JP2017093230A - 多相電力変換装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチングデバイスのmode選択を的確にし、modeの誤選択によるフライングキャパシタの電圧変動を抑制する。【解決手段】Mode1,mode2,mode3,mode4,mode5,mode6,mode7,mode8,mode1’,mode8’のスイッチングパターンを有する多相電力変換装置において、電圧指令とキャリア信号Carrierとの比較により生成された出力電圧レベルOutput Levelと、キャリア信号Carrierに同期したグループ選択指令信号Groupと、に基づいて、スイッチングパターンのmodeを決定する。【選択図】図1
Description
本発明は、フライングキャパシタを持つ多相電力変換装置に係り、特にフライングキャパシタにおける電圧の制御方法に関する。
多相電力変換装置は、スイッチングデバイスとコンデンサなどにより構成される。この多相電力変換装置を高圧化するために、複数のスイッチングデバイスを直列に接続する方法が従来から知られている。また、スイッチングデバイスを直列接続した多相電力変換装置として、5レベルの電圧を出力する5レベル電力変換装置が知られている。図7は特許文献1の3相5レベル多相電力変換装置を示す回路図である。各相の主回路構成は同一である。
図7においてDC1,DC2は直流電圧源(例えば、コンデンサ)、FC1,FC2はフライングキャパシタ、S1U〜S10UはU相のスイッチングデバイス、S1V〜S10VはV相のスイッチングデバイス、S1W〜S10WはW相のスイッチングデバイス、SC1,SC2は共通スイッチである。
具体的な回路構成は、直列接続された2個の直流電圧源DC1,DC2のうち上段の直流電圧源DC1の負極端に各相共通の共通スイッチSC1の一端が接続され、直列接続された2個の直流電圧源DC1,DC2のうち下段の直流電圧源DC2の正極端に各相共通の共通スイッチSC2の一端が接続される。
また、共通スイッチSC1の他端に各相共通のフライングキャパシタFC1の一端が接続され、共通スイッチSC2の他端に各相共通のフライングキャパシタFC2の一端が接続される。
直流電圧源DC1の正極端と共通スイッチSC1の他端との間に各相のスイッチングデバイスS1U,S1V,S1W,スイッチングデバイスS3U,S3V,S3W,スイッチングデバイスS4U,S4V,S4Wが順次直列接続される。
スイッチングデバイスS1U,S1V,S1W,スイッチングデバイスS3U,S3V,S3Wの共通接続点とフライングキャパシタFC1の他端との間に各相のスイッチングデバイスS2U,S2V,S2Wが介挿される。
共通スイッチSC2の他端と直流電圧源DC2の負極端との間にS7U,S7V,S7W,スイッチングデバイスS8U,S8V,S8W,スイッチングデバイスS10U,S10V,S10Wが順次直列接続される。
スイッチングデバイスS8U,S8V,S8W,スイッチングデバイスS10U,S10V,S10Wの共通接続点とフライングキャパシタFC2の他端との間にスイッチングデバイスS9U,S9V,S9Wが介挿される。
スイッチングデバイスS3U,S3V,S3WとスイッチングデバイスS4U,S4V,S4Wの共通接続点に各相のスイッチングデバイスS5U,S5V,S5Wの一端が接続される。
スイッチングデバイスS7U,S7V,S7WとスイッチングデバイスS8U,S8V,S8Wの共通接続点に各相のスイッチングデバイスS6U,S6V,S6Wの一端が接続される。各相のスイッチングデバイスS5U,S5V,S5Wの他端と各相のスイッチングデバイスS6U,S6V,S6Wの他端が接続される。
直流電圧源DC1,DC2の電圧は2E、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧はEであり、これらの電圧の組み合わせにて5レベルの電圧を中性点端子NPと出力端子U,V,W間に出力する。
5レベルの選択はPWM(Pulse Width Modulation)制御を用いる。PWM制御は、正弦波状の電圧指令と三角波状のキャリア信号とを大小比較することにより、各スイッチングデバイスのスイッチング信号を生成する方法である。このスイッチング信号によりスイッチングのタイミングが調整される。
図8に、PWM制御の電圧指令とキャリア信号を示す。キャリア信号1〜4は同じ振幅であり、オフセット値のみが異なる信号である。表1に、U相のスイッチングパターンのmodeを示す。図9に、スイッチングパターンのmode1〜mode8,mode1’,mode8’の動作を示す。
