JP2017092629A - デジタル情報伝送システムおよびデジタル情報伝送方法 - Google Patents

デジタル情報伝送システムおよびデジタル情報伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】送受信機間で通信伝送路を介してデジタル情報をデジタル変調して伝送するシステムで、周期性電磁妨害波の影響を極力回避し、スループットをより向上させること。【解決手段】通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを、その妨害波が存在するときの複数の伝送方式毎のスループット情報と関連付けて予めデータベース化して記憶しておくメモリ15と、通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを抽出する妨害波パラメータ抽出部13Aと、抽出した妨害波パラメータに基づいてメモリ15を参照し、最大のスループットが得られる伝送方式を判定する伝送方式判定部13Bとを備える。【選択図】図5

Description

本発明は、電気信号によってデジタル情報を伝送するデジタル情報伝送システムおよびデジタル情報伝送方法に関する。
金属線を通信伝送路として使用するADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などのデジタル情報の伝送システムでは、当該システム以外の媒体が発する電磁波、すなわち他の通信や放送に使用される電磁波や、周囲の電気・電子機器が発する電磁波などが通信伝送路上に結合し、伝導性の電磁妨害波として、通信伝送路で伝達される電気信号に影響を与える(電磁妨害する)ことにより、伝送情報の過誤、欠落などの通信品質の劣化を生じさせる場合がある。これを回避するため、一般的なデジタル情報伝送システムは、伝送する情報に生じる誤りを訂正できる誤り検出訂正機能を備えている。
図15は、例として、誤り検出訂正機能を備えた従来のADSLにおけるデジタル情報の伝送処理の流れを示す図である。
サーバなどからの情報送信装置から送信されるデジタル情報は、ADSL送信機10において、CRC(Cyclic Redundancy Code)符号化10a、リード・ソロモン(Reed−Solomon Code :RS)符号化10b、スクランブル処理10c、トレリス符号化10d、QAM10e1とIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)10e2を含むDMT(Discrete Multi−Tone)10e、CP(Cyclic Prefix)追加処理10fが順次行なわれた後、AFE(Analog Front End)処理10gによってアナログ信号に変換され、電話回線に電気信号として出力される。
一方、ADSL受信機20では、電話回線から伝送された電気信号からAFE処理20aによってデジタル信号に変換され、TEQ(Time domain EQualizer:時間軸波形等価)20b、CP削除、FFT20d、FEQ(Frequency domain EQualizer:周波数軸波形等価)20e、QAMの復調過程20f、ビタビ復号20g、デスクランブル処理20h、RS復号20i、CRC検査20jが順次行なわれ、PC(パーソナルコンピュータ)などの受信端末に送信される。
上記ADSL送信機10において、AFE処理10g以外の処理、すなわちCRC符号化10a、リード・ソロモン符号化10b、スクランブル処理10c、トレリス符号化10d、DMT10e、およびCP追加処理10fは、実際にはADSL送信機10に備えられるDSP(Digital Signal Processor)によるソフトウェア上の処理により実行される。
同様に、上記ADSL受信機20において、AFE処理20a以外の処理、すなわちTEQ20b、CP削除20c、FFT20d、FEQ20e、QAM復調過程20f、ビタビ復号20g、デスクランブル処理20h、RS復号20i、およびCRC検査20jは、実際にはADSL受信機20に備えられるDSPによるソフトウェア上の処理により実行される。
ADSLにおける情報の送受信過程では、上記したようにCRC符号化/検査、RS符号化/復号、スクランブル/デスクランブル、トレリス符号化/ビタビ復号の4種類の誤り検出訂正機能が含まれている。
それぞれの誤り検出訂正機能には得手不得手があり、それぞれの特長を組み合わせることで、電磁妨害波の耐性が高い、つまり誤りにくい通信を成立させている。さらにDMTを用いたマルチキャリア伝送方式であるADSLでは、ADSLモデムとDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)間でDMT方式における複数のキャリア信号(ビン)に対して、妨害波の影響が大きいビンには相対的に少ない情報を割り当て、妨害波の影響が少ないビンには相対的に多くの情報を割り当てるように制御することが開示されている。(例えば非特許文献1,2)
久保田 周治、誤り訂正技術の応用、電子情報通信学会「知識ベース」、4群−1編−5章、Ver.1、pp.1−9、2010.11.9. 川村 啓史、20メガ超ADSLの実現技術、日経コミュニケーションズ、pp.128−135、2003.9.8.
