JP2017092864A - 可変リアクタンス回路 - Google Patents

可変リアクタンス回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2017092864A
JP2017092864A JP2015224085A JP2015224085A JP2017092864A JP 2017092864 A JP2017092864 A JP 2017092864A JP 2015224085 A JP2015224085 A JP 2015224085A JP 2015224085 A JP2015224085 A JP 2015224085A JP 2017092864 A JP2017092864 A JP 2017092864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
variable reactance
circuit
switch
reactance circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015224085A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6661190B2 (ja
Inventor
大平 孝
Takashi Ohira
孝 大平
尚貴 坂井
Naotaka Sakai
尚貴 坂井
裕理 北川
Hiromichi Kitagawa
裕理 北川
恭平 山田
Kyohei Yamada
恭平 山田
大也 江頭
Daiya Egashira
大也 江頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyohashi University of Technology NUC
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyohashi University of Technology NUC filed Critical Toyohashi University of Technology NUC
Priority to JP2015224085A priority Critical patent/JP6661190B2/ja
Publication of JP2017092864A publication Critical patent/JP2017092864A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6661190B2 publication Critical patent/JP6661190B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filters And Equalizers (AREA)

Abstract

【課題】負荷インピーダンスが高速で変動しても自動的にインピーダンス整合を実現する、大電力、高周波用の可変リアクタンス回路を提供する。【解決手段】本発明に係る可変リアクタンス回路は、FETなどのスイッチと、インダクタとコンデンサで構成される高調波反射回路を縦続接続した回路であって、該スイッチは使用する周波数の2倍の周波数でスイッチングを行い、入力される電圧とスイッチの制御信号との位相差を制御することで、入力側からみたリアクタンス値が制御されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高周波、大電力に対してリアクタンス値を任意の値に制御できる可変リアクタンス回路に関する。
一般に、回路の線路長が信号の波長に対して無視できないほど長い回路では、接続する二つの回路どうし(例えば、電源と負荷)のインピーダンスの不整合によって電力反射が発生する。このような場合、電源と負荷の間にインピーダンス整合回路を挿入することで電力反射を低減することが可能である。
しかし、接続される回路の片方、もしくは両方のインピーダンスが変動する場合、電力反射を常に低減するには、自動インピーダンス整合回路が必要となる。自動インピーダンス整合回路にはバリアブルコンデンサやバラクタダイオードといった可変リアクタンス回路が搭載されており、該可変リアクタンス回路のリアクタンス値を変化させて電力反射を低減する(例えば、特許文献1および非特許文献1を参照)。また、整合できるインピーダンスの範囲は、可変リアクタンス回路が取り得るリアクタンス値の範囲に依存する。
一方、非特許文献2に記載されている、走行中の電気自動車への無線電力伝送は高周波、大電力であり、走行状況によって負荷のインピーダンスは高速で変動する。これに使用する自動インピーダンス整合回路の可変リアクタンス回路は、大電力に耐えうること、可変できるリアクタンス値の範囲が非常に広いこと、高速に制御できることが望まれている。
特開2009―93990号公報
佐藤翔一 他,"リアルタイム負荷追従インピーダンス自動整合回路,"信学論(C),vol.J97―C,no.12,pp.549―553,Dec.2014. 大平孝,"電化道路電気自動車,"自動車技術 特集:進化する道路関連技術,vol.67,no.10,pp.47―50,Oct.2013.
