JP6518623B2 - デジタル情報伝送システムとこのシステムで使用される送信機および方法 - Google Patents

デジタル情報伝送システムとこのシステムで使用される送信機および方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気信号の伝送によってデジタル情報を伝送するデジタル情報伝送システムに関する。
金属線を通信伝送路として使用するADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などのデジタル情報伝送システムでは、当該システム以外の媒体から発せられる電磁波(他の通信や放送に使用される電磁波、周囲の電気・電子機器から発せられる電磁波)が通信伝送路上に結合し、伝導性の電磁妨害波として、通信伝送路で伝達される電気信号に影響を与える(電磁妨害する)。このことにより、伝送情報の誤りや欠落などの通信品質劣化が生じる場合がある。これを回避するため、一般的なデジタル情報伝送システムは、伝送する情報に生じた誤りを訂正する誤り検出訂正機能を備えている。
例えば、誤り検出訂正機能を備えた従来のADSLにおけるデジタル情報の伝送処理では、サーバなどの情報送信装置から送信されるデジタル情報は、ADSL送信機において、CRC(Cyclic Redundancy Code)符号化、リード・ソロモン(Reed-Solomon Code:RS)符号化、スクランブル処理、トレリス符号化、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を含むDMT(Discrete Multi-tone)変調、CP(Cyclic Prefix)付加処理が順次行われた後、AFE(Analog Front End)処理によってアナログ信号に変換され、伝送路に電気信号として出力される。一方、ADSL受信機では、伝送路から伝送された電気信号(アナログ多重波)がAFE処理によってデジタル信号に変換され、TEQ(Time domain Equalizer)により時間軸上の波形等化が行われる。続いて、CP削除、FFTによるDMTの復調処理が行われ、周波数軸上の波形等化処理FEQ(Frequency domain Equalizer)が施される。DMTの復調処理に含まれるQAMの復調過程では、アナログ多重波の各周波数成分から読み出された受信信号の各QAM星座点からのユークリッド距離情報が算出され、これがビタビ復号器へ渡される。ビタビ復号器では、ユークリッド距離情報に基づいて受信信号のシンボル判定が行われる。以降、デスクランブル処理、RS復号の後、CRC検査によりシンボル判定後の情報に誤りがないかどうかの確認が行われ、パーソナルコンピュータ(PC)などの受信端末に送信される。この時、誤り訂正で訂正しきれなかった情報が所定の割合で残存している場合は、一般に、その情報は破棄される。
このように、ADSLにおける情報の送受信過程では、上記のように、CRC符号化/検査、RS符号化/復号、スクランブル/デスクランブル、トレリス符号化/ビタビ復号によって誤り検出訂正が行われている。それぞれの特長を組み合わせることで、伝送システムの妨害波に対する耐性が高い、つまり伝送誤りを生じにくい通信を成立させている。
さらにDMT(マルチキャリア伝送方式)では、ADSLモデムとDSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)間で複数のサブキャリア(ビン)の各々に対して最大15ビットを割り当てる。その際、妨害波の影響が大きいビンには相対的に少ないビットを割り当て、妨害波の影響が少ないビンには相対的に多くのビットを割り当てる。例えば、非特許文献1には、ADSLモデムとDSLAM間のリンク確立時に通信伝送路をモニタリングし(トレーニング)、ビン1個ずつについて信号と妨害波の強度を確認して各ビンに乗せるビット量を決定する(ビットマップ)ことが開示されている。
湯浅 重数、浅貝 修一朗、「小さな箱の中に先端技術がいっぱい ADSLモデムの内部を解き明かす」、日経NETWORK、pp. 194-199、2002. 08
しかしながら、妨害波の影響が大きいビンには少ないビットしか割り当てることができないので、その分、伝送するビット量が少なくなる。すなわち、妨害波存在下では、伝送する情報量を少なくすることでシンボル判定誤りを少なくする方式が採用されている結果として、スループットは低下せざるを得ない。
また、誤り検出訂正機能を備えていても、妨害波の強度が大きく、十分な信号対雑音比(S/N比)が得られない場合には、必ずしも完全に誤りを訂正できるわけではない。その結果、ADSL送受信機におけるCRC検査で廃棄されるフレームが増加するので、この場合もスループットが低下してしまう。
