JP2017094527A - 液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】記録幅の長さによらず、複数の吐出ヘッドチップを同一面に配列された液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】液体を吐出するためのノズルが配列された吐出ヘッドチップと、吐出ヘッドチップが接着剤によって接着された基材1と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法は、吐出ヘッドチップを保持するための保持面と、保持面と平行、且つ保持面からの高さ方向の距離が同じである、基準形成面7および基準突き当て面8と、を備えるフィンガー5によって、第1の吐出ヘッドチップ9を保持して、その第1の吐出ヘッドチップを、基材に対して、接着材3を介して基材から隙間を空けて接着するとともに、基準形成面で第1の基準部10を形成する基準形成工程と、フィンガーによって、第2の吐出ヘッドチップ11を保持して、その第2の吐出ヘッドチップを、基材に対して、基準突き当て面が第1の基準部に触れた高さで接着する基準突き当て接着工程と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッドに関し、詳しくは、複数の吐出ヘッドチップを配列してより長尺の吐出ヘッドを作成する際の位置決め技術に関するものである。
この種の液体吐出ヘッドの一例として、液体としてのインクを吐出するためのノズルを所定数配列した吐出ヘッドチップを、複数個配列して全体として長い記録幅(ノズル配列幅)の記録ヘッドを実現する構成が知られている。このような吐出ヘッドチップを複数個配列して構成される、より長い記録幅の記録ヘッドでは、それぞれの吐出ヘッドチップの位置決め精度によっては、例えば、インクの着弾位置ずれなどの問題が生じるおそれがある。
これに対し、特許文献1には、吐出ヘッドチップを、そのノズル面が下向きとなる姿勢で位置決めステージ上に配列し、吐出ヘッドチップの上記ノズル面の高さを揃えた状態で、吐出ヘッドチップを保持するための基材と接着する構成が記載されている。
特開2008-94000号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、それぞれの吐出ヘッドチップは、位置決めステージの平面度に応じた傾きを持ってしまう。特に、比較的記録幅が長い記録ヘッドの製造においては、位置決めステージを大きくする必要あり、この場合は、位置決めステージの平面度の精度の低下に伴って、それぞれの吐出ヘッドチップが、許容範囲を超えた傾きを有して接着されるといった問題が生じる。
本発明は、記録幅の長さによらず、複数の吐出ヘッドチップを同一面に配列することを可能とする液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、液体を吐出するためのノズルが配列された吐出ヘッドチップと、前記吐出ヘッドチップが表面に配された接着材を介して接着された基材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記吐出ヘッドチップを保持するための保持面と、前記保持面と平行、且つ前記保持面からの高さ方向の距離が同じである、基準形成面および基準突き当て面と、を備えるフィンガーによって、第1の吐出ヘッドチップを保持して、当該第1の吐出ヘッドチップを、前記基材に対して、接着材を介して前記基材の前記表面から隙間を空けて接着するとともに、前記基準形成面で基準部を形成する基準形成工程と、前記フィンガーによって、第2の吐出ヘッドチップを保持して、当該第2の吐出ヘッドチップを、前記基材に対して、前記基準突き当て面が前記基準部に触れた位置で接着する基準突き当て接着工程と、を有することを特徴とする。
以上の構成によれば、記録幅の長さによらず、複数の吐出ヘッドチップが同一面に配列された液体吐出ヘッドを提供することが可能となる。