しかしながら、ADSLのような従来のデジタル情報伝送システムでは、通信伝送路上で妨害を受けたデジタル情報を誤り検出訂正機能により訂正しようとするため、この処理に伴って情報伝送のスループットが低下するという課題がある。特に、上記のADSLにおけるトレリス符号化処理では、拘束長と呼ばれるビタビ復号に用いるデータ長が長いほど、誤り訂正の精度が向上する一方で、トレードオフとしてデータの処理時間が長くなる。
このように、デジタル情報伝送時の情報伝送品質を向上させるための誤り訂正能力の向上は、その処理に要する時間が長くなることでスループットの低下をもたらすという課題がある。特に、誤り率が高くなると誤り訂正の復号効率はその分だけ低下する。
また、ADSLは送信機と受信機との間でリンクを確立する際に、デジタル情報が電磁環境から受ける影響を考慮するために通信伝送路をモニタリングするトレーニング機能によって、各ビンへの割り当て可能な情報量を決定し、最大限のスループットを確保できるようにする。各ビンへ割り当てる情報量を決定するのは、リンク確立時のみであり、時々刻々と変化する妨害波に対して、必ずしも最適化された状態で通信しているとは限らない。
つまり、トレーニング実施後に発生した電磁妨害波によるスループットの低下は補償できない。換言すれば、リンク確立後に新たに伝送路に妨害波が混入すると、受信機で復調するときにシンボルエラーが発生し易くなり、結果的にスループット低下あるいは通信断を引き起こす。
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、周期性の電磁妨害波の影響を極力回避し、デジタル情報の伝送を行なう電磁環境下でのスループットをより向上させることが可能なデジタル情報伝送システムおよびデジタル情報伝送方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、送信機と受信機の間で通信伝送路を介してデジタル情報をデジタル変調して伝送するデジタル情報伝送システムであって、上記通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを、その妨害波が存在するときの複数の伝送方式ごとのスループット情報と関連付けて予めデータベース化して記憶しておく記憶手段と、上記通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを抽出する抽出手段と、上記抽出手段で抽出した妨害波パラメータに基づいて上記記憶手段での記憶内容を参照し、最大のスループットが得られる伝送方式を選択する選択手段とを備えるようにしたものである。
本発明によれば、周期性の電磁妨害波の影響を極力回避し、デジタル情報の伝送を行なう電磁環境下でのスループットをより向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係るADSLフレームの変調間隔と妨害波の印加タイミングとを示す第1のタイムチャート。 同実施形態に係るADSLフレームの変調間隔と妨害波の印加タイミングとを示す第2のタイムチャート。 同実施形態に係る妨害波の印加条件とスループットの関係の実験結果例を示す図。 同実施形態に係る妨害波の継続時間および発生周期とFFTスペクトルの関係を示す図。 本発明の第1以下の実施形態に係る主として送信機のハードウェア構成例を示すブロック図。 同実施形態に係る図5のDSP内で実行する、デジタル情報の伝送処理の機能構成を示すブロック図。 同実施形態に係る第1の妨害波パラメータ抽出部で行なう処理内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る妨害波信号の時系列データの強度レベルのイメージを示す図。 同実施形態に係る第2の妨害波パラメータ抽出部で行なう処理内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る伝送方式判定部による伝送方式選択時の判定処理を行なう機能ブロック図。 同実施形態に係る伝送方式判定部で行なう処理内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る新伝送方式1での詳細な処理内容を示すサブルーチンのフローチャート。 同実施形態に係る新伝送方式2での詳細な処理内容を示すサブルーチンのフローチャート 。 同実施形態に係る妨害波パラメータ抽出時の統計処理の例を示す図。 ADSLにおけるデジタル情報の伝送処理の流れを示す図。
以下に、本願に係るデジタル情報伝送システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明するが、まずは本発明の契機として発明者らが実施した実験とそこから得られた知見について説明する。なお、この実施形態により本願に係るデジタル情報伝送システムが限定されるものではない。
[実施形態に関わる実験結果]
一般に、バースト性妨害波は、周波数帯域にある程度の幅を持ち、時間軸上で見たとき、その継続時間にも幅があり、発生タイミングもばらつくが、発明者らは、バースト性妨害波の強度が時間的に周期性を持つ場合に着目した。
すなわち、バースト性妨害波の継続時間とその発生周期のスループットとの関係性を明らかにするため、バースト性妨害波を模擬したCW(Continuous Wave)のパルス変調波を、デューティ比が一定(0.125)となる条件下で継続時間と繰り返し周期を変化させて、ADSL下り信号に印加する実験を行なった。印加するCWのパルス変調波の中心周波数は、1173[kHz]とした。
