JP2017089512A - 真空排気装置 - Google Patents

真空排気装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017089512A
JP2017089512A JP2015221242A JP2015221242A JP2017089512A JP 2017089512 A JP2017089512 A JP 2017089512A JP 2015221242 A JP2015221242 A JP 2015221242A JP 2015221242 A JP2015221242 A JP 2015221242A JP 2017089512 A JP2017089512 A JP 2017089512A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
auxiliary pump
exhaust
pump
valve
back pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015221242A
Other languages
English (en)
Inventor
敏生 鈴木
Toshio Suzuki
敏生 鈴木
智成 田中
Tomonari Tanaka
智成 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2015221242A priority Critical patent/JP2017089512A/ja
Publication of JP2017089512A publication Critical patent/JP2017089512A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

【課題】生産性を確保しつつ、コストの低減を図ることができる真空排気装置を提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係る真空排気装置10は、メインポンプ20と、逆止弁装置30と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41と、切替機構50とを具備する。メインポンプ20は、排気口20b(吐出部)を含む背圧空間21を有する。逆止弁装置30は、排気口20bに接続され、排気口20bから大気側へのガスの流れを順方向とする。第1の補助ポンプ40は、上記背圧空間21を排気可能に逆止弁装置30と並列的に接続される。第2の補助ポンプ41は、上記背圧空間21を排気可能に逆止弁装置30及び第1の補助ポンプ40と並列的に接続される。切替機構50は、上記背圧空間21を第1の補助ポンプ40で排気する第1の排気ラインL1と、上記背圧空間21を第2の補助ポンプ41で排気する第2の排気ラインL2とを選択的に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空排気装置に関する。
一般的に、半導体装置や液晶機器等を製造する成膜装置やエッチング装置等の真空処理装置の排気プロセスには、真空ポンプ等のメインポンプと、当該メインポンプよりも排気速度あるいは排気量が小さい真空ポンプである補助ポンプとを有する真空排気装置が用いられることが多い。
例えば、特許文献1乃至3には、メインポンプよりも排気速度が小さい補助ポンプと、メインポンプ側から大気側へのガスの流れのみを許容する逆止弁とを相互に並列に設け、補助ポンプをメインポンプとともに起動させる真空排気装置が記載されている。
この構成によれば、メインポンプの排気空間の圧力は、補助ポンプの駆動により減圧され、メインポンプの排気作用にかかる負担が大幅に軽減される。従って、モータの消費電力を従来よりも大幅に削減することができ、真空排気装置の消費電力の低減を図ることができるものとしている。
特許3992176号公報 特許4045362号公報 特許4180265号公報
近年、真空処理装置の生産性の向上と真空排気装置のコストの低減とが要求されている。生産性確保のためには、補助ポンプにもメインポンプと同等の耐久性が要求されるが、この場合、補助ポンプが高価となり、真空排気装置のコスト低下を実現できない。一方、高性能の補助ポンプを用いたとしても、何等かの理由で補助ポンプが故障した場合、真空排気装置の運転を停止せざるを得ないため、生産性を確保することができなくなる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、生産性を確保しつつ、コストの低減を図ることができる真空排気装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る真空排気装置は、メインポンプと、逆止弁装置と、第1の補助ポンプと、第2の補助ポンプと、切替機構とを具備する。
上記メインポンプは、吐出部を含む背圧空間を有する。
上記逆止弁装置は、上記吐出部に接続され、上記吐出部から大気側へのガスの流れを順方向とする。
上記第1の補助ポンプは、上記背圧空間を排気可能に上記逆止弁装置と並列的に接続される。
上記第2の補助ポンプは、上記背圧空間を排気可能に上記逆止弁装置及び上記第1の補助ポンプと並列的に接続される。
上記切替機構は、上記背圧空間を上記第1の補助ポンプで排気する第1の排気ラインと、上記背圧空間を上記第2の補助ポンプで排気する第2の排気ラインとを選択的に切り替える。
上記真空排気装置においては、例えば起動開始直後のようにメインポンプの背圧空間が大気圧以上の場合には、メインポンプの吐出部から大気側へ逆止弁装置を介してガスが排出される。そして、背圧空間の背圧が低下し、逆止弁装置の弁体が、逆止弁装置が全閉状態となる近傍の位置へ移行した場合に、逆止弁装置と並列的に接続された第1の補助ポンプ又は第2の補助ポンプを介してガスが排気される。これにより、メインポンプの消費電力の削減と、到達真空度の向上を図ることが可能となる。
ここで、上記真空排気装置は、補助ポンプを2台有し、メインポンプの背圧空間を第1の補助ポンプで排気する第1の排気ラインと、メインポンプの背圧空間を第2の補助ポンプで排気する第2の排気ラインとを選択的に切り替える切替機構を有する。これにより、第1及び第2の補助ポンプのうち、一方の補助ポンプが劣化又は故障したとしても、他方の補助ポンプでメインポンプの背圧空間を排気することができる。したがって、真空排気装置の性能が低下するリスクが低減されるとともに、生産性も確保される。また、補助ポンプに耐久性の高い高価なポンプを用いる必要がなくなるため、真空排気装置全体のコストを抑えることができる。
上記切替機構は、上記第1の補助ポンプ及び上記第2の補助ポンプ各々の吸気側に設置された第1の弁装置を含んでもよい
