JP2017094568A - 繊維強化プラスチック成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
上記のような繊維強化プラスチック成形用シートを用いた繊維強化プラスチック成形体は、例えば、難燃・耐熱電磁波シールドボックス、照明用具筐体、パソコン・テレビ用等の家電筐体及び筐体の補強材、LED基板、キャリアプレート、燃料電池部材、バッテリーケース、難燃・吸音性床材、航空機家具、航空機内装材、機内エンタテイメント機械部品、鉄道家具、車内掲示板システム部材、電装品ケース、配線部材等、種々の用途に使用される。
また、本発明によれば、高密度領域と低密度領域を肉厚の違いとし、機器内部部品の高さ差に応じて夫々の領域を配置することにより、機器内部部品の高さ差を触感から隠ぺいすることのできる筐体を作製することが可能になる。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2]高密度領域の空隙率が10%以下であって、低密度領域の空隙率が高密度領域より大きいことを特徴とする前記、[1]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[3]低密度領域の空隙率が60%以上であって、高密度領域の空隙率が低密度領域より小さいことを特徴とする前記、[1]または[2]に記載の繊維強化プラスチック成形体。
[4]繊維強化プラスチック成形体に含有される強化繊維:熱可塑性樹脂の質量比率が、35:65〜65:35(質量%)であることを特徴とする前記、[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[5]前記、繊維強化プラスチック成形体の外縁が高密度領域であることを特徴とする前記、[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[6]前記、繊維強化プラスチック成形体の全面積に対して、前記高密度領域が占める割合が5〜70%であることを特徴とする前記、[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[7]前記、繊維強化プラスチック成形体が低密度領域に実質的に囲まれた高密度領域を有することを特徴とする前記、[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[8]前記、強化繊維の平均繊維長が55mm以下、平均繊維径が20μm以下であり、且つ210℃以下にガラス転移点を持たない強化繊維であることを特徴とする前記、[1]〜[7]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[9]前記、強化繊維成分が、無機繊維であることを特徴とする前記、[1]〜[8]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[10]前記、無機繊維が扁平断面形状を有するガラス繊維を含有することを特徴とする前記、[9]記載の繊維強化プラスチック成形体。
[12]前記、熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂よりなる群から選ばれた1以上の熱可塑性樹脂であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[13]UL−94規格HB水準以上の難燃性を有することを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[14]表面に熱可塑性樹脂層を有する、[1]~[13]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
[17]前記、加熱加圧工程は、凹凸形状を有する金型を、前記、繊維強化プラスチック成形用シートに押し当てて成形加工を行う工程を含むことを特徴とする[15]または[16]に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
[18]前記、加熱加圧工程が、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック成形用シートをTg〜Tg+200℃に加熱する工程を含むことを特徴とする[15]〜[17]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。(但し、Tgは、前記、熱可塑性樹脂のガラス転移温度を表す。)
[19]前記、加熱加圧工程において、2枚以上の繊維強化プラスチック成形用シートが積層されて、成形加工されることを特徴とする[15]〜[18]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
[20]前記、[1]〜[14]のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体であるパソコン用軽量キーボード筐体。
