JP2017088851A - 熱可塑性樹脂用接着剤 - Google Patents

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Hiroshi Sawada
浩 澤田
顕士 坂本
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顕士 坂本
ティン 田
Tin Jeon
ティン 田
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Manabu Mizutani
学 水谷
佳奈 久野
Kana Hisano
佳奈 久野
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Abstract

【課題】塗布時に接着部からはみ出すことがあっても、熱可塑性樹脂製接着物における接着部以外の部分の軟化および膨潤を抑制することができる熱可塑性樹脂用接着剤を提供すること。【解決手段】熱可塑性樹脂用接着剤は、少なくとも、前記熱可塑性樹脂製接着物を溶解可能であり、揮発性を有する第1溶剤と、この第1溶剤に溶解可能な熱可塑性樹脂と、前記第1溶剤には相溶性を示し、かつ揮発性を有する一方、前記熱可塑性樹脂製接着物には難溶解性を示し、かつ前記第1溶剤よりは揮発性が低い第2溶剤とを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂用接着剤に関する。
熱可塑性樹脂用接着剤の用途は多様である。たとえば、建築分野では、被接着物としての住宅用建材の表面に、接着物である成形品としての熱可塑性樹脂製の保護シートを貼付する場合に用いられることがある。また、水廻り用などの配管として用いられている塩化ビニル製パイプ(被接着物)と塩化ビニル製継手(接着物)を接着する場合に用いられることがしばしばである。
このような熱可塑性樹脂用接着剤については、用途や要求される性能などを考慮し、組成の改良や工夫などが様々に行われている。
一例として、充填剤の種類を変えても貼付可能な時間を長く維持することができる熱可塑性樹脂用接着剤が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載された熱可塑性樹脂用接着剤は、非アスベスト系充填剤を用いた場合に界面活性剤が含有される接着剤である。この熱可塑性樹脂用接着剤は、接着強度と初期接着強度に優れ、また、高温多湿時の貼付可能な時間が長く、塗布作業性にも優れている。
このような特許文献1などに記載された公知の熱可塑性樹脂用接着剤は、通常、その成分としてテトラヒドロフラン(THF)などの有機溶剤をたとえば60〜90質量%程度含有する、いわゆる溶剤型接着剤である。この溶剤型接着剤は、一般に、接着部に塗布した際に有機溶剤が熱可塑性樹脂製成形品である接着物に浸透して溶解させることによって被接着物への貼付を実現する。
特開2001−207153号公報
ところで、接着剤はその塗布時に接着部からはみ出すことは往々にしてある。前記のとおりの溶剤型接着剤については、たとえば前記保護シートなどのように接着物の厚さが薄いなどの場合、以下の問題が指摘される。すなわち、接着部からはみ出した余剰の接着剤が、前記接着部の端面付近に大量に溜まり、溜まった接着剤に含まれる多量の溶剤が熱可塑性樹脂製接着物の内部にまで浸透する。浸透した溶剤は熱可塑性樹脂製接着物における接着部以外の部分を軟化および膨潤させる。その結果、浸透した溶剤が揮発して接着した後、接着品の外観が低下するのである。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、塗布時に接着部からはみ出すことがあっても、熱可塑性樹脂製接着物における接着部以外の部分の軟化および膨潤を抑制することができる熱可塑性樹脂用接着剤を提供することを課題としている。
前記の課題を解決するために、本発明の熱可塑性樹脂用接着剤は、熱可塑性樹脂製接着物の被接着物への接着が可能である熱可塑性樹脂用接着剤において、この熱可塑性樹脂用接着剤は、少なくとも、前記熱可塑性樹脂製接着物を溶解可能であり、揮発性を有する第1溶剤と、この第1溶剤に溶解可能な熱可塑性樹脂と、前記第1溶剤には相溶性を示し、かつ揮発性を有する一方、前記熱可塑性樹脂製接着物には難溶解性を示し、かつ前記第1溶剤よりは揮発性が低い第2溶剤とを含有することを特徴とする。
本発明の熱可塑性樹脂用接着剤によれば、塗布時に接着部からはみ出すことがあっても、熱可塑性樹脂製接着物における接着部以外の部分の軟化および膨潤を抑制することができる。
以下、本発明の熱可塑性樹脂用接着剤に関し、その実施形態に基づいて詳述する。
熱可塑性樹脂用接着剤は、熱可塑性樹脂製接着物の被接着物への接着を可能とする、いわゆる溶剤型接着剤である。具体的には、前記熱可塑性樹脂用接着剤は、少なくとも、熱可塑性樹脂と、第1溶剤と、第2溶剤とを含有する。前記熱可塑性樹脂は前記第1溶剤に溶解可能である。前記第1溶剤は前記熱可塑性樹脂製接着物を溶解可能であり、揮発性を有する。前記第2溶剤は、前記第1溶剤には相溶性を示し、かつ揮発性を有する一方、前記熱可塑性樹脂製接着物には難溶解性を示し、かつ前記第1溶剤よりは揮発性が低い。