上記第1の弁装置は、上記第1の補助ポンプの吸気側に設置された第1の入口弁と、上記第2の補助ポンプの吸気側に設置された第2の入口弁とを有してもよい。
上記第1の入口弁及び上記第2の入口弁は、それぞれ開閉弁であってもよい。
上記第1の入口弁は、上記背圧空間から上記第1の補助ポンプへのガスの流れを順方向とする第1の逆止弁であり、
上記第2の入口弁は、上記背圧空間から上記第2の補助ポンプへのガスの流れを順方向とする第2の逆止弁であってもよい。
上記第1の弁装置は、上記背圧空間に接続される入口と、上記第1の補助ポンプに接続される第1の出口と、上記第2の補助ポンプに接続される第2の出口とを有する三方弁であってもよい。
上記切替機構は、上記第1の補助ポンプ及び上記第2の補助ポンプ各々の排気側に設置された第2の弁装置を含み、
上記第2の弁装置は、上記第1の補助ポンプの排気側に設置された第1の出口弁と、上記第2の補助ポンプの排気側に設置された第2の出口弁とを有してもよい。
上記切替機構は、
上記第1の補助ポンプと上記第1の出口弁との間に連絡する第1のポートと、上記第2の補助ポンプと上記第2の入口弁との間に連絡する第2のポートとを有し、上記第1のポートと上記第2のポートとの間の連通/遮断を切替える第1の切替弁と、
上記第1の補助ポンプと上記第1の入口弁との間に連絡する第3のポートと、上記第2の補助ポンプと上記第2の出口弁との間に連絡する第4のポートとを有し、上記第3のポートと上記第4のポートとの間の連通/遮断を切替える第2の切替弁と
を含む第3の弁装置をさらに有してもよい。
上記吐出部から排気されるガスの圧力を検出可能な圧力センサと、上記第1の補助ポンプの異常を検出可能な第1の異常検出部と、上記第2の補助ポンプの異常を検出可能な第2の異常検出部とのうち少なくとも1つを含む検出部と、
上記検出部の出力に基づいて、上記切替機構を制御するように構成されたコントローラとを有してもよい。
本発明によれば、生産性を確保しつつ、コストの低減を図ることができる真空排気装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。 上記真空排気装置の運転フローを示す図である。 上記真空排気装置における第1の排気ラインを説明する図である。 上記真空排気装置における第2の排気ラインを説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。 本発明の第3の実施形態に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。 本発明の第4の実施形態に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。 本発明の第5の実施形態に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。 上記真空排気装置における一作用を説明する図である。 上記真空排気装置における他の作用を説明する図である。 第1の実施形態の変形例に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。 第5の実施形態の変形例に係る真空排気装置の構成を示す配管系統図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る真空排気装置10の構成を示す配管系統図である。本実施形態に係る真空排気装置10は、図1に示すように、メインポンプ20と、逆止弁装置30と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41と、切替機構50とを有する。
メインポンプ20は、図1に示すように、吸気口20aと排気口20b(吐出部)とを有する。
吸気口20aは、真空処理装置1の内部と連通するように接続される。具体的には、吸気口20aは、真空処理装置1として例えばスパッタ装置、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置やALD(Atomic Layer Deposition)装置、エッチング装置等のプロセスチャンバの内部と連通している。
排気口20bは、図1に示すように、メインポンプ20の背圧空間21に設けられる。排気口20bは、第1の流路F1を介して、大気と連絡する排気配管Dに接続される。
本実施形態のメインポンプ20は、ルーツ型、クロー型、スクリュー型等の多段式容積移送型のドライ真空ポンプで構成されるが、これに限られず、単段式のメカニカルブースターポンプ等で構成されてもよい。また、本実施形態において、メインポンプ20の背圧空間21は、メインポンプ20の最終段の背圧空間に相当する。
逆止弁装置30は、図1に示すように、第1の流路F1に設けられ、第1の流路F1を介してメインポンプ20の排気口20bに接続される。ここで、逆止弁装置30は、排気口20bから大気側への方向を順方向とする逆止機能を備え、排気口20bから大気側へのガスの流れを許容し、それとは逆のガスの流れを禁止する。本実施形態に係る逆止弁装置30は、メインポンプ20の排気口20bからの排気圧が大気圧以上のとき(より厳密には、弁体を弁座へ押し付ける圧力を上回るとき)に開弁するように構成される。逆止弁装置30は、特に限定されないが、例えばディスク式逆止弁等が採用される。
第1の補助ポンプ40は、図1に示すように、メインポンプ20の排気口20bと大気(排気配管D)との間に、逆止弁装置30に対して並列的に配置される。第1の補助ポンプ40の吸気側は、コネクタC11を介して第3の流路F3に着脱可能に接続される。第3の流路F3は、図1に示すように、第2の流路F2から分岐した流路であり、第2の流路F2は、同図に示すように、逆止弁装置30よりも上流側の第1の流路F1から分岐した流路である。これにより、第1の補助ポンプ40は、第1流路F1、第2の流路F2及び第3の流路F3を介して、メインポンプ20の排気口20b(あるいは背圧空間21)を排気することが可能となる
第1の補助ポンプ40の排気側は、コネクタC12を介して第4の流路F4に着脱可能に接続される。第4の流路F4は、図1に示すように、第1の補助ポンプ40の排気口を排気配管Dへ接続する流路である。
第2の補助ポンプ41は、図1に示すように、メインポンプ20の排気口20bと大気(排気配管D)との間に、逆止弁装置30及び第1の補助ポンプ40と並列的に配置される。第2の補助ポンプ41の吸気側は、コネクタC21を介して第5の流路F5に着脱可能に接続される。第5の流路F5は、図1に示すように、第2の流路F2から分岐した流路である。これにより、第2の補助ポンプ41は、第1流路F1、第2の流路F2及び第5の流路F5を介して、メインポンプ20の排気口20b(あるいは背圧空間21)を排気することが可能となる
