JP2017090538A - 光アイソレータ及びレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光源の破損を低減させ得る光アイソレータを提供する。【解決手段】 本発明の一実施形態の光アイソレータ1は、複屈折結晶でなるビームディスプレーサ6と、楔型複屈折結晶でなり、光路上に配置される一対の偏光子のうち順方向の光路の入射側に配置される入射側偏光子2と楔型複屈折結晶でなり、光路上に配置される一対の偏光子のうち順方向の光路の出射側に配置される出射側偏光子3と、入射側偏光子2と出射側偏光子3との間に配置されるファラデー結晶4及び水晶旋光子5と、を備える。ビームディスプレーサ6は、入射側偏光子2よりも順方向の光路の入射側に設けられる。【選択図】 図1

Description

本発明は、光アイソレータ及びレーザ装置に関し、加工対象物に対してレーザを用いる場合などに好適なものである。
レーザ装置には、加工対象物で反射した光が戻り光として再び入射することがある。この戻り光によってレーザ装置が破壊されることを防止するため、光アイソレータが用いられる場合がある。光アイソレータは、光が順方向に進む場合と逆方向に進む場合とで光の損失が大きく異なる光デバイスである。
このような光アイソレータとして下記特許文献1の光アイソレータが提案されている。下記特許文献1の光アイソレータでは、光路上に一対の楔型複屈折結晶板が設けられ、当該一対の楔型複屈折結晶板の間の光路上にファラデー素子が設けられている。
また、一対の楔型複屈折結晶板のうち順方向の光路の出射側に設けられる楔型複屈折結晶板の後方には、当該楔型複屈折結晶板を通過した常光と異常光とを一つにするため水晶製半波長板とYVO4結晶が順次設けられている。
特開2015−18090号公報
ところで、上記特許文献1の光アイソレータでは、一対の楔型複屈折結晶板における非傾斜光透過面に対し光入出射面が非平行となる断面平行四辺形状を有する常磁性体によりファラデー素子が構成されている。また、光路中心軸を基準にして各楔型複屈折結晶板の直角部とファラデー素子の鈍角部が同じ側に配置されている。このため、上記特許文献1の光アイソレータでは、楔型複屈折結晶板を通過して光路中心軸から離れる方向へ向かって進行するレーザ光がファラデー素子に入射される際に屈折し、当該光路中心軸側へ戻る方向へ向け進行する。この結果、断面長方形状を有する従来のファラデー素子を適用した場合と較べてファラデー素子の径を小さくできることが記載されている。
しかしながら、上記特許文献1の光アイソレータでは、順方向の光路から出射した光の一部が戻り光として順方向の光路を伝搬し、当該順方向の光路上に光を入射させる光源に至ることが懸念される。したがって、順方向の光路から戻り光をより一段と離すことが可能となる光アイソレータが要望されている。
そこで、本発明は、順方向の光路から戻り光をより一段と離し得る光アイソレータ及びレーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の光アイソレータは、複屈折結晶でなるビームディスプレーサと、楔型複屈折結晶でなり、光路上に配置される一対の偏光子のうち順方向の光路の入射側に配置される入射側偏光子と、楔型複屈折結晶でなり、前記光路上に配置される一対の偏光子のうち順方向の光路の出射側に配置される出射側偏光子と、前記入射側偏光子と前記出射側偏光子との間に配置されるファラデー結晶及び旋光子と、を備え、前記ビームディスプレーサは、前記入射側偏光子よりも前記順方向の光路の入射側に配置されることを特徴とするものである。
また、本発明のレーザ装置は、上述の光アイソレータと、当該光アイソレータに対して順方向の光路の入射側から光を入射させるレーザ出射部と、を備えることを特徴とする。
上記光アイソレータでは、出射側偏光子から出射した光が出射側偏光子に戻る場合、その戻り光は出射側偏光子で常光及び異常光に分離し、当該常光及び異常光は順方向の光路と同じ光路に沿って旋光子及びファラデー結晶を介して入射側偏光子に入射する。
本発明の光アイソレータでは、入射側偏光子は楔型複屈折結晶でなり、その入射側偏光子よりも順方向の光路の入射側にビームディスプレーサが設けられている。このため本発明の光アイソレータは、入射側偏光子からビームディスプレーサに入射する戻り光の常光及び異常光の入射点を順方向の光路よりも外側に位置させることができる。また、ビームディスプレーサにおいて戻り光の常光と異常光とが離れて進行するような入射角で戻り光の常光と異常光とを入射側偏光子からビームディスプレーサに入射させることができる。
したがって、本発明の光アイソレータ及びそれを用いたレーザ装置によれば、ビームディスプレーサにおいて戻り光の常光と異常光とを互いに離れる方向に進行させて出射させることができる。こうして、順方向の光路から戻り光をより一段と離し得る光アイソレータ及びレーザ装置が提供される。
また、前記ビームディスプレーサの偏光軸と前記入射側偏光子の偏光軸との方向が直交する関係にあり、前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の楔頂角側となり、前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む異常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の非楔頂角側となるように、前記ビームディスプレーサの光学軸が設定されることが好ましい。
このようにした場合、ビームディスプレーサの偏光軸と入射側偏光子の偏光軸との方向が一致する関係にある場合に比べて、順方向の光路側から入射する入射光に対して戻り光の常光と異常光とをより一段と離すことができる。
