以下の実施形態は、照明装置及び照明器具に関し、特にセンサの検出結果に応じて照明負荷を点灯/消灯させる照明装置及び照明器具に関する。
(実施形態1)
以下、実施形態1の照明装置1について図1及び図2を参照して具体的に説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されない。したがって、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明装置1は、図1に示すように、電源ユニット2と、センサユニット3とを備える。この照明装置1は、センサユニット3の検出結果に応じて、電源ユニット2からLEDユニット4(照明負荷)への給電(直流給電)を制御する機能を有している。
電源ユニット2は、昇圧チョッパ回路21と、降圧チョッパ回路22と、制御電源23と、制御部24とを備え、本実施形態では、昇圧チョッパ回路21と降圧チョッパ回路22とで第1電源部が構成され、制御電源23で第2電源部が構成されている。また、電源ユニット2は、一対の電源入力端子25A,25Bと、一対の電源出力端子25C,25Dと、一対の電源出力端子25E,25Gと、信号入力端子25Fとをさらに備えている。
一対の電源入力端子25A,25Bには商用電源5が電気的に接続され、商用電源5からの交流電圧が一対の電源入力端子25A,25Bを介して電源ユニット2に印加される。一対の電源出力端子25C,25Dは、LEDユニット4に設けられた一対の電源入力端子42A,42B(後述する)に電気的に接続され、電源ユニット2は、LEDユニット4に対して直流電力を出力する。一対の電源出力端子25E,25Gは、センサユニット3に設けられた一対の電源入力端子37A,37C(後述する)に電源線L1,L3を介して電気的に接続され、電源ユニット2は、センサユニット3に対して直流電圧Vccを印加する。信号入力端子25Fは、センサユニット3に設けられた信号出力端子37B(後述する)に信号線L2を介して電気的に接続され、電源ユニット2は、センサユニット3からの電圧信号S4が信号線L2を介して入力される。
昇圧チョッパ回路21は、図1に示すように、整流回路210と、ドライバ回路211と、スイッチング素子212と、インダクタ213と、ダイオード214と、平滑コンデンサ215とを有している。
整流回路210は、例えば4つの整流ダイオードをブリッジ接続したダイオードブリッジを有し、一対の電源入力端子25A,25Bを介して印加された交流電圧を全波整流して脈流電圧を生成する。整流回路210の高圧側の出力端子には、インダクタ213とダイオード214との直列回路が電気的に接続されている。インダクタ213とダイオード214との接続点には、スイッチング素子212の一端が電気的に接続されている。ここで、本実施形態では、スイッチング素子212として、例えばNチャネル形のMOSFETを使用しており、インダクタ213とダイオード214のアノードとの接続点には、スイッチング素子212のドレインが電気的に接続されている。また、スイッチング素子212のソースは、整流回路210の低圧側の出力端子に電気的に接続されている。
また、スイッチング素子212のゲートには、ドライバ回路211が電気的に接続されている。ドライバ回路211は、例えば力率改善機能を備えたドライバ回路であり、制御部24からの制御信号S1に従ってスイッチング素子212のオン/オフを制御する。ダイオード214のカソードには、平滑コンデンサ215の一端が電気的に接続され、平滑コンデンサ215の他端は、整流回路210の低圧側の出力端子に電気的に接続されている。言い換えれば、平滑コンデンサ215は、スイッチング素子212とダイオード214との直列回路に対して並列に接続されている。
降圧チョッパ回路22は、図1に示すように、高圧側の入力電圧を入り切りするハイサイド駆動の降圧チョッパ回路である。降圧チョッパ回路22は、ドライバ回路220と、スイッチング素子221と、インダクタ222と、抵抗器223,224と、平滑コンデンサ225とを有している。