このような熱可塑性樹脂用接着剤では、前記第2溶剤は、炭素数が4以上のアルコール類、エーテル類、グリコール類、グリコールエステル類、グリコールエーテル類、グライム類、またはテルペン類の1種またはそれ以上であることが好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂用接着剤では、前記第2溶剤は、1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、イソプレノール、オクタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ソルフィット、またはターピネオールの1種またはそれ以上であることが好ましい。
さらに、前記熱可塑性樹脂用接着剤では、前記第2溶剤は、前記第1溶剤の揮発にともなって前記第1溶剤中で固体として析出可能な溶剤であることが好ましい。
さらにまた、前記熱可塑性樹脂用接着剤では、前記第2溶剤はセタノールであることが好ましい。
この場合、前記熱可塑性樹脂用接着剤では、前記第2溶剤として前記第1溶剤が揮発しても液状を維持する溶剤を併用することが好ましい。
そして、前記熱可塑性樹脂用接着剤では、前記熱可塑性樹脂製接着物の熱可塑性樹脂が塩化ビニル樹脂であり、前記第1溶剤が少なくともシクロヘキサノンを含有する溶剤であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂用接着剤をより具体的に説明すると、その一成分である前記熱可塑性樹脂は以下に例示される。すなわち、軟質または硬質の塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリレート・スチレン・アクリロニトリル(ASA)樹脂、メタクリル(アクリル)樹脂などである。溶剤に溶解する際の作業性や接着剤としてのハンドリング性などを考慮する場合、軟質または硬質の塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、または塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂が好適である。このような熱可塑性樹脂は、単独または2種以上を組み合わせることができる。また、前記熱可塑性樹脂の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を含め、任意の製造方法の適用が可能である。さらに、前記熱可塑性樹脂の前記第1溶剤への溶解方法も特に限定されない。たとえば高速ディスパーなどの使用が例示される。
前記熱可塑性樹脂用接着剤の全量に対する前記熱可塑性樹脂の配合割合(質量%)は、0%および100%を除く限りにおいて特に限定されることはないが、20%以上40%未満が好ましく例示される。前記熱可塑性樹脂の配合割合が前記範囲内にあれば、前記熱可塑性樹脂製接着物と前記被接着物の接着性が良好となる。また、前記熱可塑性樹脂用接着剤の粘度が適度なものとなり、接着剤としてのハンドリング性や安定性を確保するのに有効ともなる。
前記熱可塑性用樹脂接着剤の他の一成分である前記第1溶剤は、以下に例示される。すなわち、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジイソプロピルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)などである。前記熱可塑性樹脂の溶解性や接着剤の初期乾燥性を考慮する場合、THF、アセトン、シクロヘキサノン、ジイソプロピルケトン、またはトルエンが好適であり、これらの中でもシクロヘキサノンは特に好ましく例示される。このような第1溶剤も、前記熱可塑性樹脂と同様に、単独または2種以上を組み合わせることができる。また、前記第1溶剤の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を含め、任意の製造方法の適用が可能である。
前記熱可塑性樹脂用接着剤の全量に対する前記第1溶剤の配合割合(質量%)は、0%および100%を除く限りにおいて特に限定されることはないが、45%以上80%未満が好ましく例示される。前記第1溶剤の配合割合が前記範囲内にあれば、前記熱可塑性樹脂と同様に、前記熱可塑性樹脂製接着物と被接着物の接着性が良好となる。また、前記熱可塑性樹脂用接着剤の粘度が適度なものとなり、接着剤としてのハンドリング性や安定性を確保するのに有効ともなる。
前記熱可塑性用樹脂接着剤の他の一成分である前記第2溶剤は、前記第1溶剤には相溶性を示し、かつ揮発性を有する一方、前記熱可塑性樹脂製接着物には難溶解性を示し、かつ前記第1溶剤よりは揮発性が低い溶剤である。このような特性を有する前記第2溶剤は、前記熱可塑性樹脂製接着物に前記第1溶剤が浸透するのを抑制するのに有効となる。
前記第2溶剤としては、炭素数が4以上のアルコール類、エーテル類、グリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類、グライム類、またはテルペン類の1種またはそれ以上が例示される。