実験におけるADSLフレームの変調間隔と妨害波印加タイミングのタイムチャートを図1と図2に示す。図1(A)及び図2(A)に示すADSLの変調間隔250[μ秒]に対して、図1(B)に示す条件Aでは妨害波の継続時間2.5[μ秒]で繰り返し周期20[μ秒]、図1(C)に示す条件Bでは継続時間25[μ秒]で繰り返し周期が200[μ秒]、図1(D)に示す条件Cでは継続時間31.25[μ秒]で繰り返し周期250[μ秒]、図2(B)に示す条件Dでは継続時間37.5[μ秒]で繰り返し周期300[μ秒]、図2(C)に示す条件Eでは継続時間50[μ秒]で繰り返し周期400[μ秒]、図2(D)に示す条件Fでは継続時間62.5[μ秒]で繰り返し周期が500[μ秒]、図2(E)に示す条件Gでは継続時間125[μ秒]で繰り返し周期1[m秒]とした。
ADSLフレームの変調間隔で区切られる時間をタイムスロットとし、タイムスロット内に妨害波が印加される確率を。n(妨害されるタイムスロット)/N(全タイムスロット)で表す。図1に示す条件A,B,Cでは全てn/N=1なので、図1中での表示は割愛している。
図2を参照すると、n/Nについて、条件D:5/6、条件E:5/8、条件F:1/2、条件G:1/4となり、バースト性妨害波(CWのパルス変調波、デューティ比0.125)の繰り返し周期がADSLのタイムスロット(250[μ秒])よりも長い領域においては、継続時間(繰り返し周期でも同義)が長くなる程、タイムスロットの妨害確率は低下する。
次に、図3に各妨害波印加条件とスループットの関係を示す実験結果を示す。図3の縦軸は、CWのパルス変調波を印加しない場合のスループットを「1」として正規化したスループットである。横軸は妨害波の継続時間を示しており、上記図1と図2に示した条件A〜条件Gと図3のプロットに記した条件(A)−(G)がそれぞれ対応している。
図3の(A)−(D)が包含される領域での実験結果、すなわち継続時間が長くなる程にスループットが低下する実験結果は、妨害波の周波数スペクトルと相関性があると考えられる。この理由を以下で説明する。
図4は、上記条件(A)−(D)の妨害波印加条件に対応する各妨害波のFFTスペクトルを、中心周波数で正規化したパワースペクトル図である。実際の妨害波スペクトル「(A)−(D)」では、妨害波の継続時間が長くなる程、中心周波数の妨害波強度が高くなる。図4から、妨害波の継続時間が長くなる程、妨害波強度が高くなっている周波数が妨害波の中心周波数(本実験では1173[kHz])近傍に多数出現することがわかる。
継続時間が短かい妨害波では、その強度が周波数領域の広範囲に分散するため、ADSLのビンを妨害するのに十分な強さを持つ周波数が少なくなる。このことから、妨害波の継続時間が長くなる程、妨害されるADSLのビンの数が増加するため、スループットがより大きく低下すると考えられる。
上記図3の条件(D)−(G)が包含される領域での実験結果、すなわち継続時間が長くなる程スループットが低下しなくなる実験結果は、先述したタイムスロットの妨害確率の低下に従って、ADSL下り通信のスループットが低下しにくくなることに対応している。この実験結果は、ADSLの誤り検出訂正機能として採用されているトレリス符号化/ビタビ復号処理における処理負荷量、処理時間と相関性があると考えられる。この理由を以下で説明する。
ビタビ復号では、隣接フレームの誤り訂正用符号を参考にして誤り訂正を行なう。そのため、隣接フレームが妨害されていない場合では、そこに積載される正確な誤り訂正用符号を基に誤り訂正を行なうことができる。本実験では、妨害波が存在しないQAMタイムスロットが計測時間全体にわたって間欠的に存在するため、シンボルエラーが発生するQAMタイムスロットにおいては、ビタビ復号処理のために発生する遅延は小さいと考えられる。
一方、誤り訂正しきれずに誤りが残ってしまうフレームに関しては、受信側が送信側に再送の命令を通知し、その後に再送が行なわれる。誤りを含まないフレーム数の減少により、ビタビ復号による誤り訂正が完全には行なわれない場合、再送しなければならないフレーム数が増加することになるので、再送処理のために発生する遅延が大きくなると考えられる。
その結果、計測されるスループットは計測時間(1回/秒)に渡っての平均値であるため、シンボルエラーが発生するQAMタイムスロットの復号および再送処理にかかる遅延が全体のスループットに与える影響は、上記図2に示した計測時間内の全タイムスロット数に対する妨害波が存在するタイムスロット数に比例することとなる。
そこで本発明では、デジタル情報伝送に先立ち、送信装置と受信装置を結ぶ通信伝送路上に存在するバースト性妨害波に関して、妨害波の周波数成分情報と妨害波の周期性を特徴付ける妨害波の継続時間情報とその発生周期情報を抽出し、妨害波パラメータとしてデジタル情報伝送システムが参照するデータベースに予め記憶させておく。
さらに抽出した妨害波パラメータと、その妨害波存在下においてデジタル情報伝送システムに搭載される各伝送方式を採用した際のスループットをあらかじめ関連付けておき、データベースとして保有させておく。これらデータベースの内容に基づき、情報伝送を行なう際の通信伝送路の状態に応じて、最大のスループットを確保できる伝送方式を選択し、情報伝送することを特徴とする。
以下、図5乃至図14を用いて、本発明の具体的に実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図5は、本発明の第1以下の実施形態に共通する、主として送信機10のハードウェア構成例を示す図である。受信機20側も送信機10と同様のハードウェア構成を有する。図6は、図5のDSP13内で実行する、デジタル情報の伝送処理の機能構成を示すブロック図である。
