以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図10は、本実施の形態に係る貨幣入出金機およびこのような貨幣入出金機に設けられた装着部を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による貨幣入出金機の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣入出金機における棒金硬貨収納ユニットの引出部の構成を示す斜視図である。また、図3は、図2に示す引出部に設けられた収納部および当該収納部に装着されている装着部の構成を示す断面斜視図であり、図4は、図3に示す装着部が収納部に装着される前の状態を示す縦断面図であり、図5は、図3に示す装着部が収納部に装着されているとき状態を示す縦断面図である。また、図6は、図5に示す参照符合Aで示す領域を拡大して示す拡大縦断面図である。また、図7は、図1に示す貨幣入出金機において棒金硬貨収納ユニットの引出部が筐体から引き出される際の構成を概略的に示す側面図である。また、図8は、図1に示す貨幣入出金機における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図9(a)〜図9(c)は、本実施の形態による貨幣入出金機の棒金硬貨収納ユニットに設けられた収納部の様々な構成例を示す上面図であり、図10(a)および図10(b)は、本実施の形態による貨幣入出金機の棒金硬貨収納ユニットに設けられた更に別の収納部の構成例を示す上面図および縦断面図である。
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商業施設の店舗において、顧客が立ち入ることができるフロント領域には様々な商品が陳列された商品棚が設置されているとともに、このフロント領域の精算所には貨幣釣銭機やPOSレジスタが設置されている。顧客がこのような精算所で精算処理を行う際に、店員は、顧客から受け取った商品の代金としての貨幣を貨幣釣銭機に入金したり、釣銭としての貨幣を貨幣釣銭機から出金して顧客に返却したりするようになっている。また、POSレジスタにより、顧客が購入した商品に係る情報や貨幣釣銭機に収納されている貨幣に係る情報等の管理が行われるようになっている。また、このような店舗における顧客の立ち入りが禁止されたバックヤード領域(具体的には、例えば入金室)には、貨幣釣銭機から回収された売上金としての貨幣を入金する出納機等の貨幣入出金機1が設置されている。また、貨幣釣銭機において釣銭としての貨幣が不足する場合には、貨幣入出金機1から釣銭補充金としての貨幣を出金し、この貨幣入出金機1から出金された釣銭補充金としての貨幣を貨幣釣銭機に補充することができるようになっている。
また、警送会社の警備員等により、貨幣入出金機1から、紙幣や硬貨が収納されている回収カセット18、26(後述)が取り出され、これらの回収カセット18、26ごと紙幣や硬貨が貨幣入出金機1から警送会社に回収されるようになっている。また、警送会社の警備員は、貨幣釣銭機で用いられる釣銭準備金としての貨幣を警送会社から店舗に運搬し、この店舗に設けられた金庫に収納させるようになっている。そして、貨幣入出金機1において上記の釣銭準備金としての貨幣が不足した場合には、警送会社の警備員は、金庫から貨幣を取り出して貨幣入出金機1に入金するようになっている。
このような店舗におけるバックヤード領域に設けられた出納機等の貨幣入出金機1の構成の詳細について以下に説明する。
図1に示すように、本実施の形態による貨幣入出金機1は、略直方体形状の筐体2を備えており、この筐体2の内部には、紙幣の入金処理および出金処理を行う紙幣処理ユニット10、硬貨の入金処理および出金処理を行う硬貨処理ユニット20、および棒金硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数(例えば、20枚や50枚)だけ棒状にまとめてフィルムや包装紙等により包装したもの)を収納する棒金硬貨収納ユニット30がそれぞれ収容されている。図1に示すように、紙幣処理ユニット10および硬貨処理ユニット20は貨幣入出金機1を手前側から見て左右に並ぶよう配置されており、これらの紙幣処理ユニット10および硬貨処理ユニット20の下方に棒金硬貨収納ユニット30が配置されている。
図1に示すように、紙幣処理ユニット10は、筐体2の前面側の右側領域に設けられた紙幣受入部12と、筐体2の前面側において紙幣受入部12の下方に設けられた紙幣払出部14とを備えている。また、筐体2の内部には、紙幣を収納するとともに収納されている紙幣を繰出可能な紙幣収納部(図示せず)が複数設けられている。このような紙幣処理ユニット10において紙幣の入金処理が行われる際に、紙幣受入部12に受け入れられた紙幣は当該紙幣受入部12に設けられた繰出機構(図示せず)により筐体2の内部に繰り出され、識別部(図示せず)により識別された後に各紙幣収納部に収納されるようになっている。また、紙幣処理ユニット10において紙幣の出金処理が行われる際に、各紙幣収納部から繰り出された紙幣が紙幣払出部14に送られるようになっており、操作者はこの紙幣払出部14から出金紙幣を筐体2の外部に取り出すことができるようになっている。また、紙幣処理ユニット10は、紙幣収納カセット(図示せず)を装着可能なカセット装着部(図示せず)を備えており、このカセット装着部の前面側には扉16が設けられている。そして、操作者はこの扉16を開くことにより紙幣収納カセットをカセット装着部に装着させたりこのカセット装着部から紙幣収納カセットを取り出したりすることができるようになっている。
また、紙幣処理ユニット10において、筐体2の内部における下部領域には回収カセット18が収容されており、警送会社の警備員等により回収されるべき紙幣が回収カセット18に収納されるようになっている。また、回収カセット18の前面側には扉18aが設けられており、この扉18aを開くことにより回収カセット18を筐体2の内部に収容させたり筐体2の内部から回収カセット18を取り出したりすることができるようになっている。
