JP2017093256A - モータ駆動装置およびモータ駆動システム - Google Patents

モータ駆動装置およびモータ駆動システム Download PDF

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Abstract

【課題】 電気自動車において、上位コントローラの処理負荷を増加することなく、ブレーキが解除されてから早急に車両の滑り落ちを防止する。【解決手段】 電気自動車の動力源であるモータ40を駆動制御するモータ駆動装置10のCPU12は、トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満であり、ギアポジション情報が車両の運転を指示する運転指令であり、モータ40の実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満であり、かつ、ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへ変化した時点において滑り落ち防止機能部122として動作を開始する。滑り落ち防止機能部122は、トルク制御モードから速度制御モードに切り替えて、モータ40の実回転速度がゼロになるようにモータ40を回転速度制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータを動力源とする電気自動車に搭載されるモータ駆動装置およびそのモータ駆動装置を含むモータ駆動システムに関する。
マニュアルトランスミッションのエンジン自動車では、坂道で停車してブレーキが掛けられている状態から坂道を登るような坂道発進時に、クラッチが連結されずにブレーキが解除されると、車両が自重によって坂道を下るように動き出す。以下、本明細書では、このような坂道に沿って下るように動くことを、「滑り落ちる」と表現する。坂道を登るような坂道発進時におけるこのような車両の滑り落ちは、運転者の意図する進行方向に対して反対方向への動き出しであり、好ましくない。マニュアルトランスミッションのエンジン自動車では、運転者の坂道発進操作の技量によってこのような車両の滑り落ちを回避していた。
オートマチックトランスミッションのエンジン自動車では、アイドリング状態においてブレーキが掛けられておらず、セレクトレバーがドライブ(D)のポジションにあると、運転者がアクセルを踏まなくてもゆっくりと前方へ動き出す。このため、オートマチックトランスミッションのエンジン自動車では、坂道発進時において、セレクトレバーをドライブ(D)のポジションにしてフットブレーキからアクセルへ踏み替えるような通常の発進操作を運転者が行ったとしても、ブレーキが解除されたときに坂道を登る方向に車両が動き出そうとするため、車両の滑り落ちが発生し難い。
ところで、電気自動車には、動力源であるモータを駆動制御するモータ駆動装置(例えば、インバータ装置)と、モータ駆動装置に各種の指令や情報を供給する上位コントローラ(例えば、VCU(Vehicle Control Unit))とが搭載される。この上位コントローラは、アクセル操作量に応じたトルク指令値をモータ駆動装置に供給することで、モータ駆動装置にモータを駆動制御させる。
電気自動車では、アクセルが踏み込まれていない場合には、ゼロのトルク指令値がモータ駆動装置に供給されるため、モータがフリーラン状態となる。このことから、坂道においてブレーキを掛けて停車した状態からブレーキを解除した時点でアクセルが踏み込まれていなければ、車両が自重によって坂道に沿って滑り落ちることとなる。このため、電気自動車では、運転者がフットブレーキからアクセルへ踏み替えるような通常の発進操作を坂道発進時において行った場合、ブレーキが解除されてからアクセルが踏みこまれるまでの間に、車両が自重によって坂道に沿って滑り落ちる虞がある。
このような車両の滑り落ちを防止する技術の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された電気自動車は、インバータ等のモータ駆動制御回路と、モータ駆動制御回路に指令信号を出力するモータ制御用コンピュータとを有する。モータ駆動制御回路は上述のモータ駆動装置に相当し、モータ制御用コンピュータは上述の上位コントローラに相当する。モータ制御用コンピュータは、ブレーキペダルの操作が解除され、モータ回転速度センサによる検出結果に基づいて算出される車速がゼロから変化した場合、現在の目標トルクに予め定められた一定値を加算または減算して新たな目標トルクを算出し、算出した新たな目標トルクを表す指令信号を出力する。モータ駆動制御回路は、この新たな目標トルクを表す指令信号に従ってモータを駆動制御する。これにより、坂道発進時における車両の滑り落ちに抗するトルクがモータに発生する。
特開平6−261417号公報 特開2010−148250号公報
しかし、特許文献1のモータ制御用コンピュータは、車両の滑り落ちを防止するための新たな目標トルクを算出するに際し、モータ回転速度センサによる検出結果を取得する必要がある。モータ制御用コンピュータは、通常、モータ駆動制御回路がモータ回転速度センサから取得した検出結果を、モータ駆動制御回路と通信を行ってモータ駆動制御回路経由で取得する。すなわち、特許文献1の技術では、モータ制御用コンピュータがモータ回転速度センサによる検出結果をモータ駆動制御回路から取得する通信と、モータ制御用コンピュータが新たな目標トルクを表す指令信号をモータ駆動制御回路に供給する通信という双方向の通信を要する。ブレーキが解除されて車速がゼロから変化し始めた時点(すなわち車両が滑り落ち始めた時点)から少なくともこのような双方向の通信にかかる時間の経過後に、滑り落ちに抗するトルクがモータに発生するため、特許文献1の技術では、滑り落ち防止動作の開始が少なくともこのような双方向の通信にかかる時間だけ滑り落ちの開始から遅れることとなる。
また、特許文献1のモータ制御用コンピュータは、電気自動車に必要な多くの処理に加え、車両の滑り落ち防止に関する判断等の処理も行う。このため、特許文献1の技術では、モータ制御用コンピュータの処理負荷が増加する虞がある。
本発明は以上に説明した課題に鑑みて為されたものであり、電気自動車において、上位コントローラの処理負荷を増加することなく、ブレーキが解除されてから早急に車両の滑り落ちを防止する技術を提供することを目的とする。
本発明のモータ駆動装置は、電気自動車の動力源であるモータを駆動制御する装置であり、滑り落ち防止手段を有する。本発明のモータ駆動装置の滑り落ち防止手段は、ハンドブレーキのオン/オフを表すハンドブレーキ情報と、ギアポジションを表すギアポジション情報と、モータの回転速度の検出結果である実回転速度と、アクセル操作量に応じたトルク指令値とが所定の起動条件を満たしたときに、以後のモータの実回転速度がゼロになるようなモータの回転速度制御を開始する。
