が不安定になってしまうという問題が生じることとなる。
これに対し、本実施形態では、クーラコア220とラジエータ300とが互いに並列に接続されている。具体的には、図1に示されるように、クーラコア220が途中に設けられたクーラコア用流路540と、ラジエータ300が途中に設けられた第3流路530とが、第1弁装置410及び第2弁装置420を間に挟んで互いに並列となるよう接続されている。
このため、図2に示されるように、第2流路520及びクーラコア用流路540を循環する低温の熱媒体の一部が、第3流路530を通ってラジエータ300に供給される。このような構成においては、クーラコア220を流れる熱媒体の流量と、ラジエータ300を流れる熱媒体の流量と、を互いに一致させる必要が無いので、両者を個別に調整することができる。
本実施形態では、クーラコア220を流れる熱媒体の流量を頻繁に変更する必要が無いので、クーラコア220の表面における温度分布の変動が抑制される。また、クーラコア220を流れる熱媒体の流量に影響を与えることなく、ラジエータ300を流れる熱媒体の流量を調整することができるので、ラジエータ300の吸熱性能を十分に確保することができる。更に、クーラコア220を流れる熱媒体の流量に影響を与えることなく、インバータ冷却器E1等を流れる熱媒体の流量を調整することができるので、車載機器の冷却性能も十分に確保することができる。
ところで、上記2つの流量を個別に調整するためには、図1の構成において、第3ポンプP3を流量調整弁に置き換えてもよいように思われる。そのような構成においては、第2ポンプP2の回転数を調整することにより、クーラコア220を流れる熱媒体の流量を調整することができる。また、流量調整弁の開度を調整することにより、ラジエータ300を流れる熱媒体の流量を調整することができる。
しかしながら、そのような構成においては、単一の第2ポンプP2のみによって低温の熱媒体が循環するので、ラジエータ300に供給される熱媒体の流量が小さくなってしまう。その結果、夏期や冬期のような高負荷時において、ラジエータ300の吸熱性能等が十分に発揮されなくなってしまう。ラジエータ300を流れる熱媒体の流量を十分に確保するには、第2ポンプP2として大容量のポンプを用いる必要が生じる。
しかしながら、熱媒体が流れる流路(第1流路510等)は複雑である上、車内における引き回しによってその経路も比較的長くなっている。また、流路の途中には第1弁装置410やインバータ冷却器E1等が複数設けられている。その結果、熱媒体が流れる流路における圧力損失は比較的大きくなっている。
従って、第2ポンプP2として大容量のポンプが用いられると、第2ポンプP2の吐出側においては熱媒体の圧力が非常に高くなる。このため、高耐圧化が必要となる。一方、第2ポンプP2の吸入側においては、熱媒体の圧力が非常に低くなる。このため、例えば第2流路520を構成する樹脂配管の一部が、負圧によって潰れてしまう可能性もある。吐出側と吸入側との両方において何らかの対策を講じる必要が生じるので、熱管理システム10の全体のコストが増加してしまう。
更に、第2ポンプP2として大容量のポンプが用いられた場合には、熱媒体の流量が小さいときにおける運転効率が著しく低下する、という問題も生じる。例えば、春や秋など、空調装置200への負荷が小さいときには、大容量の第2ポンプP2において電力が無駄に消費されてしまうこととなる。
尚、このような問題は暖房時や除湿暖房時に限られたものではなく、冷房時においても生じるものである。つまり、第3ポンプP3を流量調整弁に置き換えた構成とした場合には、特に冷房時において第1ポンプP1を大型化する必要が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、ラジエータ300に供給される熱媒体が通る流路、である第3流路530の途中に、第3ポンプP3が設けられている。つまり、ラジエータ300に熱媒体を供給するための専用のポンプとして第3ポンプP3が設けられている。このような構成においては、熱媒体の循環が2つのポンプによって分散して行われるので、上記のように大型のポンプを用いる必要が無い。また、熱媒体が通る流路において、局所的に高圧となり過ぎたり、低圧となり過ぎたりすることもないので、高耐圧化等の対策も不要となる。
尚、本実施形態のように、熱媒体としてエチレングリコールを主成分とする不凍液が用いられる場合には、低温時には熱媒体の粘度が増大し、第3流路530等を循環する熱媒体の流量が低下する傾向がある。このため、二つのポンプによって低温の熱媒体を循環させる本実施形態は、冬期において特に大きな効果を発揮する。