また、本発明によれば、高密度領域と低密度領域を肉厚の違いとし、機器内部部品の高さ差に応じて夫々の領域を配置することにより、機器内部部品の高さの差を触感から隠ぺいすることのできる筐体を作製することが可能になる。そのため、各種軽量モバイル機器、たとえば、携帯電話、電子ペーパー端末、軽量パソコン、業務用POS端末、携帯テレビ、可搬型ナビゲーションシステム、およびその付属機器、例えばキーボード、ポインティングデバイス、カバー、プロテクター、薄型スピーカー、画像入力機器の用途に好適に用いられる。
本発明は、繊維成分(強化繊維)と熱可塑性樹脂とを含む繊維強化プラスチック成形体に関する。本発明の繊維強化プラスチック成形体は、面方向に薄肉の高密度領域と厚肉の低密度領域とが配設され、薄肉の高密度領域の空隙率が、厚肉の低密度領域の空隙率よりも大きい繊維強化プラスチック成形体である。なお、密度とは一定領域の質量を該領域の見かけ体積で割った値である。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の高密度領域は、強化繊維間の空隙に溶融した熱可塑性樹脂が充てんされて空隙率が低くなっている。低密度領域では強化繊維は繊維間に空隙を持った状態で熱可塑性樹脂によって接着されており、空隙率と厚みが大きくなっている。空隙率は、当該領域の見かけ体積から当該領域を構成する材料の実密の体積を差し引いた空隙体積が、当該領域の見かけ体積に対して占める比率であり、面積当たり同じ質量の成形体である場合には、空隙率が大きく、厚みが大きい領域ほど曲げ剛性は高くなるが、空隙率が78%を超えると強化繊維間の接着が不充分となり、強化繊維が離脱しやすくなるため、成形体の各領域は空隙率78%以下に調節される。
成形体のある領域の曲げ強度は、該領域にかけた曲げ荷重による降伏点の荷重の大きさである。空隙率が約60%までは、空隙率の低下とともに曲げ強度は増加するが、更に空隙率を低下させて領域を薄肉にしてゆくと曲げ強度は低下してゆく。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の曲げ剛性、曲げ強度は、JIS K7171−1994 プラスチック−曲げ特性の試験方法に準じて測定することが出来る。
本発明では、強化繊維と熱可塑性樹脂の含有質量比率は、繊維強化プラスチック成形体の全領域において略一定であることが好ましい。なお、繊維成分と熱可塑性樹脂の含有質量比率が略一定であることは、含有質量比率に±5%の変動があってもよいことを示す。
たわみ−曲げ荷重曲線の立ち上がりの傾きは、各空隙率の領域の剛性を示し、ある荷重に達した時点で降伏する挙動が示されている。空隙率が75%から66%まで下がると、剛性がやや低下するが、降伏点(降伏したときの曲げ応力の大きさ)は高くなっている。更に空隙率が50%まで下がると、剛性もかなり下がり、降伏点も低下してくる。 空隙率が0%まで下がる(高密度領域)とさらに剛性が下がり、降伏点も低下する。
本発明で用いられる強化繊維は、繊維強化プラスチック成形体の強度、剛性を高めるために機能する。強化繊維の平均繊維長は、55mm以下であることが好ましく、5〜50mmであることがより好ましく、10〜45mmであることがさらに好ましい。強化繊維の平均繊維長が上記上限値よりも長いと、繊維が均一に分散せず、繊維強化プラスチック成形体内の均一性や強化繊維との混合比の均一性が低下する傾向となる。上記下限値よりも短いと、繊維強化プラスチック成形体の強度、剛性が低下する傾向となる。
また、平均繊維径は20μm以下が好ましい。強化繊維の平均繊維径が前記上限値よりも太いと不織布の柔軟性が劣ったり、皮膚、眼球への障害等が懸念される場合がある。
使用する強化繊維の繊維径及び繊維長は単一であってもよく、また異なる繊維径、繊維長のものをブレンドして使用してもよい。
熱可塑性樹脂が溶融したり軟化する温度では、強化繊維は、軟化、変形したり流動したりしないことが好ましく、210℃以下の温度でガラス転移温度を持たないことが好ましい。このような強化繊維としては、例えば、ガラス転移温度が210℃以上の高耐熱性樹脂を用いた強化繊維や、ガラス転移温度を持たない無形繊維などを用いることが出来る。本発明において、210℃以下でガラス転移温度を持たない強化繊維とは、上記のように、ガラス転移温度が210℃以上の高耐熱性樹脂を用いた強化繊維や、ガラス転移温度を持たない無形繊維に例示される強化繊維を示す。このような強化繊維としては、220℃以下でガラス転移温度を持たないことがより好ましく、230℃以下でガラス転移温度を持たないことがより好ましい。
また、無機繊維として、扁平状のガラス繊維も好適に使用される。強化繊維として繊維断面が扁平状のガラス繊維を用いることにより、成形体の曲げ強度を向上することが出来る。
本発明の繊維強化プラスチック成形体に使用する熱可塑性樹脂は、いわゆるエンジニアリングプラスチックと呼ばれる、高耐熱性で難燃性の熱可塑性樹脂を用いるのが好適である。また、更に耐熱性が高いスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれるものもある。