基本的には送受信機10,20間でデジタル情報を双方向に伝送するものであり、ここでは送受信機10,20がデジタル情報の送信の役割を果たすときを送信機10と呼び、送受信機10,20がデジタル情報の受信の役割を果たすときを受信機20と呼ぶものとする。
まずは、通常のデジタル情報伝送における処理を説明する。図5において、通信伝送路が入出力インタフェイス(I/O−IF)16と接続される。
この入出力インタフェイス16が、受信機20の場合では通信伝送路からの信号を受けてAFE(Analog Front End)10gへ転送し、送信機10の場合はAFE10gからの信号を通信伝送路に送出する。
受信機20の場合、AFE10gでは、A/Dコンバータでアナログ信号をデジタル信号に変換してDSP13へ送出する。これを受けたDSP13は、マルチキャリア通信方式の場合はFFT処理を実行し、サブキャリア毎に復調してベースバンド信号に復元し、CPU12に転送する。
一方で送信機10の場合、DSP13はCPU12からのベースバンド信号をデジタル変調し、サブキャリア毎にデータを割り当ててAFE10gに転送する。AFE10gはDSP13からのデジタル信号をD/Aコンバータによって伝送路へ送出するためのアナログ信号へ変換して上記入出力インタフェイス16へ送出する。
DSP13は、図示するように妨害波パラメータ抽出部13Aと伝送方式判定部13Bとを有する。
CPU12は、送受信機10,20に接続されるPCやサーバなどの電子機器とLANインタフェイス(LAN−IF)11を介して通信するために必要な処理を、メモリ14に記憶されたプログラムに基づいたソフトウェア処理により実行する。ここではマルチキャリア伝送の通信方式を例に採って説明するが、本発明はマルチキャリア通信に限定されるものではない。
本実施形態の1つ目の特徴として、通信伝送路に混入する妨害波の周波数成分、継続時間、発生周期を計測するが、これを上記図5におけるDSP13でハードウェア的に処理するか、もしくはCPU12でソフトウェア的に処理することによって実現する。
2つの送受信機10,20の各入出力インタフェイス16が有線または無線接続されると、その区間が通信伝送路となる。送受信機10,20間で通信していない状態において、送受信機10,20で受信される信号は、すなわち電磁妨害波である。そのため、まず通信伝送路に混入する妨害波の特性を把握するための方法例として、以下で2種類の具体的な方法を説明する。
第1の方法として、図5に示すDSP13内の妨害波パラメータ抽出部13Aにおいて、送受信機間で通信していない状態の信号、すなわち妨害波信号を抽出する方法を示す。
図6は、本発明におけるデジタル情報の伝送処理を行なう主としてスループット制御部31の機能ブロック図であり、以下に第1の妨害波パラメータ抽出部13A1で行なう処理を説明する。またその処理内容を示すフローチャートを図7に示す。
この第1の妨害波パラメータ抽出部13A1による処理は、ADSLの処理におけるFFTを介して通信の有無に拘わらず通信伝送路の状況を随時把握することができる。
非通信時に通信伝送路から入出力インタフェイス16への電気信号を入力し(ステップS111)、FFT32にて処理する(ステップS12)。このFFT32で処理した信号がすなわち妨害波信号であり、第1の妨害波パラメータ抽出部13A1に渡されて、サブキャリア毎に時系列データが蓄積されることになる。図8に妨害波信号の時系列データの強度レベルのイメージを示す。
第1の妨害波パラメータ抽出部13A1では、あるサブキャリアにおいて、エッジトリガ部34で、妨害波信号の強度レベルが閾値を超えたとき、および同閾値を下回るときを抽出する(ステップS13)。
図6に示す計測部35で、閾値を超えたときから閾値を下回るまでの時間を妨害波の継続時間として計測する(ステップS14)。続く統計処理部36で、継続時間のヒストグラムを作ることで、ヒストグラムの極大値となる継続時間を、今後も伝送路に混入する妨害波の継続時間として算出する(ステップS15)。
また計測部35は、妨害波信号の強度レベルが閾値を超えたときから、一度閾値を下回り、再び閾値を超えるときまでの時間を妨害波の発生周期として計測する。この継続時間に対する処理と同様に、統計処理部36で妨害波の発生周期のヒストグラムを作ることで、ヒストグラムの極大値となる発生周期を、今後も伝送路に混入する妨害波の発生周期として算出することができる(ステップS16)。
これらの妨害波の継続時間および発生周期に関する処理をFFT32での処理後の各サブキャリアで行なう。各サブキャリアに対して算出された妨害波パラメータ(継続時間、発生周期)の値をDSP13に付設されたメモリ15で構成する記憶部に保持、更新する(ステップS17)。
サブキャリア毎に上記第1の妨害波パラメータ抽出部13A1による処理を行なうことで、妨害波が存在しない周波数成分のサブキャリアでは、妨害波信号の強度レベルが小さく、閾値を超えるときがないため、妨害波の継続時間と発生周期は、0秒として算出することができ、そのサブキャリアに多くのデジタル情報を割り当てることができる。
第2の方法として、図6に示す第2の妨害波パラメータ抽出部13A2のブロックにおいて、送受信機10,20間で送受信テストフレーム照合部39が所定のテストフレームを送受信することで、妨害波信号を抽出する方法を示す。以下ではスループット制御部31内の第2の妨害波パラメータ抽出部13A2で行なう処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
この第2の妨害波パラメータ抽出部13A2による処理は、実際にデータの送受を行なう直前の、テストフレームの送受により通信伝送路の妨害波の状況を把握する。