暖房時又は除湿暖房時においては、ラジエータ300における吸熱量を大きくする必要がある。このため、熱管理システム10を循環する熱媒体のうち、低温の熱媒体の流量を大きくする必要がある。図2に示されるように、暖房時又は除湿暖房時においては、低温の熱媒体が、第2ポンプP2と第3ポンプP3の二つによって圧送され循環している。
また、冷房時においては、ラジエータ300における放熱量を大きくする必要がある。このため、熱管理システム10を循環する熱媒体のうち、高温の熱媒体の流量を大きくする必要がある。図3に示されるように、冷房時においては、高温の熱媒体が、第1ポンプP1と第3ポンプP3の二つによって圧送され循環している。
このように、本実施形態では、低温の熱媒体又は高温の熱媒体のうち、流量を大きくする必要のある方が、第3ポンプP3によって補助的に圧送されるように構成されている。
尚、吸熱状態となっている暖房時又は除湿暖房時においては、第3ポンプP3によって圧送される熱媒体の流量は、第2ポンプP2によって圧送される熱媒体の流量よりも小さい。換言すれば、そのような流量となるように、第3ポンプP3の回転数が制御装置20によって制御される。
同様に、放熱状態となっている冷房時においては、第3ポンプP3によって圧送される熱媒体の流量は、第1ポンプP1によって圧送される熱媒体の流量よりも小さい。換言すれば、そのような流量となるように、第3ポンプP3の回転数が制御装置20によって制御される。
いずれの場合であっても、第3ポンプP3によって圧送される熱媒体の流量が大きくなり過ぎてしまうと、熱管理システム10の全体における圧力や流量のバランスが崩れてしまう。第3ポンプP3は、あくまで補助的に用いられるポンプである。このため、第3ポンプP3によって圧送される熱媒体の流量は、メインのポンプ(つまり第1ポンプP1や第2ポンプP2)によって圧送される熱媒体の流量よりも、小さくすることが望ましい。
尚、熱媒体の流路に沿った第1ポンプP1と第3ポンプP3との距離、及び、熱媒体の流路に沿った第2ポンプP2と第3ポンプP3との距離が、可能な限り長くなるような位置に、第3ポンプP3を配置することが望ましい。流路内における熱媒体の圧力が分散されるので、第3ポンプP3を補助的に用いることによる上記効果がより発揮されることとなる。
本発明の第2実施形態に係る熱管理システム10Aについて、図7を参照しながら説明する。本実施形態では、第1流路510の途中に空調装置200のヒータコア210が配置されており、第1実施形態におけるヒータコア用流路550に対応する流路が存在しない。また、第2流路520の途中に空調装置200のクーラコア220が配置されており、第1実施形態におけるクーラコア用流路540に対応する流路が存在しない。更に、本実施形態では、第1弁装置410Aと第2弁装置420Aとを繋ぐ共通流路580が設けられている。本実施形態では、第1弁装置410A及び第2弁装置420Aの構成においても第1実施形態と異なっている。
本実施形態に係る熱管理システム10Aは、以上の点において熱管理システム10と異なっているが、他の点においては第1実施形態に係る熱管理システム10と同一である。以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第1弁装置410Aは、第1弁装置410と同様の構成を有する電動式の結合多方弁である。第1弁装置410Aには、熱媒体の入口である開口413A、418Aと、熱媒体の出口である開口411A、412A、416A、417Aとが形成されている。開口413Aには、第3流路530の下流側端部が接続されている。開口418Aには、共通流路580の下流側端部が接続されている。開口411Aには、第1流路510の上流側端部が接続されている。開口412Aには、第2流路520の上流側端部が接続されている。開口416Aには、インバータ用流路560の上流側端部が接続されている。開口417Aには、蓄電池用流路570の上流側端部が接続されている。
本実施形態においても、第1弁装置410Aの内部には、高温の熱媒体が流れる流路と、低温の熱媒体が流れる流路とが形成されている。ただし、それぞれの流路は分離されている。このため、第1弁装置410Aの内部において、高温の熱媒体と低温の熱媒体とが合流することはない。