従来の可変リアクタンス回路として、バリアブルコンデンサとバラクタダイオードがある。前記バリアブルコンデンサは、可変できるリアクタンス値の範囲が狭い、高速で制御することができないという欠点がある。また前記バラクタダイオードは、可変できるリアクタンス値の範囲が狭い、大電力で使用することができないという欠点がある。このように、大電力、高速制御、広範囲なリアクタンス値の3点を同時に満たす可変リアクタンス回路は存在しない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明係る可変リアクタンス回路は、大電力、高速制御、広範囲なリアクタンス値の3点を同時に満たす回路である。
本発明に係る第1の可変リアクタンス回路は、高周波かつ大電力に対して広範にリアクタンス値を制御するための可変リアクタンス回路であって、
正弦波入力ポートを有する2ポートの高調波反射手段と、該正弦波入力ポートの反対側において該高周波反射手段に2つの端子で接続されるスイッチング手段とを備え、
前記高周波反射手段は、インダクタとコンデンサとで構成され、
前記スイッチング手段は、正弦波入力ポートに入力される正弦波入力信号の周波数に対し、整数倍の周波数でスイッチングされるスイッチを備えるものである
ことを特徴とする。
本発明係る第2の可変リアクタンス回路は、前記第1の可変リアクタンス回路であって、
前記スイッチング手段は、前記スイッチの制御信号を出力する制御部を備え、該制御部によって制御された該スイッチの制御信号と前記正弦波入力信号との位相差を可変にすることにより、正弦波の入力側からみたリアクタンス値を変化させるものであることを特徴とする。
本発明係る第3の可変リアクタンス回路は、前記第2の可変リアクタンス回路であって、
前記スイッチング手段は、スイッチ駆動電源を備え、前記制御部は、前記スイッチ駆動電源の周波数を制御するものであることを特徴とする。
本発明係る第4の可変リアクタンス回路は、前記第1ないし第3のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記高調波反射手段は、少なくとも1つの第1のコンデンサが、前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に直列に接続されており、少なくとも1つの第1のインダクタと少なくとも1つの第2のコンデンサとで形成される1組のLC配線が、前記第1のコンデンサが接続される配線のうち該コンデンサよりも前記スイッチング手段が配置される側と残りの配線との間に接続されており、
前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して1倍である
ことを特徴とする。
本発明係る第5の可変リアクタンス回路は、前記第4の可変リアクタンス回路であって、
前記高調波反射手段は、さらに、前記第1のコンデンサが接続される配線のうち該コンデンサよりも前記正弦波入力ポートの側において少なくとも1つの第2のインダクタが直接に接続されており、該第2のインダクタの両側と他の配線との間に第3および第4のコンデンサがそれぞれ接続されていることを特徴とする。
本発明係る第6の可変リアクタンス回路は、前記第1ないし第3のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記高調波反射手段は、少なくとも1つのインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に接続され、少なくとも1つのコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に接続されており、
前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
ことを特徴とする。
本発明係る第7の可変リアクタンス回路は、前記第1ないし第3のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記高調波反射手段は、少なくとも1つのインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に接続され、複数のコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に並列に接続されており、
前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
ことを特徴とする。
本発明係る第8の可変リアクタンス回路は、前記第1ないし第3のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記高調波反射手段は、複数のインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に直列に接続され、少なくとも1つのコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に接続されており、
前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
いることを特徴とする。
本発明係る第9の可変リアクタンス回路は、前記第1ないし第3のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記高調波反射手段は、複数のインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に直列に接続され、複数のコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に並列に接続されており、
前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
ことを特徴とする。
本発明係る第10の可変リアクタンス回路は、前記第6ないし第9のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記インダクタの一部または全部には、さらにコンデンサが直列または/および並列に接続されていることを特徴とする。
本発明係る第11の可変リアクタンス回路は、前記第6ないし第10のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記コンデンサの一部または全部には、さらにインダクタが直列に接続されていることを特徴とする。
本発明係る第12の可変リアクタンス回路は、前記第6ないし第11のいずれかの可変リアクタンス回路であって、
前記スイッチは、第1の端子が、前記インダクタの少なくとも1つに対して直列に接続され、第2の端子が、前記第2の端子との間に前記コンデンサの少なくとも1つが介在するように接続されていることを特徴とする。
本発明係る可変リアクタンス回路は、正弦波入力ポートと、インダクタとコンデンサで構成される2ポート高調波反射回路と、スイッチ(例えばFETなど)を縦続接続した、耐電力性が高く高速スイッチング可能な素子からなる回路であり、正弦波入力の周波数に対し整数倍の周波数でスイッチをON/OFF動作させることができる。
さらに、正弦波入力電圧とスイッチの制御信号との位相差を制御することで、正弦波入力側からみたリアクタンス値が制御できる。前記正弦波入力電圧とスイッチの制御信号との位相差を0°から360°まで制御すると、可変できるリアクタンス値の範囲は―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲とすることができる。
本発明係る可変リアクタンス回路の構成図 本発明係る可変リアクタンス回路の原理説明図 本発明係る可変リアクタンス回路の動作波形 CLCLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 CLCLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 実施例1の高調波反射回路のインダクタの値を0.5倍、キャパシタの値を2倍としたCLCLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 実施例1の高調波反射回路のインダクタの値を0.5倍、キャパシタの値を2倍としたCLCLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 実施例1の電源の周波数を2倍、スイッチング周波数を2倍、高調波反射回路のインダクタの値を0.5倍、キャパシタの値を0.5倍としたCLCLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 実施例1の電源の周波数を2倍、スイッチング周波数を2倍、高調波反射回路のインダクタの値を0.5倍、キャパシタの値を0.5倍としたCLCLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 LCLCはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 LCLCはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 LCLLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 LCLLはしご型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 LCLLブリッジT型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 LCLLブリッジT型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 LCLCブリッジ型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 LCLCブリッジ型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 3次短絡フィルター型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 3次短絡フィルター型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 3次開放フィルター型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 3次開放フィルター型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 LCL―T型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 LCL―T型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 CLC―π型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路 CLC―π型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 スイッチング周波数と電源の周波数を等しくした実施例21にかかる可変リアクタンス回路の基本回路 スイッチング周波数と電源の周波数を等しくした実施例21にかかる可変リアクタンス回路のシミュレーション結果 スイッチング周波数と電源の周波数を等しくした実施例22にかかるCLC―π型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路の基本回路 スイッチング周波数と電源の周波数を等しくした実施例22にかかるCLC―π型高調波反射回路で構成した可変リアクタンス回路のシミュレーション結果
本発明を実施するための形態について、以下に図を参照しながら説明する。
本発明係る可変リアクタンス回路の構成図を図1に示す。可変リアクタンス回路の構成は正弦波入力ポートと、2ポート高調波反射回路と、スイッチ(例えばFETなど)を縦続接続した構成である。高調波反射回路は任意の数のインダクタとキャパシタで構成される。
本発明係る可変リアクタンス回路の原理説明図を図2に示す。可変リアクタンス回路が内部インピーダンスZの高周波電源に接続されている場合を考える。
高周波電源から出力される電圧をVとする。Vは、振幅|V|、周波数f(周期T=1/f)の正弦波とすると、時間をtとしたとき、V=|V|sin(2πft)となる。
本発明係る可変リアクタンス回路の動作波形を図3に示す。図3の(a)はVの波形である。図3の(b)はスイッチの制御電圧VCONの波形である。VCONの周波数は2fであり、電源の周波数fの2倍の周波数でスイッチングを行う。つまり、スイッチング周波数fSWと電源の周波数fとの関係はfSW=2fである。VCONが0のとき(図3の(b)ではT/4≦t≦T/2と3T/4≦t≦Tの区間のとき)、スイッチがオフとなる。VとVCONの波形が図3の(a)と図3の(b)の関係にあるとき、位相差φは0と定義する。図3の(c)は図3の(b)の波形を位相ψだけ進めたVCONの波形である。つまり、図3の(a)と図3の(c)の関係にあるとき、位相差φはφ=ψとなる。
前述した位相差φを0°から360°まで連続的に制御することによって、可変リアクタンス回路のリアクタンス値を連続的に制御できる。
スイッチングを行うため、スイッチにかかる電圧と電流は高調波を含む。高周波電源から出力される電圧の周波数fの信号(以下、基本波ということがある。)の2倍の周波数でスイッチングを行うため、偶数次高調波は発生せず、奇数次高調波のみ発生する。
可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲となるとき、電源側からリアクタンスをみたときの基本波における反射係数Γは、反射係数の大きさ|Γ|が|Γ|=1、反射係数の位相∠Γが0°≦∠Γ≦360°となる。反射係数の大きさ|Γ|が|Γ|<1のとき、|Γ|が小さければ小さいほど損失が大きくなる。
基本波にとって、高調波は損失となる。高調波反射回路は位相差φが0°から360°までの全ての範囲において、スイッチで発生した高調波成分を反射し、スイッチに戻す役割を担う。高調波反射回路により、電源側に出てくる高調波成分はなくなり、理論的には損失のない可変リアクタンス回路が実現できる。
図4は、素子数四つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと並列にコンデンサC1を接続し、その一端にインダクタンスL1を接続し、スイッチと接続していない側のL1の端子とL1を接続していない側のスイッチの端子との間にコンデンサC2を接続し、L1とC2が接続されている端子にインダクタンスL2を接続し、L1とC2が接続されていないL2の端子とL1が接続されていないスイッチの端子を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をCLCLはしご型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、CLCLはしご型高調波反射回路は、L1=5.627μH、L2=34μH、C1=2.251nF、C2=8.5nFとなるように値を設定する。