例として、電圧指令>キャリア信号1の期間では、電圧2Eを中性点端子NPと出力端子U,V,W間に出力する。この時の各スイッチングデバイスのオンオフ状態は、表1のmode1またはmode1’に示す状態になる。
キャリア信号1>電圧指令>キャリア信号2の期間では、電圧Eを中性点端子NPと出力端子U,V,W間に出力する。この時の各スイッチングデバイスのオンオフ状態は、表1のmode2またはmode3に示す状態になる。
さらに、この電圧指令の振幅は変調率Mによって変化する。変調率Mが変化するとスイッチングパターンも変化して、電力変換装置の出力電圧も変化する。このように変調率Mを制御することにより、電力変換装置の出力電圧を制御することができる。
表1のスイッチングパターンにて5レベルの電圧を出力できる。5レベルを出すパターンはそれぞれ2種あり、フライングキャパシタFC1を充 電し、フライングキャパシタFC2を放電するパターン群をグループA、逆にフライングキャパシタFC1を放電し、フライングキャパシタFC2を充電するパターンをグループBと呼称している。具体的には、mode1’,mode2,mode5,mode7,mode8をグループA、mode1,mode3,mode4,mode6,mode8’をグループBとしている。
表1において、1は半導体素子がオンの状態、0はオフの状態を示す。例としてU相を示したが、他相も同様にスイッチングを行う。
5レベルを出力する際に、グループA,Bを切り替えることでフライングキャパシタFC1,FC2の充放電を行い、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧バランスを保っている。フライングキャパシタFC1,FC2のバランス制御はフライングキャパシタFC1,FC2に流れる電流を前記変調率Mにて推定し、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧を制御する。
フライングキャパシタFC1,FC2に流れる電流Iを推定する式は、以下の(1)式となる。
特許文献1では(1)式、フライングキャパシタFC1の電圧値およびフライングキャパシタFC2の電圧値を用いて制御を行っているが、以下の問題が挙げられる。
前述のように、電力変換装置の出力電圧の制御は変調率Mを用いて行う。出力電圧の制御をフィードバックを伴う閉ループにて制御する場合、変調率Mはフィードバック値(電力変換装置の出力電圧検出値、直流電圧検出値など)の変動に応じて振動する。
また、前述のフィードバック値にノイズ外乱が注入した場合、変調率Mを適正な値に制御できなくなる。
さらに、(1)式は電流の基本波のみを推定している式になる。しかし、実際にはPWMを用いて制御をしているため、フライングキャパシタFC1,FC2に流れる電流には基本波以外の成分も含まれる。
以上の問題点があるため、(1)式で示した電流推定値と実際にフライングキャパシタFC1,FC2に流れる電流との間には、偏差が生じる。この偏差により、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2の充放電制御を行う上で適正なスイッチングパターンのmodeを選択できない恐れがある。
modeの選択を誤った場合、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2の電圧は大きく変動し、多相電力変換装置が停止する恐れがある。
さらに、特許文献1では、(1)式の演算が複雑なため演算時間が多く、そのことが制御応答限界を制限する、という問題もあった。
以上示したようなことから、多相電力変換装置においては、スイッチングデバイスのmode選択を的確にし、modeの誤選択によるフライングキャパシタの電圧変動を抑制することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、 直列接続された2個の直流電圧源のうち上段の直流電圧源の負極端に一端が接続された各相共通の第1共通スイッチと、直列接続された2個の直流電圧源のうち下段の直流電圧源の正極端に一端が接続された各相共通の第2共通スイッチと、第1共通スイッチの他端に一端が接続された各相共通の第1フライングキャパシタと、第2共通スイッチの他端に一端が接続された各相共通の第2フライングキャパシタと、前記上段の直流電圧源の正極端と第1共通スイッチの他端との間に順次直列接続された各相の第1スイッチングデバイス,第3スイッチングデバイス,第4スイッチングデバイスと、第1スイッチングデバイス,第3スイッチングデバイスの共通接続点と第1フライングキャパシタの他端との間に介挿された各相の第2スイッチングデバイスと、第2共通スイッチの他端と下段の直流電圧源の負極端との間に順次直列接続された各相の第7スイッチングデバイス,第8スイッチングデバイス,第10スイッチングデバイスと、第8スイッチングデバイス,第10スイッチングデバイスの共通接続点と第2フライングキャパシタの他端との間に介挿された各相の第9スイッチングデバイスと、第3スイッチングデバイスと第4スイッチングデバイスの共通接続点に一端が接続された各相の第5スイッチングデバイスと、第7スイッチングデバイスと第8スイッチングデバイスの共通接続点に一端が接続された各相の第6スイッチングデバイスと、を備え、第5スイッチングデバイスの他端と第6スイッチングデバイスの他端とが接続された相数が2以上の多相電力変換装置の制御方法であって、表3に示すMode1,mode2,mode3,mode4,mode5,mode6,mode7,mode8,mode1’,mode8’のスイッチングパターンを有し、電圧指令とキャリア信号との比較により生成された出力電圧レベルと、キャリア信号に同期したグループ選択指令信号と、に基づいて、スイッチングパターンのmodeを決定することを特徴とする。
また、その一態様として、グループ選択指令信号の周波数がキャリア信号の周波数の1/2であることを特徴とする。
また、その一態様として、キャリア信号に同期した充放電信号と、上段の直流電圧源の電圧の1/2が第1フライングキャパシタの電圧よりも大きい場合1、上段の直流電圧源の電圧の1/2が第1フライングキャパシタの電圧以下の場合0を出力する第1フライングキャパシタの充放電指令と、下段の直流電圧源の電圧の1/2が第2フライングキャパシタの電圧よりも大きい場合1、下段の直流電圧源の電圧の1/2が第2フライングキャパシタの電圧以下の場合0を出力する第2フライングキャパシタの充放電指令と、に応じ表4に基づいてグループ選択指令信号を生成することを特徴とする。
また、その一態様として、キャリア信号に同期した充放電信号と、上段の直流電圧源の電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第1フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値よりも大きい場合1、上段の直流電圧源の電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第1フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値以下の場合0を出力する第1フライングキャパシタの充放電指令と、下段の直流電圧源の電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第2フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値よりも大きい場合1、下段の直流電圧源の電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第2フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値以下の場合0を出力する第2フライングキャパシタの充放電指令と、に応じ表4に基づいてグループ選択指令信号を生成することを特徴とする。
また、その一態様として、充放電信号の周波数は、キャリア信号の周波数の1/2であることを特徴とする。
本発明によれば、スイッチングデバイスのmode選択を的確にし、modeの誤選択によるフライングキャパシタの電圧変動を抑制することが可能となる。
本願発明では、スイッチングパターンのグループA,グループBの選択において、変調率Mおよび、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧検出値を使用しない。変調率Mを使用しないため、(1)式も使用しない。
また、(1)式の代わりに、キャリア信号Carrierの半周期に同期した一定のグループ選択指令信号Groupを使用する。ただし、キャリア信号Carrierの周波数が出力電圧の周波数に対して十分に高く(例えば、キャリア信号Carrierの周波数=2kHz、出力電圧の周波数=50Hz)、直流電圧源DC1,DC2の電圧は外部電源によって安定に供給されていることが条件になる。
以下、本願発明に係る多相電力変換装置の制御方法における実施形態1〜4を図1〜図6に基づいて詳述する。
[実施形態1]
図1に、キャリア信号Carrierに同期したスイッチングパターンのmodeの遷移図を示す。まず、正弦波状の電圧指令(図1には示していない)とキャリア信号Carrierとを比較し、出力電圧レベルOutput Levelを演算する。出力電圧レベルOutput Levelを演算する方法は特許文献1と同様である。