炭素数が4以上の前記アルコール類としては、以下のアルコールが例示される。
すなわち、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、プレノール、イソプレノール、tert−ブチルアルコール、シクロペンタノール、アリルアルコールである。また、1−ノナノール、1−デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、オクタノール、セタノールである。さらに、パルミトレイルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステリアルアルコール、イソステリアルアルコール、エラリジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコールである。さらにまた、エライドリノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、1−ヘプタコサノールである。さらにまた、モンタニルアルコール、1−ノナコサノール、ミリシルアルコール、1−ドリシルアルコール、ゲジルアルコール、セテアリルアルコールである。
前記エーテル類としては、たとえば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルソロソルブ、1−4ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、ブチルカルビトールなどが例示される。
前記グリコール類としては、たとえば、エチレングリコール、ポリエチレングリオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジエチレングリコールなどが例示される。
前記グリコールエーテル類は以下に例示することができる。すなわち、メチルカルビトール、メチルドリグリコール、プロピレングリコールモノエーテル(PM)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(MMB)、ヘキシジルグリコールである。また、メトテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPDM)、ソルフィットである。
前記グリコールエステル類としては、たとえば、エチソロアセ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテートなどが例示される。
前記グライム類としては、たとえば、モノグライム、ジグライム、エチルグライム、エチルジグライム、トリグライム、ブチルジグライム、テトラグライムなどが例示される。
前記テルペン類としては、α−ピネン、β−ピネン、α−テルピネン、カンフェン、トリシクレン、ミルセン、ロンギフォーレン、α−リモネン、ターピノーレン、アロオシメン、メンタノール、ターピネオール、ジペンテン、pメンタンなどが例示される。
以上の第2溶剤の中でも、炭素数が4以上の前記アルコール類である1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、イソプレノール、またはオクタノールは、入手のしやすさおよび前記第1溶剤と混合する際の作業性という観点などから好ましく例示される。同様の理由により、前記グリコール類であるイソプレングリコール、および前記グリコールエーテル類であるジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)またはソルフィットも好ましく例示される。さらに、前記テルペン類であるターピネオールも好ましく例示される。
また、前記第2溶剤には、前記第1溶剤の揮発にともなって第1溶剤中で固体として析出可能な溶剤を採用することもできる。この場合の前記第2溶剤としては、たとえば、炭素数が9以上である、前記のとおりのミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキシジルアルコールなどが例示される。
このような第1溶剤の揮発にともなって前記第1溶剤中で固体として析出可能な溶剤を併用する場合、前記第2溶剤には、前記第1溶剤が揮発しても液状を維持する溶剤を併用することもできる。この場合の前記第2溶剤としては、たとえば、炭素数が4以上である前記アルコール類としても例示した、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが例示される。
このような第2溶剤も、前記第1溶剤と同様に、単独または2種以上を組み合わせることができる。たとえば、前記第2溶剤として、炭素数が4のアルコール類と炭素数が5のアルコール類との混合物などを採用することができる。また、前記第2溶剤の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を含め、任意の製造方法の適用が可能である。
