JP2017091051A - 自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置および自動釣銭入出金機 - Google Patents

自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置および自動釣銭入出金機 Download PDF

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Abstract

【課題】部品点数の削減、小型化およびコストダウンを図りながら複数種類の硬貨の釣銭切れ対策を講じることが可能な自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置および自動釣銭入出金機を提供する。【解決手段】2種類の硬貨を個別に収納可能な硬貨収納ボックス10と、前記2種の硬貨を選択的に前記硬貨収納ボックス内から外部に排出する硬貨排出機構20とを備え、前記硬貨収納ボックスは、前記2種類の硬貨を個別に収納する第1室1Aa、1Ba、1Ca、および第2室1Ab、1Bb、1Cbを有し、前記硬貨排出機構は、外部のモータMが正回転した回転駆動力によって前記第1室または第2室内の最下部の硬貨を外部へ排出し、前記モータが逆正回転した回転駆動力によって前記第2室または第1室内の最下部の硬貨を外部へ排出する。【選択図】図1

Description

本発明は自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置およびそれを備えた自動釣銭入出金機に関する。
自動販売機、自動券売機、セルフ式ガソリンスタンドやスーパーマーケット等に設置された自動精算機などには自動釣銭入出金機が内蔵されており、この自動釣銭入出金機には硬貨を金種別に収納する複数の硬貨収納部を有する硬貨収納出金装置が備えられている(例えば特許文献1および2参照)。
例えば、1円、5円、10円、50円、100円および500円硬貨を個別に収納することができる硬貨収納出金装置には6つの硬貨収納部が設けられており、特許文献1では、1円および5円硬貨を除く4種類の硬貨を金種別に収納する場合が例示されている。
硬貨収納出金装置において、複数の硬貨収納部は、収納する硬貨の金種に応じた内径を有する円筒形にそれぞれ形成され、複数枚の硬貨を平積みした状態で収納するよう構成されている。また、各硬貨収納部には、それらの下部から硬貨を1枚ずつ排出する硬貨排出機構が設けられている。
さらに、硬貨収納出金装置には、通常、複数の硬貨収納部のうち少なくとも1つが満杯となった時点の硬貨を収納する不特定硬貨収納部が設けられている。
このような自動釣銭入出金機は、投入口に投入された硬貨の金種を識別し、硬貨収納出金装置の金種に応じた硬貨収納部へ硬貨を搬送して収納し、釣銭が必要な場合は釣銭に応じた硬貨収納部から硬貨を1枚ずつ排出して硬貨払出口へ送るように構成されている。
特開平5−54231号公報 特許第5000600号公報
硬貨収納出金装置内に収納された複数種類の硬貨のうち、釣銭として使用される頻度(枚数)が比較的高い硬貨は特定の金種に限られる。例えば、1円、5円、10円、50円、100円および500円硬貨のうち、釣銭として比較的使用頻度が高い硬貨は1円、10円および100円である。
しかしながら、従来の硬貨収納出金装置において、6つの硬貨収納部に収納できる硬貨の枚数はいずれも同程度である。そのため、6つの硬貨収納部のうち、1円、10円および100円硬貨を収納する硬貨収納部は、5円、50円および500硬貨を収納する硬貨収納部に比べて釣銭切れを起こす可能性が高い。
特許文献1の場合、釣銭として使用される頻度が最も高い硬貨を収納する1つの予備硬貨収納部(例えば、10円硬貨用の予備硬貨収納部)が設けられているが、2番目に使用頻度が高い予備硬貨収納部(例えば、100円硬貨用の予備硬貨収納部)は設けられていない。つまり、特許文献1の硬貨収納出金装置では、2番目および3番目に使用頻度が高い硬貨の釣銭切れ対策がなされていない。
2番目および3番目に使用頻度が高い硬貨の釣銭切れ対策としては、それらの硬貨を個別に収納する予備硬貨収納部を増設することが考えられる。しかしそうした場合、予備硬貨収納部の部品点数および予備硬貨収納部から硬貨を1枚ずつ排出する硬貨排出機構(駆動モータを含む)の部品点数が増加しかつ硬貨収納出金装置全体が大型化するという問題、自動釣銭入出金機における硬貨収納出金装置の設置スペースが拡大して全体が大型化するという問題が生じ、製造コストの増加にも繋がる。
しかも、従来の自動釣銭入出金機は、硬貨収納出金装置の金種毎の各硬貨排出機構に対応するモータを有しているため、部品点数の低減、低コスト化および小型化されることが望ましい。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、部品点数の削減、小型化およびコストダウンを図りながら複数種類の硬貨の釣銭切れ対策を講じることが可能な自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置および自動釣銭入出金機を提供することを目的とする。
かくして、本発明によれば、2種類の硬貨を個別に収納可能な硬貨収納ボックスと、前記2種の硬貨を選択的に前記硬貨収納ボックス内から外部に排出する硬貨排出機構とを備え、
前記硬貨収納ボックスは、前記2種類の硬貨を個別に収納する第1室および第2室を有し、
前記第1室は、1種類の硬貨を前記第1室内に導入するための第1導入口と、前記第1室内の硬貨を外部に排出するための第1排出口とを有し、
前記第2室は、他の1種類の硬貨を前記第2室内に導入するための第2導入口と、前記第2室内の硬貨を外部に排出するための第2排出口とを有し、