図1に、キャリア信号Carrierに同期したスイッチングパターンのmodeの遷移図を示す。まず、正弦波状の電圧指令(図1には示していない)とキャリア信号Carrierとを比較し、出力電圧レベルOutput Levelを演算する。出力電圧レベルOutput Levelを演算する方法は特許文献1と同様である。
なお、図1では、図8のオフセット値が異なる4つのキャリア信号Carrierのうち、代表の1信号のみを示している。実際にはキャリア信号Carrierは4つあり、図8と同様の電圧指令と各キャリア信号Carrierとの比較によって、図1の出力電圧レベルOutput Levelが決まる。さらに、この時キャリア信号Carrierの周波数をFc[Hz]とする。
この出力電圧レベルOutput Levelの信号とは別に、表1の同一間隔にてグループA,Bを遷移するグループ選択指令信号Groupを生成する。グループ選択指令信号Groupはキャリア信号Carrierの頂点と同期した信号とし、その周波数をFg[Hz]とする。図1ではFg=Fc/2[Hz]とした。
スイッチングパターンのmodeは出力電圧レベルOutput Levelとグループ選択指令信号Groupの組み合わせ応じて決定される。具体的には表1のmodeとなる。modeが決まれば、各スイッチングデバイスのオンオフが決定される。
本実施形態1における多相電力変換装置の制御方法では、グループA,Bを同一間隔にすることができる。したがって、フライングキャパシタFc1,Fc2の充電時間と放電時間を均一にすることができ、フライングキャパシタFc1,Fc2の電圧を一定値に制御することが可能となる。
フライングキャパシタFC1,FC2の充放電制御時のスイッチングパターンのmode選択において、フィードバック値(多相電力変換装置の出力電圧検出値、直流電圧検出値、変調率Mなど)を用いていない。したがって、特許文献1の方法で問題であったスイッチングパターンのmodeの誤選択は発生せず、modeの誤選択によるフライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2の電圧変動は発生しなくなる。これにより、多相電力変換装置が停止する可能性を抑制することができる。
また、フィードバック値を用いていないため、フィードバック検出値にノイズ外乱が注入してフライングキャパシタFC1,FC2の充放電制御の精度が劣化する恐れがなくなる。以上により、電力変換装置の信頼性が向上する。
また、(1)式を用いる特許文献1と比較して簡易な演算で済むため、充放電制御時の演算時間を短縮することができる。したがって、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧制御の制御応答を向上させることができる。
[実施形態2]
実施形態1ではFg=Fc/2としているが、これに限らなくともよい。(2)式にグループ選択指令信号Groupの周波数Fgの設計式を示す。
実施形態1ではFg=Fc/2としているが、これに限らなくともよい。(2)式にグループ選択指令信号Groupの周波数Fgの設計式を示す。
グループ選択指令信号Groupはキャリア信号Carrierと同期させることが望ましい。このことを説明する。
仮にグループ選択指令信号Groupとキャリア信号Carrierが同期していない場合、出力電圧レベルOutput Levelの切り替えとグループ選択指令信号Groupの切り替えが同時に発生する可能性がある。
出力電圧レベルOutput Levelとグループ選択指令信号Groupの切り替えが同時に発生した場合、スイッチング中に意図していない電圧を出力する可能性がある。これを抑制するために、グループ選択指令信号Groupはキャリア信号Carrierと同期させる。
そこで、グループ選択指令信号Groupの周波数Fgは(2)式に示すように、キャリア周波数Fcの2倍の周波数2Fcの1/n倍の周波数にする。この条件ではグループ選択指令信号Groupは必ずキャリア信号Carrierの頂点で切り替わるため、出力電圧レベルOutput Levelの切り替えとグループ選択指令信号Groupの切り替えが同時に発生することがない。
本実施形態2を適用した多相電力変換装置での実際の測定結果を図2に示す。図2ではFg=Fc[Hz]としている。
VDC1,VDC2は直流電圧源DC1,DC2の電圧である。VFC1,VFC2は、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧である。図2に示す通り、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2の電圧がほぼ電圧Eに制御されていることがわかる。また、図2の最上段に代表としてU相を示したが、他のV相,W相も同様に制御が可能である。