次に、硬貨処理ユニット20の構成について説明する。図1に示すように、硬貨処理ユニット20は、筐体2の前面側の左側領域に設けられた硬貨受入部22と、筐体2の前面側において硬貨受入部22の下方に設けられた硬貨払出部24と、筐体2の内部で硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な複数の収納繰出部(図示せず)とを備えている。このような硬貨処理ユニット20において硬貨の入金処理が行われる際に、硬貨受入部22に受け入れられた硬貨は当該硬貨受入部22に設けられた繰出機構(図示せず)により筐体2の内部に繰り出され、識別部(図示せず)により識別された後に各硬貨収納部に収納されるようになっている。また、硬貨処理ユニット20において硬貨の出金処理が行われる際に、各硬貨収納部から繰り出された硬貨が硬貨払出部24に送られるようになっており、操作者はこの硬貨払出部24から出金硬貨を筐体2の外部に取り出すことができるようになっている。
また、硬貨処理ユニット20において、筐体2の内部における下部領域には回収カセット26が収容されており、警送会社の警備員等により回収されるべき硬貨が回収カセット26に収納されるようになっている。また、回収カセット26の前面側には扉26aが設けられており、この扉26aを開くことにより回収カセット26を筐体2の内部に収容させたり筐体2の内部から回収カセット26を取り出したりすることができるようになっている。
次に、棒金硬貨収納ユニット30の構成について説明する。図2に示すように、棒金硬貨収納ユニット30は、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が立位状態で金種毎に収納される複数の収納部32(32a〜32f)が設けられた引出部31を有しており、当該引出部31は貨幣入出金機1の筐体2の内部に収容されるとともに筐体2から手前側に引出可能となっている。より詳細には、各収納部32(32a〜32f)は、10本の棒金硬貨を立位状態で収納可能な収納区画を複数(具体的には、2〜4つ)有しており、各収納区画は他の収納区画から区切り部材により区切られている。図2において、各収納部32(32a〜32f)の収納区画に立位状態で収納されている棒金硬貨を参照符合Wで示している。なお、各収納区画に棒金硬貨を立位状態で収納するとは、当該収納区画に棒金硬貨が収納されたときにこの棒金硬貨の長手方向が鉛直方向を向くことを意味している。そして、引出部31を貨幣入出金機1の筐体2の内部から手前側に引き出すことにより、各収納部32(32a〜32f)の収納区画に棒金硬貨を収納したりこれらの収納部32(32a〜32f)に収納されている棒金硬貨を取り出したりすることができるようになっている。また、図8に示すように、棒金硬貨収納ユニット30は、引出部31を筐体2の内部にロックするロック機構50を有しており、引出部31が筐体2の内部にロックされている状態では当該引出部31を筐体2の内部から手前側に引き出すことができないようになっている。また、各収納部32(32a〜32f)に収納されている棒金硬貨の重量を測定するためのロードセル等の重量計52が各収納部32(32a〜32f)に対応して設けられている。このような重量計52により測定される棒金硬貨の重量に基づいて、後述する制御部90において各収納部32(32a〜32f)に収納されている棒金硬貨の本数が算出されるようになっている。
また、本実施の形態では、上述したように、各収納部32(32a〜32f)には、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が金種毎に立位状態で収納されるようになっているが、各収納部32(32a〜32f)は、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨を、その上端縁の高さレベルが所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納されたときの上端縁の高さレベルと略同一となるよう収納可能となっている。具体的には、各収納部32には、図3等に示すような構成の装着部40が着脱自在に装着されるようになっており、少枚数棒金硬貨が収納部32に収納される際に、当該収納部32に装着された装着部40に少枚数棒金硬貨が立位状態で載置されるようになっている。なお、図2では、収納部32eに装着部40が装着されておりこの収納部32eに少枚数棒金硬貨が収納されている例が示されている。また、図2および図3において、収納部32に装着された装着部40に載置されている少枚数棒金硬貨を参照符合W´で示している。なお、収納部32の収納区画に収納される棒金硬貨の本数と、当該収納区画における収納部32に装着された装着部40に載置される少枚数棒金硬貨の本数は同じ(具体的には、両方とも10本)となっている。また、図2および図3に示すように、収納部32に装着部40を装着することにより、この収納部32の底面の高さレベルを嵩上げすることができるため、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルと、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルとを略同一の大きさとすることができるようになる。このことにより、少枚数棒金硬貨を各収納部32に収納した場合でも操作者は当該収納部32から少枚数棒金硬貨を取り出しやすくなる。
装着部40を収納部32に装着する動作の詳細について図4乃至図6を用いて説明する。上述したように、図4は、装着部40が収納部32に装着される前の状態を示す縦断面図であり、図5は、装着部40が収納部32に装着されているとき状態を示す縦断面図である。また、図6は、図5に示す参照符合Aで示す領域を拡大して示す拡大縦断面図である。図4等に示すように、装着部40の両端部の下端部分には係合部分42が設けられており、各収納部32における装着部40の各係合部分42に対応する箇所には当該係合部分42が係合される被係合部分34(具体的には、貫通穴)が設けられている。そして、図4の矢印に示すように装着部40を収納部32の真上の位置から真下に押し込むことにより、装着部40の各係合部分42が収納部32の各被係合部分34に係合される。また、収納部32の各被係合部分34から装着部40の各係合部分42を取り外すことにより、装着部40を収納部32から取り外すことができるようになる。