また、前記ビームディスプレーサの偏光軸と前記入射側偏光子の偏光軸との方向が一致する関係にあり、前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の非楔頂角側となり、前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む異常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の楔頂角側となるように、前記ビームディスプレーサの光学軸が設定されることが好ましい。
このようにした場合、ビームディスプレーサの偏光軸と入射側偏光子の偏光軸との方向が直交する関係にある場合に比べて、順方向の光路において入射側偏光子に入射する入射光の光路と、その入射光が出射側偏光子から出射する出射光の光路とのずれ幅を小さくすることができる。このため、例えば、光アイソレータの入射側に配置されるコリメーターや、光アイソレータの出射側に配置されるビームエキスパンダー、あるいは、インライン型光アイソレータとして使用する場合には入出射側に配置されるコリメーターなどの光学素子を配置し易くできる。
以上のように、本発明によれば、順方向の光路から戻り光をより一段と離し得る光アイソレータ及びレーザ装置が提供される。
第1実施形態の光アイソレータにおける光学素子の配置を示す図である。 第1実施形態の光アイソレータにおいて順方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 第1実施形態の光アイソレータにおいて逆方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 第2実施形態の光アイソレータにおける光学素子の配置を示す図である。 第2実施形態の光アイソレータにおいて順方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 第2実施形態の光アイソレータにおいて逆方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 レーザ装置の構成の一例を示す図である。 比較例1の光アイソレータにおいて順方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 比較例1の光アイソレータにおいて逆方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 比較例2の光アイソレータにおいて順方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 比較例2の光アイソレータにおいて逆方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。 実施例及び比較例における常光と異常光の分離距離を示すグラフである。 実施例及び比較例における入射光と出射光のずれ幅を示すグラフである。
(1)第1実施形態の光アイソレータ
まず、第1実施形態の光アイソレータについて図面を用いながら詳細に説明する。図1は、第1実施形態の光アイソレータにおける光学素子の配置を示す図である。図1に示すように、本実施形態の光アイソレータ1は、入射側偏光子2、出射側偏光子3、ファラデー結晶4、水晶旋光子5及びビームディスプレーサ6を主な構成要素として備える。
入射側偏光子2は、順方向の光路の入射側に設けられる偏光子であり、楔型複屈折結晶でなる。楔型複屈折結晶は、複屈折結晶をウェッジ状に加工したものであり、一方の面が他方の面に対して傾斜する傾斜面とされており、対向するそれぞれの面の間隔が狭くなる側が楔頂角側とされ、それぞれの面の間隔が広くなる側が非楔頂角側とされる。従って、楔頂角は鋭角となる。本実施形態では、入射側偏光子2の傾斜面は順方向の光路の入射側に向けられる。また、入射側偏光子2の偏光軸PA1は、楔頂角側と非楔頂角側とを結ぶ方向に垂直とされる。つまり、偏光軸PA1は、入射側偏光子2の厚みが変わらぬ方向に平行とされる。また、入射側偏光子2の光学軸OA1は、常光と異常光はスネルの法則に従い屈折する角度に設定され、順方向の光路に沿ってビームディスプレーサ6に入射する入射光に対し概ね垂直で偏光軸PA1の方向に対して概ね直交するよう設定される。なお、本実施形態では、入射側偏光子2の楔頂角側が所定の設置面に設置され、入射側偏光子2の偏光軸PA1は、当該設置面に対し水平方向の偏光が常光となり、当該設置面に対し垂直方向の偏光が異常光となるよう設定される。
出射側偏光子3は、順方向の光路の出射側に設けられる偏光子であり、入射側偏光子2における楔型複屈折結晶と同じ楔型複屈折結晶でなる。本実施形態では、出射側偏光子3の傾斜面は順方向の光路の出射側に向けられており、当該出射側偏光子3の上下左右が入射側偏光子2の上下左右と逆になっている。また、出射側偏光子3の偏光軸PA3は、楔頂角側と非楔頂角側とを結ぶ方向に平行とされる。つまり、偏光軸PA3は、出射側偏光子3の厚みが変わらぬ方向に垂直とされる。従って、出射側偏光子3の偏光軸PA3は、上記設置面に対し垂直方向の偏光が常光となり、当該設置面に対し水平方向の偏光が異常光となるよう設定される。また、出射側偏光子3の光学軸OA3は、常光と異常光はスネルの法則に従い屈折する角度に設定され、入射側偏光子2の光学軸OA1と同じ方向に設定される。
入射側偏光子2及び出射側偏光子3における楔型複屈折結晶を構成する材料としては、イットリウム・オルトバナデート(YVO4)、カルサイト(CaCO3)、ルチル(TIO2)などが挙げられる。
ファラデー結晶4は、入射側偏光子2及び出射側偏光子3の間に配置されており、入射する光の偏光方向を反時計回りに45度回転させて出射する。
ファラデー結晶4を構成する材料としては、テルビウム・ガリウム・ガーネット型単結晶(TGG:Tb3Ga5O12)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット型単結晶(TAG:Tb3Al5O12)、テルビウム・スカンジウム・アルミニウム・ガーネット型単結晶(TSAG:Tb3Sc2Al3O12)、テルビウム・スカンジウム・ルテチウム・アルミニウム・ガーネット型単結晶(TSLAG:Tb3(Sc,Lu)2Al3O12)などが挙げられる。