PCやサーバなどの情報送信装置からLANインタフェイス11を介して送信機10に通信要求が入力されると、送信機10のテストフレーム送受信処理部33が、受信機20側の同テストフレーム送受信処理部33に対して、所定の同一フレーム構造を持ったn個のテストフレームを、所定の送信タイミングで連続して送信機10へ送信するように要求する(ステップS21)。
この送信要求に応答して、受信機20側のテストフレーム送受信処理部33から送信機10側のテストフレーム送受信処理部33に対してn個のテストフレームが所定の送信タイミングで連続して送信される(ステップS22)。
ADSLの場合は、上記図2、図3で示したADSLフレームの変調間隔に則ってテストフレームが送られる。したがって、送信機10が受信機20側から受信するn個のテストフレームは、フレーム変調間隔で一区切りとしたデータフレームとして連続で受信される。
この受信機10から送信機20へテストフレームが伝送される間、通信伝送路を伝搬中に妨害波による信号劣化を受けるものとする。
受信機20から送信機10へ送られたn個のテストフレームは、送信機20のテストフレーム送受信処理部33に直接送られるが、これを受けたテストフレーム送受信処理部33では、受信機20でテストフレームを生成する際に行なった誤り訂正のための符号化に対応する復号処理を意図的に行なわず、受信したテストフレームの情報を記憶部15に収納する(ステップS23)。この記憶部15には、テストフレームの所定のフレーム構造のデータを参照データとして予め収納してあるものとする。
次に、第2の妨害波パラメータ抽出部13A2の送受信テストフレーム照合部39が、記憶部15に収納されたテストフレームの参照データと受信機20から送られてきたn個のテストフレームとを読み出し(ステップS24)、参照データとn個の時系列テストフレームとを照合して、通信伝送路上に存在する妨害波の周波数分布、継続時間情報と発生周期情報を抽出する(ステップS25)。
具体的には、所定の等時間間隔で変調されたn個のテストフレームについて、ビット誤りが生じているテストフレーム内のビット位置と、同じビット誤りが何番目のテストフレームから何番目までのテストフレームまで生じているかを検出することで、周期性妨害波の発生周期を抽出し、同じビット誤りが何個のテストフレームに連続して生じているかを検出することで、妨害波の継続時間を抽出する。
こうして得られた周期性妨害波の継続時間情報、発生周期情報を、記憶部15に収納する(ステップS26)。ここで、隣り合うテストフレーム間でガードインターバル時間を設定する場合には、周期性妨害波の継続時間および発生周期情報にガードインターバル時間を加味して抽出する。
記憶部15には上記のような方法で抽出された妨害波パラメータの他に、デジタル情報の伝送システムに搭載される各伝送方式を採用した際のスループットをデータベース化しておく。つまり妨害波パラメータと、その妨害波存在下においてデジタル情報の伝送システムに搭載される各伝送方式を採用した際のスループットをあらかじめ関連付けておき、データベースとして保有させておく。
本実施形態の2つ目の特徴として、上記第2の妨害波パラメータ抽出部13A2と併設した伝送方式判定部13Bにより、通信伝送路に混入する妨害波の周波数成分、継続時間、発生周期といった妨害波パラメータと、その妨害波存在下における各伝送方式採用時のスループットを参照し、情報伝送を行なう際の通信伝送路の状態で最大のスループットを確保できる伝送方式を選択できる。
図10は、この伝送方式判定部13Bによる伝送方式選択時の判定処理を行なう機能ブロック図である。同図において、伝送方式判定部13Bは記憶部15のデータベースを参照し、伝送方式選択部41において、採用する伝送方式を選択する。ここではデジタル情報伝送システムに搭載される伝送方式の例として、3つの伝送方式を示している。
1つ目の伝送方式としては、通常のADSLにおける伝送方式である。本伝送方式が全伝送方式の中でスループットを最大化できる伝送方式である場合に、伝送方式選択部41により本伝送方式が実施される。
2つ目の伝送方式としては、通常のADSL伝送方式で行われる誤り訂正を行なわず、ADSLにおいて250[μ秒]ごとに変調して送出される送信フレームを、あるフレームのみ連続伝送する方式である。
図10の同一フレーム再送回数判定部42は、記憶部15に格納された妨害波パラメータから、一連の送信フレームの中で妨害されるフレーム位置を計算し、同一フレームの連続送信、すなわち再送を行わなければならない変調フレームおよびその変調タイミングと連続送信、すなわち再送回数を算出する。
たとえば、ADSLの場合、図1に示したように250[μ秒]間隔で情報信号をデジタル変調して送出しているので、あるフレーム内に妨害波が存在する場合には、そのフレームを再送、つまり連続して送信する。
それぞれの再送回数におけるスループットは記憶部15にデータベース化されており、スループットを最大化できる再送回数にて、本伝送方式が全伝送方式の中でスループットを最大化できる伝送方式である場合に、伝送方式選択部41により本伝送方式が実施される。
3つ目の伝送方式としては、通常のADSL伝送方式で行なわれる誤り訂正と、フレームの再送を組み合わせる方式である。ADSLで採用されているビタビ復号は、隣接フレームを参照した誤り訂正であるため、同一フレームが連続すると双方を参照して復号処理が可能となる。したがって再送回数は妨害波パラメータに依存するものの、度重なる連続送信を行なわずともよく、フレームの妨害されていない部分を参照して復号処理を行なうことで、処理負担量の軽減、すなわち復号処理にかかる時間を短縮できる。