スイッチング素子221は、スイッチング素子212と同様に、例えばNチャネル形のMOSFETからなり、スイッチング素子221のドレインは昇圧チョッパ回路21の高圧側の出力端子に電気的に接続されている。スイッチング素子221のソースには抵抗器223の一端が電気的に接続され、抵抗器223の他端は昇圧チョッパ回路21の低圧側の出力端子に電気的に接続されている。すなわち、昇圧チョッパ回路21の出力端子間には、スイッチング素子221と抵抗器223との直列回路が電気的に接続されている。
スイッチング素子221と抵抗器223との接続点には、インダクタ222の一端が電気的に接続され、インダクタ222の他端は電源出力端子25Cに電気的に接続されている。また、昇圧チョッパ回路21の低圧側の出力端子には、抵抗器224を介して電源出力端子25Dが電気的に接続されている。さらに、一対の電源出力端子25C,25D間には、平滑コンデンサ225が電気的に接続されている。
制御電源23は、例えばインテリジェントパワーデバイス(Intelligent Power Device)を用いたDC−DCコンバータである。制御電源23は、昇圧チョッパ回路21により昇圧された直流電圧を、センサユニット3に対応した直流電圧Vcc(本実施形態ではDC5V)に変換する。制御電源23の出力端子は電源出力端子25Eに電気的に接続されており、制御電源23からの直流電圧Vccは、電源出力端子25E、電源線L1、及び電源入力端子37Aを介してセンサユニット3に印加される。
制御部24は、例えばマイクロコンピュータなどのプロセッサである。制御部24は、昇圧チョッパ回路21のスイッチング素子212のオン/オフを制御する制御信号S1をドライバ回路211に出力し、降圧チョッパ回路22のスイッチング素子221のオン/オフを制御する制御信号S2をドライバ回路220に出力する。そして、ドライバ回路211は、制御部24からの制御信号S1に基づいてスイッチング素子212のオン/オフを制御する。また、ドライバ回路220は、制御部24からの制御信号S2に基づいてスイッチング素子221のオン/オフを制御する。ここで、制御部24には、信号線L2を介してセンサユニット3の信号出力端子37Bに電気的に接続される信号入力端子25Fが電気的に接続されている。そして、制御部24には、センサユニット3からの電圧信号S4が信号入力端子25Fを介して入力される。すなわち、制御部24は、センサユニット3からの電圧信号S4に基づいて、スイッチング素子212,221のオン/オフを制御する制御信号S1,S2を生成する。
なお、電源出力端子25Gは、電源ユニット2のグランドに電気的に接続されている。したがって、電源出力端子25Gと電源入力端子37Cとを電源線L3を介して電気的に接続することで、電源ユニット2のグランドとセンサユニット3のグランドとが同電位になる。
センサユニット3は、センサ31と、設定部34とを備えている。センサ31は、例えば焦電素子を用いた赤外線センサであり、人体から発せられる赤外線によって人体を検出する。センサ31は、電源線L1,L3を介して電源ユニット2より供給される直流電圧Vccによって動作する。センサ31の出力端子は、例えばNPN型のトランジスタ32のベースに電気的に接続されており、センサ31からの検知信号S3によってトランジスタ32がオンする。また、トランジスタ32のコレクタは、抵抗器33を介して信号出力端子37Bに電気的に接続されており、トランジスタ32のエミッタは、電源入力端子37C、すなわちグランドに電気的に接続されている。したがって、センサ31が人体を検出していない状態では、センサ31から検知信号S3が出力されないため、トランジスタ32はオフであり、ハイレベルの電圧信号S4が信号線L2に出力される。一方、センサ31が人体を検出すると、センサ31から検知信号S3が出力されてトランジスタ32がオンになり、ローレベルの電圧信号S4が信号線L2に出力される。すなわち、センサ31は、信号線L2と電源線L3との線間電圧からなる電圧信号S4(のハイ/ロー)によって、人体の検出結果を制御部24に伝送する。