なお、ファラデー結晶4の周囲には不図示の磁気印加部が設けられており、ファラデー結晶4の入射側をN極、出射側をS極とした磁界が与えられる。当該磁気印加部によって形成される磁界に基づいてファラデー結晶4が光の偏光方向を回転させる。磁気印加部としては、例えば、ネオジム磁石などの磁石が挙げられる。
水晶旋光子5は、ファラデー結晶4及び出射側偏光子3の間に配置される。この水晶旋光子5は、順方向の光路側から入射する光の偏光方向を、ファラデー結晶4における光の回転方向と同一方向に45度回転させて出射する。また、水晶旋光子5は、逆方向の光路側から入射する光の偏光方向を、ファラデー結晶4における光の回転方向と逆方向に45度回転させて出射する。
ビームディスプレーサ6は、入射側偏光子2よりも順方向の光路の入射側に設けられており、平行平板型の複屈折結晶でなる。このビームディスプレーサ6では、入射した光と出射する光とが平行になる。
本実施形態では、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA2は、入射側偏光子2の偏光軸PA1の方向に対して直交するよう設定される。すなわち、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA2は、設置面に対し水平方向の偏光が異常光となり、当該設置面に対し垂直方向の偏光が常光となるよう設定される。ビームディスプレーサ6の光学軸OA2は、常光がスネルの法則に従うが異常光がスネルの法則に依らず最大限に分離する角度に設定される。また、ビームディスプレーサ6の光学軸OA2は、ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の楔頂角側となり、ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む異常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の非楔頂角側となるよう設定される。
次に、光アイソレータ1の光学的な動作について説明する。
図2は、第1実施形態の光アイソレータ1において順方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。なお、以下の図において、常光は実線で示され、異常光は破線で示される。図2に示すように、順方向の光路側からビームディスプレーサ6に光が入射した場合、当該光はビームディスプレーサ6で常光と異常光とに分離する。ビームディスプレーサ6の端面の角度が、入射光の入射方向に垂直の場合、常光はビームディスプレーサ6内を直進し、入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の傾斜面のうち楔頂角側に入射する。一方、異常光はビームディスプレーサ6の高さ方向の上端側(上記設置面から離れる側)に進み、入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の傾斜面のうち非楔頂角側に入射する。
上記のようにビームディスプレーサ6の偏光軸PA2の方向と入射側偏光子2の偏光軸PA1の方向とが直交するため、入射側偏光子2では、常光と異常光との関係が入れ替わった状態で、常光及び異常光が進んでファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りにさらに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は出射側偏光子3に入射する。上記のように入射側偏光子2の偏光軸PA1の方向と出射側偏光子3の偏光軸PA3の方向とは互いに垂直であるが、ファラデー結晶4および水晶旋光子5において90度偏光方向が回転するため、出射側偏光子3に入射する際に常光と異常光との関係は入れ替らない。出射側偏光子3では常光と異常光とが統合し、当該統合した光が出射側偏光子3から出射する。
ところで、出射側偏光子3から出射した光は戻り光として逆方向の光路側から出射側偏光子3に入射する場合がある。このような場合としては、例えば、光アイソレータ1がファイバレーザ装置に配置され、ファイバレーザ装置から出射する光が被加工体等で反射して、再びファイバレーザ装置に入射する例が挙げられる。
図3は、第1実施形態の光アイソレータ1において逆方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。図3に示すように、逆方向の光路側から出射側偏光子3に戻り光が入射した場合、当該戻り光は出射側偏光子3で常光と異常光とに分離し、当該分離した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。
水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光はファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は入射側偏光子2に入射する。この入射側偏光子2に入射する戻り光の入射位置は、当該入射側偏光子2から出射する順方向の光の出射位置と一致している。
上記のように入射側偏光子2の偏光軸PA1の方向と出射側偏光子3の偏光軸PA3の方向とは互いに垂直であり、水晶旋光子5とファラデー結晶4とにより偏光回転角が互いに相殺される方向に回転する。このため、入射側偏光子2では、常光と異常光との関係が入れ替わり、順方向の常光が出射する入射側偏光子2上の点から入射する戻り光は異常光として、順方向の異常光が出射する入射側偏光子2上の点から入射する戻り光は常光となる。入射側偏光子2を進む常光及び異常光は、ビームディスプレーサ6に入射する。