図5は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=5.627μH、L2=34μH、C1=2.251nF、C2=8.5nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図5のa点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=―89.8°である。φが45°(図5のb点)のとき、|Γ|=0.983、∠Γ=―44.9°である。φが90°(図5のc点)のとき、|Γ|=0.984、∠Γ=―0.1°である。φが135°(図5のd点)のとき、|Γ|=0.983、∠Γ=44.7°である。φが180°(図5のe点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=89.7°である。φが225°(図5のf点)のとき、|Γ|=0.978、∠Γ=134.8°である。φが270°(図5のg点)のとき、|Γ|=0.976、∠Γ=180.0°である。φが315°(図5のh点)のとき、|Γ|=0.977、∠Γ=―134.8°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
任意の正の実数をNとすると、高調波反射回路はインダクタの値をN倍、キャパシタの値を1/N倍としても成り立つ。実施例2として、図6に、実施例1の高調波反射回路のインダクタの値を0.5倍、キャパシタの値を2倍としたときの可変リアクタンス回路を示す。
図7は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=2.8135μH、L2=17μH、C1=4.502nF、C2=17nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図7のa点)のとき、|Γ|=0.967、∠Γ=―90.4°である。φが45°(図7のb点)のとき、|Γ|=0.963、∠Γ=―45.0°である。φが90°(図7のc点)のとき、|Γ|=0.966、∠Γ=―0.3°である。φが135°(図7のd点)のとき、|Γ|=0.971、∠Γ=45.5°である。φが180°(図7のe点)のとき、|Γ|=0.977、∠Γ=90.3°である。φが225°(図7のf点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=135.1°である。φが270°(図7のg点)のとき、|Γ|=0.986、∠Γ=178.3°である。φが315°(図7のh点)のとき、|Γ|=0.973、∠Γ=―135.5°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
任意の正の実数をMとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値を1/M倍、キャパシタの値を1/M倍としても成り立つ。実施例3として、図8に、実施例1の電源の周波数をf=2MHzとしたときの可変リアクタンス回路を示す。
図9は、f=2MHz、fSW=4MHz、L1=5.627μH、L2=34μH、C1=2.251nF、C2=8.5nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図9のa点)のとき、|Γ|=0.981、∠Γ=―89.8°である。φが45°(図9のb点)のとき、|Γ|=0.983、∠Γ=―44.8°である。φが90°(図9のc点)のとき、|Γ|=0.984、∠Γ=―0.0°である。φが135°(図9のd点)のとき、|Γ|=0.983、∠Γ=44.9°である。φが180°(図9のe点)のとき、|Γ|=0.981、∠Γ=89.8°である。φが225°(図9のf点)のとき、|Γ|=0.977、∠Γ=134.8°である。φが270°(図9のg点)のとき、|Γ|=0.975、∠Γ=180.0°である。φが315°(図9のh点)のとき、|Γ|=0.976、∠Γ=―134.9°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例2、実施例3をまとめると、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図10は、素子数四つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと直列にインダクタンスL1を接続し、スイッチが接続していない側のL1の端子とL1を接続していない側のスイッチの端子との間にコンデンサC1を接続し、C1とL1が接続されている端子にインダクタンスL2を接続し、C1とL1を接続していない側のL2の端子とL1を接続していないスイッチの端子との間にコンデンサC2を並列に接続し、C2の両端を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をLCLCはしご型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、LCLCはしご型高調波反射回路は、L1=5.627μH、L2=22μH、C1=2.251nF、C2=7nFとなるように値を設定する。
図11は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=5.627μH、L2=22μH、C1=2.251nF、C2=7nF、内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図11のa点)のとき、|Γ|=0.940、∠Γ=―90.0°である。φが45°(図11のb点)のとき、|Γ|=0.948、∠Γ=―43.8°である。φが90°(図11のc点)のとき、|Γ|=0.969、∠Γ=1.8°である。φが135°(図11のd点)のとき、|Γ|=0.990、∠Γ=46.3°である。φが180°(図11のe点)のとき、|Γ|=0.999、∠Γ=90.0°である。φが225°(図11のf点)のとき、|Γ|=0.991、∠Γ=133.8°である。φが270°(図11のg点)のとき、|Γ|=0.971、∠Γ=178.3°である。φが315°(図11のh点)のとき、|Γ|=0.949、∠Γ=―136.3°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4のように、実施例5の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図12は、素子数四つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと直列にインダクタンスL1を接続し、スイッチを接続していない側のL1の端子とL1を接続していないスイッチの端子との間にコンデンサC1を接続し、C1とL1が接続されている端子に直列にインダクタンスL2が接続され、C1とL1が接続されていない側のL2の端子とL1を接続していないスイッチの端子との間にインダクタL3を並列に接続し、L3の両端を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をLCLLはしご型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、LCLLはしご型高調波反射回路は、L1=7.96μH、L2=9.2μH、L3=0.73μH、C1=3.18nFとなるように値を設定する。