本実施形態2は、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
[実施形態3]
図7に示す多相電力変換装置はフライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に充電すると短絡ループが発生するため、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に充電することはできない。同様の理由で、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に放電させることもできない。
図7に示す多相電力変換装置はフライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に充電すると短絡ループが発生するため、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に充電することはできない。同様の理由で、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に放電させることもできない。
したがって、フライングキャパシタFC1の電圧とフライングキャパシタFC2の電圧がともに設定した闘値より下回った場合でも、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に充電するスイッチングパターンのmodeは選択できない。同様に、フライングキャパシタFC1の電圧とフライングキャパシタFC2の電圧がともに設定した闘値より上回った場合でも、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2を同時に放電するスイッチングパターンのmodeは選択できない。
一方、フライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2の一方を充電、他方を放電する場合では短絡ループは発生しない。
このフライングキャパシタFC1とフライングキャパシタFC2の一方を充電、他方を放電する場合におけるフライングキャパシタFC1,FC2の電圧制御精度の向上が、本実施形態3の課題である。
これらの問題を解決するため、以下の方式をとる。まず、(1)式を使用せず、代わりに直流電圧源DC1,DC2の電圧VDC1,VDC2,フライングキャパシタFC1,FC2の電圧VFC1,VFC2を用いて、フライングキャパシタFC1,FC2の充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeを生成する。
さらに、フライングキャパシタFC1,FC2ともに充電指令、または、ともに放電指令の場合は、そのままともに充電または放電すると短絡するので、それを避けるために、表1のグループ選択指令信号Groupの切り替えを行う。このグループ選択指令信号Groupの切り替えにおいて、キャリア信号Carrierの半周期に同期した一定の充放電信号stsを使用する。
ただし、キャリア信号Carrierの周波数が出力電圧の周波数に対して十分に高く(例えば、キャリア信号Carrierの信号周波数=2kHz、出力電圧の周波数=50Hz)、直流電圧源DC1,DC2の電圧は外部電源によって安定に供給されていることが条件になる。
一方、フライングキャパシタの一方が充電指令で他方が放電指令の場合は、グループ選択指令信号Groupの切り替えにおいて、充放電信号stsを使用せず、一方の充電指令と他方の放電指令の両方を満足するグループ選択指令信号Groupを選択する。
図3にフライングキャパシタFC1,FC2の充放電指令作成ブロック図を示す。
図3に示すように、乗算器1a,1bは、直流電圧源DC1,DC2の電圧VDC1,VDC2に1/2を乗算する。減算器2a,2bは、乗算器1a,1bの出力からフライングキャパシタFC1,FC2の電圧VFC1,VFC2を減算する。比較器3a,3bは、減算器2a,2bの出力と0とをそれぞれ比較する。比較器3a,3bは、減算器2a,2bの出力が0よりも大きければ充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeを1として出力し、減算器2a,2bが0以下であれば充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeを0として出力する。table2では、充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeと充放電信号stsに基づいてグループ選択指令信号Groupを出力する。