第2弁装置420Aは、第2弁装置420と同様の構成を有する電動式の結合多方弁である。第2弁装置420Aには、熱媒体の出口である開口423A、428Aと、熱媒体の入口である開口421A、422A、426A、427Aとが形成されている。開口423Aには、第3流路530の上流側端部が接続されている。開口428Aには、共通流路580の上流側端部が接続されている。開口421Aには、第1流路510の下流側端部が接続されている。開口422Aには、第2流路520の下流側端部が接続されている。開口426Aには、インバータ用流路560の下流側端部が接続されている。開口427Aには、蓄電池用流路570の下流側端部が接続されている。
本実施形態においても、第2弁装置420Aの内部には、高温の熱媒体が流れる流路と、低温の熱媒体が流れる流路とが形成されている。ただし、それぞれの流路は分離されている。このため、第2弁装置420Aの内部において、高温の熱媒体と低温の熱媒体とが合流することはない。
熱管理システム10Aの全体において熱媒体が流れる経路について説明する。図8に示されるのは、空調装置200によって車室内の暖房又は除湿暖房が行われる際における、熱媒体の流れである。図8においては、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が流れる経路が、実線で示されている。また、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が流れる経路が、一点鎖線で示されている。
実線で示されるように、凝縮器110から排出された高温の熱媒体は、ヒータコア210、第2弁装置420A、共通流路580、第1弁装置410A、第1ポンプP1を順に流れて、再び凝縮器110に戻される。インバータ等の車載機器の暖気が必要なときには、インバータ冷却器E1や電池冷却器E2にも高温の熱媒体が供給される。つまり、開口418Aから第1弁装置410Aに流入した高温の熱媒体の一部が、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を流れるように、第1弁装置410A及び第2弁装置420Aの状態が切り換えられる。図8においては、当該熱媒体が流れる経路が点線で示されている。尚、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を熱媒体が流れるときであっても、実線及び一点鎖線で示される熱媒体の流れは維持される。
一点鎖線で示されるように、蒸発器120から排出された低温の熱媒体は、クーラコア220、第2弁装置420A、第3ポンプP3、ラジエータ300、第1弁装置410A、第2ポンプP2を順に流れて、再び蒸発器120に戻される。
図9に示されるのは、空調装置200によって車室内の冷房が行われる際における、熱媒体の流れである。図9においても、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が流れる経路が、実線で示されている。また、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が流れる経路が、一点鎖線で示されている。
実線で示されるように、凝縮器110から排出された高温の熱媒体は、ヒータコア210、第2弁装置420A、第3ポンプP3、ラジエータ300、第1弁装置410A、第1ポンプP1を順に流れて、再び凝縮器110に戻される。
一点鎖線で示されるように、蒸発器120から排出された低温の熱媒体は、クーラコア220、第2弁装置420A、共通流路580、第1弁装置410A、第2ポンプP2を順に流れて、再び蒸発器120に戻される。インバータ等の車載機器の冷却が必要なときには、インバータ冷却器E1や電池冷却器E2にも低温の熱媒体が供給される。つまり、開口418Aから第1弁装置410Aに流入した低温の熱媒体の一部が、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を流れるように、第1弁装置410A及び第2弁装置420Aの状態が切り換えられる。図9においては、当該熱媒体が流れる経路が点線で示されている。尚、インバータ用流路560及び蓄電池用流路570を熱媒体が流れるときであっても、実線及び一点鎖線で示される熱媒体の流れは維持される。
以上のように、本実施形態においても、暖房時又は除湿暖房時には、第3流路530及びラジエータ300を低温の熱媒体が流れる。また、冷房時には、第3流路530及びラジエータ300を高温の熱媒体が流れる。いずれの場合でも、ラジエータ300に供給される熱媒体は第3ポンプP3により圧送される。これにより、第1実施形態の場合と同様の効果を奏する。