上記のようにビームディスプレーサ6の偏光軸PA2の方向と入射側偏光子2の偏光軸PA1の方向とが直交するため、ビームディスプレーサ6では、再び常光と異常光との関係が入れ替わる。ビームディスプレーサ6は、常光の屈折率よりも異常光の屈折率が高く、かつ、上記のようにビームディスプレーサ6の光学軸OA2は異常光がスネルの法則に依らず最大限に分離する角度に設定される。このため、入射側偏光子2では常光よりも異常光の方が大きく屈折することから、戻り光の常光と異常光とは互いに離れる方向に入射側偏光子2内を進む。このため、ビームディスプレーサ6に入射する戻り光の異常光は、当該ビームディスプレーサ6から出射する順方向の常光の出射位置よりも外側へ遠ざかった位置となる。同様に、ビームディスプレーサ6に入射する戻り光の常光は、当該ビームディスプレーサ6から出射する順方向の異常光の出射位置よりも外側へ遠ざかった位置となる。また、上述したように、戻り光の常光と異常光とは入射側偏光子2内で互いに離れて進んで、互いに離れる方向に角度をもってビームディスプレーサ6に入射する。このため、戻り光の常光と異常光とがビームディスプレーサ6を出射するときには、当該常光と異常光とは平行ではなく、互いに離れる方向に出射することになる。
このように逆方向の光路側から光アイソレータ1に光が入射した場合、当該光は出射側偏光子3から入射側偏光子2までは、順方向の光路側から光が入射した場合の光路と同じ光路を戻る。一方、入射側偏光子2では常光と異常光との関係が入れ替わることで常光と異常光との間の分離距離が順方向の光路よりも広がり、当該距離は入射側偏光子2の後段のビームディスプレーサ6でさらに広がることになる。
以上説明したように本実施形態の光アイソレータ1は、入射側偏光子2、出射側偏光子3、ファラデー結晶4、水晶旋光子5及びビームディスプレーサ6を備える。楔型複屈折結晶でなる入射側偏光子2は順方向の光路の入射側に設けられ、楔型複屈折結晶でなる出射側偏光子3は順方向の光路の出射側に設けられる。また、ファラデー結晶4は入射側偏光子2及び出射側偏光子3の間に配置され、水晶旋光子5はファラデー結晶4及び出射側偏光子3の間に配置される。さらに、複屈折結晶でなるビームディスプレーサ6は、入射側偏光子2よりも順方向の光路の入射側に設けられている。なお、入射側偏光子2及び出射側偏光子3の間に水晶旋光子5が配置され、当該水晶旋光子5及び出射側偏光子3の間にファラデー結晶4が配置されていても良い。
このような光アイソレータ1では、出射側偏光子3から出射した光が出射側偏光子3に戻る場合、その戻り光は出射側偏光子3で常光及び異常光に分離し、当該常光及び異常光は順方向の光路と同じ光路に沿って水晶旋光子5及びファラデー結晶4を介して入射側偏光子2に入射する。
本実施形態の光アイソレータ1では、入射側偏光子2は楔型複屈折結晶でなり、その入射側偏光子2よりも順方向の光路の入射側にビームディスプレーサ6が設けられている。このため光アイソレータ1は、入射側偏光子2からビームディスプレーサ6に入射する戻り光の常光及び異常光の入射点を順方向の光路よりも外側に位置させることができる。また、入射側偏光子2からビームディスプレーサ6において戻り光の常光と異常光とが離れて進行するような入射角で戻り光の常光と異常光とをビームディスプレーサ6に入射させることができる。
したがって、本実施形態の光アイソレータ1によれば、ビームディスプレーサ6において戻り光の常光と異常光とを互いに離れる方向に進行させて出射させることができる。こうして、順方向の光路から戻り光をより一段と離し得る光アイソレータ1が提供される。
また、本実施形態の場合、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA2と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向は直交する関係にある。そして、ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の楔頂角側となり、当該ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む異常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の非楔頂角側となるように、ビームディスプレーサ6の光学軸OA2が設定される。
このようにした場合、ビームディスプレーサ6の偏光軸と入射側偏光子2の偏光軸との方向が一致する関係にある場合に比べて、順方向の光路側から入射する入射光に対して戻り光の常光と異常光とをより一段と離すことができることが確認されている。
(2)第2実施形態の光アイソレータ
次に、第2実施形態の光アイソレータについて図面を用いながら詳細に説明する。ただし、第2実施形態における光アイソレータの構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図4は、第2実施形態の光アイソレータにおける光学素子の配置を示す図である。図4に示すように、本実施形態の光アイソレータ50では、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA20及び光学軸OA20の方向が第1実施形態と相違している。なお、本実施形態においても、ファラデー結晶4の周囲には第1実施形態と同様の不図示の磁気印加部が設けられている。