本発明は、上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、妨害波が存在する環境下においてもスループットの高い情報伝送を行うことができる、デジタル情報伝送システムとこのシステムで使用される送信機および方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、少なくとも1つの搬送波周波数を使用して送信機から受信機へデジタル情報を伝送するデジタル情報伝送システムであって、前記送信機が、前記搬送波周波数ごとに、閾値を超える強度を持つ電磁妨害波の継続時間および発生周期を推定する推定手段と、前記搬送波周波数ごとに、前記推定された継続時間および発生周期に応じたスループットと保証値との比較に基づいて伝送方法を決定する決定手段と、前記決定された伝送方法に従って送信を行う送信手段と、を備えるようにしたものである。
本発明の他の態様は、前記決定手段において、前記スループットが前記保証値を超える搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在しない時間に送信を行い、前記スループットが前記保証値を下回る搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在する時間および前記電磁妨害波が存在しない時間の両方において送信を行うように、前記伝送方法を決定するようにしたものである。
本発明によれば、妨害波が存在する環境下においてもスループットの高い情報伝送を行うことができる。
本発明の原理説明に使用する、バースト性妨害波の継続時間とスループットとの関係を示す実験結果例を示す図。 この発明の原理説明に使用する、ADSLフレームの変調間隔とバースト性妨害波の印加タイミングの例を示す図。 本発明の第1の実施形態に係るデジタル情報伝送システムの一例を示すブロック図。 ADSLにおけるデジタル情報の伝送処理例を示すブロック図。 図3に示したデジタル情報伝送処理部をより詳細に示す機能ブロック図。 妨害波信号の時系列データの一例を示す図。 図3のデジタル情報伝送システムにおけるデジタル情報伝送処理の一例を示すシーケンス図。 図3に示した送信機の動作例を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
[原理]
一般に、妨害波は周波数帯域にある程度の幅を持ち、時間軸上で見たとき、その継続時間にも幅があり、発生タイミングもばらつきがある。電磁環境下の妨害波の代表的なものに電源系の妨害波が存在するが、このような妨害波は周波数、周期および強度がほぼ一定である。本発明者らは、妨害波の強度が時間的に周期性を持つ場合に着目し、バースト的に発生する妨害波、すなわちバースト性妨害波の継続時間およびその発生周期とスループットとの間にある関係性を明らかにするために、duty比一定(0.125)の条件下で継続時間と繰り返し周期を変化させて、バースト性妨害波を模擬したSW(Sinusoidal Wave)のパルス変調波をADSL下り通信信号に印加する実験を行った。
その実験結果を図1に示す。図1から明らかなように、バースト性妨害波の継続時間が長くなるほど、スループットの低下が抑制されることが確認された。この点について、ADSLフレームの変調間隔とバースト性妨害波の印加タイミングを表す図2を用いて説明する。ADSLは250μsに1回の割合でQAMにより送信フレームを生成している。この送信フレームの変調間隔で区切られる時間をタイムスロットとし、タイムスロット内に妨害波が印加される確率をn(妨害されるタイムスロット)/N(全タイムスロット)で表す。図2を参照すると、妨害確率n/Nについて、条件A:5/6、条件B:5/8、条件C:1/2、条件D:1/4とした場合、バースト性妨害波(SWのパルス変調波、duty比0.125)の繰り返し周期がADSLのタイムスロット(250μs)よりも長い領域においては、継続時間(繰り返し周期でも同義)が長くなるほど、タイムスロットの妨害確率は低下する。すなわち、継続時間が長くなるほどスループットが低下しなくなる傾向を示す実験結果は、タイムスロットの妨害確率の低下に従って、スループットが低下しにくくなることに対応している。
そこで、本発明の実施形態では、ADSLの送信フレームが妨害されることによるスループットの低下を防ぐために、送信フレームを妨害する強度を持つバースト性妨害波がどの周波数、どのタイミングで発生するかをあらかじめ検知し、妨害波が発生しない時間に、あるいは図1に示すようなスループットの保証値を使用用途によってあらかじめ決定しておき、妨害波存在下においても保証値以上のスループットが出る時間にフレームを送信する。このようにすることで、妨害波による影響を受けずに情報伝送を行うことが可能となる。