本発明の繊維強化プラスチック成形体に使用する熱可塑性樹脂は、繊維状態においてLOI値(限界酸素指数)が25以上である。ここで「LOI値(限界酸素指数)」とは、燃焼を続けるのに必要な酸素濃度を表し、JIS K7201に記載された方法で測定した数値をいう。すなわち、限界酸素指数が20以下である場合は、通常の空気中で燃焼することを示す。LOI値(限界酸素指数)は、25以上であればよく、27以上であることが好ましく、30以上であることがより好ましい。LOI値(限界酸素指数)を上記範囲内とすることにより、繊維強化プラスチック成形体は高い難燃性を示すことができる。
これらの内、特に、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂よりなる群から選ばれた1以上の熱可塑性樹脂が好ましく使用される。熱可塑性樹脂は、加熱処理前には、粉体、繊維状として存在していてもよいが、熱可塑性樹脂が繊維状であると、繊維成分との均一混合性、製造時のシート強度の面から特に好ましい。熱可塑性樹脂繊維としては、ポリエーテルイミドを繊維化したPEI繊維を用いることが好ましい。PEI樹脂は、溶融し成形加工された状態でのLOI値が40以上、またASTM E−662に記載の方法で測定した20分燃焼時の発煙量が30ds前後と、非常に発煙量が少ないため好ましく用いられる。また、ポリカーボネート樹脂も、強化繊維に対する接着性に優れ、断熱性、自己消火性を持つなどの特徴から好ましく用いられ、熱可塑性樹脂繊維として使用される。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、さらにバインダー成分を含んでもよい。バインダー成分は、層間の隙間を埋め、強度を高めるように機能したり、表面の毛羽立ちを抑制したり、シート製造工程でのシート強度を向上させる作用を発揮する。バインダー成分としては、熱可塑性樹脂をPEI樹脂やポリカーボネート樹脂とした場合、バインダー力(結着力)および耐熱性を維持するためにPEI樹脂、或いはポリカーボネート樹脂(繊維)と相溶するバインダーが好ましく、例えばポリエステル樹脂または変性ポリエステル樹脂等を例示することができる。また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、SBR樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等も用いることが出来る。 ただし、一般にバインダー成分のLOI値は熱可塑性樹脂に使用するようなエンジニアリングプラスチック類と比べて低いため、バインダーの含有率が多いと難燃性を損ねることとなる。このため、バインダーの含有率は、繊維強化プラスチック成形体の全質量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の繊維強化プラスチック成形体の各領域は、UL−94規格でHB水準以上の難燃性を有する
本発明の繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、(A)強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック成形体用シートを得る工程と、(B)前記、繊維強化プラスチック成形体用シートを成形加工する成形加工工程を含む。
(A)繊維強化プラスチック成形体用シートを得る工程は、乾式あるいは湿式で、不織布シートを得る一般の方法を使用することができる。乾式法、特にエアレイド法は嵩高い高坪量の不織布シートが得られる点で好適である。一方、湿式による不織布製造法は、均一で広幅の不織布シートを比較的容易に得られる点で好適である。
本発明の繊維強化プラスチック成形体は、軽量で薄型形状でありながら高い曲げ剛性と曲げ強度の繊維強化プラスチック成形体が得られることから、パソコン用キーボード用筐体に好適に用いることが出来る。本発明によれば、高密度領域と低密度領域を肉厚の違いとし、機器内部部品の高さの差に応じて夫々の領域を配置することにより、機器内部部品の高さ差を触感から隠ぺいすることのできる筐体を作製することが可能になる。
繊維径が9μmであり、繊維長が18mmのガラス繊維50質量部、LOI値が27のポリカーボネート樹脂から溶融紡糸法により作成したポリカーボネート繊維チョップ(繊維径30μ、繊維長15mm)45質量部、鞘部に変性PET(融点110℃)、芯部にPET繊維を使用した芯鞘バインダー繊維(クラレ製 N−720)5質量部を水中に投入した。水の量は、投入した繊維の重量に対し200倍となるとした(繊維スラリー濃度として0.5%)。
このスラリーに、分散剤として「エマノーン3199」(花王株式会社、商品名)を繊維100質量部に対し1質量部となるよう添加して攪拌し、繊維を水中に均一に分散させた繊維スラリーを調製した。