(a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係るフィンガーについて、通常の使用時のフィンガーを上下反転させて示す概略斜視図および断面図である。 (a)および(b)は、接着材を塗布した後に得られる基材の概略斜視図および概略正面図である。 (a)、(b)および(c)は、第1実施形態に係る基準形成工程を説明する、概略斜視図、概略正面図、および基準形成工程で得られる記録ヘッドを示す概略斜視図である。 第1実施形態に係る、吐出ヘッドチップの接着層を得るための他の手法を説明する概略正面図である。 (a)、(b)および(c)は、第1実施形態に係る吐出ヘッドチップの基準突き当て接着工程を説明する、概略斜視図、概略正面図および基準突き当て接着工程で得られる記録ヘッドを示す概略斜視図である。 第1の実施形態に係る製造方法によって得られる記録ヘッドの概略斜視図である。 (a)および(b)は、本発明の第2実施形態に係る、使用時のフィンガーを上下反転させて示す概略斜視図、およびB−B線の断面を示す概略正面図である。 (a)および(b)は、第2実施形態に係る、接着材塗布後に得られる基材の概略斜視図、および記録ヘッドの概略斜視図である。 (a)および(b)は、本発明の第3実施形態に係る、接着材塗布後に得られる基材の概略斜視図、および記録ヘッドの概略斜視図である。 本発明の第4実施形態で用いる基材の概略斜視図である。 (a)および(b)は、本発明の第5実施形態に係る、接着材塗布後に得られる基材の概略斜視図、および記録ヘッドの概略斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態は、液体吐出ヘッドしての記録ヘッドにおいて吐出ヘッドチップを保持するための基材に塗布した接着材を硬化させて形成した基準を用いて、吐出ヘッドチップをインライン状に配置する形態に関するものである。
先ず、本実施形態の製造工程で使用するフィンガーについて説明する。図1(a)は、通常の使用時のフィンガーを上下反転させて示す概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A線の断面図である。
フィンガー5は、吐出ヘッドチップを吸着するため吸着穴が形成された吸着面(保持面)6と、吸着面6からの深さ(高さ方向)方向の距離dが同じで、且つ互いの面が平行である基準形成面7および基準突き当て面8と、を有する。ここで、吸着面6からの深さ方向の「距離dが同じ」とは、後述するように形成される基準部の上面の任意の点をAとしたときに、A点に対向する基準形成面7内のB点、および基準突き当て面8内のC点と、吸着面6の任意の点との距離の差がそれぞれ25μm以下の範囲を含む場合を言う。また、「互いの面が平行」とは、上記基準部上面の領域に対向する、基準形成面7と基準突き当て面8のそれぞれの領域において、面の傾きの差が25μm以下の範囲を含む場合を言う。以下の説明においても同様である。
基準形成面7と基準突き当て面8の位置関係は、インク供給口2の列(図2参照)と平行な仮想線a(図1)を引いた場合に、基材1(図2参照)の短手方向において、基準形成面7と基準突き当て面8同士が少なくとも一部重複する位置に配置されているものである。基準形成面7には、離型処理が施されている。離型処理の種類は、基準に使用する接着材との相性と、耐熱性を考慮して任意に選択できるが、本実施形態ではフッ素コーティングを施している。
次に、本実施形態の吐出ヘッドの製造工程について説明する。
先ず、接着材塗布工程について説明する。図2(a)は、本実施形態に係る接着材を塗布した後に得られる基材の概略斜視図であり、図2(b)は同概略正面図である。基材1には、長手方向に一直線状に形成された、吐出ヘッドチップ(不図示)にインクを供給するための3つのインク供給口2が設けられている。基材1に3つの吐出ヘッドチップを配列するのに対応して3つのインク供給口2が設けられている。なお、配列される吐出ヘッドチップの数はこれに限定されないことはもちろんである。基材1の材料としては、絶縁性、熱伝導性、機械的強度を有するアルミナ材料や、フィラーを充填して線膨張係数を抑えた樹脂材料を用いることができる。基材1には、吐出ヘッドチップ9を接着するための接着材3と、後述される基準形成工程で基準部となる接着材4が塗布されている。
接着材4は、インク供給口2列に対して平行、且つ、インク供給口ピッチと同じピッチで塗布されている。ここで述べているインク供給口に対して平行且つ、インク供給口ピッチと略同じピッチとは、接着材4が基準部となったときに、総ての基準部上面がフィンガー5の基準形成面7および基準突き当て面8の領域内に含まれる程度のずれは許容される範囲を言う。