第2の補助ポンプ41の排気側は、コネクタC22を介して第6の流路F6に直脱可能に接続される。第6の流路F6は、図1に示すように、第2の補助ポンプ41の排気口を排気配管Dへ接続する流路である。
第1及び第2の補助ポンプ40,41は、メインポンプ20よりも排気速度あるいは排気量が小さい適宜の真空ポンプで構成される。例えば、第1の補助ポンプ40には、典型的には、ダイアフラムポンプが採用されるが、これに限定されず、例えば、ゲーテポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプ、又はスクロールポンプ等が採用されてもよい。本実施形態では、第1の補助ポンプ40としてダイアフラムポンプが採用される。これにより、比較的安価に真空排気装置10を構成することが可能となる。
また、第2の補助ポンプ41は、第1の補助ポンプ40と同一の真空ポンプ(ダイアフラムポンプ)で構成されるが、これに限られず、第1の補助ポンプ40とは異なるポンプで構成されてもよい。
切替機構50は、図1に示すように、第1及び第2の補助ポンプ40,41各々の吸気側に設けられた第1の弁装置51を含む。第1の弁装置51は、図1に示すように、第3の流路F3に設けられた第1の入口弁51aと、第5の流路F5に設けられた第2の入口弁51bとを有する。本実施形態に係る第1の入口弁51a及び第2の入口弁51bは、典型的にはオンオフ弁等の開閉弁であり、例えば電磁弁、空圧弁等で構成される。
図1に示すように、第1の流路F1、第2の流路F2、第3の流路F3及び第4の流路F4は、第1の補助ポンプ40によってメインポンプ20の背圧空間21を排気することが可能な第1の排気ラインL1を構成する。また、第1の流路F1、第2の流路F2、第5の流路F5及び第6の流路F6は、第2の補助ポンプ41によって、メインポンプ20の背圧空間21を排気することが可能な第2の排気ラインL2を構成する。そして、切替機構50は、第1の排気ラインL1と第2の排気ラインL2を選択的に切替えることが可能に構成される。
なお、本実施形態においては、第1の排気ラインL1は、第1の流路F1の一部を含む構成とされるが、これに限られず、例えば、第2の流路F2が直接、メインポンプ20の排気口20b(あるいは背圧空間21)に接続されてもよい。同様に、第2の排気ラインL2は、第1の排気ラインL1の一部(第1の流路F1、第2の流路F2)を含む構成とされるが、これに限られず、例えば、第5の流路F5が直接、メインポンプ20の排気口20b(あるいは背圧空間21)に接続されてもよい。
上述のように第1及び第2の補助ポンプ40,41は、比較的安価なダイアフラムポンプでそれぞれ構成されるため、真空排気装置10の低コスト化を図ることができる。
しかしながら一般に、補助ポンプとして用いられる低真空ポンプは、メインポンプとして用いられる中高真空ポンプと比較して、耐久性あるいは信頼性の点で劣る場合が多い。このため、補助ポンプに異常が生じると、真空排気装置全体の機能が損なわれてしまい、その結果、真空処理装置1の稼働を停止させざるを得なくなる。
そこで、本実施形態の真空排気装置10は、切替機構50により、第1の排気ラインL1と第2の排気ラインL2とを選択的に切り替え可能に構成されている。これにより、一方の補助ポンプが故障したときは他方の補助ポンプを起動させることができるため、真空処理装置1の駆動を停止させることなく、補助ポンプの交換が可能となる。以下、その詳細について説明する。
図2は、本実施形態に係る真空排気装置10の運転フローを示す図である。図3及び図4は、本実施形態に係る真空排気装置10の模式図であり、図3は第1の補助ポンプ40の駆動時における第1及び第2の入口弁51a,51bの開閉を示す図である。図4は第2の補助ポンプ41の駆動時における第1及び第2の入口弁51a,51bの開閉を示す図である。なお、図3及び図4において第1及び第2の入口弁51a,51bに併記した「ON」及び「OFF」の符号は、各弁の開閉状態を表しており、「ON」は弁の開弁状態を、「OFF」は弁の閉弁状態をそれぞれ示している。以降の図で示す「ON」、「OFF」も同義とする。
第1及び第2の補助ポンプ40,41がいずれも正常である場合、本実施形態では、図3に示すように、第1の補助ポンプ40を含む第1の排気ラインL1が開放され、第2の補助ポンプ41を含む第2の排気ラインL2が閉鎖されるが、これに限られず、図4に示すように、第2の補助ポンプ41を含む第2の排気ラインL2が開放され、第1の補助ポンプ40を含む第1の排気ラインL1が閉鎖されてもよい。
真空処理装置1において真空処理が開始されるに先立って、真空排気装置10の運転が開始される(St01)。このとき、図3に示すように、第1の入口弁51aは開かれ、第2の入口弁51bは閉じられる。本実施形態では、第1の補助ポンプ40は、メインポンプ20と同時に起動されるが、これに限られず、メインポンプ20が起動してから所定時間経過した後に起動されてもよい。
真空処理装置1内は最初、大気圧であるため、メインポンプ20の排気口20bからの排気ガスは大気圧より大きい圧力を有する。したがって、当該排気ガスは、第1流路F1から逆止弁装置30を開弁させて大気に吐出される。このような状態は、逆止弁装置30の弁体が、逆止弁装置30が全閉状態となる近傍の位置へ移行するまで継続される。
メインポンプ20の背圧が大気圧と同等又はそれ以下になると、メインポンプ20の背圧空間21は第1の補助ポンプ40により優先的に排気され、これにより背圧空間21が大気圧より低い圧力に減圧される。
このように、本実施形態の真空排気装置10においては、例えば起動開始直後のようにメインポンプ20の背圧が大気圧以上の場合には、メインポンプ20の背圧空間21は逆止弁装置30を介して排気される。そして、メインポンプ20の背圧が低下し、逆止弁装置30の弁体が、逆止弁装置30が全閉状態となる近傍の位置へ移行すると、第1の補助ポンプ40を含む第1の排気ラインL1を介して排気される。これにより、メインポンプ20の消費電力の削減を図ることが可能となるとともに、真空処理装置1を所望の到達真空度まで減圧することが可能となる。
真空処理装置1の内部が目的とする到達真空度に達した後、真空処理装置1において成膜、エッチング等の所定の真空処理が実施される。その間においても、真空排気装置10の運転は継続され、これにより真空処理装置1の内部は所定の真空度に維持される。真空排気装置10の運転は、真空処理装置1における真空処理が停止されるまで継続される(St02)。
一方、例えば長時間の駆動による損耗等により、第1の補助ポンプ40のポンプ性能が低下する場合がある。第1の補助ポンプ40のポンプ性能の低下(故障)が検出されると(St03)、第2の補助ポンプ41が起動し、さらに図4に示すように、第1の入口弁51aが閉じ、かつ第2の入口弁51bが開放される(St04)。そして、第1の補助ポンプ40の駆動が停止する。