具体的には、デジタル情報の伝送に先立ち、送信機と受信機を結ぶ通信伝送路上に存在するバースト性妨害波に関して、送信フレームを妨害する強度を持つバースト性妨害波の周波数成分情報およびバースト性妨害波の周期性を特徴付けるバースト性妨害波の継続時間情報とその発生周期情報を抽出し、妨害波パラメータとしてメモリに記憶させる。この際、抽出された妨害波パラメータを、その妨害波存在下におけるスループットの情報と関連付けてメモリに記憶させる。そして、妨害波が存在しない時間に情報伝送を行う、あるいは継続時間がある程度長い妨害波が来ている時間、すなわち使用用途によってあらかじめ決められたスループットの保証値以上のスループットを確保できる時間に情報伝送を行う。それにより、スループットの保証値以上のスループットを常時確保してデジタル情報を伝送することができる。
[第1の実施形態]
図3は、本発明の第1の実施形態に係るデジタル情報伝送システムの構成例を示している。図3に示されるデジタル情報伝送システムは、通信伝送路L2を介して互いに接続される送信機TXおよび受信機RXを含む。デジタル情報伝送システムは、基本的には送受信機(通信装置)間でデジタル情報を伝送するものである。ここでは、一方の送受信機から他方の送受信機へデジタル情報を伝送する場合について説明することとし、デジタル情報の送信の役割を果たす送受信機を送信機と呼び、デジタル情報の受信の役割を果たす送受信機を受信機と呼ぶ。このため、受信機RXは、送信機TXと同一のハードウェア構成および機能を有することができる。図3に例示される送信機TXのハードウェア構成は、基本的には従来のADSL通信の送受信機で採用された構成と同じものであるが、本発明に係る情報処理は、図3に示されるようにハードウェア機能としてDSP(Digital Signal Processor)で行われてもよく、ソフトウェア機能としてCPU(Central Processing Unit)で行われてもよい。
送信機TXには、PCやサーバなどの電子機器(図示せず)がLAN(Local Area Network)ケーブル(図3の例ではEthernet(登録商標)ケーブル)L1を介して接続される。電子機器は、伝送すべきデジタル情報(図3の例ではEthernetフレーム)を送信機TXに入力する。送信機TXは、入力されたデジタル情報を、通信伝送路L2を介して受信機RXへマルチキャリア通信方式により伝送する。具体的には、送信機TXは、LANインターフェース(LAN−IF)31、CPU32、メモリ33、DSP34、AFE35、および入出力インターフェース(I/O−IF)36を備える。
電子機器から入力されたデジタル情報は、LANインターフェース31を介してCPU32に渡される。CPU32は、従来のADSLの情報伝送機能のソフトウェア処理を実行する。この情報伝送機能は、ADSLの送受信器間で信号をやり取りすることで得た情報を使ってリンク速度や1回の変調で送信するデータ量の計算をする「トレーニング」処理を含む。デジタル情報は、CPU32でのソフトウェア処理によって48バイトなどの所定のデータ長に分割され、その後の処理に必要となる付加情報が付加され、メモリ33に格納される。DSP34は、メモリ33から分割された情報を読み出し、1回の変調で生成するフレーム(出力フレーム)生成を含む一連のデータ処理を行う。この過程で、DSP34は、図4に示されるように、CRC符号化(T1)、RS符号化(T2)、スクランブル処理(T3)、トレリス符号化(T4)、QAM(T51)およびIFFT(T52)を含むDMT変調(T5)、CP付加処理(T6)を順次実行する。AFE35は、AFE処理(T7)を実行する。具体的には、AFE35は、DSP34によって生成されたデジタル信号をアナログ信号にマッピングしてアナログ伝送信号を生成し、入出力インターフェース36を介して通信伝送路L2上に送出する。送信機TXの入出力インターフェース36と受信機RXの入出力インターフェースが有線接続されており、その区間が通信伝送路L2となる。
受信機RXは、送信機TXからアナログ伝送信号を受信し、受信したアナログ伝送信号をデジタル信号に変換した後にメモリに格納し、メモリからデジタル信号を読み出し、受信機RXに接続されるPCやサーバなどの電子機器とLANインターフェースを介して通信するために必要な処理を、送信機TXと逆の手順でDSPおよびCPUを介して行う。具体的には、受信機RXは、受信したアナログ伝送信号をアナログデジタル変換し(R1)、時間軸上の波形等化処理(R2)を行う。そして、デジタル信号からCPを削除した(R3)後、先ずFFTによりサブキャリアごとにDMT復調処理(R4)を行う。続いて、この復調後の信号に対し周波数軸上の波形等化処理(R5)を行った後、QAM復調して受信ベースバンド信号を復元する処理(R6)を行う。さらに、上記復調処理により得られた受信ベースバンド信号に対し、ビタビ復号器により受信信号のシンボル判定を行った(R7)後、デスクランブル処理(R8)およびRS復号処理(R9)を行う。そして、この誤り訂正処理後のデータについてCRC検査(R10)により情報の誤りがないかどうかを検査する。CRC検査後のデータは、メモリに一旦保存された後に、LANインターフェースからからLANケーブルを介して図示しないPCやサーバなどの電子機器へ渡される。