設定部34は、例えば複数(本実施形態では4つ)の接点341〜344を有し、操作部の操作に応じて各接点341〜344のオン/オフが切り替えられるロータリースイッチである。各接点341〜344の一端は、電源入力端子37C、すなわちグランドに電気的に接続されている。各接点341〜344の他端は、それぞれ抵抗器351〜354を介して信号出力端子37Bに電気的に接続されている。また、電源入力端子37Aと信号出力端子37Bとの間には、抵抗器36が電気的に接続されている。ここで、抵抗器351〜354の抵抗値は互いに異なっており、そのため接点341〜344のうちいずれの接点がオンになるかに応じて信号出力端子37Bに印加される電圧レベルが変化する。本実施形態では、接点341〜344のうちいずれの接点が選択されるかによって、例えば人が検出されなくなってからのLEDユニット4の点灯保持時間や、人が検出されなくなってからの動作モード(調光するか、消灯するか)などを設定することができる。
LEDユニット4は、直列に接続された複数(本実施形態では2つ)のLED(発光ダイオード)41と、直列に接続された複数のLED41の両端にそれぞれ電気的に接続された一対の電源入力端子42A,42Bとを備えている。そして、電源ユニット2の一対の電源出力端子25C,25DとLEDユニット4の一対の電源入力端子42A,42Bとを電気的に接続することで、電源ユニット2で生成した直流電力をLEDユニット4に供給することができる。これにより、LEDユニット4の各LED41が点灯する。
ところで、本実施形態の照明装置1では、図1に示すように、センサ31の検出結果(人体の有無)と、設定部34の設定内容(点灯保持時間、動作モード)とが同一の信号線L2に出力されるように構成されている。センサ31が人体を検出していない状態では、例えば接点341がオンであると直流電圧Vccを抵抗器36,351で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力される。同様に、接点342がオンであると直流電圧Vccを抵抗器36,352で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力され、接点343がオンであると直流電圧Vccを抵抗器36,353で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力される。さらに、接点344がオンであると直流電圧Vccを抵抗器36,354で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力される。ここで、上述のように、抵抗器351〜354の抵抗値は互いに異なっているため、信号線L2に出力される電圧信号S4の電圧レベルも接点341〜344で異なっている。したがって、制御部24は、この電圧レベルの高低によってどの設定内容が選択されたかを判別することができる。また、制御部24は、一定時間(例えば、数100ms)継続して同じ電圧レベルの電圧信号S4が入力された場合に、その電圧レベルに応じた設定内容として判別する。
一方、センサ31が人体を検出すると、トランジスタ32がオンになり、抵抗器36,33、トランジスタ32のオン抵抗の直列回路に電流が流れる。その結果、抵抗器33とトランジスタ32のオン抵抗に応じた電圧レベルV2(図2参照)の電圧信号S4が信号線L2に出力される。ここで、センサ31が人体を検出したときの電圧レベルV2は、設定部34の設定内容に応じたいずれの電圧レベル(例えば電圧レベルV1)とも異なっている。したがって、制御部24は、電圧レベルV2の電圧信号S4を受け取ることで、センサ31が人体を検出したと判断することができる。ここに、本実施形態では、センサ31が人体を検出していないときに信号線L2に出力される電圧信号S4が第2信号であり、センサ31が人体を検出したときに信号線L2に出力される電圧信号S4が第1信号である。また、センサ31が人体を検出したときに信号線L2に出力される電圧信号S4の電圧レベルV2が第1レベルである。さらに、センサ31が人体を検出した状態が第1状態であり、センサ31が人体を検出していない状態が第2状態である。