第1実施形態では、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA2と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向は直交する関係にあった。これに対し、本実施形態では、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA20と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向は一致する関係にある。なお、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA20は、第1実施形態とは異なり、入射側偏光子2の楔頂角側が設置される所定の設置面に対し水平方向の偏光が常光となり、当該設置面に対し垂直方向の偏光が異常光となるよう設定される。
また、第1実施形態では、ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の楔頂角側となり、当該ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む異常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の非楔頂角側となるように、ビームディスプレーサ6の光学軸OA2が設定された。これに対し、本実施形態では、ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の非楔頂角側となり、当該ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む異常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の楔頂角側となるように、ビームディスプレーサ6の光学軸OA20が設定される。
図5は、第2実施形態の光アイソレータ50において順方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。図5に示すように、順方向の光路側からビームディスプレーサ6に光が入射した場合、当該光はビームディスプレーサ6で常光と異常光とに分離する。ビームディスプレーサ6の端面の角度が、入射光の入射方向に垂直の場合、常光はビームディスプレーサ6内を直進し、入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の傾斜面のうち非楔頂角側に入射する。一方、異常光はビームディスプレーサ6の高さ方向の下端側に進み、入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の傾斜面のうち楔頂角側に入射する。
上記のようにビームディスプレーサ6の偏光軸PA20の方向と入射側偏光子2の偏光軸PA1の方向とが平行であるため、入射側偏光子2では、常光と異常光との関係が入れ替わらず、常光は設置面に対し水平偏光として透過してファラデー結晶4に入射する一方、異常光は設置面に対し垂直偏光として透過してファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りにさらに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は出射側偏光子3に入射する。出射側偏光子3では、第1実施形態と同様に常光と異常光との関係が入れ替わらず、常光は設置面に対し垂直偏光として透過し、異常光は設置面に対し水平偏光として透過しながら常光と異常光とが統合し、当該統合した光が出射側偏光子3から出射する。
図6は、第2実施形態の光アイソレータ50において逆方向の光路を伝搬する光の様子を示す図である。図6に示すように、逆方向の光路側から出射側偏光子3に光が入射した場合、当該光は出射側偏光子3で常光と異常光とに分離し、当該分離した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。
水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光はファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は入射側偏光子2に入射する。入射側偏光子2では、常光と異常光との関係が入れ替わり、当該入れ替わった常光と異常光とが離れながら進んでビームディスプレーサ6に入射する。ビームディスプレーサ6では、常光と異常光との関係は入射側偏光子2における関係のままとされ、常光と異常光とがさらに離れながら進み、当該ビームディスプレーサ6から出射する。
本実施形態の光アイソレータ50では、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA20と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向は一致する関係にある。そして、順方向光路では、ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の非楔頂角側となり、当該ビームディスプレーサ6で分離され入射側偏光子2に進む異常光の進行方向が入射側偏光子2における楔型複屈折結晶の楔頂角側となるように、ビームディスプレーサ6の光学軸OA20が設定される。
このような光アイソレータ50では、ビームディスプレーサ6の偏光軸PA20と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向が直交する関係にある第1の実施形態の場合に比べて、順方向の光路において入射側偏光子2に入射する入射光の光軸と、その入射光が出射側偏光子から出射する出射光の光軸とのずれ幅Wを小さくすることができることが確認されている。このため、例えば、光アイソレータの入射側に配置されるコリメーターや、光アイソレータの出射側に配置されるビームエキスパンダー、あるいは、インライン型光アイソレータとして使用する場合には入出射側に配置されるコリメーターなどの光学素子を配置し易くできる。
(3)レーザ装置
次に、上記第1実施形態の光アイソレータ1又は上記第2実施形態の光アイソレータ50を用いたレーザ装置100について説明する。