更に、本実施形態では、第1流路510において、ヒータコア210と凝縮器110とが直列に並ぶように配置されている。このため、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が、途中で分岐することなくその全てがヒータコア210に供給される。これにより、ヒータコア210による空気の加熱性能が向上している。
同様に、本実施形態では、第2流路520において、クーラコア220と蒸発器120とが直列に並ぶように配置されている。このため、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が、途中で分岐することなくその全てがクーラコア220に供給される。これにより、クーラコア220による空気の冷却性能が向上している。
尚、第1実施形態、及び第2実施形態のいずれにおいても、第3ポンプP3はラジエータ300よりも上流側となる位置に配置されている。しかしながら、第3ポンプP3が配置される位置は、これらとは異なる位置であってもよい。第3ポンプP3は、第3流路530の途中であれば、どのような位置に配置されていてもよい。
本発明の第3実施形態に係る熱管理システム10Bについて、図10を参照しながら説明する。本実施形態では、第3流路530にはラジエータ300が配置されておらず、第3ポンプP3のみが配置されている。また、ラジエータ300は、第3流路530とは別に設けられたラジエータ用流路531の途中に配置されている。更に本実施形態では、第1弁装置410B及び第2弁装置420Bの構成においても第1実施形態と異なっている。
本実施形態に係る熱管理システム10Bは、以上の点において熱管理システム10と異なっているが、他の点においては第1実施形態に係る熱管理システム10と同一である。以下では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
第1弁装置410Bは、第1弁装置410と同様の構成を有する電動式の結合多方弁である。第1弁装置410Bには、ラジエータ用流路531の上流側端部が接続される開口419が形成されている。また、第1弁装置410Bの開口413には、第3流路530の下流側端部が接続されている。
本実施形態においても、第1弁装置410Bの内部には、高温の熱媒体が流れる流路と、低温の熱媒体が流れる流路とが形成されている。ただし、それぞれの流路は分離されている。このため、第1弁装置410Bの内部において、高温の熱媒体と低温の熱媒体とが合流することはない。
第2弁装置420Bは、第2弁装置420と同様の構成を有する電動式の結合多方弁である。第2弁装置420Bには、ラジエータ用流路531の下流側端部が接続される開口429が形成されている。また、第2弁装置420Bの開口423には、第3流路530の上流側端部が接続されている。
本実施形態においても、第2弁装置420Bの内部には、高温の熱媒体が流れる流路と、低温の熱媒体が流れる流路とが形成されている。ただし、それぞれの流路は分離されている。このため、第2弁装置420Bの内部において、高温の熱媒体と低温の熱媒体とが合流することはない。
熱管理システム10Bの全体において熱媒体が流れる経路について説明する。図11に示されるのは、空調装置200によって車室内の暖房又は除湿暖房が行われる際における、熱媒体の流れである。図11においては、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が流れる経路が、実線で示されている。また、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が流れる経路が、一点鎖線で示されている。
凝縮器110から排出された高温の熱媒体が流れる経路は、実線及び点線で示されるように、図2に示される第1実施形態の場合と同一である。
低温の熱媒体が流れる経路について説明する。図11の一点鎖線で示されるように、蒸発器120から排出された低温の熱媒体は、第1弁装置410B、クーラコア220、第2弁装置420B、第2ポンプP2を順に流れて、再び蒸発器120に戻される。
また、第1弁装置410Bに流入した低温の熱媒体の一部は、開口419から排出され、ラジエータ用流路531及びラジエータ300を流れた後、開口429から第2弁装置420Bに流入する。当該熱媒体は、第2流路520やクーラコア用流路540を流れる熱媒体に合流する。
更に、第2弁装置420Bの内部を流れる低温の熱媒体の一部は、開口423から排出され、第3流路530及び第3ポンプP3を流れた後、第1弁装置410Bに流入する。当該熱媒体は、第2流路520やクーラコア用流路540を流れる熱媒体に合流する。