ところで、送信機TXのDSP34は、上記基本機能に加え、本実施形態を実現するために必要な新たな機能として、デジタル情報伝送処理部50を備えている。デジタル情報伝送処理部50は、妨害波パラメータ抽出部52およびフレーム伝送処理部53を含む。妨害波パラメータ抽出部52は、送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波を検知し、受信機RXへの情報伝送に使用するサブキャリアごとに、妨害波の継続時間および発生周期を妨害波パラメータとして抽出する。フレーム伝送処理部53は、妨害波パラメータ抽出部52によって抽出されたサブキャリアごとの妨害波パラメータに基づいてフレーム伝送処理を行う。
図5は、デジタル情報伝送処理部50のより詳しい機能構成を示すブロック図である。図5に示されるように、妨害波パラメータ抽出部52は、エッジトリガ部521、計測部522、および統計処理部523を含む。フレーム伝送処理部53は、フレーム伝送方法決定部531、フレーム伝送部532、およびフレーム読み出し部533を含む。図5に示される記憶部54および送受信フレーム格納部55は、図3に示されるメモリ33により実現されることができる。
通信伝送路L2上で検知される妨害波信号は、FFT処理部51によりFFT処理されてから妨害波パラメータ抽出部52に渡されるので、サブキャリアごとに時系列データが蓄積されることになる。本実施形態では、送受信機間で通信が行われていない状態で観測される信号を妨害波信号とする。妨害波信号の時系列データを図6に例示する。妨害波パラメータ抽出部52は、サブキャリアごとに妨害波の継続時間および発生周期を推定する。あるサブキャリアにおいて、妨害波パラメータ抽出部52のエッジトリガ部521は、図6の破線の円に示されるように、妨害波信号の強度が閾値、すなわち送信フレームを妨害する強度を超えたときおよび閾値を下回るときを検出する。計測部522は、閾値を超えたときから閾値を下回るまでの時間を妨害波の継続時間として計測する。統計処理部523は、計測部522によって計測された継続時間のヒストグラムを作ることで、ヒストグラムの極大値となる継続時間を、今後も通信伝送路に混入する妨害波の継続時間として決定する。さらに、計測部522は、妨害波信号の強度が閾値を超えたときから、一度閾値を下回り、再び閾値を超えるときまでの時間を妨害波の発生周期として計測する。統計処理部523は、継続時間に対する処理と同様に、計測部522によって計測された発生周期のヒストグラムを作ることで、ヒストグラムの極大値となる発生周期を、今後も通信伝送路に混入する妨害波の発生周期として決定する。妨害波パラメータ抽出部52は、妨害波の継続時間および発生周期に関する処理をFFT処理後の各サブキャリアについて行う。
各サブキャリアに対して算出された妨害波パラメータ(継続時間および発生周期)の値は、その妨害波存在下におけるスループットと関連付けて記憶部54に保持・更新される。例えば、妨害波パラメータ(継続時間および発生周期)とスループットの関係を実験的に得てデータベースを構築しておき、各サブキャリアに対して算出された妨害波パラメータでデータベースを参照することによってスループットが決定される。サブキャリアごとに妨害波パラメータ抽出処理を行うことで、妨害波が存在しない周波数成分のサブキャリアでは、妨害波信号の強度が小さく、閾値を超えるときがないため、妨害波の継続時間および発生周期を0秒と決定することができ、そのサブキャリアに多くのデジタル情報を割り当てることができる。
フレーム伝送方法決定部531は、記憶部54に格納されている妨害波パラメータと関連付けられたスループットとスループットの保証値との比較に基づいて、スループットの保証値を確保できる伝送方法を決定する。具体的には、フレーム伝送方法決定部531は、スループットを低下させる妨害波が存在する時間にはフレームを送信しないこと、一方で妨害波が存在していてもスループットが低下しない、またはスループット保証値を確保できる時間にはフレームを送信することを決定する。