本発明によれば、モータ駆動装置が車両の滑り落ち防止の要否を判断するため、トルク指令値等の供給元の上位コントローラにおいて滑り落ち防止の要否の判断を行う必要がない。このため、本発明によれば、上位コントローラの処理負荷が増加することはない。また、本発明によれば、ブレーキが解除されてから滑り落ち防止動作の開始(すなわち実回転速度がゼロになるようなモータの回転速度制御の開始)までに、上位コントローラがトルク指令値等をモータ駆動装置に供給する通信が行われれば良く、モータ駆動装置がモータの回転速度の検出結果を上位コントローラに供給する通信を行う必要がない。すなわち、本発明によれば、モータ駆動装置と上位コントローラとの間の通信にかかる時間が特許文献1の技術に比べて短くなる。このため、本発明によれば、特許文献1の技術に比べて滑り落ち防止動作の開始を早くすることができる。
従って、本発明のモータ駆動装置を電気自動車に搭載することで、上位コントローラの処理負荷を増加することなく、ブレーキが解除されてから早急に車両の滑り落ちを防止することができる。
特許文献2には、上位コントローラに相当する目標出力設定部と、モータ駆動装置に相当する電動機制御部とを含む電気自動車の制御装置が開示されている。目標出力設定部は、目標トルク演算部と目標回転角演算部と制動要否判定部とを含んでいる。制動要否判定部は、傾斜角センサの傾斜角検出値等から車両の静止状態を維持するための制動が必要か否かを判断する。制動要否判定部によって制動不要の判断が下された場合、目標トルク演算部は、アクセル操作量に応じた目標トルクを算出して電動機制御部に出力する。一方、制動要否判定部によって制動要の判断が下された場合、目標回転角演算部は、アクセル操作量に応じた目標回転角(アクセルオフであれば零度)を算出して電動機制御部に出力する。制動要の判断が下された場合、電動機制御部は、目標出力設定部から供給される目標回転角に従ってモータを駆動制御する。すなわち、特許文献2の技術では、上位コントローラに相当する目標出力設定部が車両の静止状態を維持するための制動要否判断等の処理を行う。これに対して、本発明では、上位コントローラからトルク指令値等が供給されるモータ駆動装置が車両の滑り落ち防止の要否を判断する。このため、本発明は、特許文献2に記載の発明とは異なる。また、特許文献2の技術では、上位コントローラに相当する目標出力設定部の処理負荷が増加する虞があるのに対し、本発明では、上位コントローラの処理負荷が増加することはない。
この発明の一実施形態によるモータ駆動装置10を含むモータ駆動システム1の構成を示すブロック図である。 、運転者によるフットブレーキ、ハンドブレーキ、ギアチェンジレバーおよびアクセルの各操作内容と、その操作がなされたときの実回転速度、車両の状態およびモータ駆動状態をいろいろなケース(ケースA〜I)ごとに示す図である。 運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースD、ケースE−1、ケースE−2の順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。 運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースD、ケースF−1、ケースF−2の順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。 運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースD、ケースG−1、ケースG−2の順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。 運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースHの順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。 運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースIの順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
(実施形態)
(A:構成)
図1は、この発明の一実施形態によるモータ駆動装置10を含むモータ駆動システム1の構成を示すブロック図である。モータ駆動システム1は、電気自動車に搭載される。モータ駆動システム1は、モータ駆動装置10、上位コントローラ20、アクセルセンサ22、フットブレーキセンサ24、ハンドブレーキセンサ26、ギアセンサ28およびバッテリ30を含んでいる。
上位コントローラ20は、例えば、VCUなどのマイクロコンピュータである。上位コントローラ20とモータ駆動装置10とは、通信線29を介してCAN(Controller Area Network)などの規格に従った通信を行う。モータ駆動装置10は、上位コントローラ20との通信による上位コントローラ20の制御の下、モータ40の駆動制御を行う。モータ駆動装置10の制御対象であるモータ40は、車両の動力源であり、動力伝達装置(図示略)や変速器(図示略)などを介して車両の駆動輪(図示略)に連結される。
アクセルセンサ22は、運転者によるアクセル操作量を検出するセンサである。アクセルセンサ22は、検出結果を上位コントローラ20に引き渡す。
フットブレーキセンサ24は、運転者によるフットブレーキ操作量を検出するセンサである。フットブレーキセンサ24は、検出結果を上位コントローラ20に引き渡す。
ハンドブレーキセンサ26は、運転者によるハンドブレーキ操作の有無(換言すると、ハンドブレーキが引かれているか否か)を検出するセンサである。ハンドブレーキセンサ26は、検出結果を上位コントローラ20に引き渡す。ハンドブレーキは、一般に駐車の際に操作されるブレーキであり、パーキングブレーキまたはサイドブレーキとも呼ばれる。ハンドブレーキには、運転者の手によらず、例えば足によって操作されるパーキングブレーキなども含まれる。
ギアセンサ28は、運転者によるギアチェンジレバー操作により選択されたギアポジション(具体的には、ドライブ(D)、リバース(R)、ニュートラル(N)など)を検出するセンサである。ギアセンサ28は、検出結果を上位コントローラ20に引き渡す。ギアチェンジレバーは、車両の運転/停止や進行方向などを選択するための操作子である。なお、ギアチェンジレバーは、オートマチックトランスミッションのエンジン自動車におけるセレクトレバーに相当するものである。
上位コントローラ20は、各種センサから検出結果を受け取り、その検出結果に応じた作動制御をモータ駆動装置10にさせるための各種の指令や情報を生成してモータ駆動装置10に出力する。具体的には、上位コントローラ20は、アクセルセンサ22の検出結果からモータ40の目標トルクであるトルク指令値を生成し、フットブレーキセンサ24の検出結果からフットブレーキのオン/オフを表すフットブレーキ情報を生成し、ハンドブレーキセンサ26の検出結果からハンドブレーキのオン/オフを表すハンドブレーキ情報を生成し、ギアセンサ28の検出結果からギアポジションに対応するギアポジション情報を生成する。ギアポジション情報には、車両の運転または停止を指示する運転/停止指令と、車両の進行方向を指示する前進/後退指令とがある。具体的には、ギアセンサ28の検出結果がドライブ(D)のポジションを表すものである場合、運転指令と前進指令とが生成され、ギアセンサ28の検出結果がリバース(R)のポジションを表すものである場合、運転指令と後退指令とが生成され、ギアセンサ28の検出結果がニュートラル(N)を表すものである場合、停止指令が生成される、という具合である。そして、上位コントローラ20は、これらトルク指令値、フットブレーキ情報、ハンドブレーキ情報、ギアポジション情報(具体的には、運転/停止指令や前進/後退指令)などをモータ駆動装置10に出力する。