次に、本実施形態の照明装置1の動作について図2を参照して具体的に説明する。なお、図2中のI1は、電源ユニット2からLEDユニット4に出力される出力電流を表している。時刻t1のときに商用電源5から給電されると、電源ユニット2及びセンサユニット3が動作を開始する。このとき、センサ31は人体を検出しておらず、センサ31から出力される検知信号S3はローレベル(L)である。そのため、信号線L2に出力される電圧信号S4は、設定部34により設定された設定内容を表す電圧レベルの電圧信号であり、例えば接点341がオンである場合には電圧レベルV1の電圧信号S4が信号線L2に出力される。そして、制御部24は、電圧信号S4の電圧レベルV1に応じた点灯保持時間T1(t2−t1)が経過するまでLEDユニット4が全点灯するように、ドライバ回路211,220に対して全点灯に応じた制御信号S1,S2を出力する。
点灯保持時間T1が経過する時刻t2のときに、制御部24は、LEDユニット4が消灯するように、ドライバ回路211,220に対して消灯に応じた制御信号S1,S2を出力する。このとき、電源ユニット2からの出力電流I1は時間の経過とともに徐々に低下していき、出力電流I1が0になるとLEDユニット4が消灯する。
時刻t3のときに、センサ31が人体を検出すると、センサ31はハイレベルの検知信号S3を出力し、これにより信号線L2に出力される電圧信号S4の電圧レベルがV2(V2<V1)になる。制御部24は、電圧レベルV2の電圧信号S4が入力されると、センサ31が人体を検出したと判断し、LEDユニット4が全点灯するように、ドライバ回路211,220に対して全点灯に応じた制御信号S1,S2を出力する。これにより、LEDユニット4が全点灯する。そして、LEDユニット4は、センサ31が人体を検出している間は全点灯し、センサ31が人体を検出しなくなると点灯保持時間T1の経過後、消灯する。
以上説明したように、本実施形態の照明装置1は、センサユニット3を備えている。センサユニット3は、照明負荷(LEDユニット4)への給電を行う電源ユニット2に少なくとも信号線L2を介して電気的に接続され、電源ユニット2からの直流給電によって動作する。センサユニット3は、センサ31と、設定部34とを有している。センサ31は、第1状態と第2状態とのいずれを検出したかに応じた電圧レベルの第1信号(電圧信号S4)を信号線L2に出力する。設定部34は、複数の設定内容に一対一に対応した複数の電圧レベルのうち選択された設定内容に応じた電圧レベルの第2信号(電圧信号S4)を信号線L2に出力する。センサ31は、第1状態を検出したときには、第2状態を検出したときの電圧レベルを基準とする第1レベルの第1信号を出力する。第1信号における第1レベルは、第2信号における複数の電圧レベルの各々と異なっている。この構成によれば、センサ31から出力される第1信号と、設定部34から出力される第2信号とを同一の信号線L2を介して電源ユニット2に送信することができる。その結果、第1信号と第2信号とを別々の信号線を介して電源ユニット2に送信する場合に比べて電線の数を減らすことができ、これによりコストダウンを図ることができる。
なお、本実施形態の照明装置1では、昇圧チョッパ回路21とハイサイド駆動の降圧チョッパ回路22とで第1電源部を構成しているが、第1電源部はこの組み合わせに限らない。例えば、昇圧チョッパ回路とローサイド駆動の降圧チョッパ回路とで第1電源部を構成してもよいし、SEPICコンバータやフライバックコンバータなどで第1電源部を構成してもよい。また、本実施形態の照明装置1では、点灯保持時間T1が経過した後にLEDユニット4を消灯させているが、例えば点灯保持時間T1が経過した後にLEDユニット4を予め設定した調光レベル(例えば50%調光)で点灯させてもよい。
(実施形態2)