接着材3は、インク供給口2の開口周囲に塗布される。接着材3の塗布高さh1は以下の式を満たす。すなわち、基材に接着された後の吐出ヘッドチップと基材との間の接着層の厚さをe、基材1の高さ方向の反り量と平面度を合せてΔS、吐出ヘッドチップの厚み公差をΔt、フィンガー5の傾きをΔhとしたときに、h1>e+ΔS+Δt+(Δh×n)の条件を満たすものである。ここで、nは接着する吐出ヘッドチップ数である。本実施形態では、h1=0.2mmとしている。接着材3の種類は、接着材の硬化機能と、必要な塗布高さとから任意に選択できるが、本実施形態では、熱硬化型接着材を用いている。接着材4の塗布高さh2は、吐出ヘッドチップの厚さをt、上述したフィンガー5の吸着面6と、基準形成面7および基準突き当て面8との距離をdとしたときに、h2>h1−t−dの条件を満たすものである。本実施形態では、h2=0.2mmとした。接着材4の種類は、接着材の硬化機能と、必要な塗布高さと、硬化後の硬度とを考慮して選択できるが、本実施形態では、接着材3と同じ熱硬化型接着材を選定した。
次に、基準形成工程について説明する。図3(a)は、基準形成工程を説明する概略斜視図であり、図3(b)は、同概略正面図である。また、図3(c)は、この最初の基準形成工程の結果を示す概略斜視図である。
フィンガー5の吸着面6で吸着した、最初に接着される(第1の)吐出ヘッドチップ9を、接着材3を介して、基材1から任意の隙間eを空けて加熱接着する。同時にフィンガー5の基準形成面7で接着材4を潰しながら加熱して第1の基準部10を形成する。基準部10の上面の高さh3は、接着材3および接着材4の硬化収縮量の差を小さくするために、第1の吐出ヘッドチップの接着層の厚さeと同じとしている(h3≒e)。すなわち、フィンガー5の吸着面6と、基準形成面7および基準突き当て面8との距離dを吐出ヘッドチップの厚さtと同じにしている(d≒t)。ここで、h3≒eとは、±50μmのずれを許容するものである。また、d≒tとは、±50μmのずれを許容するものである。フィンガー5の加熱温度と加熱時間は、使用する接着材3および接着材4の種類に応じて適宜設定する必要があるが、本実施形態では、加熱温度150℃、加熱時間60sとした。
なお、吐出ヘッドチップ9は、所定数のノズル(不図示)を配列し、それぞれのノズルに対応して設けられ、ノズルの開口に通じる圧力室およびこの圧力室に設けられた発熱素子、共通インク室から供給口2を介して供給されるインクを圧力室に供給する流路など、を備える。
第1の吐出ヘッドチップ9の接着層の厚さ(隙間の高さ)eは、一般的なレーザー変位計(不図示)を用いて基材1の高さを測定し、実装装置の制御部(不図示)でフィンガー5の高さを制御して得ることができる。他の手法として、図4に示すように、接着層eの厚さ分の段差を持つブロック20で、予め、第1の吐出ヘッドチップ接着用の基準部21を形成しておく。そして、フィンガー5の基準突き当て面8が、基準21に接した高さで吐出ヘッドチップ9を加熱接着することによっても、吐出ヘッドチップ9の接着層の厚さeを得ることができる。基準21の材料は、他の基準部と同様に任意に選定できるが、総ての基準部を同じ材料で形成することが好ましい。この手法によれば、基材1の高さを測定するためのレーザー変位計が不要になるので、装置コストを抑えることができる。
また、第1の基準部10の位置は、記録ヘッド内の他の工程で邪魔にならない任意の位置を選択できるが、フィンガー5の加工精度を不要に悪化させないために、隣接する吐出ヘッドチップの配設される方向における中間に配置することが好ましい。
最後に、基準突き当て接着工程について説明する。図5(a)は、本実施形態の第2の吐出ヘッドチップの基準突き当て接着工程を説明する概略斜視図であり、図5(b)は、同概略正面図である。また、図5(c)は、基準突き当て接着工程後に得られる記録ヘッドの概略斜視図である。
基材1には、上述したようにして、第1の吐出ヘッドチップ9の接着層の厚さeと同じ高さの基準部10が形成されている。フィンガー5の吸着面6で吸着した、次に接着される(第2の)吐出ヘッドチップ11を基材1に対して下降させて行き、図5(b)に示すように、第1の基準部10に、フィンガー5の基準突き当て面8が触れた位置でフィンガーを停止する。そして、第2の吐出ヘッドチップ11を加熱接着する。同時に、第1の基準部10と同様、フィンガー5の基準形成面7で、接着材を押しつぶして第2の基準部12を形成する。
第1の基準部10とフィンガー5の基準突き当て面8が触れた高さの検知は、本実施形態では、フィンガーに搭載した圧力センサ(不図示)で行う。高さ測定の他の手法としては、レーザー変位計を用いて基準部10の高さを測定する方法や、カメラの画像処理機能を用いて基準の高さを測定することが可能である。カメラで画像処理を行う場合、基準部10の上面に任意のパターンを形成すると検知精度が向上する。