前記硬貨排出機構は、外部のモータが正回転した回転駆動力によって前記第1室または第2室内の最下部の硬貨を前記第1排出口または第2排出口から外部へ排出し、前記モータが逆正回転した回転駆動力によって前記第2室または第1室内の最下部の硬貨を前記第2排出口または第1排出口から外部へ排出するように構成された自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置が提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記硬貨収納出金装置を少なくとも1つ備えると共に、硬貨投入口と、この硬貨投入口に投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別部と、金種を識別された硬貨を前記硬貨収納出金装置に搬送する搬送通路を有する硬貨搬送部と、前記硬貨収納出金装置に対応するモータと、前記硬貨収納出金装置内の硬貨を釣銭として払い出す硬貨払出口と、前記硬貨識別部、前記硬貨搬送部および前記硬貨収納出金装置と接続される制御部とを備え、
前記硬貨搬送部は、前記硬貨収納出金装置の第1室または第2室へ硬貨が搬送されるように前記搬送通路を切り換える搬送通路切換機構を有し、
前記制御部は、前記硬貨識別部からの硬貨識別信号を受信し、硬貨識別信号に応じて前記硬貨収納出金装置の第1室または第2室へ硬貨を搬送する搬送指令信号を前記搬送通路切換機構へ送信し、また、釣銭が必要となったときに前記硬貨収納出金装置に対応する前記モータへ正回転および/または逆回転を指令する回転指令信号を送信するように構成された自動釣銭入出金機が提供される。
本発明の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置によれば、正逆回転可能な1個のモータによって2種類の硬貨を個別に収納可能な硬貨収納ボックスから選択的に1種類の硬貨を排出することができるため、従来の硬貨収納出金装置と比べてモータ数を半分程度に低減することができる。
この結果、本発明は硬貨収納出金装置の部品点数の削減、コンパクト化および低コスト化を実現することができる。
さらに、金種順に硬貨収納ボックスを並べることが出来るため、サービスパーソンが容易に特定金種の収納ボックスを同定することが可能である。
本発明の自動釣銭入出金機の実施形態1を示すブロック図である。 実施形態1の自動釣銭入出金機を示す斜視図である。 実施形態1の自動釣銭入出金機から複数の硬貨収納出金装置を取り外した状態を示す斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置の上方から視た斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置の平面図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置を壁部の一部を取り外した状態で下方から視た斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における硬貨収納ボックスを構成する壁部の一部を取り外した状態を示す斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における硬貨収納ボックスを構成する別の壁部を取り外した状態を示す斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における第1回転板を下方から視た斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における第2ギアを下方から視た斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における第5ギアを有する第2回転板を上方から視た斜視図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における第1室内の硬貨排出を示す第1説明図である。 図12(A)に続く第2説明図である。 図12(B)に続く第3説明図である。 図13(A)に続く第4説明図である。 実施形態1の硬貨収納出金装置における第2室内の硬貨排出を示す第1説明図である。 図14(A)に続く第2説明図である。
本発明の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置は、2種類の硬貨を個別に収納可能な硬貨収納ボックスと、前記2種の硬貨を選択的に前記硬貨収納ボックス内から外部に排出する硬貨排出機構とを備え、
前記硬貨収納ボックスは、前記2種類の硬貨を個別に収納する第1室および第2室を有し、
前記第1室は、1種類の硬貨を前記第1室内に導入するための第1導入口と、前記第1室内の硬貨を外部に排出するための第1排出口とを有し、
前記第2室は、他の1種類の硬貨を前記第2室内に導入するための第2導入口と、前記第2室内の硬貨を外部に排出するための第2排出口とを有し、
前記硬貨排出機構は、外部のモータが正回転した回転駆動力によって前記第1室または第2室内の最下部の硬貨を前記第1排出口または第2排出口から外部へ排出し、前記モータが逆正回転した回転駆動力によって前記第2室または第1室内の最下部の硬貨を前記第2排出口または第1排出口から外部へ排出するように構成されている。
本発明の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置は、次のように構成されてもよい。
(1)前記硬貨排出機構は、前記モータの回転駆動力によって一方向に回転しながら前記第1室内の最下部の硬貨を移動させる第1回転板と、前記モータにて一方向に回転しながら前記第2室内の最下部の硬貨を移動させる第2回転板と、前記モータの正逆回転する力を前記第1および第2回転板に伝達する回転力伝達部と、前記第1室の底部に設けられた第1凸部と、前記第2回転板に設けられた第2凸部とを有し、
前記第1回転板が一方向に回転したときに前記第1凸部にて硬貨1枚ずつの前記第1排出口からの排出が許容されかつ他方向に回転したときに前記第1排出口からの硬貨の排出が阻止され、前記第2回転板が一方向に回転したときに前記第2凸部にて硬貨1枚ずつの前記第2排出口からの排出が許容されかつ他方向に回転したときに前記第2排出口からの硬貨の排出が阻止されるように構成されてもよい。