また、上位コントローラ20は、通常、トルク制御指令もモータ駆動装置10に出力する。トルク制御指令は、トルク制御モードでの駆動制御を指示する指令である。トルク制御モードは、モータ40のトルクがトルク指令値に追従するように制御する制御モードである。
モータ40には、モータ40の回転速度を検出する回転速度センサ(図示略)が設けられている。モータ駆動装置10は、この回転速度センサの検出結果である回転速度検出値(以下、実回転速度という)を取得する。
モータ駆動装置10は、例えば、インバータ装置である。モータ駆動装置10は、CPU(Central Processing Unit)12とインバータ主回路14とを含んでいる。
インバータ主回路14は、バッテリ30から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ40に供給する回路である。インバータ主回路14は、IGBT(Insulated Gate Bipoler Transistor)などのスイッチング素子を有している。このスイッチング素子は、ゲート信号に応じてオン/オフする。インバータ主回路14は、このスイッチング素子のオン/オフに従った電流をモータ40に出力する。モータ40は、インバータ主回路14から供給される電流に応じて動作する。
CPU12は、記憶装置(図示略)に格納されているプログラムを実行することによりモータ駆動装置10の各部を制御する制御中枢である。CPU12は、上位コントローラ20などから供給される各種の指令や情報に従って、インバータ主回路14のスイッチング素子にゲート信号を供給してインバータ主回路14の作動制御を行う。
モータ駆動装置10は、滑り落ち防止機能部122を有する。滑り落ち防止機能部122は、CPU12がプログラムを実行することにより実現される機能部である。滑り落ち防止機能部122は、坂道発進時の車両の滑り落ちの防止を実現するための滑り落ち防止手段である。
上位コントローラ20から供給されるトルク指令値などに従ってモータを駆動制御するためのプログラムには、滑り落ち防止機能を起動するか否かを判断する起動判断処理が含まれている。CPU12は、例えば、上位コントローラ20からトルク指令値を取得する毎に、この起動判断処理を実行する。CPU12は、この起動判断処理において、上位コントローラ20や回転速度センサなどから取得した各種の指令や情報が以下に示す滑り落ち防止機能の起動条件1〜4を全て満たすか否かを判断する。
(起動条件1):トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満である。
(起動条件2):ギアポジション情報の運転/停止指令が運転指令である。
(起動条件3):実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満である。
(起動条件4):ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフに変化した。
CPU12は、取得した各種の指令や情報が上記の起動条件1〜4を全て満たすと、滑り落ち防止機能を実現するプログラムの実行を開始し、滑り落ち防止機能部122として動作を開始する。ここで、CPU12は、起動判断処理において、取得したハンドブレーキ情報を一時的にレジスタに格納しておく。CPU12は、前回の起動判断処理においてレジスタに格納しておいたハンドブレーキ情報と今回の起動判断処理において取得したハンドブレーキ情報とを比較することで、起動条件4を満たすか否かを判断する。
また、滑り落ち防止機能を実現するプログラムには、滑り落ち防止機能を解除するか否かを判断する解除判断処理が含まれている。CPU12は、例えば、滑り落ち防止機能部122として動作している状態において、上位コントローラ20からトルク指令値を取得する毎に、この解除判断処理を実行する。CPU12は、この解除判断処理において、上位コントローラ20などから取得した各種の指令や情報が以下に示す滑り落ち防止機能の解除条件1を満たすか否かを判断する。
(解除条件1):トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止解除トルク閾値以上になった。
CPU12は、滑り落ち防止機能が働いている状態において、取得した各種の指令や情報が上記の解除条件1を満たすと、滑り落ち防止機能部122としての動作を終了する。滑り落ち防止解除トルク閾値は、例えば、滑り落ち防止起動トルク閾値と同じ値になっている。
モータ駆動装置10の記憶装置には、例えば、滑り落ち防止機能の起動条件および解除条件を定義したテーブルや各種の閾値(滑り落ち防止起動トルク閾値など)が記憶されている。なお、滑り落ち防止機能の起動条件および解除条件などは、プログラムに埋め込まれていても良い。CPU12は、滑り落ち防止機能部122として動作している間、モータ40の実回転速度がゼロになるようにモータを回転速度制御する。
滑り落ち防止機能部122については、動作の説明において詳述する。
また、CPU12は、滑り落ち防止機能部122として動作を開始した場合、滑り落ち防止機能を起動した旨の滑り落ち防止機能起動情報を上位コントローラ20に出力し、滑り落ち防止機能部122としての動作を終了した場合、滑り落ち防止機能を解除した旨の滑り落ち防止機能解除情報を上位コントローラ20に出力する。また、モータ駆動装置10は、モータ40の電流検出値などから推定したモータ40の実トルク値や回転速度センサから取得したモータ40の実回転速度なども上位コントローラ20に出力する。
以上が、モータ駆動装置10を含むモータ駆動システム1の構成である。
(B:動作)
図2は、運転者によるフットブレーキ、ハンドブレーキ、ギアチェンジレバーおよびアクセルの各操作内容と、その操作がなされたときの実回転速度、車両の状態およびモータ駆動状態をいろいろなケース(ケースA〜I)ごとに示す図である。図2の「−」は、どのような操作内容であっても良いことを意味している。以下、運転者による各操作の遷移パターン別に滑り落ち防止動作の有無について説明する。
(B−1:遷移パターン1)
図3は、運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースD、ケースE−1、ケースE−2の順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。ケースAの時点では、運転者は、フットブレーキを踏み込んでおらず(オフ)、ハンドブレーキを引いておらず(オフ)、ギアチェンジレバーのポジションをドライブ(D)にし、アクセルを踏み込んでいる(オン)。すなわち、ケースAの時点では、車両は走行状態となっている。このケースAの時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、アクセルの踏み込み量に応じたトルク指令値が供給される。ケースAの時点のトルク指令値の絶対値は、滑り落ち防止起動トルク閾値以上となっている。また、モータ駆動装置10は、回転速度センサの検出結果である車両の走行速度に応じたモータ40の実回転速度の絶対値を取得する。この時の実回転速度の絶対値は、滑り落ち防止起動速度閾値以上となっている。