以下、実施形態2の照明装置1について図3及び図4を参照して具体的に説明する。本実施形態の照明装置1では、電源ユニット2とセンサユニット3とを1本の電源線L3と1本の信号線L2とで電気的に接続している点で実施形態1の照明装置1と相違している。また、本実施形態の照明装置1では、センサユニット3の回路構成についても実施形態1の照明装置1と異なっている。なお、それ以外の構成については実施形態1の照明装置1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態の照明装置1は、図3に示すように、電源ユニット2と、センサユニット3とを備えている。電源ユニット2は、昇圧チョッパ回路21と、ハイサイド駆動の降圧チョッパ回路22と、制御電源23と、制御部24とを備えている。ここに、上述の実施形態1では、制御電源23の出力端子が電源出力端子37Aに電気的に接続され、電源出力端子37Aからセンサユニット3に動作電源を供給している。これに対して、本実施形態では、制御電源23の出力端子が、抵抗器26を介して信号出力端子37Bに電気的に接続されており、センサ31の動作電源は信号線L2を介してセンサユニット3に供給される。すなわち、本実施形態の照明装置1では、制御電源23の高圧側の出力端子が信号線L2に電気的に接続されている。
センサユニット3は、図3に示すように、センサ31と、設定部34とを備えている。センサ31は、実施形態1と同様に、焦電素子を用いた赤外線センサであり、信号線L2を介して供給される直流電圧Vccによって動作する。センサ31の出力端子は、トランジスタ32Aのベースに電気的に接続されている。トランジスタ32Aのコレクタは、抵抗器33を介して信号出力端子37Bに電気的に接続され、かつトランジスタ32Bのベースに電気的に接続されている。また、トランジスタ32Aのエミッタは、電源入力端子37C、すなわちグランドに電気的に接続されている。トランジスタ32Bのコレクタは、設定部34の接点341〜344の一端に電気的に接続されている。また、トランジスタ32Bのエミッタは、電源入力端子37C、すなわちグランドに電気的に接続されている。
設定部34は、複数(本実施形態では4つ)の接点341〜344を有し、操作部の操作に応じて各接点341〜344のオン/オフが切り替えられるロータリースイッチである。各接点341〜344の他端は、それぞれ抵抗器351〜354を介して信号出力端子37Bに電気的に接続されている。
ところで、上述の実施形態1では、制御電源23からの直流電圧Vccをセンサ31に印加しているが、本実施形態では、制御電源23からの直流電圧Vccを抵抗器26と抵抗器351〜354とで分圧した電圧をセンサ31に印加している。したがって、抵抗器26と抵抗器351〜354とで分圧した電圧がセンサ31の低電圧ロックアウト(Undervoltage Lockout:UVLO)の閾値(例えば3V)よりも大きくなるように、抵抗器26と抵抗器351〜354との分圧比を設定する必要がある。例えば、抵抗器26の抵抗値をR1、抵抗器351〜354の抵抗値をR2、センサ31に印加される電圧をVapとした場合、Vap=(Vcc×R2)/(R1+R2)>3〔V〕を満たすように、抵抗値R1,R2を設定すればよい。
また、本実施形態の照明装置1では、センサ31が人体を検出していない状態では、例えば接点341がオンであると直流電圧Vccを抵抗器26,351で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力される。同様に、接点342がオンであると直流電圧Vccを抵抗器26,352で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力され、接点343がオンであると直流電圧Vccを抵抗器26,353で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力される。さらに、接点344がオンであると直流電圧Vccを抵抗器26,354で分圧した電圧信号S4が信号線L2に出力される。ここで、上述のように、抵抗器351〜354の抵抗値は互いに異なっているため、信号線L2に出力される電圧信号S4の電圧レベルも接点341〜344で異なっている。したがって、制御部24は、この電圧レベルの高低によってどの設定内容が選択されたかを判別することができる。また、制御部24は、一定時間(例えば、数100ms)継続して同じ電圧レベルの電圧信号S4が入力された場合に、その電圧レベルに応じた設定内容として判別する。