例として、図1に実線で示されるスループットの保証値を確保した伝送を実現する方法を以下に示す。送信機下部から送信機TXに入力されるデータの長さをL、1つの送信フレームで受信機RX側に伝送できるデータをTとすると、Lの長さを持つデータを送信機TXから受信機RXに伝送するために必要なタイムスロットNは、N=L/Tで表される。送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波が存在するタイムスロットの連続数をDとすると、D=0の場合には、送信フレームが妨害されないので、通常通りの伝送を行う。図1のプロットにおいて、横軸の値が大きくなることはDが増大することと同義である。プロットの遷移は単調増加の傾向であるので、保証値を示す実線とプロットの遷移が交差するときのDの値をkとすると、0<D<kの範囲では、通常の伝送方法をとる場合、スループットが保証値を下回るため、送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波が存在するタイムスロットでは情報伝送を行わず、送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波が存在しないタイムスロットのみで情報伝送を行う。この際、データ伝送が完了するまでに必要な時間N′は、N′>Nの関係になるが、Nで送られたデータであっても、N′で送られたデータであっても、受信機TXではメモリから誤りのないフレームを定速vで読み出すため、どちらの場合でも受信機下部までのデータ伝送が完了するために必要な時間はL/vで変わらないため、スループットの低下は回避される。
一方、k≦Dの範囲では、送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波が存在するにもかかわらず、スループットは保証値を上回っているので、この場合には、送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波が存在するタイムスロットでも情報伝送を行う。さらに、上記のように、送信フレームを妨害する強度を持つ妨害波が存在しないタイムスロットのみでしか情報伝送を行わないために、送信機TXに入力されている情報で受信機RXにまだ送れていない情報、すなわち継続時間が短いバースト性妨害波が存在する時間に伝送する予定であった情報を、継続時間が長いバースト性妨害波が存在する時間のタイムスロットに移し替えて伝送することにより、送信フレームが妨害されることによってスループットが保証値を下回る事象は回避される。この場合も、受信機RXではメモリから誤りのないフレームを定速vで読み出すため、受信機下部までのデータ伝送が完了するために必要な時間はL/vで変わらず、スループットの低下は回避される。
フレーム伝送部532は、フレーム伝送方法決定部531によって決定された伝送方法に従って、通信伝送路L2を介して受信機RXへ送信フレームを送信する。受信機RXにおいて、送信機TXから送信されたフレームは、受信機RXの送受信フレーム格納部に格納され、受信機RXのフレーム読み出し部が送受信フレーム格納部からフレームを読み出し、通常のフレーム伝送処理に処理を移す。
上記方法によりフレーム伝送を行うと、スループットを低下させる妨害波が存在する時間にはフレームを送信しない事象が発生するため、通常の伝送方式よりもその分のスループットの低下が起こってしまうことが考えられるが、受信機で受信された送信フレームは送受信フレーム格納部にいったん格納されるため、受信機が送信フレームの情報を読み出す速度は一定である。さらに、その後に入出力インターフェースを介して各伝送処理へ譲渡する形をとることで、受信機で読み出された送信フレームは、原理上、妨害波による影響を排除できているため、通常の伝送処理フローに則った誤り訂正処理などを行った後の復元情報は誤りを含まず、ADSLにおけるCRC検査後に破棄されることも、再送処理を行う必要性もない。
次に、本実施形態に係るデジタル情報伝送システムの動作について説明する。
図7は、図3に示される送信機TXと受信機RXとの間でのフレーム伝送処理の一例を示すシーケンス図である。送信機TXおよび受信機RXは、送信機TXと受信機RXとの間での通信を行っていない状態で、送信機TXと受信機RXとを接続する通信伝送路L2上に存在する妨害波を検知する(ステップS71)。送信機TXの妨害波パラメータ抽出部52は、サブキャリアごとにフレームを妨害する強度を持つ妨害波を検知し(ステップS72)、サブキャリアごとに妨害波の継続時間および発生周期を推定する。続いて、妨害波パラメータ抽出部52は、サブキャリアごとに推定された妨害波の継続時間および発生周期をスループットと関連付けて記憶部54に格納する(ステップS73)。受信機RXは、送信機TXと同様に、サブキャリアごとにフレームを妨害する強度を持つ妨害波を検知し(ステップS75)、サブキャリアごとに妨害波の継続時間および発生周期を推定し、サブキャリアごとに推定された妨害波の継続時間および発生周期をスループットと関連付けて記憶部に格納する(ステップS76)。