モータ駆動装置10のCPU12は、トルク指令値を取得する毎に滑り落ち防止機能の起動判断処理を行うため、ケースAの時点において滑り落ち防止機能の起動判断処理を行う。ケースAの時点では、起動条件2を満たすものの、トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値以上であるため起動条件1を満たさず、実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値以上であるため起動条件3を満たさず、ハンドブレーキ情報が直前のハンドブレーキ情報と変わらずハンドブレーキオフであるため起動条件4を満たしていない。このため、ケースAの時点では、CPU12は、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始せず、上位コントローラ20に従い、モータ40のトルクをトルク指令値に追従させる通常のトルク制御を行う。
運転者は、ケースAの操作状態からアクセルをオフし、フットブレーキを踏み込んで車両を減速操作したとする。この状況がケースBである。このケースBの時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオンを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、ゼロのトルク指令値(具体的には、滑り落ち防止起動トルク閾値未満のトルク指令値)が供給される。また、ケースBの時点においてモータ駆動装置10が取得するモータ40の実回転速度の絶対値は、滑り落ち防止起動速度閾値以上となっている。ケースBの時点では、トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満となり起動条件1を満たすようになるが、モータ40の実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値以上であるため少なくとも起動条件3を満たしていない。このため、ケースBの時点では、CPU12は、ケースAに引き続き通常のトルク制御を行う。ケースBの時点において、ゼロのトルク指令値が供給されるため、CPU12は、モータ40をフリーラン状態にする。フリーラン状態においてフットブレーキによる制動が車両に与えられるため、ケースB以降、モータ40の実回転速度の絶対値が減少する。
運転者がケースBの各操作を継続すると、実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満となり、最終的にモータ40の実回転速度の絶対値がゼロとなる。このようにして停車した状況がケースCである。ケースCでは、モータ駆動装置10は、上位コントローラ20からケースBと同じ指令および情報が供給される。ケースCの時点では、モータ40の実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満となり起動条件3を満たすようになるが、ハンドブレーキ情報が直前のハンドブレーキ情報と変わらずハンドブレーキオフであるため起動条件4を満たしていない。このため、ケースCの時点では、CPU12は、ケースBに引き続き通常のトルク制御を行う。
ここで、ケースCの時点で、車両が坂道において停車し、車両のフロント側の高さがリア側に比べて高くなったとする。このような坂道に停車したため、運転者は、以後の坂道を登るような坂道発進に備えて、フットブレーキに加え、ハンドブレーキを引いたとする。このようにケースCに後続してハンドブレーキを引いた状況がケースDである。ケースDの時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオンを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオンを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、ゼロのトルク指令値が供給される。ケースDの時点では、ハンドブレーキ情報が直前のハンドブレーキ情報と変わっているがハンドブレーキオフからハンドブレーキオンへの変化であるため起動条件4を満たしていない。このため、ケースDの時点では、CPU12は、ケースCに引き続き通常のトルク制御を行う。ケースDの時点では、フットブレーキおよびハンドブレーキによる制動が与えられているため、車両は、坂道に停車していたとしても坂道に沿って滑り落ちることはない。このため、この時のモータ40の実回転速度の絶対値は、ゼロが維持される。
ケースDの操作状態から、運転者は、車両を発進させるべく、まず、フットブレーキから足を離したとする。このとき、モータ駆動装置10に供給されるフットブレーキ情報は、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報となる。この時点においても、CPU12は、引き続き通常のトルク制御を行う。また、この時点では、ハンドブレーキが引かれている状態であるため、車両は、坂道に停車していたとしても坂道に沿って滑り落ちることはない。
ケースD後のフットブレーキオフに後続して、運転者は、ハンドブレーキを戻した(ハンドブレーキオフ)とする。このようにしてハンドブレーキを引いた状態から戻した状況がケースE−1である。ケースE−1の時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、ゼロのトルク指令値が供給される。すなわち、ケースE−1の直前に比べケースE−1の時点では、モータ駆動装置10に供給されるハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフに変化している。また、モータ駆動装置10は、ゼロの実回転速度を取得する。
ケースE−1の時点において、CPU12は、滑り落ち防止機能の起動判断処理をおこなったところ、起動条件1〜3を満たすことに加え、ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへ変化したため起動条件4も満たし、全ての起動条件1〜4を満たしたことを認識する。これにより、CPU12は、ケースE−1の時点において滑り落ち防止機能部122として動作を開始する。
滑り落ち防止機能部122は、トルク制御モードを指示するトルク制御指令が供給されていたとしても、まず、自装置(モータ駆動装置10)における制御モードをトルク制御モードから速度制御モードに切り替える。そして、滑り落ち防止機能部122は、モータ40の回転速度の目標値をゼロとして、モータ40の回転速度制御を開始する。具体的には、滑り落ち防止機能部122は、回転速度センサから取得するモータ40の実回転速度がゼロになるようなゲート信号を生成してインバータ主回路14に与える。インバータ主回路14は、そのゲート信号に従ったスイッチングを行うことで生成した電流をモータ40に出力する。