また、図6に示すように、収納部32には、各被係合部分34に係合された装着部40の各係合部分42を検知するフォトインタラプタ等の装着検知センサ36が設けられており、このような装着検知センサ36により、装着部40が収納部32に装着されているか否かを検知することができるようになっている。
また、本実施の形態による棒金硬貨収納ユニット30は、収納部32に収納されている棒金硬貨の金種を判別する金種判別部38(図8参照)を有している。具体的には、金種判別部38として、筐体2側に設けられたフォトインタラプタ等の上端縁検知センサ38a(図7参照)が用いられるようになっている。図7に示すように、上端縁検知センサ38aは、引出部31が筐体2の内部から引き出されたり当該引出部31が筐体2の内部に収容されたりする際に、収納部32に収納されている棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベル(具体的には、図7において二点鎖線で示す高さレベル)であるか否かを検知するようになっている。また、上述したように、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルが、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルと略同一の大きさとなっているため、一つの上端縁検知センサ38aにより、収納部32に収納されている所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨の上端縁の高さレベル、および装着部40に載置されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルがそれぞれ所定の高さレベルであるか否かを検知することができるようになる。例えば、図7に示す例では、収納部32b、32c、32dにそれぞれ装着部40が装着されているが、所定枚数の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32a、32e、32fに収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルが、少枚数棒金硬貨が収納部32b、32c、32dに装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルと略同一の大きさとなる。
そして、上述したように、各収納部32(32a〜32f)に収納されるべき棒金硬貨の金種が予め各収納部32毎に割り当てられているため、各収納部32に割り当てられた金種とは異なる金種の棒金硬貨が当該収納部32に誤って収納された場合には、上端縁検知センサ38aにより当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルと異なることが検知されることにより、後述する制御部90において収納部32に誤った金種の棒金硬貨が収納されていると判断されるようになる。また、各収納部32に割り当てられた金種とは異なる金種の少枚数棒金硬貨が当該収納部32に装着されている装着部40に誤って載置された場合にも、上端縁検知センサ38aにより当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルと異なることが検知されることにより、後述する制御部90において収納部32に誤った金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると判断されるようになる。なお、図7に示す例では、収納部32bにおける右側の少枚数棒金硬貨の上端縁および収納部32dにおける左側の少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルがそれぞれ所定の高さレベルと異なることが上端縁検知センサ38aにより検知されるようになり、このことによりこれらの少枚数棒金硬貨の金種が収納部32bや収納部32dに収納されるべき少枚数棒金硬貨の金種とは異なっていると制御部90において判断されるようになる。
また、装着部40の重量は、上記の所定枚数(例えば、50枚)から当該装着部40が装着された収納部32に収納される少枚数棒金硬貨を構成する硬貨の枚数(例えば、20枚)を差し引いた枚数分(すなわち、30枚分)の硬貨の重量に、当該収納部32に収納される棒金硬貨の最大収納数(例えば、20本〜40本)を掛けた重量となっている。この場合には、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に満杯状態で収納されたときの当該棒金硬貨の合計重量と、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に満杯状態で載置されたときの当該少枚数棒金硬貨および装着部40の合計重量とが略同一となるため、一つの重量計52により、装着部40が装着されていないような収納部32に収納されている棒金硬貨(すなわち、所定枚数の硬貨から形成される棒金硬貨)の本数および装着部40が装着されている収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の本数をそれぞれ算出することができるようになる。
また、本実施の形態では、少枚数棒金硬貨を構成する複数の種類の硬貨の枚数(例えば、20枚、30枚、40枚等)の各々に対応するよう、高さが互いに異なる複数の種類の装着部40が設けられており、各種類の装着部40がそれぞれ収納部32に着脱自在に装着されるようになっていてもよい。具体的には、各種類の装着部40の高さが互いに異なる場合でも、各種類の装着部40の両端部の下端部分に同一の構成の係合部分42を設けることにより、各種類の装着部40をそれぞれ収納部32に着脱自在に装着させることができるようになる。このことにより、少枚数棒金硬貨を構成する硬貨の枚数が異なる場合でも、収納部32に収納されている所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨の上端縁の高さレベルを、装着部40に載置されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルと略同一の大きさとすることができるようになる。