実施例1のガラス繊維に替えて、アスペクト比4:1の扁平断面をもつ扁平ガラス繊維(日東紡製:長径28μm、短径7μm、カット長13mm)を用いた他は実施例1と同様に、扁平ガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布を作製した。この扁平ガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布を用いて実施例1と同様に非等厚形状の繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例1の金型に替えて、厚み2.5mmのスペーサーを入れた60℃の平行平板でプレスし、厚さ2.5mmの繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例1のポリカーボネート繊維に替えて、ポリエチレンテレフタレート繊維(クラレ製EP203、直径14μm、カット長10mm、LOI値20)を用いて、坪量が470g/m2のガラス繊維―ポリエステルト繊維混合抄紙不織布を作製し、実施例1と同様に非等厚形状の繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例1のガラス繊維50質量部に替えて、30質量部、ポリカーボネート繊維チョップ45質量部に替えて65質量部にした他は同様に、ガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布(坪量360g/m2)を作製した。このガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布を用いて実施例1と同様に非等厚形状の繊維強化プラスチック成形体を得た。
実施例1のガラス繊維50質量部に替えて、70質量部、ポリカーボネート繊維チョップ45質量部に替えて25質量部にした他は同様に、ガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布(坪量480g/m2)を作製した。このガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布を用いて実施例1と同様の成形条件で成形を試みたが、加熱―プレス処理後も図1に示した形状の成形体にはならず、不織布の状態のままであった。
実施例1における目付けが410g/m2であるガラス繊維―ポリカーボネート繊維混合抄紙不織布を、A 4サイズ(210×297mm)にカットしたものを2枚積層したものの上下表層にA 4サイズにカットした厚さ50μmの難燃黒色ポリカーボネートフィルム(サンデルタ製:サンモルフィーV)を1枚づつ重ねたのち、金網に乗せ、赤外線オーブン(280℃)で1分半加熱して軟化させたのち、実施例1の金型の上金型と下金型の間に、厚み0.1mmのスペーサーを挿入した他は実施例1と同様の条件でプレスし、表層(表と裏)それぞれに厚さ50μmのポリカーボネートフィルムが圧着された、最大厚さ2.1mmの繊維強化プラスチック成形体を得た。
[各領域の空隙率、曲げ強度、曲げ剛性]
[試料の作成]
前記、実施例1〜3、比較例2および比較例3の非等厚形状の繊維強化プラスチック成形体は、厚みの異なる4つの領域よりなっていた。 厚みの小さい順にそれぞれ、領域1〜4とし、夫々から、1.5×6cmの長方形の切片を切り出し試料とした。比較例1は2.5mmの一定の厚みの成形体で、単独の領域よりなっていた。この領域から同様に1.5×6cmの長方形の切片を切り出し試料とした。
各試料について、厚みと質量を測定した。
夫々の領域の密度は、試料の厚みと質量から算出し、この密度と材料配合から算出される完全圧密状態(空隙率=0)の理論密度(1.64g/cm3)を用い、下記、式1により、空隙率(%)を算出した。
空隙率(%)={1−(密度/完全圧密状態の理論密度)}×100 (式1)
これらの試料に対して、JIS K7171−1994による3点曲げ試験装置を用い、支点間距離4cm、試験速度5mm/minでたわみ−曲げ荷重カーブ(SSカーブ)を測定した。実施例1の空隙率の異なる各領域について測定したSSカーブを図2に示す。
前記SSカーブの最大荷重(降伏点)をその試料の曲げ強度(N)とし、SSカーブの接線の最大傾きをとり曲げ剛性(N/mm)とした。
実施例及び比較例で作製した繊維強化プラスチック成形体を手作業でハンドリングする際の強度について、下記の基準で官能評価した。
3: 通常、ノートパソコンなどの筐体を持つような力で、指先で力を加えた場合に、折れ曲がりや型崩れ、強化繊維の離脱が発生しない。
2:ある程度注意してノートパソコンなどの筐体を持つような力で、指先で力を加えた場合に、折れ曲がりや型崩れ、強化繊維の離脱が発生しない。
1:注意深く取り扱わないと折れ曲がりや型崩れ、強化繊維の離脱が容易に発生する。
実施例及び比較例で作製した繊維強化プラスチック成形体について、UL94−HB規格による難燃性の評価を行なった。
〇:規格に適合する
×:規格に適合しない
―:未測定
Claims (20)
- 強化繊維と熱可塑性樹脂を含み、面上に薄肉の高密度領域と厚肉の低密度領域とを有する繊維強化プラスチック成形体であって、低密度領域の空隙率が78%以下、且つ高密度領域の空隙率よりも大きいことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体。