以上の工程を、吐出ヘッドチップの数だけ(図に示す例では3回)繰り返すことによって、図6に示す、総ての吐出ヘッドチップが同一面上に配置された液体吐出ヘッドを得ることができる。すなわち、基材1上に3つの吐出ヘッドチップ9、11、14が接着された液体吐出ヘッドが製造される。そして、それぞれの吐出ヘッドチップに配列されたノズルは3つのチップ間で整列された状態となっている。ここで、吐出ヘッドチップ9は、基準部10の上面を基準として、基材1の表面に対する高さ方向の位置が定められている。また、吐出ヘッドチップ11は、基準部10および基準部12それぞれの上面を基準として、基材1の表面に対する高さ方向の位置が定められている。さらに、吐出ヘッドチップ14は、基準部12の上面を基準として、基材1の表面に対する高さ方向の位置が定められている。上述したように、基準部12は、基準部10と、この基準部10を形成した基準形成面7と吸着面6からの距離が同じである基準突き当て面8とが触れた位置で、基準形成面7によって形成されている。この結果、吐出ヘッドチップ9、11、14の全体として、同一面(基準部10、12の上面)を基準として高さ方向の位置決めがなされていることになる。このように、複数の吐出ヘッドチップに対して、同一面にある別の部材10、12によって位置決めを行うことから、複数の吐出ヘッドチップに対して1つの基準部材が対応する場合のような、例えば平面度の精度が低い場合などの位置決め精度の低下を招くことを防止できる。
また、本実施形態によれば、基準部を、接着材を材料とし用い、ある1つの吐出ヘッドチップを基材に接着させる工程において形成するものである。これにより、基準部を形成するための特別の工程を必要としない、簡潔な製造工程とすることができる。
なお、以上のように、総ての吐出ヘッドチップを、高さ方向において同一面に配列することができるが、基材1に対して複数の吐出ヘッドチップ全体が、例えば、基材1の基準部10、12がある端部とは反対側に向かう傾きを持つことが考えられる。しかし、例えば、液体吐出ヘッドを液体吐出装置に搭載する前に、吐出装置の位置決め基準に突き当てる部材の高さを調整することによって、上記傾きを解消することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態ではインライン状に配列した吐出ヘッドチップを、千鳥状に配列する点で異なっている。それに伴い、フィンガーの構成と、基準面形成工程と、基準面突き当て接着工程が異なる。これらの相違点以外は、第1実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる工程についてのみ説明し、その他の工程の説明は省略する。
先ず、本実施形態で使用するフィンガー5について説明する。図7(a)は、使用時のフィンガーを上下反転させて示す概略斜視図であり、図7(b)は、図7(a)におけるB−B線の断面を示す概略正面図である。
フィンガー5には、吐出ヘッドチップを吸着するため吸着穴が形成された吸着面6と、吸着面6と平行、且つ吸着面6からの深さ方向の距離dが同じである、二組の基準形成面7、16および基準突き当て面8、17を有する。吸着面6からの深さ方向の距離dが同じとは、形成する基準部上面の任意の点をA点とした場合に、A点に対向する基準形成面7、16内のそれぞれB点、D点、基準突き当て面8、17内のそれぞれC点、E点から吸着面6の任意の点までの距離の差が25μm以下とする。また、互いの面が平行とは、基準上面の領域に対向する、基準形成面7および基準形成面16と、基準突き当て面8および基準突き当て面17のそれぞれの領域において、面の傾きの差が25μm以下とする。
基準形成面7と基準突き当て面8の位置関係、および基準形成面16と基準突き当て面17の位置関係は、インク供給口の列と平行な仮想線をそれぞれa、bとしたときに、基材1の短手方向において、基準形成面と基準突き当て面が少なくとも一部重複する位置に配置される位置関係である。
次に、本実施形態の製造工程を説明する。
先ず、接着材塗布工程を説明する。図8(a)は、本実施形態の接着材塗布後に得られる基材の概略斜視図であり、(b)は、本実施形態に係る記録ヘッドの概略斜視図である。基材1には、吐出ヘッドチップの配置に合せて、インク供給口2が千鳥状に配置されており、基準部となる2つの接着材4が、インク供給口2の長手方向に対して平行、且つ、インク供給口ピッチと同じピッチ、且つ、基材1の短手方向において、インク供給口2の間に塗布されている。ここで述べている平行、且つ同じピッチとは、第1実施形態で上述したものと同じ規定を適用できる。なお、本実施形態におけるインク供給口ピッチとは、インク供給口2の長手方向に隣接するインク供給口2同士のピッチのことである。