再送回数と誤り訂正の組み合わせをどのように行なうか、すなわち誤り訂正処理方法とその際のスループットについては記憶部15にデータベース化されており、スループットを最大化できる誤り訂正処理方法が誤り訂正処理方法判定部43によって判定され、これが全伝送方式の中でスループットを最大化できる伝送方式である場合に、伝送方式選択部41により本伝送方式が実施されるものとする。
なお上記図2で説明した妨害波の特徴から、条件Gのように妨害波が印加される確率n/Nが小さい場合は同一フレームの再送のみを行なう新伝送方式1を選択し、条件Dのように妨害波が印加される確率n/Nが大きい場合は同一フレームの再送と誤り訂正を併用する新伝送方式2を選択するというように、伝送方式選択部41は妨害波が印加される確率n/Nを考慮した選択処理を行なうことが望ましい。
図11は、以上の図10の機能を組み込んだ、伝送方式判定部13Bが実行する処理内容のフローチャートである。
送信機10上部の情報送信装置からLANインタフェイス11を介して送信機10に通信要求が入力されると、送信機10側の伝送方式判定部13Bが、記憶部15に収納されている妨害波パラメータおよび当該妨害波存在下での各伝送方式採用時のスループットを参照し、最適な伝送方式を判定する(ステップS31)。
ここで選択された伝送方式に則って、送信機10側のフレーム伝送処理部37が、伝送方式情報を付加したデータフレームを受信機20へ送信する(ステップS32)。
これを受ける受信機20側の伝送方式判定部13Bでは、送信されてきたフレームの伝送方式を判定し、伝送方式ごとに送受信フレーム格納部38に受信フレームを格納する(ステップS33)。受信機20側のフレーム伝送処理部37が、送受信フレーム格納部38から送信フレームの情報を読み出し、入出力インタフェイス16を介して各伝送処理へ譲渡する(ステップS34)。
通常の伝送方式での処理(ステップS35)に関しては、上記図15に示したADSLにおけるデジタル情報の伝送処理フローに則った処理であるため、ここではその説明を割愛し、以下では新伝送方式1(ステップS36)と新伝送方式2(ステップ37)での処理内容のフローチャートを図12と図13に示す。
図12は、上記ステップS36でDSP13が実行する、新伝送方式1での詳細な処理内容を示すサブルーチンのフローチャートである。
その処理当初に送信機10側の同一フレーム再送回数判定部42が、記憶部15のデータベースを参照し、スループットが最も高くなるように再送回数を決定する(ステップS41)。全伝送方式の中で、本方式がスループットを最大化できると判定された場合、送信機10側の伝送方式選択部41が新伝送方式1を選択する(ステップS42)。
送信機10側の伝送方式判定部13Bが、送信機10側のフレーム伝送処理部37へ伝送方法を通達し、受信機20に対してフレームが送信される(ステップS43)。
これを受けた受信機20側の伝送方式判定部13Bが伝送方式を判定し、新伝送方式1に対応する送受信フレーム格納部38に受信フレームを格納する(ステップS44)。受信機20側のフレーム伝送処理部37が、新伝送方式1に対応する送受信フレーム格納部38から送信フレームの情報を読み出し、新伝送方式1での伝送情報として入出力インタフェイス16を介し、通常の復調処理へ譲渡する(ステップS45)。
受信機20側でQAM復調過程20fまでの復調処理を通常過程に則って行なった後に、受信機20側での復号過程、すなわちビタビ復号20g以下、デスクランブル処理20h、RS復号20i、およびCRC検査20jにおいて、新伝送方式1での伝送情報だと判別された場合、誤り訂正処理を行なわずに次のステップへ伝送情報を譲渡する(ステップS46)。最後に受信機20下部の情報受信装置に受信データが送出され(ステップS47)、以上でデジタル情報の伝送が完了する。
図13は、上記ステップS37でDSP13が実行する、新伝送方式2での詳細な処理内容を示すサブルーチンのフローチャートである。
その処理当初に送信機10側の誤り訂正処理方法判定部43が、記憶部15のデータベースを参照し、スループットが最も高くなるように同一フレーム再送回数および誤り訂正方法を決定する(ステップS51)。
全伝送方式の中で、本方式がスループットを最大化できると判定された場合、送信機10側の伝送方式選択部41が新伝送方式2を選択する(ステップS52)。
送信機10側の伝送方式判定部13Bが、送信機10側のフレーム伝送処理部37へ伝送方法を通達して、受信機20に対してフレームが送信される(ステップS53)。
これを受けた受信機20側の伝送方式判定部13Bが伝送方式を判定し、新伝送方式2に対応する送受信フレーム格納部38に受信フレームを格納する(ステップS54)。
受信機20側のフレーム伝送処理部37が、新伝送方式2に対応する送受信フレーム格納部38から送信フレームの情報を読み出し、新伝送方式2での伝送情報として入出力インタフェイス16を介し、通常の復調処理へ譲渡する(ステップS55)。
受信機側でQAM復調過程20fまでの復調処理を通常過程に則って行なった後に、受信機20側での復号過程、すなわちビタビ復号20g、デスクランブル処理20h、受信機20に、およびCRC検査20jにおいて、新伝送方式2での伝送情報だと判別された場合、誤り訂正処理を行なわずに次のステップへ伝送情報を譲渡する(ステップS56)。最後に受信機20下部の情報受信装置に受信データが送出され(ステップS57)、以上でデジタル情報の伝送が完了する。