図13は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=7.96μH、L2=9.2μH、L3=0.73μH、C1=3.18nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図13のa点)のとき、|Γ|=0.988、∠Γ=―90.1°である。φが45°(図13のb点)のとき、|Γ|=0.986、∠Γ=―45.2°である。φが90°(図13のc点)のとき、|Γ|=0.984、∠Γ=0.2°である。φが135°(図13のd点)のとき、|Γ|=0.981、∠Γ=44.9°である。φが180°(図13のe点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=90.1°である。φが225°(図13のf点)のとき、|Γ|=0.982、∠Γ=135.2°である。φが270°(図13のg点)のとき、|Γ|=0.985、∠Γ=―179.8°である。φが315°(図13のh点)のとき、|Γ|=0.987、∠Γ=―134.9°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6のように、実施例7の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図14は、素子数四つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートに直列にインダクタンスL1を接続し、スイッチを接続していない側のL1の端子とL1を接続していないスイッチの端子との間にコンデンサC1を接続し、C1とL1が接続されている端子に直列にインダクタンスL2が接続され、C1とL1を接続していない側のL2の端子とL1を接続しているスイッチの端子との間にインダクタL3を接続し、L2とL3を接続した端子と、C1とスイッチが接続した端子を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をLCLLブリッジT型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、LCLLはしご型高調波反射回路は、L1=0.69μH、L2=30μH、L3=30μH、C1=10.2nFとなるように値を設定する。
図15は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=0.69μH、L2=30μH、L3=30μH、C1=10.2nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図15のa点)のとき、|Γ|=0.981、∠Γ=―91.1°である。φが45°(図15のb点)のとき、|Γ|=0.968、∠Γ=―45.9°である。φが90°(図15のc点)のとき、|Γ|=0.961、∠Γ=―0.2°である。φが135°(図15のd点)のとき、|Γ|=0.964、∠Γ=45.6°である。φが180°(図15のe点)のとき、|Γ|=0.975、∠Γ=91.0°である。φが225°(図15のf点)のとき、|Γ|=0.988、∠Γ=135.8°である。φが270°(図15のg点)のとき、|Γ|=0.996、∠Γ=―180.0°である。φが315°(図15のh点)のとき、|Γ|=0.993、∠Γ=―135.6°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6、8のように、実施例9の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図16は、素子数四つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートの一方の端子にインダクタンスL1とコンデンサC1を接続し、スイッチのもう一方の端子にインダクタンスL2とコンデンサC2を接続し、L1とL2のスイッチと接続されていない端子同士が接続され、C1とC2のスイッチと接続されていない端子同士が接続され、L1とL2の接続点およびC1とC2の接続点を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をLCLCブリッジ型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、LCLLはしご型高調波反射回路は、L1=600μH、L2=745μH、C1=0.1nF、C2=11.7pFとなるように値を設定する。
図17は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=600μH、L2=745μH、C1=0.1nF、C2=11.7pF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図17のa点)のとき、|Γ|=0.975、∠Γ=―90.3°である。φが45°(図17のb点)のとき、|Γ|=0.974、∠Γ=―45.1°である。φが90°(図17のc点)のとき、|Γ|=0.974、∠Γ=0.2°である。φが135°(図17のd点)のとき、|Γ|=0.978、∠Γ=45.4°である。φが180°(図17のe点)のとき、|Γ|=0.983、∠Γ=90.3°である。φが225°(図17のf点)のとき、|Γ|=0.985、∠Γ=135.4°である。φが270°(図17のg点)のとき、|Γ|=0.985、∠Γ=179.8°である。φが315°(図17のh点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=―135.4°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6、8、10のように、実施例11の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
実施例1から実施例12までに示した可変リアクタンス回路は素子数を四つに限定した高調波反射回路を用いていたが、素子数を四つに限定しなければ、高調波反射回路になり得る回路は他にも存在する。
図18は、素子数五つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと並列にインダクタンスL1とコンデンサC1を直列接続したものとインダクタンスL2接続し、スイッチの一方の端子にインダクタンスL3を接続し、スイッチと接続していない側のL3の端子とL3と接続していない側のスイッチの端子との間にC2を接続し、C2の2つの接続点を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路を3次短絡フィルター型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、3次短絡フィルター型高調波反射回路は、L1=2.653μH、L2=21.22μH、L3=0.3μH、C1=1.061nF、C2=41nFとなるように値を設定する。