次に、このような貨幣入出金機1における制御系の構成について図8を用いて説明する。図8に示すように、本実施の形態による貨幣入出金機1の筐体2の内部には制御部90が設けられており、当該制御部90により紙幣処理ユニット10、硬貨処理ユニット20および棒金硬貨収納ユニット30の各々の構成部材が制御されるようになっている。具体的には、棒金硬貨収納ユニット30の重量計52により測定された各収納部32に収納されている棒金硬貨の重量に係る情報や、装着検知センサ36による検知結果に係る情報、および金種判別部38による判別結果に係る情報がそれぞれ制御部90に送られるようになっている。また、制御部90は棒金硬貨収納ユニット30のロック機構50に指令信号を送ることにより当該ロック機構50の制御を行うようになっている。
また、図8に示すように、制御部90には、操作表示部92、記憶部94、通信部96、硬貨枚数特定手段97、第1判断手段98および第2判断手段99がそれぞれ接続されている。操作表示部92は筐体2の上部に設けられたタッチパネル等からなり、操作者が操作するための操作画面や、紙幣処理ユニット10、硬貨処理ユニット20および棒金硬貨収納ユニット30の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報が操作表示部92に表示されるようになっている。また、このような操作表示部92において操作者は操作画面における操作ボタンに指を触れることによって制御部90に様々な指令を入力することができるようになっている。記憶部94には、紙幣処理ユニット10、硬貨処理ユニット20および棒金硬貨収納ユニット30の各々に収納されている貨幣の在高に係る情報や、貨幣入出金機1における貨幣の処理履歴等の様々な情報が記憶されるようになっている。通信部96は上位端末等の外部装置に対して有線または無線により様々な信号の送受信を行うことができるようになっている。
硬貨枚数特定手段97は、装着検知センサ36による検知結果に基づいて、収納部32に収納される棒金硬貨の枚数を特定するようになっている。具体的には、装着部40が収納部32に装着されていないことが装着検知センサ36により検知された場合には、硬貨枚数特定手段97は当該収納部32に収納される棒金硬貨の枚数が所定枚数(例えば、50枚)であることを特定する。一方、装着部40が収納部32に装着されていることが装着検知センサ36により検知された場合には、硬貨枚数特定手段97は当該収納部32に収納される棒金硬貨の枚数が所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)であることを特定する。
第1判断手段98は、重量計52による測定結果に基づいて、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されているか否かを判断するようになっている。上述したように、装着部40の重量は、上記の所定枚数(例えば、50枚)から当該装着部40が装着された収納部32に収納される少枚数棒金硬貨を構成する硬貨の枚数(例えば、20枚)を差し引いた枚数分(すなわち、30枚分)の硬貨の重量に、当該収納部32に収納される棒金硬貨の最大収納数(例えば、20本〜40本)を掛けた重量となっているため、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に満杯状態で収納されたときの当該棒金硬貨の合計重量と、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に満杯状態で載置されたときの当該少枚数棒金硬貨および装着部40の合計重量とが略同一となる。そして、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されている場合には、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されている場合と比較して重量計52による測定結果が異なるようになるため、第1判断手段98は、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると判断することができるようになる。
第2判断手段99は、金種判別部38による判別結果に基づいて、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されているか否かを判断するようになっている。具体的には、第2判断手段99は、装着部40が装着された収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルよりも大きいことが上端縁検知センサ38aにより検知されたときに、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると判断するようになっている。
なお、図8に示す例では制御部90に第1判断手段98および第2判断手段99が接続されるような例が示されているが、本実施の形態による貨幣入出金機1の制御系の構成はこのような例に限定されることはない。本実施の形態による貨幣入出金機1として、上記の第1判断手段98および第2判断手段99のうちいずれか一方のみが設けられるようになっていてもよい。この場合でも、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されているか否かを判断することができるようになる。
次に、このような構成からなる貨幣入出金機1の動作(具体的には、棒金硬貨収納ユニット30に棒金硬貨を収納する動作)について説明する。
棒金硬貨収納ユニット30に棒金硬貨を収納する際に、操作者はまず引出部31を筐体2の内部から手前側に引き出す。そして、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨を棒金硬貨収納ユニット30に収納する場合には、当該棒金硬貨の金種に対応する収納部32にこの棒金硬貨を立位状態で収納する。なお、この際に収納部32に装着部40は装着されない。所定枚数の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されると、重量計52により当該収納部32に収納された棒金硬貨の重量が測定されるため、制御部90は重量計52による測定結果に基づいて収納部32に収納された棒金硬貨の本数を算出することができるようになる。