一方、センサ31が人体を検出すると、センサ31からの検知信号S3によってトランジスタ32Aがオンになり、その結果トランジスタ32Bがオフになる。このとき、抵抗器33及びセンサ31に電流が流れるため、信号線L2を介して出力される電圧信号S4の電圧レベルはVccよりも小さくなるが、電圧信号S4の電圧レベルがVccとほぼ等しくなるように、抵抗器33の抵抗値を設定するのがよい。この場合、センサ31が人体を検出すると、設定部34の設定内容に応じたいずれの電圧レベルとも異なる電圧レベル(≒Vcc)の電圧信号S4が信号線L2に出力される。そして、制御部24は、電圧信号S4の電圧レベルがVccであることから、センサ31が人体を検出したと判断する。ここに、本実施形態では、センサ31が人体を検出していないときに信号線L2に出力される電圧信号S4が第2信号であり、センサ31が人体を検出したときに信号線L2に出力される電圧信号S4が第1信号である。また、センサ31が人体を検出したときに信号線L2に出力される電圧信号S4の電圧レベル(本実施形態ではVcc)が第1レベルである。さらに、センサ31が人体を検出した状態が第1状態であり、センサ31が人体を検出していない状態が第2状態である。
次に、本実施形態の照明装置1の動作について図4を参照して具体的に説明する。なお、図4中のI1は、電源ユニット2からLEDユニット4に出力される出力電流を表している。時刻t1のときに商用電源5から給電されると、電源ユニット2及びセンサユニット3が動作を開始する。このとき、センサ31は人体を検出しておらず、センサ31から出力される検知信号S3はローレベル(L)である。そのため、信号線L2に出力される電圧信号S4は、設定部34により設定された設定内容を表す電圧レベルの電圧信号であり、例えば接点341がオンである場合には電圧レベルV1の電圧信号S4が信号線L2に出力される。そして、制御部24は、電圧信号S4の電圧レベルV1に応じた点灯保持時間T1(t2−t1)が経過するまでLEDユニット4が全点灯するように、ドライバ回路211,220に対して全点灯に応じた制御信号S1,S2を出力する。
点灯保持時間T1が経過する時刻t2のときに、制御部24は、LEDユニット4が消灯するように、ドライバ回路211,220に対して消灯に応じた制御信号S1,S2を出力する。このとき、電源ユニット2からの出力電流I1は時間の経過とともに徐々に低下していき、出力電流I1が0になるとLEDユニット4が消灯する。
センサ31は、時刻t3のときに人体を検出すると、制御電源23からの出力電圧Vccよりも低い電圧レベルの検知信号S3を出力する。これにより、トランジスタ32Aはオンになり、トランジスタ32Bはオフになる。その結果、時刻t4のときに、センサ31に印加される電圧が制御電源23の出力電圧Vccまで上昇し、センサ31からの検知信号S3の電圧レベルもVccまで上昇する。このとき、信号線L2に出力される電圧信号S4の電圧レベルもV1からVccまで上昇する。制御部24は、電圧信号S4の電圧レベルがVccであることから、センサ31が人体を検出したと判断し、LEDユニット4が全点灯するように、ドライバ回路211,220に対して全点灯に応じた制御信号S1,S2を出力する。これにより、LEDユニット4が全点灯する。そして、LEDユニット4は、センサ31が人体を検出している間は全点灯し、センサ31が人体を検出しなくなると点灯保持時間T1の経過後、消灯する。
以上説明したように、本実施形態の照明装置1では、電源ユニット2は、第1電源部(昇圧チョッパ回路21及び降圧チョッパ回路22)と、第2電源部(制御電源23)とを有している。第1電源部は、照明負荷(LEDユニット4)への給電を行う。第2電源部は、センサユニット3への直流給電を行う。そして、本実施形態の照明装置1では、第2電源部の高圧側の端子が信号線L2に電気的に接続されている。この構成によれば、第2電源部の高圧側の電源線L1を省略することができ、これにより省配線化によるコストダウンを図ることができる。