図7は、レーザ装置の構成の一例を示す図である。図7に示すように、レーザ装置100は、レーザ出射部60と、第1実施形態の光アイソレータ1又は第2実施形態の光アイソレータ50とを主な構成要素として備える。なお、図示はしていないが、レーザ装置100では、光アイソレータ1又は50の入射側には光アイソレータ1又は50にコリメート光を入射する為のコリメーターが備えられる。また、光アイソレータ1又は50の出射側には、コリメート光のビーム径を拡大する為のビームエキスパンダー、当該ビームエキスパンダーから出射された光を被加工物の正確な位置に照射する為のガルバノミラー、及び、被加工物に光を集光する為のレンズ等が備えられる。
レーザ出射部60は、増幅用光ファイバ61、種光源62、第1励起光源63、第2励起光源64、入力側光カプラ65及び出力側光カプラ66を主な構成として備える。
増幅用光ファイバ61は、1種類又は2種類以上の活性元素が添加されるコアと、コアの外周面を被覆する第1クラッドと、第1クラッドの外周面を被覆する第2クラッドと、第2クラッドを囲む被覆層とを有する。
コアの屈折率は第1クラッドの屈折率よりも高くされ、第1クラッドの屈折率は第2クラッドの屈折率よりも高くされ、第2クラッドの屈折率は被覆層の屈折率よりも低くされる。なお、活性元素としては、例えば、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)あるいはネオジウム(Nd)等の希土類元素があり、希土類元素以外の活性元素としては、例えば、ビスマスがある。
種光源62は、種光を出射するものであり、例えば、レーザダイオード(Laser Diode)から成るレーザ光源や、ファブリペロー型やファイバリング型のレーザ光源などとされる。
第1励起光源63及び第2励起光源64は、励起光を出射するものであり、例えばレーザダイオードなどとされる。
入力側光カプラ65は、種光源62から出射される種光を増幅用光ファイバ61におけるコアの一端に入力するとともに、第1励起光源63から出射される励起光を増幅用光ファイバ61における第1クラッドの一端に入力する。
なお、本実施形態の場合、種光源62から出射される種光は、入力用光ファイバ70を介して入力側光カプラ65に入射される。入力用光ファイバ70は、例えばシングルモードファイバとされ、当該入力用光ファイバ70の一端側のコアと種光源62とは光学的に結合されるとともに、入力用光ファイバ70の他端側のコアと増幅用光ファイバ61のコアとは入力側光カプラ65を介して光学的に結合される。
また、第1励起光源63から出射される励起光は、励起光入力用ファイバ81を介して入力側光カプラ65に入射される。この励起光入力用ファイバ81は、例えばマルチモードファイバとされ、当該励起光入力用ファイバ81の本数は、第1励起光源63の数と同じとされる。各励起光入力用ファイバ81の一端側のコアにつき1つの第1励起光源63が光学的に結合されるとともに、当該励起光入力用ファイバ81の他端側のコアと増幅用光ファイバ61の第1クラッドとは入力側光カプラ65を介して光学的に結合される。
出力側光カプラ66は、第2励起光源64から出射される励起光を増幅用光ファイバ61における第1クラッドの他端に入力するとともに、当該増幅用光ファイバ61のコアを伝搬する種光を他端から外部に出力する。
なお、本実施形態の場合、第2励起光源64から出射される励起光は、励起光入力用ファイバ82を介して出力側光カプラ66に入射される。この励起光入力用ファイバ82は、例えばマルチモードファイバとされ、当該励起光入力用ファイバ82の本数は、第2励起光源64の数と同じとされる。各励起光入力用ファイバ82の一端側のコアにつき1つの第2励起光源64が光学的に結合されるとともに、当該励起光入力用ファイバ82の他端側のコアと増幅用光ファイバ61の第1クラッドとは出力側光カプラ66を介して光学的に結合される。
また、出力側光カプラ66には出力用光ファイバ90が接続されており、当該出力用光ファイバ90は、例えばシングルモードファイバとされ、上記第1実施形態の光アイソレータ1又は上記第2実施形態の光アイソレータ50と光学的に結合される。
このようなレーザ装置100では、増幅用光ファイバ61のコアの一端に種光が入力された場合、当該種光は増幅用光ファイバ61の一端から他端に向けてコアを伝搬する。一方、増幅用光ファイバ61の第1クラッドの一端に励起光が入力された場合、当該励起光は増幅用光ファイバ61の一端から他端に向けて第1クラッド及びコアを伝搬する。他方、増幅用光ファイバ61の第1クラッドの他端に励起光が入力された場合、当該励起光は増幅用光ファイバ61の他端から一端に向けて第1クラッド及びコアを伝搬する。
第1クラッド及びコアを伝搬する励起光によってコアに添加される活性元素が励起され、当該励起状態にある活性元素は、コアを伝搬する種光によって誘導放出を引き起こす。この誘導放出に起因して種光が増幅され、当該増幅された種光は出力側光カプラ66及び出力用光ファイバ90を順次介して上記第1実施形態の光アイソレータ1又は上記第2実施形態の光アイソレータ50に出力される。
上記第1実施形態の光アイソレータ1又は上記第2実施形態の光アイソレータ50は、上述したように、戻り光の常光と異常光の分離角度、分離距離を大きくすることにより順方向の光路から戻り光を離すことができる。
したがって、レーザ装置100は、当該光アイソレータ1又は50から出射する光が戻り光として光アイソレータ1又は50に入射した場合であっても、光源としてのレーザ出射部60に対する破損を低減させることができる。
(4)変形例
上記実施形態では、ファラデー結晶4が1つ用いられ、当該1つのファラデー結晶4によってファラデー回転角が45°に設定された。しかしながら、例えば、ファラデー結晶4を2つ用い、当該2つのファラデー結晶4によってファラデー回転角が22.5°×2の計45°に設定されても良い。