次に、基準形成工程および基準突き当て接着工程を説明する。先ず、フィンガー5の吸着面6で吸着した第1の吐出ヘッドチップ9を、接着材3を介して、基材1から任意の隙間eを空けて加熱接着する。同時に、フィンガー5の基準形成面7で接着材4を潰しながら加熱して、第1の基準部10を形成する。次に、フィンガー5の吸着面6で吸着した第2の吐出ヘッドチップ11を基材1に対して下降させて行き、第1の基準部10の上面にフィンガー5の基準突き当て面17が触れた位置で、フィンガーを停止する。そして、第2の吐出ヘッドチップ11を加熱接着する。同時に、フィンガー5の基準形成面16によって、第1基準部10と同様に、第2の基準部12を形成する。次に、フィンガー5の吸着面6で吸着した第3の吐出ヘッドチップ14を基材1に対して下降させていき、第2の基準部12の上面にフィンガー5の基準突き当て面8が触れた位置でフィンガーを停止する。そして、第3の吐出ヘッドチップ14を加熱接着する。
以上の工程によって得られる記録ヘッドは、千鳥状に配置された吐出ヘッドチップを、高さ方向において同一面に配列することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態は、第1実施形態と吐出ヘッドの形状が異なり、第1実施形態でインライン状に配列した吐出ヘッドチップを、横並びに配列したものである。
図9(a)は、本実施形態の接着材塗布後に得られる基材の概略斜視図であり、図9(b)は、本実施形態に係る記録ヘッドの概略斜視図である。本実施形態によって得られる記録ヘッドは、例えば、ノズル配列方向に関して、3つの吐出ヘッドチップを異なる色のインクを吐出する吐出ヘッドチップとすることができ、それらの吐出ヘッドチップを同一面に配列することができる。なお、フィンガー5の基準形成面7および基準突き当て面8は、基準部を設ける位置(本実施形態では接着材4の位置)に対応させて適宜設けることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態は、第1実施形態において接着材を硬化して形成した基準部を、基材に配置した樹脂の凸部で形成する点で、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる工程についてのみ説明し、その他の工程の説明は省略する。
図10は、本発明の第4実施形態で用いる基材の概略斜視図である。基材1の材料としては、フィラーを充填して線膨張係数を小さくした樹脂材料を用いる。基材1には、インク供給口2の列に平行、且つ、インク供給口のピッチと同じピッチの、樹脂製の凸部18、19が形成されている。凸部18、19は、基材1の成形時に形成しても良いし、後から基材に接着してもよい。凸部18、19の高さは、第1実施形態の接着材4の塗布高さと同じように規定されている。
次に、基準形成工程について説明する。フィンガー5の吸着面6で吸着した第1の吐出ヘッドチップ9を基材1に対して下降させて行くと、フィンガー5の基準形成面7が第1の凸部18に触れる。そして、第1の凸部18を加熱溶融しながらフィンガー5を下降させていき、基材1から所定の隙間eを空けて第1の吐出ヘッドチップ9を加熱接着する。第1の吐出ヘッドチップ9を接着した後に、フィンガー5の基準形成面7を冷却して、上記溶融した凸部18によって基準部10を形成する。
次に、基準突き当て工程を説明する。フィンガー5の吸着面6で吸着した第2の吐出ヘッドチップ11を基材1に対して下降させて行くと、フィンガー5の基準形成面7が第2の凸部19に触れる。そして、第2の凸部19を加熱溶融しながらフィンガー5を下降させて行き、基準突き当て面8が、第1の基準部10の上面に触れた位置で、第2の吐出ヘッドチップ11を加熱接着する。
(第5実施形態)
本発明の第5の実施形態は、第1実施形態において、記録ヘッド内に形成した基準を、記録ヘッド外部に形成する点で、第1実施形態と異なる。それに伴い、接着材4の塗布量の規定の仕方も異なる。これら以外については、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明し、その他の説明は省略する。
図11(a)は、本実施形態の接着材塗布後の概略斜視図であり、図11(b)は、本実施形態に係る記録ヘッドの概略斜視図である。本実施形態の記録ヘッドを装着する装置(不図示)内に設けられたプレート15に接着材4を塗布し、上述したようにフィンガー基準形成面7を用いて記録ヘッドの外部に第1の基準部10、第2の基準12を形成する。接着材4の塗布高さh4は、プレートの反り量と平面度を合せてΔS2としたとき、h4>h1−t−d+ΔS2で規定される。このように本実施形態の製造方法では記録ヘッドの外部に基準部を形成するので、記録ヘッドの小型化において有利である。