図12に示されるのは、空調装置200によって車室内の冷房が行われる際における、熱媒体の流れである。図12においても、凝縮器110によって加熱された高温の熱媒体が流れる経路が、実線で示されている。また、蒸発器120によって冷却された低温の熱媒体が流れる経路が、一点鎖線で示されている。
実線で示されるように、凝縮器110から排出された高温の熱媒体は、第1弁装置410B、ヒータコア210、第2弁装置420B、第1ポンプP1を順に流れて、再び凝縮器110に戻される。
また、第1弁装置410Bに流入した高温の熱媒体の一部は、開口419から排出され、ラジエータ用流路531及びラジエータ300を流れた後、開口429から第2弁装置420Bに流入する。当該熱媒体は、第1流路510やヒータコア用流路550を流れる熱媒体に合流する。
更に、第2弁装置420Bの内部を流れる高温の熱媒体の一部は、開口423から排出され、第3流路530及び第3ポンプP3を流れた後、第1弁装置410Bに流入する。当該熱媒体は、第1流路510やヒータコア用流路550を流れる熱媒体に合流する。
尚、蒸発器120から排出された低温の熱媒体が流れる経路は、一点鎖線で示されるように、図3に示される第1実施形態の場合と同一である。
以上のように、本実施形態では、ラジエータ300と第3ポンプP3とが同一の流路に配置されているのではなく、ラジエータ用流路531及び第3流路530にそれぞれ配置されている。第3ポンプP3によって第3流路530を熱媒体が圧送されると、当該熱媒体がラジエータ用流路531を流れてラジエータ300に供給される。つまり、本時獅子形態における第3流路530も、ラジエータ300に供給される熱媒体が流れる流路となっている。このような構成であっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
以上の説明においては、車載機器のうちインバータと蓄電池が、熱媒体によって加熱又は冷却される例について説明した。熱媒体によって加熱又は冷却される車載機器は、インバータや蓄電池以外の機器であってもよい。このような車載機器としては、例えば、モータジェネレータ、トランスアクスル、オイルクーラ、インタークーラ、EGRクーラ、排気熱回収機、燃料供給配管、吸気経路、排ガス浄化用触媒、スロットルクーラ等が挙げられる。また、熱媒体によって加熱又は冷却される車載機器の数は、これらのうちの1つでもよく、3つ以上でもよい。この場合、車載機器を加熱又は冷却するための機器用熱交換器(本実施形態ではインバータ冷却器E1、及び電池冷却器E2)と、当該機器用熱交換器に熱媒体を供給するための配管(本実施形態ではインバータ用流路560、及び蓄電池用流路570)との組は、車載機器の数だけ設けられることとなる。
機器用熱交換器は、第1流路510の途中や、第2流路520の途中に配置してもよい。機器用熱交換器は、車載機器にとっての最適温度を考慮し、適切な場所に配置されればよい。
ラジエータ300における吸熱量は、第3ポンプP3の回転数のみによって調整されてもよいが、第3ポンプP3の回転数と、電動ファン301の回転数との両方によって調整されてもよい。また、ラジエータシャッター(不図示)の動作と組み合わせることによって調整されてもよい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10,10A,10B:熱管理システム
20:制御装置
100:冷凍サイクル
110:凝縮器
120:蒸発器
200:空調装置
300:ラジエータ
410,410A,410B:第1弁装置
420,420A,420B:第2弁装置
510,510A,510B:第1流路
520,520A,520B:第2流路
530:第3流路

Claims (15)

  1. 車両に搭載される熱管理システム(10,10A,10B)であって、
    凝縮器(110)と蒸発器(120)とを有する冷凍サイクル(100)と、
    熱媒体が流れる流路であって、その一部が前記凝縮器によって加熱される第1流路(510,510A,510B)と、
    前記第1流路に設けられ、熱媒体を圧送する第1ポンプ(P1)と、
    熱媒体が流れる流路であって、その一部が前記蒸発器によって冷却される第2流路(520,520A,520B)と、
    前記第2流路に設けられ、熱媒体を圧送する第2ポンプ(P2)と、
    車室内に供給される空気を、前記第1流路を通った熱媒体との熱交換、及び前記第2流路を流れた熱媒体との熱交換によって加熱又は冷却する空調装置(200)と、
    前記空調装置を流れた熱媒体と、外気とを熱交換させるラジエータ(300)と、