前記熱可塑性樹脂用接着剤の全量に対する前記第2溶剤の配合割合(質量%)は、全量に対し0%および100%を除く限りにおいて特に限定されることはないが、5%以上35%未満が好ましく例示される。前記第2溶剤の配合割合が前記範囲内にあれば、前記熱可塑性樹脂製の被接着物への前記第1溶剤の浸透抑制に有効であり、かつ溶剤型接着剤としての安定性を確保するのに効果的となる。
以上の、前記熱可塑性樹脂、前記第1溶剤、および前記第2溶剤を少なくとも含有する前記熱可塑性樹脂用接着剤は、塗布時に前記接着部からはみ出すことがあっても、前記熱可塑性樹脂製接着物における前記接着部以外の部分の軟化および膨潤の抑制を実現する。このため、接着後の接着品の外観は良好に保持される。前記接着部からはみ出す余剰の前記熱可塑性樹脂用接着剤が前記接着部の前記端面付近に大量に溜まることがあったとしても、余剰の前記熱可塑性樹脂用接着剤に含まれる前記第1溶剤は前記熱可塑性樹脂製接着物の内部まで浸透しにくくなる。このため、接着後の接着品が良好な外観を保持することが可能となる。その理由は、前記第2溶剤が、前記熱可塑性樹脂製接着物には難溶解性を示し、揮発性が前記第1溶剤よりも低く、前記第1溶剤が接着物の内部まで浸透するのを障害物となって抑制するためであると考えられる。
なお、前記のとおりの熱可塑性樹脂用接着剤には、用途などに応じ、たとえばレオロジーコントロール剤などを添加することが可能である。レオロジーコントロール剤としては、煙霧質シリカ、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウム、水添ひまし油、脂肪酸アマイドなどが例示される。チクソ性を考慮する場合、煙霧質シリカ、有機ベントナイト、または脂肪酸アマイドが好適である。また、この場合の前記熱可塑性樹脂用接着剤の全量に対する前記添加剤の配合割合は、一般的には0.5〜10質量%が例示される。
また、前記熱可塑性樹脂用接着剤は、前記レオロジーコントロール剤の他、前記熱可塑性樹脂製接着物に前記第1溶剤が過度に浸透しない限りにおいて以下の添加剤を含有することもできる。前記添加剤はたとえば以下に例示される。無機充填剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、熱光安定剤、分散剤、帯電防止剤、重合禁止剤、消泡剤、硬化促進剤、無機蛍光体である。また、老化防止剤、ラジカル禁止剤、接着性改良剤、難燃剤、保存安定性改良剤、オゾン老化防止剤、可塑剤、放射線遮断剤、核剤、シランカップリング剤である。さらに、導電性付与剤、リン系過酸化物分解剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤である。
前記熱可塑性樹脂用接着剤は、通常、常温下で使用可能であり、前記熱可塑性樹脂製接着物または前記被接着物に刷毛、へら、ハンドローラーなどを用いて塗布することができる。
なお、前記熱可塑性樹脂製接着物としては、建築分野では、水廻り用などの配管や雨樋などの熱可塑性樹脂製成形品が例示され、特に、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂などから成形された成形品が好ましく例示される。前記被接着物は、前記熱可塑性樹脂製接着物の前記熱可塑性樹脂用接着剤による接着が可能な材質のものである限り特に限定されない。たとえば、前記被接着物として、前記熱可塑性樹脂製成形品はもちろんのこと、木質ボード、樹脂製マット、金属部材なども例示される。
次に実施例を示し、本発明の熱可塑性樹脂用接着剤についてさらに詳しく説明する。
(実施例1〜10)
塩化ビニル樹脂製のパイプと、同樹脂製で厚さが1mmの継手との接着を行った。この接着に使用した熱可塑性樹脂用接着剤は、その成分に、熱可塑性樹脂として塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を含有するものとした。また、熱可塑性樹脂用接着剤は、第1溶剤としてシクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、およびトルエンを含有するものとした。一方、熱可塑性樹脂用接着剤では、第2溶剤は、以下の溶剤の単独または2種の組合せとした。すなわち、実施例1〜6では、炭素数が4以上のアルコール類であるイソブチルアルコール、グリコールエーテル類であるソルフィットまたはジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、テルペン類であるターピネオール、または炭素数が9以上であるセタノールを使用した。また、実施例7〜10では、炭素数が4であるイソブチルアルコール、または炭素数が5であるイソアミルアルコールまたはイソプレノールを使用した。
実施例1〜10で使用した熱可塑性樹脂用接着剤の具体的な配合割合は表1および表2に示したとおりであり、各成分の配合割合を実施例ごとに変えた。
なお、前記熱可塑性樹脂用接着剤の塗布量は約0.005g/cm2とした。
Figure 2017088851
Figure 2017088851
(比較例1)