このようにすれば、簡素な構造でありながら確実に1個のモータの正逆回転運動を利用して第1室と第2室から選択的に硬貨を外部へ排出できる硬貨排出機構を部品点数の削減、コンパクト化および低コスト化を実現しつつ、得ることができる。
(2)前記第1室の容積が前記第2室の容積よりも大きくてもよい。
このようにすれば、容積が大きい方の第1室に釣銭として使用頻度の高い硬貨を収納し、容積が小さい方の第2室に釣銭として使用頻度の低い硬貨を収納することができる。これにより、硬貨収納部の全容積内で釣銭使用頻度の高い硬貨の収納枚数を釣銭使用頻度の低い硬貨の収納枚数よりも多くすることができ、硬貨収納部全体の容積を増加させることなく釣銭使用頻度の高い硬貨の釣銭切れを抑制することができる。
(3)前記第2室は、特定の硬貨を平積みした状態で収納可能な円筒形に形成されていてもよい。
このようにすれば、容積が小さい方の第2室に釣銭使用頻度の低い硬貨を最大限多く収納することができる。
(4)前記第1室は1円、10円または100円硬貨収納用であり、前記第2室は5円、50円または500円硬貨収納用であってもよい。
このようにすれば、容積が大きい方の第1室に釣銭として使用頻度の高い1円、10円または100円硬貨を収納し、容積が小さい方の第2室に釣銭として使用頻度の低い5円、50円または500円硬貨を収納することができる。
(5)前記回転力伝達部は、前記モータにて正逆回転する第1ギアと、前記第1ギアと噛合して回転力を前記第1回転板に第1連結軸を介して伝達する第2ギアと、前記第2ギアと噛合する第3ギアと、前記第3ギアと第2連結軸を介して連結する第4ギアと、回転力を前記第2回転板に伝達するように前記第2回転板の外周部に設けられて前記第4ギアと噛合する第5ギアと、前記第2ギアと前記第1連結軸との間に設けられた第1クラッチ部と、前記第2回転軸と前記第4ギアとの間に設けられた第2クラッチ部とを有し、
前記第1クラッチ部は、前記第2ギアの前記一方向の回転力を前記第1回転板に伝達すると共に、前記第2ギアの前記他方向の回転を前記第1回転板に対して空転可能に構成され、
前記第2クラッチ部は、前記第2連結軸の前記一方向の回転力を前記第4ギアに伝達すると共に、前記第2連結軸の前記他方向の回転を前記第4ギアに対して空転可能に構成されていてもよい。
このようにすれば、モータに過剰な負荷をかけることなく、第1回転板の回転中に第2回転板を停止させること、および、第2回転板の回転中に第1回転板を停止させることができる。
また、本発明の自動釣銭入出金機は、前記硬貨収納出金装置を少なくとも1つ備えると共に、硬貨投入口と、この硬貨投入口に投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別部と、金種を識別された硬貨を前記硬貨収納出金装置に搬送する搬送通路を有する硬貨搬送部と、前記硬貨収納出金装置に対応するモータと、前記硬貨収納出金装置内の硬貨を釣銭として払い出す硬貨払出口と、前記硬貨識別部、前記硬貨搬送部および前記硬貨収納出金装置と接続される制御部とを備え、
前記硬貨搬送部は、前記硬貨収納出金装置の第1室または第2室へ硬貨が搬送されるように前記搬送通路を切り換える搬送通路切換機構を有し、
前記制御部は、前記硬貨識別部からの硬貨識別信号を受信し、硬貨識別信号に応じて前記硬貨収納出金装置の第1室または第2室へ硬貨を搬送する搬送指令信号を前記搬送通路切換機構へ送信し、また、釣銭が必要となったときに前記硬貨収納出金装置に対応する前記モータへ正回転および/または逆回転を指令する回転指令信号を送信するように構成されている。
本発明の自動釣銭入出金機は、次のように構成されてもよい。
(I)前記硬貨収納出金装置が3つ備えられ、
第1硬貨収納出金装置において、第1室に1円硬貨が収納され、第2室に5円、50円および500円のうちのいずれか1種の硬貨が収納され、
第2硬貨収納出金装置において、第1室に10円硬貨が収納され、第2室に5円、50円および500円硬貨のうち前記第1硬貨収納出金装置の第2室に収納された硬貨を除く2種類の硬貨のいずれか1種が収納され、
第3硬貨収納出金装置において、第1室に100円硬貨が収納され、第2室に5円、50円および500円硬貨のうち前記第1および第2硬貨収納出金装置の第2室に収納された硬貨を除く1種類の硬貨が収納されてもよい。
このようにすれば、1円、5円、10円、50円、100円および500円硬貨を収納でき、かつ釣銭使用頻度の比較的高い1円、10円および100円硬貨の収納枚数を釣銭使用頻度の比較的低い5円、50円および500円硬貨の収納枚数よりも多くすることができる自動釣銭入出金機が得られる。
さらに、金種順に硬貨収納ボックスを並べることが出来るため、サービスパーソンが容易に特定金種の収納ボックスを同定することが可能である。
(II)前記制御部が、前記硬貨識別部にて金種を識別された硬貨の枚数を計数して合計金額を算出し、かつ外部からの商品代金信号を受信し、前記合計金額と前記商品代金信号に含まれる金額とを比較して釣銭が必要であるか否かを判断し、釣銭が必要な場合に釣銭に応じた硬貨収納出金装置に応じた前記モータへ正回転および/または逆回転の指令信号を送信するように構成されてもよい。
このようにすれば、コンパクトでありながら1円単位からの釣銭を払い出すことができる硬貨収納出金装置を備えた自動釣銭入出金機が得られる。
以下、図面を参照しながら本発明の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置および自動釣銭入出金機の実施形態について詳説する。
(実施形態1)
図1は本発明の自動釣銭入出金機の実施形態1を示すブロック図であり、図2は実施形態1の自動釣銭入出金機を示す斜視図であり、図3は実施形態1の自動釣銭入出金機から複数の硬貨収納出金装置を取り外した状態を示す斜視図である。
<自動釣銭入出金機の全体構成について>