上記実施形態では、水晶旋光子5が用いられた。しかしながらTeO2でなる旋光子が用いられても良い。また、旋光子として、1/2波長板が用いられても良い。
上記実施形態では、ビームディスプレーサの断面形状が長方形状とされたが、当該断面形状平行四辺形状とされても良い。
上記レーザ装置100におけるレーザ出射部60として、MO−PA型のファイバレーザが適用された。しかしながら、共振型のファイバレーザや、固体レーザが適用されても良く、その他のレーザが適用されても良い。
次に、実施例及び比較例を挙げて上記実施形態をより具体的に説明するが、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
(比較例1)
比較例1として、図8及び図9に示す光アイソレータを試作した。比較例1の光アイソレータでは、入射側ビームディスプレーサ6A及び出射側ビームディスプレーサ6Bの間にファラデー結晶4が配置され、当該ファラデー結晶4及び出射側ビームディスプレーサ6Bの間に水晶旋光子5が配置される。
なお、図示はしていないが、比較例1の光アイソレータでは、ファラデー結晶4に磁界を印加する為の入射側をN極、出射側をS極とした磁石が備えられている。また、比較例1における入射光の中心波長は1080nmとし、ファラデー結晶4はTSLAGとし、入射側ビームディスプレーサ6A及び出射側ビームディスプレーサ6BはYVO4とした。また、比較例1における各結晶の高さは5.5mmとし、当該結晶の長さは下記の表1とした。
Figure 2017090538
この比較例1の光アイソレータに順方向の光路側から光が入射された場合、図8に示すように、当該光は入射側ビームディスプレーサ6Aで常光及び異常光に分離し、当該分離した常光及び異常光はファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りにさらに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は出射側ビームディスプレーサ6Bに入射する。出射側ビームディスプレーサ6Bでは、常光と異常光とが反転し、当該出射側ビームディスプレーサ6Bを伝搬しながら統合し、当該統合した光が出射側ビームディスプレーサ6Bから出射する。
一方、比較例1の光アイソレータに逆方向の光路側から光が入射された場合、図9に示すように、当該光は出射側ビームディスプレーサ6Bで常光及び異常光に分離し、当該分離した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光はファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は入射側ビームディスプレーサ6Aに入射する。入射側ビームディスプレーサ6Aでは常光と異常光とが離れながら進み、当該入射用ビームディスプレーサ6Aから逆方向の光路側から入射した光と平行で、且つ常光と異常光同士は平行に出射する。
(比較例2)
比較例2として、図10及び図11に示す光アイソレータを試作した。比較例2の光アイソレータでは、入射側偏光子2及び出射側偏光子3の間にファラデー結晶4が配置され、当該ファラデー結晶4及び出射側偏光子3の間に水晶旋光子5が配置される。また、出射側偏光子3よりも順方向の光路の出射側にビームディスプレーサ6が配置される。
なお、図示はしていないが、比較例2の光アイソレータでは、ファラデー結晶4に磁界を印加する為の入射側をN極、出射側をS極とした磁石が備えられている。また、比較例2における入射光の中心波長は1080nmとし、ファラデー結晶4はTSLAGとし、入射側偏光子2、出射側偏光子3及びビームディスプレーサ6はYVO4とした。また、比較例2における各結晶の高さは3mmとし、当該結晶の長さは下記の表2とした。上記比較例1における各結晶の体積の総和を100%とした場合、比較例2における各結晶の体積の総和は29%である。
Figure 2017090538
この比較例2の光アイソレータに順方向の光路側から光が入射された場合、図10に示すように、当該光は入射側偏光子2で常光及び異常光に分離し、当該分離した常光及び異常光はファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は水晶旋光子5に入射する。水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りにさらに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は出射側偏光子3に入射する。出射側偏光子3では、常光と異常光とが光軸に水平で互いに平行に出射し、ビームディスプレーサ6に入射する。ビームディスプレーサ6では、常光と異常光とは統合し、当該統合した光がビームディスプレーサ6から出射する。
一方、比較例2の光アイソレータに逆方向の光路側から光が入射された場合、図11に示すように、当該光はビームディスプレーサ6で常光及び異常光に分離し、当該分離した常光及び異常光は出射側偏光子3を透過して水晶旋光子5に入射する。水晶旋光子5では、順方向光路の入射側から水晶旋光子5を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光はファラデー結晶4に入射する。ファラデー結晶4では、順方向光路の入射側からファラデー結晶4を見た場合に常光及び異常光の偏光方向が反時計回りに45°回転し、当該回転した常光及び異常光は入射側偏光子2に入射する。入射側偏光子2では、常光と異常光とが反転し、当該常光及び異常光が離れながら進んで出射する。
(実施例1,2)
実施例1として上記第1実施形態の光アイソレータ1を試作し、実施例2として上記第2実施形態の光アイソレータ50を試作した。