なお、第1の補助ポンプ40のポンプ性能の低下の検出には、典型的にはポンプ部構成部品の振動や音響を検出し、周波数解析等で正常時における振動や音響との差異が算出されることによりポンプ性能の低下が検出される。
第1の補助ポンプ40のポンプ性能の低下の検出には、振動や音響以外にも、例えば第1の補助ポンプ40の各部位(軸受部、モータ巻線部又はモータケース部等)の温度が参照されてもよいし、第1の補助ポンプ40における駆動モータの駆動電流等が参照されてもよい。また、第1及び第2の入口弁51a,51bの開閉操作、第1及び第2の補助ポンプ40,41の起動および停止操作は、作業者が行ってもよいし、自動で行ってもよい。
以上のようにして、メインポンプ20の背圧空間21の排気経路が第1の排気ラインL1から第2の排気ラインL2に切り替えられる。つまり、メインポンプ20の背圧空間21を排気する補助ポンプが、第1の補助ポンプ40から第2の補助ポンプ41に切り替えられ、これによりメインポンプ20の背圧空間21は、第2の排気ラインL2を介して排気される。
これにより、第1の補助ポンプ40の動作不良に伴う真空排気装置10の排気性能の低下を防止でき、したがって真空処理装置1における安定した真空処理が確保される。
運転が停止された第1の補助ポンプ40は、第1の排気ラインL1から第2の排気ラインL2へ切り替えられた後、第1の排気ラインL1から取り外され、代わりに、正常な真空ポンプが第1の補助ポンプ40として第1の排気ラインL1に接続される(St05)。このような第1の補助ポンプ40の交換作業は、典型的には、作業者による手作業で行われる。
同様に、例えば長時間の駆動による損耗等により、第2の補助ポンプ41のポンプ性能の低下(故障)が検出されると(St06)、新しく交換された第1の補助ポンプ40が起動し、さらに図3に示すように、第2の入口弁51bが閉じ、かつ第1の入口弁51aが開放される(St07)。そして、第2の補助ポンプ41の駆動が停止する。
なお、第2の補助ポンプ41のポンプ性能の低下の検出には、典型的にはポンプ部構成部品の振動や音響を検出し、周波数解析等で正常時における振動や音響との差異が算出されることによりポンプ性能の低下が検出される。
第2の補助ポンプ41のポンプ性能の低下の検出には、振動や音響以外にも、例えば第2の補助ポンプ41の各部位(軸受部、モータ巻線部又はモータケース部等)の温度が参照されてもよいし、第2の補助ポンプ41における駆動モータの駆動電流等が参照されてもよい。
以上のようにして、メインポンプ20の背圧空間21の排気経路が第2の排気ラインL2から第1の排気ラインL1に切り替えられる。つまり、メインポンプ20の背圧空間21を排気する補助ポンプが、第2の補助ポンプ41から第1の補助ポンプ40に切り替えられ、これによりメインポンプ20の背圧空間21は、再び、第1の排気ラインL1を介して排気される。
その後、第2の補助ポンプ41は、正常な真空ポンプに交換される(St08)。第2の補助ポンプ41の交換作業は、典型的には、作業者による手作業で行われる。以降、上述のSt02からSt08の工程が繰り返され、真空処理装置1における真空処理が停止するまで、真空排気装置10の運転が継続される。真空処理の停止後は、真空排気装置10の運転も停止される(St09)。
以上のように、本実施形態に係る真空排気装置10は、メインポンプ20の背圧空間21を排気する排気系統として第1及び第2の排気ラインL1,L2を備えている。このため、稼働中の一方の排気ラインに故障が生じたとしても、代わりに他方の排気ラインを稼働させることができるため、真空排気装置10による所期の排気作用が確保される。これにより真空排気装置10の信頼性が向上するとともに、真空処理装置1の稼働率が高まることで生産性の向上が図れるようになる。
また、本実施形態の真空排気装置10によれば、第1及び第2の排気ラインL1,L2を構成する第1及び第2の補助ポンプ40,41に高い耐久性が要求されないため、比較的安価なポンプ装置を第1及び第2の補助ポンプ40,41として採用することができる。これにより、真空排気装置10全体の低コスト化を実現することが可能となる。
<第2の実施形態>
図5は、本実施形態に係る真空排気装置100の構成を示す配管系統図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る真空排気装置100は、図5に示すように、メインポンプ20と、逆止弁装置30と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41と、切替機構50とを有する点で第1の実施形態と共通するが、検出部60とコントローラ70とをさらに有する点で第1の実施形態と異なる。
検出部60は、開閉センサ61と、第1の異常検出部62と、第2の異常検出部63とを含む。検出部60は、開閉センサ61、第1の異常検出部62又は第2の異常検出部63により検出された情報をコントローラ70に出力するように構成される。なお、検出部60には、開閉センサ61と、第1の異常検出部62と、第2の異常検出部63とのうち、少なくとも一つが含まれていればよい。
開閉センサ61は、逆止弁装置30の弁体の位置を検出し、検出した情報をコントローラ70に出力するように構成される。具体的には、開閉センサ61は逆止弁装置30の弁体の位置を逆止弁装置30が全閉状態から全開状態となる範囲まで検出可能に構成される。また、開閉センサ61は、逆止弁装置30の開閉動作を機械的あるいは電気的に検出するセンサで構成されてもよいし、逆止弁装置30の開弁圧が既知であれば逆止弁装置30の入口側の圧力を検出するセンサで構成されてもよい。
このような構成によれば、運転開始時に第1の補助ポンプ40又は第2の補助ポンプ41をメインポンプ20と同時に起動させる方法に代えて、メインポンプ20の起動後、逆止弁装置30の弁体が、逆止弁装置30が全閉状態となる近傍の位置へ移行したことを開閉センサ61が検知したとき、第1の補助ポンプ40を起動させる方法が採用可能となる。
上述のように、真空排気装置10の運転開始時は、メインポンプ20の背圧空間21は主として逆止弁装置30を有する第1の流路F1を介して排気されるため、逆止弁装置30が閉弁してから第1の補助ポンプ40又は第2の補助ポンプ41を起動させてもメインポンプ20の背圧空間21を効果的に排気することができる。これにより、真空排気装置10全体のさらなる低消費電力化を図ることが可能となる。
また、開閉センサ61の出力が、メインポンプ20の背圧空間21を排気する第1又は第2の補助ポンプ40,41のポンプ性能が低下しメインポンプ20の背圧が上昇することに起因する逆止弁装置30の開弁の検出に用いられてもよい。この場合、開閉センサ61は、第1の補助ポンプ40又は第2の補助ポンプ42の異常検知センサとして機能させることができる。