比較例1では、第2溶剤を成分として含有しない接着剤を使用した以外は実施例1〜10と同様な接着を行った。比較例1で使用した接着剤の成分および配合割合も表1に示した。
実施例1〜10および比較例1で得られた試験体について、継手において接着部からはみ出した部分の外観の様子および接着剤による接着力を評価した。また、接着時の接着剤の粘度を評価し、これらを考慮して総合評価を行った。外観の評価は接着後10日間放置し、膨潤に起因すると考えられる凹みなどの外観異常の有無を目視により行い、また、接着力の評価は、接着後の翌日に継手がパイプから簡単に外れるか否かを指標とした。接着剤の粘度は、接着時の作業性の難易度を指標とした。これらの結果を表1および表2に併せて示した。
表1および表2における評価の表示の意味は以下のとおりである。
外観の様子
Very good(良好):凹みなどの外観異常の発生なし
Good(ほぼ良好):凹みなどの外観異常がわずかに発生
Not good(不良):凹みなどの外観異常が顕著に発生
接着力
Very good:外れなかった
Good:簡単には外れなかった
Not good:簡単に外れた
接着剤の粘度
Very good:接着剤を塗布する際の作業性が良好
Good:接着剤が流れやすい、硬いなどのため、作業性がやや悪い
Not good:途中で硬化してしまうなど、作業性が悪い
表1および表2に示したように、第2溶剤を含有する熱可塑性樹脂用接着剤を用いて接着した場合(実施例1〜10)、熱可塑性樹脂用接着剤が接着部からはみ出した部分において熱可塑性樹脂製接着物である継手に凹みなどの外観異常の発生が抑制されることが確認された。また、接着力は良好またはほぼ良好に保持された。さらに、接着剤の粘度も適度であった。一方、第2溶剤を含有しない接着剤を用いて接着した場合(比較例1)、接着剤が接着部からはみ出した部分において熱可塑性樹脂製接着物である継手に凹みなどの外観異常の発生が確認された。
実施例1〜10に用いた熱可塑性樹脂用接着剤の有効性が理解される。すなわち、熱可塑性樹脂用接着剤は、第2溶剤を必須成分の一つとして含有するため、熱可塑性樹脂用接着剤は、塗布時に接着部からはみ出すことがあっても、熱可塑性樹脂製接着物における接着部以外の部分の軟化および膨潤を抑制することができる。
なお、実施例1〜10に関する表1および表2に示した評価から、熱可塑性樹脂用接着剤における熱可塑性樹脂、第1溶剤、第2溶剤の配合割合は、それぞれ、20質量%以上40質量%未満、45%質量以上80質量%未満、5質量%以上35質量%未満が好ましいことが確認された。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂製接着物の被接着物への接着が可能である熱可塑性樹脂用接着剤において、
    この熱可塑性樹脂用接着剤は、
    少なくとも、前記熱可塑性樹脂製接着物を溶解可能であり、揮発性を有する第1溶剤と、
    この第1溶剤に溶解可能な熱可塑性樹脂と、前記第1溶剤には相溶性を示し、かつ揮発性を有する一方、前記熱可塑性樹脂製接着物には難溶解性を示し、かつ前記第1溶剤よりは揮発性が低い第2溶剤と
    を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂用接着剤。
  2. 前記第2溶剤は、炭素数が4以上のアルコール類、エーテル類、グリコール類、グリコールエステル類、グリコールエーテル類、グライム類、またはテルペン類の1種またはそれ以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂用接着剤。
  3. 前記第2溶剤は、1−ブタノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、イソプレノール、オクタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ソルフィット、またはターピネオールの1種またはそれ以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂用接着剤。
  4. 前記第2溶剤は、前記第1溶剤の揮発にともなって前記第1溶剤中で固体として析出可能な溶剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂用接着剤。
  5. 前記第2溶剤はセタノールであることを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性樹脂用接着剤。
  6. 前記第2溶剤として、前記第1溶剤が揮発しても液状を維持する溶剤を併用することを特徴とする請求項4または5に記載の熱可塑性樹脂用接着剤。
  7. 前記熱可塑性樹脂製接着物の熱可塑性樹脂が塩化ビニル樹脂であり、前記第1溶剤が少なくともシクロヘキサノンを含有する溶剤であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂用接着剤。
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