図19は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=2.653μH、L2=21.22μH、L3=0.3μH、C1=1.061nF、C2=41nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図19のa点)のとき、|Γ|=0.975、∠Γ=―89.2°である。φが45°(図19のb点)のとき、|Γ|=0.977、∠Γ=―44.3°である。φが90°(図19のc点)のとき、|Γ|=0.986、∠Γ=0.2°である。φが135°(図19のd点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=44.5°である。φが180°(図19のe点)のとき、|Γ|=0.976、∠Γ=89.5°である。φが225°(図19のf点)のとき、|Γ|=0.969、∠Γ=134.5°である。φが270°(図19のg点)のとき、|Γ|=0.965、∠Γ=180.0°である。φが315°(図19のh点)のとき、|Γ|=0.967、∠Γ=―134.6°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6、8、10、12のように、実施例13の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図20は、素子数五つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと直列にインダクタンスL1とコンデンサC1を並列接続したものを接続し、さらにコンデンサC2を直列に接続し、L1とC1が接続されていない側のC2の端子とL1とC1が接続されていない側のスイッチの端子との間にC3接続され、C2とC3との接続点にL2を接続し、C2とC3が接続されていない側のL2の端子と、L1とC1が接続していない側のスイッチの端子を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路を3次開放フィルター型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、3次短絡フィルター型高調波反射回路は、L1=2.653μH、L2=84μH、C1=1.061nF、C2=8.487nF、C3=0.15nFとなるように値を設定する。
図21は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=2.653μH、L2=84μH、C1=1.061nF、C2=8.487nF、C3=0.15nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図21のa点)のとき、|Γ|=0.974、∠Γ=―91.2°である。φが45°(図21のb点)のとき、|Γ|=0.960、∠Γ=―45.7°である。φが90°(図21のc点)のとき、|Γ|=0.956、∠Γ=0.1°である。φが135°(図21のd点)のとき、|Γ|=0.963、∠Γ=45.9°である。φが180°(図21のe点)のとき、|Γ|=0.976、∠Γ=91.1°である。φが225°(図21のf点)のとき、|Γ|=0.990、∠Γ=135.9°である。φが270°(図21のg点)のとき、|Γ|=0.994、∠Γ=179.9°である。φが315°(図21のh点)のとき、|Γ|=0.987、∠Γ=―135.9°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6、8、10、12、14のように、実施例15の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図22は、素子数三つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと直列にインダクタンスL1を接続し、スイッチが接続していない側のL1の端子とL1を接続していない側のスイッチの端子との間にコンデンサC1を接続し、C1とL1が接続されている端子にインダクタンスL2を接続し、C1とL1を接続していない側のL2の端子と、スイッチとC1が接続されている端子を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をLCL―T型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、LCL―T型高調波反射回路は、L1=10.54μH、L2=74.20μH、C1=894.2pFとなるように値を設定する。
図23は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=10.54μH、L2=74.20μH、C1=894.2pF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図23のa点)のとき、|Γ|=0.985、∠Γ=―90.2°である。φが45°(図23のb点)のとき、|Γ|=0.981、∠Γ=―45.2°である。φが90°(図23のc点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=0.1°である。φが135°(図23のd点)のとき、|Γ|=0.980、∠Γ=45.1°である。φが180°(図23のe点)のとき、|Γ|=0.983、∠Γ=90.2°である。φが225°(図23のf点)のとき、|Γ|=0.986、∠Γ=135.2°である。φが270°(図23のg点)のとき、|Γ|=0.988、∠Γ=―180.0°である。φが315°(図23のh点)のとき、|Γ|=0.987、∠Γ=―135.1°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6、8、10、12、14、16のように、実施例17の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
図24は、素子数三つで構成した高調波反射回路を用いた可変リアクタンス回路の一例である。この可変リアクタンス回路で用いている高調波反射回路は、スイッチ側ポートと並列にコンデンサC1を接続し、その一端にインダクタンスL1を接続し、スイッチと接続していない側のL1の端子とL1を接続していない側のスイッチの端子との間にコンデンサC2を接続し、C2の両端を入力ポートとする回路である。この高調波反射回路をCLC―π型高調波反射回路と呼称する。
電源周波数の周波数fがf=1MHzの信号の場合、CLC―π型高調波反射回路は、L1=12.25μH、C1=601.7pF、C2=12.80nFとなるように値を設定する。
図25は、f=1MHz、fSW=2MHz、L1=12.25μH、C1=601.7pF、C2=12.80nF、電源の内部インピーダンスZ=基準インピーダンス=50Ω、位相差φを0°から360°まで45°刻みで変化させたときの反射係数Γをシミュレーションで求め、スミスチャート上にプロットした図である。
φが0°(図25のa点)のとき、|Γ|=0.967、∠Γ=―89.4°である。φが45°(図25のb点)のとき、|Γ|=0.975、∠Γ=―44.4°である。φが90°(図25のc点)のとき、|Γ|=0.982、∠Γ=0.3°である。φが135°(図25のd点)のとき、|Γ|=0.984、∠Γ=44.8°である。φが180°(図25のe点)のとき、|Γ|=0.978、∠Γ=89.4°である。φが225°(図25のf点)のとき、|Γ|=0.970、∠Γ=134.4°である。φが270°(図25のg点)のとき、|Γ|=0.963、∠Γ=179.7°である。φが315°(図25のh点)のとき、|Γ|=0.961、∠Γ=―134.8°である。
反射係数の大きさはどのφにおいても|Γ|≒1、反射係数の位相は∠Γ≒(φ―90°)となり、可変できるリアクタンス値の範囲が―j∞Ωからj∞Ωまでの全範囲である可変リアクタンス回路であることを示している。
実施例4、6、8、10、12、14、16、18のように、実施例19の回路においても、任意の正の実数をN、Mとすると、電源の周波数をMfとしたとき、スイッチング周波数をfSW=2Mf、高調波反射回路はインダクタの値をN/M倍、キャパシタの値を1/(NM)倍としても成り立つ。