開閉センサ61の設置箇所は特に限定されないが、典型的には図5に示すように、逆止弁装置30に設けられる。
第1の異常検出部62は、典型的には第1の補助ポンプ40の構成部品の振動や音響を検出し、周波数解析等で通常状態における振動や音響との変化を算出することによって第1の補助ポンプ40の異常を検出し、検出した情報をコントローラ70に出力するように構成される。
第1の異常検出部62は、振動や音響以外にも、第1の補助ポンプ40の各部位(軸受部、モータ巻線部又はモータケース部等)の温度や、第1の補助ポンプ40における駆動モータの駆動電流等を検出し、検出した情報をコントローラ70に出力するように構成されることもできる。
第1の異常検出部62の設置箇所は特に限定されないが、典型的には図5に示すように第1の補助ポンプ40に設けられる。本実施形態では、第1の異常検出部62は、例えば、
音響センサ、振動センサ、サーマルセンサ又は電流リミッタ等が採用される。
同様に、第2の異常検出部63は、典型的には第2の補助ポンプ41の構成部品の振動や音響を検出し、周波数解析等で通常状態における振動や音響との変化を算出することによって第2の補助ポンプ41の異常を検出し、検出した情報をコントローラ70に出力するように構成される。
第2の異常検出部63は、振動や音響以外にも、第2の補助ポンプ41の各部位(軸受部、モータ巻線部又はモータケース部等)の温度や、第2の補助ポンプ41における駆動モータの駆動電流等を検出し、検出した情報をコントローラ70に出力するように構成されることもできる。
第2の異常検出部63の設置箇所は特に限定されないが、典型的には図5に示すように第2の補助ポンプ41に設けられる。本実施形態では、第2の異常検出部63は、第1の異常検出部62と同一の構成とすることができる。
コントローラ70は、検出部60の出力に基づき、切替機構50と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41とを制御するように構成される。具体的には、図5に示すように、開閉センサ61、第1の異常検出部62又は第2の異常検出部63の検出信号に基づき、第1及び第2の入口弁51a,51bの開閉と、第1及び第2の補助ポンプ40,41の起動/停止を制御可能に構成される。
コントローラ70は、検出部60の検出信号に基づいて動作するシーケンス回路(リレー回路)で構成することができる。これにより、コントローラ70の構造を簡素化でき、低コストでコントローラ70を構成することが可能となる。なお勿論、コントローラ70は、CPUやメモリ等を含むコンピュータで構成することも可能である。
本実施形態に係る真空排気装置100は、図5に示すように、第1および第2の排気ラインL1,L2の一部に設置された真空スイッチ64を有してもよい。真空スイッチ64は、第1及び第2の排気ラインL1,L2の内圧が所定の圧力以上に増加したことを検出し、その検出信号をコントローラ70へ出力するように構成される。
本実施形態では、図5に示すように真空スイッチ64は第2の流路F2に設置される。真空スイッチ64は、例えば、第1の排気ラインL1を介してメインポンプ20の背圧空間21が排気されているときは、第1の排気ラインL1の内圧の上昇を監視し、これが上記所定の圧力以上に増加したときは第1の補助ポンプ40の故障とみなしてコントローラ70へ異常を表す信号を出力する。これにより、第1の排気ラインL1から第2の排気ラインL2へ切り替えるための制御信号をコントローラ70において生成させることができる。このように、真空スイッチ64は、第1の補助ポンプ40のポンプ性能を監視するセンサとして機能する。
ここで、真空スイッチ64が検出する第1及び第2の排気ラインL1,L2の内圧は、逆止弁装置30が開弁する圧力よりも十分低い圧力である。これにより第1の補助ポンプ40のポンプ性能が低下し、第1の排気ラインL1の内圧が上昇したとしても、逆止弁装置30を開弁させることなく、第1の排気ラインL1から第2の排気ラインL2へ切り替えることが可能となる。
これにより、メインポンプ20の消費電力の削減を図ることが可能となるとともに、真空処理装置1を所望の到達真空度を維持することができる。よって第1の補助ポンプ40の動作不良に伴う真空排気装置100の排気性能の低下を防止でき、真空処理装置1における安定した真空処理が確保される。
なお、第2の排気ラインL2を介してメインポンプ20の背圧空間21が排気されている場合についても同様に、真空スイッチ64は、第2の補助ポンプ41のポンプ性能を監視するセンサとして機能する。
真空スイッチ64の設置箇所は第2の流路F2に限定されず、例えば、第3の流路F3及び第5の流路F5にそれぞれ1つずつ設置されてもよい。また、真空スイッチ64を、第1及び第2の異常検出部62,63の一部として用いられてもよいし、第1及び第2の異常検出部62,63の代わりとして用いられてもよい。さらに、真空スイッチ64に代えて、圧力センサが用いられてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に本実施形態によれば、第1の排気ラインL1と第2の排気ラインL2との切替えを自動的に行うことができるため、真空排気装置100の操作性が向上するとともに、作業者の熟練度に関係なく安定かつ適正な切替動作が確保される。
<第3の実施形態>
図6は、本実施形態に係る真空排気装置200の構成を示す配管系統図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る真空排気装置200は、メインポンプ20と、逆止弁装置30と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41と、切替機構とを有する点で第1の実施形態と共通するが、切替機構80の構成が第1の実施形態と異なる。
本実施形態における切替機構80は、第1の補助ポンプ40及び第2の補助ポンプ41各々の吸気側に設置された第1の弁装置81を含む。第1の弁装置81は、第1の補助ポンプ40の吸気側に設置された第1の入口弁81aと、第2の補助ポンプ41の吸気側に設置された第2の入口弁81bとを有し、これら第1及び第2の入口弁81a,81bは、それぞれメインポンプ20の背圧空間21から第1及び第2の補助ポンプ40,41へのガスの流れを順方向とする第1及び第2の逆止弁で構成されている。
本実施形態においては、第1及び第2の補助ポンプ40,41のうちいずれか1つの補助ポンプを起動させることで、当該補助ポンプが属する排気ラインを開放し、かつ他方の排気ラインを閉鎖することができる。