車両が坂道に停車していた場合、フットブレーキおよびハンドブレーキがオフとなることで、モータ40には、車両の自重によって坂道を下方に滑り落ちるような回転が発生する。しかし、ケースE−1における滑り落ち防止機能の起動により、モータ40には、実回転速度がゼロになるような電流が供給される。このような電流によって、モータ40には、回転の発生を妨げるようなトルクが発生する。これにより、モータ40の実回転速度がゼロに維持され、車両が坂道に沿って滑り落ちるのが防止される。
このように、モータ駆動装置10は、モータ40をフリーラン状態とするゼロのトルク指令値が上位コントローラ20から供給されていたとしても、取得した各種の指令および情報が滑り落ち防止機能の起動条件1〜4を全て満たしたときに、以降のモータ40の実回転速度を強制的にゼロとするようなモータ40の回転速度制御を開始する。そして、モータ駆動装置10は、取得した指令および情報が滑り落ち防止機能の解除条件を満たすまで、この回転速度制御を継続する。
また、滑り落ち防止機能部122は、滑り落ち防止機能起動情報を上位コントローラ20に出力して滑り落ち防止機能が起動したことを上位コントローラ20に知らせる。
運転者は、ケースE−1の各操作の後、アクセルを踏み込んで車両の発進操作を行ったとする。この発進操作の時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、アクセルの踏み込みに従って時間の経過とともに増大するトルク指令値が供給される。このような発進操作が継続されると、モータ駆動装置10に供給されるトルク指令値の絶対値が滑り落ち防止解除トルク閾値以上となる。
ケースE−1の後にモータ駆動装置10に供給されるトルク指令値が滑り落ち防止解除トルク閾値となった状況がケースE−2である。このケースE−2の時点において、滑り落ち防止機能部122は、滑り落ち防止機能の解除判断処理を行ったところ、取得した各種の指令および情報が解除条件1を満たしたことを認識する。これにより、滑り落ち防止機能部122は、自装置(モータ駆動装置10)における制御モードを速度制御モードからトルク制御モードに切り替えて、モータ40の回転速度制御を終了する。滑り落ち防止機能部122は、滑り落ち防止機能解除情報を上位コントローラ20に出力して滑り落ち防止機能を解除したことを上位コントローラ20に知らせる。
ケースE−2以降、CPU12は、上位コントローラ20から供給されるトルク指令値にモータ40のトルクが追従するような通常のトルク制御を行う。このため、モータ40には運転者のアクセル操作量に応じたトルクが発生する。坂道に沿って下方に滑り落ちるのに抗する大きなトルクがモータ40に発生することで、車両は坂道を登り始め、モータ40の実回転速度の絶対値が上昇する。
(B−2:遷移パターン2)
図4は、運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースD、ケースF−1、ケースF−2の順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。ケースAからケースDまでは、遷移パターン1と同様である。
ここで、ケースCの時点で、車両が坂道において停車し、車両のリア側の高さがフロント側に比べて高くなったとする。遷移パターン2では、このような状態から後退運転で坂道を登り始める場合を想定する。
ケースDの操作状態(すなわち、坂道で停車してハンドブレーキを引いた状態)から、運転者は、車両を後退発進させるべく、まず、ギアチェンジレバーのポジションをドライブ(D)からリバース(R)にシフトしたとする。このとき、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオンを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオンを表すハンドブレーキ情報、リバース(R)を表す運転指令および後退指令、ゼロのトルク指令値が供給される。
ケースD後のリバース(R)へのシフトに後続して、運転者は、車両を発進させるべく、フットブレーキから足を離したとする。このとき、モータ駆動装置10に供給されるフットブレーキ情報は、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報となる。この時点においても、CPU12は、引き続き通常のトルク制御を行う。また、この時点では、ハンドブレーキが引かれている状態であるため、車両は、坂道に停車していたとしても坂道に沿って滑り落ちることはない。
さらに、そのフットブレーキオフに後続して、運転者は、ハンドブレーキを戻したとする。このようにしてハンドブレーキを引いた状態から戻した状況がケースF−1である。ケースF−1の時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、リバース(R)を表す運転指令および後退指令、ゼロのトルク指令値が供給される。ケースF−1の時点でモータ駆動装置10に供給されるギアポジション情報の前進/後退指令がケースE−1と異なり後退指令となっているものの、ギアポジション情報の運転/停止指令は、ケースE−1と同様に運転指令となっている。また、モータ駆動装置10が取得するモータ40の実回転速度はゼロとなっている。
ケースF−1の時点において、CPU12は、滑り落ち防止機能の起動判断処理を行ったところ、取得した指令および情報が滑り落ち防止機能の起動条件1〜4の全てを満たしたことを認識する。これにより、CPU12は、ケースF−1の時点において滑り落ち防止機能部122として動作を開始する。滑り落ち防止機能部122は、遷移パターン1において説明した動作と同様の動作を行う。
ケースF−1の各操作の後、運転者がアクセルを踏み込んで車両の後退発進操作を行い、モータ駆動装置10に供給されるトルク指令値の絶対値が滑り落ち防止解除トルク閾値となった状況がケースF−2である。ケースF−2の時点において、滑り落ち防止機能部122は、滑り落ち防止機能の解除判断処理を行ったところ、取得したトルク指令値が滑り落ち防止機能の解除条件1を満たしたことを認識する。これにより、滑り落ち防止機能部122は、ケースF−2の時点において制御モードをトルク制御モードに切り替えて、モータ40の回転速度制御を終了し、滑り落ち防止機能解除情報を上位コントローラ20に出力して滑り落ち防止機能を解除したことを上位コントローラ20に知らせる。ケースF−2以降、CPU12は、遷移パターン1のケースE−2以降と同様に、通常のトルク制御を行う。ここで、遷移パターン2では、ギアポジションがリバース(R)であるため、車両は後退して坂道を登り始め、モータ40の実回転速度の絶対値が上昇する。
(B−3:遷移パターン3)
図5は、運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースD、ケースG−1、ケースG−2の順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。ケースAからケースDまでは、遷移パターン1と同様である。遷移パターン3では、運転者がギアチェンジレバーのポジションをニュートラル(N)にした場合を想定する。