本発明の実施形態1の自動釣銭入出金機100は、ボックス形の3つの硬貨収納出金装置1(1A、1B、1C)を備えると共に、硬貨投入口101と、この硬貨投入口101に投入された硬貨(貨幣)Kの金種を識別する硬貨識別部102と、金種を識別された硬貨Kをいずれかの硬貨収納出金装置1に搬送する搬送通路103aを有する硬貨搬送部103と、各硬貨収納出金装置1に対応するモータMと、硬貨収納出金装置1内の硬貨Kを釣銭として払い出す硬貨払出口104と、硬貨識別部102、硬貨搬送部103および硬貨収納出金装置1と電気的に接続される制御部105とを備える。
詳しく説明すると、この自動釣銭入出金機100は、1円および5円硬貨を個別に収納する硬貨収納出金装置1Aと、10円および50円硬貨を個別に収納する硬貨収納出金装置1Bと、100円および500円硬貨を個別に収納する硬貨収納出金装置1Cとを備え、さらに、各硬貨収納出金装置1がオーバーフローする硬貨Kを収納する予備硬貨収納ボックス2を備えている。
自動釣銭入出金機100の筐体100aは直方体形であり、筐体100aの短辺方向に配置された平行な広い二側面のうちの一側面には、自動釣銭入出金機100内に設けられた収容スペースSに3つの硬貨収納出金装置1を着脱可能に装着するための開口部100bが形成されている。そして、その収容スペースSには、各硬貨収納出金装置1に対応する3つのモータMおよび3つの駆動ギアGが設けられており、各モータMの出力は各駆動ギアGを介して各硬貨収納出金装置1の後述する回転力伝達部23に伝達されて硬貨の払い出しが行われる。
硬貨収納出金装置1は、釣銭使用頻度の高い硬貨(1円、10円または100円硬貨)を収納する容積が大きい第1室と、釣銭使用頻度が低い硬貨(5円、50円または500円硬貨)を収納する容積が小さい第2室とを有する。
実施形態1の場合、硬貨収納出金装置1Aの第1室1Aaと第2室1Abには1円硬貨と5円硬貨が収納され、硬貨収納出金装置1Bの第1室1Baと第2室1Bbには10円硬貨と50円硬貨が収納され、硬貨収納出金装置1Cの第1室1Caと第2室1Cbには100円硬貨と500円硬貨が収納される。
なお、1つの硬貨収納出金装置1内に収納する使用頻度の高い硬貨と低い硬貨の組み合わせは自由であり、例えば、1円硬貨と50円または500円硬貨の組み合わせ、10円硬貨と5円または500円硬貨の組み合わせ、100円硬貨と5円または50円硬貨の組み合わせであってもよい。
また、図示省略するが、この自動釣銭入出金機100は、複数種類の紙幣(例えば、千円、五千円および一万円札)を種類別に収納出金可能な紙幣収納出金装置と、紙幣導入口と、この紙幣導入口に導入された紙幣の金種を識別する紙幣識別部と、金種を識別された紙幣を紙幣収納出金装置に搬送する搬送通路を有する紙幣搬送部と、紙幣収納出金装置内の紙幣を釣銭として払い出す紙幣払出口とを備えてもよい。この場合、制御部105は、紙幣識別部、紙幣搬送部および紙幣収納出金装置とも電気的に接続される。
硬貨識別部102は、従来公知の方法、例えば硬貨の大きさ(厚みを含む)、重量、材質等から金種を識別し、硬貨識別信号を制御部105へ送信する。また、紙幣識別部は、従来公知の方法、例えば紙幣の印刷パターン(透かしを含む)、印刷インクの材質、縦横寸法等から金種を識別し、紙幣識別信号を制御部105へ送信する。
硬貨搬送部103は、搬送通路103a上に設けられた図示しない硬貨移動機構と、所定の硬貨収納出金装置1の後述する第1室1Aaまたは第2室1Abへ硬貨が搬送されるように搬送通路103aを切り換える複数の搬送通路切換機構103bを有している。
硬貨移動機構は、搬送通路103a上に設けられたゴム製のエンドレスベルトと、エンドレスベルトを張架しかつ回転させる複数のプーリーおよびモータ等を備えてなり、搬送通路103a上に寝た硬貨の平坦面にエンドレスベルトが接触しながら搬送方向(矢印A方向)へ移動することにより、硬貨を搬送通路103a上で滑らせて搬送するよう構成されている。
搬送通路切換機構103bは、ソレノイド103b1と、ソレノイド103b1によって所定の硬貨収納出金装置1へ通じる搬送通路103aに設けられた連通穴を開閉するシャッター103b2とを有してなる。
制御部105は、硬貨識別部102からの硬貨識別信号を受信し、硬貨識別信号に応じて所定の硬貨収納出金装置1の第1室または第2室へ硬貨を搬送する搬送指令信号を搬送通路切換機構103aへ送信するように構成されている。
例えば、制御部105は、硬貨識別部102からの1円硬貨の硬貨識別信号を受信すると、硬貨収納出金装置1Aの第1室1Aaへ硬貨を搬送する搬送指令信号を搬送通路切換機構103aのソレノイド103b1へ送信する。これにより、硬貨収納出金装置1Aの第1室1Aaに対応するソレノイド103b1が作動してシャッター103b2を開くため、搬送通路103a上を移動する1円硬貨が硬貨収納出金装置1Aの第1室1Aaに落下して収納される。
なお、自動釣銭入出金機100には、各硬貨収納出金装置1に収納される硬貨を金種毎にカウントする図示しないセンサが設けられており、制御部105はこれらのセンサからの出力信号に基づいてオーバーフローする硬貨を金種毎に判断して予備硬貨収納ボックス2へ搬送するよう硬貨搬送部103の後述する搬送通路切換機構103bの動作を制御する。
また、制御部105は、釣銭が必要となったときに所定の硬貨収納出金装置1の後述するモータMへ正回転および/または逆回転を指令する回転指令信号を送信するように構成されている。この際、制御部105は、硬貨識別部102にて金種を識別された硬貨の枚数を計数して合計金額を算出し、かつ外部からの商品代金信号を受信し、合計金額と商品代金信号に含まれる金額とを比較して釣銭が必要であるか否かを判断し、釣銭が必要な場合に釣銭に応じた硬貨収納出金装置1のモータMへ正回転および/または逆回転の指令信号を送信する。
<硬貨収納出金装置について>