一方、所定の枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨からなる少枚数棒金硬貨を棒金硬貨収納ユニット30に収納する場合には、まず当該少枚数棒金硬貨の金種に対応する収納部32に装着部40を装着する。具体的には、図4の矢印に示すように装着部40を収納部32の真上の位置から真下に押し込むことにより、装着部40の各係合部分42を収納部32の各被係合部分34に係合させる。装着部40の各係合部分42が収納部32の各被係合部分34に係合すると、収納部32に装着部40が装着されたことが装着検知センサ36により検知される。その後、操作者は収納部32に装着されている装着部40に少枚数棒金硬貨を立位状態で載置する。ここで、収納部32に装着部40を装着することにより、この収納部32の底面の高さレベルを嵩上げすることができるため、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルと、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルとを略同一の大きさとすることができるようになる。このことにより、少枚数棒金硬貨を各収納部32に収納した場合でも操作者は当該収納部32から少枚数棒金硬貨を取り出しやすくなる。また、装着部40に少枚数棒金硬貨が載置されることにより当該少枚数棒金硬貨が収納部32に収納されると、重量計52により当該収納部32に収納された少枚数棒金硬貨の重量が測定されるため、制御部90は重量計52による測定結果に基づいて収納部32に収納された少枚数棒金硬貨の本数を検知することができるようになる。また、第1判断手段98は、重量計52による測定結果に基づいて、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されているか否かを判断するようになる。ここで、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると第1判断手段98により判断された場合には、当該判断結果に係る情報が操作表示部92に表示されるようになる。このことにより、操作者は装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨を誤って収納してしまったことに気づくことができるようになる。
引出部31に設けられた各収納部32に棒金硬貨を収納した後、当該引出部31を筐体2の内部に戻す際に、筐体2側に設けられた上端縁検知センサ38aによって、各収納部32に収納されている棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルであるか否かが検知される。ここで、上述したように、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルが、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルと略同一の大きさとなっているため、一つの上端縁検知センサ38aにより、収納部32に収納されている所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨の上端縁の高さレベル、および装着部40に載置されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルがそれぞれ所定の高さレベルであるか否かを検知することができるようになる。また、各収納部32に収納されるべき棒金硬貨の金種が予め収納部32毎に割り当てられているため、各収納部32に割り当てられた金種とは異なる金種の棒金硬貨が当該収納部32に誤って収納された場合には、上端縁検知センサ38aにより当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルと異なることが検知されるようになる。また、各収納部32に割り当てられた金種とは異なる金種の少枚数棒金硬貨が当該収納部32に装着されている装着部40に誤って載置された場合にも、上端縁検知センサ38aにより当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルと異なることが検知されるようになる。このことにより、第2判断手段99は、装着部40が装着された収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルと異なることが上端縁検知センサ38aにより検知されたときに、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると判断するようになる。また、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると第2判断手段99により判断された場合には、当該判断結果に係る情報が操作表示部92に表示されるようになる。このことにより、操作者は装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨を誤って収納してしまったことに気づくことができるようになる。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣入出金機1(棒金収納装置)によれば、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が立位状態で収納される収納部32は、所定枚数よりも少ない枚数(例えば20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨を、その上端縁の高さレベルが所定枚数の硬貨から形成される棒金硬貨が収納されたときの上端縁の高さレベルと略同一となるよう収納可能となっている。このことにより、所定枚数(例えば、50枚)よりも少ない枚数の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨を収納部32に収納した場合でも当該収納部32から少枚数棒金硬貨を取り出しやすくすることができる。