ケースDの操作状態(すなわち、停車してハンドブレーキを引いた状態)から、運転者は、運転を停止すべく、ギアチェンジレバーのポジションをドライブ(D)からニュートラル(N)にシフトしたとする。このとき、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオンを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオンを表すハンドブレーキ情報、ニュートラル(N)を表す停止指令、ゼロのトルク指令値が供給される。この時点では、滑り落ち防止機能は起動しない。
ケースD後のニュートラル(N)へのシフトに後続して、運転者は、ハンドブレーキを戻したとする。このように、ニュートラル(N)においてハンドブレーキを引いた状態から戻した状況がケースG−1である。ケースG−1の時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオンを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ニュートラル(N)を表す停止指令、ゼロのトルク指令値が供給される。また、モータ駆動装置10は、ゼロの実回転速度を取得する。ケースG−1の時点では、起動条件1、3および4を満たすものの、運転指令を取得していないため起動条件2を満たしていない。このため、ケースG−1の時点では、CPU12は、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しない。しかし、車両にはフットブレーキによる制動が与えられているため、坂道に停車していたとしてもこの時点で車両が坂道を滑り落ちることはない。
ケースG−1に後続して、運転者は、フットブレーキから足を離したとする。このような状況がケースG−2である。このケースG−2の時点においても起動条件を全て満たしていないため、CPU12は、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しない。また、ケースG−2の直前において滑り落ち防止機能部122として動作していないため、滑り落ち防止機能部122としての動作を終了することもない。
ケースG−2以降では、モータ40はフリーラン状態であり、フットブレーキおよびハンドブレーキによる制動が行われていない。このため、ケースG−2以降では、この車両が坂道にあれば自重により滑り落ちることもある。このようにケースG−1およびG−2において滑り落ち防止機能を起動せず、坂道における車両の滑り落ちを許容したのは、車両を意図的に滑り落ちるように動作させたい場合があるからである。例えば、運転者は、ギアポジションをニュートラル(N)にし、フットブレーキのオン/オフを調整しつつ、車両の自重によって坂道を下るように運転することがある、という具合である。もし、滑り落ち防止機能の起動条件のひとつとして、ギアポジション情報が運転指令であることが含まれていなかった場合、ケースG−1の時点において滑り落ち防止機能が起動することとなり、上述のニュートラル(N)で坂道を下るような運転を実現することはできなくなる。これは、運転者の運転に制約を与えることになり得る。従って、モータ駆動装置10では、滑り落ち防止機能の起動条件のひとつにギアポジション情報が運転指令であることを含めている。
(B−4:遷移パターン4)
図6は、運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースB、ケースC、ケースHの順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。ケースAからケースCまでは、遷移パターン1と同様である。遷移パターン4では、減速して停車した後、運転者がハンドブレーキの操作を行わなかった場合を想定する。
ケースC(フットブレーキの制動による減速および停車)の後、運転者は、ハンドブレーキを操作せずに、再び発進すべく、フットブレーキから足を離したとする。このような状況がケースHである。このケースHの時点では、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、ゼロのトルク指令値が供給される。また、モータ駆動装置10は、ゼロの実回転速度を取得する。このケースHの時点では、起動条件1から3を満たすものの、ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへ変化していないため起動条件4を満たしていない。このため、ケースHの時点では、CPU12は、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しない。そして、ケースHの後、運転者がアクセルを踏み込むと、モータ駆動装置10に供給されるトルク指令値の絶対値が上昇し、モータ40の実回転速度の絶対値が上昇する。
ところで、ケースHの直前で車両が坂道に停車していた場合、ケースHの時点において、滑り落ち防止機能部122としての動作が開始されないことにより、車両が坂道を滑り落ちることがある。ここで、坂道を登るような坂道発進時では、運転者の意図とは異なる方向(進行方向に対して反対方向)へ滑り落ちることとなり好ましくない。しかし、このような坂道を登るような坂道発進では、ハンドブレーキを一度引き、その後ハンドブレーキを戻して坂道発進するのが慣用的である。このため、遷移パターン1および2では、ハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへの変化を滑り落ち防止機能の起動条件のひとつとしていた。
しかし、坂道を下るような坂道発進(例えば、車両のフロント側の高さがリア側よりも低い状態での前進発進など)の場合、車両が自重によって滑り落ちたとしても進行方向に滑り落ちる。ここで、運転者によっては、このような坂道を下る坂道発進時に、車両を進行方向に意図的に滑り落ちるような初動動作をさせた後にアクセル操作をすることがある。このような場合、車両を停車してから発進するまでにハンドブレーキ操作を行う運転者は多くない。このため、この遷移パターン4では、ハンドブレーキ操作がなされなかった場合、意図的な滑り落ちであるとみなして滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しないようにするのである。
(B−5:遷移パターン5)
図7は、運転者による各操作およびそのときの車両の状態等が、図2のケースA、ケースIの順に変化した場合に滑り落ち防止動作が行われるか否かを示すタイムチャートである。ケースAは遷移パターン1と同様である。遷移パターン5では、フットブレーキ操作をせずにアクセル操作のみで減速した場合を想定する。