例えば、メインポンプ20の背圧空間21が大気圧と同等又はそれ以下である状態において、第1の補助ポンプ40が起動し、第2の補助ポンプ41が運転を停止しているときは、第1の入口弁81aの背圧(出口側の圧力)が所定の真空度に維持されるため、第1の排気ラインL1を介してメインポンプ20の排気口20b(背圧空間21)を排気することが可能となる。一方、第2の補助ポンプ41は運転が停止されているため、第2の入口弁81bの背圧は大気圧に維持される。これにより、第2の排気ラインL2の閉鎖状態が維持される。
一方、運転中の第1の補助ポンプ40が故障等により所期のポンプ性能を維持できなくなると、第1の入口弁81aが開弁しなくなることで、第1の排気ラインL1が機能不全に陥る。そこで、第1の補助ポンプ40の故障が検出されたときは、第2の補助ポンプ41を起動させることで、第2の排気ラインL2を開放する。これにより、メインポンプ20の背圧空間21を継続して排気することが可能となる。
なお、補助ポンプの故障検出には例えば上述の第2の実施形態と同様に、第1及び第2の入口弁81a,81bの弁体位置を検出する手法や、真空スイッチを用いる手法により検出可能である。
以上のように、本実施形態においても第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に本実施形態によれば、第1及び第2の入口弁81a,81bがそれぞれ逆止弁で構成されているため、これら各弁の開閉操作を必要とすることなく、第1及び第2の排気ラインL1,L2間の切り替えが可能となる。これにより、作業性の向上が図れるようになる。
<第4の実施形態>
図7は、本実施形態に係る真空排気装置300の構成を示す配管系統図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る真空排気装置300は、メインポンプ20と、逆止弁装置30と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41と、切替機構とを有する点で第1の実施形態と共通するが、切替機構90の構成が第1の実施形態と異なる。
本実施形態における切替機構90は、第1の補助ポンプ40及び第2の補助ポンプ41各々の吸気側に設置された弁装置(第1の弁装置)であって、メインポンプ20の背圧空間21に接続される入口Gと、第1の補助ポンプ40に接続される第1の出口V1と、第2の補助ポンプ41に接続される第2の出口V2とを有する三方弁91で構成される。三方弁91は、第2の流路F2から第3及び第5の流路F3,F5へ分岐する分岐点に設けられる。
三方弁91は、第2の流路F2と第3の流路F3とが連通するときは、第2の流路F2と第5の流路F5との連通を遮断し、第2の流路F2と第5の流路F5とが連通するときは、第2の流路F2と第3の流路F3との連通を遮断する機能を有する。したがって、上述の第3の実施形態と同様に、第1及び第2の補助ポンプ40,41のうちいずれか1つの補助ポンプを起動させることで、当該補助ポンプが属する排気ラインを開放し、かつ他方の排気ラインを閉鎖することができる。
以上のように、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。特に本実施系携帯によれば、切替機構90が単一の三方弁91で構成されるため、真空排気装置300の構造の簡素化と部品点数の削減による低コスト化を実現することが可能となる。
<第5の実施形態>
図8は、本実施形態に係る真空排気装置400の構成を示す配管系統図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る真空排気装置400は、メインポンプ20と、逆止弁装置30と、第1の補助ポンプ40と、第2の補助ポンプ41と、切替機構とを有する点で第1の実施形態と共通するが、切替機構150の構成が第1の実施形態と異なる。
本実施形態における切替機構150は、第1の補助ポンプ40及び第2の補助ポンプ41各々の吸気側に設置された第1の弁装置51と、第1の補助ポンプ40及び第2の補助ポンプ41各々の排気側に設置された第2の弁装置52とを含む。第1の弁装置51は、第1の補助ポンプ40の吸気側に設置された第1の入口弁51aと、第2の補助ポンプ41の吸気側に設置された第2の入口弁51bとを有する。第2の弁装置52は、第1の補助ポンプ40の排気側に設置された第1の出口弁52aと、第2の補助ポンプ41の排気側に設置された第2の出口弁52bとを有する。
切替機構150は、第3の弁装置53をさらに有する。第3の弁装置53は、第1の切替弁53aと、第2の切替弁53bとを有する。
第1の切替弁53aは、図8に示すように、第4の流路F4と第5の流路F5とに接続される第8の流路F8に設けられる。第1の切替弁53aは、第1の補助ポンプ40と第1の出口弁52aとの間に連絡する第1のポートP1と、第2の補助ポンプ41と第2の入口弁51bとの間に連絡する第2のポートP2とを有し、第1のポートP1と第2のポートP2との間の連通/遮断を切り替えることが可能に構成される。したがって、第4の流路F4と第5の流路F5との間の連通/遮断が、第1の切替弁53aにより切り替え可能となる。
第2の切替弁53bは、図8に示すように、第3の流路F3と第4の流路F4とに接続される第7の流路F7に設けられる。第2の切替弁53bは、第1の補助ポンプ40と第1の入口弁51aとの間に連絡する第3のポートP3と、第2の補助ポンプ41と第2の出口弁52bとの間に連絡する第4のポートP4とを有し、第3のポートP3と第4のポートP4との間の連通/遮断を切り替えることが可能に構成される。したがって、第3の流路F3と第6の流路F6との間の連通/遮断が、第2の切替弁53bにより切り替え可能となる。
第1及び第2の入口弁51a,51b、第1及び第2の出口弁52a,52b、そして第1及び第2の切替弁53a,53bはそれぞれ、オンオフ弁等の開閉弁であり、例えば電磁弁、空圧弁等で構成される。
次に、本実施形態に係る真空排気装置400の作用について説明する。図9及び図10は、メインポンプ20の背圧空間21の圧力が大気圧と同等又はそれ以下にあるときの真空排気装置400における各弁の開閉状態と、流路内の減圧状態を示す図である。
メインポンプ20の背圧空間21が第1の排気ラインL1で排気される場合、図9に示すように、第1の入口弁51a、第1の出口弁52a及び第2の切替弁53bが開放され、第2の入口弁51b、第2の出口弁52b及び第1の切替弁53aが閉鎖される。これにより、図中の太実線で示す流路内が第1の補助ポンプ40によるポンプ作用で減圧(排気)されることとなる。
なお、第2の補助ポンプ41の排気側が吸気側よりも減圧されるため、運転停止中の第2の補助ポンプ41の内部を通って、第2の補助ポンプ41の吸気側のガスがその排気側へ排気される場合もある。