上記実施形態に示す一連の処理により、妨害波の周期性成分による情報の劣化を極力回避することで、妨害波の存在下におけるスループットを最大化することができる。なお、本技術により同一フレームを連続して送信させる場合、伝送時間内でのスループットは妨害波がない場合よりも低下するが、送受信フレーム格納部38から読み出される情報は原理的に妨害波による劣化を受けていないか、または復号処理や再送処理にかかる時間が最小化されている。そのため、送受信フレーム格納部38からの読み出し速度は相対的に向上し、結果として送信機10に接続された送信側の情報端末から受信機20に接続された受信側の情報端末までの全体的な情報伝送のスループットを向上させることができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態における第1の妨害波パラメータ抽出部13A1の処理においては、妨害波の発生周期と継続時間のヒストグラムを作成し、極大値をパラメータとして抽出するため、妨害波が周期性を有している場合には、極大値が一つであり容易にパラメータの値が決定している。
一方、妨害波の周期性がある幅を持って変動し、あるいは異なる複数の周期の妨害波が混在しているような場合には、妨害波のパラメータを抽出する処理において、ヒストグラムを作成しても極大値が一つではない可能性が高い。そのような場合を本発明の第2の実施形態として説明する。
上記図6に示した第1の妨害波パラメータ抽出部13A1の統計処理部36において、妨害波の発生周期と継続時間のヒストグラムを作成する。
図14は、統計処理部36が作成するヒストグラムの例を示す。図14(A−1)は妨害波の発生周期のヒストグラム、図14(A−2)は同ヒストグラムから包絡線を抽出して得た発生周期の頻度特性、図14(B−1)は妨害波の継続時間のヒストグラム、図14(B−2)は同ヒストグラムから包絡線を抽出して得た継続時間の頻度特性である。
図14(A−2)に示す発生周期の頻度特性において極大値がn個あった場合、それぞれの極大値を形成する発生周期をT1,T2,…,Tnとする。
同様に、図14(B−2)に示す継続時間の頻度特性において極大値がm個あった場合、それぞれの極大値を形成する継続時間をτ1,τ2,…,τmとする。
発生周期と継続時間とが複数算出されると、それぞれの発生周期に対して、それぞれの継続時間が発生する可能性があるため、発生周期と継続時間の組み合わせはn×m通り存在する。それぞれの組み合わせを妨害波のパラメータとして記憶部15に収納し、その妨害波が存在する環境下での各伝送方式におけるスループットと関連付けてデータベース化しておくことで、スループットを最大化することが可能な伝送方式の選択に寄与できる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態における第2の妨害波パラメータ抽出部13A2の処理においては、テストフレームの送信タイミングを、PCやサーバなどの情報送信端末から、送信機20に通信要求が入力された直後であるものとした。
そして、テストフレームから周期性の妨害波の発生周期と継続時間を算出した後に、あらためて情報送信端末からの情報の送信を開始することで、周期性の妨害波によるデジタル伝送信号への干渉を極力回避し、デジタル情報の伝送時間内におけるスループットの低下を抑止して、スループットを最大化するものとして説明した。
しかしながら、通信伝送路に与えられる妨害波のランダム性が高くなると、周期性の妨害波の発生周期情報および継続時間情報を算出するために時間を要することとなる。
また、発生周期が長い場合や連続的な妨害波のように継続時間が長い場合には、これらの影響を回避するために上記した新伝送方式1または新伝送方式2の方法で伝送を行なうと、同一フレームの送信回数が多くなり、結果として伝送時間におけるスループットの低下をもたらすことになる。
そこで、第3の実施形態では、上記図6の第2の妨害波パラメータ抽出部13A2が、n個の連続するテストフレームから周期性の妨害波の周期情報を算出する処理、または継続時間を算出する処理を実行するのに際して、k番目のテストフレームと続く(k+1)番目のテストフレームとから抽出される妨害波周期(Pk)または継続時間(Tk)よりも、(k+1)番目のテストフレームと続く(k+2)番目のテストフレームとから抽出される妨害波周期(Pk+1)または継続時間(Tk+1)が小さくなった場合に、最大発生周期:PmaxをPk、最大継続時間:TmaxをTkと決定して、周期情報の算出処理、継続時間の算出処理を終了する。
PmaxとTmaxの決定は、一方が他方より先行して行なわれる場合、例えばPmax=Pkと決定し、Tmaxが未決定の場合は、Tmax=Tkと決定する。
一方、PmaxまたはTmaxの決定が所定の時間を経過しても完了しない場合は、この伝送システムの置かれた電磁環境には周期性の妨害波が存在しないものとして、通常の伝送方法により伝送するものとする。
この第3の実施形態によれば、妨害波の発生周期が長い場合や連続している場合のように継続時間が長い場合であっても、より最短時間で本発明の機能の実行、すなわちスループットを最大化する伝送方式を決定できる。
[第4の実施形態]
上記第3の実施形態では、周期性の妨害波の発生周期と継続時間の算出処理を短縮する方法を提示したが、第4の実施形態では、ADSL側で補償すべきスループットの低下をあらかじめ規定することで、さらに上記算出処理の短縮および伝送方式選択処理の簡略化を図る。
上記図3によれば、CWのパルス変調波の繰り返し周期がADSLのフレーム変調間隔に近い程、スループットが低下している。したがって、例えば補償すべき正規化スループットを0.6とした場合、妨害波の印加条件(D)、(E)、(F)では本発明の機能を実行し、正規化スループットが「0.6」以上となる繰り返し周期、例えば妨害波の印加条件(A)、(B)、(C)、(D)では通常の伝送方法を選択するといったように、伝送方式を決定する。
図6の記憶部15に、補償すべきスループット、ある条件下における本発明の伝送方式を用いた場合に予想されるスループット、および通常の伝送方式を用いた場合に予想されるスループットをデータベース化して記憶させておく。