なお、本実施形態の照明装置1では、昇圧チョッパ回路21とハイサイド駆動の降圧チョッパ回路22とで第1電源部を構成しているが、第1電源部はこの組み合わせに限らない。例えば、昇圧チョッパ回路とローサイド駆動の降圧チョッパ回路とで第1電源部を構成してもよいし、SEPICコンバータやフライバックコンバータなどで第1電源部を構成してもよい。また、本実施形態の照明装置1では、点灯保持時間T1が経過した後にLEDユニット4を消灯させているが、例えば点灯保持時間T1が経過した後にLEDユニット4を予め設定した調光レベル(例えば50%調光)で点灯させてもよい。
(実施形態3)
以下、実施形態3の照明装置1について図5及び図6を参照して具体的に説明する。本実施形態の照明装置1では、センサユニット3の低圧側の端子とLEDユニット4の低圧側の端子とを電気的に接続している点で実施形態1,2の照明装置1と相違している。なお、それ以外の構成については実施形態1,2の照明装置1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態の照明装置1は、図5に示すように、電源ユニット2と、センサユニット3とを備えている。電源ユニット2は、昇圧チョッパ回路21と、ハイサイド駆動の降圧チョッパ回路22と、制御電源23と、制御部24とを備えている。センサユニット3は、センサ31と、設定部34とを備えている。
ここで、上述の実施形態1の照明装置1では、電源線L3により電源ユニット2の電源出力端子25Gとセンサユニット3の電源入力端子37Cとを電気的に接続することで電源ユニット2とセンサユニット3とのグランドを共用させている。一方、本実施形態の照明装置1では、第1電源部(昇圧チョッパ回路21及び降圧チョッパ回路22)がLEDユニット4に対して直流電力を供給し、かつ第2電源部(制御電源23)がセンサユニット3に対して直流電力を供給する構造となっている。そのため、LEDユニット4の低圧側の端子とセンサユニット3の低圧側の端子とを電気的に接続して両者のグランドを共用させることができる。これにより、第2電源部の低圧側の電源線L3が不要になり、その分コストダウンを図ることができる。なお、照明装置1の動作については実施形態1の照明装置1と同様であり、ここでは説明を省略する。
また、本実施形態の他の照明装置1は、図6に示すように、電源ユニット2と、センサユニット3とを備えている。電源ユニット2は、昇圧チョッパ回路21と、ハイサイド駆動の降圧チョッパ回路22と、制御電源23と、制御部24とを備えている。センサユニット3は、センサ31と、設定部34とを備えている。
ここで、上述の実施形態2の照明装置1では、電源線L3により電源ユニット2の電源出力端子25Gとセンサユニット3の電源入力端子37Cとを電気的に接続することで電源ユニット2とセンサユニット3とのグランドを共用させている。一方、本実施形態の照明装置1では、第1電源部(昇圧チョッパ回路21及び降圧チョッパ回路22)がLEDユニット4に対して直流電力を供給し、かつ第2電源部(制御電源23)がセンサユニット3に対して直流電力を供給する構造となっている。そのため、LEDユニット4の低圧側の端子とセンサユニット3の低圧側の端子とを電気的に接続して両者のグランドを共用させることができる。これにより、第2電源部の低圧側の電源線L3が不要になり、その分コストダウンを図ることができる。また、本実施形態の照明装置1では、制御電源23の高圧側の出力端子を、抵抗器26を介して信号入力端子25Fに電気的に接続している。すなわち、本実施形態の照明装置1では、制御電源23の高圧側の出力端子が信号線L2に電気的に接続されている。これにより、第2電源部の高圧側の電源線L1も不要になり、1本の信号線L2のみで電源ユニット2とセンサユニット3とを電気的に接続することができる。なお、照明装置1の動作については実施形態1の照明装置1と同様であり、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態の照明装置1では、電源ユニット2は、第1電源部(昇圧チョッパ回路21及び降圧チョッパ回路22)と、第2電源部(制御電源23)とを有している。第1電源部は、照明負荷(LEDユニット4)への給電を行う。第2電源部は、センサユニット3への直流給電を行う。第1電源部は、照明負荷に対して直流電力を供給する。そして、本実施形態の照明装置1では、照明負荷の低圧側の端子とセンサユニット3の低圧側の端子とが電気的に接続されている。この構成によれば、第2電源部の低圧側の電源線L3を省略することができ、これにより省配線化によるコストダウンを図ることができる。