図4は実施形態1の硬貨収納出金装置の上方から視た斜視図であり、図5は実施形態1の硬貨収納出金装置の平面図であり、図6は実施形態1の硬貨収納出金装置を壁部の一部を取り外した状態で下方から視た斜視図である。また、図7は実施形態1の硬貨収納出金装置における硬貨収納ボックスを構成する壁部の一部を取り外した状態を示す斜視図であり、図8は実施形態1の硬貨収納出金装置における硬貨収納ボックスを構成する別の壁部を取り外した状態を示す斜視図である。
自動釣銭入出金機100に備えられた3つの硬貨収納出金装置1(1A、1B、1C)はそれぞれ同じ基本構造を有するものであるため、以下では1円および5円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Aを代表的に取り上げて説明する。
硬貨収納出金装置1Aは、2種類の硬貨(この場合、1円および5円硬貨)を個別に収納可能な硬貨収納ボックス10と、2種の硬貨を選択的に硬貨収納ボックス10内から外部に排出する硬貨排出機構20とを備える。
[硬貨収納ボックス]
硬貨収納ボックス10は、2種類の硬貨を個別に収納する前記第1室1Aaおよび第2室1Abを有し、第1室1Aaの容積は第2室1Abの容積よりも大きく設定されている。
第1室1Aaは、1種類の硬貨(この場合、1円硬貨)を第1室1Aa内に導入するための広い第1導入口11aと、第1室1Aa内の硬貨を外部に排出するために底部に設けられた第1排出口11bと、第1導入口11aの一部に設けられたスロープ部11cとを有する。
また、第1室1Aaの底部は、後述する第1回転板21が嵌め込まれる円形凹部11dと、円形凹部11dの周囲に設けられた凹曲面部11eとを有し、円形凹部11dにおける凹曲面部11eと隣接する段差部11d1の一部を切り欠いて第1排出口11bが形成されている(図7参照)。
この第1室1Aaには、硬貨(1円硬貨)が約250枚程度ランダムに収納される。この際、自動釣銭入出金機100の硬貨搬送部103から落下する硬貨をスロープ部11cにて受けて第1回転板21上に滑り落とすようにしている。
第2室1Abは、他の1種類の硬貨(この場合、5円硬貨)を第2室1Ab内に導入するための第2導入口12aと、第2室1Ab内の硬貨を外部に排出するための第2排出口12bとを有し、全体的には収納される硬貨の直径よりも僅かに大きい内径を有する円筒形に形成されている。
第2室1Abは、その第2導入口12aが第1室1Aaのスロープ部11cと隣接するように配置されている。
この第2室1Abには、硬貨(5円硬貨)が約50枚程度1枚ずつ積み重なった状態(平積み)で収納される。
[硬貨排出機構]
硬貨排出機構20は、正逆回転可能な外部のモータMの回転駆動力によって一方向に回転しながら第1室1Aa内の最下部の硬貨を移動させる第1回転板21と、モータMにて一方向に回転しながら第2室1Ab内の最下部の硬貨を移動させる第2回転板22と、モータMの正逆回転する力を第1および第2回転板21、22に伝達する回転力伝達部23と、第1室1Aaの底部の円形凹部11dに設けられた2個の円柱形の第1凸部24a、24bと、第2回転板22に設けられた1個の円柱形の第2凸部25(図11参照)とを有する。
図9は実施形態1の硬貨収納出金装置における第1回転板を下方から視た斜視図である。
図5および図7〜図9に示すように、第1回転板21は、後述する第1連結軸23b(図6参照)を挿通させ連結させる平行な対向面を有する中心孔21aと、中止孔21aの周囲に等間隔で設けられた4つの硬貨嵌め込み孔21bと、4つの硬貨嵌め込み孔21bを構成する各円環状リブの間に設けられた下方に突出する4つの内側突起リブ21cと、第1回転板21の外周部を構成する外周リブに等間隔で設けられた下方に突出する4つの外側突起リブ21dとを有する。また、第1回転板21の上面側には、各硬貨嵌め込み孔21bに沿って三日月形の凹曲面部21eが形成されると共に、前記中心孔21aの周囲にかつ各硬貨嵌め込み孔21bの外周の一部に沿って内側環状リブ21fが形成されている。
図5に示すように、内側突起リブ21cは、第1回転板21が一方向(矢印B方向)に回転したときに硬貨嵌め込み孔21b内に嵌り込んだ硬貨を押す幅の狭い第1当接面部21c1と、第1回転板21が他方向(矢印C方向)に回転したときに硬貨嵌め込み孔21b内に嵌り込んだ硬貨を押す幅の広い第2当接面部21c2とを有する。
また、4つの外側突起リブ21dは、4つの内側突起リブ21cの外側近傍に配置されている。これにより、第1回転板21の外周部と隣接する各硬貨嵌め込み孔21bの部分には外側突起リブ21dが配置されておらず、硬貨嵌め込み孔21bから隣接する2つの外側突起リブ21dの間を通って硬貨が排出されるようになっている。これについて詳しくは後述する。
なお、前記凹曲面部21eが各硬貨嵌め込み孔21bの他方向(矢印C方向)への回転方向側に配置されることにより、第1回転板21が一方向(矢印B方向)に回転したときに硬貨嵌め込み孔21b内に硬貨が嵌り込み易くなる。また、第1連結軸23bの先端にL形の撹拌棒26(図8参照)がネジ止めされていることにより、第1回転板21が回転することによって撹拌棒26も回転して第1室1Aa内の硬貨を撹拌するため、立った状態の硬貨が横に寝かせられ、かつ硬貨嵌め込み孔21b内に硬貨が嵌り込みやすくなる。
図8に示すように、回転力伝達部23は、前記駆動ギアGを介してモータMにて正逆回転する第1ギア23aと、第1ギア23aと噛合して回転力を第1回転板21に第1連結軸23bを介して伝達する第2ギア23cと、第2ギア23cと噛合する第3ギア23dと、第3ギア23dと第2連結軸23eを介して連結する第4ギア23fと、回転力を第2回転板22に伝達するように第2回転板22の外周部に設けられて第4ギア23fと噛合する第5ギア23gと、第2ギア23cと第1連結軸23bとの間に設けられた第1クラッチ部23hと、第2回転軸23eと第4ギア23fとの間に設けられた第2クラッチ部23iとを有する。
図10は実施形態1の硬貨収納出金装置における第2ギアを下方から視た斜視図である。
図6と図10に示すように、第2ギア23cは下方に開口する凹部23c1を有し、その凹部23c1の中心を第1連結軸23bが貫通している。また、凹部23c1には第2ギア23cと第1連結軸23bとを連結する第1クラッチ部23hが設けられている。