ケースAのアクセルを踏み込んでいる状態から、運転者は、アクセル踏み込み量を減らして車両を自然減速させる操作を行ったとする。このとき、モータ駆動装置10には、上位コントローラ20から、フットブレーキオフを表すフットブレーキ情報、ハンドブレーキオフを表すハンドブレーキ情報、ドライブ(D)を表す運転指令および前進指令、アクセル踏み込み量を減らしたことによる時間的に絶対値が小さくなるトルク指令値が供給される。そして、モータ駆動装置10に供給されるトルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満になったとする。また、この時点では、モータ駆動装置10が取得するモータ40の実回転速度の絶対値は、滑り落ち防止起動速度閾値よりも大きいとする。この時点では、起動条件1および2を満たすものの、実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度以上であるため起動条件3を満たさず、ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからオフへ変化していないため起動条件4を満たしていない。このため、この時点では、CPU12は、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しない。
その後、車両が自然減速して、モータ駆動装置10が取得するモータ40の実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値を下回ったとする。このような状況がケースIである。このケースIの時点では、起動条件1〜3を満たすものの、ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからオフへ変化していないため起動条件4を満たしていない。このため、ケースIの時点ではCPU12は、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しない。
このように、トルク指令値の絶対値およびモータの実回転速度の絶対値がゼロ近傍であるだけでは、坂道発進に備えた停車であるか単に減速した状況であるかを区別することができない。このような理由からも、滑り落ち防止機能の起動条件にハンドブレーキオンからオフへ変化したことを含めたのである。
(C:まとめ)
本実施形態のモータ駆動システム1では、モータ駆動装置10が車両の滑り落ち防止の要否を判断するため、トルク指令値等の供給元の上位コントローラ20において滑り落ち防止の要否の判断を行う必要がない。このため、モータ駆動システム1では、上位コントローラ20の処理負荷が増加することはない。また、モータ駆動システム1では、ブレーキが解除されてから滑り落ち防止動作の開始(すなわち実回転速度がゼロになるようなモータ40の回転速度制御の開始)までに、上位コントローラ20がトルク指令値等をモータ駆動装置10に供給する通信が行われれば良く、モータ駆動装置10がモータ40の回転速度の検出結果を上位コントローラ20に供給する通信を行う必要がない。すなわち、モータ駆動システム1では、モータ駆動装置10と上位コントローラ20との間の通信にかかる時間が特許文献1の技術に比べて短くなる。このため、モータ駆動システム1では、特許文献1の技術に比べて滑り落ち防止動作の開始を早くすることができる。
従って、モータ駆動装置10を電気自動車に搭載することで、上位コントローラの処理負荷を増加することなく、ブレーキが解除されてから早急に車両の滑り落ちを防止することができる。
また、モータ駆動装置10が滑り落ち防止手段を有しているため、滑り落ち防止手段を有していない上位コントローラ20が搭載された電気自動車に本実施形態のモータ駆動装置10を搭載することができる。
(D:変形)
以上本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)実施形態の遷移パターン1および2では、坂道を登る坂道発進を例に滑り落ち防止機能の説明をした。ここで、遷移パターン1のケースCにおいて車両のフロント側の高さがリア側よりも低い姿勢で停車し、ハンドブレーキが引かれた(ケースD)後、ドライブ(D)のままハンドブレーキが戻されたとする(ケースE−1)。この状況は、坂道を下る坂道発進である。モータ駆動装置10では、ケースE−1の時点において滑り落ち防止機能の起動条件を全て満たすため、このような坂道を下る坂道発進の状況においても滑り落ち防止機能が働くことがある。しかし、この状況においても、ケースE−1の後にアクセルを踏み込んでケースE−2となれば滑り落ち防止機能が解除されて坂道を下り始める。このため、運転者が意図的に坂道を滑り落ちるような運転を行おうとした場合を除けば、運転者の運転を阻害することはない。遷移パターン2における坂道を下る坂道発進の場合も同様である。
(2)車両の傾斜角度の条件を滑り落ち防止機能の起動条件のひとつに加えても良い。例えば、モータ駆動装置10は、上位コントローラ20からハンドブレーキ情報などとともに車両の傾斜角度情報を取得する。モータ駆動装置10のCPU12は、起動条件1〜4に加え、以下の起動条件5aまたは5bのいずれか一方も満たした場合に、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始する。
(起動条件5a):車両の傾斜角度情報が正の角度閾値以上であり、かつ、ギアポジション情報の前進/後退指令が前進指令である。
(起動条件5b):車両の傾斜角度情報が負の角度閾値以下であり、かつ、ギアポジション情報の前進/後退指令が後退指令である。
起動条件5aにおける正の角度は、車両のフロント側の高さがリア側よりも高いことを表しており、起動条件5bにおける負の角度は、車両のフロント側の高さがリア側よりも低いことを表している。すなわち、坂道を登る坂道発進時に滑り落ち防止機能を起動し、坂道を下る坂道発進時には滑り落ち防止機能を起動しないようにする。このようにすれば、必要最小限の場合にのみ車両の滑り落ちを防止することができ、実施形態の態様に比べ、運転者の意図的な滑り落ち運転を阻害しないようにすることができる。なお、上位コントローラ20から車両の傾斜角度情報を取得する態様に限らず、モータ駆動装置10は、車両の傾斜角度を検出する傾斜角度センサから車両の傾斜角度情報を取得しても良い。この場合、傾斜角度センサは、モータ駆動装置10の外部に設置されている態様に限らず、モータ駆動装置10の内部に設置されていても良い。
(3)CPU12は、滑り落ち防止機能部122として動作している場合には、モータ40の実回転速度がゼロになるようにモータ40を速度制御する。しかし、滑り落ち防止機能が働いている状態においてモータ40の実回転速度の絶対値が上昇するような予期せぬ事態が発生しないとも限らない。このような事態は、車両が急加速することとなり危険である。そこで、このような予期せぬ事態に備え、モータ40の実回転速度の条件を含んだ滑り落ち防止機能の解除条件を別個に設定しても良い。例えば、モータ駆動装置10のCPU12は、滑り落ち防止機能が働いている状態において、解除条件1または以下の解除条件2のいずれか一方を満たした場合に滑り落ち防止機能部122としての動作を終了する、という具合である。
(解除条件2):実回転速度の絶対値が滑り落ち防止解除速度閾値以上である。