なお、本実施形態の照明装置1では、昇圧チョッパ回路21とハイサイド駆動の降圧チョッパ回路22とで第1電源部を構成しているが、第1電源部はこの組み合わせに限らない。例えば、ハイサイド駆動の降圧チョッパ回路やSEPICコンバータで第1電源部を構成してもよい。
(実施形態4)
以下、実施形態4の照明器具10,20について図7及び図8を参照して具体的に説明する。
本実施形態の照明器具10は、図7に示すように、例えば天井面100に直付けされる天井直付け型の照明器具である。この照明器具10は、上述の照明装置1(図7ではセンサユニット3のみ図示)と、器具本体6と、一対のランプソケット7と、直管形の蛍光ランプ8とを備えている。
器具本体6は、例えば板金を曲げ加工することにより上面が開口する長尺の箱状に形成されている。器具本体6の底面における長手方向の両端部には、蛍光ランプ8の両端部にそれぞれ設けられた一対の口金部81が着脱自在に装着される一対のランプソケット7がそれぞれ設けられている。また、器具本体6の底面における長手方向の中央寄りの位置には、センサユニット3が取り付けられている。
また、本実施形態の照明器具20は、図8に示すように、天井材101に設けられた埋込孔を通して天井裏に埋込配設される天井埋め込み型の照明器具である。この照明器具20は、上述の照明装置1(電源ユニット2及びセンサユニット3)と、器具本体9と、複数の取付ばね11とを備えている。
器具本体9は、例えばアルミダイキャストにより円筒状に形成されており、器具本体9の開口端縁には、外向きに突出する鍔部91が全周に亘って一体に形成されている。また、器具本体9の底面(上面)には、複数の放熱フィン92が一体に形成されている。器具本体9の内部には、センサ31の一部(検出部)及び設定部34(ロータリースイッチ)の一部(操作部)を下方に露出させたセンサユニット3が収納されている。また、器具本体9には、電源ユニット2が取り付けられている。
この照明器具20は、器具本体9の鍔部91のみを天井材101より露出させた状態で、鍔部91と複数の取付ばね11との間で天井材101を挟み込むことにより天井裏に埋込配設される。
以上説明したように、本実施形態の照明器具10,20は、上述の照明装置1と、照明装置1を保持する器具本体6,9を備えている。この構成によれば、上述の照明装置1を用いることによって、省配線化によるコストダウンを図った照明器具10,20を提供することができる。
なお、上述の実施形態1〜3の照明装置1では、センサ31として人体を検出する赤外線センサを用いているが、センサとして、例えば室内の明るさに応じた電気信号を出力する明るさセンサを用いてもよい。この場合、室内の明るさが閾値を超えている場合にはLEDユニット4を消灯させ、室内の明るさが閾値以下になるとLEDユニット4を点灯させるようにすればよい。そして、この場合には、室内の明るさが閾値以下である状態が第1状態であり、室内の明るさが閾値を超えている状態が第2状態である。
また、上述の実施形態1〜3の照明装置1では、複数のLED41を備えたLEDユニット4を照明負荷としているが、照明負荷はLEDユニット4に限らず、例えば白熱灯や蛍光灯などであってもよい。さらに、上述の実施形態1〜3の照明装置1では、ロータリースイッチにより設定部34を構成しているが、例えばディップスイッチなどで設定部を構成してもよい。この場合、ディップスイッチによる組み合わせの数だけ点灯保持時間や動作モードなどを設定することができる。
また、上述の実施形態1〜3の照明装置1では、第1電源部が直流給電する場合について説明したが、少なくとも第2電源部がセンサユニット3に対して直流給電するようになっていればよく、第1電源部が照明負荷に対して交流給電するようになっていてもよい。さらに、上述の実施形態4で説明した照明器具10,20は一例であり、上述の照明装置1と、照明装置1を保持する器具本体とを備えていれば、他の構成であってもよい。