この第1クラッチ部23hとしては、第2ギア23cの一方向(矢印B方向)の回転力を第1回転板21に伝達すると共に、第2ギア23cの他方向(矢印C方向)の回転を第1回転板21に対して空転可能に構成されたものが採用される。
第1クラッチ部23hは、第1連結軸23bの下端を挿通させる挿通孔を有する連結具23h1と、第1連結軸23bの下端に設けられた雄ネジに螺合して連結具23h1を第1連結軸23bに固定するナット部材23h2と、ネジ23h3にて連結具23h1に取り付けられた金属板からなる摺接部材23h4と、第2ギア23cの凹部23c1の内周面の1箇所に設けられた凸凹凸からなる凹凸部23h5とを有する。さらに、摺接部材23h4の先端には、凹部23c1の内周面に圧接するU形部23h41が設けられている。なお、通常の状態では、摺接部材23h4のU形部23h41は凹凸部23h5の凹部に嵌り込んでいる。
この第1クラッチ部23hは、第2ギア23cの一方向(矢印B方向)と他方向(矢印C方向)の回転力を第1連結軸23bに伝達するが、所定以上の負荷がかかると凹凸部23h5の凸部が摺接部材23h4のU形部23h41を乗り越えて移動する。これにより、第2ギア23cが第1連結軸23bに対して空転する。
なお、第1クラッチ部23hとしてはこの構成に限らず、第2ギア23cが他方向(矢印C方向)には空転するが一方向(矢印B方向)には空転しないワンウェイクラッチを用いてもよい。
図11は実施形態1の硬貨収納出金装置における第5ギアを有する第2回転板を上方から視た斜視図である。
図6と図11に示すように、第2回転板22は、軸22bを挿通させる中心孔22aを有する円形の平板であり、その上面における外周部寄りには1個の前記第2凸部25が設けられている。
また、第2回転板22の外周部には前記第5ギア23gが設けられている。
第2ギア23cと噛合する第3ギア23dと、第5ギア23gと噛合する第4ギア23fとは、第2連結軸23eにて連結されているが、第2連結軸23eと第4ギア23fとの間には第2クラッチ部23iとしてのワンウェイクラッチが設けられている。
この第2クラッチ部23iは、第3ギア23dと第2連結軸23eの一方向(矢印D方向)の回転は第4ギア23fに対して空転することはなく、第3ギア23dと第2連結軸23eの他方向(矢印E方向)の回転は第4ギア23fに対して空転可能に構成されている。
[硬貨収納出金装置の硬貨排出機構の動作について]
図12(A)は実施形態1の硬貨収納出金装置における第1室内の硬貨排出を示す第1説明図であり、図12(B)は図12(A)に続く第2説明図であり、図13(A)は図12(B)に続く第3説明図であり、図13(B)は図13(A)に続く第4説明図である。また、図14(A)は実施形態1の硬貨収納出金装置における第2室内の硬貨排出を示す第1説明図であり、図14(B)は図14(A)に続く第2説明図である。
まず、硬貨収納出金装置1Aの第1室1Aa内に収納された1円硬貨K1を払い出しする場合を説明し、その後、硬貨収納出金装置1Aの第2室1Ab内に収納された5円硬貨K5を払い出しする場合を説明する。この際、1円硬貨K1の払い出し時に回転する第1回転板21、第2回転板22、モータMおよび各ギアの回転方向を「正回転方向」とし、5円硬貨K1の払い出し時に回転する第1回転板21、第2回転板22および各ギアの回転方向を「逆回転方向」とする。
図1と図5と図6と図12(A)に示すように、硬貨収納出金装置1Aの第1室1Aa内に収納された1円硬貨K1を払い出しする場合、この硬貨収納出金装置1Aに対応するモータMが正回転方向に回転することにより駆動ギアG(図3参照)が回転し、駆動ギアGに噛合する回転力伝達部23の第1ギア23aが回転する。これにより、第1連結軸23b、第2ギア23cおよび第1回転板21が正回転方向(矢印B方向)に回転する。すると、第1回転板21の硬貨嵌め込み孔21b内に嵌め込まれている1円硬貨K1が回転中心P1を中心として矢印B方向に移動する。このとき、内側突起リブ21cの第1当接面部21c1が矢印B方向に1円硬貨K1を押している。
またこれと同時に、第2ギア23cと噛合する第3ギア23dと第2連結軸23eと第4ギア23fが回転し、第4ギア23fと噛合する第5ギア23gおよび第2回転板22が回転中心P2を中心として正回転方向(矢印B方向)に回転する。
その後、図1と図5と図6と図12(B)に示すように、矢印B方向に移動する1円硬貨K1は内側の第1凸部24aに衝突する。このとき、1円硬貨K1の前方の内側突起リブ21cは、一対の第1凸部24a、24bに衝突することなくそれらの間を通過する。
また、第2回転板22上の第2凸部25が矢印B方向に回転することによって第2室1Ab内の最下部の5円硬貨K5を押す。なお、第2室1Abの下部には、第2排出口12bのみから5円硬貨K5を排出し、かつ第2凸部25の移動は規制しないようにする包囲壁13a、13bが設けられている。そのため、第2凸部25に矢印B方向に押された5円硬貨K5は第2室1Abから出ることはない。
図1と図5と図6と図13(A)と図13(B)に示すように、内側突起リブ21cの第1当接面部21c1によって矢印B方向に押されて第1凸部24aに衝突した1円硬貨K1は、外側の第1凸部24bの方へ移動する。さらに、1円硬貨K1は、内側突起リブ21cの第1当接面部21c1によって矢印B方向に押され続けるため、第1排出口11bの方へ移動して硬貨払出口104へ排出される。このとき、1円硬貨K1に対する第1凸部24a、24bおよび内側突起リブ21cの第1当接面部21c1の接触がそれぞれ厚み方向の線接触であることと、第1当接面部21c1の1円硬貨K1に対する押圧が1円硬貨K1を第1排出口11b側へ(矢印F方向へ)弾き出し易い方向に作用していることによって、1円硬貨K1はスムーズに第1排出口11bの方へ移動する。なお、硬貨収納ボックス10における第1排出口11bの近傍(正回転方向の上流側)には、弾き出た1円硬貨K1の移動方向をガイドするガイド部材14が設けられている。