フライングキャパシタFC1,FC2の充放電指令をそれぞれFC1_Charge,FC2_Chargeとする。充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeの生成法は以下の(3)式,(4)式によって決定する。
また、直流電圧源DC1,DC2の電圧VDC1,VDC2,フライングキャパシタFC1,FC2の電圧VFC1,VFC2は、各々、電圧センサなどを用いて検出する。
充放電指令FC1_Charge=1のときはフライングキャパシタFC1の充電指令、0のときは放電指令を意味する。充放電指令FC2_Charge=1も同様の意味を有する。この信号によって、フライングキャパシタFC1およびフライングキャパシタFC2の望ましい充放電状態(充電または放電)が決まる。
ただし、充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeがともに1、または0の場合は、図2のキャリア信号Carrierに同期した一定周期の充放電信号stsを使用する。
キャリア信号Carrierと充放電信号stsの関係を図4に示す。充放電信号stsはキャリア信号Carrierの頂点に同期してAとBを一定周期で繰り返す信号である。
充放電信号stsの周波数Fstsは以下の(5)式で表される。
なお、図4では、充放電信号stsの周波数Fsts[Hz]=Fc/2[Hz]としている
最後に、充放電指令1_Charge,FC2_Chargeおよび充放電信号stsを入力としてGroupA,GroupBを決定する。その真理値表を表2に示す。
最後に、充放電指令1_Charge,FC2_Chargeおよび充放電信号stsを入力としてGroupA,GroupBを決定する。その真理値表を表2に示す。
ここで、ここで*は0,1のどちらでも構わない。
表1,図9のmode2は、フライングキャパシタFC1を充電するmodeで、グループAである。表1,図9のmode3は、フライングキャパシタFC1を放電するmodeで、グループBである。表1,図9のmode6は、フライングキャパシタFC2を充電するmodeで、グループBである。表1,図9のmode7は、フライングキャパシタFC2を放電するmodeで、グループAである。
一方、充放電指令FC1_Charge=0、FC2_Charge=1の状態は、フライングキャパシタFC1を放電するmode3の選択が望ましい状態であり、かつ、フライングキャパシタFC2を充電するmode6の選択が望ましい状態である。さらに、mode3とmode6はともにグループBである。したがって、充放電指令FC1_Charge=0,FC2_Charge=1の状態では、充放電信号stsの状態にかかわらずグループBを選択する。
同様に、充放電指令FC1_Charge=1,FC2_Charge=0の状態は、フライングキャパシタFC1を充電するmode2の選択が望ましい状態であり、かつ、フライングキャパシタFC2を放電するmode7の選択が望ましい状態である。さらに、mode2とmode7はともにグループAである。したがって、充放電指令FC1_Charge=1,FC2_Charge=0の状態では、充放電信号stsの状態にかかわらずグループAを選択する。
上記以外の充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeの状態(フライングキャパシタFC1,FC2の両方が充電指令、または、フライングキャパシタFC1,FC2の両方が放電指令の状態)では、グループA,Bの選択は充放電信号stsに従う。この動作を示しだのが、表2である。
図3のtable2は、表2に従って、グループ選択指令信号(グループAまたはグループBを選択する信号)を出力する。
なお、充放電信号stsはキャリア信号Carrierと同期させることが望ましい。このことを説明する。
仮に、充放電信号stsとキャリア信号Carrierが同期していない場合、出力電圧レベルOutput Levelの切り替えとグループ選択指令信号Groupの切り替えが同時に発生する可能性がある。
出力電圧レベルOutput Levelとグループ選択指令信号Groupの切り替えが同時に発生した場合、スイッチング中に意図していない電圧を出力する可能性がある。
これを防ぐために、充放電信号stsはキャリア信号Carrierと同期させる。そこで充放電信号stsの周波数Fstsは(5)式に示すように、2FCの1/n倍の周波数にする。