- 高密度領域の空隙率が10%以下であって、低密度領域の空隙率が高密度領域より大きいことを特徴とする前記、請求項1に記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 低密度領域の空隙率が60%以上であって、高密度領域の空隙率が低密度領域より小さいことを特徴とする前記、請求項1または2に記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 強化繊維:熱可塑性樹脂の質量比率が、35:65〜65:35(質量%)であることを特徴とする前記、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、繊維強化プラスチック成形体の外縁が高密度領域であることを特徴とする前記、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、繊維強化プラスチック成形体の全面積に対して、前記高密度領域が占める割合が5〜70%であることを特徴とする前記、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、繊維強化プラスチック成形体が低密度領域に実質的に囲まれた高密度領域を有することを特徴とする前記、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、強化繊維の平均繊維長が55mm以下、平均繊維径が20μm以下であり、且つ210℃以下にガラス転移温度をもたない強化繊維であることを特徴とする前記、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、強化繊維成分が、無機繊維であることを特徴とする前記、請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、無機繊維が扁平断面形状を有するガラス繊維を含有することを特徴とする前記、請求項9に記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、熱可塑性樹脂は、LOI値(限界酸素指数)が25以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 前記、熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂よりなる群から選ばれた1以上の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- UL−94規格HB水準以上の難燃性を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- 表面に熱可塑性樹脂層を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体。
- (A)強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック成形用シートを得る工程と、(B)前記、繊維強化プラスチック成形用シートを成形加工する成形加工工程を含む繊維強化プラスチック成形体の製造方法であって、(B)成形加工工程は、前記、繊維強化プラスチック成形用シートを、熱可塑性樹脂の少なくとも一部が溶融する温度まで加熱すると同時に、低密度領域と高密度領域とを、異なる圧で加圧を行なって設ける加熱加圧工程を含むことを特徴とする繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記、加熱加圧工程において、繊維強化プラスチック成形体の面積の5〜70%の面積が、繊維強化プラスチック成形体全体に加えられる圧よりも高圧で加圧されることを特徴とする前記、請求項15に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記、加熱加圧工程は、凹凸形状を有する金型を、前記、繊維強化プラスチック成形用シートに押し当てて成形加工を行う工程を含むことを特徴とする前記、請求項15または16に記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記、加熱加圧工程が、強化繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維強化プラスチック成形用シートをTg〜Tg+200℃に加熱する工程を含むことを特徴とする前記、請求項15〜17のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。(但し、Tgは、前記、熱可塑性樹脂のガラス転移温度を表す。)
- 前記、加熱加圧工程において、2枚以上の繊維強化プラスチック成形用シートが積層されて、成形加工されることを特徴とする前記、請求項15〜18のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法。
- 前記、請求項1〜14のいずれかに記載の繊維強化プラスチック成形体であるパソコン用軽量キーボード筐体。
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