一方、図6と図13(A)と図13(B)に示すように、1円硬貨K1が排出される間、5円硬貨K5は包囲壁13a、13bによって矢印B方向の移動を規制されているため、第2凸部25の矢印B方向の移動も規制される。したがって、第2回転板22、第5ギア23bおよび第4ギア23fは回転しないが、ワンウェイクラッチからなる第2クラッチ部23iによって第2連結軸23eおよび第3ギア23dは第4ギア23fに対して空転する。
次に、硬貨収納出金装置1Aの第2室1Ab内に収納された5円硬貨K5を払い出しする場合を説明する。
図1と図5と図6と図14(A)に示すように、硬貨収納出金装置1Aの第2室1Ab内に収納された5円硬貨K5を払い出しする場合、この硬貨収納出金装置1Aに対応するモータMが逆回転方向に回転することにより駆動ギアG(図3参照)が回転し、駆動ギアGに噛合する回転力伝達部23の第1ギア23aが回転する。これにより、第1連結軸23b、第2ギア23cおよび第1回転板21が逆回転方向(矢印C方向)に回転する。
これと同時に、第2ギア23cと噛合する第3ギア23d、第2連結軸23eおよび第4ギア23fが回転し、第4ギア23fと噛合する第5ギア23gおよび第2回転板22が逆回転方向(矢印C方向)に逆回転する。
第2回転板22が矢印C方向に回転することによって第2凸部25も同じ方向に回転する。そして、図1と図14(B)に示すように、第2室1Abに接近した第2凸部25は、包囲壁13a、13bの間の狭い開口部13cを通って最下部の5円硬貨K5を矢印C方向に押して第2排出口12bから硬貨払出口104へ排出する。
一方、図6と図14(A)と図14(B)に示すように、5円硬貨K5が排出される間、1円硬貨K1は第1回転板21の内側突起リブ21cの幅の広い第2当接面部21c2によって矢印C方向に押され、内側の第1凸部24aに衝突する。これにより、5円硬貨K5および第1回転板21は矢印C方向の移動を規制される。したがって、第1回転板21、第1連結軸23bおよび第1クラッチ部23hは回転しないが、第1クラッチ部23hの摺接部材23h4のU形部23h41を第2ギア23cの凹部23c1の凹凸部23h5が乗り越えるため、第2ギア23cは第1連結軸23bおよび第1回転板21に対して空転する。
このように、硬貨排出機構20は、第1回転板21が一方向(矢印B方向)に回転したときに第1凸部24a、24bにて1円硬貨K1の1枚ずつの第1排出口11bからの排出が許容されかつ他方向(矢印C方向)に回転したときに第1排出口11bからの1円硬貨K1の排出が阻止されるように構成されると共に、第2回転板22が一方向(矢印C方向)に回転したときに第2凸部25にて5円硬貨K5の1枚ずつの第2排出口12bからの排出が許容されかつ他方向(矢印B方向)に回転したときに第2排出口12bからの5円硬貨K5の排出が阻止されるように構成されている。
このように動作する回転力伝達部23の各ギアのギア比は、第1回転板21と第2回転板22の回転数が同じになるように設定してもよいが、異なるように設定してもよい。また、第1および第2排出口11b、12bから排出される硬貨の枚数をカウントして出力信号を制御部に送信するセンサを設け、必要な釣銭が確実に硬貨払出口104に排出されるよう制御部105にてモータMの回転を制御するようにしてもよい。
なお、実施形態1では1円および5円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Aの動作について説明したが、10円および50円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Bおよび100円および500円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Cの動作も同様である。
(実施形態2)
硬貨収納出金装置1において、第1回転板21の硬貨嵌め込み孔21bの数は特に限定されず、3個以下であってもよく、5個以上であってもよい。
(実施形態3)
硬貨収納出金装置1において、第2凸部25の数は特に限定されず、2個以上であってもよい。この場合、回転中心P2に対して周方向に等間隔で複数個の第2凸部25を配置する。
(実施形態4)
実施形態1では、モータが回転すると第1および第2回転板21、22の両方が回転するように構成された硬貨排出機構20を例示したが、硬貨を排出する方の回転板のみが排出方向に回転し、かつ硬貨を排出しない方の回転板は静止するように硬貨排出機構を構成してもよい。
(実施形態5)
自動釣銭入出金機に備えられる硬貨収納出金装置の数は自由であり2つ以下でもよい。例えば、1円と5円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Aを省略し、10円と50円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Bおよび100円と500円硬貨を収納する硬貨収納出金装置1Cのみを自動釣銭入出金機に備えるようにしてもよい。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1Aa、1Ba、1Ca:第1室 1Ab、1Bb、1Cb:第2室
10:硬貨収納ボックス 11a:第1導入口 11b:第1排出口
12a:第2導入口 12b:第2排出口 20:硬貨排出機構 21:第1回転板
22 第2回転板 23:回転力伝達部 23a:第1ギア 23b:第1連結軸
23c:第2ギア 23d:第3ギア 23e:第2連結軸 23f:第4ギア
23g:第5ギア 23h:第1クラッチ部 23i:第2クラッチ部
24a、24b:第1凸部 25:第2凸部 101:硬貨投入口
102:硬貨識別部 103:硬貨搬送部 103a:搬送通路
103b 搬送通路切換機構 104:硬貨払出口 105:制御部 K:硬貨
M モータ

Claims (9)

  1. 2種類の硬貨を個別に収納可能な硬貨収納ボックスと、前記2種の硬貨を選択的に前記硬貨収納ボックス内から外部に排出する硬貨排出機構とを備え、