このような状態で、第1の補助ポンプ40に故障等の異常が検出されると、第1の実施形態と同様に、第2の補助ポンプ41の起動が開始される。そして、図10に示すように、第1の入口弁51a、第1の出口弁52a及び第2の切替弁53bが閉鎖され、第2の入口弁51b、第2の出口弁52b及び第1の切替弁53aが開放される。これにより、図中の太実線で示すように、第1の排気ラインL1に代わって、第2の排気ラインL2がメインポンプ20の背圧空間21を排気することが可能となる。なお、第2の切替弁53bは、第1の補助ポンプ40の交換後に開放される。
以上のように、運転停止中の第2の補助ポンプ41の排気側(及び吸気側)が第1の補助ポンプ40のポンプ作用で大気圧以下に減圧されていることで、第2の補助ポンプ41の起動時における運転負荷を低減することができるとともに、第2の補助ポンプ41の立ち上がり時間を短縮することができる。
なお、第2の排気ラインL2から第1の排気ラインL1への切替動作は、図9に示すように各弁の開閉状態を切り替えることで実行される。この場合も、上述と同様の作用効果を得ることができる。
以上のように、本実施形態においても上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。特に本実施形態によれば、第1及び第2の排気ラインL1,L2の切替時において、第1及び第2の補助ポンプ40,41の立ち上がり時間を短くすることができるため、メインポンプ20の背圧空間21の圧力変動を抑えることが可能となる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加えることは勿論である。
例えば以上の各実施形態では、第1及び第2の排気ラインL1,L2がメインポンプ20の排気口20bに接続されたが、これに限られず、排気口20bを介さない別の経路で背圧空間21へ接続されてもよい。また、メインポンプ20に多段式の容積移送型真空ポンプが採用されている場合、第1及び第2の排気ラインL1,L2が接続される背圧空間は、最終段の背圧空間だけでなく、それよりも上流側の中間段の背圧空間であってもよい。また、排気口20bには消音機能を有するサイレンサや、メインポンプ20から排気されるガス由来の生成物を捕捉するトラップ等の補機が搭載されてもよい。
さらに、以上の第1の実施形態(図1)では、切替機構50として、第1及び第2の補助ポンプ40,41の吸気側に設置された第1の弁装置51(第1及び第2の入口弁51a,51b)を例に挙げて説明した。これに代えて、切替機構50は、図11に示すように、第1及び第2の補助ポンプ40,41の排気側に設置された第2の弁装置52(第1及び第2の出口弁52a,52b)をさらに備えていてもよい。
この場合、例えば第1の排気ラインL1でメインポンプ20の背圧空間21を排気する場合は、第1の入口弁51a、第2の入口弁51b及び第1の出口弁52aを開放し、第2の出口弁52bを閉鎖する。これにより、運転停止中の第2の補助ポンプ41の吸気側も排気されるため、第2の排気ラインL2への切替時、上述の第5の実施形態(図8)と同様に、第2の補助ポンプ41の立ち上がり時間を短くすることができる。
また、補助ポンプの種類によっては、運転停止中の第2の補助ポンプ41の内部を通って、第2の補助ポンプ41の排気側のガスがその吸気側へ吸引される場合もある。このような場合には、第2の出口弁52bが閉鎖されているため、第2の補助ポンプ41の排気側もその吸気側と同様に減圧されることになるため、第2の補助ポンプ41の立ち上がり時間の更なる短縮を図ることが可能となる。
同様に、第2の排気ラインL2でメインポンプ20の背圧空間21を排気する場合については、第1の入口弁51a、第2の入口弁51b及び第2の出口弁52bを開放し、第1の出口弁52aを閉鎖すればよい。
さらに以上の第5の実施形態(図8)では、第3の弁装置53が第1及び第2の切替弁53a,53bで構成されたが、これに代えて、図12に示すように、単一の三方弁53cで構成されてもよい。
三方弁53cは、電磁三方弁で構成され、第1及び第2の補助ポンプ40,41の吸気側(例えば第5の流路F5)に接続される第1の接続口R1と、第1の補助ポンプ40の排気側(第4の流路F4)に接続される第2の接続口R2と、第2の補助ポンプ41の排気側(第6の流路F6)に接続される第3の接続口R3とを有する。そして、三方弁53cは、第1の接続口R1と第3の接続口R3とが相互に連通する第1の状態と、第1の接続口R1と第2の接続口R2とが相互に連通する第2の状態とを切り替え可能に構成される。
そして、三方弁53cは、第1の排気ラインL1でメインポンプ20の背圧空間21を排気する場合には上記第1の状態に切り替えられ、第2の排気ラインL2でメインポンプ20の背圧空間21を排気する場合には上記第2の状態に切り替えられる。これにより、上述の第5の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
さらに、以上の実施形態では、メインポンプ20の補助ポンプとして、第1の補助ポンプ40と第2の補助ポンプ41とが用いられたが、これに限られず、補助ポンプが3台以上設置されてもよい。この場合、3つ以上の排気ラインと、これら3つ以上の排気ラインから1つの排気ラインを選択する切替機構とが設けられる。
さらに、本発明に係る真空排気装置は、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等の高真空排気ポンプの後段に接続される補助排気システムとして適用されることも可能である。
10,100,200,300,400・・・真空排気装置
20・・・メインポンプ
21・・・背圧空間
30・・・逆止弁装置
40・・・第1の補助ポンプ
41・・・第2の補助ポンプ
50,80,90,150・・・切替機構
51・・・第1の弁装置
51a,81a・・・第1の入口弁
51b,81b・・・第2の入口弁
52・・・第2の弁装置
52a・・第1の出口弁
52b・・第2の出口弁
53・・・第3の弁装置
53a・・第1の切替弁
53b・・第2の切替弁
60・・・検出部
70・・・コントローラ
91,53c…三方弁
L1・・・第1の排気ライン
L2・・・第2の排気ライン

Claims (9)

  1. 吐出部を含む背圧空間を有するメインポンプと、
    前記吐出部に接続され、前記吐出部から大気側へのガスの流れを順方向とする逆止弁装置と、
    前記背圧空間を排気可能に前記逆止弁装置と並列的に接続された第1の補助ポンプと、
    前記背圧空間を排気可能に前記逆止弁装置及び前記第1の補助ポンプと並列的に接続された第2の補助ポンプと、
    前記背圧空間を前記第1の補助ポンプで排気する第1の排気ラインと、前記背圧空間を前記第2の補助ポンプで排気する第2の排気ラインとを選択的に切り替える切替機構と
    を具備する真空排気装置。
  2. 請求項1に記載の真空排気装置であって、
    前記切替機構は、前記第1の補助ポンプ及び前記第2の補助ポンプ各々の吸気側に設置された第1の弁装置を含む