上述の通り、本発明に係る可変リアクタンス回路の基本原理は、電源から入力される信号の周波数(基本波)に対して2倍の周波数でスイッチングを行うというものであるが、FETなどスイッチング素子において前記基本波と同じ周波数(1倍)でスイッチングしてもよい。以下に、実施例を示す。
本実施例にかかる可変リアクタンス回路の基本回路の回路図を図26に示す。スイッチに並列にL1、C1の直列接続されたものが接続され、スイッチと電源の間にC2が直列に接続された構成となっている。
前記基本回路は基本波と同じ周波数でスイッチングを行う。入力信号とスイッチングの位相差を0〜πまで制御することで電源側からみた反射係数の位相を0〜2πまで制御することができる。
前記基本回路のシミュレーションを、ADSを用いて行った。Optimizationで素子値の最適化を行い、Goalは2つ設けた。1つは「反射係数が描く軌跡の円の半径を大きくする」、もう1つは「反射係数が描く軌跡の円の中心がスミスチャートの円の中心にあること」である。前記2つのGoalで最適化を行った結果、L1=3.05μH、C1=2.25nF、C2=7.24μFとなった。
位相差をπ/8刻みで0〜πまで変化させたときの反射係数の軌跡を図27に示す。位相差が0のとき、反射係数の位相がπとなり、反時計周りに円を描いていることがわかる。反射係数の大きさの平均は0.71であり、効率は50%であった。
実施例21に記載の基本回路にCLC―π型の高調波反射回路を付加した構成を図28に示す。
また、CLC―π型の高調波反射回路を付加した実施例21に係る基本回路のシミュレーションを、ADSを用いて行った。Optimizationで素子値の最適化を行い、Goalは「反射係数が描く軌跡の円の半径を大きくする」とした。前記Goalで最適化を行った結果、L1=20.9μH、L2=25.3μH、C1=527pF、C2=15.4μF、C3=44.9pF、C4=4.13nFとなった。
位相差をπ/8刻みで0〜πまで変化させたときの反射係数の軌跡を図29に示す。位相差が0のとき、反射係数の位相がπとなり、反時計周りに円を描いていることがわかる。反射係数の大きさの平均は0.98であり、効率は96%であった。

Claims (12)

  1. 高周波かつ大電力に対して広範にリアクタンス値を制御するための可変リアクタンス回路であって、
    正弦波入力ポートを有する2ポートの高調波反射手段と、該正弦波入力ポートの反対側において該高周波反射手段に2つの端子で接続されるスイッチング手段とを備え、
    前記高周波反射手段は、インダクタとコンデンサとで構成され、
    前記スイッチング手段は、正弦波入力ポートに入力される正弦波入力信号の周波数に対し、整数倍の周波数でスイッチングされるスイッチを備えるものである
    ことを特徴とする可変リアクタンス回路。
  2. 前記スイッチング手段は、前記スイッチの制御信号を出力する制御部を備え、該制御部によって制御された該スイッチの制御信号と前記正弦波入力信号との位相差を可変にすることにより、正弦波の入力側からみたリアクタンス値を変化させるものであることを特徴とする請求項1に記載の可変リアクタンス回路。
  3. 前記スイッチング手段は、スイッチ駆動電源を備え、前記制御部は、前記スイッチ駆動電源の周波数を制御するものであることを特徴とする請求項2に記載の可変リアクタンス回路。
  4. 前記高調波反射手段は、少なくとも1つの第1のコンデンサが、前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に直列に接続されており、少なくとも1つの第1のインダクタと少なくとも1つの第2のコンデンサとで形成される1組のLC配線が、前記第1のコンデンサが接続される配線のうち該コンデンサよりも前記スイッチング手段が配置される側と残りの配線との間に接続されており、
    前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して1倍である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変リアクタンス回路。
  5. 前記高調波反射手段は、さらに、前記第1のコンデンサが接続される配線のうち該コンデンサよりも前記正弦波入力ポートの側において少なくとも1つの第2のインダクタが直接に接続されており、該第2のインダクタの両側と他の配線との間に第3および第4のコンデンサがそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項4に記載の可変リアクタンス回路。
  6. 前記高調波反射手段は、少なくとも1つのインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に接続され、少なくとも1つのコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に接続されており、
    前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変リアクタンス回路。
  7. 前記高調波反射手段は、少なくとも1つのインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に接続され、複数のコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に並列に接続されており、
    前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変リアクタンス回路。
  8. 前記高調波反射手段は、複数のインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に直列に接続され、少なくとも1つのコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に接続されており、
    前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
    いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変リアクタンス回路。
  9. 前記高調波反射手段は、複数のインダクタが前記2ポートに接続される2本の配線のうち任意の1本に直列に接続され、複数のコンデンサが前記2ポートに接続される2本の配線の間に並列に接続されており、
    前記スイッチング手段によるスイッチの周波数は、前記正弦波入力信号の周波数に対して2倍である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の可変リアクタンス回路。
  10. 前記インダクタの一部または全部には、さらにコンデンサが直列または/および並列に接続されていることを特徴とする請求項6ないし9のいずれかに記載の可変リアクタンス回路。
  11. 前記コンデンサの一部または全部には、さらにインダクタが直列に接続されていることを特徴とする請求項6ないし10に記載の可変リアクタンス回路。
  12. 前記スイッチは、第1の端子が、前記インダクタの少なくとも1つに対して直列に接続され、第2の端子が、前記第2の端子との間に前記コンデンサの少なくとも1つが介在するように接続されていることを特徴とする請求項6ないし11に記載の可変リアクタンス回路。