図2のケースE−3およびケースF−3は、この解除条件2を満たした場合の例である。このようにすれば、滑り落ち防止機能に基づいた制御から上位コントローラ20からの指令に従った制御に切り替わるため、車両の予期せぬ急加速などに対処することができるようになる。また、解除条件2における滑り落ち防止解除速度閾値は、滑り落ち防止機能が頻繁に解除されることを避けるために、滑り落ち防止起動速度閾値よりも大きな値であることが好ましい。また、滑り落ち防止解除速度閾値は、滑り落ち防止起動速度閾値と異なる値である態様に限らず、滑り落ち防止起動速度閾値と同じ値であっても良い。
(4)車両の状況や安全を考慮し、滑り落ち防止機能の解除条件を増やしても良い。例えば、CPU12は、滑り落ち防止機能が働いている状態において、解除条件1、2または以下の解除条件3〜6のいずれか1つを満たした場合に滑り落ち防止機能部122としての動作を終了する、という具合である。
(解除条件3):ギアポジション情報が停止指令となった。
(解除条件4):ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオフからハンドブレーキオンになった。
(解除条件5):上位コントローラ20からの制御モード指令がトルク制御モード指令以外の制御モード指令となった。
(解除条件6):上位コントローラ20から運転の禁止を示す運転禁止指令が供給された。
(5)モータ駆動装置10は、記憶装置に記憶された滑り落ち防止機能の起動または解除の判断基準となる各閾値(具体的には、滑り落ち防止起動トルク閾値、滑り落ち防止解除トルク閾値、滑り落ち防止起動速度閾値、滑り落ち防止解除速度閾値など)の更新を指示するためのユーザインターフェースを有していても良い。このようなユーザインターフェースを用いることで、モータ駆動装置10の提供者、車両の提供者、車両のメンテナンス担当者などが、これら各閾値を車種毎などによって調整することができる。また、滑り落ち防止機能の起動または解除の判断基準となる各閾値は、固定値であっても良いし可変値であっても良い。
(6)実施形態のモータ駆動装置10のCPU12は、取得した各種の指令および情報が滑り落ち防止機能の起動条件を満たしたとき、滑り落ち防止機能部122としての動作を即座に開始していた。しかし、CPU12は、取得した各種の指令および情報が滑り落ち防止機能の起動条件を満たしたときに内部タイマの計時を開始し、その内部タイマによる所定の時間の計時後に、滑り落ち防止機能部122としての動作を開始しても良い。この場合の内部タイマの設定時間は、調整可能であっても良い。
1…モータ駆動システム、10…モータ駆動装置、12…CPU、122…滑り落ち防止機能部、14…インバータ主回路、20…上位コントローラ、22…アクセルセンサ、24…フットブレーキセンサ、26…ハンドブレーキセンサ、28…ギアセンサ、29…通信線、30…バッテリ、40…モータ。

Claims (7)

  1. 電気自動車の動力源であるモータを駆動制御するモータ駆動装置であって、
    ハンドブレーキのオン/オフを表すハンドブレーキ情報と、ギアポジションを表すギアポジション情報と、モータの回転速度の検出結果である実回転速度と、アクセル操作量に応じたトルク指令値とが所定の起動条件を満たしたときに、以後のモータの実回転速度がゼロになるようなモータの回転速度制御を開始する滑り落ち防止手段
    を有することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記ハンドブレーキ情報、前記ギアポジション情報および前記トルク指令値は、上位コントローラから供給されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記所定の起動条件は、
    前記トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満であり、前記ギアポジション情報が車両の運転を指示する運転指令であり、前記実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満であり、かつ、前記ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへ変化したこと
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記所定の起動条件は、
    前記トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満であり、前記ギアポジション情報が車両の運転を指示する運転指令および車両の前進を指示する前進指令であり、前記実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満であり、車両の傾斜角度を表す傾斜角度情報がリア側よりもフロント側が高いことを表す正の角度閾値以上であり、かつ、前記ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへ変化したこと、
    または、前記トルク指令値の絶対値が滑り落ち防止起動トルク閾値未満であり、前記ギアポジション情報が車両の運転を指示する運転指令および車両の後退を指示する後退指令であり、前記実回転速度の絶対値が滑り落ち防止起動速度閾値未満であり、車両の傾斜角度を表す傾斜角度情報がリア側よりもフロント側が低いことを表す負の角度閾値以下であり、かつ、前記ハンドブレーキ情報がハンドブレーキオンからハンドブレーキオフへ変化こと
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記滑り落ち防止手段は、
    モータの実回転速度がゼロになるようなモータの回転速度制御を行っている状態において、
    少なくともトルク指令値の絶対値が滑り落ち防止解除トルク閾値以上になったときに、モータの実回転速度がゼロになるようなモータの回転速度制御を終了する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1の請求項に記載のモータ駆動装置。
  6. 設定される前記滑り落ち防止起動トルク閾値、前記滑り落ち防止解除トルク閾値および前記滑り落ち防止起動速度閾値は、変更可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1の請求項に記載のモータ駆動装置。
  7. 電気自動車の動力源であるモータを駆動制御するモータ駆動装置と、
    アクセル操作量に応じたトルク指令値と、ハンドブレーキのオン/オフを表すハンドブレーキ情報と、ギアポジションを表すギアポジション情報とを前記モータ駆動装置に出力する上位コントローラと、を有し、
    前記モータ駆動装置は、
    前記上位コントローラから取得した前記トルク指令値、前記ハンドブレーキ情報および前記ギアポジション情報と、モータの回転速度を検出する回転速度センサから取得したモータの実回転速度とが所定の起動条件を満たしたときに、以後のモータの実回転速度がゼロになるようなモータの回転速度制御を開始する滑り落ち防止手段を有する
    ことを特徴とするモータ駆動システム。
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