    真空排気装置。
  3. 請求項2に記載の真空排気装置であって、
    前記第1の弁装置は、前記第1の補助ポンプの吸気側に設置された第1の入口弁と、前記第2の補助ポンプの吸気側に設置された第2の入口弁とを有する
    真空排気装置。
  4. 請求項3に記載の真空排気装置であって、
    前記第1の入口弁及び前記第2の入口弁は、それぞれ開閉弁である
    真空排気装置。
  5. 請求項3に記載の真空排気装置であって、
    前記第1の入口弁は、前記背圧空間から前記第1の補助ポンプへのガスの流れを順方向とする第1の逆止弁であり、
    前記第2の入口弁は、前記背圧空間から前記第2の補助ポンプへのガスの流れを順方向とする第2の逆止弁である
    真空排気装置。
  6. 請求項2に記載の真空排気装置であって、
    前記第1の弁装置は、前記背圧空間に接続される入口と、前記第1の補助ポンプに接続される第1の出口と、前記第2の補助ポンプに接続される第2の出口とを有する三方弁である
    真空排気装置。
  7. 請求項3に記載の真空排気装置であって、
    前記切替機構は、前記第1の補助ポンプ及び前記第2の補助ポンプ各々の排気側に設置された第2の弁装置を含み、
    前記第2の弁装置は、前記第1の補助ポンプの排気側に設置された第1の出口弁と、前記第2の補助ポンプの排気側に設置された第2の出口弁とを有する
    真空排気装置。
  8. 請求項7に記載の真空排気装置であって、
    前記切替機構は、
    前記第1の補助ポンプと前記第1の出口弁との間に連絡する第1のポートと、前記第2の補助ポンプと前記第2の入口弁との間に連絡する第2のポートとを有し、前記第1のポートと前記第2のポートとの間の連通/遮断を切り替える第1の切替弁と、
    前記第1の補助ポンプと前記第1の入口弁との間に連絡する第3のポートと、前記第2の補助ポンプと前記第2の出口弁との間に連絡する第4のポートとを有し、前記第3のポートと前記第4のポートとの間の連通/遮断を切り替える第2の切替弁と
    を含む第3の弁装置をさらに有する
    真空排気装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の真空排気装置であって、
    前記逆止弁装置の開閉状態を検出する開閉センサと、前記第1の補助ポンプの異常を検出可能な第1の異常検出部と、前記第2の補助ポンプの異常を検出可能な第2の異常検出部とのうち少なくとも1つを含む検出部と、
    前記検出部の出力に基づいて、前記切替機構を制御するように構成されたコントローラとを有する
    真空排気装置。
JP2015221242A 2015-11-11 2015-11-11 真空排気装置 Pending JP2017089512A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015221242A JP2017089512A (ja) 2015-11-11 2015-11-11 真空排気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015221242A JP2017089512A (ja) 2015-11-11 2015-11-11 真空排気装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017089512A true JP2017089512A (ja) 2017-05-25

Family

ID=58769968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015221242A Pending JP2017089512A (ja) 2015-11-11 2015-11-11 真空排気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017089512A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110408913A (zh) * 2019-08-26 2019-11-05 湖南红太阳光电科技有限公司 管式pecvd设备的压力控制装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110408913A (zh) * 2019-08-26 2019-11-05 湖南红太阳光电科技有限公司 管式pecvd设备的压力控制装置
CN110408913B (zh) * 2019-08-26 2021-09-10 湖南红太阳光电科技有限公司 管式pecvd设备的压力控制装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102504078B1 (ko) 진공 배기 시스템 및 이 진공 배기 시스템에 사용되는 채널 전환 밸브
US20110164992A1 (en) Vacuum evacuation device
JP2012136943A (ja) 無給油式スクリュー圧縮機
JP2015014285A (ja) ダイヤフラム真空ポンプ
TWI677626B (zh) 用於極低溫冷凍機的壓縮機單元及低溫泵系統
TWI696760B (zh) 用於產生真空的泵送系統及利用此泵送系統的泵送方法
JP2007100562A (ja) 真空装置
TWI734588B (zh) 真空幫浦系統中的抽泵方法及真空幫浦系統
JP2008088879A (ja) 真空排気装置
JP2003139054A (ja) 真空排気装置
JP2017089512A (ja) 真空排気装置
JP5102068B2 (ja) 多段真空ポンプ
TW201623801A (zh) 用於產生真空的泵送系統及利用此泵送系統的泵送方法
KR20160085782A (ko) 진공 펌프 시스템 및 진공 펌프 시스템을 작동시키기 위한 방법
JP2008088880A (ja) 真空排気装置
JP6594638B2 (ja) 真空排気システム
US20140154123A1 (en) Scroll Pump
JP6445041B2 (ja) 真空ポンプシステムの圧送方法および真空ポンプシステム
TW201619505A (zh) 真空泵系統
JP5600664B2 (ja) 真空ポンプ装置
JP2003083248A (ja) 真空排気システム
JP2019152214A (ja) 真空排気システム
KR20070037880A (ko) 진공배기장치
JP3107794U (ja) 真空排気装置
JP2009091919A (ja) 多段式真空ポンプ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200204