また、グループ選択指令信号Groupの切り替えが充放電信号stsに依存しない、充放電信号sts=*の条件時においても、キャリア信号Carrierの頂点でグループA,Bが切り替わるようにする。その機能は図3のtable2に持たせる。table2は、充放電指令FC1_Charge,FC2_Chargeと、キャリア信号Carrierの頂点の情報を持っている充放電信号stsを入力しているため、table2内に充放電信号stsの同期信号を生成する機能を設ければ、キャリア信号Carrierの頂点でのグループA,Bの切り替えは容易に実現できる。
この条件ではグループA,Bは必ずキャリア信号Carrierの頂点で切り替わるため、出力電圧レベルOutput Levelの切り替えとグループ選択指令信号Groupの切り替えが同時に発生することがない。
図1にキャリア信号CarrierとフライングキャパシタFC1,FC2の充放電遷移図を示す。まず、電圧指令とキャリア信号Carrierとを比較し、出力電圧レベルOutput Levelを演算する。
スイッチングパターンのmodeは出力電圧レベルOutput Levelとグループ選択指令信号Groupの組み合わせに応じて決定される。具体的には表1のmodeとなる。modeが決まれば各スイッチングデバイスのオンオフが決定される。
図1は、表2のsts=*でない状態(フライングキャパシタFC1,FC2の両方が充電指令、または、フライングキャパシタFC1,FC2の両方が放電指令の状態)での、各信号の出力例である。
本実施形態3の制御方法では、フライングキャパシタFC1の充電が望ましく、かつ、フライングキャパシタFC2の放電が望ましい状態では、優先的にグループAを選択できる。これにより、フライングキャパシタFC1を充電するスイッチングパターンのmode2と、フライングキャパシタFC2を放電するスイッチングパターンのmode7を優先的に選択できる。
同様に、フライングキャパシタFC1の放電が望ましく、かつ、フライングキャパシタFC2の充電が望ましい状態では、優先的にグループBを選択できる。これにより、フライングキャパシタFC1を放電するスイッチングパターンのmode3と、フライングキャパシタFC2を充電するスイッチングパターンのmode6を優先的に選択できる。
これにより、フライングキャパシタFC1,FC2の電圧制御の精度を向上させることができる。
本実施形態3を適用した電力変換装置での実際の測定結果を図5に示す。図5に示す通り、フライングキャパシタFC1の電圧VFC1とフライングキャパシタFC2の電圧VFC2がほぼ一定値の電圧Eに制御されていることがわかる。また、代表としてU相を示したが、他のV相、W相も同様に制御が可能である
[実施形態4]
実施形態3は、充放電指令FC1_Chargeおよび充放電指令FC2_Chargeの決定を直流電圧の変動を考慮したものである。
[実施形態4]
実施形態3は、充放電指令FC1_Chargeおよび充放電指令FC2_Chargeの決定を直流電圧の変動を考慮したものである。
実施形態3ではグループ選択指令信号Groupの生成ブロックとして図3を示したが、その代わりに図6に本実施形態4のフライングキャパシタFC1,FC2の充放電指令作成ブロック図を示す。本実施形態4では図6_に示すようにフライングキャパシタFC1,FC2の電圧VFC1,VFC2の出力にそれぞれローパスフィルタLPF(Low Pass Filter)を追加して、直流電圧の変動を除去して充放電を決定する。これにより、より安定したフライングキャパシタFC1,FC2の電圧制御が可能となる。
また、図6では、乗算器1a,1bの出力にもローパスフィルタLPFを追加している。また、ローパスフィルタLPFのカットオフ周波数Fcut[Hz]の設定条件を以下の(6)式に示す。
キャリア信号Carrierを用いた電力変換装置は、電圧制御に用いる検出電圧の更新周期がキャリア信号Carrierの半周期になるため、(6)式のように設定することが望ましい。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
なお、図7は3相回路であるが、本実施形態1〜4は3相に限らなくともよい。相数が2以上の回路構成であれば適用できる。
さらに、本実施形態1〜4は、図7の回路構成において、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ動作と、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ動作の両方について、適用することができる。
DC1,DC2…直流電圧源
FC1,FC2…フライングキャパシタ
S1U〜S10U,S1V〜S10V,S1W〜S10W…スイッチングデバイス
SC1,SC2…共通スイッチ
Output Level…出力電圧レベル
Carrier…キャリア信号
Group…グループ選択指令信号
FC1,FC2…フライングキャパシタ
S1U〜S10U,S1V〜S10V,S1W〜S10W…スイッチングデバイス