また、本実施の形態の貨幣入出金機1においては、上述したように、収納部32に着脱自在に装着される装着部40が設けられており、所定枚数よりも少ない枚数の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に収納される際に当該収納部32に装着された装着部40に少枚数棒金硬貨が載置されるようになっている。この場合には、収納部32に装着部40を装着することにより、この収納部32の底面の高さレベルを嵩上げすることができるため、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルと、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルとを略同一の大きさとすることができるようになる。また、この場合には、棒金硬貨収納ユニット30において棒金硬貨を構成する硬貨の枚数等について急な仕様変更があった場合でも、収納部32を改造したり設計変更したりすることなく、装着部40を既存の収納部32に装着するだけで上記の仕様変更に対応することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入出金機1においては、上述したように、収納部32には、棒金硬貨を構成する複数の種類の硬貨の枚数の各々に対応するよう設けられた高さが互いに異なる複数の種類の装着部40が着脱自在に装着されるようになっている。このことにより、少枚数棒金硬貨を構成する硬貨の枚数が異なる場合でも、収納部32に収納されている所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨の上端縁の高さレベルを、装着部40に載置されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルと略同一の大きさとすることができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入出金機1においては、上述したように、装着部40が収納部32に装着されているか否かを検知する装着検知センサ36(装着検知部)が設けられている。また、硬貨枚数特定手段97は、装着検知センサ36による検知結果に基づいて、収納部32に収納される棒金硬貨を構成する硬貨の枚数を特定することができるようになっている。この場合には、装着部40が収納部32に装着されているか否かに基づいて、収納部32に収納される棒金硬貨を構成する硬貨の枚数を自動で特定することができるようになるため、収納部32に収納される棒金硬貨を構成する硬貨の枚数に係る情報を操作者が操作表示部92等により手動で入力する手間を省くことができるようになる。また、装着検知センサ36による検知結果に基づいて、収納部32への装着部40の装着し忘れや装着間違いを防止することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入出金機1においては、上述したように、収納部32には、当該収納部32に収納されている棒金硬貨の重量を測定するための重量計52が設けられており、装着部40の重量は、上記の所定枚数から装着部40が装着された収納部32に収納される少枚数棒金硬貨を構成する硬貨の枚数を差し引いた枚数分の硬貨の重量に、当該収納部32に収納される棒金硬貨の最大収納数を掛けた重量となっている。そして、第1判断手段98は、重量計52による測定結果に基づいて、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されているか否かを判断するようになっている。この場合には、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が誤って収納された場合に操作者はすぐにこのことに気づくことができるようになる。また、この場合には、重量計52において少枚数棒金硬貨専用の閾値に設定変更する必要がなくなるため、設定ミス等のトラブルが発生してしまうことを防止することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣入出金機1においては、上述したように、収納部32に収納されている棒金硬貨の金種を判別する金種判別部38が設けられており、第2判断手段99は、金種判別部38による判別結果に基づいて、装着部40が装着された収納部32に所定の金種の少枚数棒金硬貨が収納されているか否かを判断するようになっている。この場合には、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が誤って収納された場合に操作者はすぐにこのことに気づくことができるようになる。また、この場合には、少枚数棒金硬貨のみを検出するための光学センサ等を新たに設ける必要がなくなるため、装置全体のコストダウンを図ることができるようになる。
より詳細には、金種判別部38は、装着部40が装着された収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルであるか否かを検知する上端縁検知センサ38a(上端縁検知部)を含み、第2判断手段99は、装着部40が装着された収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルと異なることが上端縁検知センサ38aにより検知されたときに、装着部40が装着された収納部32に所定の金種以外の金種の少枚数棒金硬貨が収納されていると判断するようになっている。