JP2015224085A 2015-11-16 2015-11-16 可変リアクタンス回路 Active JP6661190B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015224085A JP6661190B2 (ja) 2015-11-16 2015-11-16 可変リアクタンス回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015224085A JP6661190B2 (ja) 2015-11-16 2015-11-16 可変リアクタンス回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017092864A true JP2017092864A (ja) 2017-05-25
JP6661190B2 JP6661190B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=58768753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015224085A Active JP6661190B2 (ja) 2015-11-16 2015-11-16 可変リアクタンス回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6661190B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018506200A (ja) * 2014-12-19 2018-03-01 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 位相スイッチト素子を使用したチューニング可能整合ネットワーク

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000031073A (ja) * 1998-02-26 2000-01-28 Canon Inc プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2010177525A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置
JP2014187678A (ja) * 2013-02-20 2014-10-02 Daihen Corp 可変リアクタンス素子、その可変リアクタンス素子を用いたインピーダンス整合装置及びそのインピーダンス整合装置を内蔵した高周波電源
WO2014174785A1 (ja) * 2013-04-22 2014-10-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線電力伝送装置
WO2016100841A1 (en) * 2014-12-19 2016-06-23 Massachusetts Institute Of Technology Tunable matching network with phase-switched elements

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000031073A (ja) * 1998-02-26 2000-01-28 Canon Inc プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2010177525A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Hitachi High-Technologies Corp プラズマ処理装置
JP2014187678A (ja) * 2013-02-20 2014-10-02 Daihen Corp 可変リアクタンス素子、その可変リアクタンス素子を用いたインピーダンス整合装置及びそのインピーダンス整合装置を内蔵した高周波電源
WO2014174785A1 (ja) * 2013-04-22 2014-10-30 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線電力伝送装置
WO2016100841A1 (en) * 2014-12-19 2016-06-23 Massachusetts Institute Of Technology Tunable matching network with phase-switched elements

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018506200A (ja) * 2014-12-19 2018-03-01 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 位相スイッチト素子を使用したチューニング可能整合ネットワーク

Also Published As

Publication number Publication date
JP6661190B2 (ja) 2020-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4998550B2 (ja) 周波数可変帯域除去フィルタ
JP6401301B2 (ja) 並列共振器を有するチューナブルな高周波フィルタ
JP5711354B2 (ja) クラス特性可変増幅器
US9608445B2 (en) Filter for switched mode power supply
JP5767281B2 (ja) 周波数に基づいた出力変圧器インピーダンスバランシングを有する広帯域aft電力増幅器システム
US20080007369A1 (en) Bulk acoustic wave filter with reduced nonlinear signal distortion
JP2017526205A (ja) Hfフィルタ
US8744378B2 (en) LINC transmitter with improved efficiency
JP2011101408A5 (ja)
US10263537B2 (en) DC/AC power conversion apparatus having switchable current paths
JP2017528013A (ja) 直列共振器を有するチューナブルhfフィルタ
CN105391417A (zh) 梯型滤波器以及双工器
WO2017216839A1 (ja) 高周波整流器
JP2010114718A (ja) 移相器
US8536930B2 (en) Switching circuit
CN105144577A (zh) D类放大器
Maheshkumar et al. The new topology in flying capacitor multilevel inverter
JP6661190B2 (ja) 可変リアクタンス回路
JP2019009645A (ja) Fet駆動回路
JP2013055405A (ja) F級増幅回路及びこれを用いた送信装置
JP2017526201A (ja) デュプレクサ
JP5885149B2 (ja) 高周波整流回路
CN111740630B (zh) 一种高压大功率变换器模块及其控制方法
US6573797B2 (en) High-frequency power amplifier
JP2001069766A (ja) ハーフブリッジインバータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6661190

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250