SC1,SC2…共通スイッチ
Output Level…出力電圧レベル
Carrier…キャリア信号
Group…グループ選択指令信号
Claims (5)
- 直列接続された2個の直流電圧源のうち上段の直流電圧源の負極端に一端が接続された各相共通の第1共通スイッチと、
直列接続された2個の直流電圧源のうち下段の直流電圧源の正極端に一端が接続された各相共通の第2共通スイッチと、
第1共通スイッチの他端に一端が接続された各相共通の第1フライングキャパシタと、
第2共通スイッチの他端に一端が接続された各相共通の第2フライングキャパシタと、
前記上段の直流電圧源の正極端と第1共通スイッチの他端との間に順次直列接続された各相の第1スイッチングデバイス,第3スイッチングデバイス,第4スイッチングデバイスと、
第1スイッチングデバイス,第3スイッチングデバイスの共通接続点と第1フライングキャパシタの他端との間に介挿された各相の第2スイッチングデバイスと、
第2共通スイッチの他端と下段の直流電圧源の負極端との間に順次直列接続された各相の第7スイッチングデバイス,第8スイッチングデバイス,第10スイッチングデバイスと、
第8スイッチングデバイス,第10スイッチングデバイスの共通接続点と第2フライングキャパシタの他端との間に介挿された各相の第9スイッチングデバイスと、
第3スイッチングデバイスと第4スイッチングデバイスの共通接続点に一端が接続された各相の第5スイッチングデバイスと、
第7スイッチングデバイスと第8スイッチングデバイスの共通接続点に一端が接続された各相の第6スイッチングデバイスと、
を備え、第5スイッチングデバイスの他端と第6スイッチングデバイスの他端とが接続された相数が2以上の多相電力変換装置の制御方法であって、
表3に示すMode1,mode2,mode3,mode4,mode5,mode6,mode7,mode8,mode1’,mode8’のスイッチングパターンを有し、
電圧指令とキャリア信号との比較により生成された出力電圧レベルと、
キャリア信号に同期したグループ選択指令信号と、
に基づいて、スイッチングパターンのmodeを決定することを特徴とする多相電力変換装置の制御方法。
- グループ選択指令信号の周波数がキャリア信号の周波数の1/2であることを特徴とする請求項1記載の多相電力変換装置の制御方法。
- キャリア信号に同期した充放電信号と、
上段の直流電圧源における電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第1フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値よりも大きい場合1、上段の直流電圧源における電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第1フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値以下の場合0を出力する第1フライングキャパシタの充放電指令と、
下段の直流電圧源における電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第2フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値よりも大きい場合1、下段の直流電圧源における電圧の1/2がローパスフィルタを通過した値が、第2フライングキャパシタの電圧がローパスフィルタを通過した値以下の場合0を出力する第2フライングキャパシタの充放電指令と、
に応じ表4に基づいてグループ選択指令信号を生成することを特徴とする請求項1または2記載の多相電力変換装置の制御方法。
- 充放電信号の周波数は、キャリア信号の周波数の1/2であることを特徴とする請求項3または4記載の多相電力変換装置の制御方法。
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JP2015223558A JP2017093230A (ja) | 2015-11-16 | 2015-11-16 | 多相電力変換装置の制御方法 |
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JP2020078201A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電力変換装置 |
-
2015
- 2015-11-16 JP JP2015223558A patent/JP2017093230A/ja active Pending
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