伝送方式判定部13Bが上記記憶部15のデータを参照し、その時点での条件下でどの伝送方式を利用した場合に補償すべきスループットを達成できるかを判断することで、伝送方法を短時間で選択することが可能となる。
[その他の実施形態]
上記各実施形態は、ADSL送受信システムに適用した場合を説明したが、本発明の構成は、デジタル情報を時系列な電気信号で伝送するEthernet(登録商標)伝送システムや、マルチキャリア伝送方式であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式を採用した無線デジタル伝送システムを含め、各種のデジタル情報伝送システムにも同様に適用することが可能である。
さらにフレームの再送を利用する通信方式を利用すれば、広帯域に渡るインパルスノイズによって瞬間的に複数のキャリアが同時に妨害された場合であっても、信号の劣化を補償することが可能となる。
テストフレームによる妨害波のパラメータを抽出する過程においても、使用するデジタル情報の伝送システムで採用しているフレームに合わせて参照フレームを予め準備しておけば良い。
要するにこの発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
10…ADSL送信機、10a…CRC符号化、10b…リード・ソロモン符号化、10c…スクランブル処理、10d…トレリス符号化、10e…DMT、10f…CP追加処理、10g…AFE処理、11…LANインタフェイス(−IF)、12…CPU、13…DSP、13A…妨害波パラメータ抽出部、13A1…第1の妨害波パラメータ抽出部、13B…第2の妨害波パラメータ抽出部、13B…伝送方式判定部、14…メモリ、15…メモリ(記憶部)、16…入出力インタフェイス(I/O−IF)、20…ADSL受信機、20a…AFE処理、20b…TEQ、20c…CP削除、20d…FFT、20e…FEQ、20f…QAM復調過程、20g…ビタビ復号、20h…デスクランブル処理、20i…RS復号、20j…CRC検査、31…スループット制御部、32…FFT、33…テストフレーム送受信処理部、34…エッジトリガ部、35…計測部、36…統計処理部、37…フレーム伝送処理部、38…送受信フレーム格納部、39…送受信テストフレーム照合部、41…伝送方式選択部、42…同一フレーム再送回数判定部、43…誤り訂正処理方法判定部。

Claims (7)

  1. 送信機と受信機の間で通信伝送路を介してデジタル情報をデジタル変調して伝送するデジタル情報伝送システムであって、
    上記通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを、その妨害波が存在するときの複数の伝送方式ごとのスループット情報と関連付けてデータベース化して記憶する記憶手段と、
    上記通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを抽出する抽出手段と、
    上記抽出手段で抽出した妨害波パラメータに基づいて上記記憶手段での記憶内容を参照し、最大のスループットが得られる伝送方式を選択する選択手段と
    を備えることを特徴とするデジタル情報伝送システム。
  2. 上記抽出手段は、非通信時に上記通信伝送路に発生する妨害波の強度レベルが予め設定した閾値を超える頻度をヒストグラム化して妨害波の継続時間と発生周期を推測する妨害波パラメータを抽出することを特徴とする請求項1記載のデジタル情報伝送システム。
  3. 上記抽出手段は、実際のデジタル情報伝送前にテスト用デジタル情報を送受信して妨害波の妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを抽出することを特徴とする請求項1記載のデジタル情報伝送システム。
  4. 上記記憶手段は、妨害波パラメータを、複数の伝送方式ごとのスループット情報および妨害波が印加される確率と関連付けてデータベース化して記憶し、
    上記選択手段は、上記抽出手段で抽出した妨害波パラメータに基づいて上記記憶手段での記憶内容を参照し、妨害波が印加される確率を勘案して、より大きなスループットが得られる伝送方式を選択する
    ことを特徴とする請求項1記載のデジタル情報伝送システム。
  5. 上記抽出手段は、一定時間中に抽出される妨害波の継続時間と発生周期の増減傾向から妨害波パラメータを抽出することを特徴とする請求項1記載のデジタル情報伝送システム。
  6. 上記選択手段は、予めスループットの下限を規定した上で上記記憶手段での記憶内容を参照し、最大のスループットが得られる伝送方式を選択することを特徴とする請求項1記載のデジタル情報伝送システム。
  7. 送信機と受信機の間で通信伝送路を介してデジタル情報をデジタル変調して伝送するシステムでのデジタル情報伝送方法であって、
    上記通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを、その妨害波が存在するときの複数の伝送方式ごとのスループット情報と関連付けてデータベース化して記憶する記憶過程と、
    上記通信伝送路に発生する妨害波の周波数、継続時間、発生周期を推測する妨害波パラメータを抽出する抽出過程と、
    上記抽出過程で抽出した妨害波パラメータに基づいて上記記憶過程で記憶した内容を参照し、最大のスループットが得られる伝送方式を選択する選択過程と
    を有することを特徴とするデジタル情報伝送方法。
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