なお、本実施の形態の貨幣入出金機1においては、金種判別部38は上記の構成の上端縁検知センサ38aに限定されることはない。金種判別部38として、装着部40が装着された収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルであるか否かを検知する上端縁検知センサが筐体2側ではなく各収納部32に設けられていてもよい。この際に、上端縁検知センサ自体が各収納部32において例えば水平方向に移動するようになっていてもよい。この場合には、引出部31を筐体2の内部から引き出したり当該引出部31を筐体2の内部に戻したりしなくても、装着部40が装着された収納部32に収納されている少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルが所定の高さレベルであるか否かを検知することができるようになる。また、金種判別部38として、装着部40が装着された収納部32に収納されている棒金硬貨の上面または下面を撮像するラインセンサや撮像カメラ等の撮像部が用いられるようになっていてもよい。この場合には、金種判別部38は、撮像部により撮像された棒金硬貨の上面または下面の画像に基づいて当該棒金硬貨の金種を判別するようになる。なお、このような撮像部は引出部31に設けられていてもよく、あるいは筐体2側に設けられていてもよい。撮像部が筐体2側に設けられる場合には、引出部31を筐体2の内部から引き出したり当該引出部31を筐体2の内部に戻したりする際に収納部32に収納されている棒金硬貨の上面または下面が撮像部により撮像されるようになる。また、撮像部が引出部31に設けられる場合に、撮像部自体が各収納部32において水平方向に移動するようになっていてもよい。また、棒金硬貨の下面を撮像部により撮像する場合には、収納部32や装着部40は透明または半透明の材料から形成されるようになる。また、金種判別部38として撮像カメラを用いる場合には、収納部32に装着部40を装着することにより、この収納部32の底面の高さレベルを嵩上げすることができるため、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納部32に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルと、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が収納部32に装着されている装着部40に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルとを略同一の大きさとすることができ、よって少枚数棒金硬貨の上面を撮像カメラにより撮像する際にピントと合わせ直す必要がなくなるため、撮像カメラにより取得される少枚数棒金硬貨の上面の画像を鮮明なものとすることができる。このことにより、金種判別部38において少枚数棒金硬貨の金種が誤検知されてしまうことを防止することができるようになる。
なお、本実施の形態による貨幣入出金機1は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、図2に示すような棒金硬貨収納ユニット30における収納部32の各収納区画の構成は図9(a)に示すように10本の棒金硬貨を立位状態で収納可能な八角形形状のものとなっているが、本実施の形態では収納区画の構成は図9(a)に示すような形状のものに限定されることはない。収納部32の収納区画の他の例として、図9(b)に示すような、5本の棒金硬貨を立位状態で収納可能な台形形状の収納区画32pや、図9(c)に示すような、3本の棒金硬貨を立位状態で収納可能な三角形形状の収納区画32qが用いられてもよい。また、収納部32の収納区画として、図9(a)〜図9(c)に示す形状以外の形状のものが用いられてもよい。
また、本実施の形態では、棒金硬貨収納ユニット30における収納部32の各収納区画の構成として、図10(a)(b)に示すような、各々の棒金硬貨の下端部分が収容される複数の円柱形状の凹部32rが設けられたものが用いられてもよい。なお、図10(a)は、更に別の収納部32の収納区画の構成例を示す上面図であり、図10(b)は、図10に示す収納区画の縦断面図である。図10(a)に示すように、収納部32の各収納区画には、当該収納区画に収納される棒金硬貨の本数と同じ数だけの凹部32rが設けられており、各凹部32rに棒金硬貨の下端部分が収容されるようになっている。また、各凹部32rの底面には突起32sが設けられており、棒金硬貨の端面におけるフィルムや包装紙等によりかしめられていない部分にこの突起32sが入るようになっている。このような突起32sが設けられていることにより、棒金硬貨を立位状態で安定的に凹部32rに収容させることができるようになる。棒金硬貨収納ユニット30における収納部32の各収納区画の構成が図10(a)(b)に示すようなものとなっている場合にも、本実施の形態による装着部40を当該収納部32に装着させることができるようになっている。
また、本実施の形態では、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が立位状態で収納される収納部において、所定枚数よりも少ない枚数の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨を、その上端縁の高さレベルが所定枚数の硬貨から形成される棒金硬貨が収納されたときの上端縁の高さレベルと略同一となるよう収納可能とするにあたり、上述したような、収納部に着脱自在に装着される装着部を設けるような態様に限定されることはない。他の態様として、収納部は、底面の高さレベルが互いに異なる複数の種類のものから構成されていてもよい。具体的には、収納部は複数の収納区画を有しており、ある収納区画は、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が立位状態で収納されるよう、その底面の高さレベルが低くなっており、別の収納区画は、所定枚数よりも少ない枚数の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が立位状態で収納されるよう、その底面の高さレベルが高くなっていてもよい。この場合にも、所定枚数よりも少ない枚数の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨を、その上端縁の高さレベルが所定枚数の硬貨から形成される棒金硬貨が収納されたときの上端縁の高さレベルと略同一となるよう収納部に収納させることができるようになる。