    前記硬貨収納ボックスは、前記2種類の硬貨を個別に収納する第1室および第2室を有し、
    前記第1室は、1種類の硬貨を前記第1室内に導入するための第1導入口と、前記第1室内の硬貨を外部に排出するための第1排出口とを有し、
    前記第2室は、他の1種類の硬貨を前記第2室内に導入するための第2導入口と、前記第2室内の硬貨を外部に排出するための第2排出口とを有し、
    前記硬貨排出機構は、外部のモータが正回転した回転駆動力によって前記第1室または第2室内の最下部の硬貨を前記第1排出口または第2排出口から外部へ排出し、前記モータが逆正回転した回転駆動力によって前記第2室または第1室内の最下部の硬貨を前記第2排出口または第1排出口から外部へ排出するように構成されたことを特徴とする自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置。
  2. 前記硬貨排出機構は、前記モータの回転駆動力によって一方向に回転しながら前記第1室内の最下部の硬貨を移動させる第1回転板と、前記モータにて一方向に回転しながら前記第2室内の最下部の硬貨を移動させる第2回転板と、前記モータの正逆回転する力を前記第1および第2回転板に伝達する回転力伝達部と、前記第1室の底部に設けられた第1凸部と、前記第2回転板に設けられた第2凸部とを有し、
    前記第1回転板が一方向に回転したときに前記第1凸部にて硬貨1枚ずつの前記第1排出口からの排出が許容されかつ他方向に回転したときに前記第1排出口からの硬貨の排出が阻止され、前記第2回転板が一方向に回転したときに前記第2凸部にて硬貨1枚ずつの前記第2排出口からの排出が許容されかつ他方向に回転したときに前記第2排出口からの硬貨の排出が阻止されるように構成された請求項1に記載の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置。
  3. 前記第1室の容積が前記第2室の容積よりも大きい請求項2に記載の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置。
  4. 前記第2室は、特定の硬貨を平積みした状態で収納可能な円筒形に形成されている請求項3に記載の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置。
  5. 前記第1室は1円、10円または100円硬貨収納用であり、前記第2室は5円、50円または500円硬貨収納用である請求項4に記載の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置。
  6. 前記回転力伝達部は、前記モータにて正逆回転する第1ギアと、前記第1ギアと噛合して回転力を前記第1回転板に第1連結軸を介して伝達する第2ギアと、前記第2ギアと噛合する第3ギアと、前記第3ギアと第2連結軸を介して連結する第4ギアと、回転力を前記第2回転板に伝達するように前記第2回転板の外周部に設けられて前記第4ギアと噛合する第5ギアと、前記第2ギアと前記第1連結軸との間に設けられた第1クラッチ部と、前記第2回転軸と前記第4ギアとの間に設けられた第2クラッチ部とを有し、
    前記第1クラッチ部は、前記第2ギアの前記一方向の回転力を前記第1回転板に伝達すると共に、前記第2ギアの前記他方向の回転を前記第1回転板に対して空転可能に構成され、
    前記第2クラッチ部は、前記第2連結軸の前記一方向の回転力を前記第4ギアに伝達すると共に、前記第2連結軸の前記他方向の回転を前記第4ギアに対して空転可能に構成されている請求項2〜5のいずれか1つに記載の自動釣銭入出金機用の硬貨収納出金装置。
  7. 請求項1に記載の硬貨収納出金装置を少なくとも1つ備えると共に、硬貨投入口と、この硬貨投入口に投入された硬貨の金種を識別する硬貨識別部と、金種を識別された硬貨を前記硬貨収納出金装置に搬送する搬送通路を有する硬貨搬送部と、前記硬貨収納出金装置に対応するモータと、前記硬貨収納出金装置内の硬貨を釣銭として払い出す硬貨払出口と、前記硬貨識別部、前記硬貨搬送部および前記硬貨収納出金装置と接続される制御部とを備え、
    前記硬貨搬送部は、前記硬貨収納出金装置の第1室または第2室へ硬貨が搬送されるように前記搬送通路を切り換える搬送通路切換機構を有し、
    前記制御部は、前記硬貨識別部からの硬貨識別信号を受信し、硬貨識別信号に応じて前記硬貨収納出金装置の第1室または第2室へ硬貨を搬送する搬送指令信号を前記搬送通路切換機構へ送信し、また、釣銭が必要となったときに前記硬貨収納出金装置に対応する前記モータへ正回転および/または逆回転を指令する回転指令信号を送信するように構成された自動釣銭入出金機。
  8. 前記硬貨収納出金装置が3つ備えられ、
    第1硬貨収納出金装置において、第1室に1円硬貨が収納され、第2室に5円、50円および500円のうちのいずれか1種の硬貨が収納され、
    第2硬貨収納出金装置において、第1室に10円硬貨が収納され、第2室に5円、50円および500円硬貨のうち前記第1硬貨収納出金装置の第2室に収納された硬貨を除く2種類の硬貨のいずれか1種が収納され、
    第3硬貨収納出金装置において、第1室に100円硬貨が収納され、第2室に5円、50円および500円硬貨のうち前記第1および第2硬貨収納出金装置の第2室に収納された硬貨を除く1種類の硬貨が収納される請求項7に記載の自動釣銭入出金機。
  9. 前記制御部が、前記硬貨識別部にて金種を識別された硬貨の枚数を計数して合計金額を算出し、かつ外部からの商品代金信号を受信し、前記合計金額と前記商品代金信号に含まれる金額とを比較して釣銭が必要であるか否かを判断し、釣銭が必要な場合に釣銭に応じた硬貨収納出金装置に対応する前記モータへ正回転および/または逆回転の指令信号を送信するように構成された請求項7または8に記載の自動釣銭入出金機。
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