    前記ラジエータに供給される熱媒体が流れる流路である第3流路(530)と、
    前記第3流路に設けられ、熱媒体を圧送する第3ポンプ(P3)と、
    前記第1流路の一端と、前記第2流路の一端と、前記第3流路の一端と、がそれぞれ接続されており、熱媒体が流れる経路を切り替える第1弁装置(410,410A,410B)と、
    前記第1流路の他端と、前記第2流路の他端と、前記第3流路の他端と、がそれぞれ接続されており、熱媒体が流れる経路を切り替える第2弁装置(420,420A,420B)と、
    熱管理システムの全体の動作を制御する制御装置(20)と、を備える熱管理システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1ポンプ、前記第2ポンプ、及び前記第3ポンプのそれぞれの動作を制御することにより、それぞれを通過する熱媒体の流量を個別に調整する、請求項1に記載の熱管理システム。
  3. 前記空調装置は、
    前記第1流路を流れた熱媒体、との熱交換により空気を加熱するヒータコア(210)と、
    前記第2流路を流れた熱媒体、との熱交換により空気を冷却するクーラコア(220)と、を有し、
    空気の流れ方向における上流側に前記クーラコアが配置されており、下流側に前記ヒータコアが配置されている、請求項2に記載の熱管理システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記第1弁装置及び前記第2弁装置のそれぞれの動作を制御することにより、
    前記第1流路を流れた熱媒体の一部が前記第3流路を流れる放熱状態と、
    前記第2流路を流れた熱媒体の一部が前記第3流路を流れる吸熱状態と、を切り替える、請求項3に記載の熱管理システム。
  5. 前記制御装置は、
    前記空調装置による車室内の冷房が行われるときには前記放熱状態となり、
    前記空調装置による車室内の暖房が行われるときには前記吸熱状態となるように、前記第1弁装置及び前記第2弁装置の動作を制御する、請求項4に記載の熱管理システム。
  6. 前記クーラコアにおける空気の除湿と、前記ヒータコアにおける空気の加熱と、が同時に行われている除湿暖房時において、
    前記制御装置は、
    前記第3ポンプの動作を制御することによって前記ラジエータにおける吸熱量を調整し、これにより前記空調装置の吹出空気温度を目標温度と一致させる制御を行う、請求項5に記載の熱管理システム。
  7. 前記放熱状態において、前記制御装置は、
    前記第3ポンプを通過する熱媒体の流量が、前記第1ポンプを通過する熱媒体の流量よりも小さくなるように前記第3ポンプの動作を制御する、請求項4に記載の熱管理システム。
  8. 前記吸熱状態において、前記制御装置は、
    前記第3ポンプを通過する熱媒体の流量が、前記第2ポンプを通過する熱媒体の流量よりも小さくなるように前記第3ポンプの動作を制御する、請求項4に記載の熱管理システム。
  9. 前記第1流路において、前記ヒータコアと前記凝縮器とが直列に並ぶように配置されている、請求項3に記載の熱管理システム。
  10. 前記第2流路において、前記クーラコアと前記蒸発器とが直列に並ぶように配置されている、請求項3に記載の熱管理システム。
  11. 前記車両に搭載された車載機器を、前記第1流路又は前記第2流路を流れた熱媒体との熱交換によって加熱又は冷却する機器用熱交換器(E1,E2)を更に備えた、請求項1に記載の熱管理システム。
  12. 前記制御装置は、
    前記第1弁装置及び前記第2弁装置のうち少なくとも一方の動作を制御することにより、前記機器用熱交換器に供給される熱媒体の流量を調整する、請求項11に記載の熱管理システム。
  13. 前記機器用熱交換器に供給される熱媒体が流れる流路である第4流路(560,570)が、前記第1流路、前記第2流路、及び前記第3流路とは別の流路として設けられており、
    前記第4流路の一端は前記第1弁装置に接続され、前記第4流路の他端は前記第2弁装置に接続されている、請求項12に記載の熱管理システム。
  14. 前記機器用熱交換器と前記第4流路とが複数組備えられている、請求項13に記載の熱管理システム。
  15. 前記第3流路において、前記ラジエータと前記第3ポンプとが直列に並ぶように配置されている、請求項1に記載の熱管理システム。
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