また、上述したような本発明の様々な原理(発明特定事項)を、図1に示すような貨幣入出金機1に適用することに限定されることはなく、図11に示すような貨幣管理装置101にも適用することもできる。図11に示す貨幣管理装置101は例えば銀行等の金融機関において例えば現金バスとして設置されるようになっている。このような貨幣管理装置101は、略直方体形状の筐体102と、筐体102の内部にそれぞれ収容されるとともに筐体102からそれぞれ手前側に引出可能となっている第1紙幣収納ドロア110、第2紙幣収納ドロア120、第1硬貨収納ドロア130、第2硬貨収納ドロア140および予備収納ドロア150とを備えている。
第1紙幣収納ドロア110は例えば4つの紙幣保管容器を有しており、各紙幣保管容器には帯封紙等により帯封された帯封紙幣が金種毎に収納されるようになっている。同様に、第2紙幣収納ドロア120も例えば4つの紙幣保管容器を有しており、各紙幣保管容器には帯封紙等により帯封された帯封紙幣が金種毎に収納されるようになっている。また、第1硬貨収納ドロア130は例えば3つの硬貨保管容器を有しており、各硬貨保管容器には棒金硬貨が金種毎に立位状態で収納されるようになっている。同様に、第2硬貨収納ドロア140は例えば3つの硬貨保管容器を有しており、各硬貨保管容器には棒金硬貨が金種毎に立位状態で収納されるようになっている。また、予備収納ドロア150には現金以外の小切手等の有価証券類が収納されるようになっている。
また、貨幣管理装置101は、貨幣管理装置101の各構成部材を制御する制御部(図示せず)と、操作者とのインターフェースとしての表示部192と、制御部に各種の指示を与えるキーボード式操作部194と、操作者が所持するIDカードの内容を読み取るカードリーダ196とを備えている。図11に示すように、これらの表示部192、キーボード式操作部194およびカードリーダ196は、筐体102の上面における手前側部分に配置されている。
第1硬貨収納ドロア130および第2硬貨収納ドロア140のうち第2硬貨収納ドロア140の構成の詳細を、図12を用いて説明する。なお、第1硬貨収納ドロア130の構成も、図12に示すような第2硬貨収納ドロア140の構成と略同一となっている。
上述したように、第2硬貨収納ドロア140は例えば3つの硬貨保管容器142(142a〜142c)を有しており、各硬貨保管容器142(142a〜142c)には、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が金種毎に立位状態で収納されるようになっている。より詳細には、各硬貨保管容器142(142a〜142c)は、10本の棒金硬貨を立位状態で収納可能な収納区画を複数(具体的には、7つまたは10つ)有している。図12において、各硬貨保管容器142(142a〜142c)の収納区画に立位状態で収納されている棒金硬貨を参照符合Wで示している。そして、第2硬貨収納ドロア140を貨幣管理装置101の筐体102の内部から手前側に引き出すことにより、各硬貨保管容器142(142a〜142c)の収納区画に棒金硬貨を収納したりこれらの硬貨保管容器142(142a〜142c)に収納されている棒金硬貨を取り出したりすることができるようになっている。また、図11に示すような貨幣管理装置101において、第2硬貨収納ドロア140を筐体102の内部にロックするロック機構(図示せず)が設けられており、第2硬貨収納ドロア140が筐体102の内部にロックされている状態では当該第2硬貨収納ドロア140を筐体102の内部から手前側に引き出すことができないようになっている。また、図11に示すような貨幣管理装置101において、各硬貨保管容器142(142a〜142c)の収納区画に収納されている棒金硬貨の重量を測定するロードセル等の重量計(図示せず)が設けられている。このような重量計により測定される棒金硬貨の重量に基づいて、制御部において各硬貨保管容器142(142a〜142c)に収納されている棒金硬貨の本数が算出されるようになっている。
また、上述したように、図12に示すような第2硬貨収納ドロア140では、各硬貨保管容器142(142a〜142c)には、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が金種毎に立位状態で収納されるようになっているが、各硬貨保管容器142(142a〜142c)は、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨を、その上端縁の高さレベルが所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が収納されたときの上端縁の高さレベルと略同一となるよう収納可能となっている。具体的には、各硬貨保管容器142には、図3等に示すような装着部40と同様の構成の装着部(図示せず)が着脱自在に装着されるようになっており、少枚数棒金硬貨が硬貨保管容器142に収納される際に、当該硬貨保管容器142に装着された装着部に少枚数棒金硬貨が立位状態で載置されるようになっている。なお、硬貨保管容器142の収納区画に収納される棒金硬貨の本数と、当該収納区画における硬貨保管容器142に装着された装着部に載置される少枚数棒金硬貨の本数は同じ(具体的には、両方とも10本)となっている。また、硬貨保管容器142に装着部を装着することにより、この硬貨保管容器142の底面の高さレベルを嵩上げすることができるため、所定枚数(例えば、50枚)の硬貨から形成される棒金硬貨が硬貨保管容器142に収納されたときの当該棒金硬貨の上端縁の高さレベルと、所定枚数よりも少ない枚数(例えば、20枚)の硬貨から形成される少枚数棒金硬貨が硬貨保管容器142に装着されている装着部に載置されたときの当該少枚数棒金硬貨の上端縁の高さレベルとを略同一の大きさとすることができるようになる。このことにより、少枚数棒金硬貨を各硬貨保管容器142に収納した場合でも操作者は当該硬貨保管容器142から少枚数棒金硬貨を取り出しやすくなる。
また、図11に示すような貨幣管理装置101に、図1に示すような貨幣入出金機1に適用される上述した本発明の様々な原理(発明特定事項)、すなわち特許請求の範囲の各請求項に記載される技術的事項を適用することができるようになっている。