次に、送信機TXのフレーム伝送方法決定部531は、記憶部54に格納されている情報を参照し、スループットの保証値を確保するフレーム伝送方法を決定する(ステップS74)。送信機TXのフレーム伝送部532は、フレーム伝送方法決定部531によって決定されたフレーム伝送方法に従ってフレーム送信を行う(ステップS77)。
受信機RXは、送信機TXからフレームを受信し、送受信フレーム格納部に格納する(ステップS78)。受信機RXのフレーム読み出し部は、一定の速度vで送受信フレーム格納部からフレームを読み出す(ステップS79)。受信機RXは、読み出したフレームに所定の処理をしてデジタル情報を得て、図示しない電子機器に渡す。これにより、受信機下部では、常にL/vのスループットが確保された伝送が可能となる。
図8は、図4に示されるデジタル情報伝送処理部50の動作例を示すフローチャートである。図8のステップS81では、エッジトリガ部521は、あるサブキャリアにおいて、妨害波信号の強度が閾値を超えたとき、および妨害波信号の強度が閾値を下回るときを検出する。ステップS82では、計測部522は、エッジトリガ部521による検出の結果に基づいて、妨害波の継続時間および発生周期を計測する。具体的には、計測部522は、妨害波信号の強度が閾値を超えたときから閾値を下回るまでの時間を妨害波の継続時間として計測し、妨害波信号の強度が閾値を超えたときから、一度閾値を下回り、再び閾値を超えるときまでの時間を妨害波の発生周期として計測する。ステップS81およびS82の処理は、例えば、所定の時間間隔にわたって実行され、それにより、妨害波の継続時間および発生周期は複数取得される。
ステップS83では、統計処理部523は、計測部522による計測の結果に基づいて、今後も通信伝送路に混入する妨害波の継続時間および発生周期を算出し、これを当該サブキャリアの妨害波パラメータとする。具体的には、統計処理部523は、計測部522によって計測された継続時間および発生周期それぞれについてヒストグラムを作成し、ヒストグラムの極大値となる継続時間および発生周期を今後も通信伝送路に混入する妨害波の継続時間および発生周期として決定する。
ステップS81〜S83に示される処理は、受信機RXとの通信に使用するサブキャリアそれぞれに対して実行され、それにより、妨害波パラメータがサブキャリアごとに算出される。ステップS84では、各妨害波パラメータは、その妨害波パラメータの妨害波存在下におけるスループットと関連付けて記憶部54に保持・更新される。
ステップS85では、フレーム伝送方法決定部531は、記憶部54に格納されている妨害波パラメータと関連付けられたスループットの情報を参照し、スループットの保証値を確保できる伝送方法を決定する。例えば、フレーム伝送方法決定部531は、スループットが保証値を超えるサブキャリアについては、妨害波が存在しない時間に送信を行い、スループットが保証値を下回るサブキャリアについては、妨害波が存在する時間および妨害波が存在しない時間の両方において送信を行うように、伝送方法を決定する。ステップS86では、フレーム伝送部532は、フレーム伝送方法決定部531によって決定された伝送方法に従って受信機側にフレームを送信する。なお、妨害波パラメータ抽出部52は、スループットとの関連付けを行わずに、サブキャリアごとの妨害波パラメータ(継続時間および発生周期)を記憶部54に格納し、フレーム伝送方法決定部531が、例えばデータベースを参照して、記憶部54に格納された妨害波パラメータに応じたスループットを得るようにしてもよい。
上述した一連の処理により、妨害波によるサブキャリアの妨害を極力回避して情報伝送を行うことによって、妨害波存在下においても、スループット保証値以上スループットでの情報伝送および誤りの発生確率の最小化が可能となる。
以上のように、第1の実施形態では、送信機において、サブキャリアごとに、閾値を超える強度を持つ電磁妨害波の継続時間および発生周期を推定し、推定された継続時間および発生周期に応じたスループットと保証値との比較に基づいて伝送方法を決定し、決定された伝送方法に従って信号送信を行うようにしている。これにより、妨害波の影響を回避してデジタル情報を伝送することが可能となる。その結果、妨害波が存在する環境下においても、スループットの高い情報伝送を行うことができる。
[その他の実施形態]