なお、実施例1及び実施例2における入射光の中心波長は1080nmとし、ファラデー結晶4はTSLAGとし、入射側偏光子2、出射側偏光子3及びビームディスプレーサ6はYVO4とした。また、実施例1及び実施例2における各結晶の高さは3mmとし、当該結晶の長さは下記の表3とした。上記比較例1における各結晶の体積の総和を100%とした場合、実施例1及び実施例2における各結晶の体積の総和は29%である。
Figure 2017090538
(実施例及び比較例における分離距離)
上述した実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の光アイソレータにおいて逆方向の光路側から光が入射した場合に、当該光アイソレータから出射する常光と異常光との間の分離距離SD(図3、図6、図9、図11)を測定した。
比較例1の分離距離SDは、逆方向の光路において最も出射側に配置される結晶(入射側ビームディスプレーサ6A)の出射面で測定している。一方、実施例1、実施例2及び比較例2の光アイソレータの各結晶の合計長は比較例1の各結晶の合計長よりも短い。このため、実施例1、実施例2及び比較例2の光アイソレータにおける分離距離SDは、戻り光を入射する結晶の入射面から、比較例1における入射側ビームディスプレーサ6Aの入射面と出射側ビームディスプレーサ6Bの出射面との間の距離を隔てた地点で測定している。
なお、複屈折結晶でなるビームディスプレーサにおいて逆方向に進む光(戻り光)が出射する出射面での常光と異常光との分離距離は、当該ビームディスプレーサにおいて順方向に進む光(入射光)が出射する出射面での常光と異常光との分離距離よりも大きくなり、当該分離距離の差は複屈折結晶の長さが長いほど大きくなる。
この分離距離SDの測定結果を図12に示す。図12に示すように、実施例1及び実施例2の光アイソレータにおける分離距離は、比較例1及び比較例2の光アイソレータにおける分離距離よりも大きくなることが確認できた。このことは、実施例1及び実施例2の光アイソレータでは、比較例1及び比較例2の光アイソレータに比べて、順方向の光路側から入射する入射光の光路に対して戻り光の常光と異常光とが離れていることと同義である。
(実施例及び比較例における入射光と出射光のずれ幅)
次に、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の光アイソレータにおいて、順方向の光路側から入射する入射光の光路と、その入射光の出射光の光路とのずれ幅W(図2、図5、図8、図10)を測定した。
このずれ幅Wは、順方向の光路において最も入射側に配置される結晶の入射面とその入射面に入射する入射光の光路との交点での結晶の高さ位置から、順方向の光路において最も出射側に配置される結晶の出射面とその出射面を出射する出射光の光路との交点での結晶の高さ位置までの距離である。
このずれ幅Wの測定結果を図13に示す。図13に示すように、実施例2の光アイソレータでは、実施例1の光アイソレータに比べて、入射光の光路と出射光の光路とのずれ幅Wを小さくすることができることが確認できた。
なお、実施例2の光アイソレータはビームディスプレーサ6の偏光軸PA20と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向は一致する関係にある場合に相当し、実施例1の光アイソレータはビームディスプレーサ6の偏光軸PA2と入射側偏光子2の偏光軸PA1との方向が直交する関係にある場合に相当する。
本発明の光アイソレータ及びそれを用いたレーザ装置は、加工業や医療業において利用可能性を有する。
1,50・・・光アイソレータ
2・・・入射側偏光子
3・・・出射側偏光子
4・・・ファラデー結晶
5・・・水晶旋光子
6・・・ビームディスプレーサ

Claims (4)

  1. 複屈折結晶でなるビームディスプレーサと、
    楔型複屈折結晶でなり、光路上に配置される一対の偏光子のうち順方向の光路の入射側に配置される入射側偏光子と、
    楔型複屈折結晶でなり、前記光路上に配置される一対の偏光子のうち順方向の光路の出射側に配置される出射側偏光子と、
    前記入射側偏光子と前記出射側偏光子との間に配置されるファラデー結晶及び旋光子と、
    を備え、
    前記ビームディスプレーサは、前記入射側偏光子よりも前記順方向の光路の入射側に配置される
    ことを特徴とする光アイソレータ。
  2. 前記ビームディスプレーサの偏光軸と前記入射側偏光子の偏光軸との方向が直交する関係にあり、
    前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の楔頂角側となり、前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む異常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の非楔頂角側となるように、前記ビームディスプレーサの光学軸が設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  3. 前記ビームディスプレーサの偏光軸と前記入射側偏光子の偏光軸との方向が一致する関係にあり、
    前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の非楔頂角側となり、前記ビームディスプレーサで分離され前記入射側偏光子に進む異常光の進行方向が前記入射側偏光子における前記楔型複屈折結晶の楔頂角側となるように、前記ビームディスプレーサの光学軸が設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光アイソレータと、
    前記光アイソレータに対して順方向の光路の入射側から光を入射させるレーザ出射部と、
    を備えることを特徴とするレーザ装置。

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