(他の実施形態)
以上の説明において、「25μm以下」といった具体的な数字を用いて高さなどを説明したが、この値は、基材1などの液体吐出ヘッドを構成する部材のサイズが異なれば、それに応じて異なることはもちろんであり、これらの数字に限定されるものではない。すなわち、位置決めにおける傾きなどが吐出性能などの点で、許容できる範囲であれば、「平行」や「同じ」は、その許容範囲を満たす範囲を含むものである。
1 基材
2 インク供給口
3、4 接着材
5 フィンガー
6 吸着面
7、16 基準形成面
8、17 基準突き当て面
9 第1の吐出ヘッドチップ
10 第1の基準部
11 第2の吐出ヘッドチップ
12 第2の基準部
14 第3の吐出ヘッドチップ
15 プレート
18 第1の凸部
19 第2の凸部
20 ブロック

Claims (11)

  1. 液体を吐出するためのノズルが配列された吐出ヘッドチップと、前記吐出ヘッドチップが表面に配された接着材を介して接着された基材と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記吐出ヘッドチップを保持するための保持面と、前記保持面と平行、且つ前記保持面からの高さ方向の距離が同じである、基準形成面および基準突き当て面と、を備えるフィンガーによって、第1の吐出ヘッドチップを保持して、当該第1の吐出ヘッドチップを、前記基材に対して、接着材を介して前記基材の前記表面から隙間を空けて接着するとともに、前記基準形成面で基準部を形成する基準形成工程と、
    前記フィンガーによって、第2の吐出ヘッドチップを保持して、当該第2の吐出ヘッドチップを、前記基材に対して、前記基準突き当て面が前記基準部に触れた位置で接着する基準突き当て接着工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記基準部が、接着材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記基材の前記表面からの前記基準部の高さが、接着された後の前記基材の表面と前記第1および第2の吐出ヘッドチップとの間の接着材の厚さと同じであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記基準部の材料が、前記第1および第2の吐出ヘッドチップを接着するための接着材と同じである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記基準部が、前記基材に形成された樹脂の凸部からなることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記基準部が、前記第1および第2の吐出ヘッドチップの配設される方向における前記第1および第2の吐出ヘッドチップの中間に形成されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記第1および第2の吐出ヘッドチップはそれぞれ、前記基材に形成された異なる位置のインク供給口に対応して接着されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記フィンガーは、前記保持面において前記第1および第2の吐出ヘッドチップを吸着することによって保持することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 基材と、
    液体を吐出するためのノズルが配列された第1および第2の吐出ヘッドチップであって、表面に配された接着材を介して前記基材に接着された前記第1および第2の吐出ヘッドチップと、
    前記第1および第2の吐出ヘッドチップの厚さに応じた基準部と、
    を具えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 前記基準部が、接着材で形成されていることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記基材の前記表面からの前記基準部の高さが、前記基材の表面と前記吐出ヘッドチップとの間の接着材の厚さと同じであることを特徴とする請求項9または10に記載の液体吐出ヘッド。
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