上記第1の実施形態においては、ADSL送受信システムに適用した場合を説明したが、本発明の構成は、デジタル情報を時系列電気信号で伝送するEthernet伝送システムや、マルチキャリア伝送方式であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を採用した無線のデジタル情報伝送システムを含め、各種デジタル情報伝送システムにも適用可能である。また、本発明は、マルチキャリア通信方式に限らず、シングルキャリア通信方式にも適用することができる。さらに、送受信機間の接続は、有線接続に限らず、無線接続であってもよい。さらにまた、第1の実施形態で示した送信フレームが妨害される閾値についても、使用するデジタル情報伝送システムで採用されている誤り訂正処理などを勘案して、閾値を決定することができる。
本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
TX…送信機、RX…受信機、L1…LANケーブル、L2…通信伝送路、31…LANインターフェース、32…CPU、33…メモリ、34…DSP、35…AFE、36…入出力インターフェース、50…デジタル情報伝送処理部、51…FFT処理部、52…妨害波パラメータ抽出部、53…フレーム伝送処理部、54…記憶部、55…送受信フレーム格納部、521…エッジトリガ部、522…計測部、523…統計処理部、531…フレーム伝送方法決定部、532…フレーム伝送部、533…フレーム読み出し部。

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの搬送波周波数を使用して送信機から受信機へデジタル情報を伝送するデジタル情報伝送システムであって、
    前記送信機は、
    前記搬送波周波数ごとに、閾値を超える強度を持つ電磁妨害波の継続時間および発生周期を推定する推定手段と、
    前記搬送波周波数ごとに、前記推定された継続時間および発生周期に応じたスループットと保証値との比較に基づいて伝送方法を決定する決定手段と、
    前記決定された伝送方法に従って送信を行う送信手段と、
    を具備することを特徴とするデジタル情報伝送システム。
  2. 前記決定手段は、前記スループットが前記保証値を超える搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在しない時間に送信を行い、前記スループットが前記保証値を下回る搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在する時間および前記電磁妨害波が存在しない時間の両方において送信を行うように、前記伝送方法を決定することを特徴とする請求項1に記載のデジタル情報伝送システム。
  3. 少なくとも1つの搬送波周波数を使用して送信機から受信機へデジタル情報を伝送するデジタル情報伝送方法であって、
    前記送信機が、前記搬送波周波数ごとに、閾値を超える強度を持つ電磁妨害波の継続時間および発生周期を推定することと、
    前記送信機が、前記搬送波周波数ごとに、前記推定された継続時間および発生周期に応じたスループットと保証値との比較に基づいて伝送方法を決定することと、
    前記送信機が、前記決定された伝送方法に従って送信を行うことと、
    を具備することを特徴とするデジタル情報伝送方法。
  4. 前記伝送方法を決定することは、前記スループットが前記保証値を超える搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在しない時間に送信を行い、前記スループットが前記保証値を下回る搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在する時間および前記電磁妨害波が存在しない時間の両方において送信を行うように、前記伝送方法を決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載のデジタル情報伝送方法。
  5. 少なくとも1つの搬送波周波数を使用して受信機へデジタル情報を伝送する送信機であって、
    前記搬送波周波数ごとに、閾値を超える強度を持つ電磁妨害波の継続時間および発生周期を推定する推定手段と、
    前記搬送波周波数ごとに、前記推定された継続時間および発生周期に応じたスループットと保証値との比較に基づいて伝送方法を決定する決定手段と、
    前記決定された伝送方法に従って送信を行う送信手段と、
    を具備することを特徴とする送信機。
  6. 前記決定手段は、前記スループットが前記保証値を超える搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在しない時間に送信を行い、前記スループットが前記保証値を下回る搬送波周波数については、前記電磁妨害波が存在する時間および前記電磁妨害波が存在しない時間の両方において送信を行うように、前記伝送方法を決定することを特徴とする請求項5に記載の送信機。
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